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JP4952696B2 - 電子部品実装用装置 - Google Patents

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JP4952696B2 JP2008275107A JP2008275107A JP4952696B2 JP 4952696 B2 JP4952696 B2 JP 4952696B2 JP 2008275107 A JP2008275107 A JP 2008275107A JP 2008275107 A JP2008275107 A JP 2008275107A JP 4952696 B2 JP4952696 B2 JP 4952696B2
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Description

本発明は、電子部品が実装された実装基板を製造する電子部品実装ラインに用いられる電子部品実装用装置に関するものである。
電子部品を基板に実装して実装基板を製造する部品実装分野では、リードフレームなどに半導体チップを実装するダイボンダや、基板に電子部品を表面実装する部品搭載装置などの各種の実装作業を行う電子部品実装用装置が用いられる。これらの電子部品実装用装置には、搭載ヘッドなどの作業ヘッドを移動させるヘッド移動機構として直動機構が多用される。この直動機構として、従来よりモータの回転運動をボールねじによって直線運動に変換するボールねじ式の直動機構や、リニアモータによって直接直線動作を行わせる方式などがある(例えば特許文献1参照)。この特許文献1に示す例では、2つの直進移動ユニットを組み合わせて直交ロボットを構成するようにしている。
ところでこのような直動機構においては、動力としての電力供給や制御信号の伝達のための電気配線などのケーブル類を、搭載ヘッドなど移動状態にある作業ヘッドに接続する必要がある。このため従来より、U字状に折り返された屈曲自在なケーブル類の一端を固定側の接続端部に接続し、他端を作業ヘッド側の接続端部に接続して可動ケーブルユニットを形成する構成が用いられている。特許文献1には、それぞれの直進移動ユニットに可動ケーブルユニットを備えた例が示されている。
特開平7−136973号公報
しかしながら上述の可動ケーブルユニットには、作業ヘッドの動作速度の高速化に伴って、次のような課題が生じている。すなわち、上述構成の可動ケーブルユニットにおいては、ケーブルは作業ヘッドの移動動作に伴って屈曲状態が変動することから、動作速度が高速になるにつれて屈曲状態の変動に伴うケーブルの動作挙動が不安定となる。例えば、作業ヘッド側の接続端部が固定側の接続端部から離隔する方向へ移動する際には、ケーブルを下方に叩き付けるように屈曲状態が変動する。これによりケーブルには衝撃が作用し、これが反復して繰り返されると内部の心線の破断などの不具合が生じる。また作業ヘッド側の接続端部が固定側の接続端部に接近する方向へ移動する際には、ケーブルを急激に上方に持ち上げるように屈曲状態が変動する。このとき、ケーブルに近接した上方にフレーム部材などが配置されている場合には、ケーブルはこのフレーム部材に当接した状態で引き摺られることとなるため、ケーブルの被覆には摩擦による損傷が生じる。そしてこのような不具合は、動作速度が高速になるにつれて、さらに顕著となる。このように、従来の電子部品実装用装置において用いられている可動ケーブルユニットには、作業ヘッドの動作速度の高速化に起因して、ケーブルの破断や損傷などの不具合が発生するという課題があった。
そこで本発明は、作業ヘッドの動作速度の高速化に起因して発生するケーブルの破断や損傷などの不具合を防止することができる電子部品実装用装置を提供することを目的とする。
本発明の電子部品実装用装置は、電子部品が実装された実装基板を製造する電子部品実装ラインに用いられる電子部品実装用装置であって、電子部品実装用の所定の作業を行う作業ヘッドと、前記作業ヘッドを直線移動させる直動機構と、前記直動機構に付随して設けられ、装置本体部に固定して設けられた固定接続端部と前記作業ヘッドと一体的に直線移動する移動接続端部とを、少なくとも電気配線を含む複数のケーブルによって連結する可動ケーブルユニットとを備え、前記可動ケーブルユニットは、並列された複数のケーブルの周囲を可撓性を有する被覆材によって覆って形成された帯状のケーブル集合体を、前記固定接続端部が接続された下側水平部、前記移動接続端部が接続された上側水平部およびこれら下側水平部と上側水平部とを曲線的に結ぶ屈曲部よりなるU字形状に折り返して形成された屈曲ケーブル集合部と、前記下側水平部の端部が接続される前記固定接続端部が設けられ、前記下側水平部を下方から平面的に支持するケーブル支持部と、前記ケーブル支持部の上面側において、前記移動接続端部が前記固定接続端部から離隔する方向に移動する離隔方向移動動作に伴って屈曲ケーブル集合部の前記下側水平部と前記屈曲部との境界部分が移動する範囲を含んで設けられ、前記離隔方向移動動作において前記屈曲ケーブル集合部が前記ケーブル支持部の上面に当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部とを備え、前記衝撃緩和部は、前記離隔方向移動動作における移動方向に向かって上り勾配に設けられた傾斜面によって前記屈曲ケーブル集合部の下面を下方から支持する傾斜下受け部であり、前記屈曲ケーブル集合部の上方に位置し、前記ケーブル支持部と平行に設けられた上側部材を備え、この上側部材の下面側において、前記移動接続端部が前記固定接続端部に接近する方向に移動する接近方向移動動作に伴って屈曲ケーブル集合部の前記上側水平部と前記屈曲部との境界部分が移動する範囲を含んで設けられ、前記接近方向移動動作において前記屈曲ケーブル集合部が前記上側部材の下面に当接しながら移動する際の摩擦を緩和する摩擦緩和部とを備え、前記摩擦緩和部は、前記接近方向移動動作の移動方向に配列され、前記屈曲ケーブル集合部の上面を転動状態で案内する複数のローラ部材である
本発明によれば、作業ヘッドと一体的に直線移動する移動接続端部に連結される可動ケーブルユニットにおいて、帯状のケーブル集合体をU字形状に折り返して形成された屈曲ケーブル集合部の下側水平部の端部が接続される固定接続端部が設けられ下側水平部を下方から平面的に支持するケーブル支持部に、移動接続端部が移動して屈曲ケーブル集合部がケーブル支持部の上面に当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部を設けることにより、作業ヘッドの動作速度の高速化に起因して発生するケーブルの破断や損傷などの不具合を防止することができる。
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の部品実装装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構の断面図、図3は本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構の背面図、図4、図5は本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構に用いられる可動ケーブルユニットの動作説明図である。
まず図1を参照して、部品実装装置1の構成を説明する。部品実装装置1は電子部品が実装された実装基板を製造する電子部品実装ラインに用いられる電子部品実装用装置であり、ここでは基板に電子部品を実装する機能を有している。図1において基台2上には、部品供給部3、ユニット移動機構4および基板保持部5がY方向に配列されている。部品供給部3に備えられたウェハ保持テーブル3aには、実装対象となる部品である複数の半導体チップ6aが配列された半導体ウェハ6が保持されている。ユニット移動機構4は、直動機構によってX方向に往復動する移動テーブル4aに、後述するツールストッカ15、中継ステージ16、部品回収ボックス17、部品認識カメラ18などのユニットを装着した構成となっている。基板保持部5は、基板7を保持する基板保持ステージ5aをXYテーブル機構(図示省略)によって水平駆動する構成となっており、基板7には半導体チップ6aが実装される。
部品供給部3、ユニット移動機構4および基板保持部5の上方には、基台2のX方向の端部に位置して、Y軸フレーム8が支持ポスト8fによって両端部を支持されてY方向に架設されている。Y軸フレーム8の前面にはY軸ガイド機構9が組み込まれており、Y軸ガイド機構9の前面には、第1のヘッドユニット11および第2のヘッドユニット12をY方向にガイドするためのガイドレール10が配設されている。
第1のヘッドユニット11には半導体チップ6aを保持して基板7に搭載する機能を有
する搭載ヘッド19が装着されており、第2のヘッドユニット12には基板7に電子部品接合用の接着剤を塗布する機能を有する塗布ヘッド20が装着されている。したがって、第1のヘッドユニット11および第2のヘッドユニット12は、電子部品実装用の所定の作業を行う作業ヘッドとなっている。なお、Y軸ガイド機構9をY軸フレーム8に組み込む形態としては、別体で設けられたY軸ガイド機構9をY軸フレーム8に装着する構成でも、またはY軸フレーム8にY軸ガイド機構9を一体に組み込む構成のいずれでもよい。以下に示す図2では、Y軸ガイド機構9をY軸フレーム8に一体に組み込んだ構成例を示している。
図2は第1のヘッドユニット11の構造を示している。ガイドレール10にスライド自在に嵌合したスライダ10aは垂直な移動プレート30の背面に固着されており、移動プレート30の前面には昇降駆動機構31が装着されている。昇降駆動機構31の前面に垂直方向に配設されたガイドレール32には、昇降プレート33に固着されたスライダ32aが上下方向にスライド自在に嵌合しており、さらに昇降プレート33には下面に部品保持ノズル19aが設けられた搭載ヘッド19が装着されている。昇降駆動機構31を駆動することにより、搭載ヘッド19は昇降動作を行う。移動プレート30の背面には、Y軸ガイド機構9に配設された固定子35と組み合わされてリニアモータを構成する可動子34が結合されており、このリニアモータを駆動することにより、搭載ヘッド19は第1のヘッドユニット11とともにY方向に移動する。
固定子35を備えたY軸ガイド機構9、固定子35と組み合わされた可動子34、可動子34が結合された移動プレート30、移動プレート30のY方向の移動をガイドするガイドレール10およびスライダ10aは、作業ヘッドである第1のヘッドユニット11をY方向に直線移動させる直動機構を構成する。第2のヘッドユニット12についても、搭載ヘッド19に替えて2つの塗布ヘッド20が装着されている点を除き、第1のヘッドユニット11と同一構成である。なお直動機構の構成としては、ここで示すリニアモータ駆動以外にも、モータの回転を送りねじによって直線運動に変換する方式のものであってもよい。
Y軸フレーム8の下面にはピックアップヘッド移動機構13が配設されており、ピックアップヘッド移動機構13からはピックアップアーム13aが水平方向に延出している。ピックアップアーム13aの先端部には、ピックアップノズル14aを備えたピックアップヘッド14が、部品供給部3の上方に位置して装着されている。ピックアップヘッド移動機構13を駆動することにより、ピックアップヘッド14はピックアップノズル14aによって半導体ウェハ6から半導体チップ6aを吸着して取り出し、中継ステージ16上に載置する。この半導体チップ6aのピックアップ動作においては、上方に配設された第1のカメラ21によって半導体ウェハ6を撮像した撮像結果を認識処理することにより、ピックアップノズル14aとピックアップ対象の半導体チップ6aとの位置合わせが行われる。
中継ステージ16上に載置された半導体チップ6aは、上方に配設された第2のカメラ22によって撮像され、この撮像結果を認識処理することにより、搭載ヘッド19と半導体チップ6aとの位置合わせが行われる。半導体チップ6aを保持した搭載ヘッド19が基板保持部5へ移動する際には、部品認識カメラ18によって半導体チップ6aを下方から撮像して、搭載ヘッド19に保持された状態における半導体チップ6aの位置ずれを検出する。そして搭載ヘッド19によって半導体チップ6aを基板7に搭載する際には、上方に配設された第3のカメラ23によって基板7を撮像した撮像結果を認識処理して基板7における実装点の位置を検出し、この位置検出結果と部品認識カメラ18による半導体チップ6aの位置ずれ検出結果とに基づいて、半導体チップ6aを基板7の実装点に位置合わせする。
ツールストッカ15は、搭載ヘッド19、塗布ヘッド20に交換自在に装着される作業ツールを部品種に応じて複数収納している。実装の対象となる部品の種類が切り替えられた場合には、搭載ヘッド19、塗布ヘッド20をツールストッカ15にアクセスさせて作業ツールの交換を行う。部品回収ボックス17には、部品認識カメラ18による部品認識の結果、実装対象とすることができないと判定された電子部品が廃棄回収される。
次に図2、図3を参照して、Y軸フレーム8に設けられた可動ケーブルユニットについて説明する。この可動ケーブルユニットは、第1のヘッドユニット11、第2のヘッドユニット12をY方向に直線移動させる直動機構に付随して設けられたものであり、移動状態にある第1のヘッドユニット11、第2のヘッドユニット12と装置本体部とを、複数のケーブルによってそれぞれ連結する機能を有している。
第1のヘッドユニット11、第2のヘッドユニット12に装着された搭載ヘッド19、塗布ヘッド20などには、電動または空圧駆動のアクチュエータや、各種のセンサが配設されている。このため、これらのアクチュエータへ動力を供給するための電線ケーブルや空圧ホースなどのケーブル類が必要となる。さらにこれらのアクチュエータの動作制御のための信号を装置本体部から伝達し、また作業ヘッド内の各部に配置されたセンサから検出信号を装置本体部へ伝達するための制御配線が必要とされる。
このため電子部品実装用装置においては、これらのケーブル類を一纏めにして、搭載ヘッド19、塗布ヘッド20などが装着された第1のヘッドユニット11、第2のヘッドユニット12と一体的に直線移動し作業ヘッド内の内部配線が繋ぎ込まれた移動接続端部と、装置本体部に固定して設けられ制御装置に接続された固定接続端部とを、少なくとも電気配線を含む複数のケーブルによって連結して、可動ケーブルユニットを構成することが行われる。本実施の形態においては、図3(b)に示すように、並列された複数の電気配線用のケーブル43aの周囲を、軟質で弾性に富むエラストマー(例えば塩化ビニール)などを材質として可撓性を有する被覆材43bによって覆って形成された帯状のケーブル集合体43を用いている。
なおケーブル集合体43の構成としては、ケーブルとしての複数の心線を並列させて直接被覆材43bで覆って一体化した構成でもよく、また心線を絶縁材で覆ったケーブルとしての複数の被覆電線を並列させて被覆材43bで覆って一体化した構成のものでもよい。また必要に応じて、ケーブル集合体に電気配線以外のケーブル状のもので可撓性を有するもの、例えば空圧供給用のエアホースや真空吸引用の真空ホースなどを付属させてもよい。この場合ケーブル集合体43の製造時に予めホース類を組み込むようにしてもよく、また電気配線用のケーブル集合体43に沿わせる形態でホース類を付加するようにしてもよい。
図2,図3において、Y軸フレーム8の背面(第1のヘッドユニット11の装着面の反対面)側には、底板部材8a、頂板部材8dおよび第1中間部材8b、第2中間部材8cの4段の水平部材が、相互に平行な位置関係で設けられている。これらはいずれもY軸フレーム8に剛性を付与する構造部材として機能する。底板部材8a、頂板部材8dは、Y軸フレーム8の長さ方向(Y方向)に全通して設けられており、また第1中間部材8bは1端部のみ(図3(a)において左端部)が切除された形態となっている。第1中間部材8bの左端部の上面には、固定接続端部40が第1中間部材8bに固定されて設けられており、固定接続端部40は接続ケーブル40aを介して装置本体部に設けられた制御装置(図示省略)に接続されている。
Y軸ガイド機構9の前面には、ガイドレール10の上側であって第2中間部材8cに沿
う位置に、Y軸ガイド機構9の前面をY方向の溝状に除去した溝部9aが形成されている。溝部9aには、第1のヘッドユニット11に固定された移動ブラケット36が背面側へ挿通して第2中間部材8cの上面まで延出しており、移動ブラケット36には第1のヘッドユニット11内の内部配線が繋ぎ込まれた移動接続端部41が結合されている。第1のヘッドユニット11がY方向へ移動する際には、移動接続端部41は移動ブラケット36を介して作業ヘッドである第1のヘッドユニット11と一体的に移動する。第2中間部材8cは、移動接続端部41が第1のヘッドユニット11とともに移動する移動ストロークSに対応した範囲にのみ設けられ、以下に説明する屈曲ケーブル集合部42の移動を妨げないようになっている。
次に、固定された固定接続端部40と移動状態の移動接続端部41とを接続する屈曲ケーブル集合部42について説明する。固定接続端部40には、図3(b)に示す構成のケーブル集合体43をU字形状に折り返して形成された屈曲ケーブル集合部42の固定側の端部が接続されており、移動接続端部41には屈曲ケーブル集合部42の移動側の端部が接続されている。このU字形状は、端部が固定接続端部40に接続されて第1中間部材8bによって下方から平面的に支持されて略水平姿勢の下側水平部42a、第1のヘッドユニット11と一体的に移動する移動接続端部41が接続されて同様に略水平姿勢の上側水平部42bおよびこれら下側水平部42aと上側水平部42bとを曲線的に結ぶ屈曲部42cよりなる。
上記構成において、屈曲ケーブル集合部42は、並列された複数のケーブルの周囲を可撓性を有する被覆材によって覆って形成された帯状のケーブル集合体43を、固定接続端部40が接続された下側水平部42a、移動接続端部41が接続された上側水平部42bおよびこれら下側水平部42aと上側水平部42bとを曲線的に結ぶ屈曲部42cよりなるU字形状に折り返して形成された形態となっている。そして第1中間部材8bは、下側水平部42aの端部が接続される固定接続端部40が設けられ、下側水平部42aを下方から平面的に支持するケーブル支持部として機能する。
固定接続端部40と移動接続端部41とが屈曲ケーブル集合部42によって接続された状態において、移動接続端部41が第1のヘッドユニット11の移動に伴って水平移動することにより、屈曲ケーブル集合部42の屈曲状態が変化する。すなわち、第1のヘッドユニット11がY軸フレーム8の左端側に位置して、移動接続端部41が固定接続端部40の略上方に位置した状態では、屈曲ケーブル集合部42は下側水平部42aと上側水平部42bの長さががほぼ等しいU字形状となっている。
この状態から、移動接続端部41が固定接続端部40から離隔する方向(矢印a)に移動して移動ストロークSの右端部に位置することにより、屈曲ケーブル集合部42は下側水平部42aが上側水平部42bよりも長いJ字形状となる。この屈曲ケーブル集合部42の屈曲状態の変動は、下側水平部42aと屈曲部42cとの境界部分が下側水平部42aの長さを増大させる方向へ移動ことにより生じる。そして移動接続端部41が固定接続端部40に接近する方向(矢印b)に移動することにより、屈曲ケーブル集合部42はU字形状に復帰する。この屈曲ケーブル集合部42の屈曲状態の変動は、上側水平部42bと屈曲部42cとの境界部分が屈曲部42cの長さを増大させる方向へ移動することにより生じる。
第1中間部材8bの上面において、移動接続端部41の移動ストロークSの右側に位置する領域には、傾斜下受け部46が配設されている。傾斜下受け部46の上面は、移動接続端部41の離隔方向移動動作における移動方向(矢印a方向)に向かって上り勾配(傾斜角θ)に設けられた傾斜面46aとなっており、この傾斜面46aにより、傾斜下受け部46は屈曲ケーブル集合部42の下面を下方から支持する。なお傾斜角θは、5°〜3
0°の範囲から適宜選択して設定される。
傾斜下受け部46は、第1中間部材8bの上面側において、移動接続端部41が固定接続端部40から離隔する方向(矢印a)に移動する離隔方向移動動作に伴って、屈曲ケーブル集合部42の下側水平部42aと屈曲部42cとの境界部分が移動する範囲(換言すれば、図3(a)において実線で示す屈曲部42cが直線状に展開されて下側水平部42aとなる範囲)を、部分的にあるいは全て含んで設けられている。なお傾斜下受け部46を設ける範囲は、以下に説明する効果が実際的に有効に得られる範囲を実証的に確認した結果に基づいて設定される。
このような構成の傾斜下受け部46を備えることにより、以下に説明するような効果を得る。すなわち図4(a)に示すように、移動接続端部41が矢印a方向へ移動する離隔方向移動動作において、屈曲部42cは順次直線状に展開されて、傾斜下受け部46の傾斜面46aに倣う形で当接する。これにより、屈曲ケーブル集合部42が第1中間部材8bの上面に当接する際の、屈曲ケーブル集合部42への衝撃が緩和される。すなわち、傾斜下受け部46が存在しない場合には、図4(b)に示すように、屈曲部42cが直線状に展開されて水平姿勢となった下側水平部42aは、第1中間部材8bの上面に叩き付けられるように当接する。これにより屈曲ケーブル集合部42を構成するケーブル集合体43には衝撃が作用する。この衝撃は移動接続端部41の移動速度が高速化するほど顕著となり、これが反復して繰り返されると内部の心線の破断などの不具合が生じる。
これに対し、本実施の形態においては、傾斜下受け部46を第1中間部材8bの上面側において前述の範囲に設けていることから、屈曲部42cが順次直線状に展開され水平姿勢となった下側水平部42aが第1中間部材8bの上面に叩き付けられる現象が発生しにくく、屈曲ケーブル集合部42のケーブル集合体43に対する衝撃が緩和される。したがって、傾斜下受け部46は、屈曲ケーブル集合部42がケーブル支持部である第1中間部材8bの上面に当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部となっている。なお、衝撃緩和部としては、上記構成の傾斜下受け部46以外にも、軟質樹脂やゴムなどの可撓性に富む材質で設けられた緩衝部材を、図3において傾斜下受け部46が第1中間部材8bの上面に設けられた範囲に装着するようにしてもよい。
頂板部材8dの下面8e側には、複数のローラ部材45を移動接続端部41の接近方向移動動作における移動方向(矢印b)に配列した構成のガイドユニット44が配設されている。なお頂板部材8dは屈曲ケーブル集合部42の上方に位置してケーブル支持部である第1中間部材8bと平行に設けられた上側部材となっている。これらのローラ部材45は、矢印b方向と直交する方向の支持軸廻りに転動し、移動接続端部41の接近方向移動動作において屈曲ケーブル集合部42の上面を転動状態で案内する機能を有している。
ガイドユニット44は、頂板部材8dの下面8e側において、移動接続端部41が固定接続端部40に接近する方向(矢印b)に移動する離隔方向移動動作に伴って、屈曲ケーブル集合部42の下側水平部42bと屈曲部42cとの境界部分が移動する範囲(換言すれば、図3(a)において破線で示す屈曲部42cが矢印b方向への接近方向移動動作によって持ち上げられた状態で移動して上側水平部42bに移行する範囲)を、部分的あるいは全て含んで設けられている。なおガイドユニット44を設ける範囲は、以下に説明する効果が実際的に有効に得られる範囲を実証的に確認した結果に基づいて設定される。
このような構成のガイドユニット44を備えることにより、以下に説明するような効果を得る。すなわち移動接続端部41が矢印b方向へ移動する接近方向移動動作において、傾斜面46aに倣った状態で当接していた下側水平部42a(図3(a)において破線で示す下側水平部42a参照)や、屈曲部42c(図3(a)において破線で示す屈曲部4
2c)は、移動動作開始時の急加速により、図5(a)に示すように、急激に持ち上げられる(矢印d)。そして持ち上げられた屈曲部42cは上方に跳ね上がって頂板部材8dの下面8eに当接し、屈曲部42cの上面は頂板部材8dの下面8e側に設けられたガイドユニット44に当接しながら矢印e方向に移動する。
このとき、ガイドユニット44は複数のローラ部材45を備えていることから、屈曲ケーブル集合部42は転動状態のローラ部材45によって案内され、これにより、屈曲ケーブル集合部42が頂板部材8dの下面8eに当接しながら移動する際の摩擦が緩和される。すなわち、ガイドユニット44が存在しない場合には、図5(b)に示すように、持ち上げられた屈曲部42cの上面は、頂板部材8dの下面8eに直接当接した状態で移動方向に引き摺られることとなり、屈曲部42cの上面には下面8eとの摩擦が作用する。この摩擦は移動接続端部41の移動速度が高速化するほど顕著となり、これが反復して繰り返されるとケーブル集合体43の被覆材43bが摩耗して損傷する不具合が生じる。
これに対し本実施の形態においては、上側部材である頂板部材8dの下面8e側において複数のローラ部材45を備えたガイドユニット44を前述の範囲に設けていることから、持ち上げられた屈曲部42cの上面が頂板部材8dの下面8eに当接しながら移動する際の摩擦が緩和される。したがって、複数のローラ部材45を備えたガイドユニット44は、屈曲ケーブル集合部42が上側部材である頂板部材8dの下面8eに当接しながら移動する際の下面8eとの摩擦を緩和する摩擦緩和部となっている。なお摩擦緩和部としては、上記構成のガイドユニット44以外にも、固体潤滑性を有する板状の滑動部材を、図3においてガイドユニット44が頂板部材8dの下面8eに設けられた範囲に装着するようにしてもよい。
上記説明したように本発明の電子部品実装用装置は、作業ヘッドと一体的に直線移動する移動接続端部41に連結される可動ケーブルユニットにおいて、帯状のケーブル集合体43をU字形状に折り返して形成された屈曲ケーブル集合部42の下側水平部42aの端部が接続される固定接続端部40が設けられ下側水平部42aを下方から平面的に支持するケーブル支持部に、移動接続端部41が移動して屈曲ケーブル集合部42がケーブル支持部の上面に当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部を設けるようにしたものである。これにより、作業ヘッドの動作速度の高速化に起因して発生するケーブルの破断や損傷などの不具合を防止することができる。
なお本実施の形態では、電子部品実装用装置として電子部品を基板に実装する部品実装装置の例を示したが、作業ヘッドを直線移動させる直動機構を備えたものであれば、スクリーン印刷装置など電子部品実装ラインを構成する他の種類の装置にも本発明を適用することができる。
本発明の部品実装用装置は、作業ヘッドの動作速度の高速化に起因して発生するケーブルの破断や損傷などの不具合を防止することができるという効果を有し、電子部品が実装された実装基板を製造する分野に利用可能である。
本発明の一実施の形態の部品実装装置の斜視図 本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構の断面図 本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構の背面図 本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構に用いられる可動ケーブルユニットの動作説明図 本発明の一実施の形態の部品実装装置におけるヘッド移動機構に用いられる可動ケーブルユニットの動作説明図
符号の説明
1 部品実装装置
3 部品供給部
5 基板保持部
7 基板
8 Y軸フレーム
8a 底板部材
8b 第1中間部材
8c 第2中間部材
8d 頂板部材
9 Y軸ガイド機構
11 第1のヘッドユニット
12 第2のヘッドユニット
19 搭載ヘッド
20 塗布ヘッド
40 固定接続端部
41 移動接続端部
42 屈曲ケーブル集合部
42a 下側水平部
42b 上側水平部
42c 屈曲部
43 ケーブル集合体
44 ガイドユニット
45 ローラ部材
46 傾斜下受け部
46a 傾斜面

Claims (1)

  1. 電子部品が実装された実装基板を製造する電子部品実装ラインに用いられる電子部品実装用装置であって、
    電子部品実装用の所定の作業を行う作業ヘッドと、前記作業ヘッドを直線移動させる直動機構と、
    前記直動機構に付随して設けられ、装置本体部に固定して設けられた固定接続端部と前記作業ヘッドと一体的に直線移動する移動接続端部とを、少なくとも電気配線を含む複数のケーブルによって連結する可動ケーブルユニットとを備え、
    前記可動ケーブルユニットは、
    並列された複数のケーブルの周囲を可撓性を有する被覆材によって覆って形成された帯状のケーブル集合体を、前記固定接続端部が接続された下側水平部、前記移動接続端部が接続された上側水平部およびこれら下側水平部と上側水平部とを曲線的に結ぶ屈曲部よりなるU字形状に折り返して形成された屈曲ケーブル集合部と、
    前記下側水平部の端部が接続される前記固定接続端部が設けられ、前記下側水平部を下方から平面的に支持するケーブル支持部と、
    前記ケーブル支持部の上面側において、前記移動接続端部が前記固定接続端部から離隔する方向に移動する離隔方向移動動作に伴って屈曲ケーブル集合部の前記下側水平部と前記屈曲部との境界部分が移動する範囲を含んで設けられ、前記離隔方向移動動作において前記屈曲ケーブル集合部が前記ケーブル支持部の上面に当接する際の衝撃を緩和する衝撃緩和部とを備え
    前記衝撃緩和部は、前記離隔方向移動動作における移動方向に向かって上り勾配に設けられた傾斜面によって前記屈曲ケーブル集合部の下面を下方から支持する傾斜下受け部であり、
    前記屈曲ケーブル集合部の上方に位置し、前記ケーブル支持部と平行に設けられた上側部材を備え、
    この上側部材の下面側において、前記移動接続端部が前記固定接続端部に接近する方向に移動する接近方向移動動作に伴って屈曲ケーブル集合部の前記上側水平部と前記屈曲部との境界部分が移動する範囲を含んで設けられ、前記接近方向移動動作において前記屈曲ケーブル集合部が前記上側部材の下面に当接しながら移動する際の摩擦を緩和する摩擦緩和部とを備え、
    前記摩擦緩和部は、前記接近方向移動動作の移動方向に配列され、前記屈曲ケーブル集合部の上面を転動状態で案内する複数のローラ部材であることを特徴とする電子部品実装用装置。
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