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JP4837877B2 - コンタクトレンズ用装着液 - Google Patents

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JP4837877B2 JP2002520832A JP2002520832A JP4837877B2 JP 4837877 B2 JP4837877 B2 JP 4837877B2 JP 2002520832 A JP2002520832 A JP 2002520832A JP 2002520832 A JP2002520832 A JP 2002520832A JP 4837877 B2 JP4837877 B2 JP 4837877B2
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Description

本発明は、コンタクトレンズ用装着液に関する。より詳細にはコンタクトレンズを眼内に装着する際、または眼内に装用中、コンタクトレンズと角膜、眼瞼結膜、眼球結膜等の眼組織との摩擦を低減するための潤滑剤を含み、コンタクトレンズを装着する際に使用するコンタクトレンズ用装着液に関する。
コンタクトレンズは、一般に非含水性コンタクトレンズと含水性コンタクトレンズとに大別される。非含水性コンタクトレンズは、含水性コンタクトレンズと比較して材料が安定であり、例えば、メチルメタクリレートを主成分とするコンタクトレンズ、シリル系メタクリレート又はフッ素系メタクリレートを主成分とする高酸素透過性ハードコンタクトレンズが使用されている。しかし、非含水性コンタクトレンズの装用時には、レンズの材質が硬いために異物感がある。この異物感のため非含水性コンタクトレンズを装用できない人も少なくない。
一方、含水性コンタクトレンズは、ポリヒドロキシエチルメタクリレート又は他の水溶性高分子からなるハイドロジェルであり、前記非含水性コンタクトレンズに比較し異物感が低く、装用感に優れている。しかし、近年VDT(Visual Display Terminal)作業の増加によるまばたきの減少、室内環境の低湿度化に伴って、含水性コンタクトレンズからの水分蒸散が間題となっている。従って、含水性コンタクトレンズにおいても装用時間の経過と共に異物感が上昇する。
上述の異物感は、レンズ材料と眼粘膜又は眼結膜との摩擦から生じると考えられている。これらの摩擦を低減させる方法としては、潤滑剤としての高分子化合物を含む装着液を、レンズ材料と眼粘膜又は眼結膜との間に存在させて摩擦を低減させる方法が提案されている。このような高分子化合物としては、デキストラン又はアラビノガラクタン(特許文献1)、多糖類及びポリビニルアルコール(PVA)の混合物(特許文献2)、パーフルオロカーボン(特許文献3)、PVA及びポリビニルピロリドンと、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースとの混合物(特許文献4)が提案されている。
しかし、これらの装着液は、レンズに滴下直後は潤滑効果を発揮するが、持続性が低いため使用回数を多くする必要がある。
また、上記多糖類(セルロース誘導体)及びPVAの混合物は、分子間で水酸基同士が強い水素結合を形成しているため、分子間内に水分子が入り込めない構造を有しており、従って粉体を直接水に投入すると、粉体の表面だけが水に溶解した凝集粒を形成し、溶解させるために非常に長時間を必要とする。従って、液状の装着液を製造することが困難である。
一方、ホスホリルコリン基を有する重合体を眼科用溶剤関連分野に用いた例として、特許文献5には、コンタクトレンズの防汚染性や親水性を付与するコンタクトレンズ溶液が提案されている。例えば、重量比で1:1の2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとブチルメタクリレートとを重合して得た共重合物(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンによる構成単位と、ブチルメタクリレートによる構成単位とのモル比が3:7)を含む水溶液に、コンタクトレンズを浸漬し、該コンタクトレンズと水との接触角を測定して得た結果より、該共重合体が、コンタクトレンズの装用感を改善しうるであろうことを開示している。また、特許文献6には、ドライアイの予防及び治療剤である眼科用医薬組成物が提案されている。
しかし、これらの文献には、ホスホリルコリン基を有する重合体が、コンタクトレンズと眼組織との摩擦を軽減するという潤滑作用について具体的に摩擦を測定して検討した例は無く、文献に具体的に例示されたホスホリルコリン基を有する重合体では、潤滑性が充分であるとは言えない。更に、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体において、前記潤滑作用を得るためにどのようなファクターが必要であるかについては具体的に検討されていない。
特開昭52−70015号公報 特開昭53−13588号公報 特開昭58−219125号公報 特開昭61−69023号公報 特開平7−166154号公報 特開平10−324634号公報
本発明の目的は、コンタクトレンズの装着時、並びに装用中のコンタクトレンズの異物感を低減することができ、且つコンタクトレンズ装用中の異物感の低減作用が長時間維持できるコンタクトレンズ用装着液を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、アルキル(メタ)アクリル酸エステルとを含む単量体組成物を重合した共重合体において、アルキル(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数と、前記2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン及びアルキル(メタ)アクリル酸エステルによる構成単位の合計量に対する該アルキル(メタ)アクリル酸エステルによる構成単位のモル分率とを、特定なものとし、且つ分子量を制御した共重合体が、コンタクトレンズと眼組織との摩擦を軽減する潤滑作用を有し、且つ安全性にも優れることを見出し本発明を完成した。
本発明によれば、コンタクトレンズ装着時にコンタクトレンズ上に滴下して使用するコンタクトレンズ用装着液であって、
式(1)で示される2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、モノマーXと略すことがある)と、式(2)で示されるアルキル(メタ)アクリル酸エステル(以下、モノマーYと略すことがある)とを含む単量体組成物を重合して得た共重合体(A)からなる潤滑剤0.05〜5重量/容積%と、緩衝剤0.1〜1.5重量/容積%と、無機塩化物0.1〜1.5重量/容積%と、防腐剤0.00001〜0.1重量/容積%と、キレート剤10-4〜0.1重量/容積%と水とを含み、該共重合体(A)の重量平均分子量は100000〜1000000であり、且つ該共重合体(A)を構成する前記モノマーYのアルキル基の炭素数をN、該モノマーXによる構成単位及びモノマーYによる構成単位の合計に対するモノマーYによる構成単位のモル分率をRとした際に、80≦N×R≦240(ここで、4≦N≦18、10%≦R≦60%である)を満たすコンタクトレンズ用装着液が提供される。
Figure 0004837877
(式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。)
Figure 0004837877
(式(2)中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は炭素数4〜18のアルキル基を示す。)
本発明のコンタクトレンズ用装着液に用いる潤滑剤は、上記式(1)で示されるモノマーX及び上記式(2)で示されるモノマーYを含む単量体組成物を重合して得られた重量平均分子量100000〜1000000の特定の共重合体(A)からなる。
前記モノマーXは、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略す)又は2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであり、入手性等の点から、MPCの使用が好ましい。
モノマーXは、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランとを脱塩化水素剤存在下で反応させる方法により合成できる。具体的には、特開平11-43496号公報、特開昭58-154591号公報、Makromol.Chem(S.Nakai, T.Nakaya and M.Imoto;178.,p2963, 1977)に開示されている。
前記モノマーYにおいて、R3の炭素数が3以下の場合は潤滑性を保持することが困難であり、炭素数が19以上の場合は共重合体の製造を行う溶媒に対する溶解性が低下するため使用できない。
前記モノマーYとしては、例えば、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキル(メタ)アクリレート;イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の分岐アルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合にあたっては単独若しくは2種以上の混合物として使用できる。
前記共重合体(A)を調製するための単量体組成物において、含有されるモノマーXとモノマーYとの関係は、モノマーYのアルキル基の炭素数をN、得られる共重合体(A)を構成するモノマーXによる構成単位及びモノマーYによる構成単位の合計に対するモノマーYによる構成単位のモル分率をRとした際に、80≦N×R≦240(ここで、4≦N≦18、10%≦R≦60%である。)を満たす関係を有する必要がある。要するに、前記単量体組成物中におけるモノマーXとモノマーYとの配合割合を、モノマーYのアルキル基の炭素数に応じて上記関係式を充足するように決定する必要がある。
前記単量体組成物において、モノマーXとモノマーYとの配合割合は、例えば、モノマーYのアルキル基の炭素数が4の場合、前記関係式を充足するように、共重合体(A)におけるモノマーYによる構成単位の前記モル分率Rが20〜60%、この際のモノマーXによる構成単位の前記モル分率が40〜80%となるようにモノマーX及びYを配合する必要がある。また、例えば、モノマーYのアルキル基の炭素数が18の場合、前記関係式を充足するように、共重合体(A)におけるモノマーYによる構成単位の前記モル分率Rが10〜約13.3%、この際のモノマーXによる構成単位のモル分率が約86.6〜90%となるようにモノマーX及びYを配合する必要がある。更に、モノマーYとして、アルキル基の炭素数が異なる2種以上を用いる場合には、例えば、モノマーYとして炭素数が4のモノマーYを50重量%、及び炭素数が8のモノマーYを50重量%からなるモノマーYを用いる場合、前記関係式を充足するように、共重合体(A)におけるこれらのモノマーYによる構成単位の前記モル分率Rは、炭素数が4のモノマーYによる構成単位が10〜30%、炭素数が8のモノマーYによる構成単位が約5〜15%、この際のモノマーXによる構成単位の前記モル分率が55〜85%となるようにモノマーX及びYを配合する必要がある。
モノマーX及びモノマーYとの関係が、上記式を充足しない場合には、本発明における所望の潤滑性、並びに該潤滑性の長期保持性が得られ難い。
本発明において前記単量体組成物中のモノマーは、前記モノマーX及びYのみが好ましいが、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、また所望の効果や他の効果を改善するために、モノマーX及びY以外の他の共重合性モノマーを含んでいてもよい。他の共重合性モノマーの含有割合は、単量体組成物全量に対して20重量%以下が好ましい。即ち、単量体組成物中のモノマーX及びYの合計の含有割合は、80〜100重量%が好ましい。
前記共重合体(A)は、前記単量体組成物を、通常、ラジカル重合させることにより容易に製造できる。例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで置換しながら、若しくは不活性ガス雰囲気において、重合開始剤の存在下、前記単量体組成物を、塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合等の公知のラジカル重合法により調製できる。ラジカル重合法としては、精製等の点から溶液重合が好ましい。
前記重合開始剤としては、通常のラジカル重合開始剤であれば特に限定されず、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシジイソブチレート、アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと略す)、アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、過硫酸塩又は過硫酸塩−亜硫酸水素塩系等が挙げられる。
重合開始剤の仕込量は、単量体組成物のモノマー成分100重量部に対して、0.001〜10重量部が好ましく、更に0.01〜5重量部が望ましい。重合温度は20〜100℃が好ましく、重合時間は0.5〜72時間が望ましい。
得られる共重合体(A)の分子量は、重合温度、重合開始剤及び重合度調整剤等の使用量によっても異なるが、重量平均分子量で100000〜1000000である。重量平均分子量が100000未満では、潤滑性を長時間維持させることができない。重量平均分子量が1000000を超えると製造が困難である。
得られる共重合体(A)の精製は、再沈殿法、透析法、限外濾過法等の一般的な精製方法により行なうことができる。
得られた共重合体(A)は、コンタクトレンズ装着時及び装用中の物理的な不快感を軽減する作用、具体的にはコンタクトレンズと角膜、眼瞼結膜、眼球結膜等の眼組織との摩擦を低減する作用、並びにその作用を長期持続させる作用を有する。
本発明のコンタクトレンズ用装着液は、コンタクトレンズを装着する際にコンタクトレンズに滴下等して接触させて使用する水溶液であって、前記共重合体(A)からなるコンタクトレンズ用潤滑剤と、緩衝剤と、無機塩化物と、防腐剤と、キレート剤とを特定割合で含む水溶液からなる。
本発明の装着液において、前記共重合体(A)の濃度は、0.05〜5.0重量/容積%(w/v%)、好ましくは0.1〜3.0w/v%の範囲である。濃度が0.05w/v%未満では潤滑作用が不十分であり、5.0w/v%を超えると粘性が高くなる。
本発明の装着液に配合する緩衝剤は、装着液のpHを制御する機能を有する。緩衝剤としては、例えば、塩酸、酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、ホウ酸;ホウ砂等のホウ酸塩;リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二カリウム等のリン酸塩;クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン又はこれらの混合物等が好ましく挙げられる。緩衝剤の中でもリン酸塩の使用が最も好ましい。
緩衝剤の濃度は、0.1〜1.5w/v%、好ましくは0.2〜1.0w/v%の範囲である。濃度が0.1w/v%未満では、緩衝能が低くpHの制御が困難であり、1.5w/v%を超えると他の成分の溶解性を損なう。
本発明の装着液に配合する無機塩化物は、浸透度を制御する機能を有する。無機塩化物としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム又はこれらの混合物等が好ましく挙げられる。中でも塩化ナトリウムの使用が最も好ましい。
無機塩化物の濃度は、0.1〜1.5w/v%、好ましくは0.2〜1.0w/v%の範囲である。濃度が0.1w/v%未満又は1.5w/v%を超える場合は、ソフトコンタクトレンズの形状変化や眼への刺激が生じる恐れがある。
本発明の装着液に配合する防腐剤は、消毒剤として機能し、例えば、外部からの細菌の侵入を防止可能なユニットドーズ容器を使用する場合、若しくは非含水性コンタクトレンズに用いる装着液には、必ずしも配合する必要はない。防腐剤としては、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド、塩化ベンザルコニウム、パラベン又はこれらの混合物等が好ましく挙げられる。中でも、グルコン酸クロルヘキシジン又はポリヘキサメチレンビグアニドの使用がより好ましい。
防腐剤の濃度は、0.00001〜0.1w/v%、特に好ましくは0.0001〜0.01w/v%の範囲である。濃度が0.1w/v%を超えると眼や皮膚への刺激や角膜上皮細胞に対する安全性の面で間題が生じる恐れがある。
本発明の装着液に配合するキレート剤は、コンタクトレンズヘのカルシウム沈着をキレートにより防止する機能を有する。キレート剤としては、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、これらのアルカリ金属塩又はこれらの混合物等が好ましく挙げられる。中でも、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウムの使用が最も好ましい。
キレート剤の濃度は0.0001〜0.1w/v%の範囲である。濃度が0.0001w/v%未満の場合にはキレート能力が不十分であり、0.1w/v%を超えると眼刺激性が高くなる恐れがある。
本発明の装着液は、必要に応じて、例えば、界面活性剤等が配合されていても良いが、上記共重合体(A)、緩衝剤、無機塩化物、防腐剤及びキレート剤のみを配合した水溶液であることが好ましい
本発明の装着液は、前記各成分を、精製された水に上記特定割合となるように溶解することによって容易に調製できる。前記精製された水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、逆浸透膜精製水、限外濾過精製水等が挙げられる。
本発明の装着液は、コンタクトレンズ装着時にコンタクトレンズ上に滴下しコンタクトレンズを眼内に挿入し、眼組織と接触させる方法等により使用できる。
本発明のコンタクトレンズ用装着剤は、前記モノマーX及びモノマーYを含む単量対組成物を共重合した特定分子量を有する特定の共重合体(A)を用いるので、コンタクトレンズと角膜、眼瞼結膜、眼球結膜との摩擦を低減でき、潤滑作用を示すと共に、その効果保持時間が持続するという効果を有する共重合体(A)、pHを制御する機能を有する緩衝剤、浸透度を制御する機能を有する無機塩化物、消毒剤としての機能を有する防腐剤、カルシウムをキレートする機能を有するキレート剤を特定割合で含有するので、前記潤滑剤の効果を十分発揮させることができると共に、その効果を充分持続させることができる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例中における重合体の重量平均分子量の測定方法を以下に示す。
重合体の重量平均分子量の測定方法;
<分子量測定>
得られた共重合体水溶液を1.0w/v%になるよう20mMリン酸バッファー(pH7.4)で希釈し、この溶液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液とした。なお、GPC分析の測定条件は次のとおりである。
<GPC分析の測定条件>
カラム;G3000PWXL及びG6000PWXLを直列に配列(東ソー社製)、溶離溶媒;20mMリン酸バッファー(pH7.4)、標準物質;ポリエチレングリコール(ポリマー・ラボラトリー社製)、検出;視差屈折計RI−8020(東ソー社製)、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)の計算;東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプログラム)、流速;0.5mL/分、試料溶液使用量;10μL、カラム温度;45℃。
<ポリマーの組成比の決定方法>
合成例で得られたポリマー5mgを計り取り、パーキンエルマー2400II CHNO/S元素分析装置(パーキンエルマー社製)を使用し、ポリマー中のC元素及びN元素の含有量を求めた。C元素量とN元素量との比から、組成比を算出した。
例えば、MPCとn−ブチルメタクリレート(BMAと略す)の場合:MPC組成をx mol、BMA組成を(1−x)molとすると次式より、組成比を決定することができる。
Figure 0004837877
合成例1−1
MPC45g、BMA5g及びラジカル重合開始剤としてAIBN 0.01gをエタノール450gに溶解し、重合用ガラス反応容器に仕込み、窒素ガス置換した後、反応温度50℃、72時間反応させた。重合終了後、エタノールを良溶媒として、ジエチルエーテルを貧溶媒として再沈精製し、加熱乾燥させて重合体(P−1と略す)41gを収率82%で得た。原料組成及び得られた重合体の分子量等の測定結果を表1に示す。
合成例1−2〜1−4
表1に示す原料組成を用いた以外は合成例1−1と同様に重合を行ない、表1に示す重合体(P−2〜P−4)を合成した。原料組成及び得られた重合体の分子量等の測定結果を表1に示す。尚、以下において、SMAはステアリルメタクリレートの略号である。また、Nはアルキル(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数を、Rは上述のアルキル(メタ)アクリル酸エステルのモル分率を示す。
Figure 0004837877
合成例2−1〜2−8
表2に示す原料組成を用いた以外は合成例1−1と同様に重合を行ない、表2に示す重合体(R−1〜R−8)を合成した。原料組成及び得られた重合体の分子量等の測定結果を表2に示す。尚、以下において、HEMAは2-ヒドロキシエチルメタクリレート、GLMAはグリセロールメタクリレート、PMAはn-プロピルメタクリレート、MMAはメチルメタクリレート、MAはメタクリル酸の略号である。
Figure 0004837877
参考例1−1
表1に示す重合体P−1を1w/v%と塩化ナトリウム0.9w/v%とを含有するコンタクトレンズ用潤滑剤を含む水溶液を調製した。得られた水溶液について、下記それぞれの方法により平均摩擦係数を測定し、標準偏差を算出した。結果を表3に示す。
<平均摩擦係数の測定>
上記水溶液を、幅3cm、長さ7cmのポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)基板及びシリコンゴムシートの基板上にそれぞれ100μL滴下し、上記基板とシリコンプローブとの間の摩擦係数を摩擦感テスターKES−SE−DC(カトーテック株式会社製)を用いて、各サンプル毎に3回測定し、その平均を平均摩擦係数とした。この際PMMAは、コンタクトレンズ材料の一般的なモデルとして、またシリコンゴムシートは、高酸素透過性ハードコンタクトレンズ及びシリコンハイドロジェル型コンタクトレンズ材料のモデルとして採用した。尚、平均摩擦係数は、値が小さいほど摩擦が小さいことを示す。
次に、上記水溶液中に幅3cm、長さ7cm、厚さ1mmのHEMAハイドロジェル(以下、HEMAジェルと略す)を一晩浸漬した後、得られたHEMAジェルとステンレスプローブとの間の摩擦係数を摩擦感テスターKES−SE−DC(カトテック株式会社製)を用いて、各サンプル毎に3回測定し、その平均を平均摩擦係数とした。この際HEMAジェルは、含水ソフトコンタクトレンズ材料の一般的なモデルとして採用した。なお、上記HEMAジェルは下記方法により調製した。
<HEMAジェルの調製>
HEMA99.45重量部、エチレングリコールジメタクリレート0.5重量部、AIBN0.05重量部の混合物を、厚さ1mmのテフロンスペーサーと幅5cm、長さ10cmの2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムで作製したモールドに挿入した。60℃のオーブン中で12時間加熱した後、成形された樹脂を約500mLの生理食塩水に浸漬した。樹脂が平衡膨潤に達した後、新しい生理食塩水約500mLに浸漬した。前記操作を2回繰り返した後、幅3cm、長さ7cmの大きさに切断した。得られたHEMAジェルの含水率は約38%であった。
参考例1−2〜1−4
表1に示す重合体P−2〜P−4各々を1w/v%と塩化ナトリウム0.9w/v%とを含有するコンタクトレンズ用潤滑剤を含む水溶液をそれぞれ調製した。水溶液について、参考例1−1と同様に平均摩擦係数を測定し標準偏差を算出した。結果を表3に示す。
比較参考例1−1〜1−5
表2に示す重合体R−1〜R−4及びR−6各々を1w/v%と塩化ナトリウム0.9w/v%とを含有するコンタクトレンズ用潤滑剤を含む水溶液を調製した。水溶液について、参考例1−1と同様に平均摩擦係数を測定し標準偏差を算出した。結果を表4に示す。
比較参考例1−6
重合体を全く含まない0.9w/v%の食塩水(生理食塩水と称す)について、参考例1−1と同様に平均摩擦係数を測定し標準偏差を算出した。結果を表4に示す。
Figure 0004837877
Figure 0004837877
表3及び4から参考例1−1〜1−4及び比較参考例1−1〜1−6の平均摩擦係数を比較すると全ての場合において、参考例の平均摩擦係数の値が小さいことから、本発明の潤滑剤を用いた場合、摩擦低減作用があることが明らかである。また、MPCを含む共重合体であっても本発明における共重合体(A)とは異なる共重合体を用いた比較参考例1−1〜1−5の場合は、摩擦を低減させることが得られ難いことが判る。特に、N×Rの値のみが本発明の規定に合致しない重合体R−6を用いた比較参考例1−5においても上記参考例よりも劣ることが判る。従って、共重合体(A)を配合した潤滑剤水溶液は、ソフトコンタクトレンズの場合であっても充分な摩擦低減効果を発現しうることが判る。
比較参考例1−7〜1−11
重合体P−1を0.9w/v%の代わりに、ポリ−N−ビニルピロリドン(NVPと略す。和光純薬製、ポリビニルピロリドンK90)0.9w/v%、PVA(クラレ(株)製PVA220c) 0.9w/v%、ポリエチレングリコール(PEGと略す。和光純薬工業(株)製、ポリエチレングリコール2000000)0.5w/v%、ヒドロキシエチルセルロース(HECと略す。ダイセル(株)製、SE550)1w/v%又はヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCと略す。信越化学(株)製、65SH−4000)1w/v%を用いた以外は、参考例1−1と同様に水溶液を調製し、PMMA基板及びシリコン基板に対する平均摩擦係数の測定及び標準偏差の算出を行なった。結果を表5に示す。
Figure 0004837877
表3及び表5より、参考例1−1〜1−4と比較参考例1−7〜1−11との平均摩擦係数を比較すると殆どの場合、参考例の平均摩擦係数が小さいことから、本発明に用いる潤滑剤を含む水溶液は従来の各種水溶性高分子と比較しても潤滑性に優れることが判る。
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−4
合成例で得られた重合体、各種緩衝剤、各種無機塩化物、各種防腐剤、各種キレート剤及び必要により各種界面活性剤を用いてコンタクトレンズ用装着液を調製した。各装着液の原料組成を表6及び表7に示す。
尚、以下において、PHMBはポリヘキサメチレンビグアニド、CHGはグルコン酸クロルヘキシジン、EDTA2Naはエチレンジアミン四酢酸2ナトリウムを示す略号である。Pluronic F127又はTetronic 908はBASF社製の非イオン性界面活性剤を示す略号(商標)である。
Figure 0004837877
Figure 0004837877
次に、得られた実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−3の各装着液100μLを、幅3cm、長さ7cmのPMMA基板上に滴下し、該基板とシリコンプローブとの間の摩擦係数を摩擦感テスターKES−SE−DC(カトーテック株式会社製)を用いて各々3回測定した。続いて、基板を生理食塩水100mL中に浸漬し、1分間超音波洗浄を行った後、再び摩擦係数の測定を行った。同様な洗浄操作を4回繰り返し、各洗浄操作終了後に摩擦係数の測定を実施した。得られた平均摩擦係数及び標準偏差を表8及び表9に示す。この際、生理食塩水を用いた洗浄は、装着液が涙液により洗い流されることを想定して実施した。
Figure 0004837877
Figure 0004837877
表8から、実施例1−1〜1−6の装着液は、洗浄操作を4回繰り返した場合でも平均摩擦係数が低く保たれたことから、摩擦を低減する効果が長時間維持できることが判る。また表9から、Mw90000のMPC共重合体であるR−5を用いた比較例1−1であっても摩擦低減効果が不十分であることが判る。更に比較例1−2及び1−3から、たとえMPC共重合体のMwが100000以上であっても、共重合体の構成成分である(メタ)アクリル酸エステルがn−プロピルメタクリレートやメチルメタクリレート等のアルキル基の鎖長が短い場合は、摩擦低減効果が不十分であることが判る。
更に表8の実施例1−1と実施例1−5並びに実施例1−2と実施例1−6を比較した場合、界面活性剤を含有する場合は、含有しない場合と比較し摩擦を低減させる効果の持続性が短くなることが判る。従って、本発明の装着液は、界面活性剤を含有しない方が好ましいと判断できる。
次に、実施例1−1の装着液100μLを、幅3cm、長さ7cmのPMMA基板上に滴下し、該基板とシリコンプローブとの間の摩擦係数を摩擦感テスターKES−SE−DC(カトーテック株式会社製)を用いて、各サンプルを3回測定し、以下の比較例1−8〜1−11と比較した。測定結果の平均を平均摩擦係数とし、その標準偏差を算出した。結果を表10に示す。
比較例1−8〜1−11
市販の装着液「Alcon Tears Natural II」(アルコン(株)製、比較例1−8)、「リキフィルム」(参天アラガン(株)製、比較例1−9)、「マイティアハード」(千寿製薬(株)製、比較例1−10)又は「OPTIMUM Wetting and Rewetting drop」(LOBOB社製、比較例1−11)100μLを、幅3cm、長さ7cmのPMMA基板上に滴下し、該基板とシリコンプローブとの間の摩擦係数を上記と同様に測定した。結果を表10に示す。
Figure 0004837877
表10から、実施例1−1の装着液は、比較例1−8〜1−11の各種市販の装着液と比較しても、顕著に摩擦を低減することが判る。
次いで、実施例1−1、1−3又は1−4で調製した装着液100μLを、また、比較として、比較例1−7で調製した装着液若しくは生理食塩水100μLを、幅3cm、長さ7cmのPMMA基板上に滴下し、該基板とブタ強角膜片との間の摩擦係数を摩擦感テスターKES−SE−DC(カトーテック株式会社製)を用いて、各サンプルを3回測定した。測定結果の平均を平均摩擦係数とし、その標準偏差を算出した。結果を表11に示す。なお、ブタ強角膜片を用いて測定した摩擦係数は、日本コンタクトレンズ学会誌(井口郁夫ら36巻、317頁、1994年)を参考にして評価した。
Figure 0004837877
表11から、本発明の装着液が、ブタ強角膜片とPMMA基板との間の摩擦を有効に低減しうることが判る。このことから、人間の強角膜及びハードコンタクトレンズ間においても摩擦低減効果が得られることが予想できる。
参考試験例
次に、実施例1−1及び比較例1−4で調製した装着液を用いた、家兎に対する以下に示す点眼試験を行なった。
<家兎点眼試験>
ニュージーランド白色家兎3羽(体重2.5〜3.6kg、年齢12〜15週)の右眼に酸素透過性ハードコンタクトレンズ(メニコン社製)を装着した。レンズ装着後30分後に点眼液を1〜2滴点眼した。その後、1時間おきに装着液を1〜2滴点眼し、その点眼回数は計8回/日とした。レンズを装着してから8時間後、家兎からレンズを取り外した。レンズは、酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄保存液(商品名オーツーケア、メニコン社製)で、洗浄、保存した。翌朝レンズを水道水ですすいだ後、再び家兎に装着した。上記サイクルを22日間実施した。試験終了後、家兎の眼の組織病理学的検査を実施した。評価は、0が異常なし、1が僅かに異常が認められる、2が中程度の異常が認められる、3が重大な異常が認められる、とした。各組織毎に評価を行った結果を表12に示す。
Figure 0004837877
表12から、実施例は比較例に比較し、角膜及び結膜上の傷害が全く認められなかった。比較例に観察された傷害は、コンタクトレンズと角膜との間での摩擦による接触が原因と考えられる。従って、実施例1−1の装着液は、コンタクトレンズと角膜及び結膜との間の摩擦低減効果を有し、且つ眼組織に対して安全であることが判る。

Claims (2)

  1. コンタクトレンズ装着時にコンタクトレンズ上に滴下して使用するコンタクトレンズ用装着液であって、
    式(1)で示される2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと、式(2)で示されるアルキル(メタ)アクリル酸エステルとを含む単量体組成物を重合して得た共重合体(A)からなる潤滑剤0.05〜5重量/容積%と、緩衝剤0.1〜1.5重量/容積%と、無機塩化物0.1〜1.5重量/容積%と、防腐剤0.00001〜0.1重量/容積%と、キレート剤10-4〜0.1重量/容積%と水とを含み、該共重合体(A)の重量平均分子量は100000〜1000000であり、且つ該共重合体(A)を構成する前記式(2)で示されるアルキル(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数をN、該式(1)で示される2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンによる構成単位及び式(2)で示されるアルキル(メタ)アクリル酸エステルによる構成単位の合計に対する式(2)で示されるアルキル(メタ)アクリル酸エステルによる構成単位のモル分率をRとした際に、80≦N×R≦240(ここで、4≦N≦18、10%≦R≦60%である)を満たすコンタクトレンズ用装着液。
    Figure 0004837877
    (式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を示す。)
    Figure 0004837877
    (式(2)中、R2は水素原子又はメチル基を示し、R3は炭素数4〜18のアルキル基
    を示す。)
  2. 無機塩化物が塩化ナトリウムであり、防腐剤がグルコン酸クロルヘキシジンまたはポリヘキサメチレンビグアニドであり、キレート剤がエチレンジアミン四酢酸2ナトリウムである請求項1記載の装着液。
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