JP4965889B2 - X線検査装置 - Google Patents
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Description
図1に示されるX線検査装置1は、X線源2からのX線を物品に照射し、物品を透過するX線をX線検出器3で受けて画像処理することで、物品への異物混入有無を検査する。X線源2は、X線管21を絶縁性の冷却用油を満たしたケース22に封入してなり、ケース22の下面に設けられる透過窓(不図示)から、下方の搬送経路R上を通過する物品に向けてX線を照射する。X線源2は、装置周辺にX線を漏洩させることがないように、X線検査装置1の上部筐体となるX線源収納部4に収納されている。
X線源収納部4は、図2乃至図4に示されるように、X線源2を取り囲んで密封するステンレス製の装置壁41と、装置壁41に形成される開口41aを閉鎖するように取り付けられて、装置壁41の一部をなすアルミニウム製の蓋体42と、を備える。蓋体42は、装置内部の点検のために取り外し可能とされており、その内側面42a及び外側面42bには、それぞれアルミニウム製の内部熱伝導体43及び外部熱伝導体44が取り付けられている。内部熱伝導体43が、X線源2によって装置内部で発生する熱を吸熱し、外部熱伝導体44が、内部熱伝導体43から蓋体42を介して伝導される熱を装置外部に放熱する。なお、X線源2は、X線源収納部4内の前方下部に、装置壁41から間隔をおいて配置されており、X線源2と内部熱伝導体43の間には、X線源2の制御をするための制御盤等、電子部品7(図2)が配置されている。蓋体42と開口41aの外周縁部の間には、断熱材で形成されるガスケットGが介在させられており、X線が外部に漏洩しないようにシールされている。
内部熱伝導体43は、蓋体42に柔軟性を有するシリコン樹脂製の熱伝導性シート45を介して密着させられる内部熱伝導パネル431と、内部熱伝導パネル431から装置中央側(前側)に向けて突出し、上下方向に延びて、通過する空気の流れを上下方向に整える複数の帯状の内部熱伝導フィン432と、を一体的に設けてなり、蓋体42に着脱可能に取り付けられる箱状のフード46で覆われている。フード46は、内部熱伝導体43の上部に対向する位置に空気導入開口46aが形成されており、内部熱伝導体43の下部に対向する位置に空気導出開口46bが形成されている。空気導入開口46aには、内部熱伝導体43の上部に対して風を当てるようにして、装置内部の加熱空気をフード46内に導入するファン461が設けられ、空気導出開口46bには、内部熱伝導体43により冷却された空気をフード46外に導出するファン462が設けられている。なお、ファン461,462は、内部熱伝導体43の幅方向の広い範囲に亘って加熱空気の上下方向の流れを生じさせるため、幅方向に複数個並べた状態で設置されている。
外部熱伝導体44は、蓋体42に柔軟性を有するシリコン樹脂製の熱伝導性シート47を介して密着させられる外部熱伝導パネル441と、外部熱伝導パネル441から装置外側(後側)に向けて突出し、上下方向に延びて、通過する空気の流れを上下方向に整える複数の帯状の外部熱伝導フィン442と、を一体的に形成してなり、X線源収納部4に対して着脱可能に取り付けられる箱状のフード48で蓋体42とともに覆われている。フード48は、外部熱伝導体44の上部に対向する位置に空気導入開口48aが形成されており、外部熱伝導体44の下方において下向きに空気導出開口48bが形成されている。空気導入開口48aには、外部熱伝導体44の上部に対して風を当てるようにして、装置外部の常温空気(冷却空気)をフード48内に導入するファン481が設けられ、空気導出開口48bには、外部熱伝導体44からの放熱で暖められた空気をフード48外に導出するファン482が設けられている。なお、ファン481,482は、外部熱伝導体44の幅方向の広い範囲に亘って冷却空気の上下方向の流れを生じさせるため、幅方向に複数個並べた状態で設置されている。
X線源収納部4において、密封された装置壁41の内部では、前方下部に配置されるX線源2から上昇する加熱空気が、後方上部に設けられるファン461でフード46内に導入される。フード46内に導入された加熱空気は、下方のファン462でフード46外へ導出される際に、上下方向に延びる内部熱伝導フィン432を通過することにより冷却される。冷却された空気は、ファン462でその前方に配置される電子部品7、及び電子部品7よりも高熱となるX線源2に吹き付けられて、これらを冷却することにより、再び加熱空気となり、上述した空気循環を再び繰り返す。一方、X線源収納部4の外部では、装置外部の冷却空気がファン481でフード48内に導入され、ファン482でフード外に導出される際に、上下方向に延びる外部熱伝導フィン442を通過して、内部熱伝導フィン432からの伝導熱を外部に放出する。
上記実施形態に係るX線検査装置1は、下記のような特徴を有する。第一に、X線源2を取り囲んで密封する装置壁41の一部をなす蓋体42の内側に、内部熱伝導体43が設けられている一方、外側に、内部熱伝導体43から蓋体42を介して伝導される熱を放熱する外部熱伝導体44が設けられているという特徴を有している。これによって、X線を装置外部に漏洩させることなく、装置内部で発生した熱を装置外部へ効率的に逃がすことができ、その結果、装置内部のX線源2及び電子部品7を確実に冷却することができる。また、電気クーラー等を設置する場合と比べて製作コストや稼動コストが安価であり、故障の心配がなく、フィルター清掃等の手間のかかるメンテナンスが必要でない等のメリットがある。
上記実施形態では、内部熱伝導体43及び外部熱伝導体44とこれを通過する空気の間の熱伝導を効率的に行うために、上下方向に延びて空気の流れを上下方向に整える帯状の内部熱伝導フィン432及び外部熱伝導フィン442を採用したが、これに限らず、例えば剣山形状や上下方向に延びる波形形状等、空気の流れを阻害せずに、表面積(空気との接触面積)がより大きくなる熱伝導フィンを採用することも可能である。また、X線源2のケース22の外表面に熱伝導フィンを設けて、ファン462から吹き付けられる空気に対する熱伝導を効率的に行うようにしても良い。
2 X線源
3 X線検出器
4 X線源収納部
5 X線検査部
7 電子部品
41 装置壁
42 蓋体(装置壁)
43 内部熱伝導体
432 内部熱伝導フィン
44 外部熱伝導体
442 外部熱伝導フィン
45 熱伝導性シート
46 フード
46a 空気導入開口
46b 空気導出開口
461,462 ファン
47 熱伝導性シート
48 フード
48a 空気導入開口
48b 空気導出開口
481,482 ファン
Claims (6)
- X線によって物品を検査するX線検査装置において、
X線を発生するX線管を絶縁性の冷却用油を満たしたケースに封入してなるX線源と、該X線源を取り囲んで密封する装置壁と、を備え、
前記装置壁の内側に、内部熱伝導体が設けられており、前記装置壁の外側に、前記内部熱伝導体から前記装置壁を介して伝導される熱を放熱する外部熱伝導体が設けられており、
さらに前記内部熱伝導体の上部に風を当てる第1ファンと、前記内部熱伝導体で冷却された空気を前記X線源に吹き付けて前記X線源を冷却する第2ファンを備えることにより、前記装置壁の内側で空気循環を繰り返すことを特徴とするX線検査装置。 - 請求項1に記載のX線検査装置において、
前記X線源は、前記装置壁から間隔をおいて配置されていることを特徴とするX線検査装置。 - 請求項1又は2に記載のX線検査装置において、
前記内部熱伝導体及び前記外部熱伝導体が熱伝導フィンを備えることを特徴とするX線検査装置。 - 請求項3に記載のX線検査装置において、
前記熱伝導フィンは、前記装置壁に沿うように上下方向に延びて、空気の流れを上下方向に整えることを特徴とするX線検査装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載のX線検査装置において、
前記内部熱伝導体及び前記外部熱伝導体の上部に対して風が当てられることを特徴とするX線検査装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載のX線検査装置において、
前記内部熱伝導体及び前記外部熱伝導体は、熱伝導性シート又は熱伝導性油脂を介して前記装置壁に密着させられていることを特徴とするX線検査装置。
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