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JP4957734B2 - 受信装置、撮像装置及び受信方法 - Google Patents

受信装置、撮像装置及び受信方法 Download PDF

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Description

本発明は受信装置、撮像装置及び受信方法に関し、特に通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルが、一定レベル範囲内に変換されるようにゲインを制御する技術に関する。
従来、放送局では、複数のカメラがアナログ信号を伝送するケーブルを介してカメラ制御ユニット(以下、単に制御ユニットとする)に接続されており、このケーブルを介して、カメラが撮影した映像信号や音声信号を制御ユニットに送っていた。また、制御ユニットからは、指示や確認のためのリターン信号がケーブルを介して送られている。
カメラと制御ユニットとを接続するケーブルは、比較的コストが低いことなどから、同軸ケーブルが一般的に用いられている。例えば、多くの放送局で採用されているトライアックス(TRIAX)システムでは、1本の同軸ケーブルを用いて電源供給と、周波数多重波にて、映像信号、音声信号、コマンド信号及びカメラリターン信号を伝送する。
近年では、従来の方式と比べて画像情報量が多いHDTV(High Definition Television)方式の信号の普及も進んでおり、このような画像情報量が多い信号の伝送にも、同軸ケーブルが使用されている。本来、広帯域のHD信号を制御ユニットへ伝送する信号伝送路には、光ファイバーを用いることが望ましい。しかし、光ファイバーの設置には多大なコストと時間が必要となるため、光ファイバーへの置き換えが進んでいないという現状がある。
また近年では、機動性や使いやすさを向上させるため、制御ユニットとカメラを繋ぐケーブルに、より長いケーブル長が要求されるようになっている。このように、既設の同軸ケーブルの距離を延ばすことや、HD信号のような画像情報量の多い信号伝送に利用することが求められているが、アナログ伝送方式には以下のような問題点があり、実現は容易ではない。
第1の問題点として、ケーブルの距離が伸びるほど、ケーブルの損失の増加によって信号レベルが低下し、受信端でのS/N値もケーブル距離に比例して悪くなることがある。第2の問題点として、アナログ信号の周波数が高くなるほど信号レベルが減衰するという伝送損失特性がある。図14は、同軸ケーブルにおける信号の周波数と減衰量の関係を示した図であり、横軸が周波数(MHz)を示し、縦軸が信号の減衰量(dB)を示す。図14は、ケーブル距離が1kmの場合の減衰特性の一例を示したものである。
図14から明らかなように、周波数が大きくなるに従って減衰量が増大する。例えば、10MHzの信号と、100MHzを超えた信号とを比較すると、90dB以上も信号レベルが違うことがわかる。このため、ケーブル距離に応じて√f(fは周波数)のケーブルイコライズ回路や、様々なレベルで入力される受信信号を一定のレベルにして出力するためのゲイン制御回路(AGC;Automatic Gain Control)が必要となっていた。
例えば、特許文献1には、入力信号のレベルの大きさに応じて複数のゲインアンプを切り替えて使用することで、通信ケーブルを介して伝達される過程で生じる信号損失の変動を抑え、通信ケーブル長の伸張を可能とするゲイン制御回路が記載されている。
特開2008−029000号公報
図15は、複数のゲイン増幅器を切り替える機能を有する受信装置の構成例を示したものである。図15に示した受信装置200は、TRIAX方式で伝送される、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)方式で変調されたOFDM信号を受信する。受信装置200は、ローノイズアンプ(LNA)201と、バンドパスフィルタ(BPF)202と、増幅器203と、ステップAGC回路204と、周波数変換部210と、AGC217と、OFDM復調部218とを備える。
LNA201は、入力された信号を選択および増幅してBPF202に出力する。BPF202は、ローノイズアンプ201から入力される信号のうち、所定の周波数帯の信号のみを通過させて増幅器203に出力する。増幅器203は、BPF202から入力された信号を所定の増幅率で増幅させて、ステップAGC回路204に供給する。
ステップAGC回路204とは、入力信号のレベル変動を吸収し、S/N劣化を最小限に抑えるための回路であり、入力信号の信号レベルの各範囲に対応して設けられた複数の増幅器(図示略)を有する。各増幅器には異なるゲインが設定されており入力される信号のレベルに応じて、出力信号に使用する増幅器の出力信号を選択する制御が行われる。これにより、入力信号のレベルの範囲が所定の範囲内に圧縮される。
周波数変換部210は、入力信号の周波数を所定の中間周波数に変換する処理を行う。周波数変換部210には、PLL(Phase-Locked Loop)部211と、局部発振器212と、ミキサ213と、可変ゲイン増幅器214と、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ215と、可変ゲイン増幅器216とが含まれる。AGC217は、後段のOFDM復調部218へ入力される中間周波信号が一定のレベルとなるように、入力された信号のレベルを調整し、OFDM復調部218に出力する。AGC217での制御は、OFDM復調部218から入力される制御信号に基づいて行われる。OFDM復調部218は、入力されるOFDM信号を復調して出力する。
このように、周波数変換部210の前段にステップAGC回路204を設けることで、信号レベルの変動が大きい、ケーブル長が長い場合の受信OFDM信号も、一定範囲内の信号レベルに変換されるようになる。これにより、S/Nの劣化も最小限に抑えることができるようになるため、伝送される信号のS/Nの劣化を防ぐ目的で制限されていた同軸ケーブルの長さを、1km程度まで伸張させることが可能となる。
ところが、このような構成とした場合にも、受信時のミキサ213(図15参照)でのイメージ信号成分によるS/N値の悪化と、ミキサ213における入力信号レベルに依存したS/N値の変動による悪影響を防ぐことが出来ないという問題があった。
図16は、イメージ成分によるS/N値の悪化について説明した図である。図16には、ミキサ213に入力される前と後における信号の周波数成分を示してあり、横軸が周波数(MHz)を示し、縦軸が信号レベルを示す。図16(a)は、ミキサ213に入力される信号の周波数帯域を示したものである。ここでは、受信したい希望波信号が100MHzであり、局部発振器212(図15参照)からは150MHzの周波数が出力され、50MHzの中間周波信号に変換する場合の例を示す。
このとき、図16(a)に示すように、ミキサ213で受信した100MHz帯の希望波と、局部発振器212からの150MHzの発振信号とが混合されて、図16(b)に示すように、希望波が50MHzの中間周波信号に変換される。このような図16に示した変換周波数を想定した場合、変換後の50MHzの中間周波信号には、図16(a)に示した200MHzの入力信号についても、図16(b)に示すようにイメージ周波数成分として含まれてしまう。このように含まれるイメージ周波数を除去しないままミキサ213による周波数変換が行われた場合には、出力信号に含まれるノイズが3dB程度増加してしまうことになる。
図17と図18は、ミキサ213における入力信号レベルに依存した出力S/N値の変動を説明するための図である。「入力信号レベルに依存した出力S/N値の変動」についての説明を分かりやすくするため、まず、図17を用いて、一般的なアンプにおける入出力特性例について説明する。図17において、横軸は入力信号レベル(dBm)であり、縦軸は出力信号レベル(dBm)である。図中にドットで示した下側の領域は、アンプ自体が持つ熱雑音により発生するノイズフロアを示す。
入力信号のレベルが小さい場合は、熱雑音の影響を受けて出力S/N値が悪化し、入力信号のレベルが大きい場合には、3次相互変調歪みの影響を受けて出力信号に歪みが生じることにより、出力S/N値が悪化することが分かる。
図18は、一般的なアンプにおける出力S/N特性例を示した図である。横軸は入力信号のレベル(dBm)であり、縦軸は出力S/N(dBc)を示す。図18には、入力信号レベルが−21dBm付近のときに、ダイナミックレンジが最大となり、入力信号レベルがそれより大きくなると、出力S/Nが急激に悪化することが示されている。 図19は、ミキサ213における出力S/N特性を示した図である。ミキサ213では、入力信号レベルが−15dBm近辺で最大のダイナミックレンジが得られ、出力S/N特性を示すカーブが、アンプにおけるそれよりも急峻であることが示されている。
図20は、アンプにおける出力S/N特性と、ミキサ213における出力S/N特性とを重ねて示したものである。図20では、説明を分かりやすくするために、アンプのゲインとミキサ213のゲインが同一であるものと仮定してある。つまり、図20において破線で示されたアンプの出力S/N特性は、実際の特性をグラフ上で右方向に平行移動したものである。図20には、図中に矢印で示した部分において、ミキサ213の出力S/N特性の方が、アンプの出力S/N特性より劣っていることが示されている。すなわち、ミキサ213の出力S/N特性が、信号のS/Nに及ぼす影響が大きいことが分かる。このため、ステップAGC回路204(図15参照)によって信号のレベル変動が吸収された場合にも、そのレベルによっては、ミキサ213を通ることで、信号のS/Nが悪化してしまうという問題があった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、通信ケーブルを介して伝達される過程で生じる信号損失の変動を抑え、通信ケーブルの長さを伸張することを目的とする。
本発明の受信装置は、通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部を備える。また、入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域毎に設けられ、信号レベル領域の入力信号を一定レベル範囲内に変換するゲインが設定された複数の増幅器を有する第1の信号レベル変換部とを備える。また、複数の増幅器に対応して設けられ、複数の増幅器でレベルが変換された信号の出力を切り替える切替部と、信号レベル検出部によって検出された入力信号の信号レベルに基づいて、複数の増幅器の中から特定の増幅器を選択する切替制御部とを備える。また、切替部により出力が切り替えられた信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタと
、増幅器からの出力信号の信号レベルを、所定の信号レベルに変換する第2の信号レベル変換部とを備える。さらに、バンドパスフィルタを通過し、第2の信号レベル変換部で信号レベルが変換された信号と、局部発振器で生成された局部発振信号とを混合して中間周波信号を生成するミキサと、ミキサで生成された中間周波信号を復調する復調部とを備えた。そして、前記第2の信号レベル変換部が変換する所定のレベルを、前記ミキサのS/Nが最大となる場合の入力信号のレベルとした。
このようにしたことで、まず第1の信号レベル変換部によって入力信号のレベルが一定レベル範囲内に変換され、次に第2の信号レベル変換部によって信号レベルが更に所定のレベルに変換される。そして、このようにして帯域制限され、さらにバンドパスフィルタを通過した信号がミキサに入力され、ミキサで生成された中間周波信号が復調されるようになる。
本発明によると、第1の信号レベル変換部と第2の信号レベル変換部とによって、信号レベルが所定のレベルに変換されてからミキサに入力されるため、復調部で復調される信号のS/Nが向上する。このため、通信ケーブルを介して伝達される過程で生じる信号損失の変動が抑えられ、通信ケーブルの長さを伸張することができるようになる。
またこの場合、バンドパスフィルタによって不要な周波数帯の信号が除去されるため、復調部に入力される信号のS/Nも向上し、復調後の信号である受信信号(復調信号)の品質がよくなる。
本発明の一実施の形態による像信号伝送システムの構成例を示すブロック図である。 一実施の形態のOFDM信号とケーブル損失特性を示した図である。 一実施の形態の受信信号処理部の構成例を示すブロック図である。 一実施の形態のステップAGC回路内の各増幅器のゲイン設定の例を示す図である。 一実施の形態のステップAGC回路の入出力特性例を示す図である。 一実施の形態のステップAGC回路とAGCの構成例を示す図である。 一実施の形態のミキサの出力S/N特性の例を示す図である。 一実施の形態の周波数変換部の内部構成例を示すブロック図である。 一実施の形態のAGCの内部構成例を示すブロック図である。 一実施の形態のBPFのカットオフ特性の例を示す図である。 一実施の形態のAGCとミキサの出力S/N特性の例を示す図である。 一実施の形態の、ケーブルの長さの変動に対する受信信号のS/Nの例を示す図である。 一実施の形態の、ケーブルの長さの変動に対する受信信号のS/Nの例を示す図である。 従来の同軸ケーブルにおける信号の周波数と減衰量との関係を示した図である。 従来のTRIAX受信機の内部構成例を示すブロック図である。 従来のイメージ周波数による影響の例を示す図である。 従来のアンプにおける入出力特性を示す図である。 従来のアンプにおける出力S/N特性を示す図である。 従来のミキサにおける出力S/N特性を示す図である。 従来のアンプにおける出力S/N特性とミキサにおける出力S/N特性との対比を示す図である。
以下、発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。本実施の形態は、本発明の受信装置を、放送信号伝送システムに使用される受信装置に適用したものである。
説明は以下の順序で行う。
1.放送信号伝送システムの全体構成例
2.ステップAGC回路の構成例
3.ステップAGC回路の後段に設けたAGCの構成例
4.実施の形態の効果
5.変形例
[放送信号伝送システムの全体構成例]
図1は、実施の形態の放送信号伝送システムの構成を示した構成図である。実施の形態の放送信号伝送システムは、放送用の撮像装置(以下、カメラとする)110と、制御装置120とがTRIAXケーブル150を介して接続されている。
カメラ110からはカメラHD信号などが、制御装置120からはカメラ110で撮影された画像をカメラ110で確認するためのカメラHDリターン信号などが送出され、TRIAXケーブル150を介して相手の送出した信号が入力される。
なお、カメラHD信号とカメラHDリターン信号とには、64値QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)のOFDM変調を施し、1波の周波数帯域が8MHzのOFDM信号に割り当てる。
カメラ110は、OFDM変調部111、周波数変換部112、MPXフィルタ113、受信信号(H)処理部114、OFDM復調部115、撮像部116、及びモニタ表示部117を具備する。
OFDM変調部111は、撮像部116が生成したカメラHD信号にOFDM変調を施し、複数のOFDM信号を生成する。このとき、OFDM信号は、周波数帯域の低い側から、グループL、グループM、そしてグループHの3グループが生成される。カメラ110から送信するカメラHD信号は、このうち、グループLとグループMのOFDM信号に割り当てられる。
グループL、グループM、グループHの各OFDM信号の詳細については、次の図2を参照して後述する。
周波数変換部112は、OFDM変調部111が生成したOFDM信号を所定の送信周波数に変換する。周波数変換部112により、グループL及びグループMの送信OFDM信号が、それぞれMPXフィルタ113へ出力される。MPXフィルタ113は、入力信号をグループL、グループM、及びグループHの周波数帯域に分離するフィルタで、グループLとグループMが送信用、グループHが受信用に設定されている。
したがって、MPXフィルタ113により分離されたグループLとグループMとのOFDM信号をTRIAXケーブル150へ送出し、TRIAXケーブル150経由で入力されるグループHのOFDM信号を受信信号(H)処理部114へ出力する。受信信号(H)処理部114の詳細は後述する。
OFDM復調部115は、OFDM信号からカメラHDリターン信号を復調する。撮像部116は、撮影した映像信号に基づくカメラHD信号を生成する。モニタ表示部117は、カメラHDリターン信号を再生表示する。
制御装置120は、OFDM変調部121、周波数変換部122、MPXフィルタ123、受信信号(L)処理部124L、受信信号(M)処理部124M、OFDM復調部125L、OFDM復調部125M、及び制御部127を具備する。
OFDM変調部121は、制御部127が生成したカメラHDリターン信号にOFDM変調を施し、グループHのOFDM信号を生成する。周波数変換部122は、OFDM変調部121が生成したOFDM信号を所定の送信周波数帯域に変換し、送信OFDM信号を生成する。
MPXフィルタ123は、グループL、グループM、及びグループHを分離するフィルタで、グループLとグループMとが受信用、グループHが送信用に設定されている。したがって、MPXフィルタ123により分離されたグループLとグループMとのOFDM信号を、それぞれ受信信号(L)処理部124Lと受信信号(M)処理部124Mとへ出力する。また、グループHのOFDM信号をTRIAXケーブル150へ送出する。
OFDM復調部125L及びOFDM復調部125Mは、OFDM信号からカメラHD信号を復調する。制御部127は、カメラHD信号を取り込むとともに、カメラHD信号からカメラHDリターン信号を生成する。
ここで、OFDM信号について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に適用されるOFDM信号とケーブル損失特性を示した図である。
本発明の実施の形態では、OFDM変調における最小間隔で並ぶ3つのキャリアをまとめて1つのグループに割り当て、グループとグループとの間に空きを設定する。このグループを周波数の低い側からグループL51、グループM52、グループH53とし、それぞれに、カメラHD信号とリターン信号を割り当てる。
図の鎖線は、OFDM信号の1波の周波数帯域を示しており、周波数の低い方から3つのOFDM信号がグループL51になる。同様に、中間周波数の3つのOFDM信号がグループM52、高い周波数の3つのOFDM信号がグループH53になる。
カメラ110からは、制御装置120に対し、グループL51とグループM52との周波数帯域を使ってHD信号を伝送する。また、制御装置120からは、カメラ110に対し、グループH53の周波数帯域を使ってリターン信号を伝送する。
このように、OFDM信号を用いることで、受信側では、それぞれ独立したOFDM波に対して単純なレベル制御だけを行えばよいので、従来必要であったケーブルイコライズ回路が不要となり、伝送装置のコスト削減が図れる。また、デジタル信号であるので、受信したC/N値が復調範囲内であれば、最大ケーブル延長点(復調限界地点)でも、近距離地点でも同じ信号品質が得られるという利点もある。
また、図2は、横軸を周波数、縦軸をケーブル損失として、ケーブル長がそれぞれ1kmの場合の損失特性54、500mの場合の損失特性55、及び10mの場合の損失特性56を示している。図2から明らかなように、周波数が高いほど、信号の減衰量が大きくなる。また、その信号レベルの変動量は、ケーブル長が長くなるほど大きい。
本実施の形態では、ステップAGC回路を用いて、このように信号レベルの変動が大きい、ケーブル長が長い場合の受信OFDM信号についても、一定範囲内の信号レベルに変換する。
ここで、図3を参照して、このようなステップAGC回路を具備する受信信号(H)処理部114、受信信号(M)処理部124M、及び受信信号(L)処理部124Lについて説明する。なお、以下の説明では、受信信号(L)処理部124Lと受信信号(M)処理部124Mとは同じ構造であるので、まとめて受信信号処理部124とする。同様に、OFDM復調部125LとOFDM復調部125MとをOFDM復調部125とする。
図3は、受信信号の信号領域を4分割した場合の受信信号処理部の構成例を示したブロック図である。図3は、制御装置120側の例を示している。
受信信号処理部124は、BPF410と、ステップAGC回路430と、AGC450と、周波数変換部460とを具備する。
BPF410は、MPXフィルタ123(図1参照)から分離されたOFDM信号の1グループをさらに1波ずつ分離する。AMP420は、BPF410で分離されたOFDM信号のゲインの調整を行う。ステップAGC回路430は、BPF410から出力された受信信号を信号レベルに応じてレベル変換を行い、受信信号のレベル変動を圧縮する。
AGC450は、ステップAGC回路430から出力される信号のレベルを、周波数変換部460内のミキサの最良出力S/Nが得られる−15dBmに変換して、ミキサに出力する。なお、本実施の形態においては、ミキサのゲインは0dBに固定されているものとする。
周波数変換部460は、ステップAGC回路430の出力信号を復調帯域に周波数変換する。
[ステップAGC回路の構成例]
ステップAGC回路430について説明する。ステップAGC回路430は、増幅器(以下、AMPとする)431,AMP432,AMP433,AMP434と、スイッチ(以下、SWとする)435,SW436,SW437,SW438とを備える。増幅器は、ゲインがマイナスの減衰器として動作するものも含むとする。
また、ステップAGC回路430は、信号レベル検出回路であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)検出回路439と、切替制御回路であるSW制御部440、及びホールド回路441も具備する。
AMP431,AMP432,AMP433,AMP434は、BPF410から入力される入力信号に対して並列に接続し、各々設定されたゲインでこの入力信号のレベルを変換出力する。本実施の形態では、上述のように、同軸ケーブルを1km程度まで延ばした場合に生じる入力信号の信号レベル変動を、一定レベル範囲に圧縮する。
ここで、上記のステップAGC回路430のゲイン設定について説明する。図4は、信号レベル領域を4分割した場合のゲイン設定の一例を示した図である。
図4は、AMP431,AMP432,AMP433のそれぞれに設定するゲイン設定の一例を示した図である。本例におけるステップAGC回路430では、入力信号の信号レベルの減衰量に応じて、信号レベル領域を4つに分割する。
分割された信号レベル領域は、ケーブルの距離が極めて短く、減衰量が最も小さい最短距離レベル4311、ケーブルの距離が最短距離よりは長く、減衰量もより大きい短距離レベル4321とする。さらに、ケーブルの距離が中距離で、減衰量もさらに大きい中距離レベル4331、及びケーブルの距離が長く、最も減衰量の大きい長距離レベル4341とする。
最短距離レベル4311にはAMP431、短距離レベル4321にはAMP432、中距離レベル4331にはAMP433、長距離レベル4341にはAMP434を割り当てる。AMP431は、ゲインが−12dBに設定され、最短距離レベル4311(信号レベルの減衰量が−5dBm〜−15dBm程度)の入力信号レベルを−12dB低くする。
AMP432は、ゲインが−4dBに設定され、短距離レベル4321(信号レベルの減衰量が−15dBm〜−35dBm程度)の入力信号を−4dB低くする。AMP433は、ゲインが+16dBに設定され、中距離レベル(信号レベルの減衰量が−35dBm〜−55dBm程度)の入力信号レベルを+16dB高くする。AMP434は、ゲインが+36dBに設定され、長距離レベル(信号レベルの減衰量が−55dBmから−75dBm)の入力信号レベルを+36dB高くする。
SW435,SW436,SW437,SW438は、ホールド回路441を介して入力されるSW制御信号に応じて、選択されたAMPの変換出力をAGC450へ出力するように切替制御を行う。たとえば、入力信号が、減衰量の最も少ない最短距離レベル4311内にあれば、AMP431(G=−12dB)と、SW435をオンし、他をオフする。入力信号が短距離レベル4321内であれば、AMP432(G=−4dB)と、SW436をオンし、他をオフとする。
入力信号が中距離レベル4331内であれば、AMP432(G=16dB)と、SW437をオンし、他をオフとする。そして、入力信号が長距離レベル4341内であれば、AMP433(G=40dB)と、SW437とをオンし、他をオフする。このように、並列接続されるAMPのいずれかと、AMPと直列接続するSWとが、入力信号レベルに合わせて選択される。
RSSI検出回路439は、入力信号の信号レベル(−75dBm〜−5dBm)に応じたRSSI電圧信号を出力する。
SW制御部440は、RSSI検出回路439のRSSI電圧信号に応じて、入力信号のレベルを一定レベル範囲内に変換するために最適なAMPを選択する。具体的には、AMPの切り替えを制御するSW制御信号を生成して、ホールド回路441に出力する。
ホールド回路441は、外部から入力される保持制御信号に従って、SW制御部440から入力されたSW制御信号を、各AMP及び、各SWに伝達するか否かを選択する。ユーザなど外部から、指示ボタン操作などによって現在選択されているAMPで固定化する指示が入力された場合には、保持制御信号が「保持する」に設定される。保持制御信号が、「保持する」であるときは、SW制御部440から入力されたSW制御信号を転送しない。
これにより、AMP431,AMP432,AMP433,AMP434及び、SW435,SW436,SW437,SW438の切替状態は変更されず、直前の切替状態が継続されるようになる。保持制御信号が「保持しない」に設定されるときは、SW制御部440から入力されたSW制御信号を、AMP431,AMP432,AMP433,AMP434及び、SW435,SW436,SW437,SW438に伝達する。これにより、入力されるSW制御信号に基づいて、使用されるAMPが新たに選択される。
ホールド回路441による切替状態の固定は、例えば、AMPの切り替えにより発生する信号瞬断を防止する目的で行われる。AMPの切り替えは、ケーブルの温度変化などによる信号レベルの減衰量変動や、干渉や、飛び込みなどの妨害信号によるRSSI検出回路439の検出信号の変動によりスイッチ切り替えが発生することにより行われる。
仮に本放送中にこのような切り替えが行われた場合には、画像が一瞬途切れてしまうことになる。
このため、本放送の開始時にAMPの切り替え時にホールド回路441によって切替状態を固定しておくことで、本放送時に画像が一瞬途切れるなどの問題の発生を防止することができる。
図5は、本例のステップAGC回路による入力信号と出力信号のレベル変化を示した図である。縦軸の入力信号の変動範囲は、図4に示した入力信号のレベル範囲(横軸)を示している。また、出力信号範囲4302は、ステップAGC回路430によって変換された後の出力信号のレベル範囲を示している。
図に示したように、入力信号の変動範囲は、信号レベルが最も大きい最短距離レベル4311、短距離レベル4321、中距離レベル4331、及び長距離レベル4341がある。それぞれのレベル領域にはオーバーラップ分が確保されている。ここでは、ケーブル短距離時のレベル4321を基準とするため、出力信号範囲4302は、ケーブル短距離時のレベル4321の範囲内になる。
入力信号レベルがケーブル短距離時のレベル4321内の場合は、入力信号はそのまま短距離の範囲4322に変換される。入力信号レベルが最短距離レベル4311内の場合は、入力信号をゲイン−12dBで減衰し、出力信号範囲4302内の最短距離の範囲4312に変換する。
入力信号レベルが中距離レベル4331内の場合は、入力信号をゲイン16dBで増幅し、出力信号範囲4302内の中距離の範囲4332に変換する。入力信号レベルが長距離レベル4341内の場合は、入力信号をゲイン+36dBで増幅し、出力信号範囲4302内の長距離の範囲4342に変換する。
このように、入力信号の変動範囲を4分割したそれぞれの信号レベル領域の信号レベルが変換され、出力信号範囲4302に圧縮される。
このように、AMP431〜AMP434のいずれかが選択的に適用されることにより、受信信号の信号レベルを、入力信号範囲4301(−75dBm〜−5dBm)から出力信号範囲4302(−39dBm〜−17dBm)に圧縮することができる。
なお、図5に示した構成は一例であり、設置するAMPの数やゲインは、適宜設定される。ホールド回路441は、ホールド制御信号に応じて、SW435,SW436,SW437,SW438による切替状態の変更可否を制御する。
[ステップAGC回路の後段のAGCの構成例]
次に、図6〜図10を参照して、ステップAGC回路430の後段のAGC450の構成例について説明する。本例のAGC450は、ステップAGC回路430から入力された信号のレベルを所定のレベルに固定化するとともに、受信信号に含まれるイメージ周波数を除去してから周波数変換部460に供給する。
まず、AGC450における信号レベルの固定化処理について説明する。図6は、AGC450での信号レベル固定化処理の概要を示す図である。AGC450には、ステップAGC回路430によって帯域が圧縮された−30dBm〜0dBmの信号が入力される。そしてAGC450は、入力された信号のレベルを−15dBmに固定化(変換)して周波数変換部460に出力する。
−15dBmとは、周波数変換部460内のミキサ(図示略)の、出力S/Nの最大値が得られるレベルであり、その値は、ミキサの出力S/N特性によって決定される。図7は、ミキサの出力S/N特性を示す図であり、横軸は入力信号のレベル(dBm)であり、縦軸は出力S/N(dBc)である。図7に示したミキサでは、入力信号レベルが−15dBm近辺で最大のダイナミックレンジが得られることが分かる。
本例のAGC450は、このような特性を持つミキサに対して、常に−15dBmの信号を供給するものである。
ここで、図8を参照して、周波数変換部460の内部構成例について説明する。周波数変換部460は、PLL(Phase-Locked Loop)部461と、局部発振器462と、ミキサ463と、可変ゲイン増幅器464と、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ465と、可変ゲイン増幅器466とを有する。
局部発振器462は、PLL部461による制御に基づいてミキサ463で中間周波信号を生成するのに必要な局部発振信号を発生させ、ミキサ463に供給する。ミキサ463は、AGC450(図6参照)から入力される−15dBmの信号と、局部発振器462から入力される局部発振信号とを混合して、中間周波信号に変換する。
ミキサ463の出力S/N特性は、図7に示した通りであるため、−15dBmの信号が入力されることで、ミキサ463からの出力信号における劣化は最小限となる。
可変ゲイン増幅器464は、ミキサ463で生成された中間周波信号を増幅して、SAWフィルタ465に出力する。SAWフィルタ465は、OFDM信号の1チャンネル分の周波数帯域だけを通過させて、可変ゲイン増幅器466に供給する。可変ゲイン増幅器466は、SAWフィルタ465を通過した信号のゲインを増幅させて、OFDM復調部125(図6参照)に出力する。
次に、本例のAGC450でのイメージ周波数除去処理部分の構成例を、図9のブロック図を参照して説明する。図9に示したAGC450は、カバーレンジを広く取るため、可変ゲイン増幅器451と可変ゲイン増幅器452の2段で構成してある。
そして、これらの増幅器をコンデンサ結合方式で結合するとともに、2段のハイパスフィルタ(HPF)453を構成している。2段のHPF453は、結合に用いたコンデンサC1と、可変ゲイン増幅器452の内部の入力抵抗である抵抗R1とにより、1段目のHPFを構成し、コンデンサC2と、抵抗R1とにより、2段目のHPFを構成している。
また、可変ゲイン増幅器452の後段には、出力信号の振幅を確保するために、抵抗R2と抵抗R3と増幅器454とによる増幅手段を設けてある。そして、抵抗R3と並列に接続した抵抗R4とコンデンサC3との直列回路と、増幅器454の後段に設けた抵抗R5とコンデンサC4とによって、ローパスフィルタ(LPF)455を構成している。
すなわち、上述した2段のハイパスフィルタと、LPF455とによって、バンドパスフィルタ(BPF)が構成される。このようなバンドパスフィルタを備えたAGC450での通過周波数特性を、図10に示してある。図10には、AGC450が、希望周波数帯である10MHz〜100MHzの範囲内の信号を通過させ、この範囲より低い周波数や高い周波数をカットしていることが示されている。
つまり、AGC450にバンドパスフィルタの機能も持たせることで、受信周波数より高いイメージ周波数を削除し、復調に必要な信号成分のみを抽出することができるようになる。
[本実施の形態による効果]
上述した実施の形態によれば、カメラ110と制御装置120との間で、OFDM信号を伝送する場合に、信号レベルに応じた複数のAMPを切り替えてレベル変換が行われる。これにより、ケーブル距離が長くなるに従って増大する信号レベルの変動量を、OFDM復調部125に適した信号レベル範囲に圧縮することができる。
また、上述した実施の形態によれば、ミキサ463に入力される信号のレベルが、ミキサの出力S/N値が最も高くなる値(本例では−15dBm)に固定化される。このため、ミキサ463に広範囲の周波数帯の信号が入力されていた従来の構成と比べて、OFDM復調部115又はOFDM復調部125(図1参照)での復調信号(以下、受信信号とも称する)のS/Nを向上させることができる。
図11は、AGC450の出力S/N特性と、ミキサ463の出力S/N特性とを1つのグラフ上で示したものである。グラフの横軸は入力信号のレベル(dBm)であり、縦軸は出力S/N(dBc)である。破線がミキサ463の特性を示し、実線がAGC450の特性を示す。
本例によるAGC450を使用しない場合には、ステップAGC回路430から出力される−39dBm〜−17dBmの範囲の信号が、そのままミキサ463に入力されることになる。従って、ミキサ463に入力される信号レベルが−39dBmの時には、出力S/N値は27dBc程度となってしまう。
これに対して、入力信号レベルが−39dBmである場合のAGC450の出力S/N値は、43dBc程度まで上がる。つまり、本例によるAGC450を使用することで、図中のドットで示した範囲において、ミキサ463からの出力S/N値が向上するようになる。
図12は、ステップAGC430内のAMP432(図3参照)でゲイン調整された信号、すなわち短距離レベル4321に分類された信号が、OFDM復調部125で復調された後の信号(受信信号)のS/N特性を示す図である。縦軸は受信信号のS/N値(dB)を示し、横軸はケーブル距離(ケーブル長)を示す。
ケーブル長は、信号のレベルの大きさに置き換えることができ、ケーブル長が長いほど信号レベルは小さく、ケーブル長が短い程信号レベルは大きいことになる。図中の破線は、従来の受信信号のS/N値を示し、実線で示したものが、本発明の実施の形態による受信信号のS/N値を示している。
従来の構成では、ケーブル長が250mを超えたあたりから信号のS/Nが急激に劣化し、700m付近で21dB程度まで落ちてしまう。これに対して本発明の構成によれば、700m付近でも28dB程度のS/Nを保つことが可能となる。
従って、ステップAGC430とAGC450とを備えた本例のカメラ100又は制御装置120によれば、通信ケーブルを介して伝達される過程で生じる信号の劣化が抑えられるため、通信ケーブル長を延ばすことができる。具体的には、ステップAGC430のみが設けられた構成と比べて、数百m程度伸張させることができるようになる。
また、このように、受信信号のS/Nが改善されることにより、受信信号に含まれるエラーの数も低減する。受信信号のS/Nが1dB改善されると、エラーは約1/10に減少することが確認されている。これにより、リードソロモンやビタビ等の誤り訂正による訂正箇所も少なくなるため、誤り訂正がきかなかった場合に発生する映像信号中の破綻も、最低限に抑えることができるようになる。
つまり、信号伝送の品質を上げ、映像信号伝送システムの信頼性を向上させることができる。特にテレビジョン放送用の映像信号を扱う場合には、映像信号による映像を放送中に瞬断が発生するようなことは許されないため、本発明による受信装置が有効となる。
また、上述した実施の形態によれば、ケーブル長変化に対する受信信号のS/N値の高い範囲が従来に比べて広がるため、ステップAGC430の切り替え精度にばらつきがあっても、S/N値の劣化を防ぐことができる。
図13は、AMP433(図3参照)でゲイン調整された長距離レベル4341の受信信号と、AMP434でゲイン調整された中距離レベル4331の受信信号のS/N特性を示す図である。
図のスケールは図12と同一であり、破線が従来の受信装置200による受信信号のS/N値を示し、実線が、本発明によるカメラ110又は制御装置120での受信信号のS/N値を示す。AMP433でゲイン調整された受信信号は、丸印でプロットした線で示してあり、AMP434でゲイン調整された受信信号は、四角印でプロットした線で示してある。
従来の受信装置では、AMP434でゲイン調整された受信信号のS/Nは、四角型の識別子が配された破線で示されるように、ケーブル長が400mの地点で急激に下がり、27dB程度となってしまう。このため、受信信号のS/Nをかせぐためには、この時点でアンプをAMP434からAMP433に切り替える必要がある。AMP433に切り替えることで、受信信号のS/Nを28.5dB程度に保つことができる。
逆に、このタイミングで正確にアンプの切り替えが行われなかった場合には、受信信号のS/Nは悪化してしまうことになる。
これに対して、本例の構成によれば、AMP434でゲイン調整された受信信号のS/Nは、四角印でプロットした実線で示されるように、400mの地点でも28.4dB程度の高い値に維持される。これにより、この時点で厳密にアンプの切り替えを行わなくても、受信信号のS/Nを高水準に保つことができる。
アンプの切り替えに必要なRSSI検出回路439に製造上のバラツキがあり、製品によってRSSI電圧信号の値にブレがあるような場合には、アンプ切り替えのタイミングにもずれが生じてしまうことになる。しかし、本例の構成によれば、アンプの切り替えタイミングが多少前後してしまったとしても、受信信号のS/Nを高いレベルに保つことができるようになる。従って、RSSI検出回路439の製造精度に対する要求も低くなるため、量産性も向上する。
また、上述した実施の形態では、AGC450にバンドパスフィルタを内蔵させているため、ミキサ463にイメージ周波数成分が供給されなくなる。これにより、BPFを設けない場合と比べて、ミキサ463の出力S/Nを改善することができる。発明者が実験した例によれば、最大で3dB程度の改善が得られた。OFDM復調部125で復調された映像信号のS/Nも向上した。
またこの場合、BPFをAGC450に内蔵させることで、回路部品の点数も削減することができる。
[実施の形態の変形例]
なお、上述した実施の形態では、受信信号処理部124(図3参照)において、受信信号の信号領域を4分割した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えば3分割や5分割等に分割するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、ステップAGC回路430のAMP431のゲインを−12dB、AMP432のゲインを−4dB、AMP433のゲインを+16dB、AMP434のゲインを+36dBとしているが、これに限定されるものではない。各AMPに対して、異なるゲインを設定するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、AGC450からの出力信号のレベルを−15dBmとしているが、この値は一例であり、ミキサ463の性能に応じて、他の値を出力する設定としてもよい。
また、上述した実施の形態では、ステップAGC回路430内のAMP431,AMP432,AMP433,AMP434を並列に接続した例を挙げたが、この構成に限定されるものではない。縦続に接続されるケースや、これらの組み合わせによる構成に適用するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、カメラ110の受信信号処理部114も、制御装置120内の受信信号処理部124と同一の構成としてあるが、カメラ110側の受信信号処理部114においては、ホールド回路441を除くようにしてもよい。カメラ110の受信信号はカメラHDリターン信号であるため、瞬断が発生した場合にも大きな問題とはならない。従って、信号の瞬断を防ぐために設けられたホールド回路441を、含まない構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、ミキサ463のゲインが0dBである場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。例えばミキサ463のゲインが+5dB等である場合には、OFDM復調部125の前段に、OFDM復調部125への入力信号のレベルを調整するためのAGCを別途設けるようにしても良い。
110…カメラ、111…OFDM変調部、112…周波数変換部、113…MPXフィルタ、114…受信信号処理部、115…OFDM復調部、116…撮像部、117…モニタ表示部、120…制御装置、121…OFDM変調部、122…周波数変換部、123…MPXフィルタ、124L,124M…受信信号処理部,125L…OFDM復調部、125M…OFDM復調部、127…制御部、150…TRIAXケーブル、410…BPF、420…増幅器、430…ステップAGC回路、431〜434…増幅器、435…スイッチ、439…RSSI検出回路、440…SW制御部、441…ホールド回路、450…AGC、452…可変ゲイン増幅器、453…ハイパスフィルタ、454…増幅器、455…ローパスフィルタ、460…周波数変換部、461…PLL部、462…局部発振器、463…ミキサ、464…可変ゲイン増幅器、465…SAWフィルタ、466…可変ゲイン増幅器

Claims (7)

  1. 通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
    前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域毎に設けられ、前記信号レベル領域の入力信号を一定レベル範囲内に変換するゲインで前記入力信号を増幅または減衰する複数の増幅器を有し、前記入力信号を取り込んで、前記複数の増幅器のいずれかによって前記入力信号の信号レベルを変換する第1の信号レベル変換部と、
    前記複数の増幅器に対応して設けられ、前記複数の増幅器でレベルが変換された信号の出力を切り替える切替部と、
    前記信号レベル検出部によって検出された前記入力信号の信号レベルに基づいて、前記複数の増幅器の中から特定の増幅器を選択し、前記選択された増幅器からの出力信号を選択するように前記切替部を制御する切替制御部と、
    前記切替部により出力が切り替えられた信号から所定の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記増幅器からの出力信号の信号レベルを、所定の信号レベルに変換する第2の信号レベル変換部と、
    前記バンドパスフィルタを通過し、前記第2の信号レベル変換部で信号レベルが変換された信号と、発振信号とを混合して中間周波信号を生成するミキサと、
    前記ミキサで生成された中間周波信号を復調する復調部とを備え
    前記第2の信号レベル変換部が変換する所定のレベルとは、前記ミキサのS/Nが最大となる場合の入力信号のレベルである
    受信装置。
  2. 前記バンドパスフィルタは、前記第2の信号レベル変換部と一体化して構成される
    請求項記載の受信装置。
  3. 前記第2の信号レベル変換部は、第1の可変ゲイン増幅器と第2の可変ゲイン増幅器を備え、
    前記バンドパスフィルタは、前記入力信号の低域部分を通過させるローパスフィルタと、前記入力信号の高域部分を通過させるハイパスフィルタとよりなり、
    前記ハイパスフィルタは、前記第1の可変ゲイン増幅器と前記第2の可変ゲイン増幅器とを接続するコンデンサと、前記第2の可変ゲイン増幅器の入力抵抗とによって構成される
    請求項記載の受信装置。
  4. 前記第2の信号レベル変換部は、前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域の入力信号を前記一定レベル範囲内に変換するため、分割された入力信号レベル領域ごとに、前記一定レベル範囲よりも高い信号レベルの前記入力信号レベル領域に対しては信号レベルを前記一定レベル範囲内に減衰させるゲインを設定し、前記一定レベル範囲よりも低い信号レベルの前記入力信号レベル領域に対しては信号レベルを前記一定レベル範囲内に増幅するゲインを設定する
    請求項記載の受信装置。
  5. 前記入力信号は、直交周波数分割多重方式で変調されたOFDM信号である
    請求項記載の受信装置。
  6. 通信ケーブルを介して制御装置から伝達される変調リターン信号の信号レベルを検出する信号レベル検出部と、
    前記変調リターン信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域毎に設けられ、前記信号レベル領域の入力信号を一定レベル範囲内に変換するゲインで、前記変調リターン信号を増幅または減衰する複数の増幅器を有し、前記変調リターン信号を取り込んで、前記複数の増幅器のいずれかによって前記変調リターン信号の信号レベルを変換する第1の信号レベル変換部と、
    前記複数の増幅器に対応して設けられ、前記複数の増幅器でレベルが変換された信号の出力を切り替える切替部と、
    前記信号レベル検出部によって検出された前記変調リターン信号の信号レベルに基づいて、前記複数の増幅器の中から特定の増幅器を選択し、前記選択された増幅器からの出力信号を選択するように前記切替部を制御する切替制御部と、
    前記切替部により出力が切り替えられた信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記増幅器からの出力信号の信号レベルを、所定の信号レベルに変換する第2の信号レベル変換部と、
    前記バンドパスフィルタを通過し、前記第2の信号レベル変換部で信号レベルが変換された信号と、発振信号とを混合して中間周波信号を生成するミキサと、
    前記ミキサで生成された中間周波信号を復調する復調部とを備え
    前記第2の信号レベル変換部が変換する所定のレベルとは、前記ミキサのS/Nが最大となる場合の入力信号のレベルである
    撮像装置。
  7. 通信ケーブルを介して伝達される入力信号の信号レベルを検出するステップと、
    前記入力信号の信号レベル範囲を分割した所定の信号レベル領域毎に設けられ、前記信号レベル領域の入力信号を一定レベル範囲内に変換するゲインで前記入力信号を増幅または減衰する複数の増幅器いずれかによって、前記入力信号の信号レベルを変換するステップと、
    前記複数の増幅器でレベルが変換された信号の出力を切り替えるステップと、
    前記検出された前記入力信号の信号レベルに基づいて、前記複数の増幅器の中から特定の増幅器を選択し、前記選択された増幅器からの出力信号を選択するステップと、
    前記選択された出力信号のうち、所定の周波数帯域のみを通過させるステップと、
    前記増幅器からの出力信号の信号レベルを、所定の信号レベルに変換するステップと、
    前記所定の周波数帯域のみで構成され、信号のレベルが前記所定の信号レベルに変換された信号と、局部発振器で生成された局部発振信号とをミキサが混合して中間周波信号を生成するステップと、
    前記生成された中間周波信号を復調するステップとを含み、
    前記増幅器からの出力信号の信号レベルが変換される前記所定の信号レベルとは、前記ミキサのS/Nが最大となる場合の入力信号のレベルである
    受信方法。
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