JP4997527B2 - 排気ガス処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description
そのため、本発明者らにより、更に、大気圧非平衡低温プラズマ処理と化学反応プロセスを結合させ、プラズマによりまずNOを低電力で完全に酸化させ、生じたNO 2 をNa 2 SO 3 により還元するハイブリッド法により、N 2 Oなどの副生成物の発生を抑制させつつ、選択的触媒還元法の1/4以下のコストとなる従来技術1としての高効率NOx除去法が開発された。
吸着塔の吸着筐体内に排気ガスを第1の方向に流れるように流入させ、排気ガス中のNOxを含む被処理成分を吸着剤に吸着させる吸着工程と、
吸着塔の排気ガス管に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させて熱交換により吸着剤に熱を付加すると共に、酸素濃度10vol%以下で純度90vol%以上の窒素ガスを前記第1の方向とは逆向きの第2の方向に流れるように吸着筐体内に流入させて、吸着剤に吸着した被処理成分を脱離させる脱離工程と、
吸着剤から脱離させた被処理成分を含む窒素ガスをプラズマ処理部に導いてプラズマ処理するプラズマ処理工程とを含み、
吸着塔において吸着工程と脱離工程とを切り換えて行なう排気ガス処理方法が提供される。
(1)前記プラズマ処理工程において、交流電圧による沿面放電方式を用いる。
(2)前記吸着塔は、排気ガス中の水分を除去する除湿剤およびこの除湿剤に前記排気ガス管が埋設されるように除湿剤を収容する除湿剤筐体をさらに備えており、
前記吸着工程において、前記除湿剤筐体内に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させた後、除湿剤筐体内から排出された排気ガスを前記吸着筐体内に流入させ、
前記脱離工程において、吸着塔の排気ガス管に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させて熱交換により除湿剤に熱を付加すると共に、除湿剤筐体内に水分脱離用エアを前記第2の方向に流れるように流入させて前記除湿剤から水分を脱離させる。
(3)前記吸着塔が複数備えられ、複数の吸着塔を切り換えて排気ガス処理を行う。
NOx含有被処理成分を含む排気ガスを前記吸着筐体内に第1の方向に流れるように流入させて被処理成分を吸着剤に吸着させるための第1排気ガス流入部と、
被処理成分が吸着剤にて除去された処理済みの排気ガスを吸着筐体内から外部に排出するための第1排気ガス排出部と、
排気ガスを前記排気ガス管内に前記第1の方向に流れるように流入させて吸着筐体内の被処理成分を吸着した吸着剤に排気ガスの熱を付加するための第2排気ガス流入部と、
排気ガス管内を通った排気ガスを外部に排出させるための第2ガス排出部と、
吸着剤から被処理成分を脱離させる酸素濃度10vol%以下で純度90vol%以上の窒素ガスを前記第1の方向とは逆向きの第2の方向に流れるように吸着筐体内に流入させるための窒素ガス流入部と、
吸着剤から脱離した被処理成分を含む窒素ガスを吸着筐体内から外部に排出するための窒素ガス排出部と、
前記窒素ガス排出部から流入した被処理成分を含む窒素ガスをプラズマ処理して外部に排出するためのプラズマ処理部とを備え、
吸着剤に被処理成分を吸着させるための吸着筐体に対する排気ガスの流入・処理済みの排気ガスの排出と、吸着剤から被処理成分を脱離させるための吸着筐体に対する窒素ガスの流入・排出および排気ガス管に対する排気ガスの流入・排出とが、吸着塔において切り換わるように構成された排気ガス処理装置が提供される。
(A)前記プラズマ処理部が、交流電圧による沿面放電素子を備える。
(B)前記吸着塔は、排気ガス中の水分を除去する除湿剤およびこの除湿剤に前記排気ガス管が埋設されるように除湿剤を収容する除湿剤筐体をさらに備えると共に、
水分脱離用エアを前記除湿剤筐体内に前記第2の方向に流れるように流入させる水分脱離用エア流入部と、水分を含む前記水分脱離用エアを除湿剤筐体内から外部に排出するための水分脱離用エア排出部とがさらに備えられる。
(C)前記吸着塔を複数備え、複数の吸着塔を切り換えて排気ガス処理を行なうように構成される。
さらに本発明では、排気ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx)などの被処理成分を吸着剤に吸着(吸収とも言う)させる吸着工程と、被処理成分の脱離を排気ガスの熱を伝熱させて行う脱離工程と、窒素ガスを主成分とするガスにより吸着剤を再生する工程と、吸着工程の下流にあるプラズマ処理部(プラズマリアクタ)にて窒素酸化物を処理する工程とを組み合わせることにより、急速かつ高効率に行うシステムを順次に備えるようにしたことを特徴とする。
これにより被処理成分を高濃度化すると同時に、吸着剤の再生を行うガス処理方法、ならびにその下流でさらに、窒素ガスを主成分とするプラズマにより、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)などの被処理成分を高効率に除去して大気中に排出する排気ガス処理方法、ならびに以上の技術を利用し、吸着剤の切り替え、排気ガスの循環処理を行い、高効率、省エネルギーなガス処理方法と装置を提供し、地球環境の保全に資するものである。
吸着塔AとBは同じものである。吸着塔AとBは、NOx吸着剤1を充填した部分と、エンジン排ガスの水分を除去する除湿剤2を充填した部分と、からなる筐体3を備える。なお、筐体3におけるNOx吸着剤1を充填した部分が前記吸着筐体である。
以下、単に「吸着塔」という場合は、吸着塔AとBの両方について説明していることとする。
吸着塔内部には排気ガス管4が埋め込まれており、ここに排気ガスを流通させることで、除湿剤2、NO吸着剤1を加熱し、吸着した水分やNOxを脱離させ、吸着力を再生する。この吸着塔内に埋め込まれた排気ガス管4の内外では、ガス交換はされず、熱交換のみが生じる。
吸着塔AとBは、NOx吸着工程と吸着剤の再生工程を交互に繰り返す。図1では吸着塔Aが再生工程にあり、吸着塔BがNOx吸着工程にある。この状態では開閉バルブ5a:開、5b:閉となっている。
ディーゼルエンジンからの排気ガスは、まず、3方弁aを通って、流入口6(第2排気ガス流入部)から吸着塔Aの内部に埋め込まれた排気ガス管4を通り、吸着塔AのNOx吸着剤1と除湿剤2を加熱するとともに、自身は冷却される。なお、この排気ガスが吸着塔Aの排気ガス管4内を流れる方向は前記第1の方向である。
吸着塔Aを出た排気ガスは空冷熱交換器7で露点以下に冷却され、凝縮した水分はドレインポット8で捕集される。この工程である程度除湿された排気ガスはさらに、吸着塔Bの除湿剤2に流入して、さらに乾燥され、次に3方弁g,fと通って、第1排気ガス流入部からNOx吸着剤1に流入し、吸着剤1によってNOxを除去された後、第1排気ガス排出部から3方弁eを通って、排気口9から大気中に排出される。なお、この排気ガスが吸着塔Bの除湿剤2およびNOx吸着剤1を流れる方向も前記第1の方向である。
一方、再生工程にある吸着塔Aでは、まず、水分脱離用のエア10が、大気中からエアポンプ(図示なし)等によって供給ライン11から水分脱離用エア流入部の3方弁dを通って、除湿剤2に送り込まれている。加熱されて除湿剤2から脱離した水蒸気はこのエアによって運ばれ、水分脱離用エア排出部および開閉バルブ5aを通って、大気中に排出される。なお、この水分脱離用のエア10の除湿剤2を流れる方向は前記第2の方向である。
次に、NOx脱離用の窒素12はパイプライン13から3方弁bを通って、第1排気ガス流入部からNOx吸着剤1に流入し、加熱によって脱離されたNOxを含んで、第1排気ガス排出部から3方弁cを通ってプラズマ処理部としてのプラズマリアクタ14に流入する。プラズマリアクタ14ではNOxは窒素非熱プラズマによってN2に還元され、大気中に排出される。なお、このNOx脱離用の窒素12がNOx吸着剤1を流れる方向も前記第2の方向である。
また、脱離用窒素ガスやエアの流れの向きは、被処理ガスの流れの向きと対抗方向にすることが好ましい。もし、脱着用窒素ガスやエアの流れの向きを、被処理ガスと同一にすると、高温によって脱離したNOxまたは水分が、脱離ガスの下流部分で、再吸着しやすくなる。これは、窒素ガスやエアに運ばれたNOxや水分が、これら成分の蓄積量が少ない吸着剤の領域を通過するためである(蓄積量が少ないと吸着力は強くなる)。
しかし、装置の大きさや装備、配置場所によっては、必ずしも実施形態通りの流れとしなくても実施できる。
図1で示すように、吸着剤筐体と除湿剤筐体は直列につながり、吸着塔Aを構成し、図2の筐体および配管の上下左右は便宜的なものであり、実際には筐体のどの面を上にするかは塔の配置によって設計できることである。
加熱用の排気ガスは、図1、図2の左側の第2排気ガス流入部としての流入口6,33から入り、仕切り板32で一旦せき止められてから、扁平な複数の扁平管25に流入する。扁平管25を通る排気ガスは扁平管25の外側に充填された吸着剤ペレット1を加熱した後、扁平管25を出て、図の右側の第2排気ガス排出部としての流出口から、吸着塔外に出る。この時、加熱用の排気ガスは吸着剤ペレット1と触れることはない。扁平管25の管断面形状を扁平としたのは伝熱面積を大きくするためである。
NO脱離用窒素ガス12は図1の上方から、窒素ガス供給管13を経て窒素ガス流入部から吸着塔内の吸着筐体内に流入し、図2に示すように、開口部29から入り、メッシュ31を通って、吸着剤ペレット1の充填された領域に入る。NO脱離用窒素ガス12はペレット間の隙間を通って、ペレットに吸着されたNOx成分を脱離しながら、図の左方に進み、メッシュ30を通って、窒素ガス排出部から上方に出てプラズマリアクタ14に行く。
さらに詳しく説明すると、実線で示す工程では、吸着剤から被処理成分を脱離させるための吸着筐体に対する窒素ガスの流入・排出および排気ガス管に対する排気ガスの流入・排出を行う脱離工程が吸着塔Aで行われ、吸着剤に被処理成分を吸着させるための吸着筐体に対する排気ガスの流入・処理済みの排気ガスの排出を行う吸着工程が吸着塔Bで行われており、吸着塔Aと吸着塔Bは、脱離工程と吸着工程が切り替え可能に配置されている。
交流電圧による沿面放電素子41は、図4(4)に示すように、電極パターン45がセラミック管46の外面に形成され、セラミック管の上部には取り付け用フランジ47が付設されている。例えば、直径13 mmのアルミナセラミック製の筒46の表面に電極パターン45が印刷され、同時に筒内に電極48が埋設されている。表面の電極パターン45と埋設された電極48間に交流高電圧(たとえば、12.5kHz,3.8 kV,(図5(1)の波形1参照)を印加すると、セラミック表面にプラズマが発生し、周囲のNOxをN2に還元する。素子1本あたりの放電電力は約12 Wである。
ヒーター部分には、ガラス容器の外周に断熱材78を囲繞させておく。なお、金属メッシュ79はMS13Xペレット77を落ちないように支持している。
以上から、酸素濃度10vol%以下で純度90vol%以上の窒素ガスを用いた。
a,b,c,d,e,f,g, 3方弁
1 NOx吸着剤(吸着剤ペレット)
2 除湿剤
3 筐体
4 管
5a,b 開閉弁
6 排気ガス流入口
7 空冷熱交換器
8 ドレインポット
9 排気口
10 水分脱離用エアー
11 エアー供給ライン
12 NO脱離用窒素ガス
13 窒素ガス供給ライン
14 プラズマリアクタ
21 四角形筐体
22 四角形枠体
23 開口部
24 蓋体
25 扁平管
26,27 補助枠体
28、29 配管用開口部
30、31 メッシュ
32 仕切り板
33 流入口
41 沿面放電素子
42,43 素子取付け板
44 本体容器
45 電極パターン
46 セラミック管
47 取付けフランジ
48 電極
49 電極パターン位置
71 ヒーター
72 ガラス管
73 ニクロム線
74 ガス入口
75 ガス出口
76 耐熱性ガラス管
77 ペレット
78 断熱材
79 金属メッシュ
81 アルミニウム容器
82 ガス入口
83 ガス出口
Claims (8)
- 吸着剤を収容する吸着筐体及び吸着剤に接するように埋設された排気ガス管を有する吸着塔が備えられた排気ガス処理装置を用い、
吸着塔の吸着筐体内に排気ガスを第1の方向に流れるように流入させ、排気ガス中のNOxを含む被処理成分を吸着剤に吸着させる吸着工程と、
吸着塔の排気ガス管に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させて熱交換により吸着剤に熱を付加すると共に、酸素濃度10vol%以下で純度90vol%以上の窒素ガスを前記第1の方向とは逆向きの第2の方向に流れるように吸着筐体内に流入させて、吸着剤に吸着した被処理成分を脱離させる脱離工程と、
吸着剤から脱離させた被処理成分を含む窒素ガスをプラズマ処理部に導いてプラズマ処理するプラズマ処理工程とを含み、
吸着塔において吸着工程と脱離工程とを切り換えて行なうことを特徴とする排気ガス処理方法。 - 前記プラズマ処理工程において、交流電圧による沿面放電方式を用いる請求項1に記載の排気ガス処理方法。
- 前記吸着塔は、排気ガス中の水分を除去する除湿剤およびこの除湿剤に前記排気ガス管が埋設されるように除湿剤を収容する除湿剤筐体をさらに備えており、
前記吸着工程において、前記除湿剤筐体内に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させた後、除湿剤筐体内から排出された排気ガスを前記吸着筐体内に流入させ、
前記脱離工程において、吸着塔の排気ガス管に排気ガスを前記第1の方向に流れるように流入させて熱交換により除湿剤に熱を付加すると共に、除湿剤筐体内に水分脱離用エアを前記第2の方向に流れるように流入させて前記除湿剤から水分を脱離させる請求項1又は2に記載の排気ガス処理方法。 - 前記吸着塔が複数備えられ、複数の吸着塔を切り換えて排気ガス処理を行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の排気ガス処理方法。
- 吸着剤を収容する吸着筐体および吸着剤に接するように埋設された排気ガス管を有する吸着塔と、
NOx含有被処理成分を含む排気ガスを前記吸着筐体内に第1の方向に流れるように流入させて被処理成分を吸着剤に吸着させるための第1排気ガス流入部と、
被処理成分が吸着剤にて除去された処理済みの排気ガスを吸着筐体内から外部に排出するための第1排気ガス排出部と、
排気ガスを前記排気ガス管内に前記第1の方向に流れるように流入させて吸着筐体内の被処理成分を吸着した吸着剤に排気ガスの熱を付加するための第2排気ガス流入部と、
排気ガス管内を通った排気ガスを外部に排出させるための第2ガス排出部と、
吸着剤から被処理成分を脱離させる酸素濃度10vol%以下で純度90vol%以上の窒素ガスを前記第1の方向とは逆向きの第2の方向に流れるように吸着筐体内に流入させるための窒素ガス流入部と、
吸着剤から脱離した被処理成分を含む窒素ガスを吸着筐体内から外部に排出するための窒素ガス排出部と、
前記窒素ガス排出部から流入した被処理成分を含む窒素ガスをプラズマ処理して外部に排出するためのプラズマ処理部とを備え、
吸着剤に被処理成分を吸着させるための吸着筐体に対する排気ガスの流入・処理済みの排気ガスの排出と、吸着剤から被処理成分を脱離させるための吸着筐体に対する窒素ガスの流入・排出および排気ガス管に対する排気ガスの流入・排出とが、吸着塔において切り換わるように構成されたことを特徴とする排気ガス処理装置。 - 前記プラズマ処理部が、交流電圧による沿面放電素子を備えた請求項5に記載の排気ガス処理装置。
- 前記吸着塔は、排気ガス中の水分を除去する除湿剤およびこの除湿剤に前記排気ガス管が埋設されるように除湿剤を収容する除湿剤筐体をさらに備えると共に、
水分脱離用エアを前記除湿剤筐体内に前記第2の方向に流れるように流入させる水分脱離用エア流入部と、水分を含む前記水分脱離用エアを除湿剤筐体内から外部に排出するための水分脱離用エア排出部とがさらに備えられた請求項5又は6に記載の排気ガス処理装置。 - 前記吸着塔を複数備え、複数の吸着塔を切り換えて排気ガス処理を行なうように構成された請求項5〜7のいずれか1つに記載の排気ガス処理装置。
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