JP4981597B2 - 同期発電機 - Google Patents
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Description
但し、電磁石を励磁用に用いた場合、電流を消費するため、それがロスとなり、特に小型の同期発電機になるほど発電効率にマイナスの影響を与える。そのため、永久磁石を励磁用として用いた同期発電機が望まれることもある。
特許文献1に記載の装置には、透磁率を調節することは記載されているものの、温度によって透磁率が意図せずに変化することに対する解決策は記載されていない。そのため、特許文献1に記載の装置では、発電電圧を適正に制御できない場合が発生することになる。
前記電機子巻線からの出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方の温度を調節する温度調節手段と、
前記電機子巻線からの出力電圧が所定電圧になるように、前記電圧検出手段の検出結果に基づいて前記温度調節手段の作動を制御する制御手段とを備える点にある。
従って、励磁用に永久磁石を用いながら、発電電圧を制御可能な同期発電機を提供できる。
以下に第1実施形態の同期発電機100の構成について説明する。
図1は、第1実施形態の同期発電機100の概略的な構成図である。本実施形態の同期発電機100は、外部の動力源1によって回転される回転子4と、当該回転子4を回転軸周りに取り囲む固定子3と、前記回転子4及び前記固定子3の何れか一方に設けられた励磁用の永久磁石6と、他方に設けられた電機子巻線5とを備える。具体的には、同期発電機100は、エンジン、風車、水車など、回転軸2を回転させる様々な動力源1から駆動力を得ている。回転軸2には回転子4が設けられ、その周囲には固定子3が設けられている。本実施形態では、回転子4に励磁用の永久磁石6が設けられ、固定子3に電機子巻線5が設けられている。よって、回転子4が回転すると、同時に回転する永久磁石6からの磁束によって電機子巻線5の鎖交磁束が変化して、起電力が発生する。そして、電機子巻線5に誘導された電力は、出力線7から出力される。尚、回転子4に電機子巻線5を設け、固定子3に励磁用の永久磁石6を設けてもよい。
よって、回転子4や固定子3にこのような磁性部材を用いた場合、様々な要因(例えば、同期発電機100を運転することによる発熱など)による温度変化に伴って回転子4や固定子3の透磁率が変化し(つまり、温度変化に伴って回転子4や固定子3の磁気抵抗が変化し)、結果として、電機子巻線5の鎖交磁束が変化する可能性がある。そして、電機子巻線5の鎖交磁束が変化すれば、同期発電機100の発電電圧が変化する。
具体的には、制御手段9は、電圧検出手段8が検出した電機子巻線5からの出力電圧が所定電圧よりも低いとき、送風装置10によって温度が調節される回転子4及び固定子3の少なくとも一方の透磁率が大きくなるように送風装置10を作動させ、電圧検出手段8が検出した電機子巻線5からの出力電圧が所定電圧よりも高いとき、送風装置10によって温度が調節される回転子4及び固定子3の少なくとも一方の透磁率が小さくなるように送風装置10を作動させる。
例えば、回転子3及び固定子3の温度が、図2に示した温度Tp以下の温度域に存在している場合、制御手段9が、送風量が少なくなるように送風装置10を制御すると、回転子3及び固定子3の少なくとも一方の温度の上昇に伴ってそこの透磁率が大きくなり、磁気抵抗が小さくなる。そして、電機子巻線5の鎖交磁束が大きくなり、電機子巻線5からの出力電圧が高くなる。また、制御手段9が、送風量が多くなるように送風装置10を制御すると、回転子3及び固定子3の少なくとも一方の温度の低下に伴ってそこの透磁率が小さくなり、磁気抵抗が大きくなる。そして、電機子巻線5の鎖交磁束が小さくなり、電機子巻線5からの出力電圧が低くなる。
第2実施形態の同期発電機は、送風装置及び制御手段の構成が第1実施形態の同期発電機と異なっている。以下に第2実施形態の同期発電機200の構成について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第3実施形態の同期発電機は、送風装置の構成が第2実施形態の同期発電機と異なっている。以下に第3実施形態の同期発電機300の構成について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第4実施形態の同期発電機は、温度調節手段の構成が上記実施形態と異なっている。以下に第4実施形態の同期発電機400の構成について説明するが、上記実施形態と同様の構成については説明を省略する。
第5実施形態の同期発電機は、温度調節手段としての熱媒流通装置の構成が第4実施形態と異なっている。以下に第5実施形態の同期発電機500の構成について説明するが、第4実施形態と同様の構成については説明を省略する。
そして、制御手段9は、配管51を流れる冷却水の流量を調節するための流量制御弁52の開度を制御する。
上記実施形態では、温度調節手段Tとしての送風装置及び熱媒流通装置の何れか一つが同期発電機に設けられる形態について説明したが、一つの同期発電機に上記送風装置及び上記熱媒流通装置の両方を設けてもよい。
2 回転軸
3 固定子
4 回転子
5 電機子巻線
6 永久磁石
7 出力線
8 電圧検出手段
9 制御手段
10、20、30 送風装置
12、22、32 ファン
21 変速部
40、50 熱媒流通装置
100、200、300、400、500 同期発電機
T 温度調節手段
Claims (6)
- 外部の動力源によって回転される回転子と、当該回転子を回転軸周りに取り囲む固定子と、前記回転子及び前記固定子の何れか一方に設けられた励磁用の永久磁石と、他方に設けられた電機子巻線とを備える同期発電機であって、
前記電機子巻線からの出力電圧を検出する電圧検出手段と、
前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方の温度を調節する温度調節手段と、
前記電機子巻線からの出力電圧が所定電圧になるように、前記電圧検出手段の検出結果に基づいて前記温度調節手段の作動を制御する制御手段とを備える同期発電機。 - 前記制御手段は、前記電圧検出手段が検出した前記電機子巻線からの出力電圧が前記所定電圧よりも低いとき、前記温度調節手段によって温度が調節される前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方の透磁率が大きくなるように前記温度調節手段を作動させ、前記電圧検出手段が検出した前記電機子巻線からの出力電圧が前記所定電圧よりも高いとき、前記温度調節手段によって温度が調節される前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方の透磁率が小さくなるように前記温度調節手段を作動させるように構成されている請求項1記載の同期発電機。
- 前記温度調節手段は、前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方に向けて風を送る送風装置を用いて構成される請求項1又は2記載の同期発電機。
- 前記回転子の回転軸が前記送風装置の回転軸とされ、前記送風装置のファンの角度が可変とされ、前記制御手段により前記ファンの角度が制御される請求項3記載の同期発電機。
- 前記回転子の回転軸が前記送風装置の回転軸とされ、前記送風装置のファンが前記回転軸に対して変速部を介して接続され、前記制御手段が前記変速部の作動を制御して前記ファンの回転速度が制御される請求項3記載の同期発電機。
- 前記温度調節手段は、前記回転子及び前記固定子の少なくとも一方と熱交換を行う熱媒を流通させる熱媒流通装置を用いて構成される請求項1〜5の何れか一項に記載の同期発電機。
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