JP4997595B2 - 床反力推定システム並びに床反力推定方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に提案される荷重測定装置(S)は、靴の形状をなし、地面と下面が接地するソール部(B)と、ソール部(B)周縁から上方に延出し、足側面並びに足上面を取り囲むアッパ部(U)と、ソール部(B)上面とアッパ部(U)内面とで囲まれる空間内に配される中敷部(I)と、中敷部(I)下面とソール部(B)上面の間に配される3分力荷重センサ(L)を備える。
3分力荷重センサ(L)は、ソール部(B)の上面に対して直角な方向(即ち、上下方向)の力成分と、ソール部(B)の上面に対して平行であって、ソール部(B)の前後方向の力成分と、ソール部(B)の左右方向の力成分を測定可能である。
特許文献1に開示される荷重測定装置(S)は、ソール部(B)上面に対して直交する方向の力成分を精度よく算出するために、地面から足裏に伝達される力の経路を横切るようにソール部(B)上面略全体を覆うように3分力荷重センサ(L)が配置される。
このことは結果として、ソール部(B)の可撓性を失わせる。そして、荷重測定装置(S)を着用して、踏圧を測定される被験者の歩行は不自然なものとなり、通常の歩行状態とは異なる歩行状態の踏圧データが生ずることとなる。
結果として、1つの荷重測定装置(S)に対して適用可能な足のサイズは1つに定まるものとなり、多数の被験者を対象とすることが困難であった。したがって、足のサイズが異なる被験者が存在する場合には、サイズの異なる複数の荷重測定装置(S)を用意する必要が生ずる。
請求項2記載の発明は、床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた前記第1工程により得られる算出値との関係から、前記第3工程で得られる床反力の算出値と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数が同定されることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項4記載の発明は、前記傾斜角度検知器が、ソール上面の傾斜角度の変化率を測定するとともに前記解析装置に出力し、該解析装置が、出力された傾斜角度の変化率を積分することによりソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項5記載の発明は、前記傾斜角度検知器が、前記ソール上面の傾斜動作の角加速度を測定するとともに前記解析装置に出力し、該解析装置が、出力された角加速度を積分することによりソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項6記載の発明は、前記傾斜角度検知器が、加速度センサであり、該加速度センサは、前記ソール上面に対して平行方向の加速度成分と、前記ソール上面に対して直角方向の加速度成分を測定し、前記ソールに働く重力加速度と前記平行方向の加速度成分の比、前記ソールに働く重力加速度と前記直角方向の加速度成分の比又は前記平行方向の加速度成分と前記直角方向の加速度成分の比に基づき前記ソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項7記載の発明は、前記解析装置が、前記傾斜角度検知器からの出力により得られたソールの傾斜角度に基づき、前記力センサの出力に対して座標変換処理を行い、地面に対して平行な方向の力成分と地面に対して垂直な方向の力成分を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項8記載の発明は、前記第1工程で得られる前記ソール上面に対して直角の方向の力成分の算出値が全てゼロに等しくない場合に、前記解析装置が、前記ソール全面が地面に対して接地していると判定することを特徴とする請求項7記載の床反力推定システムである。
請求項9記載の発明は、前記第1工程で得られる前記ソール上面に対して直角の方向の力成分の算出値が全てゼロに等しくない場合に、該ゼロに等しくない状態となる前までに行われていた前記解析装置による角速度の積分演算の値をゼロにセットし、積分演算を再開することを特徴とする請求項4記載の床反力推定システムである。
請求項11記載の発明は、前記力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部に配されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システムである。
請求項12記載の発明は、前記力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部に配されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システムである。
請求項13記載の発明は、前記力センサが、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方に更に配されることを特徴とする請求項11記載の床反力推定システムである。
請求項14記載の発明は、前記3分力荷重センサが、円板部と、該円板部から延出するとともに下方に屈曲する複数の脚部と、該脚部に取付けられる歪みゲージからなり、前記脚部のうち、一対の脚部は、前記ソール上面に取付けられるとともに該ソール上面に対して平行な一の方向に延出し、前記脚部のうち他の一対の脚部は、前記ソール上面に取付けられるとともに前記ソール上面に対して平行な一の方向に対して直交する方向に延出し、前記円板部及び前記脚部がゴム材から形成されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システムである。
請求項16記載の発明は、前記圧力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部に配されることを特徴とする請求項15記載の床反力推定システムである。
請求項17記載の発明は、前記圧力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部に配されることを特徴とする請求項15記載の床反力推定システムである。
請求項18記載の発明は、前記圧力センサが、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方に更に配されることを特徴とする請求項16記載の床反力推定システムである。
請求項20記載の発明は、前記床反力測定装置が、踵周囲を拘束しないことを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項21記載の発明は、前記第3工程において、更に、荷重位置が算出されることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システムである。
請求項24記載の発明は、床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた力センサの出力値との関係から、推定係数と前記力センサの出力値との積と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数を同定する推定係数同定工程と、履物型床反力測定装置の可撓性を有するソールに配された複数の力センサを用いて、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を測定する床反力測定工程と、前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報に基づき、前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、前記推定係数と、前記第1工程で算出された力成分とを積算する第2工程と、前記積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行する床反力算出工程からなり、前記床反力測定工程が、前記ソール上面の傾斜動作の角加速度を測定する段階を含み、前記床反力算出工程が、前記測定された角加速度を積分し、前記ソールの傾斜角度を算出する段階を含むことを特徴とする床反力推定方法である。
請求項25記載の発明は、前記地面に対する前記ソールの傾斜角度を測定する段階が、重力加速度成分のうち、前記ソール上面に対して平行方向の加速度成分と前記ソール上面に対して直角方向の加速度成分を測定する段階と、重力加速度と前記平行方向の加速度成分の比、重力加速度と前記直角方向の加速度成分の比又は前記平行方向の加速度成分と前記直角方向の加速度成分の比に基づき、前記傾斜角度を算出する段階を備えることを特徴とする請求項22記載の床反力推定方法である。
請求項27記載の発明は、前記床反力算出工程が、前記複数の力センサからのソール上面に対して直角方向の力に対する出力値が全てゼロに等しくない場合に、該ゼロに等しくない状態となる前までに行われていた積分値をゼロに等しい値にセットする段階を含むことを特徴とする請求項23又は24記載の床反力推定方法である。
請求項28記載の発明は、前記床反力算出工程が、前記測定されたソールの傾斜角度に基づいて、座標変換を行い、地面に対して垂直な方向の力と、地面に対して平行な方向の力を算出する段階を含むことを特徴とする請求項22記載の床反力推定方法である。
請求項30記載の発明は、前記ソール上面に対して直角方向の力成分に関連する情報が、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部において測定されることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法である。
請求項31記載の発明は、前記ソール上面に対して直角方向の力成分に関連する情報が、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方において更に測定されることを特徴とする請求項29記載の床反力推定方法である。
請求項33記載の発明は、複数の前記履物型床反力測定装置を用意する工程を更に備え、前記推定係数同定工程が、該用意された複数の履物型床反力測定装置別に実行され、該履物型床反力測定装置ごとに前記推定係数が定められることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法である。
請求項34記載の発明は、前記第3工程において、更に、荷重位置が算出されることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法である。
請求項2記載の発明によれば、床反力を直接測定して得られた実測値と、床反力センサの出力値から算出される推定値との差異が最小となるように推定係数が同定されるので、推定値と真値との誤差を最小限化することが可能となる。
請求項3記載の発明によれば、歩行動作時における足部の屈曲にかかわらず、ソール上面に対して直角方向の力成分と、ソール上面に対して平行な方向の力成分を推定することが可能となる。
請求項4、5、23及び24記載の発明によれば、好適に足部の傾斜角度を算出することが可能となる。
請求項6及び7並びに請求項25及び28記載の発明によれば、被験者の歩行動作時の足部の傾斜動作にかかわらず、地面に対して直角方向の力成分と、地面に対して平行な方向の力成分を推定することが可能となる。
請求項8及び26記載の発明によれば、歩行動作中の足裏全面が地面に接地している状態を確実に判定でき、歩行動作中の足部の状態と、踏圧変動の関係性を好適に割り出すことが可能となる。
請求項9及び27記載の発明によれば、積分誤差を除去し、算出される傾斜角度の精度を向上させることが可能となる。
請求項11乃至14、16乃至18、29乃至31記載の発明によれば、推定される踏圧データの精度を維持しつつ、床反力測定装置の履き心地を最大限担保可能となる。
請求項15記載の発明によれば、ソール上面に平行であるとともに互いに直交する2方向の力成分の分布を割り出すことが可能となる。
請求項19記載の発明によれば、足裏全体にわたって、ソール上面に平行であるとともに互いに直交する2方向の力成分の分布を割り出すことが可能となる。
請求項20記載の発明によれば、足のサイズの異なる複数の被験者に対する踏圧データサンプリングを、1つの床反力測定装置を用いて行うことが可能となる。
請求項21及び34記載の発明によれば、荷重位置を算出可能となる。
請求項32記載の発明によれば、被験者ごとに推定係数が定められるため、推定精度を向上させることが可能となる。
請求項33記載の発明によれば、床反力測定装置ごとに推定係数が定められるため、推定精度を向上させることが可能となる。
図1は、本発明に係る床反力推定システム(1)の概略図である。
床反力推定システム(1)は、主に、履物型床反力測定装置(2)と、解析装置(3)から構成される。
履物型床反力測定装置(2)は、概して、靴、サンダル、スリッパ等の履物の形状をしており、図1に示す例においては、スリッパの形状をなす履物型床反力測定装置(2)が表されている。本発明を特に限定するものではないが、サンダルやスリッパ等の足の踵周囲を拘束するアッパ部を備えない種類の履物形状を本発明の床反力測定装置(2)に採用することが好ましい。これにより、足のサイズの異なる複数の被験者に対して同一の床反力測定装置(2)を装着させることが可能となる。
解析装置(3)には、市販されるパーソナルコンピュータ等の演算処理機能を備える任意の装置を採用することができる。
ソール部(21)及び中敷部(23)はともに、可撓性を有する薄板状の部材であり、中敷部(23)がソール部(21)上面に積層され一体となった状態においても、自然な歩行を実現させるために必要とされる可撓性は確保される。
ソール部(21)上面には、複数の力センサ(24)が固定され、力センサ(24)は、ソール部(21)上面と中敷部(23)下面との間で挟持される。第1の力センサ(24A)は、被験者の踵を支持する位置に配される。第2の力センサ(24B)は、被験者のショパール関節部を支持する位置に配される。第3の力センサ(24C)は、被験者の第1MP関節部を支持する位置に配される。第4の力センサ(24D)は、被験者の第4MP関節部を支持する位置に配される。第5の力センサ(24E)は、被験者の母趾部を支持する位置に配される。第6の力センサ(24F)は、被験者の第3趾部付近を支持する位置に配される。
これら力センサ(24)からの出力は、ケーブルや無線技術などの周知のデータ転送技術を用いて、解析装置(3)へ送られる(図1参照)。
尚、図2に示す例において、6箇所に力センサ(24)が配されているが、力センサ(24)は、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部及び母趾部に配されてもよく、或いは、これら4箇所に加えて、第1MP関節部或いは第3趾部に力センサ(24)が配されてもよい。更には、必要とされるソール部(21)の可撓性を損なわない限り、他のソール部(21)上の部位に多数配されてもよい。
図3に示す力センサ(24)は、3分力荷重センサである。図3に示す座標において、Z軸は、ソール部(21)の上面に対して直交する方向を意味し、X軸及びY軸は、ソール部(21)の上面に対して平行な方向を意味する。尚、X軸とY軸は互いに直交する関係にある。
円板部(241)、第1脚部(242)及び第2脚部(243)は、ゴム材などの柔軟性を有する材料を用いて一体的に形成される。円板部(241)、第1脚部(242)及び第2脚部(243)は、板厚1mm程度の薄い真鍮板、燐青銅板、洋白板又はアルミニウム合金板からなる。
第1脚部(242)及び第2脚部(243)の力センサ(24)内部を構成する面には、2素子の単軸歪みゲージ(Rt3,Rc3,Rt4,Rc4,Rt5,Rc5,Rt6,Rc6)がそれぞれ接着される。単軸歪みゲージ(Rc3,Rc4,Rc5,Rc6)は、脚部(242,243)の上部に位置し、単軸歪みゲージ(Rt3,Rt4,Rt5,Rt6)は、脚部(242,243)の下部に位置する。
単軸歪みゲージ(Rt3,Rc3,Rt4,Rc4)は、X軸方向の荷重を測定するために用いられる。単軸歪みゲージ(Rt5,Rc5,Rt6,Rc6)は、Y軸方向の加重を測定するために用いられる。
また、力伝達棒(244)を介して、Z軸正方向(下方向)の力を力センサ(24)が受けると、円板部(241)下面に配されたダイアフラム歪みゲージ(Rt1,Rc1、Rt2,Rc2)のうち、歪みゲージ(Rt1,Rt2)は引張歪みを受け、歪みゲージ(Rc1,Rc2)は圧縮歪みを受けるように、歪みゲージ(Rt1,Rc1、Rt2,Rc2)の配置は定められる。
力センサ(24)が、Y軸正方向に力を受けると、歪みゲージ(Rt5,Rt6)が引張歪みを受け、歪みゲージ(Rc5,Rc6)が圧縮歪みを受けるように歪みゲージ(Rt5,Rt6,Rc5,Rc6)の配置は定められる。
図4中、符号Eは、所定の印加電圧を示し、符号eは、荷重に応じた歪みゲージの抵抗変化の結果によって出力される出力電圧を示す。
図4に示す如く、X,Y,Z軸ごとにホイーストンブリッジ回路を構成することにより、検出される力の方向以外からの力の影響を最小限化することができる。
本発明の床反力推定方法は、推定係数同定工程と、床反力測定工程と、床反力算出工程からなる。
推定係数同定工程において、まず、被験者の足に床反力測定装置(2)を装着し、被験者が、一般的な床反力計の上に足の乗せ荷重の大きさや荷重位置が変化するように姿勢を変化させる。ここで、被験者が床反力計上を歩行している間のある特定の複数の時点における床反力計による実測値と、力センサ(24A−24F)の出力値を比較する。
床反力計による実測値をFx, Fy, Fzとし、力センサの出力値をfxi, fyi, fzi (i = 1 6)とし、推定係数をAxi, Ayi, Azi(i = 1 6)とすると、床反力の推定値Fx,Fy,Fzと力センサの出力値は以下の式で表される関係となる。
尚、以下の式は、床面の座標と床反力測定装置の座標が一致している場合(底面全体が接地している場合)をモデル化したものであり、足先或いは踵が浮いている場合には、撓みを考慮し、傾きが同一とみなすことのできるセンサ群の中で演算を行なう。この演算において、各センサの傾斜角を用いて、座標変換を実行する。
同様に、Fyは、Y軸方向の床反力の推定値を意味し、fyiは、力センサのY軸方向の力の作用により生じた出力値を意味し、Ayiは、Y軸方向の力に対する推定係数を意味する。また、Fzは、Z軸方向の床反力の推定値を意味し、fziは、力センサのZ軸方向の力の作用により生じた出力値を意味し、Aziは、Z軸方向の力に対する推定係数を意味する。
このような同定作業は、床反力計からの出力と、床反力測定装置(2)からの出力を解析装置(3)に送信し、解析装置(3)の演算処理機能を利用して行なわれる。
床反力測定工程において、被験者の足に床反力測定装置(2)を装着する。そして、被験者は、例えば、歩行動作、ゴルフのスウィング、階段の昇降などの分析対象たる所定の動作を実行する。
床反力測定装置(2)に取付けられた力センサ(24A−24F)は、この所定の動作により、これら力センサ(24A−24F)に負荷された力に応じた出力を解析装置(3)に送信する。
この結果、解析装置(3)には、以下の式で表されるセンサ出力値行列Vが格納されることとなる。
床反力算出工程において、解析装置(3)は、その演算機能を用いて、推定係数行列Cとセンサ出力値行列Vの積算を行ない、床反力の推定値を算出する。したがって、床反力の推定値(F'x, F'y, F'z)は、以下の式により表される。
尚、以下の式は、床面の座標と床反力測定装置の座標が一致している場合(底面全体が接地している場合)をモデル化したものであり、足先或いは踵が浮いている場合には、撓みを考慮し、傾きが同一とみなすことのできるセンサ群の中で演算を行なう。この演算において、各センサの傾斜角を用いて、座標変換を実行する。
その後、被験者(甲)に対して、床反力測定工程を実行した場合には、床反力算出工程においては、被験者(甲)に対して定められた推定係数行列C1を用いて、床反力を算出する。
或いは、被験者(乙)に対して、床反力測定工程を実行した場合には、床反力算出工程においては、被験者(乙)に対して定められた推定係数行列C2を用いて、床反力を算出する。
これにより、本発明により得られる床反力の推定値の精度を高めることが可能となる。
その後、被験者(甲)の足に重量が大きい床反力測定装置(2)を装着し、推定係数同定工程を実行し、重量の大きい床反力測定装置(2)に対する推定係数を同定し、重量の大きい床反力測定装置(2)に対する推定行列係数C4を解析装置(3)に格納する。
これにより、履物の重量に起因する床反力の変化を精度よく分析可能となる。
床反力測定工程において、床反力測定装置(2)を被験者の足に装着し、被験者に所定の動作を実行させる。床反力測定装置(2)に据付けられた力センサ(24)からの出力が解析装置(3)に送信されると、解析装置(3)はトリガ信号を撮像装置(4)に送り、撮像装置(4)は被験者の足を撮像する。撮像装置(4)は、撮像により得られた動画データを解析装置(3)に送信し、解析装置(3)は動画データを格納する。
これにより、力センサ(24)の時系列データと撮像装置(4)に得られた動画データが略同期することとなる。
床反力算出工程において、算出される床反力の時系列データに基づき、分析したい時点における被験者の足の状態を映し出した静止画データを動画データから抽出する。
上述の如く、本発明に用いられる床反力測定装置(2)のソール部(21)及び中敷部(23)の積層体は、可撓性を有している。したがって、通常の歩行動作或いはその他の運動状態において観察される靴底(足裏)の屈曲状態を生ずることとなる。
図7に示す如く、静止画データから、水平面(H)に対する床反力測定装置(2)の底面の傾斜角度(θ1,θ2)を求めることができる。
床反力測定装置(2)が出力する力成分のデータは、ソール部(21)上面に対して直交する方向とソール部(21)上面に対して平行な方向の力成分である。図7に示す如く、被験者が所定の動作(例えば、歩行動作)を行った場合には、ソール部(21)は水平面(地面)に対して傾斜した状態となる瞬間も生ずる。このようにソール部(21)を基準とする座標系は、時間とともに変化をし、動的なものであるので、得られたデータの取扱いが困難な場面を生ずる。
したがって、地面を基準とした座標系(即ち、地面に対して平行に2つの軸をとり、地面に対して直交する方向に1つの軸をとる座標系)に、得られたデータを変換することが好ましい。
地面に対して、角度θ1で傾斜しているソール部(21)の領域を領域Aとし、角度θ2で傾斜しているソール部(21)の領域を領域Bとする。領域Aにおいて、爪先から踵へ向かう方向の力成分fady及びソール部(21)上面に対して直交する方向の力fadzが算出されたとする。
このとき、これらの力成分を地面を基準とした座標系(Ys,Zs)に置き換えたときの、地面に対して平行な方向の力成分Fasy及び地面に対して直交する方向の力成分Faszは以下の式により表される。
このとき、これらの力成分を、地面を基準とした座標系(Ys,Zs)に置き換えたときの、地面に対して平行な方向の力成分Fbsy及び地面に対して直交する方向の力成分Fbszは以下の式により表される。
この実施形態によれば、ソール部(21)上面の傾斜角度を数値データとして時系列的に解析装置(3)に格納することが可能となる。したがって、この格納されたソール部(21)上面の傾斜角度のデータを用いて、上記した座標変換補正を時系列的に実行することが容易となる。
加速度センサ(9)はソール部(21)上面に固定される。加速度センサ(9)は、ソール部(21)上面に対して平行な方向(本実施例においては、X軸方向)とソール部(21)上面に対して直角な方向(本実施例においては、Y軸方向)の加速度を測定可能である。
ソール部(21)の地面に対する傾斜角度をθとするとき、重力加速度ベクトルgと加速度センサ(9)が測定するY軸方向の加速度ベクトルayのなす角度は、θとなる。この関係は、ソール部(21)の運動による加速度が重力加速度と比較して十分に小さい場合には、以下に示す数式により近似できる。
すなわち、図2に示す力センサ(24A−24F)全て(被験者によっては一部のセンサの出力が非常に小さい場合もある)が、ゼロでない値を示しているとき、或いは、所定の閾値以上の値を示しているとき、ソール部(21)下面全体が地面に接地している状態と考えることができる。ソール部(21)下面全体が地面に接地している状態において、ソール部(21)上面は地面に対して傾斜していない状態であるので、このとき、解析装置(3)の積分演算により得られた積分値を「0」に等しい値にセットし、強制的にこの状態におけるソール部(21)上面の算出傾斜角度を「0」とする。これにより、積分演算により生じた積分誤差を除去することが可能となり、その後の傾斜角度算出の精度を高めることができる。
他の実施形態において、力センサ(24A−24F)全てが、ゼロでない値を示しているとき、或いは、所定の閾値以上の値を示しているときを、解析装置(3)が、ソール部(21)下面全体が地面に接地している状態と判定することで、被験者の足の接地状態と得られた踏圧データとの対比を容易に行なうことや、これを利用した様々な踏圧データの解析を行なうことが可能となる。
図10に示す実施形態において、図2に示す形態において用いられた3分力荷重センサ(24A−24F)の代わりに、単純な圧力センサ(25A−25F)が用いられている。圧力センサ(25A−25F)は、上下方向(図10中、Z軸方向)の荷重を測定可能である。
尚、圧力センサ(25A−25F)の配置は、上述の3分力荷重センサ(24A−24F)と同様である。
ソール部(21)上には、ソール部(21)と略同形同大のセンサ層(26,27)が積層される。圧力センサ(25A−25F)に対応する位置において、センサ層(26,27)に開口部が形成され、圧力センサ(25A−25F)が開口部を通じて、センサ層(27)上面から突出する。
センサ層(26,27)中に配される圧電高分子材料(28)は、例えば、P(VDF/TrFE)からなり、薄板波形形状とされる。圧電高分子材料(28)の上面及び下面は導電性インクでコーティングされている。更に、圧電高分子材料(28)表面はシリコンゴムでコーティングされ、圧電高分子材料(28)と導電性インクの剥離が防止される。圧電高分子材料(28)上下はポリウレタンゴムで被覆され、これにより、センサ層(26,27)が形成される。
センサ層(26)の圧電高分子材料(28)の山頂部は、ソール部(21)の幅方向に延設し、センサ層(27)の圧電高分子材料(28)の山頂部は、ソール部(21)の長手方向に延設する。この結果、センサ層(26)の山頂部とセンサ層(27)の山頂部は互いに直交する関係となる。
ソール部(21)に、ソール部(21)長手方向の力が負荷されると、センサ層(26)中に配された圧電高分子材料(28)が変形し、負荷されたソール部(21)長手方向の力に相当する出力を解析装置(3)に送る。
ソール部(21)に、ソール部(21)幅方向の力が負荷されると、センサ層(27)中に配された圧電高分子材料(28)が変形し、負荷されたソール部(21)幅方向の力に相当する出力を解析装置(3)に送る。
センサ層(26,27)は、ソール部(21)長手方向及び幅方向に負荷された力全体に応じた出力を解析装置(3)に送信するので、上述の推定演算は、圧力センサ(25A−25F)の出力に対してのみ行なわれる。
図10乃至図12に示す形態において、ソール部(21)並びにソール部(21)上に積層されるセンサ層(26,27)はいずれも可撓性を有する。したがって、床反力測定装置(2)を装着する被験者の快適な履き心地を担保することが可能となる。
尚、図10乃至図12に示す実施形態において、圧力センサ(25A−25F)を圧電高分子材料で形成し、圧縮変形量に応じた出力を解析装置(3)へ送る形態も採用可能である。
図13に示すソール部(21)上面には、圧電高分子材料で形成される圧力センサ(25A−25F)と、長手方向に長く延びるとともに圧電高分子材料で形成される複数のX軸方向センサ(250)及び幅方向に長く延びるとともに圧電高分子材料で形成される複数のY軸方向センサ(251)が固着される。
圧力センサ(25A−25F)は、上述と同様に、図13に示すZ軸方向の圧縮変形量に応じた出力を解析装置(3)へ送信する。
X軸方向センサ(250)及びY軸方向センサ(251)は、それぞれ断面略正方形である。X軸方向センサ(250)は、ソール部(21)長手方向(Y軸方向)に延設するので、ソール部(21)幅方向(X軸方向)の力を受けて大きく変形する。一方、Y軸方向センサ(251)は、ソール部(21)幅方向(X軸方向)に延設するので、ソール部(21)長手方向(Y軸方向)の力を受けて大きく変形する。
したがって、X軸方向センサ(250)はソール部(21)幅方向の力に応じた出力を解析装置(3)に送信し、Y軸方向センサ(251)は、ソール部(21)長手方向の力に応じた出力を解析装置(3)に送信する。
図1乃至図8に示す実施形態と同様に、圧力センサ(25A−25F)、X軸方向センサ(250)及びY軸方向センサ(251)が固着されたソール部(21)上に中敷部(23)が載置され、床反力測定装置(2)が被験者に装着される。
解析装置(3)は、圧力センサ(25A−25F)、X軸方向センサ(250)及びY軸方向センサ(251)からの出力に基づき、上述の推定演算を実行する。
図15に示す如く、ソール部(21)上面には、変形層(29)が積層される。変形層(29)は、ソール部(21)に積層された状態で、床反力測定装置(2)を装着する被験者に対して快適な履き心地を提供するのに十分な可撓性を備える。
変形層(29)内部には、X軸方向に延設する歪みゲージ(29X)、Y軸方向に延設する歪みゲージ(29Y)及びZ軸方向に延設する歪みゲージ(29Z)が埋設される。
X軸方向に延設する歪みゲージ(29X)は、変形層(29)がソール部(29)幅方向の力を受けて変形したときの変形量に応じた出力を解析装置(3)に送信する。
Y軸方向に延設する歪みゲージ(29Y)は、変形層(29)がソール部(29)長手方向の力を受けて変形したときの変形量に応じた出力を解析装置(3)に送信する。
Z軸方向に延設する歪みゲージ(29Z)は、変形層(29)がソール部(29)厚さ方向の力を受けて変形したときの変形量に応じた出力を解析装置(3)に送信する。
解析装置は、歪みゲージ(29X,29Y,29Z)からの出力を受けて、上述の推定演算を実行する。
2・・・・・床反力測定装置
24・・・・力センサ
3・・・・・解析装置
Claims (34)
- 可撓性を有するソールを備える履物型床反力測定装置と、該床反力測定装置の出力を解析する解析装置からなる床反力推定システムであって、
前記床反力測定装置は、前記ソールの複数箇所に力センサを備え、
該力センサは、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を前記解析装置に出力し、
該解析装置は、出力された情報に基づき少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、
予め前記解析装置に設定された推定係数と、前記算出された前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と前記ソール上面に対して直角の方向の力成分のうち少なくとも一方の算出値を積算する第2工程と、
該積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行し、
前記履物型床反力測定装置が、地面に対する前記ソールの傾斜角度を検知する傾斜角度検知器を備えることを特徴とする床反力推定システム。 - 床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた前記第1工程により得られる算出値との関係から、前記第3工程で得られる床反力の算出値と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数が同定されることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 前記傾斜角度検知器が、前記ソールのうちMP関節と当接する部分よりも前方に存する領域と、MP関節と当接する部分よりも後方に存する領域に配されることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 前記傾斜角度検知器が、ソール上面の傾斜角度の変化率を測定するとともに前記解析装置に出力し、
該解析装置が、出力された傾斜角度の変化率を積分することによりソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。 - 前記傾斜角度検知器が、前記ソール上面の傾斜動作の角加速度を測定するとともに前記解析装置に出力し、
該解析装置が、出力された角加速度を積分することによりソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。 - 前記傾斜角度検知器が、加速度センサであり、
該加速度センサは、前記ソール上面に対して平行方向の加速度成分と、前記ソール上面に対して直角方向の加速度成分を測定し、
前記ソールに働く重力加速度と前記平行方向の加速度成分の比、前記ソールに働く重力加速度と前記直角方向の加速度成分の比又は前記平行方向の加速度成分と前記直角方向の加速度成分の比に基づき前記ソールの傾斜角度を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。 - 前記解析装置が、前記傾斜角度検知器からの出力により得られたソールの傾斜角度に基づき、前記力センサの出力に対して座標変換処理を行い、地面に対して平行な方向の力成分と地面に対して垂直な方向の力成分を算出することを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 前記第1工程で得られる前記ソール上面に対して直角の方向の力成分の算出値が全てゼロに等しくない場合に、前記解析装置が、前記ソール全面が地面に対して接地していると判定することを特徴とする請求項7記載の床反力推定システム。
- 前記第1工程で得られる前記ソール上面に対して直角の方向の力成分の算出値が全てゼロに等しくない場合に、該ゼロに等しくない状態となる前までに行われていた前記解析装置による角速度の積分演算の値をゼロにセットし、積分演算を再開することを特徴とする請求項4記載の床反力推定システム。
- 前記力センサが、3分力荷重センサであることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 前記力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部に配されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システム。
- 前記力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部に配されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システム。
- 前記力センサが、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方に更に配されることを特徴とする請求項11記載の床反力推定システム。
- 前記3分力荷重センサが、
円板部と、
該円板部から延出するとともに下方に屈曲する複数の脚部と、
該脚部に取付けられる歪みゲージからなり、
前記脚部のうち、一対の脚部は、前記ソール上面に取付けられるとともに該ソール上面に対して平行な一の方向に延出し、
前記脚部のうち他の一対の脚部は、前記ソール上面に取付けられるとともに前記ソール上面に対して平行な一の方向に対して直交する方向に延出し、
前記円板部及び前記脚部がゴム材から形成されることを特徴とする請求項10記載の床反力推定システム。 - 可撓性を有するソールを備える履物型床反力測定装置と、該床反力測定装置の出力を解析する解析装置からなる床反力推定システムであって、
前記床反力測定装置は、前記ソールの複数箇所に力センサを備え、
該力センサは、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を前記解析装置に出力し、
該解析装置は、出力された情報に基づき少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、
予め前記解析装置に設定された推定係数と、前記算出された前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と前記ソール上面に対して直角の方向の力成分のうち少なくとも一方の算出値を積算する第2工程と、
該積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行し、
前記力センサが、可撓性を有する圧電高分子シートセンサと、圧力センサからなり、
前記圧電高分子シートセンサは、前記ソールの面に対して平行な2方向の力成分を測定し、
前記圧力センサは、前記ソール上面に対して直角な方向の力成分を測定することを特徴とする床反力推定システム。 - 前記圧力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部に配されることを特徴とする請求項15記載の床反力推定システム。
- 前記圧力センサが、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部に配されることを特徴とする請求項15記載の床反力推定システム。
- 前記圧力センサが、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方に更に配されることを特徴とする請求項16記載の床反力推定システム。
- 前記圧電高分子シートセンサは、前記ソールと略同形同大であることを特徴とする請求項15記載の床反力推定システム。
- 前記床反力測定装置が、踵周囲を拘束しないことを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 前記第3工程において、更に、荷重位置が算出されることを特徴とする請求項1記載の床反力推定システム。
- 床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた力センサの出力値との関係から、推定係数と前記力センサの出力値との積と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数を同定する推定係数同定工程と、
履物型床反力測定装置の可撓性を有するソールに配された複数の力センサを用いて、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を測定する床反力測定工程と、
前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報に基づき、前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、前記推定係数と、前記第1工程で算出された力成分とを積算する第2工程と、前記積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行する床反力算出工程からなり、
前記床反力測定工程が、地面に対する前記ソールの傾斜角度を測定する段階を含むことを特徴とする床反力推定方法。 - 床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた力センサの出力値との関係から、推定係数と前記力センサの出力値との積と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数を同定する推定係数同定工程と、
履物型床反力測定装置の可撓性を有するソールに配された複数の力センサを用いて、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を測定する床反力測定工程と、
前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報に基づき、前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、前記推定係数と、前記第1工程で算出された力成分とを積算する第2工程と、前記積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行する床反力算出工程からなり、
前記床反力測定工程が、ソール上面の傾斜角度の変化率を測定する段階を含み、
前記床反力算出工程が、前記測定された角速度を積分し、前記ソールの傾斜角度を算出する段階を含むことを特徴とする床反力推定方法。 - 床反力を直接測定して得られた実測値と、該実測値を測定する際に得られた力センサの出力値との関係から、推定係数と前記力センサの出力値との積と前記実測値との差異が最小となるように前記推定係数を同定する推定係数同定工程と、
履物型床反力測定装置の可撓性を有するソールに配された複数の力センサを用いて、少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報を測定する床反力測定工程と、
前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分に関連する情報に基づき、前記少なくとも前記ソール上面に略平行な2方向の力成分と、前記ソール上面に対して直角の方向の力成分を算出する第1工程と、前記推定係数と、前記第1工程で算出された力成分とを積算する第2工程と、前記積算された値を総和し、床反力を算出する第3工程を実行する床反力算出工程からなり、
前記床反力測定工程が、前記ソール上面の傾斜動作の角加速度を測定する段階を含み、
前記床反力算出工程が、前記測定された角加速度を積分し、前記ソールの傾斜角度を算出する段階を含むことを特徴とする床反力推定方法。 - 前記地面に対する前記ソールの傾斜角度を測定する段階が、重力加速度成分のうち、前記ソール上面に対して平行方向の加速度成分と前記ソール上面に対して直角方向の加速度成分を測定する段階と、
重力加速度と前記平行方向の加速度成分の比、重力加速度と前記直角方向の加速度成分の比又は前記平行方向の加速度成分と前記直角方向の加速度成分の比に基づき、前記傾斜角度を算出する段階を備えることを特徴とする請求項22記載の床反力推定方法。 - 前記床反力算出工程が、前記複数の力センサからのソール上面に対して直角方向の力に対する出力値が全てゼロに等しくない場合に、ソール全面が地面に対して接地していると判定する段階を含むことを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。
- 前記床反力算出工程が、前記複数の力センサからのソール上面に対して直角方向の力に対する出力値が全てゼロに等しくない場合に、該ゼロに等しくない状態となる前までに行われていた積分値をゼロに等しい値にセットする段階を含むことを特徴とする請求項23又は24記載の床反力推定方法。
- 前記床反力算出工程が、前記測定されたソールの傾斜角度に基づいて、座標変換を行い、地面に対して垂直な方向の力と、地面に対して平行な方向の力を算出する段階を含むことを特徴とする請求項22記載の床反力推定方法。
- 前記ソール上面に対して直角方向の力成分に関連する情報が、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部において測定されることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。
- 前記ソール上面に対して直角方向の力成分に関連する情報が、踵部、ショパール関節部、第4MP関節部、母趾部、第1MP関節部及び第3趾部において測定されることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。
- 前記ソール上面に対して直角方向の力成分に関連する情報が、第1MP関節部と第3趾部からなる群から選択されるいずれか一方において更に測定されることを特徴とする請求項29記載の床反力推定方法。
- 前記推定係数同定工程が、被験者別に実行され、被験者ごとに前記推定係数が定められることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。
- 複数の前記履物型床反力測定装置を用意する工程を更に備え、
前記推定係数同定工程が、該用意された複数の履物型床反力測定装置別に実行され、該履物型床反力測定装置ごとに前記推定係数が定められることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。 - 前記第3工程において、更に、荷重位置が算出されることを特徴とする請求項22乃至24いずれかに記載の床反力推定方法。
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