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JP4826037B2 - 電子タグの製造方法。 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナコイルおよび電子部品を内蔵した電子タグおよびその製造方法に係り、特に金型内に樹脂射出することによって電子タグを成形する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の電子タグの構造を示す断面図であり、1はアンテナコイル、2はIC等の電子部品、3はこのアンテナコイル1及び電子部品2から成る内蔵部品を内部に配置する外層容器、4は内蔵部品を封止する外層樹脂である。このように従来の電子タグは、アンテナコイル1及び電子部品2を内部に配置した外層容器3の内部に外層樹脂4を一体化して成るものである。
【0003】
アンテナコイル1と電子部品2が配置された外層容器3の内部を外層樹脂4にて封止一体化する場合、従来の電子タグでは、図4に示すように、射出成形によって外層樹脂で封止一体化する方法がある。
【0004】
すなわち、図4(1)〜(5)に示すように、アンテナコイル1と電子部品2を外層容器3に位置決めして配置し、このアンテナコイル1および電子部品2を配置した外層容器3を金型5内にセットして、射出成形により外層樹脂4で封止一体化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した方法では、射出成形は高圧下にて外層樹脂4を流入させ一体化する。そのため、アンテナコイル1及びIC等の電子部品2から成る内蔵部品が直接高圧力にされされるので、電子部品2やアンテナコイル1の変形や、接続部の破断が発生するという懸念がある。
【0006】
一方、接着剤等でケース内にアンテナコイル1や電子部品2の一部を仮固着することで、上記問題点を解決する方法があるが、仮固着をすることで工程が増えるためコスト増の懸念がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、樹脂の射出圧力でアンテナコイルや電子部品等の内部部品が変形や破断することがない電子タグおよびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
【0009】
(1)請求項1の発明に係る電子タグは、金属導体をコイル状に配線してなるアンテナコイルとこのアンテナコイルに電気的に接続された電子部品等とを具備して成る内蔵部品と、この内蔵部品を被覆する外層樹脂とを備えた電子タグにおいて、前記外層樹脂が、前記内蔵部品を一次成形用の金型の内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記内蔵部品の一部を仮封止した状態の一次成形部品とした第1の成形部分と、前記一次成形部品を二次成形用の金型内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記一次成形部品の未成形部分を成形した第2の成形部分と、を具備することを特徴とする。
【0010】
(2)請求項2の発明は、請求項1記載の電子タグにおいて、前記第1の成形部分が、前記一次成形を行う際に前記一次成形用金型の内面に前記内蔵部品を配置位置決めする目的で設けられた溝および突起部に対応する凹凸を有することを特徴とする。
【0011】
(3)請求項3の発明は、請求項1記載の電子タグにおいて、前記第1の成形部分が、前記一次成形用金型内に挿入したアンテナコイルおよびそれと電気的に接続した電子部品を、前記一次成形用金型の一部で押し付け固定した状態で樹脂射出を行うことで、一次成形した部分から成り、前記第2の成形部分が、前記二次成形用の金型内に挿入配置した前記第1の成形部分を前記二次成形用の金型の一部で押し付け固定した状態で樹脂射出を行うことで、二次成形した部分から成る、ことを特徴とする。
【0012】
(4)請求項4の発明に係る電子タグの製造方法は、金属導体をコイル状に配線してなるアンテナコイルと、このアンテナコイルに電気的に接続された電子部品等とを具備して成る内蔵部品と、この内蔵部品を被覆する外層樹脂とを備えた電子タグの製造方法において、前記内蔵部品を一次成形用の金型の内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記内蔵部品の一部を仮封止した状態の一次成形部品を成形し、次に前記一次成形部品を二次成形用の金型内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記一次成形部品の未成形部分を成形することを特徴とする。
【0013】
(5)請求項5の発明は、請求項4記載の電子タグの製造方法において、前記一次成形用金型の内面に、予め前記内蔵部品が配置位置決めされる溝および突起部を形成しておき、そこに前記内蔵部品を挿入配置した状態で一次成形を行うことを特徴とする。
【0014】
具体的には、例えば請求項5記載の電子タグの製造方法において、前記一次成形用金型の底面に予め前記内蔵部品が配置位置決めされる溝および突起部を形成しておき、そこに前記内蔵部品を挿入配置して位置決めした状態で樹脂射出を行い、これにより前記内蔵部品の底面を除く部分を上方から樹脂で覆って仮封止した状態の一次成形部品を成形し、次に前記一次成形部品をその天地を逆転させて二次成形用の金型内に挿入配置し、前記一次成形部品の前記底面側を樹脂で覆うように樹脂射出を行い、前記一次成形部品の未成形部分を成形することを特徴とする電子タグの製造方法である。
【0015】
(6)請求項6の発明は、請求項4記載の電子タグの製造方法において、前記一次成形部品を成形する一次成形において、金型内に挿入したアンテナコイルおよびそれと電気的に接続した電子部品を、前記一次成形用金型の一部で押し付け固定した状態で樹脂射出を行うことで、一次成形を行うことを特徴とする。
【0016】
具体的には、例えば請求項6記載の電子タグの製造方法において、前記一次成形部品を成形する一次成形するに際し、金型内に挿入したアンテナコイルおよびそれと電気的に接続した電子部品のほぼ片側半分を、前記一次成形用金型の一部で押し付け固定した状態で樹脂射出を行うことで、一次成形を行うことを特徴とする電子タグの製造方法である。
【0017】
<発明の要点>
本発明では、金属導体をコイル状に配線してなるアンテナコイルと、このアンテナコイルに電気的に接続された電子部品と、前記内蔵部品を被覆する外層樹脂とを備えた電子タグの製造において、前記内蔵部品を一次成形用の金型内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記内蔵部品の一部を仮封止した状態の一次成形部品を成形し、次に前記一次成形部品を二次成形用の金型内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記一次成形部品の未成形部分を成形する方法を採用する。
【0018】
すなわち、本発明では、アンテナコイルとそれに接続した電子部品を一次成形用の金型内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い一次成形部品を成形するため、コイルと電子部品は一次成形部品に一体化した状態となる。そのため、その一次成形部品を完全に封止する二次成形工程において、樹脂の射出圧力でアンテナコイルや電子部品等の内部部品が変形や破断することがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施形態に基づいて説明する。
【0020】
本発明の第1の実施形態(図1)に係る電子タグ及び第2の実施形態(図2)に係る電子タグは、共に図1(6)及び図2(6)に示すように、金属導体をコイル状に配線してなるアンテナコイル1と、このアンテナコイルに電気的に接続されたIC等の電子部品2とを具備して成る内蔵部品10と、この内蔵部品を被覆する外層樹脂4a、4bとを備えており、そのうちの一方の外層樹脂4aが、上記内蔵部品10を一次成形用の金型の内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、内蔵部品10の一部を仮封止した状態の一次成形部品6とした第1の成形部分から成り、他方の外層樹脂4bが、上記一次成形部品6を二次成形用の金型内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、一次成形部品6の未成形部分を成形した第2の成形部分から成る構成のものである。すなわち、内蔵部品10を樹脂成形で一部分成形一体化した一次成形部品6を、さらに二次成形を行い完全に封止した構成を有するものである。
【0021】
<第1の実施形態>
図1に第1の実施形態に係る電子タグの製造方法示す。これは、アンテナコイル4とこれに電気的に接続されたIC等の電子部品2とを具備して成る内蔵部品10を一次成形用の金型7の内面に挿入配置した状態で外層樹脂4aの樹脂射出を行い、これにより内蔵部品10の一部を仮封止した状態の一次成形部品6を成形し、次にこの一次成形部品6を二次成形用の金型8内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、これにより前記一次成形部品6の未成形部分を成形する製造方法である。
【0022】
具体的に図1に示す製造工程に従って説明する。
【0023】
まず、一次成形用金型の底面に予め内蔵部品10を配置位置決めするための溝9aおよび突起部9bを形成した一次成形用の金型7を用意する(図1(1))。この溝9aおよび突起部9bの形成は、一次成形時の射出圧力によってアンテナコイル1およびIC等の電子部品2から成る内蔵部品10が変動しないようにするためである。次いで、その一次成形用金型7内、正確にはその底面に、アンテナコイル1およびそれに接続した電子部品2を挿入配置する(図1(2))。その際、底面の溝9a内には電子部品2を、突起部9bの外周にはアンテナコイル1を配置して、それぞれ位置決めする。
【0024】
このように、一次成形時の射出圧力によってアンテナコイル1およびIC等2の内蔵部品が変動しないように位置決めした状態で、外層樹脂4aの樹脂射出を行い(図1(3))、これにより上記内蔵部品10の底面を除く部分を上方から樹脂で覆って仮封止した状態の一次成形部品6を成形する(図1(4))。この状態で、アンテナコイル1および電子部品2は一次成形部品6の一部として樹脂により固着した状態となる。
【0025】
次に、上記により得られた一次成形部品6をその天地を逆転させて二次成形用金型8内に挿入配置する。そこで、外層樹脂4bの樹脂射出(二次成形)を行って(図1(5))、一次成形部品6を完全に封止し、上記一次成形部品6の未成形部分を成形する(図1(6))。
【0026】
この外層樹脂4bの樹脂射出工程において、アンテナコイル1および電子部品2から成る内蔵部品10は一次成形部品6として一体に固着しているため、二次成形時に外層樹脂4bの樹脂の射出圧力によって電子部品2やアンテナコイル1が位置変動したり、変形したり、リード線が断線するようなことがない。また、一次成形と同時に部品固定が出来るため、アンテナコイル1および電子部品2を固定するための工程を増やす必要がない。
【0027】
<第2の実施形態>
図2に第2の実施形態に係る電子タグの製造方法示す。これは、一次成形部品6を成形する一次成形工程において、一次成形用金型7内に挿入したアンテナコイル1およびそれと電気的に接続した電子部品2を、一次成形用金型7の一部で押し付けて固定した状態とし、その状態で樹脂射出を行うことで安定した一次成形を行う製造方法である。
【0028】
具体的に図2に示す製造工程に従って説明する。
【0029】
まず、アンテナコイル1およびそれと電気的に接続した電子部品2から成る内蔵部品10のほぼ片側半分を囲繞しうる射出用空間7a及び残りの片側半分を受容し支持する支持空間7bとを具備する一次成形用金型7を用意する(図2(1))。そして、内蔵部品10のほぼ片側半分を支持空間7bに収納し、残りの片側半分が射出用空間7a内に突出した状態に収容する(図2(2))。
【0030】
次に、一次成形部品6を成形する一次成形工程(図2(3))において、まず、一次成形時の射出圧力によってコイル1およびIC等2の内蔵部品が変動しないように、金型内に挿入したアンテナコイル1およびそれと電気的に接続した電子部品2を、一次成形用金型7の一部で押し付けて固定支持した状態とし、この状態で外層樹脂4aの樹脂射出(一次成形)を行って一次成形部品6を成形する(図2(3)(4))。
【0031】
次に、得られた一次成形部品6を二次成形用金型8内に挿入配置し、そこで外層樹脂4bの樹脂射出(二次成形)を行って、内蔵部品10の残りの片側半分を完全に封止し、上記一次成形部品6の未成形部分を成形する(図2(5)(6))。
【0032】
この外層樹脂4bの樹脂射出工程において、アンテナコイル1および電子部品2から成る内蔵部品10は一次成形部品6として一体に固着しているため、二次成形時に外層樹脂4bの樹脂の射出圧力によって電子部品2やアンテナコイル1が位置変動したり、変形したり、リード線が断線するようなことがない。また、一次成形と同時に部品固定が出来るため、アンテナコイル1および電子部品2を固定するための工程を増やす必要がない。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アンテナコイルとそれに接続した電子部品を一次成形用の金型内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い一次成形部品を成形するため、コイルと電子部品は一次成形部品に一体化した状態となる。そのため、その一次成形部品を完全に封止する二次成形工程において、樹脂の射出圧力でアンテナコイルや電子部品等の内部部品に変形や破断が生ずることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子タグの製造工程を示した説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る電子タグの製造工程を示したものであり、金型で内蔵部品を固定した状態で一次成形を行う形態を示した説明図である。
【図3】従来の電子タグの一例を示した断面図である。
【図4】従来の射出成形方法による電子タグの成形工程の一例を示した説明図である。
【符号の説明】
1 アンテナコイル
2 電子部品
3 外層容器
4 外層樹脂
4a、4b 外層樹脂
5 金型
6 一次成形部品
7 一次成形用金型
8 二次成形用金型
9a 溝
9b 突起部
10 内蔵部品

Claims (1)

  1. 金属導体をコイル状に配線してなるアンテナコイルと、このアンテナコイルに電気的に接続された電子部品等とを具備して成る内蔵部品と、この内蔵部品を被覆する外層樹脂とを備えた電子タグの製造方法において、
    前記内蔵部品を予め前記内蔵部品が配置位置決めされる溝および突起部を形成した一次成形用の金型の内面に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記内蔵部品の一部を仮封止した状態の一次成形部品を成形し、
    次に前記一次成形部品の天地を逆転させて二次成形用の金型内に挿入配置した状態で樹脂射出を行い、前記一次成形部品の未成形部分を成形することを特徴とする電子タグの製造方法。
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