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JP4961872B2 - Ac−dcコンバータ - Google Patents

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Description

本発明は、交流を直流に変換するAC−DCコンバータに関し、特に力率を改善する技術に関する。
図6は、従来のAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。このAC−DCコンバータにおいて、トランスT1の一次側回路は、商用電源ACの交流電圧を整流するダイオードブリッジDBと、ダイオードブリッジDBの出力端子間に接続されたコンデンサC1と、コンデンサC1の両端子間に接続され、トランスT1の一次巻線N1とスイッチング素子Q1とから成る直列回路とから構成されている。スイッチング素子Q1は、例えばMOSFETから構成される。
トランスT1の二次側回路は、一次巻線N1に対して逆極性になるように巻回されたトランスT1の二次巻線N2の一端にアノードが接続されたダイオードD2と、ダイオードD2のカソードと二次巻線N2の他端の間に接続されたコンデンサC2とを備え、これらダイオードD2とコンデンサC2とにより整流平滑回路が構成されている。コンデンサC2の両端は出力端子に接続され、整流平滑回路は、トランスT1の二次巻線N2に誘起される電圧を整流平滑し、出力端子から出力電圧Voを出力する。
また、制御回路1は、コンデンサC2の一端(+側端子)とスイッチング素子Q1との間に設けられ、出力電圧Voを所定の基準電圧と比較して誤差電圧を求め、求められた誤差電圧に応じたパルス幅を有するPWM(Pulse Wide Modulation)制御信号を生成する。制御回路1で生成されたPWM制御信号は、スイッチング素子Q1のゲートに送られる。
次に、このように構成された従来のAC−DCコンバータの動作を説明する。すなわち、商用電源ACの交流電圧は、ダイオードブリッジDBで整流されてコンデンサC1に送られる。コンデンサC1は、入力平滑回路を構成しており、ダイオードブリッジDBの出力を平滑して直流入力電圧Vinを生成する。生成された直流入力電圧Vinが、トランスT1の一次巻線N1とスイッチング素子Q1とから成る直列回路に印加される。
直列回路に直流入力電圧Vinが印加された状態において、スイッチング素子Q1のオン期間に、直流入力電圧VinによりトランスT1の一次巻線N1にエネルギーが蓄積される。一次巻線N1に蓄積されたエネルギーは、スイッチング素子Q1のオフ期間に二次側回路に放出される。制御回路1は、PWM制御信号によりスイッチング素子Q1のオン期間を制御することにより、トランスT1の一次巻線N1に蓄積されるエネルギーの大きさを調整し、これにより出力電圧Voを安定化させている。
図7に図6の従来のAC−DCコンバータのダイオードブリッジDBの入出力電圧・電流波形を示す。図6に示すようなコンデンサインプット型の入力平滑回路を有するAC−DCコンバータでは、図7(c)に示すように、コンデンサC1の充電電流は、ダイオードブリッジDBの出力電圧がコンデンサC1の電圧より高くなった時のみ流れてコンデンサC1を充電し、その電圧V(C1)を引き上げる。したがって、図7(b)に示す交流入力電流I(AC)は、コンデンサC1の充電電流が流れるタイミング、つまり図7(a)に示す交流入力電圧V(AC)のピーク付近のみでしか流れないため、力率が悪くなるという欠点があった。
力率を改善する方法としては、図8に示すような、昇圧形チョッパ回路を用いた力率改善回路10を入力平滑用のコンデンサC1の前段に設ける方法が知られている。力率改善回路10は、ダイオードブリッジDBの両端子間に接続され、チョークコイルL1とスイッチング素子Q2とから成る直列回路と、アノードがチョークコイルL1とスイッチング素子Q2の接続点に接続され、カソードがコンデンサC1の一端(+側端子)に接続されたダイオードD1と、制御回路2とから構成されている。スイッチング素子Q2は、例えばMOSFETから構成される。
制御回路2は、力率改善回路10の出力電圧(ダイオードD1とコンデンサC1の接続点の電圧)と内部に保持している基準電圧とを比較することにより誤差電圧を求め、求められた誤差電圧に応じたパルス幅を有するPWM制御信号を生成し、スイッチング素子Q2のゲートに送る。これにより、スイッチング素子Q2は、PWM制御信号に応じてオン/オフし、力率改善回路10の出力電圧が一定になるように制御される。
しかしながら、図8に示すAC−DCコンバータは、力率改善回路10を構成するチョークコイルL1、スイッチング素子Q2、ダイオードD1及び制御回路2といった部品が追加的に必要となるので、コストが増大するという問題がある他に、損失の増大、ノイズの発生、スイッチング素子間の干渉の発生といった問題があった。
このような問題を解消するために、例えば、特許文献1は、力率改善機能を有するスイッチング電源装置の効率を向上させる技術を開示している。スイッチング電源装置は、交流電源端子間に接続された整流回路と、整流回路の出力端子間に主インダクタ、逆流阻止用ダイオード及びトランスの一次巻線の一部を介して接続されたスイッチング素子と、一次巻線とスイッチング素子とから成る直列回路に並列に接続された平滑用コンデンサと、トランスの二次巻線と、整流平滑回路と、補助充電回路とを備える。補助充電回路は、補助コンデンサ、第1及び第2の補助ダイオード、並びに補助インダクタを備え、トランスに設けられた補助巻線の電圧を、整流回路の出力電圧に加算して平滑用コンデンサに供給し、これにより力率を改善する。
特開2002−320388号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示されたスイッチング電源装置は、補助充電回路を備える必要があるため、部品点数が増大し、回路が複雑になるという問題がある。
本発明の課題は、簡素な回路構成で高力率を実現できるAC−DCコンバータを提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路の一端に一端が接続されたチョークコイルと、直列に接続された第1の一次巻線、第2の一次巻線、第3の一次巻線と、二次巻線を有するトランスと、前記トランスの第1の一次巻線と前記整流回路の他端との間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線の接続点と前記整流回路の他端との間に接続されたコンデンサと、前記チョークコイルの他端と前記トランスの第2の一次巻線と第3の一次巻線の接続点との間に接続された第1のダイオードと、前記チョークコイルの他端と前記トランスの第3の一次巻線の間に接続された第2ダイオードと、前記トランスの二次巻線の出力を整流及び平滑する整流平滑回路と、前記整流平滑回路で整流及び平滑された出力電圧に基づき前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路を備え、前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回され、前記トランスの第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、直列に接続された第1の一次巻線、第2の一次巻線、第3の一次巻線と、二次巻線を有するトランスと、前記トランスの第1の一次巻線と前記整流回路の他端との間に接続されたスイッチング素子と、前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線の接続点と前記整流回路の一端との間に接続されたコンデンサと、前記整流回路の他端と前記トランスの第2の一次巻線と第3の一次巻線の接続点との間に接続された第1のダイオードと、前記整流回路の他端と前記トランスの第3の一次巻線の間に接続された第2ダイオードと、前記トランスの二次巻線の出力を整流及び平滑する整流平滑回路と、前記整流平滑回路で整流及び平滑された出力電圧に基づき前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備え、前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回され、前記トランスの第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回され、前記トランスの第2の一次巻線は、前記第1の一次巻線に対し疎結合になるように巻回されていることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、チョークコイルには、入力された交流電圧に応じたエネルギーが蓄えられ、スイッチング素子がオン期間では、入力電圧に応じた電流がスイッチング素子に流れるので、入力電流の波形は入力電圧の波形に近くなり、力率が改善される。したがって、従来のAC−DCコンバータで採用されている力率改善回路のようなスイッチング素子や制御回路を備えなくても、第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回し、第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回したトランスを用いることにより高力率で回路間の干渉のないAC−DCコンバータを安価に実現できる。
請求項2記載の発明によれば、トランスの第2の一次巻線は、第1の一次巻線に対し疎結合になるように巻回されているので、リーケージインダクタンスが存在し、請求項1記載の発明におけるチョークコイルと同等に作用する。したがって、請求項1記載の発明からチョークコイルを除去することができるので、さらに部品点数を減らすことができ、安価で高力率のAC−DCコンバータを実現することができる。また、第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回し、第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回したトランスを用いることにより高力率で回路間の干渉のないAC−DCコンバータを安価に実現できる。
以下、本発明の実施の形態に係るAC−DCコンバータを、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。このAC−DCコンバータは、図6に示した従来のAC−DCコンバータの一次側回路に、チョークコイルL1、ダイオードD3及びダイオードD4が追加されるとともに、トランスT1が、他の構造を有するトランスT2に変更されて構成されている。以下では、背景技術の欄において図6を参照して説明した従来のAC−DCコンバータと異なる部分を中心に説明する。
トランスT2は、従来のAC−DCコンバータのトランスT1に、第2の一次巻線N3と第3の一次巻線N4とが追加されて構成されている。なお、従来のトランスT1の「一次巻線N1」に対応する巻線を、実施例1では、「第1の一次巻線N1」と呼ぶ。第2の一次巻線N3は、第1の一次巻線N1と逆極性になるように巻回され、その一端は第1の一次巻線N1に接続され、他端は第3の一次巻線N4に接続されている。また、第3の一次巻線N4は、第1の一次巻線N1と同極性になるように巻回され、その一端は第2の一次巻線N3の他端に接続され、他端はダイオードD4のカソードに接続されている。
また、チョークコイルL1の一端は、ダイオードブリッジDBの一方の出力端子(正側の出力端子)に接続され、他端はダイオードD3及びダイオードD4のアノードに接続されている。ダイオードD3は本発明の第1のダイオードに対応し、ダイオードD4は本発明の第2のダイオードに対応する。ダイオードD3のカソードは、第2の一次巻線N3と第3の一次巻線N4との接続点に接続されている。ダイオードD4のカソードは、第3の一次巻線N4の他端に接続されている。また、コンデンサC1は、第1の一次巻線N1とスイッチング素子Q1とから成る直列回路に対して並列に接続されている。
次に、このように構成された本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータの動作を、図2及び図3に示すタイミングチャートを参照しながら説明する。
まず、外部から商用電源ACが供給されると、ダイオードブリッジDBで整流が行われる。ダイオードブリッジDBで整流することにより得られた直流電流は、チョークコイルL1→ダイオードD3→第2の一次巻線N3→コンデンサC1という経路、及び、チョークコイルL1→ダイオードD4→第3の一次巻線N4→第2の一次巻線N3→コンデンサC1という経路を流れる。この直流電流により、コンデンサC1が所定の電圧まで充電された後に、スイッチング素子Q1のオン/オフ動作が開始され、AC−DC変換動作が開始される。
コンデンサC1が所定の電圧に充電されている状態において、制御回路1からのPWM制御信号によりスイッチング素子Q1がオンされると、トランスT2の第1の一次巻線N1にコンデンサC1の電圧が印加される。この場合、図2に示すように、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧Vds(Q1)はゼロである。スイッチング素子Q1のオン期間では、コンデンサC1→第1の一次巻線N1→スイッチング素子Q1という経路で電流が流れ、この電流により第1の一次巻線N1にエネルギーが蓄積される。同時に、後述するチョークコイルL1→ダイオードD3→第2の一次巻線N3→第1の一次巻線N1→スイッチング素子Q1という経路で電流が流れるが、第2の一次巻線N3と第1の一次巻線N1は逆向きに巻回されているので、磁束が打ち消され、第1の一次巻線N1にエネルギーが蓄積されない。
また、スイッチング素子Q1がオンすると、トランスT2の第1の一次巻線N1にコンデンサC1の電圧が印加されるため、第1の一次巻線N1と逆極性になるように巻かれた第2の一次巻線N3に、第1の一次巻線N1に印加された電圧と逆向きの電圧が発生する。
今、第1の一次巻線N1と第2の一次巻線N3との巻数比が「1:1」とすると、第1の一次巻線N1に印加される電圧と第2の一次巻線N3に発生する電圧とが相殺され、第2の一次巻線N3と第3の一次巻線N4との接続点Aの電位は0Vになる。その結果、チョークコイルL1にはダイオードブリッジDBの出力電圧が印加され、ダイオードD3の電流I(D3)は、ダイオードブリッジDB→チョークコイルL1→ダイオードD3→第2の一次巻線N3→第1の一次巻線N1→スイッチング素子Q1という経路を通って流れる、商用電源ACからの交流電圧に比例した漸増する電流になる。この電流により、チョークコイルL1にエネルギーが蓄積される。
このとき、第3の一次巻線N4にも巻数比に応じた電圧が発生するが、第3の一次巻線N4は、ダイオードD4のカソード側の電位が高くなるような極性を有するので、ダイオードD4は導通せず、ダイオードD4に流れる電流I(D4)はゼロである。また、スイッチング素子Q1のオン期間では、二次巻線N2には、第1の一次巻線N1に印加される電圧と逆向きの電圧が発生するので、ダイオードD2は逆バイアスされ、図2(c)に示すように、ダイオードD2に流れる電流I(D2)はゼロになる。したがって、スイッチング素子Q1のオン期間では、第1の一次巻線N1に蓄積されたエネルギーは二次側回路へ放出されない。
次に、制御回路1からのPWM制御信号によりスイッチング素子Q1がオフされると、コンデンサC1→第1の一次巻線N1→スイッチング素子Q1という経路を通って流れていたスイッチング素子Q1のドレイン電流Id(Q1)は、ゼロになり、スイッチング素子Q1のドレインソース間電圧Vds(Q1)は、コンデンサC1の電圧と第1の一次巻線N1のフライバック電圧が足された電圧になる。この状態では、二次巻線N2には、スイッチング素子Q1のオン期間と逆向きの電圧が発生するので、ダイオードD2は順バイアスされ、ダイオードD2に流れる電流I(D2)は、漸減しながらコンデンサC2を充電する。これにより、第1の一次巻線N1に蓄積されたエネルギーは二次側回路へ放出される。
このとき、第2の一次巻線N3には出力電圧Voの巻数比倍の電圧が発生するので、ダイオードD3のカソード側の電位(A点の電位)はコンデンサC1の電圧に出力電圧Voの巻数比倍(N3/N2)の電圧が加えられた電位になる。その結果、ダイオードD3は逆バイアスになるので、ダイオードD3の電流I(D3)は、ゼロになる。
これに対して、第2の一次巻線N3と第3の一次巻線N4との巻数比が「1:1」であれば、第2の一次巻線N3と第3の一次巻線N4は互いに逆極性で巻数が等しいため、見かけ上短絡状態となり、ダイオードD4のカソード側の電位(B点の電位)はコンデンサC1の電位となる。したがって、ダイオードD4の電流I(D4)は、チョークコイルL1→ダイオードD4→第3の一次巻線N4→第2の一次巻線N3→コンデンサC1という経路で漸減しながら流れ、コンデンサC1を充電する。これにより、チョークコイルL1に蓄積されたエネルギーは、ダイオードD4を通してコンデンサC1の充電電流として放出される。
なお、コンデンサC1の電圧が所定の電圧になる前にスイッチング素子Q1のオン/オフを開始しても良い。コンデンサC1の電圧が低い場合は、スイッチング素子Q1がオンすると、トランスT2の第1の一次巻線N1に印加される電圧が低いので、第1の一次巻線N1に蓄積されるエネルギーが少ない。このため、スイッチング素子Q1はオフしたとき二次側に放出されるエネルギーが少なくなり出力電圧Voが十分に出力されず、且つ安定化されない。
一方、スイッチング素子Q1がオンのとき、チョークコイルL1にはダイオードブリッジDBの出力電圧が印加されるので、蓄積されるエネルギーはコンデンサC1の電圧に関係ない。このため、コンデンサC1を充電するチョークコイルL1に蓄積されたエネルギーは、コンデンサC1の電圧に関係ない。つまり、起動時などのようにコンデンサC1の電圧が十分に充電されていないときは、スイッチング素子Q1がオンのとき、チョークコイルL1に蓄積されたエネルギーでコンデンサC1を充電し、コンデンサC1の電圧が出力電圧Voを出力できる電圧まで充電されると、出力電圧Voは安定化される。ただし、コンデンサC1の電圧が所定の電圧になってからスイッチング素子Q1のオン/オフ動作を開始する場合は、出力電圧Voが出力されてから安定化するまでの時間が短い。
以上説明したように、チョークコイルL1には、スイッチング素子Q1のオン期間に入力電圧によりエネルギーが蓄積され、スイッチング素子Q1のオフ期間にコンデンサC1にエネルギーが放出される。これにより、スイッチング素子や制御回路を追加せずに、図8に示した従来の力率改善回路と同様の動作を行うことができる。
また、コンデンサC1の容量は十分に大きく、商用電源ACの交流入力電圧の1周期内における電圧の変動は少ないので、負荷が一定の場合は、スイッチング素子Q1のオン期間はほぼ一定となる。したがって、チョークコイルL1には、交流入力電圧に応じたエネルギーが蓄えられ、チョークコイルL1に流れる電流は交流入力電圧に比例した電流となるので、図3に示す入力電流I(AC)の波形は、図3に示す入力電圧V(AC)の波形に近い形状になり、力率が改善される。
図4は、本発明の実施例2に係るAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。このAC−DCコンバータは、図1に示した実施例1に係るAC−DCコンバータからチョークコイルL1が除去されて構成されている。トランスT2は、例えば図5に示すように、E字状のボビン30に第1の一次巻線N1及び二次巻線N2の組と、第2の一次巻線N3及び第3の一次巻線N4の組とを分離して配置するとともにコア20に巻回している。これにより、第1の一次巻線N1と第2の一次巻線N3との間の結合が悪くなり(疎結合になり)、リーケージインダクタンスLrが存在することになる。リーケージインダクタンスLrを流れる電流は第1の一次巻線N1に伝達されることはないので、等価的に図1に示したチョークコイルL1と同じ役割を果たす。したがって、チョークコイルL1を削除しても、実施例1に係るAC−DCコンバータと同様の効果が得られる。
第1の一次巻線N1の巻数と第2の一次巻線N3の巻数とが異なる場合は、スイッチング素子Q1がオンしたときに、チョークコイルL1に印加される電圧が、第1の一次巻線N1で発生する電圧と第2の一次巻線N3で発生する電圧の差だけ増加(または減少:どちらの巻数が多いかによって決まる)する。
第2の一次巻線N3の巻数と第3の一次巻線N4の巻数とが異なる場合は、スイッチング素子Q1がオフのとき、コンデンサC1を充電する電圧が、第2の一次巻線N3で発生する電圧と第3の一次巻線N4で発生する電圧の差だけ異なる。いずれの場合も、それぞれの巻数が同じ場合と同様、力率改善の効果が得られる。
本発明は、高力率のスイッチング電源装置として利用することが可能である。
本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータの各部のタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータの各部のタイミングチャートを示す図である。 本発明の実施例2に係るAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 本発明の実施例1に係るAC−DCコンバータのトランスの構造を示す図である。 従来のAC−DCコンバータの構成を示す回路図である。 従来のAC−DCコンバータの各部のタイミングチャートを示す図である。 従来のAC−DCコンバータの他の構成を示す回路図である。
符号の説明
1 制御回路
AC 商用電源
C1、C2 コンデンサ
D2〜D4 ダイオード
L1 チョークコイル
Lr リーケージインダクタンス
DB ダイオードブリッジ
Q1 スイッチング素子
T2 トランス
N1 第1の一次巻線
N2 二次巻線
N3 第2の一次巻線
N4 第3の一次巻線

Claims (2)

  1. 交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、
    前記整流回路の一端に一端が接続されたチョークコイルと、
    直列に接続された第1の一次巻線、第2の一次巻線、第3の一次巻線と、二次巻線を有するトランスと、
    前記トランスの第1の一次巻線と前記整流回路の他端との間に接続されたスイッチング素子と、
    前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線の接続点と前記整流回路の他端との間に接続されたコンデンサと、
    前記チョークコイルの他端と前記トランスの第2の一次巻線と第3の一次巻線の接続点との間に接続された第1のダイオードと、
    前記チョークコイルの他端と前記トランスの第3の一次巻線の間に接続された第2ダイオードと、
    前記トランスの二次巻線の出力を整流及び平滑する整流平滑回路と、
    前記整流平滑回路で整流及び平滑された出力電圧に基づき前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路を備え、
    前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回され、
    前記トランスの第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回されていることを特徴とするAC−DCコンバータ。
  2. 交流電源の交流電圧を整流する整流回路と、
    直列に接続された第1の一次巻線、第2の一次巻線、第3の一次巻線と、二次巻線を有するトランスと、
    前記トランスの第1の一次巻線と前記整流回路の他端との間に接続されたスイッチング素子と、
    前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線の接続点と前記整流回路の一端との間に接続されたコンデンサと、
    前記整流回路の他端と前記トランスの第2の一次巻線と第3の一次巻線の接続点との間に接続された第1のダイオードと、
    前記整流回路の他端と前記トランスの第3の一次巻線の間に接続された第2ダイオードと、
    前記トランスの二次巻線の出力を整流及び平滑する整流平滑回路と、
    前記整流平滑回路で整流及び平滑された出力電圧に基づき前記スイッチング素子のオンオフを制御する制御回路とを備え、
    前記トランスの第1の一次巻線と第2の一次巻線は逆の極性を有するように巻回され、
    前記トランスの第1の一次巻線と第3の一次巻線は同じ極性を有するように巻回され、
    前記トランスの第2の一次巻線は、前記第1の一次巻線に対し疎結合になるように巻回されていることを特徴とするAC−DCコンバータ。
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