JP4993644B2 - 列車運行支援装置 - Google Patents
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(1)列車前方の撮影画面の1フレームの画面である検索画面の中にパターンマッチングのための探索エリアを、軌間、建植ゲージ、建築限界などの鉄道固有の情報を利用して絞り込んでからパターンマッチングによって鉄道信号・標識を認識する機能、
(2)認識された鉄道信号・標識の制限速度を読み取る機能、
(3)前記列車位置検知器の列車現在位置情報と撮影データに基いて算出した距離情報から、認識された鉄道信号・標識の設置位置を特定する機能、
(4)前記記憶装置に登録されている前記設置位置に関する制限速度と前記読み取られた制限速度とを付き合わせる機能、及び
(5)前記制限速度の突合せが一致しなかったときには前記読み取られた制限速度を、一致したときには登録されている制限速度を前記報知部にそれぞれ報知させる機能。
(1)列車前方の撮影画面の1フレームの画面である検索画面の中にパターンマッチングのための探索エリアを、軌間、建植ゲージ、建築限界などの鉄道固有の情報を利用して絞り込んでからパターンマッチングによって鉄道信号・標識を認識する機能、
(2)認識された鉄道信号・標識の制限速度を読み取る機能、
(3)前記列車位置検知器の列車現在位置情報と撮影データに基いて算出した距離情報から、認識された鉄道信号・標識の設置位置を特定する機能、
(4)前記記憶装置に登録されている前記設置位置に関する制限速度と前記読み取られた制限速度とを付き合わせる機能、及び
(5)前記制限速度の突合せが一致しなかったときには前記読み取られた制限速度を、一致したときには登録されている制限速度を前記報知部にそれぞれ報知させる機能。
テンプレート画像は認識すべき鉄道信号・標識をパターン化した画像であって、列車運行支援装置10のテンプレート記憶部18に予め登録されている。前記登録は、例えば認識すべき鉄道信号・標識のパターンをCADで作図し、入力部15からデジタルデータとして列車運行支援装置10に入力することによって行われる。なお、テンプレートのスケールは、格納されているプログラムに従って段階的に変更される。
先ず、列車運行支援装置10は、ビデオカメラ11で列車前方の監視エリアを撮影し、撮影画像データを画像データ蓄積部13に記憶する(101)。図5は、レール1以外の被写体を除外して模式的に示した検索画面、即ち、列車前方の撮影画像データから取得した1フレームの画面を示す。
続いて、列車運行支援装置10の制御部14は、列車前方の撮影画像データから取得した1フレームの画面(検索画面)の中に、Hough変換(ハフ変換)などの直線要素抽出技法を利用してレール2を抽出し、直線抽出したレール2の画像データをデータ記憶部19に記憶する(1021)。 直線抽出したレール2の画像データには、検索画面上の座標位置(x,y)で特定されるレール位置と軌間のデータが含まれている。図6は、レール1以外の被写体を除外して模式的に示した図5の検索画面上に、直線抽出したレール2を追加して示した画面である。
続いて、制御部14は、テンプレートのスケールを初期値スケールと決定し、テンプレート記憶部18からパターンマッチング処理の参照画像となるテンプレート画像を読み出し、そのスケールを初期値に設定する(1022)。初期値スケールは、例えば、検索画面上で列車前方の最も遠方に列車から目視で認識できる鉄道信号・標識の大きさに対応したものである。換言すれば、図2において、Lxは列車運行支援装置が鉄道信号・標識を認識できる仮想的な限界距離Lxに近い距離に存在する鉄道信号・標識の検索画面上の大きさであり、最適の初期値スケールは実験によって定められるものである。
続いて、制御部14は、テンプレートの初期値スケールに対応した軌間を検索し、検索によって見つけた軌間のレール位置(初期値レール位置)を特定する(1023)。軌間は標準軌で1435mm、狭軌では1067mm等と一定である。また、臨時信号機などの鉄道信号・標識もその形状とサイズは規定されて一定である。従って、軌間と認識すべき鉄道信号・標識のサイズの比は一定である。換言すれば、検索画面上で軌間と認識すべき鉄道信号・標識のスケールを表す値との比は一定である。この事実を利用して、列車運行支援装置10は初期値スケールのテンプレート画像データをテンプレート記憶部18から読み出し、初期値スケールのテンプレート画像に対応した軌間を検索する。そして、列車運行支援装置10は検索して見つけた初期値レール位置を、検索画面上の座標位置(x,y)で特定する。
続いて制御部14は、検索画面上で初期値レール位置の軌間に適したサイズの初期値建築限界を算出する(1024)。建築限界は鉄道車両が安全に走行するための軌道上に確保された空間の限界であり、軌間に基づいて予め規定されている。従って、検索画面上で軌間が特定されれば、それに見合った検索画面上の建築限界は簡単に算出される。即ち、図7に示す如く検索画面上において列車側に近いレール位置の軌間がAnであれば、このレール位置における建築限界はBnである。また、図8に示す如く検索画面上において列車側からかなり離れたレール位置の軌間がA1であれば、このレール位置における建築限界はB1である。軌間A1が、初期値スケールのテンプレート画像に対応した軌間であれば、これによって初期値レール位置が決定される。
続いて制御部14は、ステップ1024で決定した検索画面上でレール位置の近傍に存在する鉄道信号・標識の建植位置を算出して決定する(1025)。建植位置は建植ケージに基づいて算出される。建植ゲージはレール中心から電柱内部までのまでの距離であって、その寸法は建築限界によって1900mm以上と定められている。図7に示す如く、初期値レール位置の軌間A1に対応する建植ゲージはC1であって、この初期値レール位置における建植位置はP1とQ1である。また、図7に示す如く検索画面上において列車側に近いレール位置の軌間がAnであれば、このレール位置における建植ゲージはCnであって、建植位置はPnとQnである。
続いて制御部14は、建植位置に対応した探索エリアを決定する(1026)。即ち、図8に示す如く、軌間A1の初期値レール位置においては、建植位置P1とQ1に探索エリアW1がそれぞれ決定される。そして、初期値探索エリアW1は初期値スケールのテンプレート画像が過不足なくカバーされるサイズのエリアであって、ここでは横幅D1で縦幅E1の矩形のエリアである。また、図7に示す如く検索画面上において列車側に近い軌間Anのレール位置においては、建植位置PnとQnに探索エリアWnがそれぞれ決定される。そして、探索エリアWnは軌間Anに対応するスケール画像が過不足なくカバーされるサイズのエリアであって、ここでは横幅Dnで縦幅Enの矩形のエリアである。
続いて制御部14は、初期値探索エリアW1についてパターンマッチングを実行し、パターンマッチングのスコアをデータメモリに記憶する(1027)。このステップにおけるパターンマッチングは特別なものではなく、周知のパターンマッチングである。
ステップ1027に続いて、制御部14はパターンマッチングがテンプレートの全てのスケールについて終了したか否かを判定する(1028)。
ステップ1028でNOと判定されたときには、制御部14は、テンプレートのスケールを段階的に変更して(1029)、ステップ1023に戻り、変更したスケールに対応した軌間の検索を行う。続いて、制御部14は、軌間に対応した建築限界の算出(1024)、建築限界からの鉄道信号・標識の相対的な建植位置の決定(1025)、探索エリアの決定(1026)、パターンマッチングの実行とパターンマッチングのスコアのデータメモリへの記憶(1027)を順に実行する。
ステップ103において、制御部14はデータ記憶部19に記憶されているパターンマッチングのスコアを検索し、最高スコアのパターンマッチングを選定する。データ記憶部19には、初期値を0.5、最終値を1.2と設定し、初期値と最終値の間を0.1間隔で段階的にスケールを変更してパターンマッチングを行った上述の実施例においては、8回のパターンマッチングのスコアが記憶されている。制御部14は、これら8回のパターンマッチングの中から最高スコアのパターンマッチングを選定し、信号機の有無を判定する。ステップ103において、信号機があると判定されたときにはステップ104に進み、信号機が無いと判定されたときにはステップ101に戻る。
制御部14は最高スコアのパターンマッチングから、当該パターンマッチングに対応したテンプレートのスケールを特定し、そして、特定したスケールに対応する検索エリアを特定する。即ち、制御部14は特定したスケールに対応する検索エリアと特定するレール位置とカメラからの俯角を特定する。そして、制御部14は、これら特定したレール位置、カメラからの俯角、テンプレートのスケール、及びパターンマッチングのスコアを出力し、これらのデータをデータ記憶部19に記憶させる(104)。
ステップ104に続いて、列車運行支援装置10の制御部14は、ビデオカメラ11が撮影し、画像データ蓄積部13に記憶されている信号機の映像から、当該信号機に表示されている制限速度を読み取り、データ記憶部19に記憶させる(105)。上述した通り、本発明においては列車前方のレールの近傍に設置されている鉄道信号・標識をパターンマッチングによりリアルタイムで認識することができるので、列車前方鉄道信号・標識に表示されている制限速度情報を迅速に取得することができる。
ステップ105に続いて、列車運行支援装置10はステップ103において認識した信号機の設置位置を特定する。即ち、列車運行支援装置10において、制御部14はGPS装置22から入力された位置データに基いて、列車の現在位置を特定する。続いて、制御部14はステップ104においてデータ記憶部19に記憶されているデータに基いて、列車から信号機までの距離を算出する。そして、制御部14は、前記の列車の現在位置と前記の列車から信号機までの距離から、信号機の設置位置を特定する(106)。
続いて列車運行支援装置10の制御部14は、ステップ106で特定した上述の信号機の設置位置の登録制限速度をデータ記憶部19から読み出す(107)。
続いて列車運行支援装置10の制御部14は、ステップ105で記憶した制限速度をデータ記憶部19から読み出し、上記の読み出された登録制限速度と同じか否かを判定する(108)。
ステップ108の判定結果がYESなら、制御部14は表示部20に「登録済み徐行区間:制限速度○○km/h」との表示を行わせる(109)。ステップ108の判定結果がNOなら、制御部14は表示部20に「未登録徐行区間:制限速度△△km/h」との表示を行わせる(110)。これらの表示に続いて、制御部14は報知部21に、列車速度に応じて警告を音声等で報知し、乗務員の注意を喚起する(111)。
2 直線抽出されたレール
3 徐行予告信号機
4 徐行信号機
5 徐行解除信号機
10 鉄道信号・標識認識装置
11 ビデオカメラ
12 A/D変換部
13 画像データ蓄積部
14 制御部
15 入力部
16 設定部
17 プログラム記憶部
18 テンプレート記憶部
19 データ記憶部
20 表示部
21 報知部
22 GPS装置
Claims (7)
- 列車前方を撮影し撮影画像データを出力するビデオカメラと検知した列車位置情報を出力する列車位置検知器を備え、運行情報が記憶された車載の列車運行支援装置であって、下記機能を備えたものであることを特徴とする列車運行支援装置。
(1)列車前方の撮影画面の1フレームの画面である検索画面の中にパターンマッチングのための探索エリアを、軌間、建植ゲージ、建築限界などの鉄道固有の情報を利用して絞り込んでからパターンマッチングによって鉄道信号・標識を認識する機能、
(2)認識された鉄道信号・標識の制限速度を読み取る機能、
(3)前記列車位置検知器の列車現在位置情報と撮影データに基いて算出した距離情報から、認識された鉄道信号・標識の設置位置を特定する機能、
(4)前記記憶装置に登録されている前記設置位置に関する制限速度と前記読み取られた制限速度とを付き合わせる機能、及び
(5)前記制限速度の突合せが一致しなかったときには前記読み取られた制限速度を、一致したときには登録されている制限速度を前記報知部にそれぞれ報知させる機能。 - 前記パターンマッチングによって鉄道信号・標識を認識する機能は、前記撮影画像データから取得した1フレームの画面である検索画面の中にレールを抽出する機能、段階的に変更したテンプレート画像のスケールに対応した探索エリアを鉄道固有の情報を利用して前記検索画面上のレールの近傍に特定する探索エリア特定機能、探索エリア毎にパターンマッチングを行う機能、及び、最高のスコアを出したパターンマッチングに対応した探索エリアを決定し鉄道信号・標識を認識する機能とを含むものであることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
- 前記探索エリア特定手段は、テンプレート画像のスケールに対応した軌間を探索して求める手段、前記軌間に対応した建築限界を求める手段、及び前記建築限界からの鉄道信号・標識の相対的な建植位置を特定する手段で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
- 前記テンプレート画像のスケールの段階的変更は、初期値から最終値まで複数段階に亘ってなされるものであることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
- 前記列車位置検知器は、GPSを用いた列車位置検知器であることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
- 前記列車位置検知器は、車上子を介して検出した地上子の設置位置を特定し、前記設置位置からの列車の速度の積算から算出される移動距離を用いて列車の現在位置を特定するものであることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
- 前記列車位置検知器は、列車のドアの開閉信号或いはATS地上子の検出信号を取得した時点をリセットポイントとし、このリセットポイントからの列車の移動距離を算出して列車の現在位置を特定するものであることを特徴とする請求項1に記載の列車運行支援装置。
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