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JP4817725B2 - データ処理装置及び方法 - Google Patents

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本発明は、データ処理装置及び方法に関する。
従来、動画像データや音声データをデジタルデータとして磁気テープに記録再生するデジタルVTRが知られている。デジタル動画像データは膨大なデータ量となるため、デジタルVTRでは、動画像データを符号化することによりデータ量を削減して比較的低い伝送レートに変換した後記録している。
また、特に民生用のデジタルVTRでは、回路規模の削減や消費電力、コスト削減の要求が大きく、これらの要求を満たすべく、動画データや音声データの処理回路を設計している。
一方、近年、SDRAMに代表される大容量のメモリが比較的安価に利用できる環境が整いつつある。膨大な量のデータを処理するデジタルVTRにおいても、複数の処理ブロックが大容量メモリを共通に使用することで、回路規模や消費電力の削減を図ることが考えられている。
大容量メモリを複数の回路ブロックにて共通に使用した場合、複数の回路ブロックからのメモリアクセスが競合することが考えられる。そこで、各回路ブロックに対してメモリアクセスの優先順位を決めておき、競合した場合にこの優先順位に従ってメモリアクセスを調停する処理が行われる(例えば、特許文献1参照)。
また、近年では、デジタル放送が始まり、これに伴い、NTSCなどの標準解像度(SD)の画像データに代わり、高精細(HD)画像データを扱う機器が増えており、HDデータを記録可能なデジタルVTRも登場している。
特開平5−307531号公報
しかしながら、デジタルVTRの様にリアルタイムにデータを処理する装置においては、大容量メモリを複数の回路ブロックにて共通に使用した場合、決められた優先順位に従った調停処理によりメモリアクセスが待たされた結果、データの処理が間に合わずに破綻してしまうことが考えられる。
これを避けるためには、より高速にアクセス可能なメモリを使用する必要があるが、高速なメモリは低速なメモリに比べて高価であり、また、消費電力も大きくなってしまう。
また、リアルタイムにデータを処理する回路ブロックの優先順位を高く設定した場合には、それ以外の回路ブロックのアクセスが長期間待たされることも考えられ、やはりデータの処理が間に合わずに破綻してしまう。
本発明はこの様な問題を解決し、比較的低速なメモリを使用した場合にもメモリアクセスが破綻することを防止したデータ処理装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明のデータ処理装置は、データを記憶するメモリと、前記メモリに対してアクセスする複数の処理手段と、前記複数の処理手段の間に設定された優先順位に基づいて前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、前記処理手段からの前記メモリに対するアクセス要求の拒絶回数に基づいて前記アクセス要求が拒絶された処理手段の優先順位を上げ、前記優先順位を上げた後、前記優先順位が上げられた処理手段からのアクセス要求が許可されたことに応じて前記優先順位が上げられた処理手段の優先順位を下げる第1の制御モードと、前記優先順位を前記アクセス要求の拒絶回数に基づいて変更すること無く前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する第2の制御モードとを有し、前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセス状況に応じて前記第1の制御モードと前記第2の制御モードとを切り替えることを特徴とする。
また、本発明のデータ処理方法は、データを記憶するメモリに対してアクセスする複数の処理手段の間に設定された優先順位に基づいて前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御し、前記データを処理する方法であって、前記処理手段からの前記メモリに対するアクセス要求の拒絶回数に基づいて前記アクセス要求が拒絶された処理手段の優先順位を上げ、前記優先順位を上げた後、前記優先順位が上げられた処理手段からのアクセス要求が許可されたことに応じて前記優先順位が上げられた処理手段の優先順位を下げる第1の制御モードと、前記優先順位を前記アクセス要求の拒絶回数に基づいて変更すること無く前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する第2の制御モードとを、前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセス状況に応じて切り替えることを特徴とする。
メモリに対する複数のアクセス要求が競合した場合にも、優先順位を動的に変更することにより、メモリに対するアクセスを破綻なく保障することができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図を用いて説明する。
図1は、デジタルVTRに適用した本発明の一実施形態における基本構成ブロック図を示したものである。
本実施形態は、図1に示すように各種処理ブロックが内/外のCPUによって制御されつつ各々が所望のタイミングでメモリにアクセスし、それらのアクセス要求をメモリ制御部が調停することで上記処理ブロックの動作を保証するように構成されている。
また、本実施形態における各処理ブロックはSD及びHD対応の画像データ及びオーディオデータのリアルタイム処理を行うことができる。本実施形態においてはこのような処理ユニットを並列配置して各処理回路に時分割的に画像データ及びオーディオデータを供給して処理させる。ことによって、本実施形態は、1フレーム当たりのデータ量が上記SD画像データの倍であるようなHD対応の画像データ及びオーディオデータをリアルタイムに処理することが出来るように構成されている。
まず初めに各ブロックの動作を説明する。上記処理ユニットにおける各処理回路は、図1に示すように、データI/Oブロック1、画像データ入出力ブロック3、オーディオ処理ブロック5、符号化/復号化ブロック7、誤り訂正ブロック9、符号化データ入出力ブロック11、電磁変換処理ブロック25から大略構成されている。これら各ブロック(処理手段)は、アドレス変換回路13及びメモリインターフェース15を介して外付けの上記メモリ17とデータの授受を行うためにアクセス可能である。メモリ17は、データを記憶する。データI/Oブロック1は、カメラからの入力データ、EVF(電子ビューファインダ)への出力データ、ライン入出力データ等のデータを処理する。画像データ入出力ブロック3は、上記入力データに対してY/C分離等の処理をする。符号化/復号化ブロック7は、画像データに対して離散コサイン変換を用いた可変長符号化/復号化を行う。符号化データ入出力ブロック11は、記録時に上記符号化データをテープフォーマットに変換または、再生時にデフォーマット処理をする。電磁変換処理ブロック25は、記録/再生時の電磁変換処理を行う。
これら処理回路の動作は、内部の電気系の処理を制御するシステムコントロールCPU10からCPUバスCBS2を介して供給される所定のコマンド、更に外部のサーボ系CPU23からCPUバスCBS1及びインターフェース21、及び上記CPUバスCBS2を介して供給される所定のコマンドによって制御されて並列配置された各ブロックを時分割処理させる。
本実施形態における上記メモリ17は、クロックの立ち上がりに同期してデータのバースト転送を行い得るSDRAM(Syncronous−DRAM)が用いられている。外部の周波数発振器27は、上記ユニット内の周波数逓倍器29に例えば、27MHzのジッターの無いクロックを供給する。そこで逓倍されて発生した67.5MHzのクロックがリファレンスクロックとしてメモリ17に供給される。ここでリファレンスクロックの周波数67.5MHz(MCLK)は、周波数発振器31で作られるH_Syncにロックした13.5MHzの整数倍(5倍)に設定されている。
上記メモリ領域には、符号化される前の画像データ(Y,Cr,Cb)が画素単位で書き込まれる。この画像データ(NTSC方式のSDモードの場合、1フレーム当たり水平720画素×垂直480画素)は、水平方向5ブロック×垂直方向10ブロックの50個のスーパーマクロブロック(以下、SMBと記す)に配分される。各SMBは、輝度データ4DCT(離散コサイン変換)ブロックと色差データ各1DCTブロックとから成るマクロブロック(以下、MBと記す)を27ブロック集めて構成されている。なお、各DCTブロックは8×8画素から構成される。
また、上述のような画素数から成る1フレームの画像データはNTSC方式の場合符号化処理された後に磁気テープ上の10トラックに渡って記録されるが、符号化前の画像データは上述のような水平方向に整列された5SMB分のデータが1本のトラックにそれぞれ対応する。
一方、上記メモリ領域には、符号化された後の画像データ及び誤り訂正符号等が格納されている。記録媒体へ記録される場合においてそれらのデータは、上述の10本のトラックに分配されて記録される。ここで各トラックに対応する領域には149のシンクブロック(以下、SBと記す)が記録される。
同様に、図示せずもオーディオデータ及び誤り訂正符号等も、上記画像データ領域とは独立した10本のトラックに分配されて記録され、各トラックに対応する領域には14SBが記録される。
また、画像データ/オーディオデータの各SBは、SBの先頭を示す同期データ(以下、SYと記す)、信号の各アドレス及び属性等を示すIDデータ(以下、IDと記す)、有効(画像/オーディオ)データ、及びパリティからそれぞれ構成される。
入力された音声データはオーディオ処理ブロック5を介し、SDRAMの所定領域に書き込まれる。その後、符号化/復号化ブロック7は映像データと同様に音声データをSDRAMの所定領域から読出し、例えばDVフォーマットの音声圧縮方式に対応する方式で圧縮する。AUXデータやサブコードデータなどで構成されるシステムデータは、システムコントロールCPU19によりSDRAMの所定領域に書き込まれる。それらSDRAM上の入力されたデータは誤り訂正ブロック9により誤り訂正符号やIDを付加したり16トラックの間でのインタリーブ処理を施す。その後、符号化データ入出力ブロック11はSDRAMからデータを読出しトラッキング用のパイロット信号成分が強く出るように選ばれた冗長な1ビットを付加することで24ビット単位のデータを25ビット単位のデータに変換(以降、24−25変換と記す。)する。符号化データ入出力ブロック11は、後述するメインデータ又はサブコードに付加するシンクデータ、アンブルデータ、及びITIのデータを発生する。
即ち、図示せずもアドレス変換回路13は、内外部のCPU19、23からバスCBS2を介して再生モードか記録モードかといった各種動作モードの種類等を指定するコマンドが伝送されるか、又は、直接各ブロックのアドレスの所定ビットによって上記モードが伝送される。そして、アドレス変換回路13は、これらの情報に応じてデータ転送の優先順位に関するスケジューリングを行うと共に、上記各ブロックからのアクセス要求(以下、Reqと記す)に応じて各処理ブロックとメモリ17との間のデータ転送の調停を行う。すなわち、アドレス変換回路13は、複数の処理ブロックの間に設定された優先順位に基づいて複数の処理ブロックによるメモリ17に対するアクセスを制御する。
上記コマンドは、図示せずも機器本体の各スイッチ等によって設定される動作モードを上記内外部CPUが検出する事によって決定されるものであり、例えば符号化モード、復号化モード、或いは、VTRにおける特殊再生モード等の各種動作モードに対応する。
上記アドレス変換回路13は、上記各処理ブロックにおける処理形態及び上記メモリ17のアドレス空間に応じた最適なデータ単位でアドレッシングし得るように各処理ブロック毎に後述する所定のアドレスを生成する。
また、このアドレス変換回路13におけるアドレス生成動作は、上記内外CPU19,23から伝送される画像タイプに応じたパラメータに基づいて可変設定されるようになっており、例えば処理すべき画像がSDかHDかといった画像タイプ(サイズ)に応じて異なるアドレスを発生する。
一方、上記各処理回路の各部はそれぞれ必要なクロックが供給されており、そのクロックに同期して動作する。
これらのクロックは、入力信号中から抽出される同期信号HSync、VSync及び内部基準クロック等に基づいて、上記画像データ入出力ブロック3に供給されて入力信号に同期する第1のクロック(本実施形態では13.5MHz)、図示せずもオーディオ処理ブロック5に供給されてオーディオデータの処理を行うための第2のクロック(本実施形態では48KHz)、符号化/復号化ブロック7と誤り訂正ブロック9及び、アドレス変換回路13、メモリI/F15、メモリ17に供給される第3のクロック(本実施形態では67.5MHz)、符号化データ入出力ブロック11に電磁変換処理ブロック25から供給されるドラムの回転に同期したクロックで、記録媒体への記録/再生を行うための第4のクロック(本実施形態では41.85MHz)がある。各処理ブロックは、供給されたクロックに応じた処理動作を行う。また、33はメモリへのアクセスレート監視ブロックである。
図2は、本実施形態に於けるメモリアクセスの制御機能を説明するための機能ブロック図である。
13、15は図1に於けるアドレス変換回路及びメモリI/Fであり、17はメインメモリのSDRAMである。200は夫々所定の周期でリアルタイム処理が必要なブロックのグループ(以降、Gr1と記す。)である。Gr1は、固定された高い優先順のグループである。202は所定の周期でリアルタイム処理が不要なハンドシェーク系のブロックのグループ(以降、Gr2と記す。)である。Gr2は、ハンドシェーク可能なグループであり、本実施形態では優先順位が固定されている。204は、202と同様にリアルタイム処理が不要なハンドシェーク系のブロックのグループ(以降、Gr3と記す。)である。但し、Gr3は、ハンドシェーク系のグループの中でも比較的低いアクセスレートのブロックであり、例えば、図示せずもキャッシュブロックのアクセス等である。このアクセスは、ワーストケースが連続した場合において破綻する可能性があるブロックである。
図3は、本実施形態に於けるメモリアクセスの優先順位を示した一例の図である。
300、306は、図2で示したGr3としてグルーピングされたハンドシェーク系ブロックのリクエストで例えば図1のシステムコントロールCPU19からのキャッシュ用のリクエスト(以降、reqcheと記す。)である。このリクエストが、本実施形態によりダイナミックにアクセス制御されるものであり、デフォルトの優先順位は最下位であり、図5、図6を用いて後述する条件により、最上位または最下位の優先順位に設定される。302は、図2で示したGr1としてグルーピングされたリアルタイム系ブロックのリクエストで例えば図1の画像データ入出力ブロック3のリクエスト(以降reqy, reqcと記す。)、オーディオ処理ブロック5のリクエスト(以降reqaと記す。)、符号化データ入出力ブロック11のリクエスト(以降reqrと記す。)である。304は、図2で示したGr2としてグルーピングされたハンドシェーク系ブロックのリクエストで例えば図1の誤り訂正ブロック9のリクエスト(以降reqeと記す。)、システムコントロールCPU19のリクエスト(以降reqcpと記す。)、サーボ系CPU23のリクエスト(以降reqecpと記す。)、符号化/復号化ブロック7のリクエスト(以降reqvと記す。)である。
次に、図4を用いてメモリアクセスが正常に動作している時と、破綻する時のアクセスパターンを説明する。この例では、説明を容易にするためにreqy, reqc,reqe,そして、reqcheのみのアクセスを用いて説明する。
reqy, reqc,reqe,reqcheのそれぞれの信号波形は、各ブロックからリクエストが発生した時、'H'レベルになり、図1のアドレス変換回路13によるアービトレーション(調停処理)によりリクエストが受け付けられた時に'L'レベルになるように動作する。アービトレーションは受け付けられたリクエストのメモリアクセス処理が完了後、速やかに実施される。この図では、400,404,408,412,416,420,424,428,432がメモリアクセス処理時間を示しており、402,406,410,414,418,422,426,430がアービトレーションのタイミングを示している。
まず、メモリアクセス処理が破綻しない場合の動作を説明する。400のメモリアクセス処理が完了後、402のアービトレーションタイミングにおいて、reqy,reqc,reqe,reqcheの全てのリクエストが発生しているため、優先順位が一番高いreqyが受け付けられ、reqyの波形が'H'から'L'に変化する。それと共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが404に示した時間を占有して実施される。404のアクセスが完了すると406のアービトレーションタイミングにおいて、reqc,reqe,reqcheのリクエストが発生しているため、その時点で優先順位が一番高いreqcが受け付けられる。そして、reqcの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが408に示した時間を占有して実施される。408のアクセスが完了すると410のアービトレーションタイミングにおいて、reqe,reqcheのリクエストが発生しているため、その時点で優先順位が一番高いreqeが受け付けられる。そして、reqeの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが412に示した時間を占有して実施される。412のアクセスが完了すると414のアービトレーションタイミングにおいて、reqcheのリクエストのみが発生しているため、reqcheが受け付けられる。そして、reqcheの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが416に示した時間を占有して実施される。
次に、アクセスが破綻する場合について説明する。416のアクセスが完了すると418のアービトレーションタイミングにおいて、req,reqcheyのリクエストが発生しているため、その時点で優先順位が一番高いreqyが受け付けられる。そして、reqyの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが420に示した時間を占有して実施される。この時、reqcheはアクセスを許可されず待たされる事になる。
420のアクセスが完了すると422のアービトレーションタイミングにおいて、新たに発生したreqcと前回のアービトレーションタイミングから待たされていたreqcheのリクエストが発生しているため、その時点で優先順位が一番高いreqcが受け付けられる。そして、reqcの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが424に示した時間を占有して実施される。
424のアクセスが完了すると426のアービトレーションタイミングにおいて、新たに発生したreqyと前回のアービトレーションタイミングから待たされているreqcheのリクエストが発生しているため、その時点で優先順位が一番高いreqyが受け付けられる。そして、reqyの波形が'H'から'L'に変化すると共に、設定されたバースト長に従いメモリアクセスが428に示した時間を占有して実施される。同様に次のアービトレーションタイミング430においては、reqcのリクエストが受け付けられるために、reqcheは受け付けられ無い事になる。
このような状況が連続する事により、リアルタイムの処理が不要であるハンドシェーク系の処理、特に優先順位の低いブロックのアクセスにおいて、長い時間に渡りメモリへのアクセスが不可能になるとシステム的な破綻が生じる事になる。
ここで、T1,T2,T3は、例えばreqcheのリクエストタイミングを示す。図4はT2及びT3のリクエストが連続して受け付けられない状態にある事を示す。
図5に本実施形態を適用した場合のアクセスパターンを示す。なお、図4に示したパターンと同一のものについては、同じ番号を付し、説明は割愛する。ここでは、reqcheの優先順位を最下位から最上位に設定する条件として、リクエスト拒絶回数(以降、nと記す。)とリクエスト受付(許可)回数(以降、mと記す。)を設定する。これは、図1のシステムコントロールCPU19によってレジスタ設定されるものである。
本実施形態では、図2に示したメモリアクセス制御回路にてこれらnとm及び、実際に計数されたアクセス要求のリジェクト(拒絶)回数(以降、RejectNと記す。)と実際に計数されたアクセス要求の受付(許可)回数(以降、AcceptNと記す。)を比較し、この比較結果によってメモリアクセスの優先順位を変更する。
例として、初期状態で優先順位が最下位であるreqcheの優先順位を制御するための条件を図7に示した。これは、RejectN≧nの場合、reqcheの優先順位を最上位に設定し、AcceptN≧mの条件を満たした時、デフォルト値の最下位に設定する事を示している。
以下、n=1, m=1の場合を例に詳細な説明をする。リジェクト回数を計数する手段は、ハード的又はソフト的手段により容易に実現できるため特に図示しない。
例えば、reqcheのリクエストT2は、アービトレーション処理をされる時点418において、reqcheよりも優先順位の高いreqyと競合することとなり、その結果、reqcheのリクエストはその時点においてリジェクトされる事になる。従って、この場合、RejectNが計数されることにより'1'になり、n=1以上の値になったために、次のアービトレーションタイミングに於ける優先順位は最上位に設定される。
422のアービトレーションタイミングにおいて、reqcheのアクセス優先順位が最上位になる事により、他のリクエストと競合してもreqcheが受け付けられメモリへのアクセス500が許可される。それと同時に、422のタイミングにおいて、reqcheが受け付けられたため、RejectNがリセットされると共に、AcceptNが'1'に設定される。
次に上記500のアクセス完了後のアービトレーションタイミングでは、reqcとreqcheが競合しているが、ここでは、AcceptN≧mの条件が成立しているために、reqcheの優先順位が最下位になる。そして、reqcのリクエストが受け付けられ、メモリアクセス504が発生すると共に、AcceptNがリセットされる。
次のアービトレーションタイミングでは、上記優先順位のまま、reqyとreqcheのリクエストが競合し、reqyが受け付けられ、メモリアクセス508が発生する。それにより、再度、RejectNは計数され'1'になる。そのアクセスが完了後の510のアービトレーションタイミングではRejectN≧nの条件が成立し、通常であれば優先順位が高いreqcと競合しているにも関らず、reqcheの優先順位が最上位になる事でreqcheが受け付けられメモリアクセス512が発生する。それと共に、510のタイミングにおいて、reqcheが受け付けられたため、RejectNがリセットされると共に、AcceptNが'1'に設定され、次のアービトレーションタイミングではreqcheの優先順位は最下位に設定される。
図6のフローチャートを用いて、この様なreqcheのメモリアクセス優先順位の制御処理動作を説明する。
ステップ600は、フローチャートの開始である。ステップ602において、アドレス変換回路13はデフォルトプライオリティの設定を行う。アドレス変換回路13は、ステップ604においてreqcheのリクエストの有無を判断し、ステップ606においてアービトレーションの完了を判定し、ステップ608においてreqcheのリクエストが受け付けられたかどうかを判断する。ここで、reqcheのアクノリッジ(以降、ackcheと記す。)が'1'であればreqcheのリクエストが受け付けられた事を示す。まず、ackche='0'であった場合、アービトレーションタイミングにおいてリジェクトされた事を意味し、ステップ610においてアドレス変換回路13はRejectNを計数して'1'にする。
さらに、アドレス変換回路13は、ステップ612において、RejectNとnを比較し、本実施形態の場合、n=1であるため、ステップ614においてreqcheの優先順位を最上位に上げて設定する。ここで、RejectN≧ nの条件が満たされない場合は、ステップ618にジャンプする。上記条件が満たされている場合、アドレス変換回路13は、ステップ616に遷移し、RejectNをリセットし、ステップ618にてシステムが停止していなければステップ604に戻り、次のreqcheのリクエストが発生すると、ステップ606でアービトレーション処理を行う。
ここで、reqcheの優先順位は最上位になっているため、他のいかなるリクエストが発生していてもreqcheが受け付けられる事により、ステップ608ではackche='1'となり、ステップ620に遷移する。アドレス変換回路13は、ステップ620では、reqcheが受け付けられたためにAcceptNを計数し、ステップ622においてmの値と比較する。この場合、m=1であるためAccept≧mの条件が満たされ、アドレス変換回路13は、ステップ624にて優先順位を最下位に下げて設定する。ここで、AcceptN≧ mの条件が満たされない場合は、ステップ618にジャンプする。
そして、上記条件が満たされている場合、アドレス変換回路13は、ステップ626に遷移して、AcceptNをリセットし、ステップ618に遷移し前述と同様の処理を繰り返す。ステップ618において、システムが停止すればステップ628にて処理が終了する。
次に、図8、図9、図10を用いて、アクセスレートの監視手段を説明する。
図8は、図1に示したアクセスレート監視ブロック33の構成例を示す図である。800はアービトレーションによりアクセス許可されたアクセスデータのバースト長の入力端子であり、本実施形態では、7ビットの幅を持つ。
812は、アービトレーションにより許可されたメモリアクセス単位に発生するタイミング信号であり、そのタイミング信号毎に入力されるバースト長800の値が変化する。802はFF(フリップフロップ)、804は加算器、806はFFであり、バスCBS2を介して図1のシステムコントロールCPUから制御されるタイミング発生器810からのリセット信号によりリセットされる。808はFFであり、806と同様にタイミング発生器810からのイネーブル信号により出力を制御される。
図9を用いて、詳細な動作タイミングを説明する。900はメモリアクセスのタイミング信号であり、図8の812から入力される。902はそれに同期したバースト長(アクセスバイト数)であり、図示したようなバースト長のメモリアクセスが発生する。904は図8のタイミング発生器810から出力されるリセット信号であり、CPUにより1秒周期で'L'レベルにアサートされ、806のFFをリセットする。906はFF806の出力を示したものである。908は図8のタイミング発生器810から出力されるイネーブルタイミング信号であり、リセット信号904のリセット(reset)周期と同様に1秒の周期で'L'にアサートされる信号であり、タイミング的には、904のリセット(reset)よりも少なくとも1サイクル前に発生し、FF808に供給される。その結果、FF808からは910に示したような値が出力される。その出力結果は、1秒間にメモリアクセスされたバイト数の合計であり、すなわちアクセスレートを意味し、それがCPUに読み込まれる事になる。その値の単位は、byte/secであるために、CPUは8倍する事でbit/secに換算する。
図10は、アクセスレートの変化を示した一例である。本実施形態では、前述の様に検出したアクセスレート(アクセス状況)に基づいてメモリアクセス制御モードを変更することが可能である。
即ち、例えば、図10の例1に示す様に、レートに関らず前述の如くアクセス要求のリジェクト回数とアクセプト回数によって動的に優先順位を変更する。あるいは、図10の例2に示した様に、アクセスレートに閾値を設け、アクセスレートが閾値よりも低い場合には優先順位を固定とし、アクセスレートが閾値を超えた場合に優先順位を動的に変化させるようにする。
本実施形態において、例えば、最大67.5Mbpsのシステムにおいてアクセスレートの閾値を80%と設定した場合、54Mbpsが閾値となり、その閾値によって優先順位固定と変動が動的に切り替わる。
なお、本発明はデジタルビデオカメラにのみ適用されるものではなく、競合するメモリアクセスを調停しつつ動作する全てのシステムに同様の処理が適用可能である事は明白である。
本実施形態によれば、DRAMに対するリアルタイム系、ハンドシェーク系のアクセスレートを補償しつつMPU(マイクロプロセッサ)からの必要なアクセスを破綻なく保障する事ができる。
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明の実施形態によるデジタルVTRの構成例を示す図である。 本実施形態のメモリアクセスの優先順位を示す図である。 本実施形態のメモリアクセスの構成を示す図である。 従来のメモリアクセスのリクエスト受付状況を示す図である。 本実施形態のメモリアクセスのリクエスト受付状況を示す図である。 本実施形態のアービトレーション制御のフローチャートである。 本実施形態のアービトレーション制御条件を示す図である。 本実施形態のビットレート検出回路の構成例を示す図である。 本実施形態のビットレート検出回路のタイミング図である。 本実施形態のビットレートによるアクセス制御を示す図である。
符号の説明
1 データI/Oブロック
3 画像データ縫う出力ブロック
5 オーディオ処理ブロック
7 符号化/復号化ブロック
9 誤り訂正ブロック
11 符号化データ入出力ブロック
13 アドレス変換回路
15 メモリI/F
17 SDRAM
19 システムコントロールCPU
21 サーボ系CPUバスI/F
23 サーボ系CPU
25 電磁変換処理ブロック
27 外部の周波数発振器(27MHz)
29 周波数逓倍器
31 周波数発振器(13.5MHz)
33 アクセスレート監視ブロック
CBS1 内部CPUバス
CBS2 サーボ系CPUバス
200 優先順位固定のリアルタイム系ブロック
202 優先順位固定のハンドシェーク系ブロック
204 優先順位変動のハンドシェーク系ブロック
800 アクセスバイト数の入力端子
802 FF
804 加算器
806 FF
808 FF
810 タイミング発生器
812 アクセスタイミング入力端子

Claims (7)

  1. データを記憶するメモリと、
    前記メモリに対してアクセスする複数の処理手段と、
    前記複数の処理手段の間に設定された優先順位に基づいて前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段は、前記処理手段からの前記メモリに対するアクセス要求の拒絶回数に基づいて前記アクセス要求が拒絶された処理手段の優先順位を上げ、前記優先順位を上げた後、前記優先順位が上げられた処理手段からのアクセス要求が許可されたことに応じて前記優先順位が上げられた処理手段の優先順位を下げる第1の制御モードと、前記優先順位を前記アクセス要求の拒絶回数に基づいて変更すること無く前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する第2の制御モードとを有し、前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセス状況に応じて前記第1の制御モードと前記第2の制御モードとを切り替えることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、前記複数の処理手段のうち第1の処理手段のアクセス要求の拒絶回数に基づいて、予め前記第1の処理手段よりも高い優先順位が設定されている第2の処理手段に対する前記第1の処理手段の優先順位を高くすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
  3. 前記複数の処理手段は、リアルタイム処理が必要な第1のデータを処理する第1の処理手段と、リアルタイム処理が不要な第2のデータを処理する第2の処理手段とを含み、前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、前記第2の処理手段からの前記メモリに対するアクセス要求の拒絶回数に基づいて、前記2の処理手段の優先度を前記第1の処理手段よりも高くすることを特徴とする請求項1記載のデータ処理装置。
  4. 前記制御手段は、前記第1の制御モードにおいて、前記第2の処理手段からのアクセス要求がn回拒絶された場合に前記第2の処理手段の優先順位を前記第1の処理手段よりも高くすると共に、前記第2の処理手段の優先順位を上げた後、前記第2の処理手段からのアクセス要求がm回許可された場合に前記第2の処理手段の優先順位を前記第1の処理手段の優先順位よりも低くすることを特徴とする請求項記載のデータ処理装置。
  5. 前記制御手段は、前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセスレートが閾値よりも低い場合には前記第の制御モードに切り替え、前記アクセスレートが閾値を超えた場合には前記第の制御モードに切り替えることを特徴とする請求項記載のデータ処理装置。
  6. データを記憶するメモリに対してアクセスする複数の処理手段の間に設定された優先順位に基づいて前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御し、前記データを処理する方法であって、
    前記処理手段からの前記メモリに対するアクセス要求の拒絶回数に基づいて前記アクセス要求が拒絶された処理手段の優先順位を上げ、前記優先順位を上げた後、前記優先順位が上げられた処理手段からのアクセス要求が許可されたことに応じて前記優先順位が上げられた処理手段の優先順位を下げる第1の制御モードと、前記優先順位を前記アクセス要求の拒絶回数に基づいて変更すること無く前記複数の処理手段による前記メモリに対するアクセスを制御する第2の制御モードとを、前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセス状況に応じて切り替えることを特徴とするデータ処理方法。
  7. 前記複数の処理手段による前記メモリへのアクセスレートが閾値よりも低い場合には前記第2の制御モードに切り替え、前記アクセスレートが閾値を超えた場合には前記第1の制御モードに切り替えることを特徴とする請求項6記載のデータ処理方法。
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