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JP4946392B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはこれらの複合機等の電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、例えば下記特許文献1において、用紙がローラ対型の定着装置のニップ部を通過した直後に、用紙のトナー像定着面に冷却ファンによって空気を吹き付けて用紙および定着トナー像を冷却し、これにより排紙トレイ上で順次に積載収容される用紙の裏面にその下の用紙表面のトナーが接着してしまうのを防止するようにした、定着装置が開示されている。
また、一般に、用紙に付着しているトナー像を熱と圧力とによって溶融定着させる定着装置を通過した用紙には、用紙の含水率や定着温度等の要因によってカールが発生しやすいことが知られている。
特開平5−150677号公報
上記のように、定着後の用紙にファンによって空気を吹き付けて冷却する場合、吹き付けられる空気は用紙の全面にわたって一様に吹き付けられて均一に冷却されるようにするのが好ましい。そのためには、吹き付けられる空気流の幅が、使用される用紙の長手方向幅よりも広く形成される必要がある。このことは、複数のファンまたはラインフローファンを用いることによって実現可能であるが、複数個のファンを設けたり或いはラインフローファンを用いると、コストが高くなる。したがって、最小限数(できれは1つ)のファンで前記目的を達成できるようにすることが望まれる。
また、特許文献1に開示される定着装置にように、定着装置を通過した直後に用紙を冷却すると、用紙に発生しているカール状態が固定化されてしまうことになる。このようにカールした用紙が排紙トレイ上に連続して多数排出されていくと、きれいに整列された状態で用紙が積載されることができずに積載収容性が悪化したり、或いは、カール状態が大きい場合には用紙が丸まって排出順に積載されずに排紙トレイ上で散乱した状態も起こり得る。
そこで、本発明は、上記問題点を解消すべく、最小限数のファンで定着後の用紙を均一に冷却できるようにするとともに、定着後の用紙のカールを是正または解消することができる、画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本願の第1の発明は、定着装置を通過した直後の用紙を搬送する第1搬送部と、該第1搬送部から用紙搬送方向に沿って延伸する用紙搬送経路と、前記第1搬送部に対して前記用紙搬送方向の下流側において前記用紙を搬送するために前記用紙搬送経路に設けられた第2搬送部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路を搬送される用紙に対して前記用紙空気を吹き付けるためのファンとを備えた画像形成装置であって、
前記ファンは吹き付けダクトに取り付けられており、前記吹き付けダクトは、前記ファンから吹き出された空気を前記用紙に吹き付けるように前記用紙搬送経路に対向する吹き付け開口部と、前記ファンから吹き出された空気がぶつかってその流れ方向を屈折させて前記吹き付け開口部側へ導く第1誘導壁部と、前記第1誘導壁部に沿って流れてきた空気がぶつかってその流れ方向をさらに屈折させて前記吹き付け開口部へと導く第2誘導壁部とを有することを特徴とするものである。
また、本願の第2の発明は、前記第1の発明の画像形成装置において、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路は、前記定着装置を通過することにより生じる用紙のカール方向とは逆方向に湾曲する湾曲ガイド部材によって形成され、前記吹き付け開口部から吹き付けられる空気が前記用紙を前記湾曲ガイド部材に押し付ける方向にぶつかるように前記吹き付け開口部が対向していることを特徴とする。
本願の第3の発明は、前記第2の発明の画像形成装置において、前記吹き付け開口部から吹き出された空気が用紙にぶつかった後に前記第2搬送部側に流れるように前記吹き付け開口部まで延びる前記第2誘導壁部が方向づけられていることを特徴とする。
本発明の第4の発明は、前記第1の発明の画像形成装置において、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路から用紙反転経路が分岐しており、その分岐位置には所定の角度範囲で回動可能な切替ガイドが配置され、該切替ガイドによって前記用紙搬送経路から前記用紙反転経路に導入された用紙をスイッチバックさせる第3搬送部が前記用紙反転経路に設けられており、前記吹き付け開口部は、空気流が通過可能に構成された前記切替ガイド部材に対向して配設されていることを特徴とする。
本願の第5の発明は、前記第4の発明において、前記切替ガイド部材が用紙を前記用紙反転経路に導入するように回動した状態にあるとき、前記用紙反転経路が前記定着装置を通過することにより生じる用紙のカール方向とは逆方向に湾曲するように前記用紙反転経路が前記切替ガイド部材と反転経路ガイド部材とによって形成され、前記吹き付け開口部から吹き付けられる空気が前記用紙反転経路に導入された用紙を前記切替ガイド部材および前記反転経路ガイド部材に押し付ける方向にぶつかるように前記吹き付け開口部が対向していることを特徴とする。
本願の第6の発明は、前記第5の発明の画像形成装置において、前記吹き付け開口部から吹き出された空気が用紙にぶつかった後に前記第3搬送部側に流れるように前記吹き付け開口まで延びる前記第2誘導壁部が方向づけられていることを特徴とする。
本願の第7の発明は、前記第4の発明の画像形成装置において、前記切替ガイド部材は、前記吹き付け開口部から吹き出された空気が前記用紙搬送経路に届くように空気通過空間を含んで構成されることを特徴とする。
本願の第8の発明は、前記切替ガイド部材が櫛歯状に構成されていることを特徴とする。
本願発明(特に第1の発明)では、ファンから吹き出された空気流を第1誘導壁部および第2誘導壁部にそれぞれぶつけて2回屈折させていることによって、前記空気流は前記各誘導壁部にぶつかって吹き付けダクト内で拡張された空気流となって前記吹き付け開口部から幅広の空気流となって用紙搬送経路に吹き出される。これにより、用紙搬送経路を搬送されるトナー定着済み用紙は、その全体に一様に吹き付けられる空気によって均一に冷却されることができる。したがって、本発明によれば、排紙トレイ上に連続排出される用紙間でのトナー接着を防止すべくトナー定着済み用紙を排出前に冷却するにあたって、最小限数(例えば1つ)のファンで用紙を均一に冷却でき、コストを抑制できるとともに、ファンの騒音および消費電力の面でも有利である。
また、本願発明(特に、第2の発明)によれば、用紙のカール方向と反対方向に湾曲した湾曲ガイド部材に、トナー像定着済み用紙を押し付ける方向に空気を吹き付けるようにしたことで、湾曲ガイド部材に接触しつつ搬送される過程でカール状態が是正または解消され、且つ、カール状態が是正または解消された状態で冷却されて固定化される。これにより、環境条件等の変化によって定着装置を通過した用紙にカールが発生しても、排紙トレイ上での用紙の整列性能および積載収容性能を維持または向上させることができる。
以下に、本願発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本願発明の第1実施形態である画像形成装置10の全体構成を概略的に示す。画像形成装置10は、装置内部の略中央に中間転写ベルト12を備えている。無端シート状をなす中間転写ベルト12は、内側に配置された4つの回転可能なローラの各外周部に支持されて掛け渡されており、例えばローラ14がモータ(不図示)によって回転駆動されることにより、矢印A方向に回転するようになっている。
中間転写ベルト12の水平方向に延伸する下部の下には、中間転写ベルト21の回転方向上流側から順に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色トナーにそれぞれ対応する4つのイメージングユニット22Y、22M、22C、22Kが水平方向に横並びで配置されている。ブラック用イメージングユニット22Kは、頻度が多いモノクロプリントに対する高耐久性能をもたせるために、他のイメージングユニット22Y、22M、22Cよりも大きく構成されている。また、各イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kの下方には、露光装置23が配設されている。
イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kは、それぞれ、ドラム状の感光体24と、感光体24の表面を均一帯電させる帯電器26と、均一帯電された感光体24の表面に前記露光装置23からのレーザL(Y)、L(M)、L(C)、L(K)の照射によって形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像とする現像器28と、を有している。イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kの感光体24は、中間転写ベルト24にそれぞれ接触している。また、各イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kに対応して、感光体24との間で中間転写ベルト12を挟むようにして4つの一次転写ローラ30が回転可能にそれぞれ設けられている。
中間転写ベルト12の上方には、前記4色のトナーにそれぞれ対応する4つのトナーボトル32が横並びで配列されている。各色のトナーは、現像器28内のトナー残量に応じて、各トナーボトル32から対応するイメージングユニット22Y、22M、22C、22Kの現像器28にそれぞれ不図示の供給路を経て供給されるようになっている。
中間転写ベルト12のローラ14で支持されている部分には、二次転写ローラ34が圧接されており、中間転写ベルト12と二次転写ローラ34との接触部が二次転写ニップ部36になっている。また、二次転写ローラ34の上方には、トナーの溶融温度以上に加熱される定着ローラ37aとこれに圧接される加圧ローラ37bとを含むローラ対型の定着装置37が配置されており、定着ローラ37aと加圧ローラ37bとの接触部が定着ニップ部になっている。
なお、定着ローラ37aの加熱方式は、ヒータ加熱型でもよいし、誘導加熱型でもよい。また、ローラ対型以外の例えばベルト式の定着装置であってもよい。
中間転写ベルトのローラ16で支持されている部分には、クリーニング装置38が接触配置されており、これによりトナー像の二次転写後に中間転写ベルト12上に残ったトナーを回収するようになっている。
画像形成装置10の下部には、給紙部40が設けられている。給紙部40に積載収容された用紙(不図示)は、給紙ローラ42の回転によって、最上部のものから1枚ずつ給紙部40から送り出されることになる。
給紙部40からは、用紙搬送経路44が上方に向かって延伸している。用紙搬送経路44は、用紙搬送方向に沿って順に、搬送ローラ対46、48の各ニップ部、タイミングローラ対50にニップ部、前記二次転写ニップ部36、および、定着装置37の定着ニップ部を経由している。
さらに、用紙搬送経路44は、定着装置37を通過した直後の用紙を搬送する搬送ローラ対(第1搬送部)52のニップ部から、画像形成装置10の上面に設けられた排紙トレイ11上に用紙を排出するための排紙ローラ対(第2搬送部)54までつながっている。搬送ローラ52と排紙ローラ54との間の用紙搬送経路44の両側のガイド部材のうちの一方は、定着装置37を通過することにより生じる用紙のカール方向とは逆方向に湾曲する湾曲ガイド部材45によって構成されている。
ここでの用紙のカール方向は、用紙が定着装置37を通過した際に、定着ローラ37a側に凸状で加圧ローラ37b側が凹状となるように用紙が湾曲するカール方向を仮定している。また、本実施形態では排紙ローラ対54を本願発明の第2搬送部としているが、前記第2搬送部は排紙ローラ対以外の別の搬送手段(ローラ対またはベルト)であってもよい。
前記用紙搬送経路44からは、搬送ローラ対52の上方において用紙反転経路60が分岐している。用紙反転経路60は、分岐位置から下方に向かって延伸し、搬送ローラ対62、64、66、68の各ニップ部を経由して、タイミングローラ対50の下方で用紙搬送経路44に合流している。用紙反転経路60は、両面プリント時に使用されるものである。すなわち、表面にトナー像が定着された用紙は、排紙ローラ対54が用紙の一部を画像形成装置外部に送り出された後に逆転駆動されることでスイッチバックして用紙反転経路60に導入される。その後、用紙は、搬送ローラ対62、64、66、68によって用紙反転経路60を下方に搬送され、用紙搬送経路44およびタイミングローラ対50を経由して再び二次転写ニップ部36に送り込まれ、これにより用紙の裏面にトナー画像が転写されることになる。
用紙搬送経路44および用紙反転経路60を形成する両側のガイド(湾曲ガイド部材45を含む)は、搬送される用紙をガイドする機能を果たすものであればどのように構成されてもよく、例えば金属製または樹脂製の1枚物の平板や、互いに間隔をおいてそれぞれ平行に配置されて用紙搬送方向に沿って細長く延伸する例えば金属性または樹脂製の複数の棒状部材または帯状部材で構成されてもよい。
搬送ローラ対52と排紙ローラ対54との間の用紙搬送経路44の上には、例えば1つのファン71が上面に取り付けられた吹き付けダクト70が配設されている。ファン70が駆動されることによって、吸引口78から装置内部に取り込まれた空気が吹き付けダクト70内に吹き出されるようになっている。吹き付けダクト70は、奥行き方向(図1紙面に対して垂直方向)に延伸しており、前記ファン71の取付部および後述する吹き付け開口部74以外は各壁部によって閉鎖されたダクト形状をなしている。
吹き付けダクト70は、ファン71から吹き出された空気を、搬送ローラ対52および排紙ローラ対54間の用紙搬送経路44において用紙に吹き付けるための吹き付け開口部72を有している。吹き付け開口部72は、搬送ローラ対52よりも排紙ローラ対54に近い位置で、用紙搬送経路44を形成する湾曲ガイド部材44に対向している。また、吹き付け開口部72は、用紙搬送方向と直交する方向の用紙幅以上の奥行き方向の長さを有している。
吹き付けダクトはさらに、ファン71から吹き出された空気がぶつかってその流れ方向を屈折させて吹き付け開口部72側へ導く第1誘導壁部74と、第1誘導壁部74に沿って流れてきた空気がぶつかってその流れ方向をさらに屈折させて吹き付け開口部72へと導く第2誘導壁部76とを有する。下端縁部が吹き付け開口部72を形成している第2誘導壁部76は、吹き付け開口部72から用紙搬送経路44に吹き出された空気が用紙にぶつかった後に排紙ローラ対54側に流れるように、方向づけられている。具体的には、第2誘導壁部76は、吹き付け開口部72から空気が用紙に対して例えば45度の角度で吹き付けられるように、排紙ローラ対54にほぼ向かう方向に沿って左下がりに傾斜して設けられている。
続いて、前記構成からなる画像形成装置10の画像形成動作について説明する。
例えばパソコン等の外部装置からプリント信号および画像データを受信すると、画像形成動作が開始される。カラー画像の場合、前記画像データは制御部(不図示)において各色用データに分割処理された後に露光装置23に入力される。
各イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kでは、図1において時計回り方向に回転駆動されている感光体24の表面が帯電器26によって均一帯電された後、露光装置23から各色画像データに応じたレーザL(Y)、L(M)、L(C)、L(K)の露光を受けることによって静電潜像が形成される。その後、前記静電潜像は現像器28によって現像されてトナー像となる。各イメージングユニット22Y、22M、22C、22Kにおいて感光体24上にそれぞれ形成されたトナー像は、一次転写バイアスが印加された一次転写ローラ30の静電吸着作用によって、中間転写ベルト12上に順次に重ね合わされた状態に一次転写される。
なお、画像データがモノクロ画像である場合には、ブラック用イメージングユニット22Kのみが作動してトナー像が形成されて中間転写ベルト12上に一次転写される。
給紙部40から給紙ローラ42によって用紙搬送経路44に送り出された用紙は、その先端部がタイミングローラ対50によってニップされた状態で待機しており、中間転写ベルト12上に転写された4色トナー像が中間転写ベルト12の回転にしたがって二次転写部36に到達するのに同期して、タイミングローラ対50によって二次転写部36に導入される。このとき、二次転写ローラ34には二次転写バイアスが印加されているため、その静電吸着作用によって中間転写ベルト12上の4色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
トナー像が転写された用紙は、定着装置37の定着ニップ部を通過する際に、熱と圧力の作用によってトナー像が溶融定着される。このとき、定着装置37を通過した用紙には、定着ローラ37a側に凸状で加圧ローラ37b側が凹状となるカールが生じる。その後、用紙は、搬送ローラ対52および排紙ローラ対54によって用紙搬送経路44を搬送されて、排紙トレイ11上に排出される。
定着装置37を通過した用紙が搬送ローラ対52と排紙ローラ対54との間の用紙搬送経路44を搬送される過程において、ファン71の作動によって吹き付け開口部72から吹き出される空気が、用紙上面に吹き付けられる。これにより、用紙は、湾曲ガイド部材45に押し付けられながら用紙搬送経路44を搬送されることになる。また、吹き付け開口部72から吹き付けられて用紙上面にぶつかった空気は、排紙ローラ54側に流れ、搬送ローラ対52の方向には流れない。
上述したように、本実施形態の画像形成装置10では、ファン71から吹き付けダクト70内に吹き出された空気流を第1誘導壁部74および第2誘導壁部76にそれぞれぶつけて2回屈折させていることによって、前記空気流は各誘導壁部74、76にぶつかって吹き付けダクト70内で拡張された空気流となって吹き付け開口部72から幅広の空気流となって用紙搬送経路44に吹き出される。これにより、用紙搬送経路44を搬送されるトナー定着済み用紙は、その全体に一様に吹き付けられる空気によって均一に冷却されることができる。したがって、本実施形態の画像形成装置10によれば、排紙トレイ11上に連続排出される用紙間でのトナー接着を防止すべくトナー定着済み用紙を排出前に冷却するにあたって、最小限数(例えば1つまたは2つ)のファン71で用紙を均一に冷却でき、コストを抑制できるとともに、ファンの騒音および消費電力の面でも有利である。
また、用紙のカール方向と反対方向に湾曲した湾曲ガイド部材45に、トナー像定着済み用紙を押し付ける方向に空気を吹き付けるようにしたことで、湾曲ガイド部材45に接触しつつ搬送される過程で用紙のカールが是正または解消され、且つ、カールが是正または解消された状態で冷却されて固定化される。これにより、環境条件等の変化によって定着装置37を通過した用紙にカールが発生しても、排紙トレイ11上での用紙の整列性能および積載収容性能を維持または向上させることができる。
さらに、吹き付け開口部72から吹き付けられて用紙上面にぶつかった空気が排紙ローラ54側に流れるようにしたことで、この空気流によって搬送ローラ対52が冷却されてしまうことはない。このようにした理由は、搬送ローラ対52が冷却されて温度が低下すると、定着装置37を通過した直後の昇温したカール状態にある用紙が搬送ローラ対52で冷やされることによってカールが固定化されてしまって、湾曲ガイド部材45によるカール是正効果が小さくなるからである。
次に、図2ないし4を参照して本願発明の第2実施形態の画像形成装置10aについて説明するが、第1実施形態の画像形成装置10と同一構成部材には同一符号を付して上記を援用することとし、ここでは前記画像形成装置10と異なる点を主として説明する。
本実施形態の画像形成装置10aにおいて、用紙搬送経路44は、搬送ローラ対52の上方において分岐しており、その分岐路として、排紙ローラ対54の上方近傍に配設されたスイッチバックローラ対(第3搬送部)82へとつながる用紙反転経路60が形成されている。用紙搬送経路44と用紙反転経路60との分岐位置には、切替ガイド部材86が支軸88を中心に所定角度範囲内で回動可能に設けられている。切替ガイド部材86が図2に示す状態にあるとき、用紙搬送経路44に沿って上方へ搬送されてきた用紙は、切替ガイド部材86の下面86aによってガイドされて排紙ローラ対54へと導かれることになる。
一方、切替ガイド部材86が図2に示す状態から所定角度だけ下方へ回動して図3に示す状態になると、用紙搬送経路44を上方へ搬送されてきた用紙が切替ガイド部材86の上面86bによってガイドされて用紙反転経路60およびスイッチバックローラ対82へと導かれることになる。この場合、切替ガイド部材86の上面86bと反転経路ガイド83とが、用紙搬送経路44における湾曲ガイド部材45と同様の機能を果たすことになる。
なお、スイッチバックローラ対82で用紙がスイッチバックされるときに、用紙の搬送方向先端部を含む一部が装置外部に送り出されることになるが、その一部を下方から支持するための支持トレイ84を付設してもよい。
用紙反転経路60は、スイッチバックローラ対57から、搬送ローラ対62、64、66、68の各ニップ部を経由して、タイミングローラ対50の下方で用紙搬送経路44に合流している。
吹き付けダクト70の吹き付け開口部72は、切替ガイド部材86に対向して設けられている。切替ガイド88は、吹き付け開口部72から吹き出された空気流が用紙搬送経路44まで届くように、空気を通過させることができる空間を含んで構成されている。具体的には、例えば図4に示すように、上端縁86aに湾曲面を有し、下端縁に直線面を有するガイド板87を適当な間隔をあけて配列して櫛歯状に構成されており、これにより各ガイド板87の後端部間の空間(図4において符号86の矢印が記されている箇所に相当)を介して空気流が通過可能になっている。なお、隣接するガイド板87間に上下方向に延びる切り欠きや貫通孔を形成することによって、切替ガイド部材86に空気通過可能空間を確保してもよい。
また、本実施形態の画像形成装置10aにおいても、両面プリント時、切替ガイド部材86によって用紙反転経路60に導入された用紙に対して、吹き付け開口部72から吹き付けられてぶつかった空気流はスイッチバックローラ対82側に流れるようになっている。
本実施形態の画像形成装置10においても、前記画像形成装置10と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、ファン71から吹き付けダクト70内に吹き出された空気流を第1誘導壁部74および第2誘導壁部76にそれぞれぶつけて2回屈折させていることによって、前記空気流は各誘導壁部74、76にぶつかって吹き付けダクト70内で拡張された空気流となって吹き付け開口部72から幅広の空気流となって用紙反転経路83および用紙搬送経路44に吹き出される。これにより、用紙反転経路83または用紙搬送経路44を搬送されるトナー定着済み用紙は、その全体に一様に吹き付けられる空気によって均一に冷却されることができる。したがって、本実施形態の画像形成装置10aによれば、排紙トレイ11上に連続排出される用紙間でのトナー接着を防止すべくトナー定着済み用紙を排出前に冷却するにあたって、最小限数(例えば1つまたは2つ)のファン71で用紙を均一に冷却でき、コストを抑制できるとともに、ファンの騒音および消費電力の面でも有利である。
また、用紙のカール方向と反対方向に湾曲した湾曲ガイド部材45、または、切替ガイド部材86の上面および反転経路ガイド83に、トナー像定着済み用紙を押し付ける方向に空気を吹き付けるようにしたことで、湾曲ガイド部材45等に接触しつつ搬送される過程で用紙のカールが是正または解消され、且つ、カールが是正または解消された状態で冷却されて固定化される。これにより、環境条件等の変化によって定着装置37を通過した用紙にカールが発生しても、排紙トレイ11上での用紙の整列性能および積載収容性能を維持または向上させることができる。
さらに、吹き付け開口部72から吹き付けられて用紙上面にぶつかった空気がスイッチバックローラ対82および排紙ローラ54側に流れるようにしたことで、この空気流によって搬送ローラ対52が冷却されてしまうことはない。このようにした理由は、搬送ローラ対52が冷却されて温度が低下すると、定着装置37を通過した直後の昇温したカール状態にある用紙が搬送ローラ対52で冷やされることによってカールが固定化されてしまって、湾曲ガイド部材45によるカール是正効果が小さくなるからである。
なお、本願発明は、タンデム型のカラー画像形成装置に限定されるものではなく、他の形式(例えば4サイクル式)の画像形成装置に適用されてもよい。
第1実施形態の画像形成装置の全体構成図。 第2実施形態の画像形成装置の全体構成図。 図2の切替ガイド部材を下方へ回動させた状態を示す図。 切替ガイド部材の全体斜視図。
符号の説明
10,10a…画像形成装置
37…定着装置
44…用紙搬送経路
45…湾曲ガイド部材
52…搬送ローラ対(第1搬送部)
54…排紙ローラ対(第2搬送部)
60…用紙反転経路
70…吹き付けダクト
71…ファン
72…吹き付け開口部
74…第1誘導壁部
76…第2誘導壁部
82…スイッチバックローラ対(第3搬送部)
86…切替ガイド部材

Claims (8)

  1. 定着装置を通過した直後の用紙を搬送する第1搬送部と、該第1搬送部から用紙搬送方向に沿って延伸する用紙搬送経路と、前記第1搬送部に対して前記用紙搬送方向の下流側において前記用紙を搬送するために前記用紙搬送経路に設けられた第2搬送部と、前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路を搬送される用紙に対して前記用紙空気を吹き付けるためのファンとを備えた画像形成装置であって、
    前記ファンは吹き付けダクトに取り付けられており、前記吹き付けダクトは、前記ファンから吹き出された空気を前記用紙に吹き付けるように前記用紙搬送経路に対向する吹き付け開口部と、前記ファンから吹き出された空気がぶつかってその流れ方向を屈折させて前記吹き付け開口部側へ導く第1誘導壁部と、前記第1誘導壁部に沿って流れてきた空気がぶつかってその流れ方向をさらに屈折させて前記吹き付け開口部へと導く第2誘導壁部とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路は、前記定着装置を通過することにより生じる用紙のカール方向とは逆方向に湾曲する湾曲ガイド部材によって形成され、前記吹き付け開口部から吹き付けられる空気が前記用紙を前記湾曲ガイド部材に押し付ける方向にぶつかるように前記吹き付け開口部が対向していることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記吹き付け開口部から吹き出された空気が用紙にぶつかった後に前記第2搬送部側に流れるように前記吹き付け開口部まで延びる前記第2誘導壁部が方向づけられていることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1搬送部と前記第2搬送部との間の前記用紙搬送経路から用紙反転経路が分岐しており、その分岐位置には所定の角度範囲で回動可能な切替ガイドが配置され、該切替ガイドによって前記用紙搬送経路から前記用紙反転経路に導入された用紙をスイッチバックさせる第3搬送部が前記用紙反転経路に設けられており、前記吹き付け開口部は、空気流が通過可能に構成された前記切替ガイド部材に対向して配設されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記切替ガイド部材が用紙を前記用紙反転経路に導入するように回動した状態にあるとき、前記用紙反転経路が前記定着装置を通過することにより生じる用紙のカール方向とは逆方向に湾曲するように前記用紙反転経路が前記切替ガイド部材と反転経路ガイド部材とによって形成され、前記吹き付け開口部から吹き付けられる空気が前記用紙反転経路に導入された用紙を前記切替ガイド部材および前記反転経路ガイド部材に押し付ける方向にぶつかるように前記吹き付け開口部が対向していることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記吹き付け開口部から吹き出された空気が用紙にぶつかった後に前記第3搬送部側に流れるように前記吹き付け開口まで延びる前記第2誘導壁部が方向づけられていることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記切替ガイド部材は、前記吹き付け開口部から吹き出された空気が前記用紙搬送経路に届くように空気通過空間を含んで構成されることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  8. 前記切替ガイド部材が櫛歯状に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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