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JP4949495B2 - 回転検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流モータの回転角や回転方向などの回転状態を検出する回転検出装置に関する。
ブラシ付直流モータは、車両においても従来から用いられており、例えば、車両の空調装置における温度調整用のエアミックスダンパーや吹き出し口切り替え用のモードダンパーなどの開閉角度を調整するために用いられている。このような用途で用いられる直流モータを制御するにあたっては、各ダンパーの開閉角度を精度良く調整するために、直流モータの回転角や回転方向などの回転状態を検出し、その検出した回転状態に基づいて、各ダンパーの開閉角度が所望の角度となるように制御していた。
直流モータの回転状態を検出する一般的方法として、ロータリエンコーダやポテンショメータ等のセンサを設け、このセンサからの検出信号に基づいて検出する方法がよく知られている。そのため、車両においても、このようなセンサを設けて回転状態を検出する方法が採用されている。
しかし、このようにセンサを設けて回転状態を検出する方法では、センサを設置するスペースが直流モータ毎に必要になると共に、直流モータへの直流電源供給用のハーネスとは別に、センサによる検出信号を他の装置(車載ECU等)へ伝送するためのハーネスも直流モータ毎に必要となり、車両の重量増・コストアップを招く。そのため、センサやそれに伴うハーネスを削減するために、センサレス方式化の要望が高まっている。
ロータリエンコーダ等の大がかりなセンサを用いることなく直流モータの回転状態を検出するセンサレス方式は種々提案されており、例えば、整流子とブラシが切り替わるときに発生するサージパルスを検出・計数することにより検出する方法が知られている。しかし、この方法では、モータが起動・停止する際の低回転時にはモータの起電力が小さくなってサージパルスも小さくなるため、回転速度が低くなればなるほどサージパルスを検出することが困難となって誤検出してしまう可能性が高くなる。
また、別のセンサレス方式として、整流子に形成された複数のセグメント(整流子片)のうち特定の2つのセグメント間に(即ちこのセグメント間に接続されている相コイルと並列に)抵抗器を接続し、このセグメント間に流れる電流に基づいて回転パルスを検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に開示されたセンサレス方式では、いずれか一つの相コイルに抵抗器が並列接続されることにより、ブラシを介してモータ回路(複数相の相コイルからなる電機子コイル側の回路)に直流電流が供給されると、ブラシ間に流れる電流は、モータの回転角に応じて周期的な変動を伴うように変化する。この電流の変化に基づいて回転パルスを検出することにより、上述した単なるサージパルスに基づく検出方法と比較してその検出精度を高めることができる。
特開2003−111465号公報
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、いずれか一つの相コイルに抵抗器を接続することによってモータ回路に流れる直流電流に変動が生じるようにしているため、この電流変動に伴って必然的にモータのトルク変動が生じてしまう。モータのトルク変動は、モータ自身の騒音、或いはモータにより駆動される駆動対象の騒音の発生原因になる。
また、この特許文献1に開示された方法でも、上述したサージパルスに基づく方法と同様、回転速度が低くなればなるほど電流の変化が小さくなって誤検出の可能性が高くなるという問題は残されている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、エンコーダ等のセンサを設けることなく、またトルク変動が発生しないようにしつつ、回転速度にかかわらず直流モータの回転状態を精度良く検出することが可能な回転検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、内周面においてその周方向に界磁発生用の複数の磁石が固定されたハウジングと、このハウジング内に設けられ、複数の相コイルからなる電機子コイルを有するロータコアと、電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、この整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、を有する直流モータを備え、この直流モータの回転状態を検出する回転検出装置であり、直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を一対のブラシ間に印加する電源手段と、一対のブラシ間に流れる電流又は該電流が流れる通電経路上の電圧を検出する通電検出手段と、この通電検出手段が検出した電流又は電圧の交流成分(交流電圧又は交流電流)の振幅変化に基づいて直流モータの回転角又は回転方向の少なくとも一方を検出する回転状態検出手段と、を備えている。そして、直流モータは、回転に伴って一対のブラシ間のインダクタンスが周期的に変化するよう構成されている。
このように構成された請求項1に記載の回転検出装置では、電源手段が、直流モータのブラシ間に印加する電源電圧として、単にその駆動源としての直流電圧だけではなく、この直流電圧に回転検出用の交流電圧が重畳されたもの(交流成分を含む電源電圧)を印加する。また、直流モータは、自身の回転に伴ってブラシ間のインダクタンスが変化するように構成されている。
そのため、そのインダクタンスの変化によって、ブラシ間の電流又はその電流が流れる通電経路上の電圧における交流成分には、振幅の変化が生じる。つまり、直流モータの回転に伴って交流成分の振幅変化が周期的に生じる。そこで、回転状態検出手段が、その交流成分の振幅変化に基づいて、直流モータの回転角又は回転方向の少なくとも一方(以下「回転状態」ともいう)を検出する。
より具体的に説明すると、ブラシ間のインダクタンスが大きいほど、交流成分の振幅は小さくなり、逆にブラシ間のインダクタンスが小さいほど、交流成分の振幅は大きくなる。そのため、インダクタンスの変化に応じてこのように変化する交流成分の振幅に基づき、回転状態を検出できるのである。
また、直流モータのトルクは、電源手段から印加される電源電圧のうち直流成分(直流電圧)により発生し、交流成分(交流電圧)は基本的に直流モータのトルクに影響を与えることはない。そのため、直流モータの状態(加・減速中、定速中、停止中など)とは関係なく、常に一定の交流電圧を印加することができ、直流モータの状態にかかわらず常に交流成分の振幅変化に基づいて回転状態を検出できる。
これにより、例えば制動の際に直流モータへの直流電圧が遮断されても、交流電圧を印加し続けることにより、減速〜停止にかけても回転状態を確実に検出することができる。また、停止中であっても、電源電圧として少なくとも交流電圧を印加させ続けることで、直流モータの回転状態を検出でき、例えば何らかの外力を受けて所定量回転したとしても、これを確実に検出することができる。
尚、直流モータの回転に伴ってインダクタンスが具体的にどのように変化するかによって、回転角又は回転方向のいずれか一方しか検出できない場合もあれば双方を検出できる場合もある。例えば、回転周期毎に振幅変化が1回のみ生じるように直流モータが構成されている場合は、少なくとも回転角の検出は可能である。
従って、請求項1に記載の回転検出装置によれば、エンコーダ等のセンサを設けることなく、またトルク変動が発生しないようにしつつ、回転速度にかかわらず直流モータの回転状態を精度良く検出することが可能となる。
ここで、回転に伴ってブラシ間のインダクタンスが変化するような直流モータの具体的構成は種々考えられ、例えば請求項2に記載のように、直流モータを構成するハウジングに工夫を加えるようにしてもよいし、また例えば、請求項10に記載のように、電機子コイルに工夫を加えるようにしてもよい。以下、具体的に説明する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転検出装置であって、直流モータは、ハウジングの内周面の周方向における各磁石の間の領域である磁石間領域のうち少なくとも1箇所に、該内周面から径方向内側へ突出するように設けられた軟磁性の凸部を少なくとも1つ備えている。
従来から知られている一般的な直流モータは、ロータコアとハウジングとの間の径方向の間隔(ギャップ)は基本的に一定であり、また、磁石の透磁率は空気の透磁率とほぼ同じであるため、直流モータのロータコアとハウジングにより構成される磁気回路の磁気抵抗は回転角によらず一定であり、故にブラシ間のインダクタンスの変化は生じない。
これに対し、請求項2に記載の回転検出装置では、直流モータのハウジング内周面に軟磁性の凸部が設けられている。そのため、ロータコアの外周面がこの凸部と対向している間は、部分的にギャップが小さくなり、その分、直流モータのロータコアとハウジングにより構成される磁気回路の磁気抵抗が小さくなる。これに対し、ロータコアの外周面がこの凸部と対向していない間は磁気抵抗が大きくなる。即ち、凸部が設けられていることにより、回転に伴って磁気抵抗が変化する。一般的にインダクタンスは磁気抵抗の逆数に比例する。そのため、直流モータにおいても、磁気抵抗が変化すればそれに伴ってインダクタンスも変化する。
つまり、ハウジングの内周面に軟磁性の凸部を設けることで、回転に伴う直流モータのロータコアとハウジングにより構成される磁気回路の磁気抵抗の変化を生じさせ、これによりブラシ間のインダクタンスが変化するようにしているのである。
従って、請求項2に記載の回転検出装置によれば、ハウジングの内周面に凸部を設けるという比較的簡単な構成により、回転に伴うブラシ間のインダクタンスの変化を確実に生じさせることができる。そのため、そのインダクタンスの変化(延いては交流成分の振幅の変化)に基づいて確実に回転状態を検出することができる。
凸部を設ける位置や数は適宜考えられ、例えば請求項3に記載のように、少なくとも2箇所の磁石間領域にそれぞれ設けるようにしてもよい。このようにすることで、一回転中に生じる交流成分の振幅変化の回数を増加させることができるため、その分、回転状態の検出精度(分解能)を向上させることができる。
また、このように少なくとも2箇所の磁石間領域に凸部を設ける場合は、更に、例えば請求項4に記載のように、径方向において互いに対向する位置関係にある2箇所の磁石間領域を一組として、少なくとも一組の磁石間領域にそれぞれ設けるようにするとよい。
対向する位置関係にある一組の磁石間領域にそれぞれ凸部を設けるということは、即ち、各凸部が互いに径方向において対向する位置関係になるということである。
このように構成された請求項4に記載の回転検出装置によれば、単に一回転中に生じる交流成分の振幅変化の回数が増加するだけでなく、直流モータが一定量回転する度に振幅変化を生じさせることができるため、回転状態の検出精度(分解能)をより向上させることができる。
ところで、回転状態として特に回転方向を検出するための具体的構成は種々考えられ、例えば請求項5に記載のように構成することができる。即ち、請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の回転検出装置であって、凸部は、直流モータの回転方向によってインダクタンスの変化パターンが異なるように設けられており、回転状態検出手段は、交流成分の振幅の変化パターンに基づいて直流モータの回転方向を検出するよう構成されている。
回転方向によってインダクタンスの変化パターンが異なれば、交流成分の振幅の変化パターンも、回転方向によって異なる。そのため、交流成分の振幅の変化パターンの違いから、直流モータがどの方向へ回転しているかを検出することができる。また、回転角と共に回転方向も検出するよう構成されている場合、回転方向の検出結果に基づいて回転角の検出結果を補正することもできるため、直流モータの回転方向が変わってもそれに応じて精度良く回転角を検出(補正)することができる。
回転方向によってインダクタンスの変化パターンが異なるようにするための具体的構成も種々考えられるが、例えば請求項6に記載のように、少なくとも1箇所の磁石間領域に設けられた凸部を、該凸部とロータコアの外周面とのギャップが周方向において変化するよう、且つ、該変化のパターンが周方向のうち一方の方向と他方の方向とで異なるような形状に形成するようにしてもよいし、また例えば、請求項7に記載のように、少なくとも1箇所の磁石間領域に、透磁率の異なる少なくとも2つの凸部を周方向に並べて配置するようにしてもよい。
前者(請求項6)においては、周方向におけるギャップの変化のパターンがその方向によって異なるため、インダクタンスの変化パターンも直流モータの回転方向によって異なり、延いては交流成分の振幅の変化パターンも回転方向によって異なる。そのため、その振幅の変化パターンに基づいて回転方向を検出することができる。
従って、請求項6に記載の回転検出装置によれば、凸部を、ロータコアとのギャップが周方向において変化するように形成するという、比較的簡単な構成によって、直流モータの回転方向を確実に検出することができる。
一方、後者(請求項7)においても、透磁率の異なる少なくとも2つの凸部が周方向に配置されているため、これらの凸部によって生じるインダクタンスの変化のパターンは、直流モータの回転方向によって異なり、延いては交流成分の振幅の変化パターンも回転方向によって異なる。そのため、その振幅の変化パターンに基づいて回転方向を検出することができる。
従って、請求項7に記載の回転検出装置によれば、透磁率の異なる少なくとも2つの凸部を周方向に配置するという、比較的簡単な構成によって、直流モータの回転方向を確実に検出することができる。
請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の回転検出装置において、凸部を具体的にどのように形成するかは種々考えられるが、例えば請求項8に記載のように、凸部の少なくとも1つを、ハウジングを径方向内側へ突出させることにより形成するようにしてもよい。
つまり、ハウジングとは別に別途凸部を用意し、これをハウジングの内周面に取り付けるのではなく、ハウジング自体を、その一部分を径方向内側へ突出させる(ハウジングの外周面からみれば凹ませる)ことで、ハウジングの一部分を凸部として機能させるのである。凸部をこのように形成することで、凸部形成・設置の工数(延いては直流モータの製造にかかる工数)を低減することができる。
そして、上述した請求項〜請求項8の何れか1項に記載の回転検出装置は、例えば請求項9に記載のように、凸部を、周方向において、磁石と所定の間隔を隔てて設けるようにするとよい。
凸部が磁石に近接している(或いは完全に接触している)と、磁石から発する磁束の一部が直接凸部に入ってしまう、いわゆる漏れ磁束が生じ、その分、直流モータのトルクが弱まってしまう。そこで、請求項9に記載のように、凸部を磁石から隔てて設けることで、上述した漏れ磁束の問題を防ぐことができる。
次に、請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の回転検出装置であって、直流モータは、少なくとも1つの相コイルに対し、該相コイルの一部又は全部と並列に、又は該相コイルと直列に接続された、インダクタンス素子を備えている。
上述した請求項2〜請求項9に記載の回転検出装置は、直流モータにおいてハウジングの内周面設けられた凸部によって、回転に伴うインダクタンスの変化が生じる構成のものであったが、本発明(請求項10)の回転検出装置は、上記のようにハウジングに工夫を加えるのではなく、電機子コイルに工夫を加える(インダクタンス素子を接続する)ことで、回転に伴うインダクタンスの変化が生じるように構成されている。
そのため、直流モータにおけるブラシ間に形成される電機子コイル側の回路(以下「モータ回路」ともいう)において、例えば、いずれか1つの相コイルにインダクタンス素子が接続されている場合、当該相全体のインダクタンスは、インダクタンス素子が接続されていない他の2つの相コイルのインダクタンスよりも大きく(或いは小さく)なる。尚、大きくなるか小さくなるかは、例えば相コイルに対して並列に接続するか或いは直列に接続するかといった、接続状態によって異なる。そのため、回転に伴って変化するブラシと整流子との接触関係、即ち整流子を構成する複数の整流子片と一対のブラシとの接触関係に応じて、モータ回路全体のインダクタンスは変化する。
従って、請求項10に記載の回転検出装置によれば、電機子コイルを構成する相コイルにインダクタンス素子を接続するという比較的簡単な構成により、回転に伴うブラシ間のインダクタンスの変化を確実に生じさせることができる。そのため、そのインダクタンスの変化(延いては交流成分の振幅の変化)に基づいて確実に回転状態を検出することができる。
そして、上記のように電機子コイルへインダクタンス素子を接続することによって回転に伴うインダクタンスの変化を生じさせる構成においても、回転状態として特に回転方向を検出するための具体的構成は種々考えられるが、例えば請求項11に記載のように、少なくとも2つの相コイルにそれぞれインダクタンス素子が接続され、該各相における、相コイル及びこれに接続されたインダクタンス素子による合成インダクタンスが、該各相毎に異なる値となるよう構成されており、回転状態検出手段は、交流成分の振幅の変化パターンに基づいて直流モータの回転方向を検出するよう構成されたものとすることができる。
このように構成された請求項11に記載の回転検出装置では、直流モータの回転に伴ってインダクタンスの段階的な変化が生じ、このインダクタンスの段階的な変化に伴って交流成分の振幅も段階的に変化する。しかも、その段階的な変化のパターンは回転方向によって異なる。そのため、その交流成分の振幅の段階的な変化のパターンに基づいて直流モータの回転方向を検出することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の回転検出装置であって、直流モータは、3つの相コイルからなる電機子コイルを有している。
ブラシ付きの直流モータにおける電機子コイルの相数は多岐に渡り、駆動対象に応じて適宜選定されるが、例えば上述した空調装置をはじめ、車両における各種駆動対象を駆動するための直流モータには、相数が3相のものが多用されている。3相の直流モータは、小型・軽量であることなどから、車両に限らずその需要は多い。
そこで、このような3相直流モータの回転状態を検出するための装置として本発明の回転検出装置を適用すれば、エンコーダ等のセンサを設ける必要がないため、小型・軽量といった3相直流モータのメリットを十分に維持しつつ回転状態を精度良く検出することができるため、より効果的である。
また、特に請求項11に記載のように、回転方向を検出可能に構成された回転検出装置において、直流モータが3相の相コイルからなる電機子コイルを有する構成である場合は、例えば請求項13に記載のように、インダクタンス素子は、2つの相コイルにそれぞれ接続するようにするとよい。
このように構成された回転検出装置によれば、3相直流モータの回転方向を、必要最小限の二つのインダクタンス素子を設けることで検出できるため、直流モータの大型化やコストアップを抑制しつつ、回転方向を精度良く検出することが可能となる。
次に、請求項14に記載の発明は、請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の回転検出装置であって、直流モータの外部において一対のブラシ間には、所定の静電容量値の静電容量素子が接続されており、この静電容量素子と直流モータのインダクタンスとによって並列共振回路が形成されている。そして、通電検出手段は、その並列共振回路に流れる電流、又は該電流が流れる通電経路の電圧を検出する。
上述した請求項1〜請求項13に記載の回転検出装置では、回転に伴うインダクタンスの周期的変化によって交流成分の振幅変化が生じるが、直流モータ内部のインダクタンスに基づく該直流モータのブラシ間のインピーダンスは、交流成分の周波数が高くなるほど大きくなる。そのため、重畳する交流成分の周波数が高いほど、通電検出手段にて検出される交流成分の振幅は小さくなってしまう。
回転状態検出手段は、交流成分の振幅変化に基づいて直流モータの回転角又は回転方向の少なくとも一方を検出するものであるため、検出精度を良好に保つためには、検出される交流成分の振幅は大きい方が好ましい。
そこで請求項14に記載の回転検出装置では、直流モータに対し、これと並列に静電容量素子が接続されることにより、直流モータ(インダクタンス成分)と静電容量素子(静電容量成分)との並列接続による並列共振回路が形成されている。
周知の通り、並列共振回路のインピーダンスは、共振周波数でピーク値となる共振特性を有しており、共振周波数より高い周波数になるほどインピーダンスは低くなっていく。これは即ち、周波数が高くなるほど交流成分の振幅は大きくなる(逆に言えば、周波数が高くなっても交流成分の振幅は小さくならない)ということである。
また、直流モータのインダクタンスは回転に伴って周期的に変化するため、そのインダクタンスの変化に伴って、上記並列共振回路のインピーダンスも周期的に変化する。そして、そのインピーダンスの変化により、交流成分の振幅も周期的に変化する。交流成分の振幅が大きくなる状態と小さくなる状態のインピーダンス比を比較した場合、回転に伴う並列共振回路のインピーダンス比は、周波数にもよるものの、直流モータのみの場合のインピーダンス比(即ちインダクタンス成分のみに基づくインピーダンス比)よりも大きく変化する。
つまり、直流モータのみの場合よりも、本発明(請求項14)のように並列共振回路が形成されている場合の方が、交流成分の周波数が高くなってもその振幅が小さくなるのを防ぐことができるため、回転に伴う振幅の変化を大きく生じさせることができ、回転状態検出手段を簡素に構成することができる。
そして、この並列共振回路のインピーダンス変化によって生じる交流成分の振幅変化に基づいて、直流モータの回転角等を検出するようにすれば、検出精度をより高くすることが可能となる。
ここで、電源手段の具体的構成は、結果としてブラシ間に直流電圧と交流電圧が重畳された電源電圧を印加できる限り、種々の構成が考えられるが、例えば請求項15に記載のように、直流電圧を生成する直流電源と、交流電圧を生成する交流電源と、直流電源で生成された直流電圧に交流電源で生成された交流電圧を重畳させる重畳手段と、を備えた構成とすることができる。
電源手段をこのように構成することで、交流電圧が重畳された電源電圧を確実にブラシ間に印加することができる。また一方、例えば直流電源からの直流電圧の印加を停止することで、交流電源からの交流電圧のみをブラシ間に印加することも容易に実現できる。
第1実施形態の回転検出装置の構成を説明するための説明図であり、(a)は回転検出装置全体の概略構成を表す構成図、(b)はモータにおける電機子コイルと整流子との接続状態を表す説明図である。 第1実施形態におけるモータの回転状態(回転角)とモータ回路のインダクタンスとの関係を説明するための説明図である。 第1実施形態におけるモータ回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第1実施形態の回転検出装置を構成する回転信号検出部の構成を表すブロック図である。 第1実施形態の回転検出装置により生成される回転パルスの一例を表す図である。 第2実施形態のモータを説明するための説明図であり、(a)はモータの概略構成を表す構成図、(b)は回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第3実施形態のモータを説明するための説明図であり、(a)はモータの概略構成を表す構成図、(b)は回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第4実施形態のモータの概略構成を表す構成図である。 第5実施形態のモータを説明するための説明図であり、(a)はモータの概略構成を表す構成図、(b)は回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第6実施形態のモータを説明するための説明図であり、(a)はモータの概略構成を表す構成図、(b)は回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第7実施形態のモータの概略構成を表す構成図である。 第8実施形態のモータを説明するための説明図であり、(a)はモータの概略構成を表す構成図、(b)はモータ回路の構成を表す構成図である。 第8実施形態における、モータが180°回転する間に生じる三種類の状態(モータ回路)を表す説明図である。 第8実施形態におけるモータ回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第9実施形態のモータにおけるモータ回路の構成を表す構成図である。 第10実施形態のモータにおけるモータ回路の構成を表す構成図である。 第11実施形態のモータにおけるモータ回路の構成を表す構成図である。 第12実施形態の回転検出装置の概略構成を表す構成図である。 第12実施形態におけるインピーダンスの周波数特性を表す図であり、(a)は並列共振回路全体のインピーダンスの周波数特性を表し、(b)はモータ単体でのインピーダンスの周波数特性を表す。 第12実施形態におけるモータ回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。 第13実施形態の回転検出装置の概略構成を表す構成図である。 交流成分生成部にて生成される交流電圧が方形波電圧である場合の波形を表す図であり、(a)は方形波電圧の波形及びカップリングコンデンサを介して重畳される交流電流の波形を表す図、(b)はその交流電流と正弦波電流との差異を表す図である。 交流電流の周波数スペクトルを表す図であり、(a)は方形波電圧をカップリングコンデンサを介して印加した場合に重畳される交流電流の周波数スペクトルを表す図、(b)は正弦波電圧をカップリングコンデンサを介して印加した場合に重畳される交流電流の周波数スペクトルを表す図である。 第13実施形態におけるモータ回転中のモータ電流波形の一例を表す図である。
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1(a)に、本発明が適用された実施形態の回転検出装置の概略構成を示す。図1(a)に示すように、本実施形態の回転検出装置1は、永久磁石界磁型のブラシ付き直流モータ(以下「モータ」と略す)2を備え、このモータ2の回転状態を検出するための装置であり、電源部3と、モータ2に流れる電流に基づいてモータ2の回転状態に応じた信号(回転パルス)を生成し出力する回転信号検出部4と、この回転信号検出部4から出力される回転パルスに基づいてモータ2の回転状態を検出する回転検出部5と、を備えている。
尚、回転検出部5は、検出対象のモータの回転状態として、回転角及び回転方向を検出できるように構成されている。但し、本実施形態の回転検出装置1では、検出対象のモータ2が1つの凸部13(詳細は後述)を備えた構成であるため、本実施形態においては、回転検出部5はモータ2の回転角を検出する。勿論、回転方向を検出するための何らかの手段が別途設けられている場合はこの限りでない。
本実施形態の回転検出装置1は、例えば車両の空調装置における既述の各ダンパーを駆動するモータの、回転角を検出するために用いられるものである。もちろん、車両の空調装置への適用は本発明の実施態様としてのあくまでも一例である。
電源部3は、モータ2を回転駆動させるための直流電圧を生成する直流電源6と、モータ2の回転状態(本実施形態では回転角)を検出するための所定の周波数の交流電圧を生成する交流成分生成部7と、直流電源6からモータ2へ供給される直流電圧に交流成分生成部7で生成された交流電圧を重畳させてモータ2へ供給するためのカップリングコンデンサC1と、直流電源6からモータ2に至る通電経路を導通・遮断するスイッチ8と、を備えている。尚、交流成分生成部7で生成する交流電圧は正弦波である。但し、正弦波であることはあくまでも一例にすぎず、例えば方形波や三角波など、他の種類の波形を用いても良い。
このような構成により、モータ2の回転時には、スイッチ8をオンすることにより、直流電源6からの直流電圧に交流成分生成部7で生成された交流電圧が重畳された交直混在の電圧(電源電圧)が、一対のブラシ18,19を介してモータ2の電機子コイル15へ印加される。これにより、電機子コイル15には交直混在の電流が流れる。
但し、モータ2は直流モータであるため、交直混在の電流のうち、モータ2の回転に寄与する(トルクを与えて回転駆動させる)成分は、直流電源6にて印加される直流電圧による直流成分であり、交流成分生成部7にて印加される交流電圧による交流成分は回転そのものには関与せず、トルクに影響を与えることもない。交流成分生成部7からの交流電圧は、本実施形態ではモータ2の回転角を検出するためにモータ2に印加されるのであり、回転信号検出部4は、後述するように、モータ2に流れる電流のうち交流成分に基づいて回転パルスを生成する。つまり、交流成分生成部7は、モータ2を回転させるための電力としてではなく、モータ2の回転状態を検出する目的で設けられているのである。
また、回転中のモータ2を停止させる制動制御の際は、スイッチ8がオフされ、モータ2への直流電源6からの直流電圧が遮断される。一方、交流成分生成部7からの交流電圧は、停止制御の際もモータ2への印加が継続される。つまり、交流成分生成部7からの交流電圧は、少なくともモータ2が回転している間はモータ2へ印加され続ける。
モータ2は、ハウジング10と、このハウジング内に収容されたロータコア20とを備えている。ロータコア20は、ハウジング10の軸心に配置されている回転軸16に固定され、この回転軸16と共に回転する。
ハウジング10は、略円筒形の形状をなし、その内周面には、界磁発生用の2つの磁石11,12が径方向に互いに対向するように固定されている。周方向で見れば、2つの磁石が所定間隔隔てて固定されている。各磁石11,12は、いずれも永久磁石であり、ロータコア20と対向する面側の極性が一方はN極で他方がS極である。つまり、本実施形態のモータ2は界磁が2極の直流モータとして構成されている。
また、ハウジング10は軟磁性体である継鉄(ヨーク)にて形成されたものであり、内周面に固定された2つの磁石11,12と共にモータ2の磁気回路を構成している。
ロータコア20は、軟磁性体にて形成されたものであり、3つのティース(突極)21,22,23を有し、電機子コイル15が巻回されている。具体的には、第1ティース21に第1相コイルL1が巻回され、第2ティース22に第2相コイルL2が巻回され、第3ティース23に第3相コイルL3が巻回されており、これら3つの相コイルL1,L2,L3により電機子コイル15が構成されている。
また、回転軸16には、整流子17が固定されており、この整流子17には、互いに対向して(即ち回転方向に180°離れて)配置された一対のブラシ18,19が摺接している。
整流子17は、より詳しくは、図1(b)に示すように、各ブラシ18,19と接触(摺接)する3つの整流子片26,27,28を有しており、これら各整流子片26,27,28に、電機子コイル15を構成する各相コイルL1,L2,L3がそれぞれΔ結線されている。
即ち、第1整流子片26と第2整流子片27との間に第1相コイルL1が接続され、第2整流子片27と第3整流子片28との間に第2相コイルL2が接続され、第3整流子片28と第1整流子片26との間に第3相コイルL3が接続されている。なお、各相コイルL1,L2,L3のインダクタンスは同じ値である。また、各相コイルL1,L2,L3は、互いに電気角で2π/3ずつ離れるように配置されている。
そして、3つの整流子片26,27,28のうちいずれか2つ(但し瞬間的に3つ)が、各ブラシ18,19にそれぞれ接触しており、モータ2の回転による整流子17の回転に伴って、各ブラシ18,19と接触する整流子片は切り替わっていく。
電源部3から出力される電源電圧は、各ブラシ18,19の間に印加される。これにより、各ブラシ18,19間に形成される、モータ2内部の各相コイルL1,L2,L3等からなる回路(モータ回路)には、各ブラシ18,19及びこれに接触している整流子片を介して電流が流れる。
更に、本実施形態のモータ2には、ハウジング10の内周面において、2つの磁石11,12の間に、凸部13が設けられている。ハウジング10の内周面には、2つの磁石11,12が周方向において所定の間隔を隔てて固定されているため、周方向において磁石11,12の存在しない領域(磁石間領域)が2箇所存在している。本実施形態では、図1に示す通り、このうち1箇所の磁石間領域に、ハウジング10の内周面から径方向内側へ突出するように凸部13が設けられている。また、この凸部13は、2つの磁石11,12のいずれとも接触しないよう、周方向において各磁石11,12の双方からそれぞれ所定間隔隔てて設けられている。
凸部13は、軟磁性体の材料で形成されたものであり、周方向に所定の長さを有し、且つ、径方向に所定の厚みを有している。そして、この凸部13が設けられていることにより、モータ2のロータコア20とハウジング10により構成される磁気回路の磁気抵抗は、ロータコア20の回転に伴って変化する。なお、以下の説明で「磁気抵抗」とは、特に断りのない限り、モータ2のロータコア20とハウジング10により構成される磁気回路の磁気抵抗を意味するものとする。
ここで、本実施形態のモータ2における、ロータコア20とハウジング10とのギャップ、及び磁気抵抗について、具体的に説明する。
上述の通り、ロータコア20及びハウジング10はいずれも軟磁性体にて形成されており、その透磁率は空気の透磁率よりも非常に大きい。そのため、モータ2の磁気抵抗は、ロータコア20(詳しくは各ティース21,22,23の外周面)とハウジング10の内周面又は磁石11,12との間のエアギャップ、及び各磁石11,12の厚みの和に大きく依存する。つまり、エアギャップが大きいほど磁気抵抗は大きくなり、逆にエアギャップが小さいほど、磁気抵抗は小さくなる。
但し、各磁石11,12については、その透磁率は空気の透磁率とほぼ同じである。そのため、各磁石11,12は、磁気的にみれば空気が存在していることと等価となる。つまり、モータ2の磁気抵抗を考慮する上では、空気と同じ透磁率である各磁石11,12の存在は無視することができ、各磁石11,12はいずれもエアギャップとして扱うことができる。そのため、仮に凸部13がないならば、ロータコア20とハウジング10の内周面とのエアギャップはロータコア20が回転しても一定であり、故に、回転に伴って磁気抵抗が変化することはない。
しかし、本実施形態のモータ2は、ハウジング10の内周面に、ハウジング10とほぼ同じ透磁率を有する、軟磁性の凸部13が設けられている。そのため、モータ2の回転角によって、即ちロータコア20の各ティース21,22,23の外周面がこの凸部13と対向しているか否かによって、モータ2の磁気抵抗は異なった値となる。つまり、モータ2の回転に伴ってその磁気抵抗が変化する。そして、磁気抵抗が変化すると、モータ回路のインダクタンスも変化するため、モータ回路に流れる電流のうち、交流成分については、その振幅が変化する。
モータ2の回転状態(回転角)とモータ回路のインダクタンスとの関係について、図2を用いてより具体的に説明する。図2(a)は、凸部13が周方向全体に渡ってロータコア20の第1ティース21の外周面と対向している状態(状態A)を示しており、図2(b)は、状態Aから時計回りに約60°回転したときの、凸部13がロータコア20のいずれのティース21,22,23とも対向していない状態(状態B)を示している。
図2(a)に示すように、凸部13がロータコア20と対向している状態Aでは、ロータコア20と凸部13との間のエアギャップが小さくなるため、モータ2の磁気抵抗は全体として小さくなる。一般的にインダクタンスは磁気抵抗の逆数に比例するため、磁気抵抗が変化すればそれに伴ってモータ回路のインダクタンスも変化する。そのため、状態Aのように磁気抵抗が小さくなると、モータ回路のインダクタンスは大きくなる。
一方、図2(b)に示すように、ロータコア20が凸部13と対向していない状態Bでは、図2(b)に比べてエアギャップが大きくなり、モータ2の磁気抵抗は全体として大きくなる。そのため、モータ回路のインダクタンスは小さくなる。
このように、本実施形態のモータ2では、凸部13が設けられていることにより、ロータコア20がこの凸部13と対向している状態であるか否かに応じて、モータ回路のインダクタンスが変化する。しかもこの変化は、モータ2の回転(詳しくはロータコア20及び回転軸16の回転)に伴って周期的に生じる。
尚、モータ2の回転の過程では、隣接する2つの整流子片に一つのブラシが同時に接触する切り替わり期間が存在し、この切り替わり期間においてもモータ回路のインダクタンスが変化するが、この切り替わり期間はモータ2が一回転する間において瞬間的に生じるのみであり、これに伴うインダクタンスの変化も瞬間的なものである。そのため、本実施形態ではこの切り替わり期間については考慮しないものとする。
このように、モータ2の回転に伴ってモータ回路のインダクタンスが周期的に変化するため、回転中のモータ2に流れる電流は、図3に示すように、回転角に応じてその交流成分の振幅が変化する。即ち、ロータコア20における何れかのティースが凸部13に対向していることによりインダクタンスが大きくなっている状態Aの場合は、交流成分の振幅が小さくなり、ロータコア20の各ティース21,22,23がいずれも凸部13に対向していない状態Bの場合は、交流成分の振幅が大きくなる。
そして、本実施形態ではロータコア20が3つのティース21,22,23を有していることにより、回転に伴う周期的なインダクタンスの変化は、モータ2が120°回転する毎に生じる。そのため、上述した交流成分の振幅変化も、モータ2が120°回転する度に周期的に生じる。
そこで本実施形態の回転検出装置1では、回転信号検出部4が、モータ2の通電電流に含まれる交流成分の振幅の変化を検出する。つまり、インダクタンスの変化によって生じる交流成分の振幅の変化を検出する。そして、その検出した交流成分の振幅の変化に基づいて、後述するように回転パルスを生成する。
回転信号検出部4は、モータ2に流れる電流の通電経路上(詳しくはグランド電位側のブラシ19からグランド電位に至る通電経路上)に設けられた電流検出部24と、この電流検出部24により検出された通電電流に基づく各種信号処理を行って回転パルスを生成する信号処理部25とを備えている。この回転信号検出部4のより具体的な構成を図4に示す。
図4に示すように、電流検出部24は、モータ2の通電経路上に挿入された電流検出抵抗R1からなり、この電流検出抵抗R1の両端の電圧が、モータの通電電流に応じた検出信号として信号処理部25へ取り込まれる。この検出信号は、モータ2に流れる電流に関する電気量(物理量)の1つである。
なお、電流検出抵抗R1に代えて、コイルを挿入し、そのコイルの両端の電圧を通電電流に応じた検出信号として信号処理部25へ入力するようにしてもよい。また、本実施形態では、このようにモータの通電電流を検出するようにしているが、通電経路上の電圧の変化を検出してその検出結果を検出信号として信号処理部25へ入力するようにしてもよい。
信号処理部25に取り込まれた電流検出抵抗R1による検出信号は、ハイパスフィルタ(HPF)31によって、直流成分を含む所定の遮断周波数以下の帯域の信号がカットされ、交流成分生成部7からの交流電流の周波数を含む、上記遮断周波数より高い周波数成分が抽出されて、増幅部32に入力される。そのため、検出された通電電流(検出信号)のうち、直流成分はこのハイパスフィルタ31によって遮断され、交流成分のみが増幅部32へ入力されることとなる。
電流検出抵抗R1により検出されてハイパスフィルタ31によって抽出された検出信号(交流成分)は、モータ2に流れる電流のうち交流電流に関する電気量の1つであるが、この検出信号は非常に微弱なレベルの信号である。そのため、この検出信号は増幅部(Amp)32にて増幅される。
増幅部32にて増幅された検出信号は、包絡線検波部33にて包絡線検波される。この包絡線検波部33は、例えば、整流回路及びローパスフィルタからなる一般的回路にて構成することができる。この包絡線検波部33により、増幅部32から出力された交流の検出信号が包絡線検波され、交流成分の振幅に応じた一定の信号(以下「検波信号」という)が生成される。モータ2の通電電流は、図3に示したように、直流電流に交流成分が重畳した形となり、且つ、モータ2が120°回転する度に交流成分の振幅変化が生じる。そのため、包絡線検波部33からは、120°毎に振幅変化が生じるような検波信号が出力される。
この検波信号は、コンパレータ(Comp)35の2つの信号入力端子のうち一方に入力され、他方に入力された閾値と比較される。この閾値は、閾値設定部34により生成されるものであり、本実施形態では、図3に示した電流波形のうち振幅が小さい期間(状態A相当)での検波信号よりも大きく、且つ、振幅が大きい期間(状態B相当)での検波信号よりも小さい、所定の値(例えば両検波信号の中間値)が設定されている。
そのため、振幅の小さい期間では、包絡線検波部33からの検波信号は閾値設定部34による閾値よりも小さいため、コンパレータ35からはローレベルの信号が出力される。一方、振幅の大きい期間では、包絡線検波部33からの検波信号は閾値よりも大きくなるため、コンパレータ35からはハイレベルの信号が出力される。
そして、コンパレータ35から出力されたローレベル、ハイレベルの信号は、回転パルス生成部36にて適宜波形整形、レベル調整された上で、モータ2の回転角に応じた回転パルスとして回転検出部5へ出力される。
図5に、回転パルス生成部36にて生成される回転パルスの一例を示す。図5の上側の波形は、モータ2に流れる電流であり、下側の波形が、回転パルス生成部36にて生成される回転パルスである。本例では、交流成分の振幅が小振幅から大振幅に変化するタイミング毎にハイレベルに立ち上がり、大振幅から小振幅に変化するタイミング毎にハイレベルからローレベルへ立ち下がるように、回転パルスが生成される。そのため、本実施形態では、モータ2が120°回転する度に回転パルスが生成されることとなる。
このように、信号処理部25では、電流検出抵抗R1にて検出された通電電流(検出信号)に対して低周波領域のカット、交流電流成分の増幅、包絡線検波といった各種信号処理を行った上で回転パルスが生成されるため、外乱やノイズが低減された正確な回転パルスが生成される。なお、ハイパスフィルタ31に代えて、例えば、交流成分の周波数を含む所定の帯域のみを通過させるバンドパスフィルタを用いるようにしてもよい。
回転検出部5は、回転パルス生成部36から入力された回転パルスに基づき、例えばその回転パルスの立ち上がりエッジを検出・計数するといった方法により、モータ2の回転角を検出する。そして、その検出された回転角は、図示しないモータ2の制御回路においてフィードバック信号として用いられる。
尚、上述したように、本実施形態ではモータ2が図1に示すような凸部13を備えた構成であることから、回転検出部5は、モータ2の回転状態のうち回転角を検出する。但し、例えば後述する第5実施形態のモータ60(図9参照)などのように、回転信号検出部4からの回転パルスが、回転方向をも検出可能なパルスである場合は、それに基づいて回転方向をも検出することができる。
以上説明したように、本実施形態の回転検出装置1では、モータ2を駆動させるための駆動源である直流電源6とは別に、回転状態を検出するための交流成分生成部7が設けられ、直流電源6からの直流電圧に交流成分生成部7からの交流電圧が重畳されてモータ2へ印加される。そのため、モータ2(モータ回路)には、交流成分を含む電流が流れる。
一方、モータ2は、ハウジング10の内周面に軟磁性の凸部13が設けられており、これにより、モータ回路のインダクタンスはモータ2の回転に伴って周期的に変化する。そのため、モータ回路に流れる電流の交流成分は、そのインダクタンスの変化に伴って(即ちモータ2の回転に伴って)周期的に変化する。
そこで、信号処理部25は、モータ2の通電電流から交流成分のみを抽出し、その交流成分の振幅の変化に応じた回転パルスを生成する。そして、この回転パルスに基づき、回転検出部5がモータ2の回転状態(本実施形態では回転角)を検出する。
また、交流成分生成部7からの交流電圧は、モータ2の回転状態を検出する目的で印加されるものであり、モータ2のトルクに影響を与えることはない。そのため、モータ2には、その動作状態(加・減速中、定速中、停止中など)とは関係なく、常に一定の交流電圧を印加することができ、モータ2の動作状態にかかわらず、常に、交流成分の振幅変化に基づいて回転状態を検出することができる。
そのため、例えば制動の際にモータ2への直流電圧の印加が遮断されても、交流電圧を印加し続けることにより、減速〜停止にかけても回転状態を確実に検出することができる。また、停止中であっても、電源電圧として少なくとも交流電圧を印加させ続けることで、モータ2の回転状態を検出でき、例えば何らかの外力を受けてモータ2が所定量回転したとしても、これを確実に検出することができる。
そのため、モータ2を停止させるための制動制御を、例えば、モータ2への直流電源6からの直流電圧印加を遮断させることにより行う場合、直流電圧の遮断後も、交流電圧については引き続き印加させることができる。制動制御の際に直流電圧の印加を遮断すると、モータ2の電流は、誘導起電力によって生じる電流に交流成分生成部7からの交流電圧に基づく交流電流が重畳したものとなる。
このうち、誘導起電力による電流の大きさは、モータ2の回転速度が低くなるほど小さくなるため、この誘導起電力による電流は徐々に小さくなり、モータ2が停止したときにはこの電流もゼロになる。一方、交流電流については、上記のように回転状態検出のために常に流すことができるため、モータ2の回転速度に関係なく、回転状態に応じた(モータ回路のインダクタンスの変化に応じた)交流成分の振幅の変化を検出することができる。そのため、モータ2の回転速度に関係なく、モータ2の回転角を検出することができる。
なお、本実施形態の回転検出装置1は、回転パルスに基づいてモータ2の回転角を検出するよう構成されたものであるが、回転パルスの間隔(例えば立ち上がりエッジの間隔)に基づいてモータ2の回転速度も検出できるよう構成してもよい。
従って、本実施形態の回転検出装置1によれば、ロータリエンコーダ等の大がかりなセンサを設けることなく、またトルク変動が発生しないようにしつつ、回転速度にかかわらずモータ2の回転状態を精度良く検出することができる。
しかも、ハウジング10の内周面に凸部13を設けるという比較的簡単な構成により、回転に伴う各ブラシ18,19間(モータ回路)のインダクタンスの変化を確実に生じさせるようにしているため、モータ2の大型化・コストアップ(延いては装置全体の大型化・コストアップ)を抑えつつ、インダクタンスの変化(延いては交流成分の振幅の変化)に基づいて確実に回転状態を検出することができる。
更に、本実施形態では、モータ2の回転に伴って生じるモータ回路のインダクタンスの変化を、モータ2に流れる通電電流のうち交流成分の振幅の変化として検出している。しかもその振幅の変化は、検出信号がハイパスフィルタ31、増幅部32、包絡線検波部33によって信号処理された上で、コンパレータ35により検出される。そのため、簡易的な構成でありながら、ノイズや外乱の影響を抑制して高精度に振幅の変化を検出でき、延いては高精度に回転状態を検出することができる。
また、凸部13は、周方向において各磁石11,12の双方からそれぞれ所定間隔隔てて設けられているため、漏れ磁束に起因してモータ2のトルクが弱まってしまうのを防ぐことができる。
また、既述の特許文献1に開示された方法では、相コイルに抵抗器を接続して直流電流の変化を検出していることから、ブラシや整流子の経年劣化によって、波形に歪みが生じるなど、検出精度の悪化が生じる可能性が高い。これに対し、本実施形態の回転検出装置1は、交流成分の振幅変化に基づいて回転角を検出するものであり、その振幅変化はモータ回路のインダクタンスに依存する。そのため、各ブラシ18,19や整流子17の経年劣化の影響を抑制することが可能となる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、電源部3は本発明の電源手段に相当し、交流成分生成部7は本発明の交流電源に相当し、カップリングコンデンサC1は本発明の重畳手段に相当し、電流検出部24は本発明の通電検出手段に相当する。また、信号処理部25及び回転検出部5より本発明の回転状態検出手段が構成される。
ところで、本実施形態の回転検出装置1では、検出対象のモータ2として、2箇所ある磁石間領域のうち1箇所に凸部13を1つ設けた構成のものを示したが、このようなモータに限らず、回転に伴う周期的なインダクタンスの変化を生じさせることができる限り、種々の態様のモータを構成でき、そのモータの回転状態を検出することができる。以下、回転に伴って周期的にインダクタンスが変化するようなモータの種々の態様について、第2実施形態〜第11実施形態にかけて具体的に説明する。
[第2実施形態]
まず、第2実施形態のモータについて、図6を用いて説明する。図6(a)に、本実施形態のモータ30の概略構成を、図6(b)に、このモータ30の回転中の電流波形の一例を、それぞれ示す。
図6(a)に示すように、本実施形態のモータ30は、ハウジング10の内周面における2箇所の磁石間領域において、その一方に第1実施形態と同様に軟磁性の凸部13が設けられているのに加え、更に、その磁石間領域と径方向において互いに対向する位置関係にある他方の磁石間領域においても、軟磁性の凸部29が設けられている。
つまり、2つの凸部13,29が、径方向で見れば互いに対向するよう、回転方向(周方向)で見れば互いに180°離れるように、それぞれ設けられている。また、各凸部13,29はいずれも、2つの磁石11,12のいずれとも接触しないよう、周方向において各磁石11,12の双方からそれぞれ所定間隔隔てて設けられている。
なお、本実施形態のモータ30は、上記のように凸部13に加えて凸部29が設けられているという構成以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図6(a)に示すように、本実施形態のモータ30は、互いに対向する位置関係にて2つの凸部13,29が設けられている。これにより、モータ30の回転に伴って生じるモータ回路のインダクタンスの変化は、第1実施形態では120°毎の発生であったのに対し、本実施形態では60°毎に発生する。
そのため、電源部3から交流成分を含む電源電圧が印加されたときにモータ30に流れる電流は、図6(b)に示すようになり、モータ30が60°回転する度に振幅の変化が生じる。これは即ち、モータ30が一回転する間に生じる交流成分の振幅の変化の回数が、第1実施形態の2倍に増えるということである。そのため、信号処理部25からは、モータ30が60°回転する度に回転パルスが出力され、回転検出部5は、その回転パルスに基づいてモータ30の回転状態(回転角)を検出することができる。
従って、本実施形態のモータ30によれば、第1実施形態のモータ2と比較して、一回転中に生じる交流成分の振幅変化の回数を2倍に増加させることができるため、その分、回転状態の検出精度(分解能)を向上させることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のモータについて、図7を用いて説明する。図7(a)に、本実施形態のモータ40の概略構成を、図7(b)に、このモータ40の回転中の電流波形の一例を、それぞれ示す。
図7(a)に示すように、本実施形態のモータ40は、ハウジング10の内周面に、界磁発生用の4つの磁石41,42,43,44が、周方向において所定の間隔を隔てて固定されている。そのため、ハウジング10の内周面には、周方向において磁石41,42,43,44の存在しない磁石間領域が4箇所存在している。これら各磁石間領域は、周方向において約90°の間隔で存在している。そのため、各磁石間領域のうち2つの磁石間領域は径方向において互いに対向する位置関係にある。
そして、本実施形態のモータ40は、その4箇所の磁石間領域のそれぞれに、ハウジング10の内周面から径方向内側へ突出するように、軟磁性の凸部46,47,48,49が1つずつ設けられている。
これら4つの凸部46,47,48,49は、周方向において90°間隔で設けられている。また、各凸部46,47,48,49はいずれも、4つの磁石41,42,43,44のいずれとも接触しないよう、周方向において各磁石41,42,43,44からそれぞれ所定間隔隔てて設けられている。
なお、本実施形態のモータ40は、上記のように界磁発生用の磁石が4つ固定されていると共に4つの凸部46,47,48,49が設けられているという構成以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7(a)に示すように、本実施形態のモータ40は、周方向において90°の間隔で4つの凸部46,47,48,49が設けられている。これにより、モータ40の回転に伴って生じるモータ回路のインダクタンスの変化は、第1実施形態では120°毎、第2実施形態では60°毎の発生であったのに対し、本実施形態では30°毎に発生する。
そのため、電源部3から交流成分を含む電源電圧が印加されたときにモータ40に流れる電流は、図7(b)に示すようになり、モータ40が30°回転する度に振幅の変化が生じる。これは即ち、モータ40が一回転する間に生じる交流成分の振幅の変化の回数が、第1実施形態の4倍に増えるということである。そのため、信号処理部25からは、モータ40が30°回転する度に回転パルスが出力され、回転検出部5は、その回転パルスに基づいてモータ40の回転状態(回転角)を検出することができる。
従って、本実施形態のモータ40によれば、第1実施形態のモータ2と比較して、一回転中に生じる交流成分の振幅変化の回数を4倍に増加させることができるため、その分、回転状態の検出精度(分解能)を向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態のモータについて、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態のモータ50の概略構成を表す構成図である。
図8に示すように、本実施形態のモータ50は、ハウジング51が、その周方向における所定領域が径方向内側へ突出した形状となっており、この突出した部分が凸部52として形成され、第1実施形態の凸部13と同等の作用を奏する。具体的には、ハウジング51が切り曲げ加工されることにより、凸部13が形成されている。
つまり、本実施形態のモータ50は、上記各実施形態のようにハウジング10に対して別途凸部を設けるのではなく、ハウジング51自身の一部を凸部52として形成し、上記各実施形態の凸部と同等の機能を持たせるようにしているのである。
なお、本実施形態のモータ50は、凸部52がこのようにハウジング51自身を加工することによって形成されているという構成以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
このように構成された本実施形態のモータ50は、凸部52の形成方法が第1実施形態とは異なるものの、その機能(磁気的な作用)は第1実施形態の凸部13と全く同じであり、磁気的にみれば第1実施形態のモータ2と等価である。
従って、本実施形態のモータ50によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、凸部52をハウジング51を加工することによって形成しているため、凸部52の形成のための工数(延いてはモータ50の製造にかかる工数)を低減することができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態のモータについて、図9を用いて説明する。図9(a)に、本実施形態のモータ60の概略構成を、図9(b)に、このモータ60の回転中の電流波形の一例を、それぞれ示す。
図9(a)に示すように、本実施形態のモータ60は、ハウジング10の内周面における2箇所の磁石間領域のうち1箇所に、軟磁性の傾斜凸部61が設けられている。この傾斜凸部61は、その設置位置や材質は第1実施形態の凸部13と同じであり、形状が異なるだけである。
なお、本実施形態のモータ60は、上記のように傾斜凸部61が設けられているという構成以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
傾斜凸部61は、ロータコア20と対向する面が、ハウジング10の内周面に対して傾斜するように形成されている。換言すれば、径方向の厚み・ロータコア20とのギャップが、周方向において連続的に変化するように形成されている。
このような構成により、モータ60の回転中におけるモータ回路のインダクタンスの変化は、モータ60の回転方向によって異なるパターンとなる。そして、回転方向によってインダクタンスの変化パターンが異なれば、交流成分の振幅の変化パターンも、回転方向によって異なる。
そのため、電源部3から交流成分を含む電源電圧が印加されたときにモータ60に流れる電流は、図9(b)に示すようになり、モータ60が図中時計回り(CW)方向に回転するときに生じる交流成分の振幅変化パターンと、モータ60が図中反時計回り(CCW)方向に回転するときに生じる交流成分の振幅変化パターンは、異なったものとなる。
図9(b)の例では、回転方向がCW方向の場合は、ロータコア20の何れかのティースが傾斜凸部61に近付こうとする際、そのティースと傾斜凸部61とのギャップは徐々に小さくなっていく。そのため、モータ60の磁気抵抗が徐々に小さくなって、モータ回路のインダクタンスは徐々に大きくなっていき、これにより、交流成分の振幅は徐々に小さくなっていく。そして、そのティースがやがて傾斜凸部61から離れる際は、ギャップが急に大きくなるため、それに伴い、磁気抵抗は急に大きくなってインダクタンスは急に小さくなり、これにより交流成分の振幅は急に大きくなる。
逆に、回転方向がCCW方向の場合は、ロータコア20の何れかのティースが傾斜凸部61に近付こうとする際、そのティースと傾斜凸部61とのギャップは急に小さくなる。そのため、モータ60の磁気抵抗が急に小さくなって、モータ回路のインダクタンスは急に大きくなり、これにより、交流成分の振幅は急激に小さくなる。そして、そのティースがやがて傾斜凸部61から離れる際は、ギャップが徐々に大きくなっていくため、それに伴い、磁気抵抗は徐々に大きくなってインダクタンスは徐々に小さくなっていき、これにより交流成分の振幅は徐々に大きくなる。
このように、本実施形態のモータ60では、回転方向によって交流成分の振幅の変化パターンが異なるため、モータ60の回転状態として、上述した各実施形態と同様に回転角を検出できるのに加え、更に、その変化パターンに基づいて回転方向も検出することができる。
但し、回転方向を検出するためには、信号処理部25の構成を一部異なるものとする必要がある。即ち、図4に示した信号処理部25は、包絡線検波部33による検波後の検波信号に対し、単に、コンパレータ35にて閾値設定部34からの閾値と比較し、その比較結果に応じた回転パルスを出力するものであり、本実施形態においてもこの信号処理部25を用いれば少なくとも回転角は検出できる。
一方、回転方向まで検出するためには、包絡線検波部33からの検波信号に対し、その検波信号の変化パターンに対応した信号を、回転パルスとは別に(或いは回転パルスの一部として)出力できるよう、信号処理部25の構成を一部変更する必要がある。
なお、検波信号の変化パターンに対応した信号を生成する具体的方法は、例えば検波信号を微分回路に通して微分するなど、種々の方法が考えられる。
そして、信号処理部25からその変化パターンに対応した信号が出力されれば、回転検出部5は、回転角に加え、その信号に基づいて回転方向も検出することができる。
従って、本実施形態のモータ60によれば、傾斜凸部61を設けたことにより、回転に伴って生じる交流成分の振幅の変化パターンが、回転方向によって異なるパターンとなるため、その変化パターンに基づいてモータ60がどの方向へ回転しているかを検出することができる。そして、このように回転角と共に回転方向も検出できることにより、回転方向の検出結果に基づいて回転角の検出結果を補正することもできる。そのため、モータ60の回転方向が変わってもそれに応じて精度良く回転角を検出(補正)することができる。
尚、本実施形態の傾斜凸部61は、ロータコア20とのギャップの変化が直線的になるよう構成されているが、これはあくまでも一例であり、曲線的な変化を有する形状であってもよいし、段階的な変化を有する形状であってもよく、その具体的な変化の過程は特に限定されるものではない。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態のモータについて、図10を用いて説明する。図10(a)に、本実施形態のモータ70の概略構成を、図10(b)に、このモータ70の回転中の電流波形の一例を、それぞれ示す。
図10(a)に示すように、本実施形態のモータ70は、ハウジング10の内周面における1箇所の磁石間領域に、透磁率の異なる2つの軟磁性の凸部が隣接して設けられている。具体的には、所定の透磁率を有する軟磁性の第1凸部71と、この第1凸部71に対して図中CW方向に隣接して設けられ、この第1凸部71よりも大きい透磁率を有する軟磁性の第2凸部72とが設けられている。これら2つの凸部71,72は、周方向の長さや径方向の幅はいずれも同じであり、透磁率が異なっている。
なお、本実施形態のモータ70は、上記のように透磁率の異なる2つの凸部71,72が設けられているという構成以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
このように構成された本実施形態のモータ70では、隣接配置された2つの凸部71,72の透磁率が異なるため、電源部3から交流成分を含む電源電圧が印加されたときにモータ70に流れる電流は、図10(b)に示すようになり、モータ70がCW方向に回転するときに生じる交流成分の振幅変化パターンと、モータ70がCCW方向に回転するときに生じる交流成分の振幅変化パターンは、異なったものとなる。
図10(b)の例では、回転方向がCW方向の場合は、ロータコア20の何れかのティースが各凸部71,72に近付こうとする際、まず先に、透磁率の小さい第1凸部71に近付き、その後にそれよりも透磁率の大きい第2凸部72に近づく。そのため、モータ70の磁気抵抗は段階的に小さくなって、モータ回路のインダクタンスは段階的に大きくなっていき、これにより、交流成分の振幅は段階的に小さくなっていく。そして、そのティースが各凸部71,72を通過してやがて第2凸部72から離れる際は、磁気抵抗が急に大きくなるため、それに伴い、インダクタンスは急に小さくなり、これにより交流成分の振幅は急に大きくなる。
逆に、回転方向がCCW方向の場合は、ロータコア20の何れかのティースが各凸部71,72に近付こうとする際、まず先に、透磁率の大きい第2凸部72に近付き、その後にそれよりも透磁率の小さい第1凸部71に近づく。そのため、モータ70の磁気抵抗は先に第2凸部72と対向することによって急に小さくなって、モータ回路のインダクタンスは急に大きくなり、これにより、交流成分の振幅は急激に小さくなる。そして、そのティースが各凸部71,72を通過してやがて第1凸部71から離れようとする際は、磁気抵抗が段階的に大きくなるため、それに伴い、インダクタンスは段階的に小さくなり、これにより交流成分の振幅は段階的に大きくなる。
このように、本実施形態のモータ70も、回転方向によって交流成分の振幅の変化パターンが異なるため、第5実施形態のモータ60と同様、その変化パターンに基づいて回転方向も検出することができ、第5実施形態のモータ60と同等の効果を得ることができる。
尚、本実施形態では、2つの凸部71,72を隣接して固定したが、このように隣接固定することは必須ではなく、これら2つの凸部71,72を所定間隔離して固定してもよい。また、1つの磁石間領域に透磁率が異なる3つ以上の凸部を設けてもよい。
[第7実施形態]
次に、第7実施形態のモータについて、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態のモータ80の概略構成を表す構成図である。
図11に示すように、本実施形態のモータ80は、ハウジング81が、その周方向における所定領域が径方向内側へ突出した形状となっており、この突出した部分が、傾斜凸部82として、第5実施形態(図9)の傾斜凸部61と同等の作用を奏する。具体的には、第4実施形態(図8)と同様に、ハウジング81が切り曲げ加工されることによって傾斜凸部82が形成されている。
つまり、本実施形態のモータ80は、第5実施形態のようにハウジング10に対して別途傾斜凸部を設けるのではなく、ハウジング81自身の一部を傾斜凸部82として形成し、上記第5実施形態の傾斜凸部61と同等の機能を持たせるようにしているのである。
このように構成された本実施形態のモータ80は、傾斜凸部82の形成方法が第5実施形態とは異なるものの、その機能(磁気的な作用)は第5実施形態の傾斜凸部61と全く同じであり、磁気的にみれば第5実施形態のモータ60と等価である。
従って、本実施形態のモータ80によれば、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。しかも、傾斜凸部82を、ハウジング81を加工することによって形成しているため、傾斜凸部82の形成のための工数(延いてはモータ80の製造にかかる工数)を低減することができる。
[第8実施形態]
次に、第8実施形態のモータについて、図12を用いて説明する。図12(a)に、本実施形態のモータ90の概略構成を、図12(b)に、このモータ60のモータ回路の構成を、それぞれ示す。
図12(a)に示すように、本実施形態のモータ90は、電機子コイル91におけるいずれか1つの相コイルと並列に、インダクタンス素子92が接続されている。尚、このインダクタンス素子92が接続されていること以外は、図1に示した第1実施形態のモータ2と同じである。そのため、第1実施形態のモータ2と同じ構成については第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
より具体的に説明すると、図12(b)に示すように、電機子コイル91を構成する3つの相コイルL1,L2,L3のうち、第3相コイルL3に対し、これと並列に、インダクタンス素子92が接続されている。
このインダクタンス素子92のインダクタンス値は、適宜決めることができるが、本実施形態では、各相コイルL1,L2,L3のインダクタンス値よりも十分小さい値である。
そのため、このインダクタンス素子92が接続されている第3相の全体のインダクタンスは、第3相コイルL3とインダクタンス素子92との並列合成インダクタンスとなり、その値は、他の2つの相(第1相、第2相)のインダクタンス(第1相コイルL1、第2相コイルL2のインダクタンス)よりも小さくなる。そのため、各ブラシ18,19間のインダクタンスは、モータ90の回転に伴って周期的に変化することになる。以下、具体的に説明する。
図13に、モータ90が180°回転する間における、モータ90内部の結線状態の変化、即ち各ブラシ18,19間に形成されるモータ回路の変化を示す。図13に示すように、本実施形態のモータ90のモータ回路は、モータ90が180°回転する間に、主として状態E、状態F、及び状態Gの三種類に変化する。
状態Eは、図示の如く、直流電源6の正極側(以下「電源側」ともいう)のブラシ18に第1整流子片26が接触し、グランド電位側(以下「GND側」ともいう)のブラシ19に第2整流子片27が接触した状態である。この状態Eでのモータ90の等価回路、即ち各ブラシ18,19間に形成されるモータ回路は、図中右側に示す回路となる。
状態Fは、状態Eから時計回りに約60°回転した状態であり、電源側のブラシ18に接触する整流子片が、状態Eのときの第1整流子片26から第3整流子片28へと切り替わっている。GND側(グランド電位側)のブラシ19には第2整流子片27が接触している。
状態Gは、状態Fからさらに時計回りに約60°回転した状態であり、GND側のブラシ19に接触する整流子片が、状態E,Fのときの第2整流子片27から第1整流子片26へと切り替わっている。電源側のブラシ18には第3整流子片28が接触している。
これら三種類の状態E,F,Gのうち、状態E及び状態Fは、図13に示した等価回路からも明らかなように、モータ回路全体のインダクタンス(各ブラシ18,19間の合成インダクタンス)は同じである。即ち、状態Eの場合の、モータ回路全体のインダクタンス値をLaとすると、この状態Eからモータ90が時計回りに約60°回転することによって状態Fになっても、インダクタンス値は上記Laと同じ値である。
しかし、更に時計回りへの回転が進んで、状態Gになると、その場合のインダクタンス値Lbは、上記Laよりも小さい値(Lb<La)となる。このLaとLbの比は、インダクタンス素子92のインダクタンス値が各相コイルL1,L2,L3のインダクタンス値よりも小さいほど大きくなる。
このように、モータ90が180°回転する間には、各ブラシ18,19と接触する整流子片の切り替わりが3回生じ、これに伴って各ブラシ18,19間のモータ回路は状態E,F,Gの三種類に切り替わる。しかし、状態Eと状態Fは、既述の通り、モータ回路全体のインダクタンスが等しいため、180°回転の間に生じるインダクタンスの変化は二段階(LaとLb)である。そして、そのインダクタンスの変化は、上述した各実施形態と同様、モータ90に流れる電流の交流成分の振幅変化として現れる。
状態Gから更に回転が進むと、電源側のブラシ18に接触する整流子片が、状態Gのときの第3整流子片28から第2整流子片27へと切り替わる。GND側のブラシ19には第1整流子片26が接触している。この状態は、上述した状態Eにおいて、電源側のブラシ18とGND側のブラシ19とが入れ替わった状態であり、回路全体のインダクタンスは状態Eと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態E’という。
この状態E’から更に回転が進むと、GND側のブラシ19に接触する整流子片が、状態E’のときの第1整流子片26から第3整流子片28へと切り替わる。電源側のブラシ18には第2整流子片27が接触している。この状態は、上述した状態Fにおいて、電源側のブラシ18とGND側のブラシ19とが入れ替わった状態であり、回路全体のインダクタンスは状態Fと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態F’という。
この状態F’から更に回転が進むと、電源側のブラシ18に接触する整流子片が、状態F’のときの第2整流子片27から第1整流子片26へと切り替わる。GND側のブラシ19には第3整流子片28が接触している。この状態は、上述した状態Gにおいて、電源側のブラシ18とGND側のブラシ19とが入れ替わった状態であり、回路全体のインダクタンスは状態Gと同じである。そのため、以下の説明ではこの状態を状態G’という。
そして、この状態G’から更に回転が進むと、再び状態Eに切り替わり、以下、回転が進むにつれて状態F→状態G→状態E’→状態F’→状態G’→状態E→・・・と切り替わる。
つまり、モータ90は、一回転する間にその回転角に応じてモータ回路が状態E、F、G、E’、F’、G’の六種類に順次切り替わるのであり、60°回転毎に状態が切り替わるということになる。このうち、状態E、F、E’、F’は、いずれも同じインダクタンス(La)である。また、状態G、G’も同じインダクタンス(Lb)であり、その値は状態E等のインダクタンス(La)よりも小さい。
そのため、モータ電流は、図14に示すように、状態E、F、E’、F’のときは交流電流成分の振幅が小さく、状態G、G’のときは交流電流成分の振幅が大きくなる。
そこで、例えば第1実施形態の回転検出装置1と同様に、モータ90に流れる電流の交流成分を電流検出部24にて検出し、信号処理部25が、その検出電流に含まれる交流成分の振幅変化に基づいて回転パルスを生成・出力することで、モータ90の回転状態(本例では回転角)を検出することができる。
従って、本実施形態のモータ90によれば、電機子コイル91を構成する各相コイルL1,L2,L3のうち第3相コイルL3に対してインダクタンス素子92を並列に接続するという、比較的簡単な構成により、回転に伴うモータ回路のインダクタンスの変化を確実に生じさせることができる。そのため、そのインダクタンスの変化(延いては交流成分の振幅の変化)に基づいてモータ90の回転状態(回転角)を確実に検出することができる。
[第9実施形態]
次に、第9実施形態のモータについて、図15を用いて説明する。図15は、本実施形態のモータ100におけるモータ回路の構成を表す図である。
図15に示すように、本実施形態のモータ100は、第8実施形態のモータ90(図12(b)参照)と比較して明らかなように、第8実施形態のモータ90が、第3相コイルL3に対してインダクタンス素子92が並列接続された構成であったのに対し、本実施形態では、第3相コイルL3に対してインダクタンス素子102が直列接続された構成となっている。その他の構成については図12(b)のモータ90と同じである。
そのため、インダクタンス素子102が接続されている第3相の全体のインダクタンスは、第3相コイルL3とインダクタンス素子102との直列合成インダクタンスとなり、その値は、他の2つの相(第1相、第2相)のインダクタンス(第1相コイルL1、第2相コイルL2のインダクタンス)よりも大きくなる。そのため、各ブラシ18,19間のインダクタンスは、モータ100の回転に伴って周期的に変化することになる。以下、具体的に説明する。
モータ100における各ブラシ18,19と整流子17との位置関係が図15に示した状態にある場合の、各ブラシ18,19間のインダクタンス値をLcとすると、この図15の状態からモータ100が時計回り方向に所定角度回転することによって電源側のブラシ18に第3整流子片28が接触してグランド(GND)側のブラシ19に第2整流子片27が接触した状態になっても、各ブラシ18,19間のインダクタンス値は、上記Lcと同じ値となる。
しかし、更に時計回り方向への回転が進んで、電源側のブラシ18に第3整流子片28が接触してグランド(GND)側のブラシ19に第1整流子片26が接触した状態になると、その場合の各ブラシ18,19間のインダクタンス値をLdとすると、Ld>Lc、となる。
つまり、第8実施形態のモータ90と同様に、モータ100が180°回転して各ブラシ18,19と各整流子片26〜28との接触関係の切り替わりが3回生じる間に、インダクタンス素子102に起因した、各ブラシ18,19間のインダクタンスの変化が生じるのである。
従って、本実施形態のモータ100によれば、電機子コイル101を構成する各相コイルL1,L2,L3のうち第3相コイルL3に対してインダクタンス素子102を直列に接続するという、比較的簡単な構成により、回転に伴うモータ回路のインダクタンスの変化を確実に生じさせることができる。そのため、そのインダクタンスの変化(延いては交流成分の振幅の変化)に基づいてモータ100の回転状態(回転角)を確実に検出することができる。
[第10実施形態]
次に、第10実施形態のモータについて、図16を用いて説明する。図16は、本実施形態のモータ110におけるモータ回路の構成を表す図である。
図16に示すように、本実施形態のモータ110は、第8実施形態のモータ90(図12(b)参照)と比較して明らかなように、第8実施形態のモータ90が、第3相コイルL3の全体と並列にインダクタンス素子92が接続された構成であったのに対し、本実施形態では、第3相コイルL3の一部と並列にインダクタンス素子102が接続された構成となっている。その他の構成については図12(b)のモータ90と同じである。
そのため、本実施形態のモータ110においても、第3相の全体のインダクタンスは、第8実施形態と同様、他の第1相コイルL1及び第2相コイルL2のインダクタンスよりも小さい値となる。従って、このように相コイルに対してその一部にインダクタンス素子112が並列接続されたモータ110についても、第8実施形態と同等の効果を得ることができる。
[第11実施形態]
次に、第11実施形態のモータについて、図17を用いて説明する。図17は、本実施形態のモータ120におけるモータ回路の構成を表す図である。
図17に示すように、本実施形態のモータ120は、第3相コイルL3に対してその全体と並列にインダクタンス素子122が接続されているのに加え、更に、第1相コイルL1に対しても、これと直列にインダクタンス素子123が接続されている。そして、このような構成により、各相のインダクタンスは、いずれも異なった値となっている。具体的には、第1相コイルL1と直列にインダクタンス素子123が接続された第1相全体の合成インダクタンスが最も大きく、第3相コイルL3と並列にインダクタンス素子122が接続された第3相全体の合成インダクタンスが最も小さく、第2相全体のインダクタンス(=第2相コイルL2のインダクタンス)はその両者の間の値である。
そのため、モータ120が180°回転する間、各ブラシ18,19と接触する整流子片が切り替わる毎に、モータ回路のインダクタンスはそれぞれ異なる値に変化する。以下、具体的に説明する。
モータ120における各ブラシ18,19と整流子17との位置関係が図17に示した状態にある場合の、各ブラシ18,19間のインダクタンス値をLeとし、この図17の状態からモータ120が時計回り方向に所定角度回転することによって電源側のブラシ18に第3整流子片28が接触してグランド(GND)側のブラシ19に第2整流子片27が接触した状態になったときの、各ブラシ18,19間のインダクタンス値をLfとし、その状態から更に時計回り方向への回転が進んで電源側のブラシ18に第3整流子片28が接触してグランド(GND)側のブラシ19に第1整流子片26が接触した状態になったときの、各ブラシ18,19間のインダクタンス値をLgとすると、これら3つのインダクタンス値の関係は、Le>Lf>Lg、となる。
つまり、モータ120が180°回転して各ブラシ18,19と各整流子片26〜28との接触関係の切り替わりが3回生じる毎に、モータ回路のインダクタンスはそれぞれ異なる値に変化するのである。そして、そのインダクタンスの変化は、モータ120に流れる電流の交流成分の振幅変化として現れる。しかもその変化パターンは、モータ120の回転方向によって異なるパターンとなる。
具体的には、モータ120が時計回り方向に回転している場合は、モータ回路のインダクタンスが、Le→Lf→Lg→Le→・・・、のパターンで変化するが、反時計回りに回転している場合は、モータ回路のインダクタンスは、Lg→Lf→Le→Lg→・・・、のパターンで変化する。そのため、モータ120に流れる電流の交流成分の振幅も、上記のインダクタンスの値に応じて3段階に変化することになり、且つその振幅変化パターンはモータ120の回転方向により異なる。
このように、本実施形態のモータ120では、回転方向によって交流成分の振幅の変化パターンが異なるため、モータ120の回転状態として、回転角を検出できるのに加え、更に、その変化パターンに基づいて回転方向も検出することができる。
尚、回転方向を検出するためには、第5実施形態のモータ60(図9参照)の場合と同様に、信号処理部25の構成を一部異なるものとする必要がある。即ち、包絡線検波部33からの検波信号に対し、その検波信号の変化パターンに対応した信号を、回転パルスとは別に(或いは回転パルスの一部として)出力できるよう、信号処理部25の構成を一部変更する必要がある。
従って、本実施形態のモータ120によれば、電機子コイル121を構成する各相コイルL1,L2,L3のうち、第1相コイルL1と第3相コイルL3の2つの相コイルに対してそれぞれインダクタンス素子122,123を接続して、各相のインダクタンス値を相毎に異なる値としたことにより、回転に伴って生じる交流成分の振幅の変化パターンが、回転方向によって異なるパターンとなる。そのため、第5実施形態と同様、回転方向を検出できると共に、その回転方向の検出結果に基づいて回転角の検出結果を補正することもできる。
尚、本実施形態では、第1相コイルL1に対してはインダクタンス素子123を直列に、第3相コイルに対してはインダクタンス素子122を並列に接続した例を示したが、これはあくまでも一例であり、双方ともに直列接続にしてもよいし、逆に双方共に並列接続にしてもよい。また、並列接続する際の接続方法として、第10実施形態(図16参照)のように、相コイルの一部と並列に接続するようにしてもよい。更に、3つの相コイルL1,L2,L3全てにインダクタンス素子を接続するようにしてもよい。
[第12実施形態]
次に、第12実施形態の回転検出装置について説明する。図18に示す通り、本実施形態の回転検出装置130は、第1実施形態の回転検出装置1(図1参照)と比較して、主に次の2点で相違している。
まず1つは、モータ2の外部において、このモータの各ブラシ18,19間に、所定の静電容量値のコンデンサC(本発明の静電容量素子に相当)が接続されていることである。もう1つは、回転信号検出部131内の信号処理部132の構成である。より詳しくは、第1実施形態の回転信号検出部4内の信号処理部25では、検出された電流から交流成分を抽出するためにHPF31(図4参照)を備えていたのに対し、本実施形態では、そのHPF31に代えてバンドパスフィルタ(BPF)(図示略)を備えている。
モータ2自体は、電気的に見れば等価的に1つのインダクタンス素子とみることができる。そのため、本実施形態の回転検出装置130では、モータ2とこれに並列に接続されたコンデンサCにより、いわゆる並列共振回路が構成されている。そして、電流検出部24は、この並列共振回路を流れる電流、即ち電源部3からこの並列共振回路を経て流れる電流を検出する。
また、既述の通り、モータ回路全体のインダクタンス(即ち、モータ2の各ブラシ18,19間のインダクタンス)は、モータ2が180°回転する間に二段階に変化する。そのため、モータ2及びコンデンサCからなる並列共振回路のインピーダンスも、モータ2が180°回転する間に二段階に変化することとなる。
図19(a)に、本実施形態における上記並列共振回路のインピーダンスの周波数特性を示す。図19(a)に示す通り、本実施形態では、モータ回路の二種類の状態(状態A,B。図2参照。)毎に異なる周波数特性となっている。そしていずれも、特定の周波数(共振周波数)でインピーダンスが最大となる共振特性となっている。
モータ回路における二種類の状態のうち、凸部13にロータコア20が対向している状態Aでは、ロータコア20が凸部13に対向していない状態Bに比べて、モータ回路のインダクタンスは大きい。一方、並列共振回路の共振周波数は、周知の通り、モータ回路のインダクタンス値が大きいほど低くなる。そのため、状態Aの場合の共振周波数faは、状態Bの場合の共振周波数fbよりも低い。
比較のため、モータ2単体でのモータ回路のインピーダンスの周波数特性を、図19(b)に示す。図19(b)に示す通り、モータ2単体では、モータ回路のインピーダンスは周波数に比例する。即ち、周波数が高くなるほどインピーダンスは大きくなる。そして、状態Aの場合のインピーダンスの方が状態Bの場合のインピーダンスよりも大きい。
これに対し、本実施形態の回転検出装置130では、モータ2の外部にコンデンサCが並列接続されることにより並列共振回路が形成されていることから、図19(a)に示すように、共振周波数より高い周波数帯域においては、周波数が高くなるほど並列共振回路のインピーダンスは小さくなる。また特に、状態Bの場合における共振周波数fbよりも高い周波数帯域では、状態Bの方が状態Aよりもインピーダンスが大きく、しかもその差(状態Aと状態Bのインピーダンス差)は大きい。モータ2単体の場合にインピーダンスの差を大きくとるためには、周波数を高くする必要がある。
このような周波数特性の違いにより、本実施形態の回転検出装置130では、第1実施形態の回転検出装置1と比べて、電源部3から重畳される交流電流の振幅を大きくとることができる。
即ち、図19(a)に示した通り、状態Bの場合の共振周波数fbよりも高い周波数帯域においては、周波数が高いほどインピーダンスは小さくなる。そして、インピーダンスが小さくなるほど、交流電流の振幅も大きくなる。そのため、回転信号検出部131では、振幅の大きな交流電流を検出することができ、その交流電流に基づいて高い精度で回転パルスを生成することができる。
そして、本実施形態では、電源部3の交流成分生成部7から、周波数f1の正弦波状の交流電圧が生成される。そのため、電流検出部24にて検出される電流にも、周波数f1の正弦波状の交流成分が重畳されることとなる。この周波数f1は、図19(a)に示すように、状態Bにおける共振周波数fbよりも高い所定の周波数である。
図20に、本実施形態の回転検出装置130において電流検出部24で検出される電流の波形を示す。図20に示すように、電流検出部24で検出される電流は、並列共振回路のインピーダンスが小さくなる状態Aの場合は交流成分の振幅が大きくなり、逆にインピーダンスが大きくなる状態Bの場合は交流成分の振幅が小さくなる。
そして、信号処理部132では、電流検出部24で検出した電流から、BPFによって、周波数f1を含む所定の周波数成分(即ち交流成分)を抽出する。そして、その抽出した交流成分に対し、第1実施形態と同様の処理(増幅、包絡線検波、閾値との比較など)を経て、回転パルスが生成される。
なお、本実施形態では、信号処理部132においてBPFを用いて交流成分を抽出したが、第1実施形態と同様にHPFを用いて交流成分を抽出するようにしてもよい。
従って、本実施形態の回転検出装置130によれば、モータ2とコンデンサCとによって並列共振回路が構成されているため、交流成分の周波数が高くなってもその振幅が小さくなるのを防ぐことができ、しかも回転に伴う振幅の変化を大きく生じさせることもできる。そのため、回転角等の検出精度をより高くすることが可能となる。
[第13実施形態]
次に、第13実施形態の回転検出装置について説明する。図21に示す通り、本実施形態の回転検出装置140は、第1実施形態の回転検出装置1(図1参照)と比較して、主に次の3点で相違している。
まず1つは、検出対象のモータが、第8実施形態で説明したモータ90(図12参照)、即ち第3相コイルL3と並列にインダクタンス素子92が接続されたモータであることである。第8実施形態で図13を用いて説明した通り、モータ90は、回転に伴ってモータ回路の状態が三種類に変化し、これによりモータ90のインダクタンスは、180°回転する間に二段階に変化する。即ち、状態E(E’)及び状態F(F’)の場合はインダクタンスが大きく、状態G(G’)の場合はインダクタンスが小さい。
2つ目の相違点は、このモータ90の外部において、上記の第12実施形態(図18等参照)と同様、このモータ90の各ブラシ18,19間にコンデンサCが接続されていることである。即ち、本実施形態においても、上記第12実施形態と同様、モータ90とこれに並列に接続されたコンデンサCによって並列共振回路が構成されている。そして、電流検出部24は、この並列共振回路を流れる電流、即ち電源部141からこの並列共振回路を経て流れる電流を検出する。
上記の通り、モータ90のインダクタンスは180°回転する間に二段階に変化するため、このインダクタンスの変化に伴い、並列共振回路のインピーダンス(共振特性)も二段階に変化する。即ち、モータ90のインダクタンスが大きい場合には共振周波数が低くなり、モータ90のインダクタンスが小さい場合には共振周波数が高くなる。
3つ目の相違点は、電源部141の構成である。より詳しくは、第1実施形態の電源部3では交流成分生成部7にて正弦波状の交流電圧を生成したが、本実施形態の電源部141では、交流成分生成部にて、図22(a)の上段に示すような方形波状の交流電圧を生成する。そのため、カップリングコンデンサC1を介して出力(重畳)される交流電流は、図22(a)の下段に示すような、略インパルス状の波形となる。
尚、常に図22(a)に示すような略インパルス状の電流波形となるわけではなく、モータ90の回転角や、モータ90以外の他の回路等の回路定数などによって変化する。
交流成分生成部にて生成される交流電圧が正弦波である場合にモータ電流に含まれる交流成分と、方形波である場合にモータ電流に含まれる交流成分は、双方の電圧の振幅を同一とした場合、図22(b)に示すように、ピーク値が大きく異なる。即ち、正弦波状の交流電圧を生成してカップリングコンデンサC1を介して重畳した場合のモータ電流に含まれる交流成分のピーク値よりも、方形波状の交流電圧を生成してカップリングコンデンサC1を介して重畳した場合のモータ電流に含まれる交流成分のピーク値の方が大きい。
そのため、同一振幅の交流電圧を生成してカップリングコンデンサC1を介して出力する場合、正弦波よりも方形波の方が、出力される交流電流の振幅を大きくとることができ、これにより回転角等の検出を高精度に行うことができる。
更に、方形波状の電圧を生成してカップリングコンデンサC1を介して重畳するようにすると、重畳される交流電流が図22(a)の下段に示すような略インパルス状となることから、その交流電流には、方形波状の電圧の周波数である基本波周波数f1の他に高次の高調波成分も含まれる。
具体的には、図23(a)の周波数スペクトルに示すように、基本波周波数f1の他、その基本波周波数f1のn倍(nは2以上の自然数)の周波数fnであるn倍波(2倍波、3倍波、4倍波、・・・)が含まれる。その中でも特に、基本波成分(f1)及び奇数倍波成分(f3,f5,f7・・・)の電流がより大きくなる。
これに対し、正弦波状の電圧を生成してカップリングコンデンサC1を介して重畳させた場合は、正弦波状の交流電流が重畳されることとなるため、その周波数成分は、図23(b)の周波数スペクトルに示すように、基本的にはその正弦波の周波数(基本波周波数)f1のみである。尚、厳密には周波数f1以外の高調波成分も含まれるが、そのレベルは、方形波状の電圧を生成する場合に生じる高調波成分に比べれば無視し得る程度のレベルである。
このように、本実施形態では、方形波電圧をカップリングコンデンサC1を介して印加させることにより、振幅が大きく且つ高次の高調波成分まで含む交流電流を重畳させるようにしている。また、その交流電流の基本波周波数f1は、並列共振回路の共振周波数よりも高い所定の周波数である。
並列共振回路のインピーダンスは、既述の通り、共振周波数以上の帯域においては周波数が高いほどインピーダンスは小さくなる。そして、インピーダンスが小さくなるほど、交流電流の振幅は大きくなる。そのため、基本波周波数f1の交流成分を含め、高次高調波成分に至るまで、確実に検出することができる。
即ち、コンデンサCのない、モータ90単体の場合には、そのインピーダンスは、図19(b)に示したように、周波数に比例して大きくなる。そのため、重畳される交流電流は、周波数が高いほど流れにくくなり、振幅の変化も検出しにくくなる。
これに対し、コンデンサCが接続されたことにより並列共振回路が構成された本実施形態では、周波数が高くなっても並列共振回路のインピーダンスは小さいため、基本波成分はもちろん、高次高調波成分に至るまで、交流電流を十分なレベルで流すことができ、結果、その振幅の変化も確実に検出することができる。
そして、信号処理部25内のHPF31は、図23(a)に破線で示すように、交流電流の基本波周波数f1よりも低い所定の周波数を遮断周波数として、その遮断周波数以上の周波数帯域の信号が通過可能に構成されている。
このように構成された本実施形態の回転検出装置140において、電流検出部24で検出される電流の波形を、図24に示す。図24に示すように、電流検出部24で検出される電流は、並列共振回路のインピーダンスが小さくなる状態E(E’)、状態F(F’)の場合は交流成分の振幅が大きくなり、逆に並列共振回路のインピーダンスが大きくなる状態G(G’)の場合は交流成分の振幅が小さくなる。
そして、信号処理部25では、電流検出部24で検出した電流から、HPF31によって、基本波周波数f1及び高調波成分(即ち交流成分のほぼ全て)を抽出する。そして、その抽出した交流成分に対し、第1実施形態と同様の処理(増幅、包絡線検波、閾値との比較など)を経て、回転パルスが生成される。
なお、本実施形態では、信号処理部25においてHPF31を用いて交流成分を抽出したが、HPF31に代えてBPFなどの他の種類のフィルタを用いてもよい。
従って、本実施形態の回転検出装置140によれば、モータ90とコンデンサCとによって並列共振回路が構成されているため、交流成分の周波数が高くなってもその振幅が小さくなるのを防ぐことができ、しかも回転に伴う振幅の変化を大きく生じさせることもできる。そのため、回転角等の検出精度をより高くすることが可能となる。
なお、一般にモータを用いるにあたっては、特に中・大型のモータの場合には、回転中に生じるサージの吸収等を目的としてブラシ間にコンデンサを接続することが多い。よって、そのようにサージ吸収等のためにコンデンサを設けることが前提となっている場合には、それに加えてモータ側に工夫を加える(つまり回転に伴ってインダクタンスが周期的に変化するようにする)ことで、本実施形態のように高精度で回転角等の検出を可能とすることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、第1〜第5、第7実施形態では、1箇所の磁石間領域に対して凸部を1つのみ設ける構成であったが、1箇所の磁石間領域に複数の凸部を設けてもよい。更に、第1〜第7実施形態において、複数の磁石間領域のうちどの磁石間領域に凸部を設けるかについても適宜決めることができ、全ての磁石間領域に凸部を設けるようにしてもよいし、一又は複数の特定の磁石間領域にのみ凸部を設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、モータの構成として、ハウジング側に凸部を設けることによりインダクタンスの変化が生じるようにした構成(第1〜第7,第12実施形態)と、モータ内部にインダクタンス素子を接続することによりインダクタンスの変化が生じるようにした構成(第8〜第11,第13実施形態)とをそれぞれ別々に例示したが、1つのモータにおいて上記2つの構成を混在させてもよい。つまり、ハウジング側に凸部を設けると共にモータ内部にインダクタンス素子を接続したモータであってもよい。
また、上記実施形態では、モータにおける各相コイルL1,L2,L3がΔ結線されている構成を例示したが、Δ結線に限らず、各相コイルL11,L12,L13がスター結線されたモータであっても、本発明を適用できる。スター結線されたモータに対して、第8実施形態のようにインダクタンス素子を接続する場合は、具体的には、例えばスター結線された各相コイルのうちいずれか1つの相コイルと並列又は直列にインダクタンス素子を接続したり、その1つの相コイルにおける一部と並列になるようにインダクタンスを接続したり、複数の相コイルそれぞれにインダクタンス素子を接続したり、何れか2つの整流子片間にインダクタンス素子を接続したりすることが考えられる。もちろんこれらはあくまでも一例であり、結果として、回転に伴ってモータのインダクタンスが周期的に変化する限り、種々の構成を採ることができる。
また、上記第12,第13実施形態では、モータの外部においてブラシ間にコンデンサCを接続し、これによりこのコンデンサCとモータ回路との並列共振回路を形成するようにしたが、一般に、モータを駆動するにあたっては、既述の通りブラシと整流子片との切り替わり時に発生するノイズ(サージ)を減少させるためにブラシ間にコンデンサを接続する場合が多い。そのため、そのようにノイズ除去用のコンデンサを有する構成の場合は、そのコンデンサをそのまま、上記第12,第13実施形態におけるコンデンサCとしても利用することができる。
また、モータの回転の過程では、隣接する2つの整流子片に一つのブラシが同時に接触する切り替わり期間が存在し、この切り替わり期間においてもブラシ間のインダクタンスが変化する。この切り替わり期間は、モータが一回転する間において瞬間的に生じるのみであり、これに伴うインダクタンスの変化も瞬間的なものである。そのため、上記各実施形態では、この切り替わり期間については考慮しない(無視する)こととした。
但し、瞬間的ではあるものの、上記切り替わり期間においてインダクタンスの変化が生じることは確かであるため、そのインダクタンスの変化によって生じる、交流成分の振幅の変化(瞬間的な変化)を利用して、回転角等を検出することもできる。つまり、上記各実施形態のように、ハウジング側に凸部を設けたり、或いはモータ内部にインダクタンス素子を設けたりすることなく、単に上記切り替わり期間におけるインダクタンスの変化を利用して、回転角等の検出をすることも可能である。
また、上記実施形態では、電機子コイルの相数が3相の直流モータを例に挙げて説明したが、本発明の適用は、3相のモータに限定されるものではなく、4相以上のモータであっても適用可能である。
モータの極数についても同様であり、上記実施形態では2つの磁石11,12からなる2極のモータを示したが、例えば4極或いは6極など、2極以外の極数の直流モータであっても本発明を適用可能である。
つまり、相数や極数、さらにはスロット数など、モータの構成如何にかかわらず、回転に伴ってモータ回路のインダクタンス(インピーダンス)が周期的に変化するよう構成されたモータであれば、その周期的な変化に基づいて回転角等の回転状態を検出することができる。
また、検出すべき回転状態も適宜設定することができる。即ち、モータの回転角、回転速度、及び回転方向のうち少なくとも何れか1つを検出可能な回転検出装置を適宜構成することができる。
また、上記実施形態では、電源部3として、直流電源6と交流成分生成部7とを別々に設け、双方からの出力電圧をカップリングコンデンサC1を介して重畳させてモータへ印加するようにしたが、このような電源構成はあくまでも一例である。
例えば、直流電圧と交流電圧とが重畳された交直混在の電圧を生成する1つの電源装置を用いても良いし、また例えば、トランスを用いた磁気結合によって交流電圧を重畳させたり或いは無線(電波)によって交流電圧を重畳させるようにしてもよく、結果としてモータに流れる電流に交流成分を含ませることができる限り、電源部3の具体的構成は特に限定されない。交流成分生成部にて生成する電圧についても、上述した正弦波や方形波はあくまでも一例である。
1,130,140…回転検出装置、2,30,40,50,60,70,80,90,100,110,120…モータ、3,141…電源部、4,131…回転信号検出部、5…回転検出部、6…直流電源、7…交流成分生成部、8…スイッチ、10,51,81…ハウジング、11,12,41〜44…磁石、13,29,46〜49,52…凸部、15,91,101,111,121…電機子コイル、16…回転軸、17…整流子、18,19…ブラシ、20…ロータコア、21…第1ティース、22…第2ティース、23…第3ティース、24…電流検出部、25,132…信号処理部、26…第1整流子片、27…第2整流子片、28…第3整流子片、31…ハイパスフィルタ、32…増幅部、33…包絡線検波部、34…閾値設定部、35…コンパレータ、36…回転パルス生成部、61,82…傾斜凸部、71…第1凸部、72…第2凸部、92,102,112,122,123…インダクタンス素子、C1…カップリングコンデンサ、L1…第1相コイル、L2…第2相コイル、L3…第3相コイル、R1…電流検出抵抗

Claims (15)

  1. 内周面においてその周方向に界磁発生用の複数の磁石が固定されたハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられ、複数の相コイルからなる電機子コイルを有するロータコアと、
    前記電機子コイルが接続される複数の整流子片を有する整流子と、
    前記整流子に摺接する少なくとも一対のブラシと、
    を有する直流モータを備え、
    前記直流モータの回転状態を検出する回転検出装置であって、
    直流電圧に交流電圧が重畳された電源電圧を前記一対のブラシ間に印加する電源手段と、
    前記一対のブラシ間に流れる電流又は該電流が流れる通電経路上の電圧を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段が検出した前記電流又は前記電圧の交流成分の振幅変化に基づいて前記直流モータの回転角又は回転方向の少なくとも一方を検出する回転状態検出手段と、
    を備え、
    前記直流モータは、回転に伴って前記一対のブラシ間のインダクタンスが周期的に変化するよう構成されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  2. 請求項1に記載の回転検出装置であって、
    前記直流モータは、前記ハウジングの内周面の周方向における前記各磁石の間の領域である磁石間領域のうち少なくとも1箇所に、該内周面から径方向内側へ突出するように設けられた軟磁性の凸部を少なくとも1つ備えている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  3. 請求項2に記載の回転検出装置であって、
    前記凸部は、少なくとも2箇所の前記磁石間領域にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  4. 請求項3に記載の回転検出装置であって、
    前記凸部は、前記径方向において互いに対向する位置関係にある2箇所の前記磁石間領域を一組として、少なくとも一組の前記磁石間領域にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  5. 請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記凸部は、前記直流モータの回転方向によって前記インダクタンスの変化パターンが異なるように設けられており、
    前記回転状態検出手段は、前記交流成分の振幅の変化パターンに基づいて前記直流モータの回転方向を検出するよう構成されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  6. 請求項5に記載の回転検出装置であって、
    少なくとも1箇所の前記磁石間領域に設けられた前記凸部は、該凸部と前記ロータコアの外周面とのギャップが前記周方向において変化するよう、且つ、該変化のパターンが前記周方向のうち一方の方向と他方の方向とで異なるような形状に形成されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  7. 請求項5に記載の回転検出装置であって、
    少なくとも1箇所の前記磁石間領域には、透磁率の異なる少なくとも2つの凸部が前記周方向に並んで配置されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  8. 請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記凸部の少なくとも1つは、前記ハウジングを前記径方向内側へ突出させることにより形成されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  9. 請求項〜請求項8の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記凸部は、前記周方向において、前記磁石と所定の間隔を隔てて設けられている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  10. 請求項1に記載の回転検出装置であって、
    前記直流モータは、少なくとも1つの前記相コイルに対し、該相コイルの一部又は全部と並列に、又は該相コイルと直列に接続された、インダクタンス素子を備えている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  11. 請求項10に記載の回転検出装置であって、
    少なくとも2つの前記相コイルにそれぞれ前記インダクタンス素子が接続され、該各相における、前記相コイル及びこれに接続された前記インダクタンス素子による合成インダクタンスが、該各相毎に異なる値となるよう構成されており、
    前記回転状態検出手段は、前記交流成分の振幅の変化パターンに基づいて前記直流モータの回転方向を検出するよう構成されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  12. 請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記直流モータは、3つの前記相コイルからなる前記電機子コイルを有している
    ことを特徴とする回転検出装置。
  13. 請求項11に記載の回転検出装置であって、
    前記直流モータは、3つの前記相コイルからなる前記電機子コイルを有し、
    前記インダクタンス素子は、2つの前記相コイルにそれぞれ接続されている
    ことを特徴とする回転検出装置。
  14. 請求項1〜請求項13の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記直流モータの外部において前記一対のブラシ間には所定の静電容量値の静電容量素子が接続され、該静電容量素子と前記直流モータとによって並列共振回路が形成されており、
    前記通電検出手段は、前記並列共振回路に流れる電流、又は該電流が流れる通電経路上の電圧を検出する
    ことを特徴とする回転検出装置。
  15. 請求項1〜請求項14の何れか1項に記載の回転検出装置であって、
    前記電源手段は、
    前記直流電圧を生成する直流電源と、
    前記交流電圧を生成する交流電源と、
    前記直流電源で生成された直流電圧に前記交流電源で生成された交流電圧を重畳させる重畳手段と、
    を備えていることを特徴とする回転検出装置。
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