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JP4830871B2 - 3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法 - Google Patents

3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法 Download PDF

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JP4830871B2 JP2007017064A JP2007017064A JP4830871B2 JP 4830871 B2 JP4830871 B2 JP 4830871B2 JP 2007017064 A JP2007017064 A JP 2007017064A JP 2007017064 A JP2007017064 A JP 2007017064A JP 4830871 B2 JP4830871 B2 JP 4830871B2
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Description

本発明は、被計測物の3次元形状を計測する3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法に関するものである。
従来、物体の3次元形状を計測する方法として位相シフト法が広く用いられている。位相シフト法は光切断法の一種であって、投影装置により被計測物に特定のパターンを投影し、被計測物の表面で乱反射された投影像を投影装置の投影光軸と異なる方向から撮像装置で撮像し、この撮像装置で撮像した濃淡画像(以下、単に画像という。)を画像処理することで被計測物の3次元形状を計測するものである。
位相シフト法の原理についてさらに詳しく説明する。
まず、投影装置から正弦波状に輝度が変化する縞パターンを被計測物に投影し、この縞パターンの位相を、例えばπ/2ずつずらして撮像装置で撮像するという手順を、縞パターンの位相が1周期分移動するまで複数回(最低3回、通常は4回以上)繰り返す。ここで、撮像装置で撮像された4枚の画像上の同じ位置での輝度(濃度)は、絶対的な明るさはその位置での被計測物の表面性状や色などにより変化しても、相対的な輝度差は必ず投影パターンの位相差分だけの変化を示すから、その位置での投影されたパターンの相対位相値が求められる。
相対位相φは投影縞パターンの1周期毎の値、すなわち−π〜πの間の値となるから、複数周期分投影された縞の絶対位相Φを求めるには、縞次数n(一端から他端に向かって数えてn周期目の縞であることを表す値)の縞が、撮像された各画像上でどの位置にあるかを推定する処理が必要である。
そして、撮像された4枚の画像の各点において、相対位相値と縞次数とを用いて、上記絶対位相Φ(=φ+2nπ)を求める。この処理を以下では「位相接続処理」と呼ぶ。位相接続処理によって求められた絶対位相Φが等しい点を連結して得られる線(等位相線)が、光切断法における切断線と同じく被計測物をある平面で切断した断面の形状を表すから、この絶対位相Φをもとに三角測量の原理により被計測物の3次元形状(画像各点での高さ情報)が計測できる。
而して、正弦波縞の絶対位相値、すなわち縞パターンの投影に用いた実体格子上の位置と撮像装置の撮像素子上の結像点位置(画像上の座標)が特定できるので、投影装置と撮像装置の光学的な配置に基づいて三角測量の原理から、画像上の点に対応する被計測物上の投影点の3次元空間での絶対的な座標値(X,Y,Z)を求めれば、被計測物の3次元形状を得ることができる。
このように位相シフト法では、得られた画像の各点に対応する3次元座標が簡単な計算処理により求められるとともに高密度の3次元形状の計測データが最低3回の撮像により得られるため、1点あたりの計測時間で評価すると他の計測方法に比べて数倍から数万倍の速度での計測が可能になるという特徴がある。
しかしながら、被計測物の表面に段差や穴があって縞と縞との境界(位相境界)が特定できない場合などには、縞次数nが正しく求められないために位相接続処理が困難になり、正しい距離が得られなくなるという問題(位相飛び問題)が発生するという欠点がある。また、位相シフト法は、なるべく多数の縞を投影し、撮影された画像上において投影縞のコントラストがなるべく高くなるように撮像することで高精度の計測が可能となるが、縞次数が多いと上記位相飛び問題が発生しやすく、高さ計測に必要な絶対位相値を得るのが困難になるという問題がある。
そこで従来より、位相飛び問題を解決する3次元形状計測装置や3次元形状計測方法が種々提案されている(特許文献1,2参照)。特許文献1に記載された方法では、基準正弦波とその整数倍の波長をもつ正弦波を重畳させて投影し、各々の波長で求められた相対位相の情報を総合することで位相境界位置を一意に得ている。また特許文献2に記載された方法では、所謂空間コード法と位相シフト法を組み合わせ、縞次数nを確定するための空間コードパターンを、縞パターンを投影する光の波長と異なる波長の光で縞パターンと同時に投影し、縞パターンと空間コードパターンが同時に投影された撮像画像を、光の波長に基づいて縞パターンが投影された画像と空間コードパターンが投影された画像に分離し、空間コードパターンが投影された複数枚の画像から縞次数nを確定している。なお、空間コードパターンとは空間をコード化するためのものであって、例えば、T周期目の縞パターンに対しては、Tの2進数表現に対応して、ビット値が0なら暗パターン、ビット値が1なら明パターンとして構成された明暗パターンであり、最下位ビットに対する明暗パターンから順番に投影される。
特許3199041号公報 特開2006−177781号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている従来例では、1回の計測において必要な画像の枚数(撮像装置による撮像回数)が増加してしまうために計測に要する時間が長くなってしまう(例えば、特許文献1では8回の撮像が必要である)。一方、特許文献2に記載されている従来例では、特許文献1に記載されている従来例と比較して少ない枚数(撮像回数)の画像で計測可能ではあるが、縞パターンを投影する光の波長と異なる波長の光で空間コードパターンを同時に投影するためにカラーパターンが投影可能な投影装置と、カラー画像が撮影可能な撮像装置が必要であり、モノクロ画像によって計測する場合に比べてコストが上昇してしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、コスト上昇を抑えながら比較的に短時間で被計測物の3次元形状を計測できる3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、被計測物に任意パターンの光を投影する投影手段と、投影手段を制御して所定の光パターンからなる投影パターンを被計測物に投影させる投影パターン制御手段と、被計測物を撮像する撮像手段と、撮像手段の撮像画像から投影パターンが投影された被計測物の濃淡画像を取得する画像取得手段と、投影パターンが投影されていない状態の被計測物の濃淡画像を取得する無パターン画像取得手段と、画像取得手段で取得した濃淡画像内の任意の位置における投影パターンの相対位相を演算する相対位相演算手段と、任意位置の相対位相を位相接続して投影パターンの絶対位相を演算する絶対位相演算手段と、絶対位相から被計測物の3次元座標を演算する3次元座標演算手段とを備え、投影パターン制御手段は、光の強度を正弦波状且つπ/2ずつ位相をシフトして変化させた4種類の縞パターンについて、互いに逆相となる2種類の縞パターンの各組のそれぞれに空間をコード化するための2種類の空間コードパターンを各々組み合わせてなる4種類の投影パターンを投影手段より被計測物に投影させ、相対位相演算手段は、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の差に基づいて相対位相を演算し、絶対位相演算手段は、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和を演算するとともに、当該濃度値の和と、無パターン画像取得手段で取得した濃淡画像の濃度値とから空間コード値を確定することにより相対位相同士を接続して絶対位相を演算することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、投影パターン制御手段は、2種類の空間コードパターンの一方の空間コード値を常時ゼロとし、無パターン画像取得手段は、空間コード値が常時ゼロである空間コードパターンと互いに逆位相の縞パターンを組み合わせた2種類の前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和に基づいて投影パターンが投影されていない状態の被計測物の濃淡画像を取得することを特徴とする。
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、所定の光パターンからなる投影パターンを被計測物に投影し、投影パターンを投影した被計測物の濃淡画像を取得するとともに、投影パターンを投影していない状態の被計測物の濃淡画像を取得し、投影パターンを投影したときの濃淡画像内の任意の位置における投影パターンの相対位相を演算し、任意位置の相対位相を位相接続して投影パターンの絶対位相を演算し、絶対位相から被計測物の3次元座標を演算することで被計測物の3次元形状を計測する3次元形状計測方法であって、光の強度を正弦波状且つπ/2ずつ位相をシフトして変化させた4種類の縞パターンについて、互いに逆相となる2種類の縞パターンの各組のそれぞれに空間をコード化するための2種類の空間コードパターンを各々組み合わせてなる4種類の投影パターンを被計測物に投影する過程と、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の差に基づいて相対位相を演算する過程と、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和を演算するとともに、当該濃度値の和と、無パターン画像取得手段で取得した濃淡画像の濃度値とから空間コード値を確定することにより相対位相同士を接続して絶対位相を演算する過程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、位相シフト法を利用した3次元形状計測において必須となる正弦波状の縞パターンと、空間をコード化して縞パターンの縞次数を確定するための空間コードパターンとを被計測物に同時に投影して撮像することが可能であり、しかも、縞パターンと空間コードパターンを組み合わせて投影パターンを生成することで従来例のように高価な投影装置や撮像装置を用いる必要がなく、その結果、表面に段差や孔のある物体の3次元形状をコスト上昇を抑えながら少ない撮像回数で計測することができる3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施形態により詳細に説明する。
(実施形態1)
本実施形態の3次元形状計測装置は、図1に示すように被計測物Mに任意パターンの光を投影する投影装置1と、被計測物Mを撮像する撮像装置2と、投影装置1および撮像装置2を制御するとともに撮像装置2で撮像した撮像画像に対して画像処理を行う画像処理装置3とで構成される。
投影装置1は、光源10と、光源の前方に配置された透過型の液晶パネル11と、液晶パネル11を通過した光を被計測物Mの表面に集光するレンズ12とを有した所謂液晶プロジェクタからなる。また撮像装置2は、CCDやCMOS等の固体撮像素子、被写体の像を固体撮像素子の撮像面に結像させる光学系、固体撮像素子の出力を信号処理して画素毎の輝度(濃度値)を得る信号処理回路などで構成された、いわゆるモノクロ型のスチルカメラである。画像処理装置3は、CPU、メモリ、ディスプレイ、ハードディスクなどの記憶装置、入出力用の各種インタフェース等を具備する汎用のコンピュータ(ハードウェア)と、本発明に係る3次元形状計測方法をコンピュータに実行させる3次元形状計測用プログラム(ソフトウェア)とで構成され、当該3次元形状計測用プログラムをCPUで実行することにより、投影パターン制御手段30、画像取得手段31、無パターン画像取得手段32、相対位相演算手段33、絶対位相演算手段34、3次元座標演算手段35の各手段を実現している。
投影パターン制御手段30は、後述する投影パターンを生成して記憶装置に予め記憶するとともに必要に応じて記憶した投影パターンのデータを読み出し、例えば、DVI(Digital Visual Interface)のような汎用のディスプレイ用インタフェースを介して投影パターンのデータを投影装置1に伝送するとともに、RS232CやIEEE488などの汎用の通信インタフェースを介して投影装置1の動作(光源の点灯・消灯や光量調整など)を制御する機能を有している。なお、投影装置1では投影パターンデータに基づいて液晶パネル11に投影パターンを表示させる。
また画像取得手段31は、撮像装置2で標本化並びに量子化されたディジタルの画像信号を取り込むとともに、取り込んだ画像信号から各画素毎の輝度(濃度値)で表される画像データを取得してメモリに記憶する機能を有している。なお、画像取得手段31は、RS232CやIEEE488などの汎用の通信インタフェースを介して撮像装置2の動作(撮像のタイミングなど)を制御する機能や、投影パターン制御手段30に対して投影装置1に投影パターンを投影させるように指示する機能も有している。
無パターン画像取得手段32は、投影装置1から投影パターンが投影されていない状態において撮像装置2で撮像された画像信号を取り込んで画像データを取得するとともにメモリに記憶する機能を有している。つまり、被計測物Mには投影装置1から投影パターンとして照射される光以外の光(以下、このような光を「環境光」と呼ぶ。)も照射されており、無パターン画像取得手段32では、環境光のみが照射されているときの被計測物Mの画像データを取得している。
相対位相演算手段33は、従来技術で説明した相対位相φを演算により求める機能を有する。また絶対位相演算手段34は、後述するように縞次数nを確定するとともに確定した縞次数nと相対位相φとを用いて絶対位相Φ(=φ+2nπ)を演算により求める機能を有している。さらに3次元座標演算手段35は、画像上の点p(u,v)に対応する被計測物M上の投影点P(X,Y,Z)の3次元座標を演算により求める機能を有しており、3次元座標演算手段35で求めた3次元座標から被計測物Mの3次元形状を得る(計測する)ことができる。
ここで本実施形態では、光の強度を正弦波状且つπ/2ずつ位相をシフトして変化させた4種類(0,π/2,π,3π/2)の縞パターンについて、互いに逆相となる2種類の縞パターンの各組(0とπの組とπ/2と3π/2の組)のそれぞれに空間をコード化するための2種類の空間コードパターンを各々組み合わせてなる4種類の投影パターンを投影パターン制御手段30により生成し、当該投影パターンを投影装置1から被計測物Mに投影させる。
4種類の縞パターンAk(k=0,1,2,3)並びに2種類の空間コードパターンC0,C1はそれぞれ次式で表される。但し、Aは正弦波の振幅、Φは絶対位相、S×Sが1視野内の周期数、[m]はmを超えない最大の整数を示している。
Figure 0004830871
そして、互いに逆相となる2種類の縞パターンAkの一方の組(A0とA2の組)に一方の空間コードパターンC0を重畳し、縞パターンAkの他方の組(A1とA3の組)に他方の空間コードパターンC1を重畳することで、次式に示す4種類の投影パターンPk(k=0,1,2,3)が投影パターン制御手段30によって生成される。但し、Bは空間コードパターンCkの縞パターンAkへの重畳重みを示している。
Figure 0004830871
ここで、投影装置1において投影可能なパターンが8ビットの画像データで構成されるとしたとき、例えば、1視野内の周期数が16であればS=4となり、このとき、振幅A=100,重畳重みB=15とすると、投影パターンPkの濃度値を0〜245の範囲で表現できるから8ビットの画像データとして構成可能である。このときの投影パターンP0,P1,P2,P3の波形を図2(a)〜(d)にそれぞれ示す。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置の動作、すなわち、本発明に係る3次元形状計測方法について説明する。
まず、画像処理装置3のCPUで3次元形状計測用プログラムを実行することで3次元形状計測装置が動作を開始すると、画像取得手段31が投影パターン制御手段30に指示を与え、当該指示に従って投影パターン制御手段30が記憶装置に格納されている最初の投影パターンP0の画像データをメモリの作業領域に読み出し、さらにディスプレイ用インタフェースを介して投影装置1に伝送し、投影装置1を制御して投影パターンP0を被計測物Mに投影させる。画像データが投影装置1に伝送された後、画像取得手段31は撮像装置2を制御して投影パターンP0が投影された被計測物Mを撮像させ、撮像装置2から出力された画像信号を取り込んで投影パターンP0が投影された被計測物Mの画像データを取得してメモリに記憶する。また、画像取得手段31では残り3種類の投影パターンP1,P2,P3についても順番に投影装置1に投影させ、それぞれの投影パターンP1,P2,P3が投影された被計測物Mの画像データを取得してメモリに記憶する。一方、無パターン画像取得手段32は投影装置1を停止させた状態、つまり、被計測物Mに環境光のみが照射されている状態で撮像装置2に被計測物Mを撮像させて投影パターンPkが投影されていない状態の被計測物Mの画像データを取得してメモリに記憶する。
投影パターンPkが投影された状態で撮像装置2で撮像された画像上の任意の画素(u,v)における輝度(濃度値)I0〜I3は、環境光の影響も含めて次式で表される。但し、Eは環境光による輝度、ρは被計測物Mの表面反射率、βは撮像装置2における光電変換係数である。
Figure 0004830871
また、投影パターンPkが投影されない状態で撮像装置2で撮像された画像上の任意の画素(u,v)における輝度(濃度値)I4は次式で表される。
Figure 0004830871
ここで、a=βρA、e=βρE、b=βρBとおくと、各輝度Ik(k=0,1,2,3)は次式で表される。
Figure 0004830871
相対位相演算手段33では、I0とI2およびI1とI3のそれぞれの差分値を用いて、次式によって相対位相φの推定値<φ>と振幅a(=βρA)の推定値<a>を求める。
Figure 0004830871
そして、絶対位相演算手段34では、I0とI2およびI1とI3のそれぞれの加算値(式1,式2)と、さらに振幅aとbの関係(式3)を用いて、空間コードパターンC0,C1の空間コード値(推定値)<C0>,<C1>を次式によって求める。
Figure 0004830871
さらに絶対位相演算手段34は、相対位相φの推定値<φ>と空間コードパターンC0,C1の空間コード値<C0>,<C1>から絶対位相Φの推定値<Φ>を次式によって求める。
Figure 0004830871
そして、3次元座標演算手段35において絶対位相の推定値<Φ>から三角測量の原理により各画素(u,v)での高さ情報(3次元空間における各画素の座標値)を求めるとともに、各画素(u,v)に対応する被計測物M上の投影点の3次元空間での絶対的な座標値を求めれば、被計測物Mの3次元形状を得ることができる。
而して本実施形態によれば、位相シフト法を利用した3次元形状計測において必須となる正弦波状の縞パターンAkと、空間をコード化して縞パターンAkの縞次数nを確定するための空間コードパターンCkとを投影パターンPkとして被計測物に同時に投影して撮像することが可能であり、しかも、縞パターンAkと空間コードパターンCkを組み合わせた投影パターンPkを生成して投影しているため、特許文献2に記載されている従来例のように高価な投影装置や撮像装置を用いる必要がなく、その結果、表面に段差や孔のある物体の3次元形状をコスト上昇を抑えながら少ない撮像回数(本実施形態では5回)で計測することができる。
(実施形態2)
本実施形態の3次元形状計測装置は、図3に示すように画像処理装置3から無パターン画像取得手段32を省略した点が実施形態1と構成上相違しているが、その他の構成については実施形態1と共通である。よって、実施形態1と共通する構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態においては、2種類の空間コードパターンC1の一方の空間コード値を常時ゼロとし、画像取得手段31において無パターン画像取得を取得することで無パターン画像取得手段32を省略している。
4種類の縞パターンAk(k=0,1,2,3)並びに2種類の空間コードパターンC0,C1(=0)はそれぞれ次式で表される。但し、Aは正弦波の振幅、Φは絶対位相、[m]はmを超えない最大の整数を示している。
Figure 0004830871
そして、互いに逆相となる2種類の縞パターンAkの一方の組(A0とA2の組)に空間コードパターンC0を重畳し、縞パターンAkの他方の組(A1とA3の組)に他方の空間コードパターンC1(=0)を重畳することで、次式に示す4種類の投影パターンPk(k=0,1,2,3)が投影パターン制御手段30によって生成される。但し、Bは空間コードパターンCkの縞パターンAkへの重畳重みを示している。
Figure 0004830871
ここで、振幅A=100,重畳重みB=15とすると、投影パターンP0,P1,P2,P3の波形は図4(a)〜(d)に示すような波形となる。
次に、本実施形態の3次元形状計測装置の動作、すなわち、本発明に係る3次元形状計測方法について説明する。但し、基本的な動作は実施形態1と共通であるから、共通の動作については適宜説明を省略する。
まず、画像処理装置3のCPUで3次元形状計測用プログラムを実行することで3次元形状計測装置が動作を開始すると、画像取得手段31が投影パターン制御手段30に指示を与え、当該指示に従って投影パターン制御手段30が記憶装置に格納されている最初の投影パターンP0の画像データをメモリの作業領域に読み出し、さらにディスプレイ用インタフェースを介して投影装置1に伝送し、投影装置1を制御して投影パターンP0を被計測物Mに投影させる。画像データが投影装置1に伝送された後、画像取得手段31は撮像装置2を制御して投影パターンP0が投影された被計測物Mを撮像させ、撮像装置2から出力された画像信号を取り込んで投影パターンP0が投影された被計測物Mの画像データを取得してメモリに記憶する。また、画像取得手段31では残り3種類の投影パターンP1,P2,P3についても順番に投影装置1に投影させ、それぞれの投影パターンP1,P2,P3が投影された被計測物Mの画像データを取得してメモリに記憶する。
投影パターンPkが投影された状態で撮像装置2で撮像された画像上の任意の画素(u,v)における輝度(濃度値)I0〜I3は、a=βρA、e=βρE、b=βρBとおくと次式で表される。
Figure 0004830871
実施形態1と同様に相対位相演算手段33が相対位相φの推定値<φ>と振幅a(=βρA)の推定値<a>を求める。そして、絶対位相演算手段34では、I0とI2およびI1とI3のそれぞれの加算値(式4,式5)と、さらに振幅aとbの関係(式6)を用いて、空間コードパターンC0の空間コード値(推定値)<C0>を次式によって求める。
Figure 0004830871
さらに絶対位相演算手段34は、相対位相φの推定値<φ>と空間コードパターンC0の空間コード値<C0>から絶対位相Φの推定値<Φ>を次式によって求める。
Figure 0004830871
そして、3次元座標演算手段35において絶対位相の推定値<Φ>から三角測量の原理により各画素(u,v)での高さ情報(3次元空間における各画素の座標値)を求めるとともに、各画素(u,v)に対応する被計測物M上の投影点の3次元空間での絶対的な座標値を求めれば、被計測物Mの3次元形状を得ることができる。
而して本実施形態によれば、実施形態1と同様に表面に段差や孔のある物体の3次元形状をコスト上昇を抑えながら少ない撮像回数で計測することができ、しかも、環境光のみを投影した状態の被計測物Mの画像データ(=e)を、空間コード値を常時ゼロとした空間コードパターンを重畳した投影パターンP1,P3に対応する画像データの輝度値I1,I3の和から求めているので、実施形態1に比較して撮像回数を減らす(本実施形態では4回)ことができる。
本発明に係る3次元形状計測装置の実施形態1を示すブロック図である。 (a)〜(d)は同上における投影パターンの波形図である。 本発明に係る3次元形状計測装置の実施形態2を示すブロック図である。 (a)〜(d)は同上における投影パターンの波形図である。
符号の説明
1 投影装置
2 撮像装置
3 画像処理装置
30 投影パターン制御手段
31 画像取得手段
32 無パターン画像取得手段
33 相対位相演算手段
34 絶対位相演算手段
35 3次元座標演算手段
M 被計測物

Claims (3)

  1. 被計測物に任意パターンの光を投影する投影手段と、投影手段を制御して所定の光パターンからなる投影パターンを被計測物に投影させる投影パターン制御手段と、被計測物を撮像する撮像手段と、撮像手段の撮像画像から投影パターンが投影された被計測物の濃淡画像を取得する画像取得手段と、投影パターンが投影されていない状態の被計測物の濃淡画像を取得する無パターン画像取得手段と、画像取得手段で取得した濃淡画像内の任意の位置における投影パターンの相対位相を演算する相対位相演算手段と、任意位置の相対位相を位相接続して投影パターンの絶対位相を演算する絶対位相演算手段と、絶対位相から被計測物の3次元座標を演算する3次元座標演算手段とを備え、
    投影パターン制御手段は、光の強度を正弦波状且つπ/2ずつ位相をシフトして変化させた4種類の縞パターンについて、互いに逆相となる2種類の縞パターンの各組のそれぞれに空間をコード化するための2種類の空間コードパターンを各々組み合わせてなる4種類の投影パターンを投影手段より被計測物に投影させ、
    相対位相演算手段は、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の差に基づいて相対位相を演算し、
    絶対位相演算手段は、互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和を演算するとともに、当該濃度値の和と、無パターン画像取得手段で取得した濃淡画像の濃度値とから空間コード値を確定することにより相対位相同士を接続して絶対位相を演算することを特徴とする3次元形状計測装置。
  2. 投影パターン制御手段は、2種類の空間コードパターンの一方の空間コード値を常時ゼロとし、
    無パターン画像取得手段は、空間コード値が常時ゼロである空間コードパターンと互いに逆位相の縞パターンを組み合わせた2種類の前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和に基づいて投影パターンが投影されていない状態の被計測物の濃淡画像を取得することを特徴とする請求項1記載の3次元形状計測装置。
  3. 所定の光パターンからなる投影パターンを被計測物に投影し、投影パターンを投影した被計測物の濃淡画像を取得するとともに、投影パターンを投影していない状態の被計測物の濃淡画像を取得し、投影パターンを投影したときの濃淡画像内の任意の位置における投影パターンの相対位相を演算し、任意位置の相対位相を位相接続して投影パターンの絶対位相を演算し、絶対位相から被計測物の3次元座標を演算することで被計測物の3次元形状を計測する3次元形状計測方法であって、
    光の強度を正弦波状且つπ/2ずつ位相をシフトして変化させた4種類の縞パターンについて、互いに逆相となる2種類の縞パターンの各組のそれぞれに空間をコード化するための2種類の空間コードパターンを各々組み合わせてなる4種類の投影パターンを被計測物に投影する過程と、
    互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の差に基づいて相対位相を演算する過程と、
    互いに逆相となる2種類の縞パターンを含む前記投影パターンを投影して撮像された被計測物の濃淡画像における濃度値の和を演算するとともに、当該濃度値の和と、無パターン画像取得手段で取得した濃淡画像の濃度値とから空間コード値を確定することにより相対位相同士を接続して絶対位相を演算する過程とを有することを特徴とする3次元形状計測方法。
JP2007017064A 2007-01-26 2007-01-26 3次元形状計測装置及び3次元形状計測方法 Expired - Fee Related JP4830871B2 (ja)

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