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JP4827007B2 - 超音波流量計 - Google Patents

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Description

本発明は、測定領域の流速分布から被測定流体の流量を時間依存で瞬時に測定することが可能な超音波流量計およびそれに関連する技術に関する。
非接触で流量を測定可能であるドップラ式超音波流量計については、さまざまな技術が提供されている。(例えば、特開2000−97742号)
特開2000−97742号
上記の技術を具体的に説明する。上記文献に開示されているドップラ式超音波流量計は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体(たとえば水)の配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域における流体中の反射体(たとえば気泡)から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えて被測定流体の流量を測定するものである。
この技術は、配管内を流れる被測定流体の流速分布を測定し、時間的に変動する過渡時の流量を応答性に優れている。また、流体の流れが充分に発達していない箇所や流れが三次元になっている場所、例えばエルボ配管やU字状の反転配管のように曲げられた配管の直後でも、被測定流体の流量を効率的に精度よく瞬時に測定できる。それ以前に提供されていた超音波流量計と比較した場合、実験値や経験値などから割り出された「流量補正係数」がなくても正確な測定が可能であるという特徴があり、大きく評価されている。
(クランプオン)
超音波流量計においては、被測定流体が液体である場合にはくさびを介して超音波送信手段を配管へ固定する「クランプオン形」を用いることが多い。配管に対して「後付け」が可能であるなどの利点があるからである。そのくさびについては、超音波を通しやすい材質であることが第一条件である。一方、超音波の入射角度を決定した後に超音波送信手段の固定作業を行うなどの便宜から、一般には合成樹脂(例えばアクリル樹脂)を採用する。
(超音波の発信受信機能の一体化)
最近の超音波流量計では、超音波の発信装置(エミッション)とその超音波の反射波を受信する装置(レシーバ)とを一つの超音波発信受信装置として提供することが多い。超音波の発信装置とその超音波の反射波を受信する装置とを別々に用意した超音波流量計では、それぞれを流体配管へ厳格な位置決めをして取り付けなければならないが、超音波発信受信装置として提供された超音波流量計では流体配管への取り付け作業が一度で済むなどの利点がある。
さて、超音波送受信器は、管壁への垂線に対して所定の角度傾斜するように取り付けられ、送信される超音波パルスの管壁への入射角度となる。超音波パルスは管壁を通過し、被測定流体中を直進し、超音波パルスの被測定流体中の進行方向が測定線となり、測定線に沿った流速分布又は配管横断面における流速分布を算出できる。
(配管壁による反射)
上述した「クランプオン形」の超音波流量計につき、更なる測定精度の向上を目指していたところ、以下のような問題点が浮上した。図1に基づいて説明する。
被測定流体に至る超音波の経路の途中には、くさびと配管壁とが存在する。超音波がくさびと配管壁を完全に透過できない場合は、配管壁からの反射成分によるノイズが発生してしまい、反射体から戻ってきた本来測定すべき信号強度の低下を招いていた。
(くさびの密着性)
また、「クランプオン形」の超音波流量計を用いて計測する際には、配管と超音波トランスジューサとの接地面を密着させるためのくさびを設置しないと、予定していた超音波パルスの幅が実測されるパルス幅よりも狭くなってしまう。その場合には、パルス幅の実測をして補正するなどの作業が必要となるか、実測および補正を省略するために正確な測定値が出にくかった。
図6を参照して説明すると、配管50の外周上の被測定流体を測定可能な位置に、くさび10bが設置されている。このくさび10bには、超音波トランスジューサ20が配置可能な孔が設けられ、この孔に超音波トランスジューサ20を配置して配管50内の被測定流体を測定する。ここで、超音波トランスジューサ20から実際に発進される超音波パルスのパルス幅は、B1の範囲であるが、実際に配管50内に届く超音波パルスのパルス幅は、B2の範囲となる。つまり、くさび10bの位置に着目すると、くさび10bの底面と配管50の外周面との接地面積は、パルス幅B1と同等であることがわかる。すなわち、この接地面積の大小に依存して計測時の測定精度が左右されるおそれがあった。
また、超音波流量計を設置する現場は、予め、測定する配管口径のサイズや形状が想定できる場合と、現場についてから初めて分かる場合とが考えられる。後者の場合は、予め用意しておいた、くさび部材の中から適切なくさび部材を選択して測定を行うことになる。しかしながら、配管口径のサイズや形状は多種多様であり、必ずしも用意しておいたくさび部材では合致しないおそれがあった。
また、測定する配管口径のサイズや形状が予め想定できる場合でも配管表面の塗装の状態や経年変化(例えば塗装の劣化や腐食)により、想定通りに用意していたくさび部材では合致しないおそれもあった。
(くさびの正確な固定)
超音波送受信器が予め装着されたくさびを備えた超音波送受信ユニットは、くさびを配管に正確に固定すれば、例えば、くさびにおける配管との接合面を配管外面に傾くことなく固定すれば、以下のようなメリットがある。すなわち、くさびにおける超音波送受信器の支持角度(傾斜角度)を所定の角度で調整するだけで、超音波送受信器と配管との傾斜角度、すなわち超音波パルスの入射角度を、配管の材質、配管の内径、外径若しくは肉厚、あるいは被測定流体の種類などに合わせ、好ましい角度に調整できる。
しかしながら、くさびの接合面を配管外面に傾くことなく正確に位置合わせして取り付ける作業は、非常に時間が掛かったり、熟練を要したりする。また、一旦、正確に取り付けたとしても、くさび又は配管に、経年変化による変形、高温流体による熱変形などが生じ、測定精度に悪影響を及ぼすこともある。
(機械的な残存振動による誤差)
エミッションとレシーバとを一つの超音波発信受信装置(トランスジューサ20)として提供する場合、エミッションとして機能させたりレシーバとして機能させたりすることを切り替えて繰り返すように制御する。エミッションには、超音波を発信させるための振動子(ピエゾ素子)が備えられており、駆動信号を受けて振動するが、駆動信号を止めても機械的な振動が残ってしまう。その駆動信号停止後に残った振動は、切り替えられたレシーバにとってはノイズとなる。その結果、流速算出手段において、図9に示すようなノイズが原因と思われる誤差が発生する。管内径に沿った流速の分布が滑らかな曲線にならないからである。
このノイズは、被測定流体に係る流体配管の径が大きい場合にはそれほど問題にならないが、配管径が小さい場合には無視できない測定誤差の原因となることが判明した。また、前記の機械的な振動は、振動子またはエミッションの個体差があり、レシーバへの切り替え後に振動が残りやすいエミッションとそうでないものがあることも判明した。
本発明が解決しようとする課題は、「クランプオン形」の超音波流量計につき、更なる測定精度の向上に寄与する技術を提供することである。すなわち、以下の四つを本発明が解決すべき課題とする。
第一に、くさびと配管壁面の両方を効率よく透過させ、より正確な流量の計測に寄与する技術を提供することを、本発明が解決すべき課題とする。
第二に、エミッションとレシーバとを兼ねた超音波送受信器を支持するくさびの配管への位置合わせを容易にし、配管への取り付け作業を軽減する。また、点検時における調整作業を容易化し、超音波送受信器の配管への適切な入射角度を容易に維持可能とする。そのような超音波送受信器のセッティング方法、超音波送受信ユニット及び超音波流量計を提供することを、本発明が解決すべき課題とする。
第三に、配管口径や形状に係わらず、超音波パルスのパルス幅を性能通りに伝達させる超音波トランスジューサに用いるくさび部材およびくさび部材の設置方法を提供することも、本発明が解決すべき課題とする。
第四に、エミッションとレシーバとを一つの超音波発信受信装置として提供される超音波流量計において、エミッションから発生するノイズを原因とする測定誤差を抑制し、より正確な流量を計測する技術を提供することも、本発明が解決すべき課題とする。
本願における第一の発明は、 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管(10)内の被測定流体(11)中へ入射させる超音波送信手段(20)と、 被測定流体(11)に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えて被測定流体の流量を測定する超音波流量計に係る。 その超音波流量計においては、超音波送信手段と超音波エコーを受信する受信手段とは、超音波の送受信機能を一体とした超音波トランスジューサ(20)とする。
そして、被測定流体(11)に係る流体配管(10)の外壁面に対して前記超音波トランスジューサ(20)を固定するためのくさび(30)を設ける。
そのくさびは、超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る距離を、当該くさび内を超音波が透過する速度に超音波の振動子が有する不感帯の時間を掛けて算出される距離よりも大きくなるように形成する。
そのくさび(30)における前記超音波トランスジューサ(20)から流体配管(10)の外壁面に至る距離Lx1を、超音波が透過する半波長の整数倍に形成させる。
(用語説明)
上記の超音波流量計には、一般のドップラ式超音波流量計と、相関法を用いた超音波流量計とを含む。相関法を用いた超音波流量計とは、例えば、特開2003−344131号に開示されているような超音波流量計である。
両者とも、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えて被測定流体の流量を測定する。
(用語説明)
「流量演算手段」は、流量をm(t)とするとき、
Figure 0004827007
の演算を行う手段である。
また、上記の式(1)から、流体配管を流れる時間tの流量m(t)は、次式に書き換えることができる。
Figure 0004827007
なお、配管内を流れる被測定流体の流れが、管軸方向の流れで半径方向や角度θの流れvr,vθを無視できるとすると、vx>>vr=vθとなり、流量計測は簡素化され、次式で表わされる。
Figure 0004827007
ここで、αとは、超音波トランスジューサから発信される超音波の入射角度、すなわち管壁への垂線に対してなす角度である。
流体配管(10)の管壁を通過する距離Lx2を、発信周波数の半波長(λ/2)の整数倍とするために、超音波送信手段(20)の発信周波数を調整する必要がある。
このように超音波送信手段(20)の発信周波数を調整する。そして、この発信周波数に合わせて、くさび(30)の距離Lx1を、半波長の整数倍とするように調整する。すると、透過率が飛躍的に良くなる。
なお、Lx1の距離は、できる限り小さい方がくさび(30)内での超音波の減衰を抑制できる。
(他の形態)
以下のような超音波流量計を提供することもできる。
すなわち、配管内の被測定流体中に超音波パルスを発信し、測定領域から反射する超音波エコーを受信する第1の超音波送受信器と、第1の超音波送受信器を所定の傾斜角度で支持するくさびとを備えた超音波送受信ユニットと、 前記第1の超音波送受信器により受信される超音波エコーを用いて流量算出のための演算を行う演算部とを備えた超音波流量計であって、 前記くさび(30)が、第1の超音波送受信器に対して配管の管軸方向に沿って所定間隔離間した位置に、第1の超音波送受信器の傾斜角度と同角度で反対方向に傾斜させて第2の超音波送受信器を着脱可能に支持できる支持部を備える。
また、前記演算部が、前記各超音波送受信器によって受信される超音波エコーから、それぞれに対応した流速分布を求める流速分布算出手段と、 得られた各流速分布を基に、くさびにおける第1の超音波送受信器の傾斜角度と、管軸への垂線に対する第1の超音波送受信器の傾斜角度とが一致する場合の基準流速分布を求める基準流速分布算出手段とを具備する。
更に、配管への取り付け時又は取り付け後の点検時に、前記第1の超音波送受信器により得られる流速分布が、前記基準流速分布に一致するように配管へのくさびの取付姿勢を調整可能であることを特徴とする。
(用語説明)
上記の超音波流量計もまた、一般のドップラ式超音波流量計と、相関法を用いた超音波流量計とを含む。相関法を用いた超音波流量計とは、例えば、特開2003−344131号に開示されているような超音波流量計である。
(上記の「他の形態」に係る超音波流量計の作用)
実際の測定に使用する第1の超音波送受信器のほかに、第2の超音波送受信器を設け、これらを互いに反対方向に同角度傾斜させてくさびに取り付けている。これにより、くさびが、配管に対して傾いて取り付けられているとすれば、2つの超音波送受信器により測定され、算出される各流速分布に、所定の差が生じる。従って、かかる速度差のある各流速分布を用いることにより、くさびが配管に正確に位置合わせされている場合に測定されるべき本来の流速分布(基準流速分布)を算出できる。
実際の測定に使用する第1の超音波送受信器の出力結果が、かかる本来の流速分布に一致するように調整すれば、くさびを配管に対して、容易に正確に位置合わせできる。位置合わせについて、特に熟練を要しない。
このため、超音波送受信ユニットの配管への取り付け作業を従来品よりも容易化でき、さらには、取り付け後の点検時において、第2の超音波送受信器を用いて第1の超音波送受信器の出力との差を求めることにより、配管等に経年変化や熱変化などが生じた際の再調整を容易化することができ、安定した測定精度を維持できる。
前記した第一の発明に係る超音波流量計は、以下のように形成しても良い。
すなわち、くさびは、流体配管との接触面を流体配管の曲率と同じにしたことを特徴とする。
(作用)
配管と超音波トランスジューサとの接地面を密着させることができるため、超音波パルスのパルス幅が実際のパルス幅よりも狭くなることがなく、被測定流体中に伝達させることができる。また、被測定流体中の反射体からの信号も、パルス幅が狭くなることによる信号強度の低下がなく、効率よく送受信を行うことができるため、測定精度が向上する。
超音波トランスジューサ(20)から発振される超音波の入射角度αは、配管の材質、配管の内径および外径または肉厚、被測定流体の種類などの可変条件が特定されることによって決定される。
一方、くさび(30)における前記超音波送信手段(20)から流体配管(10)の外壁面に至る距離をLxとし、当該くさび(30)内を超音波が透過する速度をVkとし、超音波の振動子が有する不感帯の時間をTtとすると、Lx>Vk×Ttである。
具体的には、例えばくさび(30)の材質がアクリル樹脂である場合にはVk=2700m/秒であり、Tt=20msであるので、54mm以上を確保すればよいこととなる。
(作用)
LxをVk×Ttよりも大きくなるように確保できれば、振動子に残留の振動があっても必要とする測定範囲を確保するので、レシーバに振動が伝わらない。このため、ノイズによる測定誤差の発生を抑制できる。
なお、従来は、前記のLxを、慣習的に5〜50mm程度としていた。その理由は、Lxが短いほどくさび内を通過する超音波の減衰が小さいからである。
前記した第一の発明に係る超音波流量計は、以下のように形成しても良い。
すなわち、くさびにおける超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る部位の材質は、流体配管の音響インピーダンスと同等となる材質としたことを特徴とする。
「同等のインピーダンス」とは、例えばプラスマイナス約10%程度、より好ましくはプラスマイナス約5%程度である。
(作用)
超音波送信手段が送信する超音波は、被測定流体中の気泡などに反射した反射波(縦波)を用いたいのであるが、くさびと流体配管との材質(音響インピーダンス)が異なると、両者の界面において超音波の「横波」が発生する。この横波の存在が、測定誤差の原因のひとつとなっている。
しかし、くさびにおける超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る部位の材質が、流体配管の音響インピーダンスと同じとなる材質であると横波が発生しない。そのため、横波を原因とする測定誤差の発生をも抑制できる。
超音波伝達部(32)と固定部(31)との材質は異なっていても、同一(すなわち一体)でもよい。超音波伝達部(32)についてのVkの値が小さな材質を採用できれば、ノイズ発生を抑制しつつコンパクトなくさび(30)を提供できることとなる。
(作用)
以上のような構成により、超音波送信手段における振動子が振動を停止した後に残る振動は、超音波伝達部(32)において超音波送信手段(20)から流体配管(10)の外壁面に至る距離において吸収されるので、受信手段へのノイズとはならない。このため、測定誤差の発生を抑制することができる。
本願の第二の発明は、所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備え、超音波送信手段と超音波エコーを受信する受信手段とを一体に形成し、被測定流体の流量を測定する超音波流量計に用いるくさびに係る。
すなわち、前記の超音波送信手段と超音波エコーを受信する受信手段とは、超音波の送受信機能を一体とした超音波トランスジューサとし、 被測定流体に係る流体配管に対して前記超音波トランスジューサを固定するための固定部と、 その固定部に固定された超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る超音波伝達部とを備える。
また、流体配管の外壁面から内壁面に通過する距離が入射する超音波の半波長の整数倍であり、当該くさびにおける前記超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る距離が、入射する超音波の半波長の整数倍となるように形成したことを特徴とする。
前記第二の発明は、以下のように形成することもできる。
すなわち、流体配管との接触面を、流体配管の曲率と同じにしたことを特徴とする。
前記第二の発明は、以下のように形成することもできる。
すなわち、そのくさび(30)は、被測定流体(11)に係る流体配管(10)に対して前記超音波送信手段(20)を固定するための固定部(31)と、 その固定部(31)に固定された超音波送信手段(20)から流体配管(10)の外壁面に至る超音波伝達部(32)とを備え、 その超音波伝達部(32)における超音波送信手段(20)から流体配管(10)の外壁面に至る距離を、当該くさび(30)内を超音波が透過する速度に超音波の振動子が有する不感帯の時間を掛けて算出される距離よりも大きくなるように形成したことを特徴とする。
超音波伝達部(32)と固定部(31)との材質は異なっていても、同一(すなわち一体)でもよい。超音波伝達部(32)についてのVkの値が小さな材質を採用できれば、ノイズ発生を抑制しつつコンパクトなくさび(30)を提供できることとなる。
(作用)
以上のような構成により、超音波送信手段における振動子が振動を停止した後に残る振動は、超音波伝達部(32)において超音波送信手段(20)から流体配管(10)の外壁面に至る距離において吸収されるので、受信手段へのノイズとはならない。このため、測定誤差の発生を抑制することができる。
前記第二の発明は、以下のように形成することもできる。
すなわち、くさびにおける超音波伝達部の材質は、流体配管の音響インピーダンスと同じとなる材質としたことを特徴とする。
(作用)
本請求項記載の発明に係るくさびを採用した超音波流量計は、横波が発生しないため、横波を原因とする測定誤差の発生をも抑制できる。
(超音波送受信ユニットの配管へのセッティング方法)
続いて、超音波送受信ユニットの配管へのセッティング方法について開示する。すなわち、配管内の被測定流体中に超音波パルスを発信し、測定領域から反射する超音波エコーを受信する第1の超音波送受信器と、第1の超音波送受信器を所定の傾斜角度で支持するくさびとを備えた超音波流量計に用いられる超音波送受信ユニットの配管へのセッティング方法である。
そのセッティング方法は、まず、前記くさびに、配管の管軸方向に沿って所定間隔離間し、かつ前記くさびにおける配管への固着面に対し前記第1の超音波送受信器の傾斜角度と同角度で反対方向に傾斜させて第2の超音波送受信器を設ける。
次に、配管への取り付け時又は取り付け後の点検時に、前記各超音波送受信器によって受信される超音波エコーから、それぞれに対応した流速分布を求める。得られた各流速分布を基に、くさびにおける第1の超音波送受信器の傾斜角度と、管軸への垂線に対する第1の超音波送受信器の傾斜角度とが一致する場合の基準流速分布を求める。
そして、前記第1の超音波送受信器により得られる流速分布が、前記基準流速分布に一致するように配管へのくさびの取付姿勢を調整する工程を備えることを特徴とする。
(セッティング方法のバリエーション)
上記セッティング方法のバリエーションとして、前記第2の超音波送受信器を、くさびの取り付け姿勢の調整後、くさびから取り外す工程を具備することとしてもよい。
(セッティング方法の他のバリエーション)
セッティング方法の別のバリエーションとしては、前記基準流速分布を、前記第1の超音波送受信器及び第2の超音波送受信器により得られた各流速分布の平均値として求めることとしてもよい。
(超音波送受信ユニット)
配管内の被測定流体中に超音波パルスを発信し、測定領域から反射する超音波エコーを受信する第1の超音波送受信器と、第1の超音波送受信器を所定の傾斜角度で支持するくさびとを備えた超音波流量計に用いられる超音波送受信ユニットを提供することもできる。
すなわち、前記くさびが、第1の超音波送受信器に対して配管の管軸方向に沿って所定間隔離間した位置に、第1の超音波送受信器の傾斜角度と同角度で反対方向に傾斜させて第2の超音波送受信器を着脱可能に支持できる支持部を備える。
また、配管への取り付け時又は取り付け後の点検時に、前記各超音波送受信器によって受信される超音波エコーから、それぞれに対応した流速分布を求める。また、得られた各流速分布を基に、くさびにおける第1の超音波送受信器の傾斜角度と、管軸への垂線に対する第1の超音波送受信器の傾斜角度とが一致する場合の基準流速分布を求める。
そして、前記第1の超音波送受信器により得られる流速分布が、前記基準流速分布に一致するように配管へのくさびの取付姿勢を調整可能であることを特徴とする。
本願発明によれば、「クランプオン形」の超音波流量計につき、更なる測定精度の向上に寄与する技術を提供することができた。
第一に、くさびと配管壁面の両方を効率よく透過させ、より正確な流量の計測に寄与する技術を提供することができた。
第二に、エミッションとレシーバとを兼ねた超音波送受信器を支持するくさびの配管への位置合わせを容易にし、配管への取り付け作業を軽減できた。また、点検時における調整作業を容易化し、超音波送受信器の配管への適切な入射角度を容易に維持可能となった。そのような超音波送受信器のセッティング方法、超音波送受信ユニット及び超音波流量計を提供することもできた。
第三に、配管口径や形状に係わらず、超音波パルスのパルス幅を性能通りに伝達させる超音波トランスジューサに用いるくさび部材およびくさび部材の設置方法を提供することもできた。
第四に、エミッションとレシーバとを一つの超音波発信受信装置として提供される超音波流量計において、エミッションから発生するノイズを原因とする測定誤差を抑制し、より正確な流量を計測する技術を提供することもできた。
以下、本発明を実施の形態及び図面に基づいて、更に詳しく説明する。ここで使用する図面は、図1から図5、図7および図8である。
(図1)
図1は、被測定流体11が流れる流体配管10の流量を計測するための超音波流量計において、被測定流体11に入射された超音波パルスの測定領域から反射された超音波エコーを受信する受信機を兼ねた超音波送受信手段(トランスジューサ20)を備える。そのトランスジューサ20は、樹脂製(例えばアクリル樹脂製)のくさび30にて配管10の所定箇所に固定されている。
トランスジューサ20は、被測定流体11に対して測定線に沿って所要周波数(基本周波数)の超音波パルスを送信させる超音波送信手段と、被測定流体に入射された超音波パルスの測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段とを兼ねている。そして、図示は省略するが、その流速分布に基づいて被測定流体の流量を時間依存で求める流量演算手段としてのマイコン、CPU、MPU等のコンピュータと、このコンピュータからの出力を時系列的に表示可能な表示装置とに接続されている。
また、トランスジューサ20には、トランスジューサ20を加振させる信号発生器としての加振用アンプを備えており、加振用アンプから所要の基本周波数のパルス電気信号が超音波トランスジューサへ入力されるようになっている。そして、パルス電気信号の印加により基本周波数の超音波パルスが測定線に沿って発信せしめられる。超音波パルスは、パルス幅5mm程度で拡がりをほとんど持たない直進性のビームである。
トランスジューサ20は、発信された超音波パルスが流体11中の反射体(例えば「気泡」であるが図示は省略している)に当って反射される超音波エコーを受信するようになっている。
トランスジューサ20にて受信された縦波による超音波エコーは、トランスジューサ20が兼ねた反射波レシーバーにて受信され、その反射波レシーバーにてエコー電気信号へ変換される。このエコー電気信号は、増幅器で増幅された後、AD変換器を通ってデジタル化される。そして、デジタル化されたデジタルエコー信号が流速分布計測回路を備えた流速計算装置に入力される。
流速計算装置には、発振用アンプからの基本周波数の電気信号がデジタル化されて入力され、両信号の周波数差からドップラシフトに基づく流速の変化もしくは両信号の相互相関値を用いて流速を計測し、測定線に沿う測定領域の流速分布を算出している。測定領域の流速分布を超音波の入射角度αで較正することによって、流体配管の横断面における流速分布を計測することができる。
超音波の周波数は、距離Lx2において、トランスジューサ20による超音波周波数の半波長の整数倍になるように設定する。換言すれば、流体配管10のスペック(材質や肉厚)が決まっていれば、その管壁を通過する距離Lx2も決定する。
その実際の手順としては、まず、配管肉厚を求める。これは、実測するか、配管スペックにて把握すればよい。
次に、トランスジューサ20による超音波の入射角度、くさび30や配管の材質などから、距離Lx2を算出する。
そして、そのLx2が入射する超音波周波数の半波長の整数倍になるように、トランスジューサ20が発信する超音波の周波数を決定する。その決定した周波数を用いて、半波長の整数倍となるようにLx1を決定する。
予め配管スペックが把握できている場合には、そのLx1の距離を備えたくさびを作製しておけばよい。現場で配管肉厚を実測する場合には、現場でのくさび製作も可能である。
現場でのくさび製作は、以下のように行う。配管の円周上にくさびの型となる型材を配置する。次に、型材内にくさびの原料(時間依存で固化する流動体)を流し込む。流動体が固まる前に超音波トランスジューサ20と形状が同じダミーを設置する。型材の内周面およびダミー19の外周面には、離型剤を塗っておく。流動体が固着したら型材およびダミーを引き抜く。ダミーを挿入していた孔に超音波トランスジューサ20を設置する。
なお、くさび30内では超音波が減衰するので、このLx1をできるだけ小さな距離となるようにして超音波の減衰を抑制することが一般的である。
図2に基づいて、第二の実施形態について説明する。
超音波送受信手段10は、くさび30と、該くさび30の一方の支持部31aに支持される第一の超音波トランスジューサ21と、該くさび30の他方の支持部31bに支持される第二の超音波トランスジューサ22とを備えている。
第一の超音波トランスジューサ21および第二の超音波トランスジューサ22は、いずれも、超音波送受信器が組み込まれており、各超音波トランスジューサから超音波パルスが発信され、反射される超音波エコーを受信する。
くさび30は、各超音波トランスジューサ21,22を、配管10の管軸方向に沿って所定間隔離間し、かつ、互いに同角度で反対方向に傾斜さて支持できるように支持部31a,31bが配置されていればよい。
支持部31a,31bの構造は各超音波トランスジューサ21,22を支持できればよいのであるが、任意に角度調整可能な構造であることが好ましい。 また、例えば、第一の超音波トランスジューサ21の傾斜角度を調整した場合には、第2の超音波トランスジューサ22が自動的に反対方向に同角度調整される構造であることがより好ましい。
また、第一の超音波トランスジューサ21は、実際の流量測定に使用するものであるが、第二の超音波トランスジューサ22は、実際の測定に使用する第一の超音波トランスジューサ21に関する取り付け状態の良否確認にのみ用いられるものとしている。すなわち、第一の超音波トランスジューサ21を配管20に対して初めて取り付ける際、または取り付け後の点検時における取り付け状態の確認調整の際にのみ用いられる。従って、取り付け作業時や点検作業時に、くさび30への着脱が容易に可能となっていることが好ましい。通常の流量測定時には使用されないためである。
なお、くさび30は、超音波透過特性の優れた高粘性グリースや金属カプラント等を介して、配管10の外面に固着される。
次に、本実施形態の超音波送受信手段20のセッティング方法を説明する。
図2に示したように、超音波送受信手段20を配管10へセットする場合、取り付け時の誤差、あるいは配管20の経年変化や熱変形などにより、くさび11と配管20の外面との間に、例えば、誤差角度αが生じる。従来、かかる誤差角度αが生じないように調整するに当たっては、超音波トランスジューサとして、実際の測定に用いるものしか備えていなかったため、その超音波トランスジューサを用いて流速分布を算出し、その結果を考慮した作業者の熟練に頼ることが大きい。
しかしながら、本実施形態によれば、作業者の熟練に頼ることなく、誤差角度αを吸収することができる。
まず、第一のトランスジューサ21と第二のトランスジューサ22とにより、それぞれ流速分布を測定する。第一のトランスジューサ21および第二のトランスジューサ22のくさび30における傾斜角度をθとする。この傾斜角度θは、くさび30と配管10とが性格に位置合わせされている場合(すなわちくさび11と配管20の外面との間に誤差角度αが存在しない場合)には、各トランスジューサ21,22の配管30への入射角度と同じになるはずである。
これに対し、両者間に、誤差角度αが存在する場合には、第一のトランスジューサ21は、被測定流体の流れ方向Aに対し、測定線ML1が鋭角に交差する方向に向いているため、その状態での配管10への入射角度は「θ+α」となる。第二のトランスジューサ22は、反対方向に傾斜しているため、配管10への入射角度が「θ−α」となる。
従って、第一のトランスデューサー21の出力によって得られる流速分布V1は、図3(a)に示すように、誤差角度α=0の場合の基準流速分布V0よりもVα分大きくなる。
第二のトランスデューサー22の出力によって得られる流速分布V2は、図3(b)に示すように誤差角度α=0の場合の基準流速分布V0よりもVα分小さくなる。
以上より、第一のトランスデューサー21により得られる流速分布V1と第二のトランスデューサー22により得られる流速分布V2との平均値が、図3(c)に示したように誤差角度α=0の場合の基準流速分布V0となる。
このようにして誤差角度α=0の場合の基準流速分布V0が求まったならば、くさび30の配管10に対する取り付け姿勢を調整し、再度、第一のトランスデューサー21を用いて流速を測定する。
第一のトランスデューサー21によって得られる流速分布V1が基準流速分布V0と一致した地点が、くさび30と配管10へ正確に位置合わせされた取り付け状態となる。すなわち、第一のトランスデューサー21により得られる流速分布V1が最終的に基準流速分布V0と一致するまで、くさび30の取り付け状態を調整する。そのたびに、必要に応じて第二のトランスデューサー22の出力結果を利用して、本実施形態の超音波送受信手段20をセッティングする。
図4は、上記したセッティング方法を実施可能なドップラ式超音波流量計40の概略構成を示す図である。この図に示したように、かかるドップラ式超音波流量計40は、超音波送受信手段20と、くさび30に設けられる第一および第二の超音波トランスデューサー21,22により受信された超音波エコーの電気信号を増幅する増幅器41と、AD変換器42と、演算部43と、表示装置44とを備えて構成される。
演算部43は、コンピュータプログラムからなる流速分布算出手段43aと基準流速分布算出手段43bとを備えている。流速分布算出手段43aは、増幅器41で増幅され、AD変換器42でデジタル化された各超音波トランスデューサー21,22からの超音波エコーの電気信号により、それぞれの流速分布V1,V2を算出する。基準流速分布算出手段43bでは、各流速分布V1,V2を用い、上記のように例えば各流速分布V1,V2の平均値を求めることにより、基準流速分布を算出する。
なお、上記した説明では基準流速分布V0を各流速分布V1,V2の平均値として算出しているが、くさび30の配管10への取り付け姿勢によっては、他の計算式により基準流速分布V0を算出することもできる。
かかるドップラ式超音波流量計40によれば、初めて取り付ける際または点検時において、くさび30の取り付け姿勢を容易に調整し、適正な取り付け姿勢とすることができる。また、その後は、第一の超音波トランスデューサー21のみにより、超音波パルスを発信しての被測定流体の流量を測定することができる。すなわち、通常のドップラ式超音波流量計と全く同様に、被測定流体における気泡やアルミニウム微粉末等の反射体により反射される超音波エコーを受信し、被測定流体の流量を測定することができる。
上記した説明では、第二の超音波トランスデューサー22を、くさび30の配管10への取り付け姿勢の調整後は取り外し、実際の測定には第一の超音波トランスデューサー21のみを用いている。ドップラ式超音波流量計に管軸方向に沿って2つずつ超音波トランスデューサーを常備させることは、コスト的に得策ではない。したがって、上記のように、取り付け時や点検時のみに第二の超音波トランスデューサー22を用いることが好ましい。
コスト的デメリットを考慮しなくてもよい場合には、2つの超音波トランスデューサー21,22を常時用いるとよい。すなわち、両者の出力結果に差が生じるか否かを定期的に比較し、差が生じた場合に、即座にくさび11の取り付け姿勢を調整するように用いることも可能である。特に、配管の経年変化や熱変形への対応を迅速に行える。
また、一方の超音波トランスデューサーの出力結果のみを用いるのではなく、常に、2つの超音波トランスデューサーの出力結果を用いることも可能であり、この場合には、配管に経年変化等が生じていても、得られる測定結果の信頼性が高まる。
続いて、配管10に合わせたくさび現場で製造する方法について、図5を用いて説明する。
配管10の円周上に、くさび30の型材32を配置する。次に、型材32内にくさび30の原料(時間依存で硬化する流動体33)を流し込む。流動体40が固まる前に超音波トランスデューサ20と形状が同じダミー24を設置する。
型材32の内周面およびダミー24の外周面には、離型材としてグリセリンなどの油分を塗っておく。流動体33が固着したら型材32を外し、ダミー32を引き抜く。そして、ダミー32を挿入していたことによって形成された孔には、超音波トランスデューサ20を設置する。
配管10と超音波トランスデューサ20との間には、配管10の外周形状に沿って固着されたくさび30が設置され、このくさび30を介して超音波トランスデューサ20から超音波パルスが発信される。すなわち、配管10の外周と、くさび30の底面との接地面が大きくなり、密接して固定される。したがって、超音波トランスデューサ20から発信される超音波パルスの伝達幅が広くなる。これにより、配管10内の被測定流体に対し、効率よく伝達するため測定精度が向上する。
続いて、図7および図8に基づいて、超音波トランスデューサ20とくさび30との関係について説明する。
流体配管10の寸法(外径、肉厚、内径のいずれか2つ以上)、流体配管10の材質、流体11の種類などが予め把握できている場合には、前述した超音波の入射角度αが特定できる。その特定された超音波の入射角度αに基づいて、トランスジューサ20のくさび30に対する取り付け角度が特定され、その取り付け角度が得られるようにくさび30を形成することとなる。
くさび30と超音波送信手段20との関係を説明する。そのくさび30における前記超音波送信手段20から流体配管10の外壁面に至る距離をLxとし、当該くさび30内を超音波が透過する速度をVkとし、超音波の振動子が有する不感帯の時間をTtとすると、Lx>Vk×Ttであるようにくさび30を加工する。
具体的には、例えばくさび30の材質がアクリル樹脂である場合にはVk=2700m/秒であり、Tt=20msであるので、54mm以上を確保すればよく、70mmほどを確保したくさびとした。
(図8)
図8に示す実施形態は、くさび30について要求される二つの機能に基づいて、それぞれの部位の材質を異ならせたものである。二つの機能とは、被測定流体11に係る流体配管10に対してトランスジューサ20を固定するための機能と、トランスジューサ20から発振された超音波を流体配管10の外壁面に到達させる機能である。前者の機能を達成する部位を固定部31、後者の機能を達成する部位を超音波伝達部32とする。そして、その超音波伝達部32の材質については、Vkの値が小さな材質を採用できれば、ノイズ発生を抑制しつつコンパクトなくさび30を提供できることとなる。
一方の固定部31の材質は、加工が行いやすい樹脂などの材質、例えばエポキシ樹脂である。
なお、図示は省略するが、超音波伝達部32の材質が流体配管10の音響インピーダンスと同じとなる材質であれば、そのくさび30と流体配管10の外壁面との界面でも横波の発生を抑制できる。その場合、被測定流体11に入射された超音波は縦波のみであり、横波を原因とする測定誤差の発生を抑制することもできる。
一方、流体配管10の寸法(外径、肉厚、内径のいずれか2つ以上)、流体11の種類などを把握することによって特定される超音波の入射角度αが得られるように固定部31を加工することは、固定部31までがステンレス鋼などの材質を採用する場合に比べて容易である。
本願発明は、ドップラ式超音波流量計に限られず、一般の超音波流量計に属する流量計においても採用することができる。
また、超音波流量計の製造業のほか、超音波流量計取り付け業、メンテナンス業においても用いられる。
超音波の経路を示す概念図である。 第二の実施形態に係る超音波送受信ユニットを配管に取り付けた状態を模式的に示した図である。 超音波送受信手段を用いて基準流速分布を算出する工程を説明するための図である。 ドップラ式超音波流量計の概略構成を示す図である。 現場でのくさび製造を示す概念図である。 配管の曲面とくさびとの接触が充分でない場合を示す概念図である。 超音波トランスジューサとくさびの長さとの関係を示す概念図である。 超音波トランスジューサとくさびの長さとの関係を示す概念図である。 従来のドップラ式超音波流量計の問題点を示す図である。
符号の説明
10 流体配管 11 被測定流体
20 超音波送受信手段(トランスジューサ)
21 第一の超音波トランスジューサ
22 第二の超音波トランスジューサ
24 ダミー
30 くさび
31a 第一の支持部 31b 第二の支持部
32 型材 33 流動体
40 ドップラ式超音波流量計 41 増幅器
42 AD変換器
43 演算部 43a 流量分布算出手段
43b 基準流速分布算出手段 44 表示装置

Claims (3)

  1. 所要周波数の超音波パルスを超音波トランスジューサから測定線に沿って流体配管内の被測定流体中へ入射させる超音波送信手段と、 被測定流体に入射された超音波パルスのうち測定領域から反射された超音波エコーを受信し、測定領域における被測定流体の流速分布を測定する流体速度分布測定手段と、 前記被測定流体の流速分布に基づいて、前記測定領域における被測定流体の流量を演算する流量演算手段とを備えて被測定流体の流量を測定する超音波流量計であって、
    超音波送信手段と超音波エコーを受信する受信手段とは、超音波の送受信機能を一体とした超音波トランスジューサとし、
    被測定流体に係る流体配管の外壁面に対して前記超音波送信手段を固定するためのくさびを設け、
    そのくさびは、超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る距離を、当該くさび内を超音波が透過する速度に超音波の振動子が有する不感帯の時間を掛けて算出される距離よりも大きくなるように形成し、
    前記超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る距離と流体配管の外壁面から内壁面に通過する距離を同時に、入射する超音波の半波長の整数倍となるようにしたことを特徴とする超音波流量計。
  2. くさびは、流体配管との接触面を流体配管の曲率と同じにしたことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. くさびは、超音波送信手段から流体配管の外壁面に至る部位の材質を、流体配管の音響インピーダンスと同じとなる材質にて形成したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波流量計。
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