JP4978347B2 - Vehicle steering system - Google Patents
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Description
本発明は、伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置に関するものである。 The present invention relates to a vehicle steering apparatus including a transmission ratio variable device.
従来、ステアリング操作に基づく転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく転舵輪の第2の舵角(ACT角)を上乗せすることにより、ステアリングの舵角(操舵角)と転舵輪の舵角(転舵角)との間の伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置を備えた車両用操舵装置がある(例えば特許文献1参照)。そして、このような操舵装置を採用することで、低車速時においてはステアリング操作に対する転舵角の変更量を大として運転者の負担を軽減し、高車速時にはその変更量を小として高い操舵安定性を確保するといった、優れたステアリング特性を実現することができる。
ところで、ステアリングを中立位置に復帰させるステアリング操作、即ち所謂ステアリング戻し操作を行う場合、多くの運転者は、転舵輪に作用する路面反力(セルフアライニングトルク)を利用する。つまり、図14に示すように、走行時、各転舵輪61には、路面反力に基づき該各転舵輪61を自律的に中立位置へと復帰させようとする力(セルフアライニングトルク)が作用する。従って、従来のステアリング装置60では、そのステアリング62に加える操舵トルクを弱めるだけで、当該ステアリング62を中立位置へと復帰させることができる。
By the way, when performing a steering operation for returning the steering to a neutral position, that is, a so-called steering return operation, many drivers use a road surface reaction force (self-aligning torque) acting on the steered wheels. That is, as shown in FIG. 14, during traveling, each steered
しかしながら、図15に示すように、上記のような伝達比可変装置64を備えた車両用操舵装置63では、そのモータ駆動に基づく第2の舵角を変化させるべく伝達比可変装置64が作動する際、ステアリング62には、同ステアリング62を当該第2の舵角の変化方向とは逆向きに回転させる力(モータ反力)が作用する。つまり、上記のようなステアリング戻し時、操舵角の減少に伴い第2の舵角が低減される際には、そのステアリング62に操舵角を増大させる方向、即ちステアリング戻り方向とは逆向きのモータ反力が作用することになる。そして、そのモータ反力によって上記ステアリング戻り方向に作用するセルフアライニングトルクが打ち消されることにより、中立位置へのステアリングの戻り、即ちステアリング戻り特性が悪くなるという問題がある。
However, as shown in FIG. 15, in the
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、ステアリング戻り特性に優れた伝達比可変装置付きの車両用操舵装置を提供することにある。 The present invention has been made to solve the above-described problems, and it is an object of the present invention to provide a vehicle steering apparatus with a variable transmission ratio device that has excellent steering return characteristics.
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ステアリング操作に基づく転舵輪の第1の舵角にモータ駆動に基づく前記転舵輪の第2の舵角を上乗せすることによりステアリングと前記転舵輪との間の伝達比を可変させる伝達比可変装置と、前記伝達比可変装置の作動を制御する制御手段とを備えた車両用操舵装置であって、前記ステアリングが中立位置に復帰されるステアリング戻り状態にあるか否かを判定する判定手段を備え、前記制御手段は、前記ステアリング戻り状態にあると判定される場合には、操舵角の減少に応じて前記第2の舵角を低減させる第1の制御成分を演算するとともに、前記第1の制御成分を打ち消す値を有する第2の制御成分を演算すること、を要旨とする。
In order to solve the above problems, the invention according to
即ち、ステアリング戻し操作時、その操舵角の減少に応じて第2の舵角を低減すべく伝達比可変装置が作動する際、ステアリングには、同ステアリングを反ステアリング戻り方向に回転させようとする反力(モータ反力)が作用する。そして、そのモータ反力がステアリング戻り方向に作用するセルフアライニングトルクを打ち消すことにより、ステアリング戻り特性が悪くなる。 That is, when the transmission ratio variable device operates to reduce the second steering angle in response to the reduction of the steering angle during the steering return operation, the steering tries to rotate the steering in the anti-steer return direction. Reaction force (motor reaction force) acts. Then, the self-aligning torque that the motor reaction force acts in the steering return direction cancels out the steering return characteristic.
しかしながら、上記構成のように、ステアリング戻り方向のモータ反力を発生させるような第2の制御成分を演算し、反ステアリング戻り方向のモータ反力を発生させる第1の制御成分を打ち消すことで、セルフアライニングトルクを弱めることなく、そのステアリング戻り操作に活用することができる。その結果、伝達比可変装置付き車両用操舵装置においても、良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになる。 However, as in the above configuration, by calculating the second control component that generates the motor reaction force in the steering return direction and canceling the first control component that generates the motor reaction force in the anti-steer return direction, It can be used for steering return operation without weakening the self-aligning torque. As a result, a good steering return characteristic can be realized even in a vehicle steering device with a transmission ratio variable device.
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記操舵角が大であるほど、より大きく前記第1の制御成分を打ち消す値を有する前記第2の制御成分を演算すること、を要旨とする。
The gist of the invention described in
即ち、第1の制御成分に基づく反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響によるステアリング戻りの遅れは、大きな舵角が発生している場合ほど、より顕著なものとなる。しかしながら、上記構成によれば、その反ステアリング戻り方向に作用するモータ反力の影響を適切に排除することができるとともに、ステアリング中立近傍においては、速やかにモータ駆動に基づく第2の舵角を低減することができる。その結果、より良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになる。 That is, the delay in steering return due to the influence of the motor reaction force in the anti-steer return direction based on the first control component becomes more prominent as a larger steering angle is generated. However, according to the above configuration, the influence of the motor reaction force acting in the anti-steer return direction can be appropriately eliminated, and the second rudder angle based on the motor drive is quickly reduced near the steering neutral position. can do. As a result, better steering return characteristics can be realized.
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記ステアリングに入力される操舵トルクの寄与が低い場合ほど、より大きく前記第1の制御成分を打ち消す値を有する前記第2の制御成分を演算すること、を要旨とする。 According to a third aspect of the present invention, the control means calculates the second control component having a value that cancels the first control component larger as the contribution of the steering torque input to the steering is lower. The gist is to do.
即ち、第1の制御成分に基づく反ステアリング方向のモータ反力の影響は、そのステアリング戻し操作において、運転者がステアリングに入力する操舵トルクが小さい場合、つまり当該操舵トルクの寄与が低い場合ほど顕著なものとなる。しかしながら、上記構成によれば、より適切に、モータ駆動に基づく第2の舵角を低減すべく伝達比可変装置が作動する際に発生する反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響を排除することができる。その結果、より良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになり、特に、所謂「手放し状態」でのステアリング戻り状態において、より顕著な効果を得ることができる。 That is, the influence of the motor reaction force in the anti-steering direction based on the first control component is more significant when the steering torque input by the driver to the steering is small, that is, when the contribution of the steering torque is low. It will be something. However, according to the above configuration, the influence of the motor reaction force in the counter-steer return direction that is generated when the transmission ratio variable device operates to reduce the second steering angle based on the motor drive more appropriately can be eliminated. Can do. As a result, a better steering return characteristic can be realized, and in particular, a more remarkable effect can be obtained in the steering return state in the so-called “hand-off state”.
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、操舵速度又は車速の少なくともに何れか一方に基づいて前記第2の制御成分を演算すること、を要旨とする。
即ち、第1の制御成分に基づく反ステアリング方向のモータ反力の影響は、そのステアリング戻し操作においてステアリングに入力する操舵トルクの寄与に依存する。そして、当該操舵トルクの寄与の大小は、操舵速度又は車速により推定することが可能である。従って、上記構成によれば、より適切に、反ステアリング戻り方向に作用するモータ反力の影響を排除することができ、これにより、優れたステアリング戻り特性を実現することができるようになる。
The gist of the invention described in
That is, the influence of the motor reaction force in the anti-steering direction based on the first control component depends on the contribution of the steering torque input to the steering in the steering return operation. The magnitude of the contribution of the steering torque can be estimated from the steering speed or the vehicle speed. Therefore, according to the above configuration, it is possible to more appropriately eliminate the influence of the motor reaction force acting in the anti-steering return direction, thereby realizing an excellent steering return characteristic.
本発明によれば、ステアリング戻り特性に優れた伝達比可変装置付きの車両用操舵装置を提供することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the steering apparatus for vehicles with the transmission ratio variable apparatus excellent in the steering return characteristic can be provided.
以下、本発明をギヤ比可変システムを備えた車両用操舵装置に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態の車両用操舵装置1の概略構成図である。同図に示すように、ステアリング(ハンドル)2が固定されたステアリングシャフト3は、ラック&ピニオン機構4を介してラック5に連結されており、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト3の回転は、ラック&ピニオン機構4によりラック5の往復直線運動に変換される。そして、このラック5の往復直線運動により転舵輪6の舵角、即ち転舵角が可変することにより、車両の進行方向が変更されるようになっている。
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in a vehicle steering apparatus provided with a variable gear ratio system will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of a
本実施形態の車両用操舵装置1は、ステアリング2の舵角(操舵角)に対する転舵輪6の伝達比(ギヤ比)を可変させる伝達比可変装置としてのギヤ比可変アクチュエータ7と、該ギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御する制御手段としてのIFSECU8とを備えている。
The
詳述すると、ステアリングシャフト3は、ステアリング2が連結された第1シャフト9とラック&ピニオン機構4に連結される第2シャフト10とからなり、ギヤ比可変アクチュエータ7は、第1シャフト9及び第2シャフト10を連結する差動機構11と、該差動機構11を駆動するモータ12とを備えている。そして、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に伴う第1シャフト9の回転に、モータ駆動による回転を上乗せして第2シャフト10に伝達することにより、ラック&ピニオン機構4に入力されるステアリングシャフト3の回転を増速(又は減速)する。
More specifically, the
つまり、図2及び図3に示すように、ギヤ比可変アクチュエータ7は、ステアリング操作に基づく転舵輪6の舵角(ステア転舵角θts)にモータ駆動に基づく転舵輪の舵角(ACT角θta)を上乗せすることにより、操舵角θsに対する転舵輪6の転舵角θtの比率、即ち伝達比(ギヤ比)を可変させる。そして、IFSECU8は、モータ12に対する駆動電力の供給を通じてギヤ比可変アクチュエータ7の制御を制御し、これにより操舵角θsと転舵角θtとの間の伝達比(ギヤ比)を制御する(ギヤ比可変制御)。
That is, as shown in FIGS. 2 and 3, the gear
尚、この場合における「上乗せ」とは、加算する場合のみならず減算する場合をも含むものと定義し、以下同様とする。また、「操舵角θsに対する転舵角θtのギヤ比」をオーバーオールギヤ比(操舵角θs/転舵角θt)で表した場合、ステア転舵角θtsと同方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は小さくなる(転舵角θt大、図2参照)。そして、逆方向のACT角θtaを上乗せすることによりオーバーオールギヤ比は大きくなる(転舵角θt小、図3参照)。そして、本実施形態では、ステア転舵角θtsが第1の舵角を構成し、ACT角θtaが第2の舵角を構成する。 In this case, “addition” is defined to include not only addition but also subtraction, and so on. Further, when the “gear ratio of the steering angle θt to the steering angle θs” is expressed as an overall gear ratio (steering angle θs / steering angle θt), the ACT angle θta in the same direction as the steering angle θts should be added. Thus, the overall gear ratio becomes small (large turning angle θt, see FIG. 2). Then, the overall gear ratio is increased by adding the ACT angle θta in the reverse direction (small turning angle θt, see FIG. 3). In this embodiment, the steer turning angle θts constitutes the first rudder angle, and the ACT angle θta constitutes the second rudder angle.
また、図1に示すように、車両用操舵装置1は、操舵系にステアリング操作を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ17と、該EPSアクチュエータ17の作動を制御するEPSECU18とを備えている。
As shown in FIG. 1, the
本実施形態のEPSアクチュエータ17は、その駆動源であるモータ22がラック5に設けられた所謂ラックアシスト型のEPSアクチュエータであり、モータ22が発生するアシストトルクは、ボール螺子機構(図示略)を介してラック5に伝達される。そして、EPSECU18は、このモータ22が発生するアシストトルクを制御することにより、操舵系に付与するアシスト力を制御する(パワーアシスト制御)。
The
本実施形態では、上記のギヤ比可変アクチュエータ7を制御するIFSECU8、及びEPSアクチュエータ17を制御するEPSECU18は、車内ネットワーク(CAN:Controller Area Network)23を介して接続されており、該車内ネットワーク23には、車両状態量を検出するための複数のセンサが接続されている。具体的には、車内ネットワーク23には、操舵角センサ24、トルクセンサ25、車輪速センサ26a,26b、横Gセンサ28、車速センサ29、ブレーキセンサ30、及びヨーレイトセンサ31が接続されている。そして、上記各センサにより検出される複数の車両状態量、即ち操舵角θs、操舵トルクτ、車輪速Vtr,Vtl、転舵角θt、スリップ角θsp、車速V、ブレーキ信号Sbk、及びヨーレイトRyは、車内ネットワーク23を介してIFSECU8及びEPSECU18に入力される。
In the present embodiment, the
尚、本実施形態では、転舵角θtは、操舵角θsにラック&ピニオン機構4のベースギヤ比を乗じた値、即ちステア転舵角θtsにACT角θtaを加算することにより求められ、スリップ角θspは、横Gセンサ28により検出される横方向加速度及びヨーレイトRyに基づいて求められる。また、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介した相互通信により、制御信号の送受信を行う。そして、IFSECU8及びEPSECU18は、車内ネットワーク23を介して入力された上記各車両状態量及び制御信号に基づいて、上記のギヤ比可変制御及びパワーアシスト制御を統合的に実行する。
In this embodiment, the turning angle θt is obtained by multiplying the steering angle θs by the base gear ratio of the rack and
次に、本実施形態の車両用操舵装置の電気的構成及び制御態様について説明する。
図4は、本実施形態の車両用操舵装置の制御ブロック図である。同図に示すように、IFSECU8は、モータ制御信号を出力するマイコン33と、モータ制御信号に基づいてモータ12に駆動電力を供給する駆動回路34とを備えている。
Next, the electrical configuration and control mode of the vehicle steering apparatus of the present embodiment will be described.
FIG. 4 is a control block diagram of the vehicle steering apparatus of the present embodiment. As shown in the figure, the
尚、本実施形態では、ギヤ比可変アクチュエータ7の駆動源であるモータ12には、ブラシレスモータが採用されており、駆動回路34は、マイコン33から入力されるモータ制御信号に基づいてモータ12に三相(U,V,W)の駆動電力を供給する。そして、マイコン33は、同図中の各制御ブロックに示される演算(コンピュータプログラム)の実行により、上記駆動回路34に出力するモータ制御信号を生成する。
In the present embodiment, a brushless motor is employed as the
詳述すると、マイコン33は、IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36、LeadSteer制御演算部37、及びステアリング戻り制御演算部38を備えており、各制御演算部は、それぞれ入力される車両状態量に基づいて、その目的に応じたACT角θtaの制御成分(及び制御信号)を演算する。そして、マイコン33は、その演算された各制御成分に基づいて、モータ12、即ちギヤ比可変アクチュエータ7の作動を制御するためのモータ制御信号を生成する。
More specifically, the
IFS制御演算部35には、操舵角θs、転舵角θt、車速V、車輪速Vtr,Vtl、ブレーキ信号Sbk、ヨーレイトRy及びスリップ角θspが入力される。そして、IFS制御演算部35は、これらの車両状態量に基づいて、所謂アクティブステア機能、即ち車両モデルに基づき車両のヨーモーメントを制御するためのACT角θtaの制御成分の演算、並びに関連する制御信号の演算を行う。
A steering angle θs, a turning angle θt, a vehicle speed V, a wheel speed Vtr, Vtl, a brake signal Sbk, a yaw rate Ry, and a slip angle θsp are input to the IFS
具体的には、IFS制御演算部35は、車両のステア特性を示すOS/US特性値Val_stを演算するとともに、そのステア特性に応じたアクティブステア機能を実現するためのACT角θtaの制御成分として、IFS_ACT指令角θifs*を演算する(IFS制御演算)。そして、このIFS制御演算によって、ステア特性がアンダーステア(US)である場合には、転舵輪6の切れ角を小さくするための、またステア特性がオーバーステア(OS)である場合には、転舵輪6にヨーモーメントの方向と逆方向の舵角(カウンタステア)を与えるためのIFS_ACT指令角θifs*が演算される構成となっている。
Specifically, the IFS
尚、本実施形態では、上記IFS制御演算により演算されたOS/US特性値Val_st、及びIFS_ACT指令角θifs*は、車内ネットワーク23を介してEPSECU18にも入力される(図1参照)。そして、EPSECU18は、これらOS/US特性値Val_st、及びIFS_ACT指令角θifs*に基づいて、そのステア特性に応じた、及びギヤ比可変アクチュエータ7の作動と協調したパワーアシスト制御を実行する構成となっている。
In the present embodiment, the OS / US characteristic value Val_st and the IFS_ACT command angle θifs * calculated by the IFS control calculation are also input to the
一方、ギヤ比可変制御演算部36には、操舵角θs、転舵角θt及び車速Vが入力される。そして、ギヤ比可変制御演算部36は、これらの車両状態量(及び制御信号)に基づいて、車速Vに応じてギヤ比を可変させるための制御成分としてギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算する。
On the other hand, the steering angle θs, the turning angle θt, and the vehicle speed V are input to the gear ratio variable
図5に示すように、本実施形態のギヤ比可変制御演算部36は、低・中速領域では、その入力される車速Vが低いほど、従来のステアリングギヤ比と比較して、よりクイックな(小さな操舵角θsで大きな転舵角θtが発生するような)ステアリングギヤ比となるように、ギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算する。そして、高車速領域では、その入力される車速Vが高いほど、従来のステアリングギヤ比と比較して、よりスローな(大きな操舵角θsで小さな転舵角θtが発生するような)ステアリングギヤ比となるように、ギヤ比可変ACT指令角θgr*を演算する構成となっている。尚、図5において、破線は、伝達比可変装置のない通常型のステアリング装置のステアリングギヤ比を示している。
As shown in FIG. 5, in the low / medium speed region, the gear ratio variable
LeadSteer制御演算部37には、車速V及び操舵速度ωsが入力される。尚、操舵速度ωsは、操舵角θsを微分することにより演算される(以下同様)。そして、LeadSteer制御演算部37は、これら車速V及び操舵速度ωsに基づいて操舵速度に応じて、車両の応答性を向上させるための制御成分としてLS_ACT指令角θls*を演算する(LeadSteer制御演算)。
The vehicle speed V and the steering speed ωs are input to the lead steer
また、ステアリング戻り制御演算部38には、操舵角θs、車速V及び操舵速度ωsが入力される。そして、これらの各状態量に基づいて、ステアリング2の中立位置(θs=0)への復帰を円滑なものとするための、即ちステアリング戻り特性の向上を図るための制御成分としてステアリング戻り指令角θsb**を演算する。
In addition, the steering angle θs, the vehicle speed V, and the steering speed ωs are input to the steering return
上記IFS制御演算部35、ギヤ比可変制御演算部36、LeadSteer制御演算部37及びステアリング戻り制御演算部38は、その対応する各制御演算により算出された各制御目標成分、即ちIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、LS_ACT指令角θls*、ステアリング戻り指令角θsb**を加算器39に出力する。そして、本実施形態のマイコン33では、この加算器39において、これらIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、LS_ACT指令角θls*、及びステアリング戻り指令角θsb**が重畳されることによりACT角θtaの制御目標であるACT指令角θta*が演算される構成となっている。
The IFS
加算器39において演算されたACT指令角θta*は、F/F制御演算部40及びF/B制御演算部41に入力される。また、F/B制御演算部41には、モータ12に設けられた回転角センサ42により検出されるACT角θtaが入力される。そして、F/F制御演算部40は、入力されたACT指令角θta*に基づくフィードフォワード演算により制御量εffを演算し、F/B制御演算部41は、ACT指令角θta*及びACT角θtaに基づくフィードバック演算により制御量εfbを演算する。
The ACT command angle θta * calculated by the
F/F制御演算部40及びF/B制御演算部41において演算された制御量εff及び制御量εfbは、加算器43に入力される。そして、同加算器43において、これら制御量εff及び制御量εfbが重畳されることにより電流指令が演算され、当該電流指令は、モータ制御信号出力部44へと出力される。そして、モータ制御信号出力部44は、その入力された電流指令に基づいてモータ制御信号を生成し駆動回路34に出力する。
The control amount εff and the control amount εfb calculated by the F / F
即ち、図6のフローチャートに示すように、マイコン33は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ101)、先ずIFS制御演算を行い(ステップ102)、続いてギヤ比可変制御演算(ステップ103)、LeadSteer制御演算(ステップ104)、及びステアリング戻り制御演算(ステップ105)を実行する。そして、上記ステップ102〜ステップ105の各演算処理を実行することにより演算されたIFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、LS_ACT指令角θls*、及びステアリング戻り指令角θsb**を重畳し、これにより制御目標であるACT指令角θta*を演算する。
That is, as shown in the flowchart of FIG. 6, when the
次に、マイコン33は、上記のように演算されたACT指令角θta*に基づいてフィードフォワード演算(ステップ106)及びフィードバック演算(ステップ107)を実行する。そして、これら各制御演算により演算される電流指令に基づいてモータ制御信号の出力を実行する(ステップ108)。
Next, the
(ステアリング戻り制御)
次に、本実施形態におけるステアリング戻り制御の態様について説明する。
上述のように、伝達比可変装置付きの車両用操舵装置においては、そのモータ駆動に基づく第2の舵角(ACT角θta)を変化させるべくギヤ比可変アクチュエータ7が作動する際、ステアリングには、同ステアリングを当該第2の舵角の変化方向とは逆向きに回転させる力(モータ反力)が作用する。そのため、ステアリング戻し時、操舵角の減少に伴い第2の舵角が低減される際には、ステアリング戻り方向とは逆向きのモータ反力が作用することになり、当該モータ反力によってセルフアライニングトルクが打ち消されることにより、中立位置(θs=0)へのステアリングの戻り、即ちステアリング戻り特性が悪くなるという問題がある(図15参照)。
(Steering return control)
Next, the aspect of the steering return control in this embodiment will be described.
As described above, in the vehicle steering apparatus with the transmission ratio variable device, when the gear
この点を踏まえ、本実施形態のIFSECU8では、マイコン33に設けられた判定手段としての上記ステアリング戻り制御演算部38が、現在のステアリング操作状態が、当該ステアリング2が中立位置(θs=0)に復帰される所謂ステアリング戻り状態にあるか否かを判定する。そして、ステアリング戻り状態にあると判定した場合、ステアリング戻り制御演算部38は、当該ステアリング戻り状態におけるステアリング戻り特性を向上させるための制御成分として、ステアリング戻り指令角θsb**を生成する。
In consideration of this point, in the
詳述すると、図7に示すように、ステアリング戻り制御演算部38は、上記ステアリング戻り状態にあるか否かの判定を行うステアリング戻り判定部51と、ステアリング戻り指令角θsb*の演算を実行するステアリング戻り指令角演算部52とを備えている。
More specifically, as shown in FIG. 7, the steering return
本実施形態では、ステアリング戻り判定部51には、操舵角θs及び操舵速度ωsが入力されるようになっており、同ステアリング戻り判定部51は、その入力される操舵角θs及び操舵速度ωsの符号が互いに異符号であるか否かを判定する(図8参照、ステップ201)。そして、これらの符号が互いに異なる場合(操舵角θsが「+」で操舵速度ωs「−」の場合、又は操舵角θsが「−」で操舵速度ωs「+」の場合、ステップ201:YES)、即ちステアリング2に与えられた舵角方向とその変化方向とが逆向きである場合に、ステアリング戻り状態にあると判定する(ステップ202)。尚、ステアリング戻り判定部51は、入力される操舵角θs及び操舵速度ωsの符号が同符号である場合(ステップ201:NO)、即ちステアリング2に与えられた舵角方向とその変化方向とが同一である場合には、非ステアリング戻り状態であると判定する(ステップ203)。
In the present embodiment, the steering angle θs and the steering speed ωs are input to the steering return determination unit 51, and the steering return determination unit 51 receives the input steering angle θs and the steering speed ωs. It is determined whether the codes are different from each other (see FIG. 8, step 201). If these signs are different from each other (when the steering angle θs is “+” and the steering speed ωs is “−”, or when the steering angle θs is “−” and the steering speed ωs is “+”, step 201: YES). That is, when the steering angle direction given to the
一方、本実施形態のステアリング戻り指令角演算部52には、操舵速度ωs及び車速Vが入力されるようになっている。そして、本実施形態のステアリング戻り指令角演算部52は、その入力される操舵速度ωs及び車速Vに基づいて、上記ギヤ比可変制御演算部36により演算される第1の制御成分としてのギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有する第2の制御成分として、ステアリング戻り指令角θsb*を演算する。
On the other hand, the steering speed ωs and the vehicle speed V are input to the steering return command
即ち、図9に示すように、ステアリング戻し操作時、その操舵角θsの減少に応じてACT角θtaを低減すべくギヤ比可変アクチュエータ7が作動する際、ステアリング2には、同ステアリング2を当該ステアリング戻り方向とは反対側に回転させようとするモータ反力が作用する(同図中、モータ反力A)。
That is, as shown in FIG. 9, when the gear
これに対し、ステアリング戻り指令角演算部52は、そのACT角θtaを低減すべく演算されたギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有するステアリング戻り指令角θsb*、即ち、ステアリング戻り方向に作用するモータ反力(同図中、モータ反力B)が発生するようなステアリング戻り指令角θsb*を演算する。
On the other hand, the steering return command
つまり、ステアリング戻り方向のモータ反力(同図中、モータ反力B)を発生させるステアリング戻り指令角θsb*を演算し、反ステアリング戻り方向のモータ反力(同図中、モータ反力A)を発生させるギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すことで、セルフアライニングトルクを弱めることなく、そのステアリング戻し操作に活用することができる。そして、本実施形態の車両用操舵装置1は、これにより、そのステアリング戻り性能の向上を図る構成となっている。
That is, the steering return command angle θsb * that generates the motor reaction force in the steering return direction (motor reaction force B in the figure) is calculated, and the motor reaction force in the counter steering return direction (motor reaction force A in the figure). By canceling the gear ratio variable ACT command angle θgr * that causes the self-aligning torque, the self-aligning torque can be used for the steering return operation without weakening. And the
さらに詳述すると、本実施形態のステアリング戻り指令角演算部52は、図10に示されるような、ステアリング戻り指令角θsb*と操舵速度ωs及び車速Vとが関連付けられたマップ(三次元マップ)52aを備えている。そして、その入力される操舵速度ωs及び車速Vを、このマップ52aに参照することにより、ステアリング戻り指令角θsb*の演算を実行する構成となっている。
More specifically, the steering return command
図11に示すように、同マップ52aにおいて、ステアリング戻り指令角θsb*は、操舵速度ωsの符号が「+」である場合には「−」の値、操舵速度ωsの符号が「−」である場合には「+」の値となるように設定されている。つまり、マップ52aは、操舵角θs(の絶対値)を減少させる方向(ステアリング戻り方向)の操舵速度ωsが発生するステアリング戻り状態においては、ACT角θta(の絶対値)を増加させる方向の値を有するステアリング戻り指令角θsb*が演算されるように設計されている。
As shown in FIG. 11, in the
具体的には、マップ52aは、操舵速度ωsの絶対値が所定値ω0以下の操舵速度領域(−ω0≦ωs≦ω0)において、「0」以外の値を有するステアリング戻り指令角θsb*、即ち有効なステアリング戻り指令角θsb*が演算されるように設計されている。より具体的には、同マップ52aにおいて、ステアリング戻り指令角θsb*は、操舵速度ωsの絶対値が所定値ω1よりも小さな操舵速度領域(−ω1<ωs<ω1)では、当該操舵速度ωsの絶対値が大となるほど、その絶対値が大となるように設定されている。そして、操舵速度ωsの絶対値が所定値ω1以上、所定値ω2以下の操舵速度領域(ω1≦|ω|≦ω2)で、同ステアリング戻り指令角θsb*は、その絶対値が最大となり、所定値ω2を超える操舵速度領域(ω2<|ω|≦ω0)では、当該操舵速度ωsの絶対値が大となるほど、その絶対値が小さくなるように設定されている。
Specifically, the
また、図12に示すように、マップ52aは、車速Vが所定の車速V1以下の車速領域(V≦V0)において、「0」以外の値を有するステアリング戻り指令角θsb*、即ち有効なステアリング戻り指令角θsb*が演算されるように設計されている。
Further, as shown in FIG. 12, the
具体的には、同マップ52aにおいて、ステアリング戻り指令角θsb*は、所定の車速V1よりも遅い速度領域(V<V1)では、車速Vが速いほど、その絶対値が大となるように設定されている。そして、所定の車速V1以上、所定の車速V2以下の車速領域(V1≦V≦V2)で、同ステアリング戻り指令角θsb*は、その絶対値が最大となり、所定の車速V2よりも速い車速領域(V2<V≦V0)では、その車速Vが速いほど、その絶対値が小さくなるように設定されている。
Specifically, in the
ここで、同マップ52aにおいて、上記操舵速度ωsに関する各所定値ω1,ω2、及び各所定の車速V1,V2は、それぞれ、ステアリング戻し操作においてステアリング2に入力される操舵トルクの寄与が最も低くなると推定される操舵速度領域、及び車速領域に対応するように設定されている。
Here, in the
即ち、ACT角θtaを低減すべく演算されたギヤ比可変ACT指令角θgr*に基づくモータ反力(図9参照、モータ反力A)の影響は、そのステアリング戻し操作において、運転者がステアリング2に入力する操舵トルクが小さい場合、即ち当該操舵トルクの寄与が低い場合ほど顕著なものとなる。 That is, the influence of the motor reaction force (see FIG. 9, motor reaction force A) based on the gear ratio variable ACT command angle θgr * calculated to reduce the ACT angle θta is that the driver can The smaller the steering torque input to, that is, the lower the contribution of the steering torque, the more prominent.
この点を踏まえ、マップ52aは、ステアリング戻し操作においてステアリング2に入力される操舵トルクの寄与が低いと推定される場合ほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有するステアリング戻り指令角θsb*が演算されるように設計されている。
In view of this point, the
つまり、本実施形態のステアリング戻り指令角演算部52(ステアリング戻り制御演算部38)は、ステアリング戻し操作においてステアリング2に入力される操舵トルクの寄与が低い場合ほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有するステアリング戻り指令角θsb*(θsb**)を演算する。そして、これにより、ステアリング戻し操作時、ACT角θtaを低減させるべくギヤ比可変アクチュエータ7が作動する際に発生する反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響を適切に排除して、より良好なステアリング戻り特性の実現を図る構成となっている。
That is, the steering return command angle calculation unit 52 (steering return control calculation unit 38) of the present embodiment increases the gear ratio variable ACT command angle as the contribution of the steering torque input to the
尚、本実施形態では、上記操舵速度ωsに関する各所定値ω1,ω2、及び各所定の車速V1,V2は、例えば、交差点旋回時等のように、運転者がステアリング2から手を離した状態でのステアリング戻し操作が行われやすいと想定される操舵速度領域、及び車速領域に対応して設定されている。
In the present embodiment, the predetermined values ω1 and ω2 and the predetermined vehicle speeds V1 and V2 related to the steering speed ωs are in a state where the driver has released his hand from the
また、操舵角θsの発生方向と反対方向の操舵速度ωsが発生するステアリング操作とは、本来、所謂「切り戻し操作」のことであり、上記のようなステアリングを中立位置に復帰させる「ステアリング戻し操作」以外にも、ステアリング中立位置を超えて反対方向の舵角を発生させるような「切り返し操作」も含まれる。従って、上記ステアリング戻り判定部51におけるステアリング戻り判定は、厳密には「切り戻し判定」とするべきであるが、本実施形態では、このマップ52aにおいて、「切り返し操作」に該当する高速操舵領域を除外することにより、当該ステアリング戻り判定部51による「ステアリング戻し判定」の妥当性を担保する構成となっている。
Further, the steering operation in which the steering speed ωs in the direction opposite to the direction in which the steering angle θs is generated is originally a so-called “return operation”, and the “steer return” for returning the steering to the neutral position as described above. In addition to “operation”, “turn-back operation” that generates a steering angle in the opposite direction beyond the steering neutral position is also included. Therefore, strictly speaking, the steering return determination in the steering return determination unit 51 should be “switchback determination”, but in the present embodiment, in this
また、図7に示すように、本実施形態のステアリング戻り制御演算部38は、操舵角θsに応じた操舵角ゲインKsを演算する操舵角ゲイン演算部53を備えている。本実施形態の操舵角ゲイン演算部53は、図13に示すような操舵角θsと操舵角ゲインKsとが関連付けられたマップ53aを有しており、そのマップ53aに基づいて操舵角ゲインKsの演算を実行する。
As shown in FIG. 7, the steering return
具体的には、同マップ53aにおいて、操舵角ゲインKsは、操舵角θsの絶対値が所定値θ0以上である場合には「1」となるように設定されている。そして、操舵角θsの絶対値が所定値θ0よりも小さい場合には、当該操舵角θsの絶対値が小さいほど小さくなり、操舵角θsが「0」、即ち中立位置に対応する場合には「0」となるように設定されている。
Specifically, in the
図7に示すように、ステアリング戻り指令角演算部52において演算されたステアリング戻り指令角θsb*は、操舵角ゲイン演算部53により演算された操舵角ゲインKsとともに、乗算器54に入力される。そして、この乗算器54において、操舵角ゲインKsが乗ぜられることにより、その操舵角θs(の絶対値)が大であるほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有するステアリング戻り指令角θsb**が演算されるようになっている。
As shown in FIG. 7, the steering return command angle θsb * calculated by the steering return command
即ち、ギヤ比可変ACT指令角θgr*に基づく反ステアリング戻り方向のモータ反力(図9参照、モータ反力A)の影響によるステアリング戻りの遅れは、大きな舵角が発生している場合ほど、より顕著なものとなる。 That is, the delay in steering return due to the influence of the motor reaction force in the counter-steering return direction (see FIG. 9, motor reaction force A) based on the gear ratio variable ACT command angle θgr * is greater when a larger steering angle is generated. It becomes more prominent.
この点を踏まえ、本実施形態のステアリング戻り制御演算部38は、上記のように、操舵角θs(の絶対値)が大であるほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消す値を有するステアリング戻り指令角θsb**を演算する。そして、これにより、ステアリング戻し操作時、ACT角θtaを低減させる際に発生する反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響を適切に排除するとともに、ステアリング中立近傍においては、速やかにACT角θtaを低減して、より良好なステアリング戻り特性の実現を図る構成となっている。
In consideration of this point, the steering return
図7に示すように、本実施形態では、操舵角ゲインKsが乗ぜられた後のステアリング戻り指令角θsb**は、上記ステアリング戻り判定部51における判定結果を示す判定信号Sdとともに切替制御部55に入力される。本実施形態の切替制御部55は、ステアリング戻り判定部51から入力される判定信号Sdが、ステアリング戻り状態であることを示す場合には、ステアリング戻り指令角θsb**を出力し、当該判定信号Sdが、ステアリング戻り状態であることを示す場合には、「0」を出力するように構成されている。そして、本実施形態のステアリング戻り制御演算部38は、この切替制御部55の出力する判定信号Sd又は「0」を、上記IFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、LS_ACT指令角θls*が入力される加算器39へと出力する構成となっている。
As shown in FIG. 7, in the present embodiment, the steering return command angle θsb ** after the steering angle gain Ks is multiplied together with the determination signal Sd indicating the determination result in the steering return determination unit 51, the switching
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)IFSECU8(マイコン33)は、ステアリング戻り制御演算部38を備え、同ステアリング戻り制御演算部38は、現在のステアリング操作状態がステアリング戻り状態にあるか否かを判定する。そして、ステアリング戻り状態にある場合には、その操舵角θsの減少に伴いACT角θtaを減少すべく演算されたギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消す値を有するステアリング戻り指令角θsb**を演算する。
As described above, according to the present embodiment, the following operations and effects can be obtained.
(1) The IFSECU 8 (microcomputer 33) includes a steering return
即ち、ステアリング戻し操作時、その操舵角θsの減少に応じてACT角θtaを減少すべくギヤ比可変アクチュエータ7が作動する際、ステアリング2には、同ステアリング2を反ステアリング戻り方向に回転させようとするモータ反力が作用する。そして、そのモータ反力がステアリング戻り方向に作用するセルフアライニングトルクを打ち消すことにより、ステアリング戻り特性が悪くなる。
That is, when the gear
しかしながら、上記構成のように、ステアリング戻り方向のモータ反力を発生させるようなステアリング戻り指令角θsb**を演算し、反ステアリング戻り方向のモータ反力を発生させるギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すことで、セルフアライニングトルクを弱めることなく、そのステアリング戻り操作に活用することができる。その結果、伝達比可変装置付き車両用操舵装置においても、良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになる。 However, as in the above configuration, the steering return command angle θsb ** that generates the motor reaction force in the steering return direction is calculated, and the gear ratio variable ACT command angle θgr * that generates the motor reaction force in the anti-steer return direction is calculated. By canceling, the self-aligning torque can be used for the steering return operation without weakening. As a result, a good steering return characteristic can be realized even in a vehicle steering device with a transmission ratio variable device.
(2)ステアリング戻り制御演算部38は、操舵角θs(の絶対値)が大であるほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消す値を有するステアリング戻り指令角θsb**を演算する。
(2) The steering return
即ち、ギヤ比可変ACT指令角θgr*に基づく反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響によるステアリング戻りの遅れは、大きな舵角が発生している場合ほど、より顕著なものとなる。しかしながら、上記構成によれば、その反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響を適切に排除することができるとともに、ステアリング中立近傍においては、速やかにACT角θtaを低減することができる。その結果、より良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになる。 That is, the delay in steering return due to the influence of the motor reaction force in the counter-steer return direction based on the gear ratio variable ACT command angle θgr * becomes more prominent as a large steering angle is generated. However, according to the above configuration, the influence of the motor reaction force in the anti-steer return direction can be appropriately eliminated, and the ACT angle θta can be quickly reduced in the vicinity of the steering neutral. As a result, better steering return characteristics can be realized.
(3)ステアリング戻り制御演算部38は、ステアリング戻し操作においてステアリング2に入力される操舵トルクの寄与が低い場合ほど、より大きくギヤ比可変ACT指令角θgr*を打ち消すような値を有するステアリング戻り指令角θsb**を演算する。
(3) The steering return
即ち、ギヤ比可変ACT指令角θgr*に基づく反ステアリング方向のモータ反力の影響は、そのステアリング戻し操作において、運転者がステアリング2に入力する操舵トルクが小さい場合、つまり当該操舵トルクの寄与が低い場合ほど顕著なものとなる。しかしながら、上記構成によれば、より適切に、ACT角θtaを低減させるべくギヤ比可変アクチュエータ7が作動する際に発生する反ステアリング戻り方向のモータ反力の影響を排除することができる。その結果、より良好なステアリング戻り特性を実現することができるようになり、特に、所謂「手放し状態」でのステアリング戻り状態において、より顕著な効果を得ることができる。
That is, the influence of the motor reaction force in the anti-steering direction based on the gear ratio variable ACT command angle θgr * is that when the steering torque input by the driver to the
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、ステアリング戻り判定部51は、操舵角θs及び操舵速度ωsの符号が互いに異符号であるか否かに基づいて、ステアリング戻り状態の判定を行うこととした。しかし、これに限らず、ステアリング戻り状態の判定は、これ以外の態様により行うこととしてもよい。例えば、操舵トルクの微分値、即ちステアリングに入力される操舵トルクの変化の観点を加えてもよく、これにより、より精度よく、ステアリング戻り状態を判定することができるようになる。
In addition, you may change this embodiment as follows.
In the present embodiment, the steering return determination unit 51 determines the steering return state based on whether or not the signs of the steering angle θs and the steering speed ωs are different from each other. However, the present invention is not limited to this, and the determination of the steering return state may be performed by other modes. For example, a differential value of the steering torque, that is, a viewpoint of a change in the steering torque input to the steering may be added, so that the steering return state can be determined with higher accuracy.
・本実施形態では、ステアリング戻り指令角演算部52におけるマップ演算において「切り返し操作」に該当する高速操舵領域を除外することにより、ステアリング戻り判定部51による「ステアリング戻し判定」の妥当性を担保する構成としたが、ステアリング戻り判定部51において、より厳密な「ステアリング戻し判定」を行う構成としてもよい。
In the present embodiment, the validity of the “steering return determination” by the steering return determination unit 51 is ensured by excluding the high-speed steering region corresponding to the “turnback operation” in the map calculation in the steering return command
・本実施形態では、ステアリング戻り指令角演算部52は、操舵速度ωs及び車速Vに基づくマップ演算により第2の制御成分としてのステアリング戻り指令角θsb*を演算することとした。しかし、ステアリング戻り指令角θsb*の演算方法については、操舵速度ωs又は車速Vの何れかにより行うこととしてもよく、また、これら操舵速度ωs及び車速V以外の状態量に基づき行うこととしてもよい。
In the present embodiment, the steering return command
・本実施形態では、マイコン33は、IFS_ACT指令角θifs*、ギヤ比可変ACT指令角θgr*、LS_ACT指令角θls*、及びステアリング戻り指令角θsb**を重畳することにより、第2の舵角の制御目標であるACT指令角θta*を演算することとした。しかし、これに限らず、本発明は、ステアリング戻し操作時、その操舵角θsの減少に応じてACT角θtaを減少させるべく演算されるギヤ比可変ACT指令角θgr*に相当する制御成分を演算するものであれば、その他の構成に具体化してもよい。
In the present embodiment, the
・本実施形態では、ステアリング戻り制御演算部38が、ステアリング戻り状態にあるか否かを判定する判定手段を構成することとしたが、当該判定手段がマイコン33、及びIFSECU8の外部に設けられる構成に適用してもよい。
In the present embodiment, the steering return
1…車両用操舵装置、2…ステアリング、6…転舵輪、7…ギヤ比可変アクチュエータ、8…IFSECU、33…マイコン、36…ギヤ比可変制御演算部、38…ステアリング戻り制御演算部、39…加算器、51…ステアリング戻り判定部、52…ステアリング戻り指令角演算部、52a…マップ、53…操舵角ゲイン演算部、53a…マップ、55…切替制御部、θs…操舵角、θ0…所定値、ωs…操舵速度、ω0,ω1,ω2…所定値、V,V0,V1,V2…車速、θt…転舵角、θts…ステア転舵角、θta…ACT角、θta*…ACT指令角、θgr*…ギヤ比可変ACT指令角、θsb*,θsb**…ステアリング戻り指令角、Ks…操舵角ゲイン、Sd…判定信号。
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記ステアリングが中立位置に復帰されるステアリング戻り状態にあるか否かを判定する判定手段を備え、
前記制御手段は、前記ステアリング戻り状態にあると判定される場合には、
操舵角の減少に応じて前記第2の舵角を低減させる第1の制御成分を演算するとともに、前記第1の制御成分を打ち消す値を有する第2の制御成分を演算すること、
を特徴とする車両用操舵装置。 A transmission ratio variable device that varies a transmission ratio between the steering wheel and the steered wheel by adding a second rudder angle of the steered wheel based on motor drive to the first steered angle of the steered wheel based on the steering operation; , A vehicle steering apparatus comprising control means for controlling the operation of the transmission ratio variable device,
Determination means for determining whether or not the steering is in a steering return state in which the steering is returned to a neutral position;
When it is determined that the control means is in the steering return state,
Calculating a first control component that reduces the second steering angle in response to a decrease in steering angle, and calculating a second control component having a value that cancels the first control component;
A vehicle steering apparatus characterized by the above.
前記制御手段は、前記操舵角が大であるほど、より大きく前記第1の制御成分を打ち消す値を有する前記第2の制御成分を演算すること、を特徴とする車両用操舵装置。 The vehicle steering apparatus according to claim 1,
The vehicle steering apparatus according to claim 1, wherein the control means calculates the second control component having a value that cancels the first control component larger as the steering angle is larger.
前記制御手段は、前記ステアリングに入力される操舵トルクの寄与が低い場合ほど、より大きく前記第1の制御成分を打ち消す値を有する前記第2の制御成分を演算すること、
を特徴とする車両用操舵装置。 In the vehicle steering device according to claim 1 or 2,
The control means calculates the second control component having a value that cancels out the first control component larger as the contribution of the steering torque input to the steering is lower;
A vehicle steering apparatus characterized by the above.
前記制御手段は、操舵速度又は車速の少なくともに何れか一方に基づいて前記第2の制御成分を演算すること、を特徴とする車両用操舵装置。 In the steering device for vehicles according to any one of claims 1 to 3,
The vehicle steering apparatus, wherein the control means calculates the second control component based on at least one of a steering speed and a vehicle speed.
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