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JP4983501B2 - 車両用運転評価装置 - Google Patents

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JP4983501B2
JP4983501B2 JP2007237961A JP2007237961A JP4983501B2 JP 4983501 B2 JP4983501 B2 JP 4983501B2 JP 2007237961 A JP2007237961 A JP 2007237961A JP 2007237961 A JP2007237961 A JP 2007237961A JP 4983501 B2 JP4983501 B2 JP 4983501B2
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Description

本発明は、車両用運転評価装置に関する。
従来の装置は、運転状況からリスクを評価し、運転者の注意を喚起する(例えば特許文献1参照)。この装置は、減速開始時の自車両と先行車との余裕時間を学習し、学習した値に応じて運転者に警報を発生するように構成されています。
特開平7−159525号公報 特開2005−71184号公報
上述した従来の装置は、単にリスクが高い状態を検出した場合に運転者に警報を与えるものであり、運転者ごとのばらつき(いわゆる個人間差)、あるいは運転者の中でのばらつき(いわゆる個人内差)によっては、呈示された警報が運転者にとって受け入れにくい情報となってしまうことがある。したがって、警報発生により安心感を高める運転に導くように運転行動を変容させる効果が得られにくいという問題があった。
本発明による車両用運転評価装置は、ドライバの運転行動を表す運転行動指標を検出する運転行動検出手段と、運転行動検出手段によって検出される運転行動指標に基づいて、リスクの大きさを表すリスク指標を算出するリスク算出手段と、リスク算出手段によって算出されるリスク指標に基づいて総合リスク指標を算出する総合リスク指標算出手段と、総合リスク指標算出手段によって算出される総合リスク指標に基づく情報をドライバへ提示する情報提示手段とを備え、運転行動検出手段は、複数の運転行動指標を検出し、リスク算出手段は、複数の運転行動指標のそれぞれについて複数のリスク形態を設定し、各運転行動指標ごと、かつ各リスク形態ごとに、リスク指標を算出し、総合リスク指標算出手段は、リスク算出手段で各運転行動指標ごとかつ各リスク形態ごとに算出されたリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する。
本発明による車両用運転評価方法は、ドライバの運転行動を表す運転行動指標を検出し、検出された運転行動指標に基づいて、リスクの大きさを表すリスク指標を算出し、算出されたリスク指標に基づいて総合リスク指標を算出し、算出された総合リスク指標に基づく情報をドライバへ提示し、運転行動指標の検出において、複数の運転行動指標を検出し、複数の運転行動指標のそれぞれについて複数のリスク形態を設定し、各運転行動指標ごと、かつ各リスク形態ごとに、リスク指標を算出し、各運転行動指標ごとかつ各リスク形態ごとに算出されたリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する
ドライバの運転行動を評価して、個人の運転特性に応じた情報の呈示を行うことができる。
本発明の一実施の形態による車両用運転評価装置について図面を用いて以下に説明する。図1は、本発明の一実施の形態による車両用運転評価装置の構成を示すシステム図であり、図2は、車両用運転評価装置を搭載した車両の構成図である。
まず、車両用運転評価装置の構成を説明する。車両用運転操作評価装置は、操舵角センサ1、ブレーキペダルセンサ2、アクセルペダルセンサ3、加速度センサ4、自車速度センサ5、前方車間距離センサ6、後方車間距離センサ7、自車位置センサ8、道路形状データベース9、一時停止線位置データベース10、法定速度データベース11、コントローラ18、表示装置16、および音声装置17等を備えている。
操舵角センサ1は、ステアリングホイールの回転角度(操舵角度)を検出し、検出した操舵角度をコントローラ18へ出力する。ブレーキペダルセンサ2は、運転者によってブレーキペダルが踏み込まれたか否かを検出する。アクセルペダルセンサ3は、運転者によってアクセルペダルが踏み込まれたか否かを検出する。加速度センサ4は、自車両の前後方向の加速度を測定する。自車速度センサ5は、車輪速から自車速度を計算する。
前方車間距離センサ6は、例えば車両の前方グリル部もしくはバンパ部等に取り付けられたレーザレーダから構成される。前方車間距離センサ6は、自車両前方に存在する障害物、例えば先行車の有無と、先行車が存在する場合には自車両と先行車との車間距離を測定する。また、車間距離の微分量から自車両と先行車との相対速度を算出する。後方車間距離センサ7は、前方車間距離6と同様の構成を有しており、自車両後方に存在する障害物、例えば後続車の有無と、後続車が存在する場合には自車両と後続車との車間距離を測定する。また、車間距離の微分量から自車両と後続車との相対速度を算出する。
自車位置センサ8は、GPSを利用して自車両の現在位置、すなわち、自車両の現在位置の緯度経度を測定する。
道路形状データベース9、一時停止線位置データベース10、および法定速度データベース11は、自車両に搭載されたナビゲーションシステム(不図示)を構成するデータベースである。道路形状データベース9は、道路の曲率Rのデータを格納している。一時停止線位置データベース10は、一時停止線の緯度経度のデータを格納している。法定速度データベース11は、道路の法定速度のデータを格納している。
制御装置18は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成され、各センサやデータベースからの入力信号に基づいて車両用運転評価装置全体の制御を行う。制御装置18は、各センサおよびデータベースから得られる情報に基づいて、後述する運転行動指標を計算するための運転行動指標計算用コンピュータ12と、運転行動指標計算用コンピュータ12で計算された運転行動指標、および後述するリスク計算結果を記憶するためのメモリ13と、後述するリスク予測式のデータを格納したリスク予測式データベース14と、運転者の運転行動指標をリスク予測式にあてはめてリスクを計算するためのリスク計算用コンピュータ15とを備えている。
表示装置16は、制御装置18からの指令に応じて、運転者にリスクに関する情報およびリスクを低減するためのアドバイス等を表示する。例えば、表示装置16として、ナビゲーションシステムの表示装置を用いることができる。表示装置16の表示画面はタッチパネルとして構成され、画面に表示されたボタンに触れることで、そのボタンの操作が可能である。音声装置17は、制御装置18からの指令に応じてリスクに関する情報を運転者に音声で呈示する。
次に、一実施の形態による車両用運転評価装置の動作を説明する。図3に、車両用運転評価装置の全体の動作手順を表すメインのフローチャートを示す。
例えば、イグニッションスイッチのオンにより図3の処理が開始する(ステップS21)。ステップS22では、ドライバの運転行動を計測する。ここでの具体的な処理は、図4〜図8のフローチャートを用いて後述する。ステップS23では、リスク予測式を読み込む。具体的には、リスク予測式データベース14に格納された運転行動指標に対するリスク発生累積頻度分布およびリスク発生結果を読み込む。ここでの具体的な処理は、図9〜図12を用いて後述する。
ステップS24では、ステップS22で計測したドライバの運転行動とステップS23で読み込んだリスク予測式に基づいて、ドライバのリスク指標を算出する。ここで算出するリスク指標は、追突、後突、および路外逸脱等の不慮の事態が発生するおそれ、すなわちリスクの大きさに関する情報をドライバにわかりやすく呈示するための値であり、具体的には、リスクが発生する確率や、リスクが発生した場合にドライバが支払うことになる保険料等を算出する。ここでの具体的な処理は、図13〜図16を用いて後述する。
ステップS25では、ステップS24で算出した複数のリスク指標に基づいて、総合リスク指標を作成する。ここでの具体的な処理は、図17〜図33を用いて後述する。ステップS26では、ステップS25で算出した総合リスク指標を表示や音声によりドライバへ報知する。ここでの具体的な処理は、図34〜図39を用いて後述する。ステップS27では、表示や音声により、リスクを低減するためのアドバイスをドライバに提示する。ここでの具体的な処理は、図40〜図42を用いて後述する。これにより、図3のフローチャートに示す処理を終了する(ステップS28)。
つぎに、ステップS22のドライバの運転行動計測処理について図4のフローチャートを用いて説明する。ステップS31で運転行動計測処理が開始されると、ステップS32で各センサおよびデータベースからの情報に基づいて、自車両の走行状況が特定の走行シーンであるかを判定する。そして、ステップS33で判定された走行シーンに対応したリスクに関係する運転行動指標を測定する。測定した運転行動指標は、メモリ13に記録される。
具体的には、以下に示すように、特定の走行シーンが検出された場合にその走行シーンに対応する運転行動指標を測定する。
・先行車への追従時:先行車追従時の車間時間
・先行車への接近時:先行車接近時の余裕時間
・単独走行時:単独走行時の自車速度と法定速度との差分量
・一時停止線での停車時:一時停止線からの発進加速度
・一時停止線への接近時:一時停止線で減速する際のブレーキ操作開始時における自車両と一時停止線との距離
・後続車に追従されている場合:後続車追従時の後続車との車間時間
・直線路走行時:直線路走行時のステアリングエントロピー
ステップS34では、ステップS33で計測し、蓄積した運転行動指標の、その日の平均値を計算する。具体的には、以下の運転行動指標のその日の平均値を算出する。
・その日の、先行車追従時の車間時間の平均値:THWf_D
・その日の、先行車接近時の余裕時間TTCの平均値:TTC_D
・その日の、単独走行時の、自車速度と法定速度の差分量の平均値:Δv_D
・その日の、一時停止線からの発進加速度の平均値:a_D
・その日の、一時停止線で減速する際のブレーキ操作開始時の距離の平均値:m_D
・その日の、後続車に追従されている時の、後続車との車間時間の平均値:THWb_D
・その日の、直線路走行時のステアリングエントロピーの平均値:Hp_D
ステップS34でその日の運転行動指標の平均値を算出した後、この処理を終了する(ステップS35)。
ここで、運転行動指標と運転行動指標のその日の平均値の算出手順を、図5〜図8のフローチャートを用いて説明する。まず、図5を用いて先行車追従シーン、先行車接近シーン、および単独走行シーンにおける運転行動指標の算出方法を説明する。
ステップS41で処理が開始すると、ステップS42で前方車間距離センサ6によって自車両前方の先行車が検出されているか否かを判定する。先行車が検出されている場合は、ステップS43へ進み、自車両と先行車との相対速度Vrの絶対値が2km/h以下であるか否かを判定する。相対速度の絶対値が2km/h以下であるときは、自車両が先行車との車間距離をほぼ一定に保って追従していると判断し、ステップS44へ進んで自車両と先行車との車間時間(前方車間時間)THWfを算出する。前方車間時間THWfは、自車両が先行車の現在位置に到達するまでの時間を表す値であり、自車両と先行車との車間距離を自車速で除算することにより算出できる。算出した前方車間時間THWfはメモリ13に記録して蓄積する。
ステップS45では、メモリ13に蓄積されたその日の先行車に対する車間時間THWfのデータから、前方車間時間THWfの頻度分布を算出する。そして、ステップS46で、その日の平均車間時間THWf_Dを算出する。
ステップS43で相対速度の絶対値が2km/hよりも大きいと判定されると、ステップS47へ進み、自車両と先行車との相対速度Vrが−2km/hよりも小さいか否かを判定する。相対速度Vrが−2km/hよりも小さい場合は、自車両が先行車に接近していると判断し、ステップS48へ進んで自車両と先行車との余裕時間TTCを算出する。余裕時間TTCは相対速Vrが一定のときに自車両が先行車に接触するまでの時間を表す値であり、自車両と先行車との車間距離を相対速度Vrで除算することにより算出できる。算出した余裕時間TTCはメモリ13に記録して蓄積する。
ステップS49では、メモリ13に蓄積されたその日の先行車に対する余裕時間TTCのデータから、余裕時間TTCの頻度分布を算出する。そして、ステップS50で、その日の平均余裕時間TTC_Dを算出する。一方、ステップS47が否定判定されると、ステップS56へ進み、自車両の現在の走行状況が特定の走行シーンに該当しないと判断してシーンの記録は行わない。
ステップS42で先行車が検出されていないと判定されると、ステップS51へ進む。なお、ステップS51以降の処理では単独走行シーンにおける運転行動指標を測定するので、後方車間距離センサ7によって後続車両は検出されていないものとする。ステップS51では、自車位置センサ8からの信号に基づいて、自車両の現在位置を検出する。ステップS52では、法定速度データベース11から自車両の現在位置に対応する走行路の法定速度データを取得する。ステップS53では、単独走行シーンにおける自車速度と法定速度との差分量Δv(=自車速度−法定速度)を算出する。具体的には、法定速度に基づいて設定される推奨速度と自車速度との差分量(速度差分)を算出し、メモリ13に記録する。
ステップS54では、メモリ13に蓄積されたその日の速度差分Δvのデータから、速度差分の頻度分布を算出する。そして、ステップS55で、その日の平均速度差分Δv_Dを算出する。これにより、この処理を終了する(ステップS57)。
つぎに、図6を用いて一時停止線発進シーン、および一時停止減速シーンにおける運転行動指標の算出方法を説明する。
まず、ステップS61でこの処理を開始すると、ステップS62で前方車間距離センサ6によって先行車両が検出されていないことを確認する。そして、ステップS63で自車位置センサ8からの信号に基づいて、自車両の現在位置を検出する。ステップS64では、一時停止線位置データベース10から自車両の現在位置に対応する走行路の前方にある一時停止線までの自車両からの距離を取得する。ステップS65では、自車両の現在位置から一時停止線までの距離が±3m以下で、かつ、自車速度センサ5で検出される自車両の車速が0km/hであるか否かを判定する。ステップS65が肯定判定されると、ステップS66へ進む。ステップS66では、一時停止線発進シーンであると判断し、一時停止線からの発進後3秒以内に加速度センサ4で検出される自車両の加速度の最大値a(最大加速度)をメモリ13に記録する。
ステップS67では、メモリ13に蓄積されたその日の最大加速度aのデータから、発進時最大加速度の頻度分布を算出する。そして、ステップS68で、その日の平均の発進時最大加速度a_Dを算出する。
一方、ステップS65が否定判定されると、ステップS69へ進み、自車両の現在位置から一時停止線までの距離が50m以下であるか否かを判定する。一時停止線までの距離が50m以下の場合は、ステップS70へ進む。ステップS70では、一時停止線減速シーンと判断し、ブレーキ操作開始時の自車両位置から一時停止線までの距離を計測してメモリ13に記録する。具体的には、一時停止線までの距離が50m以下となってからブレーキペダルセンサ2によってドライバのブレーキペダルの踏み込み操作が検出された時点での、自車両位置から一時停止線までの距離を検出する。
ステップS71では、メモリ13に蓄積されたその日の一時停止線までの距離のデータから、ブレーキ操作開始時の距離の頻度分布を算出する。そして、ステップS72で、その日の平均距離m_Dを算出する。一方、ステップS69が否定判定されると、ステップS73へ進み、自車両の現在の走行状況が特定の走行シーンに該当しないと判断してシーンの記録は行わない。これにより、この処理を終了する(ステップS74)。
つぎに、図7を用いて後続車に追従されている後続車被追従シーンにおける運転行動指標の算出方法を説明する。
まず、ステップS81でこの処理を開始すると、ステップS82で後方車間距離センサ7によって後続車が検出されているか否かを判定する。後続車が検出されている場合は、ステップS83へ進み、後続車被追従シーンと判断して自車両と後続車との車間時間(後方車間時間)を算出してメモリ13に記録する。ここで、後方車間時間は、自車両と後続車との車間距離を自車速度もしくは後続車の車速で除算した値である。
ステップS84では、メモリ13に蓄積されたその日の後方車間時間のデータから、後方車間時間の頻度分布を算出する。そして、ステップS85で、その日の平均の後方車間時間THWb_Dを算出する。一方、ステップS82が否定判定され、後続車が検出されていない場合は、ステップS86へ進み、自車両の現在の走行状況が特定の走行シーンに該当しないと判断してシーンの記録は行わない。これにより、この処理を終了する(ステップS87)。
つぎに、図8を用いて直線路走行シーンにおける運転行動指標の算出方法を説明する。
まず、ステップS91でこの処理を開始すると、ステップS92で自車位置センサ8からの信号に基づいて、自車両の現在位置を検出する。ステップS93では、道路形状データベース9から自車両の現在位置に対応する道路形状のデータを取得する。ステップS94では、ステップS93で取得した道路形状データに基づいて、自車両が走行する道路の曲率Rが1000mよりも大きいか否かを判定する。道路曲率Rが1000mよりも大きい場合は、ステップS95へ進む。
ステップS95では、直線路走行シーンと判断し、操舵角センサ1によって検出される操舵角度に基づいてステアリングエントロピーを計算し、メモリ13に記録する。ステアリングエントロピー法について簡単に説明する。
一般的に、ドライバの注意が運転に集中していない状態では、操舵が行われない時間が運転に集中した正常運転時よりも長くなり、大きな操舵角の誤差が蓄積される。したがって、ドライバの注意が運転に戻ったときの修正操舵量が大きくなる。ステアリングエントロピー法は、この特性に着目したものであり、特性値としてα値と、α値を基準に算出されたステアリングエントロピーHpを用いる。基準となるステアリングエントロピーと、計測された操舵角に基づいて算出されたステアリングエントロピーとを比較することにより、基準に対する運転操作の不安定な状態を検出する。
なお、α値は、操舵角の時系列データに基づいて一定時間内の操舵誤差、すなわちステアリングが滑らかに操作されたと仮定した場合の操舵角の推定値と実際の操舵角との差を求め、操舵誤差の分布(ばらつき)を測定して90パーセントタイル値(操舵誤差の90%が含まれる分布の範囲)を算出したものである。ステアリングエントロピー値、すなわちHp値は、操舵誤差分布のあいまいさ(不確実性)を表す。Hp値は、α値と同様に、ステアリング操作が滑らかで安定している場合は小さくなり、ガクガクと不安定な場合は大きくなる。
つづくステップS96では、メモリ13に蓄積されたその日のステアリングエントロピーのデータから、ステアリングエントロピーの頻度分布を算出する。そして、ステップS97で、その日の平均のステアリングエントロピーHp_Dを算出する。一方、ステップS94が否定判定され、道路曲率Rが1000m以下の場合は、自車両の現在の走行状況が特定の走行シーンに該当しないと判断してシーンの記録は行わない。これにより、この処理を終了する(ステップS99)。
つぎに、ステップS23のリスク予測式の読み込み処理について図9のフローチャートを用いて説明する。ステップS101でリスク予測式の読み込み処理が開始されると、ステップS102で、リスク形態に対するリスク発生結果のデータを読み込む。メモリ13には、図10に示すような各リスク形態とリスク発生結果との関係を示すテーブルが予め定義され、記憶されている。
リスク形態としてはさまざまなリスクが考えられるが、ここでは、前方障害物に対する追突のリスク(追突リスク)、後続車との衝突のリスク(後突リスク)、自車両が走行路外へと逸脱するリスク(路外逸脱リスク)、交差点でのリスク(例えば出会い頭事故等)、および交通弱者へのリスク(例えば歩行者との接触等)に分類し、各リスク形態が実際に発生した場合の結果を対応付けて記憶している。リスク発生結果として、例えば、各リスク形態が実際に発生した場合にドライバが仕事を休業しなければならない平均休業日数YA〜YE日、および各リスク形態が実際に発生した場合にドライバが支払う保険料の上昇分ZA〜ZE円を読み込む。
ステップS103では、運転行動指標に対するリスク発生累積頻度分布のデータを読み込む。メモリ13には、図11および図12に示すような各運転行動指標とリスク発生累積頻度分布がリスク形態ごとに予め定義され、記憶されている。ここでは、以下の運転行動指標を変数として定義し、各リスク形態に関する多数のドライバの運転行動指標データを基にして各リスク形態におけるリスク発生累積頻度分布を設定している。
・先行車への追従シーンの前方車間時間THWf (図11)
・先行車への接近シーンの余裕時間TTC (図11)
・単独走行シーンの法定速度との差分量Δv (図11)
・一時停止線発進シーンの最大加速度a (図12)
・一時停止線減速シーンのブレーキ操作開始タイミング(ブレーキ操作開始時の距離)m (図12)
・後続車被追従シーンの後方車間時間THWb (図12)
・直線路走行シーンのステアリングエントロピーHp (図12)
ステップS104では、ステップS102およびステップS103で読み込んだデータに基づいて、リスクポテンシャル予測式を構築する。具体的には、各リスク形態に対するリスク発生の予測式を、運転行動指標ごとにそれぞれ3種類(総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3に対応)構築する。総合リスク指標Risk1は、1年当たりのリスク発生確率を、総合リスク指標でRisk2はリスク発生による休業で受け取れなくなる1年当たりのドライバの収入を、総合リスク指標Risk3はリスク発生によって値上がりする1年当たりの保険料の増分を示している。なお、以下の式中のPはドライバの平均日当であり、予め設定して入力しておく。
・追突リスク
- 先行車追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_1[回/年]= F_A_1(THWf)[回/日]×365[日/年]
Risk2_A_1[円/年]= F_A_1(THWf)[回/日]×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_1[円/年]= F_A_1(THWf)[回/日]×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 先行車接近シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_2[回/年]= F_A_2(TTC)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_2[円/年]= F_A_2(TTC)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_2[円/年]= F_A_2(TTC)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 単独走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_3[回/年]= F_A_3(THW)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_3[円/年]= F_A_3(THW)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_3[円/年]= F_A_3(THW)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線発進シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_4[回/年]= F_A_4(a)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_4[円/年]= F_A_4(a)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_4[円/年]= F_A_4(a)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線減速シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_5[回/年]= F_A_5(m)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_5[円/年]= F_A_5(m)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_5[円/年]= F_A_5(m)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 後続車からの被追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_A_6[回/年]= F_A_6(THWb)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_6[円/年]= F_A_6(THWb)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_6[円/年]= F_A_6(THWb)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
- 直線路走行シーンのステアリングエントロピーにもとづくリスク予測式
Risk1_A_7[回/年]= F_A_7(Hp)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_A_7[円/年]= F_A_7(Hp)[回/日] ×YA[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_A_7[円/年]= F_A_7(Hp)[回/日] ×ZA[円/回] ×365[日/年]
・後突リスク
- 先行車追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_1[回/年]= F_B_1(THWf)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_1[円/年]= F_B_1(THWf)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_1[円/年]= F_B_1(THWf)[回/日]×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 先行車接近シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_2[回/年]= F_B_2(TTC)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_2[円/年]= F_B_2(TTC)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_2[円/年]= F_B_2(TTC)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 単独走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_3[回/年]= F_B_3(THW)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_3[円/年]= F_B_3(THW)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_3[円/年]= F_B_3(THW)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線発進シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_4[回/年]= F_B_4(a)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_4[円/年]= F_B_4(a)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_4[円/年]= F_B_4(a)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線減速シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_5[回/年]= F_B_5(m)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_5[円/年]= F_B_5(m)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_5[円/年]= F_B_5(m)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 後続車からの被追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_6[回/年]= F_B_6(THWb)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_6[円/年]= F_B_6(THWb)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_6[円/年]= F_B_6(THWb)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
- 直線路走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_B_7[回/年]= F_B_7(Hp)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_B_7[円/年]= F_B_7(Hp)[回/日] ×YB[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_B_7[円/年]= F_B_7(Hp)[回/日] ×ZB[円/回] ×365[日/年]
・路外逸脱リスク
- 先行車追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_1[回/年]= F_C_1(THWf)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_1[円/年]= F_C_1(THWf)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_1[円/年]= F_C_1(THWf)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 先行車接近シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_2[回/年]= F_C_2(TTC)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_2[円/年]= F_C_2(TTC)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_2[円/年]= F_C_2(TTC) 回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 単独走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_3[回/年]= F_C_3(THW)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_3[円/年]= F_C_3(THW)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_3[円/年]= F_C_3(THW)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線発進シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_4[回/年]= F_C_4(a)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_4[円/年]= F_C_4(a)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_4[円/年]= F_C_4(a)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線減速シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_5[回/年]= F_C_5(m)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_5[円/年]= F_C_5(m)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_5[円/年]= F_C_5(m)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 後続車からの被追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_6[回/年]= F_C_6(THWb)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_6[円/年]= F_C_6(THWb)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_6[円/年]= F_C_6(THWb)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
- 直線路走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_C_7[回/年]= F_C_7(Hp)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_C_7[円/年]= F_C_7(Hp)[回/日] ×YC[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_C_7[円/年]= F_C_7(Hp)[回/日] ×ZC[円/回] ×365[日/年]
・交差点でのリスク
- 先行車追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_1[回/年]= F_D_1(THWf)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_1[円/年]= F_D_1(THWf)[回/日]×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_1[円/年]= F_D_1(THWf)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 先行車接近シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_2[回/年]= F_D_2(TTC)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_2[円/年]= F_D_2(TTC)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_2[円/年]= F_D_2(TTC)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 単独走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_3[回/年]= F_D_3(THW)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_3[円/年]= F_D_3(THW)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_3[円/年]= F_D_3(THW)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線発進シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_4[回/年]= F_D_4(a)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_4[円/年]= F_D_4(a)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_4[円/年]= F_D_4(a)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線減速シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_5[回/年]= F_D_5(m)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_5[円/年]= F_D_5(m)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_5[円/年]= F_D_5(m)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 後続車からの被追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_6[回/年]= F_D_6(THWb)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_6[円/年]= F_D_6(THWb)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_6[円/年]= F_D_6(THWb)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
- 直線路走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_D_7[回/年]= F_D_7(Hp)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_D_7[円/年]= F_D_7(Hp)[回/日] ×YD[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_D_7[円/年]= F_D_7(Hp)[回/日] ×ZD[円/回] ×365[日/年]
・交通弱者へのリスク
- 先行車追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_1[回/年]= F_E_1(THWf)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_1[円/年]= F_E_1(THWf)[回/日]×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_1[円/年]= F_E_1(THWf)[回/日]×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 先行車接近シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_2[回/年]= F_E_2(TTC)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_2[円/年]= F_E_2(TTC)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_2[円/年]= F_E_2(TTC)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 単独走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_3[回/年]= F_E_3(THW)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_3[円/年]= F_E_3(THW)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_3[円/年]= F_E_3(THW)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線発進シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_4[回/年]= F_E_4(a)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_4[円/年]= F_E_4(a)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_4[円/年]= F_E_4(a)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 一時停止線減速シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_5[回/年]= F_E_5(m)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_5[円/年]= F_E_5(m)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_5[円/年]= F_E_5(m)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 後続車からの被追従シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_6[回/年]= F_E_6(THWb)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_6[円/年]= F_E_6(THWb)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_6[円/年]= F_E_6(THWb)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
- 直線路走行シーンにもとづくリスク予測式
Risk1_E_7[回/年]= F_E_7(Hp)[回/日] ×365[日/年]
Risk2_E_7[円/年]= F_E_7(Hp)[回/日] ×YE[休業日/回]×P[円/休業日] ×365[日/年]
Risk3_E_7[円/年]= F_E_7(Hp)[回/日] ×ZE[円/回] ×365[日/年]
このようにステップS104でリスク予測式を構築した後、この処理を終了する(ステップS105)。
つぎに、ステップS24のリスク指標算出処理について図13のフローチャートを用いて説明する。ステップS106でリスク指標算出処理が開始されると、ステップS107で、ステップS22で計測したドライバの各種運転行動指標を読み込む。具体的には、以下の運転行動指標の平均値を読み込む。
・その日の、先行車追従時の前方車間時間の平均値THWf_D
・その日の、先行車接近時の余裕時間TTCの平均値TTC_D
・その日の、単独走行時の自車速度と法定速度の差分量の平均値Δv_D
・その日の、一時停止線からの発進時最大加速度の平均値a_D
・その日の、一時停止線で減速する際のブレーキ操作開始時の距離の平均値m_D
・その日の、後続車に追従されている時の後続車との後方車間時間の平均値THWb_D
・その日の、直線路走行時のステアリングエントロピーの平均値Hp_D
ステップS108では、ステップS107で読み込んだドライバーの運転行動指標をステップS23で読み込んだリスク予測式に当てはめ、リスク指標Risk1,Risk2,Risk3を算出する。これにより、この処理を終了する(ステップS109)。図14〜図16に、各リスク形態ごとのそれぞれの運転行動指標に対する3種類のリスク指標Risk1,Risk2,Risk3をそれぞれ示す。
つぎに、ステップS25の総合リスク指標作成処理について説明する。ここでは、ステップS24で算出した個々のリスク指標に基づいて総合的なリスク指標を算出する。総合リスク指標算出方法には以下の4種類があり、何れの方法を用いて算出するかは予め設定しておく。すなわち、いずれか1つの作成方法のプログラムをメモリ13に予め記憶するようにしてもよいし、4種類全てをメモリ13に記憶して必要なときに算出方法を選択できるようにしてもよい。
・方法1:特定のリスク形態に対する複数の運転行動指標に基づくリスク指標計算結果から、総合リスク指標を算出する。方法1による総合リスク指標の算出手順を、図17のフローチャートを用いて説明する。
ステップS111で総合リスク指標の算出処理を開始すると、ステップS112で特定のリスク形態に対する各種運転行動指標でのリスク指標の計算結果を読込む。ステップS113では、各種運転行動指標に基づくリスク指標の計算結果の中から、最大値を総合リスク指標として選択して、この処理を終了する(ステップS114)。
図18〜図20に、例として追突リスクを特定のリスク形態とした場合に算出される総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3を示す。図18に示すように、1年当たりのリスク発生確率を示す総合リスク指標Risk1は、Risk1=MAX(Risk1_A_1, Risk1_A_2, Risk1_A_3, Risk1_A_4, Risk1_A_5, Risk1_A_6, Risk1_A_7)として算出される。図19に示すように、1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を示す総合リスク指標Risk2は、Risk2=MAX(Risk2_A_1, Risk2_A_2, Risk2_A_3, Risk2_A_4, Risk2_A_5, Risk2_A_6, Risk2_A_7)として算出される。図20に示すように、1年当たりのリスク発生によって予測される保険料の増分を示すリスク指標Risk3は、Risk3=MAX(Risk3_A_1, Risk3_A_2, Risk3_A_3, Risk3_A_4, Risk3_A_5, Risk3_A_6, Risk3_A_7)として算出される。
・方法2:特定の運転行動指標において複数のリスク形態に対するリスク指標計算結果から、総合リスク指標を算出する。方法2による総合リスク指標の算出手順を、図21のフローチャートを用いて説明する。
ステップS121で総合リスク指標の算出処理を開始すると、ステップS122で特定の運転行動指標に対する各種リスク形態のリスク指標の計算結果を読込む。ステップS123では、各種リスク形態におけるリスク指標の計算結果の中から、最大値を総合リスク指標として選択して、この処理を終了する(ステップS124)。
図22〜図24に、例として先行車追従シーンの車間時間を特定の運転行動指標とした場合に算出される総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3を示す。図22に示すように、1年当たりのリスク発生確率を示す総合リスク指標Risk1は、Risk1=MAX(Risk1_A_1, Risk1_B_1, Risk1_C_1, Risk1_D_1, Risk1_E_1)として算出される。図23に示すように、1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を示す総合リスク指標Risk2は、Risk2=MAX(Risk2_A_1, Risk2_B_1, Risk2_C_1, Risk2_D_1, Risk2_E_1)として算出される。図24に示すように、1年当たりのリスク発生によって予測される保険料の増分を示すリスク指標Risk3は、Risk3=MAX(Risk3_A_1, Risk3_B_1, Risk3_C_1, Risk3_D_1, Risk3_E_1)として算出される。
・方法3:それぞれのリスク形態に対して、代表的な運転行動指標のリスク指標計算結果を選択し、その中で総合リスク指標を算出する。方法3による総合リスク指標の算出手順を、図25のフローチャートを用いて説明する。図26に、各リスク形態の代表的な運転行動指標の一例を示す。あるリスク形態に対して代表的な運転行動指標が複数ある場合は、全てピックアップする。
図26に示すように、追突リスクについては、先行車追従シーンにおける車間時間と先行車接近シーンの余裕時間を選択する。後突リスクについては、後続車からの被追従シーンにおける後方車間時間を選択する。路外逸脱リスクについては、単独走行シーンの速度差分と、直線路走行シーンのステアリングエントロピーを選択する。交差点でのリスクについては、一時停止線減速シーンのブレーキ操作開始距離(タイミング)を選択する。交通弱者へのリスクについては、一時停止線発進シーンの最大加速度を選択する。
ステップS131で総合リスク指標の算出処理を開始すると、ステップS132でそれぞれのリスク形態における代表的な運転行動指標のリスク指標計算結果を読み込む。ステップS133では、読み込んだ全てのリスク指標の計算結果の中から、最大値を総合リスク指標として選択して、この処理を終了する(ステップS134)。
図27〜図29に、図26に示した運転行動指標を代表的な運転行動指標として選択した場合に算出される総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3を示す。図27に示すように、1年当たりのリスク発生確率を示す総合リスク指標Risk1は、Risk1=MAX(Risk1_A_1, Risk1_A_2, Risk1_B_6, Risk1_C_3, Risk1_C_7,Risk1_D_5,Risk1_E_4)として算出される。図28に示すように、1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を示す総合リスク指標Risk2は、Risk2=MAX(Risk2_A_1, Risk2_A_2, Risk2_B_6, Risk2_C_3, Risk2_C_7,Risk2_D_5,Risk2_E_4)として算出される。図29に示すように、1年当たりのリスク発生によって予測される保険料の増分を示すリスク指標Risk3は、Risk3=MAX(Risk3_A_1, Risk3_A_2, Risk3_B_6, Risk3_C_3, Risk3_C_7,Risk3_D_5,Risk3_E_4)として算出される。
・方法4:複数の運転行動指標と複数のリスク携帯に対するリスク指標計算結果から、総合リスク指標を算出する。方法4による総合リスク指標の算出手順を、図30のフローチャートを用いて説明する。
ステップS141で総合リスク指標の算出処理を開始すると、ステップS142で複数の運転行動指標に対する各種リスク形態のリスク指標計算結果を読み込む。ステップS143では、読み込んだ全てのリスク指標の計算結果の中から、最大値を総合リスク指標として選択して、この処理を終了する(ステップS144)。なお、総合リスク指標は、ドライバの運転行動を評価して、運転行動から予測されうるリスクをリスクの発生頻度、収入の減少、または保険料の増加といった定量的な指標で表したものである。
図31〜図33に、方法4によって算出される総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3を示す。図31に示すように、1年当たりのリスク発生確率を示す総合リスク指標Risk1は、Risk1=MAX(Risk1_A_1〜7, Risk1_B_1〜7, Risk1_C_1〜7, Risk1_D_1〜7, Risk1_E_1〜7)として算出される。図32に示すように、1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を示す総合リスク指標Risk2は、Risk2=MAX(Risk2_A_1〜7, Risk2_B_1〜7, Risk2_C_1〜7, Risk2_D_1〜7, Risk2_E_1〜7)として算出される。図33に示すように、1年当たりのリスク発生によって予測される保険料の増分を示すリスク指標Risk3は、Risk3=MAX(Risk3_A_1〜7, Risk3_B_1〜7, Risk3_C_1〜7, Risk3_D_1〜7, Risk3_E_1〜7)として算出される。
つぎに、ステップS26のドライバへの報知処理について図34のフローチャートを用いて説明する。ステップS151でドライバへの報知処理が開始されると、ステップS152で、ドライバへ提示する総合リスク指標を選択する。具体的には、ステップS25で算出した3種類の総合リスク指標Risk1,Risk2,Risk3の中から1つを、ドライバへ提示する総合リスク指標として選択する。これは、例えばドライバが表示装置16の画面に表示されたタッチパネルを操作することによって所望の総合リスク指標を選択できるようにする。あるいは、予め提示用として設定した総合リスク指標を表示することもできる。
ステップS153では、ステップS152で選択した総合リスク指標の過去3ヶ月の平均値Avと標準偏差σを計算する。ステップS154では、総合リスク指標を規定値C1と比較する。規定値C1は、ステップS153で算出した総合リスク指標の平均値Avと標準偏差σを用いて、以下の(式1)から算出する。
C1=Av+2σ ・・・(式1)
総合リスク指標が規定値C1よりも大きい場合は、ステップS155へ進む。
ステップS155では、総合リスク指標をドライバへ提示する。ここでは、音声による報知を自動的に行い、表示による報知を手動で行う。例えば、提示用の総合リスク指標としてRisk3を選択した場合、音声装置17は、「ご注意ください。リスクの高い状態になっています。今の運転を続けると、来年度の保険料が3万円値上がりします。」という音声情報を出力する。また、表示装置16は、例えば図35に示すように、「リスクの診断結果」を表示選択するためのタッチパネルボタンをナビゲーションシステムの表示画面に重畳して表示する。
ステップS154が否定判定されると、ステップS156へ進み、総合リスク指標総合リスク指標を規定値C2と比較する。規定値C1は、ステップS153で算出した総合リスク指標の平均値Avと標準偏差σを用いて、以下の(式2)から算出する。
C2=Av+σ ・・・(式2)
総合リスク指標が規定値C2よりも大きい場合は、ステップS157へ進む。総合リスク指標が規定値C2以下の場合は、ステップS158へ進んでドライバへの報知を行わずにこの処理を終了する。
ステップS157では、総合リスク指標をドライバへ提示する。ここでは、表示による報知を手動で行う。表示装置16は、例えば図36に示すように、「リスクの診断結果」を表示選択するためのタッチパネルボタンをナビゲーションシステムの表示画面に重畳して表示する。これにより、この処理を終了する(ステップS159)。
ステップS155またはS157で表示された「リスクの診断結果」ボタンが操作されると、図37〜図39に示す表示画面に移行する。ただし、「リスクの診断結果」ボタンは停車状態の場合に限って操作可能であり、走行中に操作されると音声装置17により「走行中の表示はできません」という音声報知をして、表示画面の移行は行わない。
図37(a)(b)は、提示用の総合リスク指標として1年当たりのリスク発生確率を示すRisk1を選択した場合の表示画面、図38(a)(b)は、提示用の総合リスク指標として1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を示すRisk2を選択した場合の表示画面、および図39(a)(b)は、提示用の総合リスク指標として1年当たりのリスク発生によって値上がりする保険料の増分予測を示すRisk3を選択した場合の表示画面の例をそれぞれ示す。
「リスクの診断結果」ボタンが操作されると、表示装置16の表示画面には図37(a)、図38(a)、または図39(a)に示すような提示用の総合リスク指標に関する情報が表示される。Risk1を選択した場合、図37(a)に示すように例えば「今の運転を続けた場合、1年間で最大0.8回のリスクに遭遇する可能性があります」というテキストを表示する。Risk2を選択した場合、図38(a)に示すように例えば「今の運転を続けた場合、年収が最大12万円減少する可能性があります」というテキストを表示する。Risk3を選択した場合、図39(a)に示すように例えば「今の運転を続けた場合、来年度の保険料が最大3万円値上がりする可能性があります」というテキストを表示する。
これらの表示画面の下方領域には、「ナビに戻るボタン」が表示される。さらに、上述した方法2〜4のいずれかによって総合リスク指標を算出した場合は、図37(a)、図38(a)、および図39(a)に示すような「詳細へ」ボタンが表示される。方法1によって総合リスク指標を算出した場合は、「詳細へ」ボタンは表示されない。
「詳細へ」ボタンが操作されると、表示装置16の表示画面には図37(b)、図38(b)、または図39(b)に示すような提示用の総合リスク指標に関する情報が表示される。この場合、上述した複数のリスク形態を前方のリスク、後方のリスク、および側方のリスクに分類し、それぞれについての情報を提示する。前方のリスクは、追突リスク、交差点でのリスク、および交通弱者へのリスクに対するリスク指標の中から最大のものを選択して表示する。後方のリスクは、後突リスクに対するリスク指標を表示する。側方のリスクは、路外逸脱リスクに対するリスク指標を表示する。
なお、上述した方法3または方法4によって総合リスク指標を算出した場合は、図37(b)、図38(b)、および図39(b)に示すように詳細情報の表示画面の下方領域に、「アドバイスの表示」ボタンが表示される。「アドバイスの表示」ボタンが操作されると、後述するようなリスク低減のためのアドバイス表示画面に移行する。方法1または方法2によって総合リスク指標を算出した場合は、「アドバイスの表示」ボタンは表示されない。アドバイスの表示は、図3のメインフローチャートにおけるステップS27のドライバへのアドバイスの提示処理に相当する。すなわち、方法3または方法4によって総合リスク指標を算出した場合は、ステップS26でドライバへの報知を行った後、ステップS27へ進んでドライバへのアドバイスの提示処理に進むが、方法1または方法2によって総合リスク指標を算出した場合は、ステップS26でドライバへの報知を行った後、ステップS27をスキップして処理を終了する。
ステップS27のドライバへのアドバイス提示処理について図40のフローチャートを用いて説明する。ステップS161でドライバへのアドバイスの提示処理が開始されると、ステップS162で、ドライバへアドバイスを提示する運転行動を抽出する。具体的には、各運転行動指標について計算されるリスク指標の最大値(方法3の場合は1つしかないので、その値)が、前述の判別値C2(=Av+σ)を超えているかを判定する。そして、判別式C2を超えているリスク指標に対応する運転行動指標を記憶する。
ステップS163では、表示装置16にアドバイス画面を表示する。具体的には、ステップS162で判別値C2を超えていると判定されたリスク指標に対応する運転行動指標について、図41の表に示すようなメッセージを読み出してアドバイス画面を表示する。図42に、先行車追従シーンの車間時間および直線路走行シーンのステアリングエントロピーがそれぞれ判別値C2を超えている場合の、アドバイス画面の表示例を示す。これにより、この処理を終了する(ステップS164)。
図41に示すように、先行車追従シーンの車間時間が判別値C2を超える場合は、「車間時間が短めです。車間を広めに取りましょう。」というメッセージを表示する。先行車接近シーンの余裕時間が判別値C2を超える場合は、「ブレーキタイミングが遅めです。早めのブレーキ操作を心掛けましょう。」というメッセージを表示する。単独走行シーンの速度差分んが判別値C2を超える場合は、「速度が高めです。交通環境に応じた速度で走行しましょう。」というメッセージを表示する。一時停止線発進シーンの最大加速度が判別値C2を超える場合は、「発進が急です。穏やかな発進を心掛けましょう。」というメッセージを表示する。
一時停止線減速シーンのブレーキ操作開始距離(タイミング)が判別値C2を超える場合は、「一時停止線でのブレーキタイミングが遅めです。早めのブレーキ操作を心掛けましょう。」というメッセージを表示する。後続車被追従シーンの車間時間が判別値C2を超える場合は、「後続車が接近しています。先を譲るなどして無理な運転は控えましょう。」というメッセージを表示する。直線路走行シーンのステアリングエントロピーが判別値C2を超える場合は、「ハンドル操作が急です。交通環境に注意して走行しましょう。」というメッセージを表示する。
このように、以上説明した一実施の形態によると、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)ドライバの運転行動を表す運転行動指標を検出し、運転行動指標に基づいてリスクの大きさを表すリスク指標を算出する。さらにリスク指標に基づいて総合リスク指標を算出し、リスクの状態をドライバへ報知するとともに、必要に応じてリスクを低減するための助言をドライバへ提示する。ドライバの運転行動に基づいてリスク指標を算出するので、ドライバ個人の運転特性に応じた情報呈示を行うことができる。また、総合的なリスク指標を提示するので、簡潔で分かりやすい情報呈示を行うことができる。
(2)運転行動指標としては、車両の走行状態を表す物理指標およびドライバによる車両の操作状態を表す物理指標を検出する。具体的には、先行車追従時の車間時間、先行車接近時の余裕時間、単独走行時の自車速度と法定速度との差分量、一時停止線からの発進加速度、一時停止線で減速する際のブレーキ操作開始時における自車両と一時停止線との距離、後続車追従時の後続車との車間時間、および直線路走行時のステアリングエントロピーを取得する。これにより、車両走行状態やドライバの操作状態に表れるドライバの運転特性を的確に把握することができる。
(3)予め特定した走行シーンにおいて物理指標を検出するので、車両走行状態やドライバの操作状態を一定の条件で検出することができ、ドライバの運転特性を正確に把握することができる。
(4)リスク指標は、予め設定されたリスク予測式に運転行動指標を当てはめることにより算出するので、リスク指標の算出を速やかに行うことができる。
(5)リスク予測式は、追突リスク、後突リスク、路外逸脱リスク、交差点でのリスク、および交通弱者へのリスクに関するリスク指標をそれぞれ算出するように設定されている。したがって、各種リスクに対応したリスク指標を算出することができる。
(6)リスク指標としては、特定のリスクの発生確率とそのリスクが実際に発生したことによる結果を用いる。例えば、1年当たりのリスクの発生確率、1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測、および1年当たりのリスク発生によって値上がりする保険料の増分予測を、リスク指標として算出する。このようなリスク指標を用いることにより、ドライバの運転行動がもたらす結果を想像しやすく、ドライバが共感しやすい情報を提示することができる。
(7)リスク予測式は、多数のドライバの運転行動指標に対するリスク発生頻度の関係に基づいて設定されている。具体的には、図11および図12に示すような各運転行動指標に対応するリスク発生累積頻度分布を用いてリスク予測式を設定する。これにより、ドライバの運転行動を客観的に評価することができる。
(8)方法1によって総合リスク指標を算出する場合は、複数の運転行動指標に基づく複数のリスク指標を用いて、特定のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する。これは、特定のリスク形態に関する情報を得たい場合に有効である。
(9)方法2によって総合リスク指標を算出する場合は、単一の運転行動指標に基づく複数のリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する。これは、特定の運転行動指標に関する運転評価を行いたい場合に有効である。
(10)方法3によって総合リスク指標を算出する場合は、複数のリスク指標を用いて、複数の運転行動指標がそれぞれ代表する複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する。ドライバの運転行動に起因して発生する可能性のあるリスク形態について総合リスク指標が算出されるので、ドライバに分かりやすい情報提供を行うことが可能となる。
(11)方法4によって総合リスク指標を算出する場合は、複数の運転行動指標に基づく複数のリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出する。これにより、あらゆる運転行動およびリスク形態を考慮した総合的なリスク情報の呈示を行うことが可能となる。
(12)リスク状態報知指示が出力されると、リスクの状態を報知する。具体的には、表示装置16に表示された「リスクポテンシャルの診断結果」ボタンが操作されるとドライバへの報知を行うので、ドライバが必要とするときに所望のタイミングで情報提供を行うことができる。
(13)総合リスク指標が所定値を超えると自動的にリスクの状態を報知するので、必要な情報を速やかに提供することができる。
(14)リスクの状態を報知する場合は、総合リスク指標から個別のリスク指標へと階層表示するので、必要な情報を段階的にわかりやすくドライバへ提供することができる。
(15)助言提示指示が出力されると、助言の呈示を行う。具体的には、表示装置16に表示された「アドバイスの表示」ボタンが操作されるとアドバイスの呈示を行うので、ドライバが必要とするときに所望のタイミングで情報提供を行うことができる。助言を提示することにより、ドライバにとっては、リスクを下げるためには何をすればよいのかが明確にわかるので、ドライバの運転技術を向上するよう導くことが可能となる。
上述した実施の形態では、運転行動指標として前方車間時間や余裕時間等、種々の物理量を取得したが、検出する運転行動指標としては上述したものには限定されない。上記運転行動指標に、さらに他の指標を加えてもよいし、いずれかの指標を省略することも可能である。また、走行シーンやリスク形態も上述したものには限定されない。
以上説明した一実施の形態において、操舵角センサ1、ブレーキペダルセンサ2、アクセルペダルセンサ3、加速度センサ4、自車速度センサ5、前方車間距離センサ6、後方車間距離センサ7、自車位置センサ8、道路形状データベース9、一時停止線位置データベース10、法定速度データベース11、および運転行動指標計算用コンピュータ12が運転行動検出手段として機能し、リスク計算用コンピュータ15がリスク算出手段および総合リスク指標算出手段として機能し、表示装置16および音声装置17がリスク報知手段および助言提示手段として機能することができる。例えば運転行動検出手段はこれらには限定されず、評価する運転行動やリスク形態に応じて適したものを用いることができる。また、リスク報知や助言提示のために、表示装置16または音声装置17を用いるように構成することも可能である。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
本発明の一実施の形態による車両用運転評価装置のシステム構成を示す図。 図1に示す車両用運転評価装置を搭載した車両の構成図。 車両用運転評価装置による動作を示すメインフローチャート。 ドライバの運転行動計測処理の処理手順を示すフローチャート。 先行車追従シーン、先行車接近シーン、および単独走行シーンにおける運転行動計測処理を説明するフローチャート。 一時停止線発進シーンおよび一時停止線減速シーンにおける運転行動計測処理を説明するフローチャート。 後続車からの被追従シーンにおける運転行動計測処理を説明するフローチャート。 直線路走行シーンにおける運転行動計測処理を説明するフローチャート。 リスク予測式読込み処理の処理手順を示すフローチャート。 リスク形態ごとのリスク発生結果を示す図。 リスク形態ごとの運転行動指標に対するリスク発生累積頻度分布を示す図。 リスク形態ごとの運転行動指標に対するリスク発生累積頻度分布を示す図。 リスク算出処理の処理手順を示すフローチャート。 1年当たりのリスク発生確率を表すリスク指標Risk1の計算結果を示す図。 1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を表すリスク指標Risk2の計算結果を示す図。 1年当たりのリスク発生によって値上がりする保険料の増分予測を表すリスク指標Risk3の計算結果を示す図。 方法1による総合リスク指標算出処理の処理手順を示すフローチャート。 方法1による総合リスク指標Risk1の算出事例を示す図。 方法1による総合リスク指標Risk2の算出事例を示す図。 方法1による総合リスク指標Risk3の算出事例を示す図。 方法2による総合リスク指標算出処理の処理手順を示すフローチャート。 方法2による総合リスク指標Risk1の算出事例を示す図。 方法2による総合リスク指標Risk2の算出事例を示す図。 方法2による総合リスク指標Risk3の算出事例を示す図。 方法3による総合リスク指標算出処理の処理手順を示すフローチャート。 方法3による各種リスク形態を代表する運転行動指標を示す図。 方法3による総合リスク指標Risk1の算出事例を示す図。 方法3による総合リスク指標Risk2の算出事例を示す図。 方法3による総合リスク指標Risk3の算出事例を示す図。 方法4による総合リスク指標算出処理の処理手順を示すフローチャート。 方法4による総合リスク指標Risk1の算出事例を示す図。 方法4による総合リスク指標Risk2の算出事例を示す図。 方法4による総合リスク指標Risk3の算出事例を示す図。 ドライバへの報知処理の処理手順を示すフローチャート。 総合リスク指標の音声報知を説明する図。 総合リスク指標の手動表示選択画面を示す図。 (a)(b)1年当たりのリスク発生確率を表す総合リスク指標Risk1の表示例を示す図。 (a)(b) 1年当たりのリスク発生による休業で受け取れなくなる収入予測を表す総合リスク指標Risk2の表示例を示す図。 (a)(b)1年当たりのリスク発生によって値上がりする保険料の増分予測を表す総合リスク指標Risk3の表示例を示す図。 ドライバへのアドバイス提示処理の処理手順を示すフローチャート。 各運転行動指標に対応してドライバに提示するアドバイスを示す図。 アドバイス表示画面の一例を示す図。
符号の説明
1:操舵角センサ、2:ブレーキペダルセンサ、3:アクセルペダルセンサ3、4:加速度センサ、5:自車速度センサ、6:前方車間距離センサ、7:後方車間距離センサ、8:自車位置センサ、9:道路形状データベース、10:一時停止線位置データベース、11:法定速度データベース、12:運転行動指標計算用コンピュータ、13:メモリ、14:リスク予測式データベース、15:リスク計算用コンピュータ、16:表示装置、17:音声装置、18:コントローラ

Claims (12)

  1. ドライバの運転行動を表す運転行動指標を検出する運転行動検出手段と、
    前記運転行動検出手段によって検出される前記運転行動指標に基づいて、リスクの大きさを表すリスク指標を算出するリスク算出手段と、
    前記リスク算出手段によって算出される前記リスク指標に基づいて総合リスク指標を算出する総合リスク指標算出手段と、
    前記総合リスク指標算出手段によって算出される前記総合リスク指標に基づく情報を前記ドライバへ提示する情報提示手段とを備え
    前記運転行動検出手段は、複数の運転行動指標を検出し、
    前記リスク算出手段は、前記複数の運転行動指標のそれぞれについて複数のリスク形態を設定し、各運転行動指標ごと、かつ各リスク形態ごとに、リスク指標を算出し、
    前記総合リスク指標算出手段は、前記リスク算出手段で各運転行動指標ごとかつ各リスク形態ごとに算出されたリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出することを特徴とする車両用運転評価装置。
  2. 請求項1に記載の車両用運転評価装置において、
    前記運転行動検出手段は、前記運転行動指標として、車両の走行状態を表す物理指標および前記ドライバによる前記車両の操作状態を表す物理指標を検出することを特徴とする車両用運転評価装置。
  3. 請求項2に記載の車両用運転評価装置において、
    前記運転行動検出手段は、予め設定した特定の走行シーンにおいて前記物理指標を検出することを特徴とする車両用運転評価装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク算出手段は、予め設定されたリスク予測式に前記運転行動指標を当てはめることにより前記リスク指標を算出することを特徴とする車両用運転評価装置。
  5. 請求項4に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク予測式は、追突リスク、後突リスク、路外逸脱リスク、交差点でのリスク、および交通弱者へのリスクに関するリスク指標をそれぞれ算出するように設定されていることを特徴とする車両用運転評価装置。
  6. 請求項5に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク算出手段は、前記リスク指標として、特定のリスクの発生確率と前記リスクの発生による前記ドライバの収入の減少分および保険料の増分を用いることを特徴とする車両用運転評価装置。
  7. 請求項4に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク予測式は、多数のドライバの運転行動指標に対するリスク発生頻度の関係に基づいて設定されていることを特徴とする車両用運転評価装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用運転評価装置において、
    前記総合リスク指標算出手段によって算出される前記総合リスク指標に基づいて前記リスクの状態を前記ドライバへ報知するかを指示するリスク報知指示手段をさらに備え、
    前記情報提示手段は、前記リスク報知指示手段からの信号に応じて前記リスクの状態を前記ドライバへ報知するリスク報知手段を備えることを特徴とする車両用運転評価装置。
  9. 請求項8に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク報知手段は、前記総合リスク指標が所定値を超えると自動的に前記リスクの状態を報知することを特徴とする車両用運転評価装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の車両用運転評価装置において、
    前記リスク報知手段は、前記総合リスク指標から個別のリスク指標へと階層表示することを特徴とする車両用運転評価装置。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の車両用運転評価装置において、
    前記総合リスク指標算出手段によって算出される前記総合リスク指標に基づいて前記リスクを低減するための助言を前記ドライバへ提示するかを指示する助言提示指示手段をさらに備え、
    前記情報提示手段は、前記助言提示指示手段からの信号に応じて前記ドライバへの前記助言の呈示を行う助言提示手段を備えることを特徴とする車両用運転評価装置。
  12. ドライバの運転行動を表す運転行動指標を検出し、
    検出された前記運転行動指標に基づいて、リスクの大きさを表すリスク指標を算出し、
    算出された前記リスク指標に基づいて総合リスク指標を算出し、
    算出された前記総合リスク指標に基づく情報を前記ドライバへ提示し、
    前記運転行動指標の検出において、複数の運転行動指標を検出し、
    前記複数の運転行動指標のそれぞれについて複数のリスク形態を設定し、各運転行動指標ごと、かつ各リスク形態ごとに、リスク指標を算出し、
    各運転行動指標ごとかつ各リスク形態ごとに算出されたリスク指標を用いて、複数のリスク形態に対する総合リスク指標を算出することを特徴とする車両用運転評価方法。
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