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JP4981339B2 - 内視鏡用注射具 - Google Patents

内視鏡用注射具 Download PDF

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Description

この発明は内視鏡用注射具に関する。
内視鏡用注射具は一般に、先端に注射針が設けられた可撓性の送液管が、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱される可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置されていて、送液管の基端に連結された注液口金が可撓性シースの基端に連結された把持口金に対して軸線方向に進退操作されるように設けられると共に、注液口金を上記把持口金に対して所定の位置で静止状態に維持するためのクリック機構が設けられている(例えば、特許文献1)。
実公平3−32327
図6は、従来の内視鏡用注射具の手元操作部付近を示しており、注液チューブ90の基端に取り付けられた注液口金91と実質的に一繋がりの筒体91aの外周面に、軸線方向に間隔をあけて一対の円周溝92A,92Bが形成され、弾性変形しながらその円周溝92A,92Bと係脱する弾力性のある材料からなるOリング93が把持口金94の端部に装着されて、Oリング93と一対の円周溝92A,92Bとによりクリック機構が構成されている。95は、Oリング93を押さえる締め環であり把持口金94の基端部分に螺合している。
図7と図8は従来の内視鏡用注射具の全体構成とその動作を示しており、注液チューブ90の先端には注射針96が設けられ、把持口金94には可撓性シース97の基端側が連結されている。
そして、図7に示されるように、注射針96が可撓性シース97の先端から突出した状態の時にOリング93が一方の円周溝92Aに係合し、図8に示されるように、注射針96が可撓性シース97内に収納された状態の時にOリング93が他方の円周溝92Bに係合して、その二箇所でクリックが入った状態になることにより、注液口金91が把持口金94に対して静止した状態に維持されるようになっている。
しかし、そのような構成では、いわゆるクリック静止状態を得るために、Oリング93という単独部品が必要になると同時に締め環95等のような有ネジ部材等まで必要になるため、部品コストが大きなものになって非常に経済性が悪かった。
そこで本発明は、注射針が可撓性シースの先端から突出した状態と可撓性シース内に収納された状態の各々においてクリック静止状態を得ることができる構成について大幅なコスト削減を達成することができる内視鏡用注射具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用注射具は、先端に注射針が設けられた可撓性の送液管が、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱される可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置され、送液管の基端に連結された注液口金が可撓性シースの基端に連結された把持口金に対して軸線方向に進退操作されるように設けられると共に、注液口金を把持口金に対して所定の位置で静止状態に維持するためのクリック機構が設けられた内視鏡用注射具において、注液口金と把持口金とを各々プラスチックモールドにより形成して、弾力的に変形するクリック爪を一方の口金に一体成形により形成すると共に、クリック爪が弾性変形しながら係脱するクリック孔を他方の口金に一体成形により形成したものである。
なお、クリック孔が二個形成されていて、その一方のクリック孔にクリック爪が係合するとき注射針が可撓性シースの先端から突出し、他方のクリック孔にクリック爪が係合するとき注射針が可撓性シースの先端内に収納されるとよい。
また、クリック爪が注液口金に一体成形により形成され、クリック孔が把持口金に一体成形により形成されていてもよく、クリック爪は、一端側が一方の口金と一体に繋がって他端側が自由端になっていて、クリック孔と係脱する突起部が自由端部分に突出形成されていてもよく、その場合、クリック爪は、その後端側が一方の口金に一体に繋がっていてもよく、或いは前端側が一方の口金に一体に繋がっていてもよい。
また、クリック爪の突起部は、その側壁部がアール面取りされた凸状に形成されていてもよく、注射針が可撓性シース内に収納された状態の時だけクリック爪とクリック孔との係合を解き易いように、突起部の側壁部が部分的に斜面状に形成されていてもよい。
本発明によれば、注液口金と把持口金とを各々プラスチックモールドにより形成して、弾力的に変形するクリック爪を一方の口金に一体成形により形成すると共に、クリック爪が弾性変形しながら係脱するクリック孔を他方の口金に一体成形により形成したことにより、注射針が可撓性シースの先端から突出した状態と可撓性シース内に収納された状態の各々においてクリック静止状態を得ることができる構成について大幅なコスト削減を達成することができる。
先端に注射針が設けられた可撓性の送液管が、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱される可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置され、送液管の基端に連結された注液口金が可撓性シースの基端に連結された把持口金に対して軸線方向に進退操作されるように設けられると共に、注液口金を把持口金に対して所定の位置で静止状態に維持するためのクリック機構が設けられた内視鏡用注射具において、注液口金と把持口金とが各々プラスチックモールドにより形成されて、弾力的に変形するクリック爪が一方の口金に一体成形により形成され、クリック爪が弾性変形しながら係脱するクリック孔が他方の口金に一体成形により形成され、クリック孔は二個形成されていて、その一方のクリック孔にクリック爪が係合するとき注射針が可撓性シースの先端から突出し、他方のクリック孔にクリック爪が係合するとき注射針が可撓性シースの先端内に収納される。
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、本発明の実施例の内視鏡用注射具の可撓性シース1の先端から注射針2が突出した状態を示し、図2は、可撓性シース1内に注射針2が収納された状態を示している。なお、図1及び図2共に、可撓性シース1の中間部分は一点鎖線にて略示され、先端側と手元側とでは尺度を変えて図示してある。
この実施例の可撓性シース1は、図示されていない内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱自在な太さと長さの例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等により形成されており、その最先端部分には先端チップ1aが取り付けられている。
3は、可撓性シース1内に軸線方向に進退自在に全長にわたって挿通配置された可撓性の送液チューブ(送液管)であり、例えば四フッ化エチレン樹脂チューブにより形成され、送液チューブ3の先端に注射針2が真っ直ぐに連通する状態に固着されている。なお、注射針2と送液チューブ3とが一体に形成されていてもよい。
4は、注射針2が可撓性シース1の先端から(厳密には先端チップ1aの先端から)所定の長さ以上突出するのを規制するために注射針2の基端近傍に固着されたストッパであり、先端チップ1aの後端面に当接する径に形成されている。
可撓性シース1の基端には、可撓性シース1が内視鏡の処置具挿通チャンネルに通された状態のときでも処置具挿通チャンネルの入口外にあって術者又は補助者が手で把持する筒状の把持口金11が取り付けられ、送液チューブ3の基端に真っ直ぐに連通接続/固着された注液口金12が、軸線方向に進退操作できる状態に把持口金11内に部分的に嵌挿されている。
11aと12aは、把持口金11と注液口金12とに各々鍔状に突出形成された操作用の指掛け、12iは薬液注入口、12bは通液孔であり、13は、可撓性シース1の基端付近が急激に折れ曲がって座屈するのを防ぐための折れ止めチューブである。
このような構成により、両指掛け11a,12aに指を掛けて把持口金11に対して注液口金12を軸線方向に進退操作することにより、可撓性シース1内で送液チューブ3が進退して注射針2を可撓性シース1の先端から突没させることができ、薬液注入口12iに注射筒を接続して送液チューブ3内を介して注射針2の先端から薬液を送出させることができる。
そのような内視鏡用注射具の把持口金11と注液口金12は各々プラスチックモールドで形成されており、弾力的に変形するクリック爪14が注液口金12の側面部に注液口金12と一体成形により形成され、そのクリック爪14が弾性変形しながら係脱する一対のクリック孔16A,16Bが、把持口金11の側面部に把持口金11と一体成形により形成されている。
この実施例のクリック爪14は、後端側(図1及び図2において上端側)が注液口金12と一体に繋がって、先端側が自由端になっていて、クリック孔16A,16Bに係合する突起部14aが自由端側に突出形成されている。ただし、クリック爪14の先端側を注液口金12と一体に繋いで後端側を自由端にしてもよい。
クリック爪14を拡大図示する図3、及び図1におけるIV−IV断面を拡大図示する図4等にも示されるように、突起部14aは、その側壁部が全周にわたって滑らかにアール面取りされた凸状に形成されていて、図1及び図2に示されるように突起部14aが一対のクリック孔16A,16Bのどちらか一方に係合している状態のときはクリック爪14はほとんど変形していない。
そして、突起部14aがクリック孔16A,16Bから抜け出すと、クリック爪14が弾性変形して突起部14aの頂面が把持口金11の内周面に接する状態になり、突起部14aをクリック孔16A,16Bから抜け出させるには、クリック爪14を弾性変形させるのに必要な一定以上の力を加えなければならない。
そのような構成により、図1に示されるように、クリック爪14の突起部14aが先側のクリック孔16Aに係合して、注液口金12が把持口金11に対してクリック静止した状態になっている時は、注射針2が可撓性シース1の先端から突出してストッパ4が先端チップ1aの後端面に当接しているので、生体組織に対して注射針2を突き刺して注射を行うことができる。
そこで、クリック爪14の突起部14aが先側のクリック孔16Aから抜け出すために必要な力より大きな操作力を注液口金12に加えて、注液口金12を把持口金11から引き出す方向に操作すれば、図2に示されるように、クリック爪14の突起部14aが後側のクリック孔16Bに係合する。
その結果、注射針2が可撓性シース1内に収納された状態で、注液口金12が把持口金11に対してクリック静止するので、可撓性シース1を内視鏡の処置具挿通チャンネル内に安全に挿脱することができる。
そして、クリック爪14の突起部14aが後側のクリック孔16Bから抜け出すために必要な力より大きな操作力を注液口金12に加えて、注液口金12を把持口金11に押し込む方向に操作すれば、クリック爪14の突起部14aが後側のクリック孔16Bから外れて、注射針2を再び突出させることができる。
なお、図5に示されるように、突起部14aの側壁部の先側の面14bのみを斜面状に形成すると、クリック爪14が先側のクリック孔16Aから抜け出すのに必要な操作力は変わらないが、後側のクリック孔16Bから抜け出すのに必要な操作力が小さくなり、したがって、注射針2が可撓性シース1内に収納された状態の時(だけ)クリック爪14と後側のクリック孔16Bとの係合が解き易くなって使用し易くなる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えばクリック爪14の具体的な形状等は各種の実施態様をとることができる。また、クリック爪14を把持口金11側に形成して、クリック孔16A,16Bを注液口金12側に形成してもよい。
本発明の実施例の注射針が可撓性シースの先端から突出した状態の全体構成の内視鏡用注射具の側面断面図である。 本発明の実施例の注射針が可撓性シース内に収納された状態の全体構成の内視鏡用注射具の側面断面図である。 本発明の実施例のクリック爪の部分拡大側面断面図である。 本発明の実施例の図1におけるIV−IV拡大断面図である。 本発明の実施例のクリック爪の変形例の部分拡大側面断面図である。 従来の内視鏡用注射具の手元操作部付近の半側面断面図である。 従来の内視鏡用注射具の注射針が可撓性シースの先端から突出した状態の全体構成の側面部分断面図である。 従来の内視鏡用注射具の注射針が可撓性シース内に収納された状態の全体構成の側面部分断面図である。
符号の説明
1 可撓性シース
2 注射針
3 送液チューブ(送液管)
11 把持口金
12 注液口金
14 クリック爪
14a 突起部
16A,16B クリック孔

Claims (7)

  1. 先端に注射針が設けられた可撓性の送液管が、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿脱される可撓性シース内に軸線方向に進退自在に挿通配置され、上記送液管の基端に連結された注液口金が、上記可撓性シースの基端に連結された把持口金に対して軸線方向に進退操作されるように上記把持口金内に部分的に嵌挿されると共に、上記注液口金を上記把持口金に対して所定の位置で静止状態に維持するためのクリック機構が設けられた内視鏡用注射具であって
    上記注液口金と上記把持口金とが各々プラスチックモールドにより形成されて、弾力的に変形するクリック爪が上記注液口金に一体成形により形成されると共に、上記クリック爪が弾性変形しながら係脱するクリック孔が上記把持口金に一体成形により形成され、上記クリック爪は、上記注液口金の一部を分割して上記把持口金の軸線と平行方向に細長い形状に形成されて、一端側が上記注液口金と一体に繋がって他端側が自由端になっていて、上記クリック爪が弾性変形することにより上記把持口金の内周側から上記クリック孔に係脱する突起部が上記クリック爪の自由端部分に突出形成されているものにおいて、
    上記注液口金が円筒体の外縁部に耳状の突起を備えた断面形状に形成されて、上記把持口金の内面は、上記注液口金が嵌め込まれて軸線方向に進退できるよう上記注液口金の外形形状と略同じ断面形状に形成され、上記クリック爪は、上記耳状の突起部分を上記円筒体部分から部分的に分断して形成され、上記クリック孔は、上記クリック爪の耳状の突起部分が嵌まっている断面部分に形成されていることを特徴とする内視鏡用注射具。
  2. 上記クリック孔が二個形成されていて、その一方のクリック孔に上記クリック爪が係合するとき上記注射針が上記可撓性シースの先端から突出し、他方のクリック孔に上記クリック爪が係合するとき上記注射針が上記可撓性シースの先端内に収納される請求項1記載の内視鏡用注射具。
  3. 上記クリック爪が上記注液口金に一体成形により形成され、上記クリック孔が上記把持口金に一体成形により形成されている請求項1又は2記載の内視鏡用注射具。
  4. 上記クリック爪は、その後端側が上記一方の口金に一体に繋がっている請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡用注射具。
  5. 上記クリック爪は、その前端側が上記一方の口金に一体に繋がっている請求項1ないし3のいずれかに記載の内視鏡用注射具。
  6. 上記クリック爪の突起部は、その側壁部がアール面取りされた凸状に形成されている請求項1ないしのいずれかの項に記載の内視鏡用注射具。
  7. 上記注射針が上記可撓性シース内に収納された状態の時だけ上記クリック爪と上記クリック孔との係合を解き易いように、上記突起部の側壁部が部分的に斜面状に形成されている請求項記載の内視鏡用注射具。
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