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JP4962803B2 - 回転スイッチ - Google Patents

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JP4962803B2 JP2009138159A JP2009138159A JP4962803B2 JP 4962803 B2 JP4962803 B2 JP 4962803B2 JP 2009138159 A JP2009138159 A JP 2009138159A JP 2009138159 A JP2009138159 A JP 2009138159A JP 4962803 B2 JP4962803 B2 JP 4962803B2
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Description

この発明は、電子腕時計などの電子機器に用いられる回転スイッチに関する。
例えば、電子腕時計においては、時刻を修正する際に、巻真を所定位置に引き出して回転させることにより、巻真の回転に応じて指針を運針させるように構成されている。このような電子腕時計の時刻修正装置としては、特許文献1に記載されているように、腕時計ケースに巻真をその軸方向における第1の位置と第2の位置とに移動可能に設けると共に巻真の軸を中心とする回転方向にも回転可能に設け、この巻真に磁石を設け、この磁石の円周方向に位置する腕時計ケース内に磁気センサを設けた構成のものが知られている。
特開2008−122377号公報
この種の電子腕時計では、巻真を押し込んだ第1の位置状態のときに、巻真に設けられた磁石が磁気センサから離れ、また巻真を引き出した第2の位置状態のときに、巻真と共に磁石が移動して磁気センサに対応し、この状態で巻真を回転させると、磁石が巻真と共に回転し、この回転する磁石の磁界を磁気センサが検出し、この磁気センサで検出された検出データに基づいて指針を運針させることにより、時刻を修正している。
しかしながら、このような従来の電子腕時計においては、巻真を引き出した第2の位置状態のときに、巻真と共に磁石が移動して磁気センサに対応した際に、磁気センサが巻真の磁石に接近して配置されるだけの構造であるからか、磁気センサが腕時計ケースの外部から磁界の影響を受け易く、誤動作する虞がある。
また、このような従来の電子腕時計では、磁気センサの感度を高めるために、磁石を大きく形成することが考えられているが、磁石を大きく形成すると、装置全体の厚みが厚くなるため、装置全体が大型化するという問題が生じる。
この発明が解決しようとする課題は、スイッチ全体の薄型化および小型化を図り、且つ磁気センサが外部磁界の影響を受けずに、回転する磁石の磁界を感度良く正確に検出することができる回転スイッチを提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
請求項1に記載の発明は、回転操作可能な操作部材と、この操作部材と一体的に回転する磁石と、この磁石に対向して配置された磁気センサと、この磁気センサの周囲を囲む耐磁板と、前記磁石と前記磁気センサとの間に設けられ、前記磁石に対向する面とは反対の面に前記磁気センサが設けられた回路基板と、を備え、前記耐磁板は、前記全体が枠状で平板に形成されて、前記回路基板の前記反対の面に取付けられ、更に、前記耐磁板には、前記磁気センサが突出しない開口部が設けられていることを特徴とする回転スイッチである。
請求項2に記載の発明は、前記耐磁板が、前記磁気センサの全周囲を囲う形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転スイッチである。
請求項3に記載の発明は、前記耐磁板が、前記磁気センサの全周囲のうち、一部を除いて、前記磁気センサの周囲を囲う形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転スイッチである。
請求項4に記載の発明は、前記耐磁板は、前記回路基板の基準電位に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転スイッチである。
この発明によれば、磁気センサの周囲を囲う耐磁板によって外部磁界を吸収することができるので、磁気センサの感度を高めるために磁石部材を大きく形成する必要がない。このため、磁気センサの周囲を囲う耐磁板を設けても、スイッチ全体の薄型化および小型化を図ることができると共に、耐磁板によって磁気センサが外部磁界の影響を受けることがないので、操作部材と共に回転する磁石の磁界を磁気センサによって感度良く正確に検出することができる。
この発明を電子腕時計に適用した一実施形態を示した要部の拡大断面図である。 図1の電子腕時計における時計モジュールの要部を示した拡大裏面図である。 図2の時計モジュールにおいて回路基板を取り外した状態を示した要部の拡大裏面図である。 図2のA−A矢視における拡大断面図である。 図3の状態で巻真を第2の位置に引き出した状態を示した要部の拡大裏面図である。 図5のB−B矢視における拡大断面図である。 図3のC−C矢視における拡大断面図である。 図3のD−D矢視における拡大断面図である。 図3において地板にオシドリを配置した状態を示した要部の拡大裏面図である。 図9においてオシドリばねを更に配置した状態を示した要部の拡大裏面図である。 図10においてスイッチ板を更に配置した状態を示した要部の拡大裏面図である。 図11のスイッチ板およびこれに対応する箇所の回路基板を示し、(a)は図11のE−E矢視における要部の拡大断面図、(b)はその回路基板の接点部を示した図である。 図3の磁石部材を示し、(a)は図3においてオシドリおよび磁石押え部を取り除いて磁石部材を示した要部の拡大裏面図、(b)はそのF−F矢視における要部の拡大断面図である。 図2の磁気センサおよび耐磁板を示し、(a)はその拡大裏面図、(b)はその拡大側面図、(c)は(a)のG−G矢視における拡大断面図、(d)は(c)の耐磁板を示した拡大断面図である。 一実施形態における耐磁板の変形例を示した拡大裏面図である。
以下、図1〜図14参照して、この発明を指針式の電子腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この電子腕時計は、図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の上部開口部には、時計ガラス2がパッキン2aを介して取り付けられており、この腕時計ケース1の下部には、裏蓋3が防水リング3aを介して取り付けられている。
また、この腕時計ケース1の内部には、図1に示すように、時計モジュール4が中枠5によって設けられている。この時計モジュール4は、図1および図2に示すように、指針を運針する時計ムーブメント(図示せず)と、時刻を修正するための時刻修正装置6とを備えている。この場合、時計モジュール4の上面には、文字板7が設けられており、この文字板7の上面には、リング状の見切部材8が設けられている。
時刻修正装置6は、図1に示すように、腕時計ケース1の側壁部に回転可能に挿入されて外部に突出する竜頭10と、この竜頭10に取り付けられて時計モジュール4内の地板11に軸方向に移動操作可能で且つその軸を中心とする回転方向にも回転操作可能に設けられた巻真12と、この巻真12の軸方向における移動位置を規制する位置規制部材13と、巻真12にスライド可能に設けられて巻真12と共に回転する磁石部材14と、この磁石部材14の円周方向に位置して磁石部材14の回転を検出する磁気センサ15とを備えている。
この場合、巻真12は、図1に示すように、ほぼ丸棒状に形成され、その一端部(図1では右端部)に竜頭10が取り付けられ、腕時計ケース1の側壁部に設けられた貫通孔1aに外側から挿入されている。また、この巻真12は、図1に示すように、その他端部(図1では左端部)が地板11に軸方向に移動操作可能で、且つその軸を中心とする回転方向にも回転操作可能に取り付けられている。これにより、巻真12は、腕時計ケース1の外部に位置する竜頭10を引き出し方向に操作すると、これに伴って軸方向に移動し、また竜頭10を回転方向に操作すると、軸回りに回転するように構成されている。
また、この巻真12は、図3〜図6に示すように、そのほぼ中間部に小径の段差凹部12aが環状に設けられており、この段差凹部12aにおける時計モジュール1の内部側に位置する先端側(図4では左端側)には、図4および図6に示すように、後述する磁石部材14をスライド可能に取り付けるための、断面形状が四角形状の角棒状に形成された係合軸部16が設けられている。
さらに、この巻真12の内部側に位置する係合軸部16の先端部(図4では左端部)には、図4および図6に示すように、小径の軸部12bが設けられている。この軸部12bは、丸棒状に形成され、地板11に設けられたガイド穴11a内に軸方向に移動可能で且つその軸を中心に回転可能な状態で挿入されている。これにより、巻真12は、図4に示すように、軸方向(矢印X方向)に押し込まれた第1の位置と、図6に示すように、軸方向(矢印Y方向)に引き出された第2の位置とに移動するように構成されている。
位置規制部材13は、図3〜図11に示すように、オシドリ20、オシドリばね21、スイッチ板22、および押え板23を備えている。オシドリ20は、図3および図9に示すように、平板状に形成され、地板11に設けられた支持軸17に回動可能に取り付けられ、巻真12の軸方向への移動に応じて支持軸17を中心に回動するように構成されている。
すなわち、オシドリ20には、図9〜図11に示すように、巻真12の段差凹部12a内に配置される連動アーム部20aと、オシドリばね21によって弾力的に位置規制される連動ピン20bと、スイッチ板22をオシドリ20と共に回動させる連結ピン20cとが設けられている。これにより、オシドリ20は、図3および図5に示すように、巻真12が軸方向に移動すると、巻真12の段差凹部12aの移動に伴って連動アーム部20aが揺動することにより、支持軸17を中心に回動するように構成されている。
オシドリばね21は、図7および図10に示すように、板ばねであり、オシドリ20の近傍に位置する箇所の地板11に固定され、オシドリ20の連動ピン20bを弾力的に保持して位置規制することにより、オシドリ20の回動位置を規制して巻真12の軸方向の移動位置を規制するように構成されている。すなわち、このオシドリばね21は、図10に示すように、その先端部にオシドリ20の連動ピン20bを弾力的に保持する位置規制部24が設けられている。
この位置規制部24には、図10に示すように、連動ピン20bを弾力的に係止する複数の係止凹部24a、24bが設けられている。これにより、オシドリばね21は、図4に示すように、巻真12が押し込まれた第1の位置状態のときに、図10に示すように、オシドリ20の連動ピン20bを位置規制部24の一方の係止凹部24aで弾力的に係止することにより、巻真12を第1の位置に規制するように構成されている。
また、このオシドリばね21は、図6に示すように、巻真12が軸方向に引き出された第2の位置に移動するときに、図5に示すように、オシドリ20が支持軸17を中心に回動し、これに伴って連動ピン20bが回転移動して位置規制部24を弾性変形させ、この弾性変形した位置規制部24の他方の係止凹部24bがオシドリ20の連動ピン20bを弾力的に係止することにより、巻真12を第2の位置に規制するように構成されている。
スイッチ板22は、図11および図12に示すように、金属板からなり、オシドリ20と共に地板11の支持軸17に回転可能に取り付けられている。このスイッチ板22には、図12(a)に示すように、後述する回路基板25の上面に接触して摺動する接触ばね部22aが、図11に示すように、オシドリ20の連動アーム部20aと反対側に向けて延設されている。このスイッチ板22の所定箇所には、図11に示すように、オシドリ20の連結ピン20cが挿入する挿入孔22bが設けられている。
これにより、スイッチ板22は、図12(a)に示すように、接触ばね部22aの先端部が回路基板25の上面に接触した状態で、支持軸17を中心にオシドリ20と共に回転移動し、この接触ばね部22aの先端部が回路基板25の上面に設けられた接点部25a、25bに対する接触位置を切り替えるように構成されている。押え板23は、図3、図5および図8に示すように、オシドリばね21と共に地板11にねじ23aによって取り付けられて、オシドリばね21およびスイッチ板22を押え付けることにより、オシドリ20を地板11に押し付けるように構成されている。
ところで、巻真12にスライド可能に設けられた磁石部材14は、図13(a)および図13(b)に示すように、リング状の磁石18と、この磁石18を包む樹脂部19とからなり、全体がほぼ円形板状に形成され、その中心部に巻真12の係合軸部15が挿入する断面四角形状の係合孔18aが設けられ、図4および図6に示すように、外周面の一部が地板11に設けられた磁石押え部26によって押え付けられた構成になっている。
これにより、磁石部材14は、図4および図6に示すように、その係合孔18aに巻真12の係合軸部16がスライド可能に挿入し、この状態で巻真12が軸方向に移動しても、磁石押え部26によって押えられていることにより、巻真12に対し相対的に移動して常に一定の位置に保持され、この状態で巻真12と共に回転するように構成されている。
すなわち、この磁石部材14は、図3に示すように、巻真12が押し込まれた第1の位置状態のときに、図4に示すように、巻真12の内部側に位置する係合軸部16の外側の端部側(図4では右側)に位置し、図5に示すように、巻真12が引き出された第2の位置状態のときに、図6に示すように、巻真12の内部側に位置する係合軸部16の内側の先端部側(図6では左側)に位置するように構成されている。
一方、磁気センサ15は、図1、図4および図6に示すように、地板11の裏面(図4では下面)に設けられた回路基板25の下面における磁石部材14と対応する箇所に設けられている。これにより、磁気センサ15は、回路基板25を間に挟んで磁石部材14と対応している。この磁気センサ15は、2つの磁気検出素子、例えば2つの磁気抵抗素子15a、15b(MR素子:Magneto Resistance 素子)と、出力をデジタル化するICとを1パッケージに収めたもので、2つの磁気抵抗素子15a、15bで磁石部材14の回転に伴う磁界の変化を検出して、高い(ハイ:H)、低い(ロウ:L)の2種類の検出信号を出力するように構成されている。
すなわち、この磁気センサ15は、2つの磁気抵抗素子15a、15bの設置位置が異なっていることにより、磁石部材14の回転に伴う磁界の変化を検出する際、出力に位相差が生じ、この位相差によって2種類の検出信号を出力することにより、磁石部材14の回転を検出するように構成されている。この場合、2種類の検出信号は、回路基板25に設けられたマイコンで解析されて、磁石部材14の回転角度を算出する。
また、この磁気センサ15は、磁石部材14の回転方向(正回転であるか逆回転であるか)を検出すると共に、磁石部材14の正回転または逆回転が連続しているか否かをも検出する。これにより、磁気センサ15で検出された回転方向の検出信号により、指針を正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に回転させると共に、磁気センサ15で検出された磁石部材14の回転が連続しているか否かの検出信号により、回転が連続している場合に、指針を早送りで正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に回転させる。
この場合、磁気センサ15の周囲には、図1および図14に示すように、耐磁板27が配置されている。この耐磁板27は、磁性を有する材料、例えば低炭素鋼(SPCC)からなり、図14(a)〜図14(d)に示すように、全体が枠状のほぼ平板に形成され、その両側部に取付部27aが斜め上側に向けてそれぞれ折り曲げられて、この折り曲げられた各取付部27aが回路基板25の下面に半田28によって取り付けられている。
この場合、耐磁板27には、図14(c)に示すように、磁気センサ15の下部が下側に突出することなく挿入する開口部27bが設けられている。これにより、耐磁板27は、図14(c)に示すように、回路基板25の下面に設けられた磁気センサ15の周囲を囲うように構成されている。また、この耐磁板27は、その取付部27aが回路基板25の下面に半田28によって取り付けられていることにより、回路基板25のグランド(基準電位)に接続されている。
また、回路基板25には、集積回路素子(IC、LSI)などの時計機能に必要な各種の電子部品(図示せず)が設けられていると共に、回路基板25の上下面には、銅箔などの金属からなる配線パターン(図示せず)が設けられている。この場合、磁気センサ15と磁石部材14との間に位置する箇所の回路基板25には、配線パターン(図示せず)が設けられていない。
次に、この電子腕時計の作用について説明する。
まず、巻真12を軸方向に押し込んで第1の位置に移動させると、図3および図4に示すように、巻真12の段差凹部12aが時計モジュール4の内部側(図4では左側)に移動し、巻真12の係合軸部16が図4に示す矢印X方向に押し込まれる。この状態では、磁石部材14が磁石押え部26で押えられているので、巻真12が押し込まれても、磁石部材14は巻真12と共に移動せず、巻真12の係合軸部16における外側の端部側(図4では右側)に位置して、磁気センサ15に対応する。
また、このときには、巻真12の段差凹部12aが時計モジュール4の内部側に移動するので、図9に示すように、オシドリ20の連動アーム部20aが時計モジュール4の内部側(図9では右側)に向けて移動し、オシドリ20が支持軸17を中心に時計回りに回動する。これに伴って、図3および図10に示すように、連動ピン20aがオシドリばね21に設けられた位置規制部24の一方の係止凹部24aに弾力的に保持される。これにより、巻真12が押し込まれた第1の位置に規制される。
また、このときには、スイッチ板22がオシドリ20の連結ピン20cによってオシドリ20と連結されているので、図11に示すように、スイッチ板22が支持軸17を中心にオシドリ20と共に時計回りに回動する。これにより、スイッチ板22における接触ばね部22aの先端部が、図12(a)に示すように、回路基板25の上面に接触した状態で回転移動する。
これにより、接触ばね部22aが、図12(b)に示すように、回路基板25の一方(図12(b)では左側)の接点部25aに移動して接触し、磁気センサ15をオフ状態にする。このオフ状態では、磁気センサ15による磁気検出が停止されるので、巻真12を回して磁石部材14が回転しても、磁気センサ15が磁石部材14の回転磁界を検出しない。
一方、巻真12が軸方向に引き出されて第2の位置に移動すると、図5および図6に示すように、巻真12の段差凹部12aが時計モジュール4の外側に向けて移動し、巻真12の係合軸部16が引出し方向(図6に矢印Yで示す右方向)に移動する。このときにも、磁石部材14が磁石押え部26で押えられているので、巻真12が引出し方向に移動しても、磁石部材14は巻真12と共に移動せず、巻真12の係合軸部16における内側の先端部側(図6では左側)に位置する。
また、このときには、図6に示すように、巻真12の段差凹部12aが時計モジュール4の外側(図6では右側)に向けて移動するので、オシドリ20の連動アーム部20aが時計モジュール4の外側に向けて移動し、オシドリ20が支持軸17を中心に反時計回りに回動する。これに伴って、図5に示すように、連動ピン20aがオシドリばね21に設けられた位置規制部24の他方の係止凹部24bに弾力的に保持される。これにより、巻真12が引き出された第2の位置に規制される。
このときにも、スイッチ板22がオシドリ20の連結ピン20cによってオシドリ20と連結されているので、図5に示すように、スイッチ板22が支持軸17を中心にオシドリ20と共に反時計回りに回動する。これにより、スイッチ板22の接触ばね部22aの先端部が、図12(a)に示すように、回路基板25に接触した状態で上記とは逆方向に回転移動する。これにより、図12(b)に示すように、回路基板25の他方(図12(b)では右側)の接点部25bに移動して接触し、磁気センサ15をオン状態にして、磁気センサ15による磁気検出を可能な状態にする。
この状態で巻真12を回転させると、磁石部材14が巻真12と共に回転して磁界が変化し、この回転による磁界の変化を磁気センサ15が検出する。このときには、図1および図14(c)に示すように、磁気センサ15の周囲が耐磁板27によって囲われているので、磁気センサ15が腕時計ケース1の外部からの磁界の影響を受けずに、磁気センサ15が磁石部材14の回転磁界のみを感度良く正確に検出して検出信号を出力する。
この磁気センサ15で出力された検出信号は、回路基板25のマイコンで解析されて、巻真12の回転に応じて指針(図示せず)を運針させて時刻を修正する。このときには、磁気センサ15が磁石部材14の回転方向(正回転であるか逆回転であるか)をも検出し、指針を正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に運針させて時刻を修正する。
このときに、磁石部材14の正回転または逆回転が連続していることを磁気センサ15が検出した場合には、指針を早送りで正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に運針させて、速やかに時刻を修正する。また、巻真12が引き出された第2の位置で、巻真12が数十秒の間、回転操作されないときには、磁気センサ15をオフ状態にして、電力の消費を防ぐ。
このように、この電子腕時計によれば、回転操作可能な操作部材である巻真12と一体的に回転する磁石部材14に対向して配置された磁気センサ15の周囲を耐磁板27で囲んでいるので、この耐磁板27によって外部磁界を吸収することができる。このため、磁気センサ15の感度を高めるために、磁石部材14を大きく形成する必要がないので、耐磁板27を設けても、腕時計全体が厚くならず、腕時計全体の薄型化および小型化を図ることができると共に、磁気センサ15が外部磁界の影響を受けることがないので、巻真12と共に回転する磁石部材14の磁界を磁気センサ15によって感度良く正確に検出することができる。
この場合、耐磁板27は、その全体が枠状のほぼ平板に形成され、磁気センサ15の全周囲を囲うように形成されているので、外部磁界が磁気センサ15の全外周側から侵入するのを確実に防ぐことができる。このため、磁気センサ15の感度を、より一層、高めて、巻真12と共に回転する磁石部材14の磁界を更に感度良く正確に検出することができる。また、耐磁板27を、磁気センサ15の下面(回路基板25とは反対の面)全体を覆うような形状にすると、磁気センサ15が検出すべき磁石部材14の磁界も吸い込んでしまうので、磁石部材14を大きくする必要があるが、耐磁板27を、磁気センサ15を囲む形状とすることにより、磁石部材14を大きくする必要がなく、腕時計全体の薄型化および小型化を図ることができる。
また、耐磁板27は、全体が枠状のほぼ平板に形成され、その中央部に磁気センサ15の厚み方向における下部が下側に突出することなく挿入する開口部27bが設けられているので、耐磁板27で磁気センサ15の周囲を囲んでも、耐磁板27の開口部27bに磁気センサ15の下部を挿入させることができ、これにより耐磁板27によって時計モジュール4の厚みが厚くなることがないため、より一層、腕時計全体の薄型化を図ることができると共に、腕時計全体の小型化をも図ることができる。
また、この磁気センサ15は、その周囲が耐磁板27によって囲われているので、時計ムーブメントに組み込まれたステッピングモータ(いずれも図示せず)が発生する磁界による影響をも確実に防ぐことができるので、より一層、磁気センサ15で磁石部材14の回転を感度良く正確に検出することができる。
また、この電子腕時計によれば、巻真12の断面非円形の係合軸部16が磁石部材14の係合孔18aに係合しているので、巻真12を軸方向に移動操作する際に、磁石部材14を巻真12に対して相対的に移動させることができ、これにより磁石部材14を巻真12の軸方向に対して常に一定の位置に保持することができる。
このため、巻真12を軸方向に移動操作しても、巻真12や磁石部材14を破損せずに、常に磁石部材14を磁気センサ15に対応させることができるので、巻真12を軸方向における複数の位置に移動させても、1つの磁気センサ15で巻真12の回転を正確に検出することができるほか、磁気センサ15が磁石部材14に対して非接触状態であるから、耐久性の高いものを提供することができる。
この場合、磁気センサ15は、磁石部材14の回転を検出して検出信号を出力し、この出力された検出信号が回路基板25のマイコンで解析されて、巻真12の回転に応じて指針(図示せず)を運針させて時刻を修正することができる。このときには、磁気センサ15が磁石部材14の回転方向(正回転であるか逆回転であるか)を検出するので、指針を正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に回転させることができる。
また、このとき、磁石部材14の正回転または逆回転が連続しているか否かを磁気センサ15で検出することにより、回転が連続している場合に、指針を早送りで正方向(時計回り)または逆方向(反時計回り)に回転させて、速やかに時刻を修正することができる。
また、この電子腕時計では、巻真12をその軸方向における第1の位置と第2の位置とに位置規制する位置規制部材13を備えているので、巻真12をその軸方向における第1の位置と第2の位置とに正確に且つ確実に位置規制することができる。すなわち、位置規制部材13は、巻真12の軸方向への移動に伴って回動するオシドリ20と、このオシドリ20の連動ピンを位置規制部24の係止凹部24a、24bによって弾力的に保持するオシドリばね21とを備えているので、オシドリばね21の位置規制部24によってオシドリ20の回動位置を規制することができ、これにより巻真12の軸方向における位置を確実に規制することができる。
また、巻真12は、その軸方向に押し込まれた第1の位置と引き出された第2の位置とで、回路基板25の接点部25a、25bを切り替える接点切替部材であるスイッチ板22を備えているので、磁石部材14が磁気センサ15に常に対応していても、スイッチ板22で回路基板25の接点部25a、25bを切り替えることにより、磁気センサ15をオン状態とオフ状態とに切り替えることができる。
すなわち、スイッチ板22は、巻真12の軸方向への移動に伴って回動するオシドリ20と共に回転して、接触ばね部22aが回路基板25の接点部25a、25bを切り替えることができるので、巻真12が押し込まれた第1の位置のときに、接触ばね部22aが一方の接点部25aに接触して、磁気センサ15をオフ状態にし、また巻真12が引き出された第2の位置のときに、接触ばね部22aが他方の接点部25bに接触して、磁気センサ15をオン状態にすることができる。
このため、巻真12が押し込まれた第1の位置のときには、磁気センサ15がオフ状態であるから、磁気センサ15に対する待機電流を防ぐことができると共に、この状態で巻真12を回転させて磁石部材14を回転させても、磁気センサ15によって磁石部材14の回転を検出することがないので、磁気センサ15による消費電力を低減することができる。
また、巻真12が引き出された第2の位置のときには、磁気センサ15がオン状態になるので、巻真12を回転させて磁石部材14を回転させると、磁気センサ15で磁石部材14の回転を検出することができる。この場合、巻真12が引き出された第2の位置のときに、数十秒の間、巻真12が回転操作されないときには、磁気センサ15をオフ状態にするので、これによっても磁気センサ15による消費電力を抑えて、低消費電力化を図ることができる。
また、この電子腕時計では、磁気センサ15が、腕時計ケース1内に設けられる時計モジュール4の回路基板25に設けられ、この回路基板25を挟んで磁石部材14と対応した状態で配置されているので、磁気センサ15を、回路基板25に搭載された集積回路素子(IC、LSI)などの時計機能に必要な各種の電子部品と並べて配置することができ、これにより高密度実装ができるので、時計モジュール4の薄型化および小型化を図ることができる。
この場合、回路基板25の上下両面には、銅箔などの金属からなる配線パターン(図示せず)が設けられているが、磁気センサ15と磁石部材14との間に位置する回路基板25には、配線パターンが設けられていないので、磁気センサ15が銅箔などの金属からなる配線パターンによる影響を受けずに、磁気センサ15で磁石部材14の回転を高感度で精度良く検出することができる。
なお、上記実施形態では、耐磁板27をその全体が枠状のほぼ平板に形成されて磁気センサ15の全周囲を囲うように形成した場合について述べたが、これに限らず、例えば図15に示す変形例のように、耐磁板30をその全体がほぼ枠状の平板に形成されて磁気センサ15の全周囲のうち、一部つまり上辺部側を除いて、磁気センサ15の3辺側を囲うように形成しても良い。
この場合にも、耐磁板30は、その両側部に取付部30aが斜め上側に向けてそれぞれ折り曲げられて、この折り曲げられた各取付部30aが回路基板25の下面に半田28によって取り付けられている。また、耐磁板30には、磁気センサ15の厚み方向における下部が下側に突出することなく挿入する開口部30bが設けられている。このように耐磁板30を構成しても、上述した実施形態とほぼ同様の作用効果がある。
また、上記実施形態では、巻真12に断面四角形状の係合軸部16を設け、磁石部材14の中心部に巻真12の係合軸部16が挿入する四角形状の係合孔18aを設けた場合について述べたが、これに限らず、巻真12の係合軸部16および磁石部材14の係合孔18aを、三角形、五角形、六角形などの多角形状、または楕円形状、スプライン形状などの非円形状に形成しても良い。
また、上記実施形態では、磁石部材14が磁石18と、この磁石18を包む樹脂部19とで構成されている場合について述べたが、これに限らず、例えば磁石18を磁性材料からなる外装部で包んで磁石18を保護するように構成しても良い。このように構成すれば、磁石18を小さく形成することができるので、磁石部材14全体の小型化を図ることができる。
さらに、上記実施形態では、巻真12がその軸方向における第1の位置と第2の位置とに移動するように構成された場合について述べたが、必ずしも第1、第2の各位置のみに移動する構成である必要はなく、第2の位置から更に引き出された第3の位置にも移動するように構成しても良い。このように構成しても、磁石部材14は磁石押え部26によって押え付けられているので、巻真12の軸方向への引出し操作に応じて磁石部材14が移動することがなく、常に磁石部材14が1つの磁気センサ15に対応するので、この1つの磁気センサ15で巻真12の回転を検出することができる。
なおまた、上記実施形態およびその各変形例では、指針式の電子腕時計に適用した場合について述べたが、必ずしも電子腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の電子時計に適用することができるほか、必ずしも電子時計に限らず、携帯電話機やPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)などの電子機器にも広く適用することができる。
1 腕時計ケース
4 時計モジュール
5 時刻修正装置
11 地板
12 巻真
13 位置規制部材
14 磁石部材
15 磁気センサ
15a 磁気抵抗素子
16 係合軸部
18 磁石
18a 係合孔
19 樹脂部
20 オシドリ
21 オシドリばね
22 スイッチ板
25 回路基板
27、30 耐磁板
27a、30a 取付部
27b、30b 開口部

Claims (4)

  1. 回転操作可能な操作部材と、
    この操作部材と一体的に回転する磁石と、
    この磁石に対向して配置された磁気センサと、
    この磁気センサの周囲を囲む耐磁板と、
    前記磁石と前記磁気センサとの間に設けられ、前記磁石に対向する面とは反対の面に前記磁気センサが設けられた回路基板と、
    を備え、
    前記耐磁板は、前記全体が枠状で平板に形成されて、前記回路基板の前記反対の面に取付けられ、更に、前記耐磁板には、前記磁気センサが突出しない開口部が設けられていることを特徴とする回転スイッチ。
  2. 前記耐磁板は、前記磁気センサの全周囲を囲う形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転スイッチ。
  3. 前記耐磁板は、前記磁気センサの全周囲のうち、一部を除いて、前記磁気センサの周囲を囲う形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転スイッチ。
  4. 前記耐磁板は、前記回路基板の基準電位に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の回転スイッチ。
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