以下、本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる車両用情報表示装置が搭載された車両の車室内の状況を示す図である。図2は、上記車両用情報表示装置の概略ブロック図である。これら図1および図2に示される車両用情報表示装置1は、インストルメントパネル10の上部中央付近に設置される画面であって空調装置5やオーディオ6等の複数の車載機器に関する操作項目が集中的に表示される集中ディスプレイ12と、この集中ディスプレイ12上の操作項目の選択操作等を行う操作手段としてステアリング20に設置される操作部16と、この操作部16の操作に応じて上記集中ディスプレイ12の表示制御および上記各種車載機器の動作制御を行うコントロールユニット14(例えば、CPU、メモリ、各種インターフェース等からなる制御装置)とから構成されている。なお、図1において、上記集中ディスプレイ12の下方に設置された符号22付きの画面は、カーナビゲーション装置用のディスプレイである。また、このカーナビゲーション用ディスプレイ22の下方には、スイッチやダイヤル等からなるインパネ側操作部24が設けられており、このインパネ側操作部24を操作することによっても上記空調装置5等の車載機器を操作できるようになっている。
図3は、上記集中ディスプレイ12の拡大図である。本図に示すように、集中ディスプレイ12には、上記各車載機器ごとに分けられた3つの表示領域A〜Cが設けられており、これらの表示領域A〜Cに、各車載機器に関する所定の操作項目a1・・,b1・・,cがそれぞれ表示されるようになっている。具体的には、空調装置5に関する操作項目a1〜a4が左端の表示領域Aに、オーディオ6に関する操作項目b1〜b3が中央の表示領域Bに、平均燃費や平均速度等の運行情報を提供するDIS7(ドライバーインフォメーションシステム)に関する操作項目cが右端の表示領域Cに、それぞれ表示されている。
上記操作部16は、図4に示すような各種スイッチ類(161〜165;詳細は後述する)からなり、上記集中ディスプレイ12上の操作項目a1・・,b1・・,cから任意の操作項目を選択する操作、およびその選択された操作項目の表示内容を変更する操作が可能なように構成されている。そして、これらの操作に応じて、上記空調装置5等の各車載機器に所定の動作を実行させるように構成されている。
再び図3に戻って、上記集中ディスプレイ12上の表示領域Aに表示された空調装置5に関する操作項目a1〜a4には、この順に、助手席側空調温度、風量、吹出口のパターン、運転席側空調温度がそれぞれ表示されており、上記操作部16の操作に応じてこれらの表示内容がそれぞれ変更されるとともに、その変更後の表示内容に応じた動作が空調装置5において実行されるようになっている。
上記表示領域Bに表示されたオーディオ6に関する操作項目b1〜b3のうち、一番左側の操作項目b1には、オーディオソースが表示されており、上記操作部16の操作に応じてその表示内容が、例えば現状の「FM」(ラジオ)から、「AM」(ラジオ)や「CD」等に切り替わるとともに、その変更後のオーディオソースを起動する動作がオーディオ6において実行されるようになっている。また、図7に示すように、このオーディオソースにかかる操作項目b1は、上記操作部16の操作に応じてその表示内容が、オーディオ6の作動がOFF状態にあることを表す「OFF」にも切り替わるようになっている(図7(c)参照)。そして、このように操作項目b1が「OFF」に切り替わるのに応じて、オーディオ6の作動が実際にOFF状態に切り替わるようになっている。すなわち、オーディオ6は、上記集中ディスプレイ12上のオーディオソースにかかる操作項目b1の表示内容が操作部16によって切り替えられるのに応じて、所定のオーディオソースが起動(ON)されたり、その作動がOFFされたりするようになっている。一方、オーディオ6に関する他の操作項目b2,b3については、オーディオソースの種類によってその表示内容が異なるが、例えば図3のようにオーディオソースが「FM」である場合には、操作項目b2にラジオのチャンネル数、操作項目b3に周波数がそれぞれ表示されるようになっている。ただし、これら操作項目b2,b3の表示は、図7(c)に示すように、上記オーディオソースが「OFF」である場合には消灯される。なお、このように操作項目b2,b3の表示が消灯されると、表示領域B内では、オーディオソースにかかる左端の操作項目b1のみが選択可能となる。
上記表示領域Cに表示されたDIS7に関する操作項目cには、平均燃費や平均速度等の運行情報のうちの1つが表示されるようになっており、上記操作部16の操作に応じてその表示内容が、例えば現状の平均速度から、平均燃費や外気温等の他の情報に切り替わるようになっている。
上記集中ディスプレイ12上には、上記複数の操作項目a1・・,b1・・,cから任意の操作項目を指定して選択するためのカーソル30が表示されている。このカーソル30は、図3に示すように、通常時は表示領域AとBとの境界部に設定されたデフォルト位置αに配置されているが、図5〜図7に示すように、上記操作部16の操作に応じて左右に移動し、操作項目a1・・,b1・・,cの何れかの下方に到達してその操作項目を指定するように構成されている。
上記カーソル30は、上記デフォルト位置αに配置されている状態では常に点灯表示されるが、上記デフォルト位置αから移動して上記操作項目a1・・,b1・・,cの何れかを指定した状態では点滅表示される(点灯と消灯を繰り返す)ようになっている。これは、カーソル30の表示を目立たせることによって、現在何れの操作項目が選択されているかを運転者に容易に理解させるためである。また、このカーソル30の点滅周期は、車速の上昇に応じて速まるようになっている。これは、カーソル30の点滅周期を車速にかかわらず一定にしてしまうと、特に高速運行時において運転者が上記カーソル30の表示を見逃してしまうおそれが高まるからである。すなわち、上記カーソル30の点滅周期を車速にかかわらず一定にしてしまうと、運転者が上記集中ディスプレイ12へ視線を移す時間がごく短くならざるを得ない高速運行時に、上記集中ディスプレイ12への視線の移動タイミングがちょうどカーソル30の消灯時期と重なってしまうおそれがあり、かかる事態が生じると、運転者がカーソル30の表示を認識できなくなってしまうのに対し、上記のようにカーソル30の点滅周期を車速の上昇に応じて速めるようにすれば、このような事態を効果的に回避して運転者にカーソル30の表示を確実に認識させることができるのである。なお、上記カーソル30は、デフォルト位置αに配置されているときと、デフォルト位置αから移動して上記操作項目a1・・,b1・・,cの何れかを指定しているときとでは形状が異なり、デフォルト位置αから移動した状態では、指定する操作項目の大きさに合わせて幅寸法が変化するようになっている。
上記のようにデフォルト位置αから操作項目a1・・,b1・・,cの何れかの下方に移動したカーソル30は、その後上記操作部16の操作が行われなかったとしても、所定時間が経過すれば自動的にデフォルト位置αに復帰するようになっている。すなわち、上記カーソル30により任意の操作項目が指定された状態のまま上記操作部16の操作が所定時間行われなかった場合に、カーソル30が自動的にデフォルト位置αに復帰するようになっている。
図3に示すように、上記カーソル30がデフォルト位置αに配置されているとき、すなわち、上記表示領域A〜C内の何れの操作項目も選択されていないときは、上記集中ディスプレイ12上において、全ての表示領域A〜C内の操作項目a1・・,b1・・,cが表示されるようになっている。本明細書では、この状態のことを集中ディスプレイ12の「通常モード」と称する。
これに対し、図5〜図7に示すように、上記カーソル30が上記操作部16の操作に応じて上記デフォルト位置αから移動し、それによって上記表示領域A〜Cのうちの任意の表示領域内の操作項目が選択されると、上記集中ディスプレイ12上において、この選択された表示領域を少なくとも含んだ特定の表示領域内の操作項目の表示が残されその他の表示領域内の操作項目の表示が消灯されるようになっている。本明細書では、この状態のことを集中ディスプレイ12の「特定モード」と称する。具体的に、この特定モードでは、図5(b)や図6(b)等に示すように、選択された表示領域よりもその選択時の選択方向と逆方向に位置する表示領域内の操作項目の表示が消灯される。例えば、図5(b)に示すように、カーソル30がデフォルト位置αから左方向に移動して表示領域A内の操作項目が選択されたとすると、この選択された表示領域Aよりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向である左方向)と逆の右方向に位置する表示領域B,C内の操作項目b1・・,cの表示が消灯される。これにより、上記選択方向と同方向に位置する表示領域内の操作項目、すなわち、操作対象となり得る表示領域内の操作項目のみが点灯されることとなり、運転者が上記集中ディスプレイ12上の操作項目a1・・,b1・・,cを選択操作する際の視覚的な煩わしさが軽減される。
また、図7に示すように、上記集中ディスプレイ12は、上記操作部16によってオーディオ6がOFF操作されてこのオーディオ6に対応する表示領域B内の操作項目b1の表示内容が「OFF」に切り替えられたときに(図7(c))、その時点から所定時間経過するのを待って、上記「OFF」表示を消灯するように構成されている(図7(d))。これにより、OFF操作されて使用されていないオーディオ6に関する操作項目が消灯され、運転者の視覚的な煩わしさがさらに軽減される。
ただし、この状態から、上記操作部16の操作に応じて上記カーソル30が表示領域Bの外側(表示領域A若しくはC、またはデフォルト位置α)に一旦移動して再び表示領域Bに戻り、それによってオーディオ6に対応する表示領域B内の操作項目b1が再選択されると、上記集中ディスプレイ12は、一旦消灯された上記「OFF」表示を再点灯するように構成されている(図7(e))。これにより、運転者は、オーディオ6を再度ON操作しようとするときに(オーディオソースにかかる操作項目b1の表示内容を「FM」等のソースに切り替えようとするときに)、上記再点灯された「OFF」表示を認識しながら容易に操作を行うことができる。ただし、この再点灯された「OFF」表示は、その後所定時間の間上記操作部16による操作がなかった場合には、再び消灯されるようになっている。
次に、上記操作部16の詳細について説明する。上記操作部16は、図4に示すように、上段の中央部に設置される上下スイッチ162と、この上下スイッチ162の左右に設置される左スイッチ161および右スイッチ163と、下段の左側に設置される“NAVI”スイッチ164と、その右側に設置される“戻る”スイッチ165とから構成されている。なお、このうちの“NAVI”スイッチ164および“戻る”スイッチ165は、カーナビゲーション装置の使用時に用いるスイッチであり、本発明の趣旨とは特に関係ないため、詳細な説明は省略する。以下、左・右スイッチ161,163および上下スイッチ162について説明する。
上記左スイッチ161および右スイッチ163は、上記集中ディスプレイ12上のカーソル30を左右方向へ移動させる指示を行う押しボタン式のスイッチであり、この左・右スイッチ161,163の操作に応じて移動するカーソル30によって、上記集中ディスプレイ12上の複数の操作項目a1・・,b1・・,cのうちから任意の操作項目を指定して選択できるようになっている。具体的に、この左(右)スイッチ161(163)が押圧操作されると、その操作信号が上記コントロールユニット14に入力され、当該操作信号を受けたコントロールユニット14から上記集中ディスプレイ12に対して、カーソル30の表示を左方向(右方向)に移動させる制御信号が出力されるようになっている。
上記上下スイッチ162は、上下方向に操作可能なレバー部162aを備えたトグルスイッチであり、このレバー部162aが上下方向に操作されるのに応じて、あらかじめ選択された操作項目の表示内容を変更させるとともに、その変更後の表示内容に応じた動作を、対応する車載機器に実行させるように構成されている。具体的には、例えば運転席側空調温度にかかる操作項目a4が上記カーソル30によってあらかじめ指定されている状態で上記上下スイッチ162が上下操作されると、その操作信号が上記コントロールユニット14に入力され、それに応じて当該コントロールユニット14が、上記操作項目a4の表示内容(運転席側空調温度の設定値)を変更させる制御信号を集中ディスプレイ12に出力するとともに、実際に運転席側に吹き付けられる空調空気の温度を変更させる制御信号を上記空調装置5に出力する。
また、上記上下スイッチ162のレバー部162aは、上下操作だけでなく、押圧操作も可能なように構成されており、このレバー部162aの押圧操作に応じて、上記集中ディスプイ12上のカーソル30をデフォルト位置αへ復帰させるように構成されている。すなわち、カーソル30がデフォルト位置αから複数項目分離れた操作項目を指定していたとしても、上記上下スイッチ162を1回押圧操作するだけで、上記カーソル30をデフォルト位置αに瞬時に復帰させることができる。もちろん、このカーソル30のデフォルト位置αへの復帰操作は、上記左スイッチ161又は右スイッチ163を必要回数押すことによっても行うことができる。
次に、図5〜図7に基づき、本実施形態の車両用情報表示装置1を用いて各車載機器を操作する手順について説明する。
まず、図5(a)〜(d)を基づき、空調装置5を操作する手順について説明する。具体的に、この図5(a)〜(d)では、運転席側空調温度の設定値、すなわち、表示領域Aに表示される操作項目a4の表示内容を現状の「21.0」℃から「23.0」℃に変更する操作を行う場合について例示説明する。
図5(a)は操作前の状態を示したものであり、この時点では集中ディスプレイ12が通常モードにあるものとする。運転者は、この状態から、上記操作部16の左スイッチ161を1回押すことにより、図5(b)に示すように、カーソル30をデフォルト位置αから左方向に移動させて表示領域A内の操作項目a4に合わせる。
すると、このようにカーソル30がデフォルト位置αから左方向に移動して表示領域A内の操作項目が選択されるのに伴い、集中ディスプレイ12が特定モードに移行し、上記選択された表示領域Aよりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向である左方向)と逆の右方向に位置する表示領域B,C内の操作項目b1・・,cの表示が消灯される。これにより、操作対象となり得る表示領域内の操作項目として、表示領域A内の操作項目a1〜a4の表示のみが残される。
次いで、運転者は、上記操作部16の上下スイッチ162(のレバー部162a)を上方向に必要回数操作することにより、図5(c)に示すように、上記運転席側空調温度の設定値(操作項目a4の表示内容)を現状の「21.0」℃から「23.0」℃に変更する。例えば、上記上下スイッチ162のレバー部162aを上方向に1回操作するごとに設定値が0.5℃変化する場合には、上記レバー部162aを上方向に4回操作すれば、上記のように設定値を「21.0」℃から「23.0」℃に変更することができる。すると、当該操作に伴ってコントロールユニット14から空調装置5に対し制御信号が出力され、実際に運転席側に吹き付けられる空調空気の温度が上記変更後の設定温度(23.0℃)に応じた値に変更されることなる。
そして、運転者は、上記上下スイッチ162のレバー部162aを1回押圧操作することにより、図5(d)に示すように、カーソル30をデフォルト位置αに復帰させ、それによって集中ディスプレイ12を、全ての表示領域A〜C内の操作項目が表示される通常モードに復帰させる。なお、上記カーソル30のデフォルト位置αへの復帰は、上記操作部16の右スイッチ163を押すことによっても行うことができる。または、上記操作部16の操作を所定時間行わないことによっても、上記カーソル30を自動的にデフォルト位置αに復帰させることができる。
次に、図6(a)〜(d)に基づき、DIS7を操作する手順について説明する。具体的に、この図6(a)〜(d)では、DIS7から提供される情報、すなわち、表示領域Cに表示される操作項目cの表示内容を現状の平均速度から平均燃費に切り替える操作を行う場合について例示説明する。
図6(a)は操作前の状態を示したものであり、この時点では集中ディスプレイ12が通常モードにあるものとする。運転者は、この状態から、上記操作部16の右スイッチ163を必要回数押すことにより、図6(b)および(c)に示すように、カーソル30をデフォルト位置αから隣接する表示領域Bに移動させた後、さらにその隣の表示領域Cに移動させてこの表示領域C内の操作項目cにカーソル30を合わせる。
図6(b)には、カーソル30が表示領域Cに到達するまでの途中の段階として、カーソル30が表示領域Bに移動したときの状態が示されている。この図6(b)に示すように、上記カーソル30がデフォルト位置αから右方向に移動して表示領域B内の操作項目が選択されるのに伴い、集中ディスプレイ12が特定モードに移行し、上記選択された表示領域Bよりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向である右方向)と逆の左方向に位置する表示領域A内の操作項目a1〜a4の表示が消灯される。これにより、操作対象となり得る表示領域内の操作項目として、表示領域B,C内の操作項目b1・・,cの表示のみが残される。
そして、図6(c)に示すように、カーソル30が上記表示領域Bからさらに右方向に移動してその隣の表示領域C内の操作項目が上記カーソル30によって選択されると、上記集中ディスプレイ12において、今度は選択された表示領域Cよりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向である右方向)と逆の左方向に位置する表示領域A,B内の操作項目a1・・,b1・・の表示が消灯される。これにより、操作対象となり得る表示領域内の操作項目として、表示領域C内の操作項目cの表示のみが残される。
次いで、運転者は、上記操作部16の上下スイッチ162を必要回数上下操作することにより、図6(d)に示すように、DIS7から提供される情報(操作項目cの表示内容)を現状の平均速度から平均燃費に変更させる。すなわち、上記上下スイッチ162の操作に応じてコントロールユニット14からDIS7に制御信号を出力させ、そのDIS7に対し、平均速度の計測データに代えて平均燃費の計測データを出力させるとともに、そのデータに応じた表示を集中ディスプレイ12に行わせる。
この後、他の車載機器の操作を行う必要がなければ、上記上下スイッチ162のレバー部162aを1回押圧操作する等により、カーソル30をデフォルト位置αに復帰させ、それによって集中ディスプレイ12を通常モードに復帰させればよい。しかしここでは、図7(a)〜(e)に基づいて、上記のようなDIS7の操作に引き続いてオーディオ6の操作を行う手順について説明する。具体的に、この図7(a)〜(e)では、オーディオ6の作動をOFF状態に切り替える操作、すなわち、表示領域Bに表示される操作項目b1の表示内容(オーディオソース)を現状の「FM」(ラジオ)から「OFF」に切り替える操作を行う場合について例示説明する。
図7(a)は、先の図6(d)と同一の状態、すなわち、DIS7から提供される情報(操作項目cの表示内容)を変更させた直後の状態を示したものである。運転者は、この状態から、上記操作部16の左スイッチ161を3回押すことにより、図7(b)に示すように、カーソル30を表示領域Cから左方向に移動させて表示領域B内の操作項目b1に合わせる。
すると、このようにカーソル30が表示領域Cから左方向に移動してその隣の表示領域B内の操作項目が上記カーソル30によって選択されるのに伴い、上記集中ディスプレイ12において、選択された表示領域Bよりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向である左方向)と逆の右方向に位置する表示領域C内の操作項目cの表示が消灯される。これにより、操作対象となり得る表示領域内の操作項目として、表示領域A,B内の操作項目a1・・,b1・・の表示のみが残される。
次いで、運転者は、上記操作部16の上下スイッチ162を上方向に必要回数操作することにより、図7(c)に示すように、上記オーディオソース(操作項目b1の表示内容)を現状の「FM」(ラジオ)から「OFF」に切り替える。すると、当該操作に伴ってオーディオ6の作動電源を切断させる制御信号がコントロールユニット14から出力され、それに応じてオーディオ6の作動がOFF状態に切り替わる。また、これに伴い、集中ディスプレイ12では、操作項目b1に「OFF」が点灯され、他の操作項目b2およびb3の表示が消灯される。
そして、運転者は、上記上下スイッチ162のレバー部162aを押圧操作する等により、図7(d)に示すように、カーソル30をデフォルト位置αに復帰させ、それによって集中ディスプレイ12を通常モードに復帰させる。ただし、オーディオ6に対応する表示領域Bに表示されていた上記「OFF」表示は、上述のように、所定時間が経過すれば消灯されるようになっているため、この図7(d)に示す通常モードでは、表示領域B内の操作項目b1〜b3の表示が何れも消灯され、他の表示領域A,C内の操作項目のみが点灯されることになる。
最後の図7(e)は、上記図7(d)においてデフォルト位置αに復帰したカーソル30が上記操作部16の操作に応じて再び右方向に移動し、オーディオソースにかかる操作項目b1が再選択された状態を示している。このようにオーディオ6に関する操作項目b1が再選択されると、上述のように、一旦消灯されていた上記表示領域B内の「OFF」表示が再点灯される。なお、この再点灯された「OFF」表示は、その後所定時間の間上記操作部16による操作がなかった場合には、再度消灯される。また、これに前後して、カーソル30がデフォルト位置αに復帰し、集中ディスプレイ12が再び図7(d)の状態に戻ることになる。
次に、上記オーディオ6がOFF操作されたときに、集中ディスプレイ12に対して実行される表示制御の内容について説明する。
図8および図9は、上記集中ディスプレイ12の表示制御を示すフローチャートである。この表示制御がスタートすると、まず、オーディオ6のOFF操作の有無を判断する(ステップS11)。具体的には、オーディオ6に対応する表示領域B内の操作項目b1(オーディオソース)が選択された状態で、上記操作部16の上下スイッチ162が、上記操作項目b1の表示内容を「OFF」に切り替え得る回数分だけ上下操作された場合に、オーディオ6がOFF操作されたと判断する。
上記ステップS11でYESと判断されてオーディオ6のOFF操作が確認された場合には、タイマーのカウント値Tm1をリセットするとともに(ステップS13)、上記オーディオソースにかかる操作項目b1に「OFF」を点灯させる制御を実行する(ステップS15)。なお、このようにして操作項目b1に「OFF」が点灯されるのに伴い、表示領域B内の他の操作項目b2,b3の表示が消灯される。
次いで、オーディオソースの切替操作の有無、すなわち、上記表示領域B内の操作項目b1の表示内容を上記「OFF」表示から「FM」や「CD」等の他の表示に切り替える操作が有ったか否かを判断するとともに(ステップS17)、上記タイマーのカウント値Tm1があらかじめ設定された所定時間T(例えば6秒)に達したか否かを判断する(ステップS19)。そして、ステップS17でNOかつステップS19でYESと判断した場合、すなわち、オーディオソースが「OFF」に切り替えられた状態のまま(オーディオソースの切替操作が行われることなく)所定時間Tが経過したことを確認した場合に、上記操作項目b1の「OFF」表示を消灯させる制御を実行する(ステップS21)。
一方、上記ステップS17でYESと判断した場合、すなわち、オーディオソースの切替操作が、オーディオソースが「OFF」に切り替えられた時点から所定時間Tが経過するよりも前に行われたことを確認した場合には、上記表示領域B内に、当該切替後のオーディオソースに応じた表示内容を点灯させる制御を実行する(ステップS23)。例えば、オーディオソースが「FM」に切り替えられた場合には、上記表示領域B内の操作項目b1に「FM」を点灯させるとともに、他の操作項目b2,b3に、チャンネル数と周波数をそれぞれ点灯させる。
次に、図9に基づき、上記ステップS21に引き続いて行われる制御について説明する。上記ステップS21において操作項目b1の「OFF」表示が消灯された後は、次のステップ25において、オーディオソースの再選択操作の有無を判断する。具体的には、カーソル30が、上記操作部16の操作に応じて表示領域Bの外側に一旦移動し、再び表示領域Bに戻ってその内部の操作項目b1を指定した場合に、オーディオソースの再選択操作が有ったと判断する。
上記ステップS25でYESと判断されてオーディオソースの再選択操作が確認された場合には、タイマーのカウント値Tm2をリセットするとともに(ステップS27)、上記オーディオソースにかかる操作項目b1に再度「OFF」を点灯させる制御を実行する(ステップS29)。
次いで、上記ステップS17,S19と同様に、オーディオソースの切替操作の有無および、上記タイマーのカウント値Tm2≧所定時間Tであるかの判断を行う(ステップS31およびS33)。そして、ステップS31でNOかつステップS33でYESと判断した場合、すなわち、オーディオソースの切替操作が行われないまま所定時間Tが経過したことを確認した場合に、上記操作項目b1の「OFF」表示を消灯させる制御を実行する(ステップS35)。
一方、上記ステップS31でYESと判断した場合、すなわち、オーディオソースの切替操作が、オーディオソースの再選択操作が行われた時点から所定時間Tが経過するよりも前に行われたことを確認した場合には、上記ステップS23と同様に、表示領域B内に、当該切替後のオーディオソースに応じた表示内容を点灯させる制御を実行する(ステップS37)。
以上説明したように、上記構成によれば、複数の車載機器(空調装置5、オーディオ6、DIS7)に関する操作項目a1・・,b1・・,cを、集中ディスプレイ12上に設定された複数の表示領域A〜Cにそれぞれ表示させ、上記操作項目a1・・,b1・・,cを操作部16によって選択操作する等により上記各車載機器に所望の動作を実行させる車両用情報表示装置1において、上記複数の車載機器のうちのオーディオ6が上記操作部16によってOFF操作されたときに、このOFF操作されたオーディオ6に対応する表示領域Bに一旦「OFF」を点灯させた後、所定時間が経過すればこれを消灯させるようにしたため、当該「OFF」表示、すなわち、OFF操作されて使用されていないオーディオ6に関する操作項目が点灯され続けることに起因した視覚的な煩わしさを解消することができる。しかも、上記オーディオ6に関する操作項目b1が上記「OFF」表示の消灯中に再選択された場合に、上記「OFF」表示を再点灯させるようにしたため、この再点灯された「OFF」表示を、上記オーディオ6を再度ON操作する際の操作上の手がかりとして運転者に認識させることができ、かかる操作時の操作性を向上させることができる。この結果、「OFF」表示が点灯され続けることに起因した視覚的な煩わしさの解消と、一旦OFF操作されたオーディオ6を再度ON操作する際の操作性の確保とを両立することができ、車両用情報表示装置1の操作性を効果的に向上させることができる。
また、上記実施形態のように、上記集中ディスプレイ12上の操作項目a1・・,b1・・,cを指定して選択するためのカーソル30のデフォルト位置αを、上記ON/OFF操作されるオーディオ6に対応する表示領域Bと隣接する位置(上記実施形態では表示領域Bとその隣の表示領域Aとの境界部)に設定した場合には、一旦OFF操作されたオーディオ6を再度ON操作する際の操作性を向上させることができるという利点がある。すなわち、カーソル30のデフォルト位置αを上記のような位置に設定すれば、上記カーソル30を1回の操作でデフォルト位置αから上記オーディオ6に対応する表示領域Bに移動させる(すなわち、オーディオ6に関する操作項目b1を選択する)ことができ、それによって当該表示領域Bに上記「OFF」表示を素早く再点灯させることができるため、当該「OFF」表示を認識しながら容易に上記オーディオ6を再度ON操作することが可能となる。
また、上記実施形態のように、上記オーディオ6に対応する表示領域B内の操作項目b1にオーディオソースを表示させ、上記操作部16の操作に応じてこの操作項目b1の表示内容(オーディオソース)を上記「OFF」表示に切り替え得るように構成した場合には、上記オーディオ6の作動のON/OFFを切り替える操作を、オーディオ6に関する最上位の操作項目であるオーディオソースを切り替える操作の一環として行うことができるという利点がある。この結果、オーディオ6のON/OFF操作を自然に行うことが可能で、より操作性に優れた車両用情報表示装置1を実現することができる。
また、上記実施形態のように、操作部16をステアリング20に設けた場合には、運転者がステアリング20から手を離すことなく操作部16を操作することが可能となるため、運転しながら車両用情報表示装置1を操作する際の操作性を向上させることができる。
さらにまた、上記操作部16の操作に応じて上記表示領域A〜Cのうちの任意の表示領域内の操作項目が選択されたときに、当該選択された表示領域を少なくとも含んだ特定の表示領域内の操作項目の表示を残す一方で、その他の表示領域内の操作項目の表示を消灯させる(上記集中ディスプレイ12を特定モードに移行させる)ようにした上記実施形態によれば、運転者が上記集中ディスプレイ12上の操作項目a1・・,b1・・,cを選択操作する際の視覚的な煩わしさをさらに効果的に軽減することができる。この結果、集中ディスプレイ12上に表示される操作項目a1・・,b1・・,cの数が多い場合や、車両運転中の運転者が上記操作項目a1・・,b1・・,cの選択操作を行ったような場合(すなわち、集中ディスプレイ12へ視線を移す時間が短くならざるを得ない場合)等であっても、容易かつ正確に車両用情報表示装置1の操作を行うことが可能となる。
特に、上記実施形態のように、上記表示領域A〜Cのうちの任意の表示領域内の操作項目が選択されたときに(集中ディスプレイ12が特定モードに移行したときに)、当該選択された表示領域よりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向)と逆方向に位置する表示領域内の操作項目の表示を消灯させるようにした場合には、上記選択方向と同方向に位置する表示領域内の操作項目、すなわち、操作対象となり得る表示領域内の操作項目のみを点灯させることができるため、車両用情報表示装置1の操作性をより効果的に向上させることができる。
ここで、上記実施形態においては、上記集中ディスプレイ12上の操作項目b1の表示内容(オーディオソース)が上記操作部16の操作に応じて「OFF」に切り替わってから、実際にオーディオ6の作動電源が切れるまでの時間間隔について特に記載しなかったが、当該時間間隔にある程度の時間(例えば数秒程度)を設定してもよい。このように、オーディオソースにかかる操作項目b1が上記「OFF」に切り替えられた状態のまま所定時間が経過するのを待ってから、オーディオ6の作動を実際にOFFさせるようにした場合には、例えば、オーディオソースを「FM」→「AM」→・・のように順番に切り替えている途中でオーディオソースが一時的に「OFF」になったようなときに、いちいちオーディオ6の電源が切れたり再起動されたりする事態を防止でき、かかる事態に起因して運転者が違和感を覚えることを防止することができる。
なお、上記実施形態では、集中ディスプレイ12上に設定された表示領域A〜Cに、空調装置5、オーディオ6、DIS7に関する操作項目をそれぞれ表示させたが、これら以外の車載機器(例えばオートクルーズ装置等)に関する操作項目を上記集中ディスプレイ12上に表示させてもよい。なお、集中ディスプレイ12上の表示領域の数については、操作対象となる車載機器の数に応じて適宜設定すべきものである。
また、上記実施形態では、上記空調装置5、オーディオ6、DIS7からなる複数の車載機器のうち、オーディオ6のみを、上記操作部16によってON/OFF操作し得るように構成したが、空調装置5等の他の車載機器を同様にON/OFF操作し得るように構成してもよい。
また、上記実施形態では、オーディオ6がOFF操作されたときに、表示領域B内の操作項目b1に「OFF」を表示(点灯)させ、その後所定時間が経過したときに当該「OFF」表示を消灯させるようにしたが、このような時間による制御以外にも、例えば、運転者が所定の操作を行ったときに上記「OFF」表示を消灯させるというように制御することも可能である。例えば、上記表示領域B内の操作項目b1の表示内容が「OFF」に切り替えられた後、運転者が上記操作部16を操作して直ちにカーソル30を表示領域Bの外側(表示領域A若しくはC、またはデフォルト位置α)に移動させたような場合には、上記所定時間の経過を待つことなく(上記カーソル30の移動と同時に)、上記「OFF」表示を消灯させるようにしてもよい。なおこのことは、上記操作項目b1の再選択に応じて再表示された「OFF」表示を消灯させるときも同様である。
また、上記実施形態では、オーディオ6がOFF操作されたときに、表示領域Bに「OFF」を点灯させてその所定時間経過後にこれを消灯させ、この一旦消灯された「OFF」表示を、オーディオソースにかかる操作項目b1が選択されたときに再点灯させるようにしたが、当該再点灯を、他の車載機器(空調装置5、DIS7)に関する操作項目が選択されたときに実行させてもよい。このようにすれば、運転者が各車載機器に何らかの操作を行おうとしたときに一様に上記「OFF」表示を再点灯させることができる。これに対し、上記実施形態のように、オーディオ6に関する操作項目b1が再選択されたときにのみ上記「OFF」表示を再点灯させるようにした場合には、運転者が上記オーディオ6を再度ON操作しようとするのに合わせて、適切に上記「OFF」表示を再点灯させることができるという利点がある。
また、上記実施形態では、集中ディスプレイ12上に、操作部16の操作に応じて移動するカーソル30を表示させ、この移動するカーソル30によって上記集中ディスプレイ12上の操作項目a1・・,b1・・,cから任意の操作項目を指定して選択できるようにしたが、操作項目の選択ができればこのような構成に限るものではなく、例えば、選択されている操作項目の点灯色を他のものと変えることにより、操作項目の選択操作を行い得るようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上記操作部16をステアリング20に設けたが、これをインストルメントパネル10等の他の場所に設けてもよい。
また、上記実施形態では、上記表示領域A〜Cのうちの任意の表示領域内の操作項目が選択されたときに上記集中ディスプレイ12を特定モードに移行させ、この特定モードにおいて、上記選択された表示領域よりもその選択時の選択方向(すなわちカーソル30の移動方向)と逆方向に位置する表示領域内の操作項目の表示を消灯させるようにしたが、上記特定モードにおいては、上記選択された表示領域を少なくとも含んだ特定の表示領域内の操作項目の表示を残した上で、その他の表示領域内の操作項目の表示を消灯させるようにすればよく、何れの表示領域内の操作項目を消灯させるかについては適宜変更可能である。例えば、上記選択された表示領域よりもデフォルト位置αに向かう方向に位置する表示領域を消灯させるようにしてもよいし、上記選択された表示領域を除いた他の全ての表示領域内の操作項目の表示を消灯させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、上記特定モードにおいて、特定の表示領域内の操作項目の表示を残し、その他の表示領域内の操作項目の表示を完全に消灯させるようにしたが、当該表示領域内の操作項目の表示を他のものより目立たなくさせることができればこのような構成に限るものではなく、例えば、操作項目の表示の明るさを暗くすることによって他の操作項目より目立たなくさせるようにしてもよい。