JP4810018B2 - Coal tar distillation method and distillation apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コールタールの蒸留方法及び蒸留装置に係わり、詳しくは、コールタールの蒸留に際して、該コールタールに含まれる塩素によって蒸留塔が腐食するのを抑制し、その寿命延長を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭を乾留してコークスを製造するに際しては、発生する排ガスを冷却し、該排ガス中の揮発分を凝縮させてコールタールとして回収している。このコールタールは、様々な芳香族系炭化水素の混合物であるが、さらに蒸留すると、図2(a)に示すように、留出油として各種タール油(カルボル油、ナフタリン油、洗浄油、アントラセン油)が回収され、また、蒸留の残渣は、熱改質されてバインダー・ピッチ(以下、ピッチ)となる。この留出油は、化学工業原料として、ピッチは、各種炭素材料(例えば、アルミニウムの電解精錬用の電極原料)として使用されている。
【0003】
ところで、コールタールには数百ppmの塩素が含まれているため、そのまま蒸留をすると、蒸留塔内の特定温度領域(図中のハッチを施した部分で、常圧における沸点が200〜230℃の油であるナフタリン油の留出口付近)に濃縮する。そして、そこでの塩素濃度が500ppmを超えると、蒸留塔の壁(材質は、炭素鋼)を著しく腐食することが知られている。そのため、通常は、図2(b)に示すように、原料のコールタールに防食剤としての炭酸ナトリウムを添加し、塩素を塩化ナトリウムとして固定化している。その後、この塩化ナトリウムは、前記ピッチに伴われて蒸留残渣として蒸留塔から抜出される(例えば、芳香族およびタール工業ハンドブック、日本芳香族工業会編、昭和53年12月初版発行参照)。
【0004】
しかしながら、以上述べた炭酸ナトリウムを蒸留塔に添加する従来技術では、蒸留残渣であるピッチに多量の塩化ナトリウムが含まれることになる。そのため、該ピッチの用途が制限されるという別の問題が生じる。この問題を解消するには、ピッチを熱水等で別途洗浄する必要が生じ、この従来技術は、経済的に好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑み、蒸留塔内壁の防食が可能であるばかりでなく、蒸留残渣の再処理が不要なコールタールの蒸留方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
発明者は、上記目的を達成するため、蒸留塔内で塩素濃縮領域を形成させないようにする方法について鋭意研究を重ね、その成果を本発明に具現化した。
【0007】
すなわち、本発明は、蒸留される留出油の種類に応じた留出口を設けた段塔式蒸留塔ヘコールタールを連続供給し、一つの留出口よりナフタリン油を留出するコールタールの蒸留方法において、前記留出したナフタリン油にアルカリ水溶液を添加して、生成したタール酸ソーダを分離すると共に、該タール酸ソーダを分離して精製されたナフタリン油の一部を、前記蒸留塔内のナフタリン油の留出口に対応する段又はそれより高い段に返送することを特徴とするコールタールの蒸留方法である。
【0008】
また、本発明は、コールタールが供給され、蒸留される留出油の種類に応じた留出口を設けた段塔式蒸留塔と、前記蒸留塔からのナフタリン油の留出配管に、該留出配管内を通過するナフタリン油へ添加、混合するアルカリ水溶液の供給手段と、それらの混合液を水相及び油相に二層分離する油水分離装置と、前記油水分離装置で分離されたナフタリン油の一部を、前記蒸留塔内のナフタリン油の留出口に対応する段又はそれより高い段へ返送する配管とを設けたことを特徴とするコールタールの蒸留装置である。
【0009】
これらの方法及び装置では、前記アルカリが水酸化ナトリウムであることが好ましい。
【0010】
本発明では、段塔式蒸留塔(以下、蒸留塔と称す)のナフタリン油の留出口近傍に濃縮する塩素を、タール酸ソーダを分離精製したナフタリン油の一部を循環させて、蒸留塔のナフタリン油の留出口近傍に濃縮する塩素を洗浄留出させると共に、留出させたナフタリン油中の塩素をアルカリ水溶液の添加でタール酸ソーダへ移行させるようにしたので、前記蒸留塔内のナフタリン油の留出口近傍での塩素の濃縮を抑制できるようになる。その結果、蒸留塔内壁の防食が可能となるばかりでなく、蒸留残渣中に塩化ナトリウム等の塩化物が存在しないので、蒸留残渣の再処理が不要となる。なお、段塔式蒸留塔は、蒸留塔内に泡鐘トレー、バルブトレー、多孔板トレー等の段床を複数個設けたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明をなすに至った経緯をまじえ、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
まず、発明者は、蒸留残渣であるピッチヘの塩化物(塩化ナトリウム等)の大量移行を避けるため、蒸留塔へ供給されるコールタールヘの炭酸ナトリウムの添加をしないことにした。従って、蒸留塔内の前記特定温度領域、つまりナフタリン油の留出口に対応する段(以下、留出段と称す)近傍には当然に塩素の濃縮が起きるので、別途の濃縮抑制対策を施すことが必要になる。
【0013】
そこで、発明者は、「タール工業においては、図2(b)に示すように、蒸留塔から留出したナフタリン油からタール酸ソーダを回収するために、該ナフタリン油に水酸化ナトリウム水溶液を添加している」(例えば、芳香族およびタール工業ハンドブック、日本芳香族工業会編、昭和53年12月初版発行参照)という技術を利用することとした。通常の酸塩基反応の観点から、ナフタリン油中に酸性元素である塩素が存在すれば、水酸化ナトリウム水溶液の添加で生成するタール酸ソーダ(水相)に該塩素が抽出されるからである。
【0014】
このことを確認するため、発明者は、ビーカーを用い、ナフタリン油に塩素源としての塩化アンモニウムを加えたものに、水酸化ナトリウム水溶液を添加して混合する実験を行った。その結果、タール酸ソーダに伴われて塩素が水相に移行することが確認できた。同時に、この塩素と水酸化ナトリウムとの反応は、酸塩基等量反応で進行し、水相がアルカリ性であれば、該反応は非常に容易に移行することも確認した。このことは、蒸留塔でコールタールに炭酸ナトリウムを添加して塩素を除かなくても、留出したナフタリン油にアルカリ水溶液を添加すれば、生成するタール酸ソーダ(水相)に伴わせて塩素を系外に除去できることを示唆している。なお、該塩素はタール酸ソーダの脱水等の精製工程で容易に除去できる。
【0015】
しかしながら、蒸留塔から抜き出された段階でナフタリン油の塩素が除けても、蒸留塔の中には新しく供給されるコールタールに伴われて塩素が入り、それが前記特定温度領域で濃縮されることに変りはない。そこで、発明者は、この特定温度領域にある塩素を、洗浄、留出することにした。洗浄、留出用物質としては、塩素を含有しないナフタリン油が好ましい。そのナフタリン油は、蒸留塔の系外から別途導入するようにしても良いが、タール酸ソーダの回収で分離精製したものを再び蒸留塔に戻して使用できれば、経済的な見地から最も好ましい。そこで、タール酸ソーダを分離し、精製されたナフタリン油の一部を蒸留塔へ戻す配管を既存設備に追設し、本発明を完成するに到った。
【0016】
さらに、本発明では、コールタールを蒸留して得た留出油のうち、ナフタリン油に水酸化ナトリウム水溶液を添加するが、その際のナフタリン油の温度は60℃以上で留出温度以下であることが好ましい。さらに好ましくは、80〜100℃である。この温度が100℃以上では、水相と接触する都合から別途加圧操作が必要となるし、留出油温度以上にすればナフタリン油の蒸気圧が高くなり、耐圧仕様の設備が必要となるため、設備費が高くなるからである。また、60℃以下では、ナフタリン油が凝固して操業ができなくなる。なお、ナフタリン油と水酸化ナトリウム水溶液の接触によるタール酸ソーダの生成と塩素の水相への抽出は、ほとんど瞬間的に進行する。従って、本発明の実施では、その接触手段としてスタティックミキサー等のラインミキサーを使えば良い。
【0017】
加えて、本発明では、水酸化ナトリウム水溶液の添加量は、分離水溶液である含水タール酸ソーダのpHが5以上、好ましくは12以上となるように調整するのが良い。装置が、既存のタール酸ソーダ抽出用のものを利用できるからである。また、含水タール酸ソーダのpHが5以下では、塩素の抽出が不十分だからである。
【0018】
さらに加えて、本発明では、蒸留塔に戻すナフタリン油の量については、物質バランスを配慮し、図1に示すような関係を維持して戻すのが良い。図1において、(X)は蒸留塔から抜き出したナフタリン油の量であり、(a)は生成したタール酸ソーダの量、(Y)は製品としての精製ナフタリン油の量である。(X−Y−a)の値は、コールタール2に対して、50質量%以上が好ましく、さらに好ましくは50〜170質量%である。50質量%以上とすることにより塩素の除去が確実となる。また、170質量%以下とすることにより、蒸留塔の過度の温度低下を防止できるからである。なお、蒸留塔の熱量が不足する場合には、返送するナフタリン油を加熱する等、蒸留塔に熱を補えば良い。
【0019】
また、本発明では、上記の脱塩素したナフタリン油を戻す位置を、ナフタリン油の留出段と同じか又はそれよりも高い留出段に戻すのが良い。低い段に戻したのでは、塩素の洗浄、留出にならないからである。また、同一又は高い段であれば、どこに戻しても良いが、好ましくは1理論段程度、すなわち、例えば棚段塔の場合は2〜3段上に戻す。同一の段では、塔内での気液の熱・物資交換効率が十分でないため、蒸留塔の運転操作は可能であるが、バランスを崩し易く、不安定な状態になるからである。また、必要以上に高い段に戻せば、蒸留塔の精留効果が低下する。
【0020】
以下に、本発明に係るコールタールの蒸留方法の具体的な内容を、図3を参照して説明する。
【0021】
まず、図3に示すように、蒸留塔1から留出したナフタリン油4は、クーラ一3で100℃以下に冷却される。これをラインミキサー10にて水酸化ナトリウム水溶液14と接触させた後、水相である含水タール酸ソーダ6を油水分離槽5にて静置分離する。そして、脱塩素されたナフタリン油の一部(精製ナフタリン油13)を蒸留塔1へ戻して残りの精製ナフタリン油を製品15として生産する。ここで、クーラー3としては、蒸気ボイラーを採用すれば、熱を回収できるので、エネルギーコストが有利となる。油水分離槽5には、界面計7を設置して、含水タール酸ソーダ6の生産量を調整するのが良い。ナフタリン油4の蒸留塔1からの抜出しは、流量計を監視しながら一定流量で行い、該蒸留塔1に戻す量は、塔内の温度に基づき調整する。水相と油相とに分ける油水分離槽5は、両液の比重差で分離する装置なら何でも良く、例えば遠心分離機でも良い。なお、図3の例では、脱塩素したナフタリン油は、ナフタリン油の留出段の3段上に戻すようにしている。
【0022】
【実施例】
(実施例1)
図3に示した蒸留装置を適用し、常圧でのコールタール2の蒸留を行った。
【0023】
常圧における沸点が200〜230℃の留出油であるナフタリン油4を、蒸留塔1からコールタール供給量の80質量%相当量抜出し、前記クーラー3で90℃まで冷却した。これを、ラインミキサー10で15質量%の水酸化ナトリウム水溶液14と混合後、油水分離槽5に供給した。このときの油水分離槽5内の液温は70℃、水相のpHは12.1である。次に、油水分離槽5で分離、精製したナフタリン油の一部を蒸留塔へ返送した。蒸留塔1へ戻したナフタリン油は、蒸留塔1への供給コールタール量の63〜65質量%である。また、返送位置は、ナフタリン油留出段の3段上である。
【0024】
かかる操作を連続して7日間行い、定期的に蒸留塔のナフタリン油留出口近傍からナフタリン油のサンプリングを行い、塩素量を測定した。その結果、操業中の塩素濃度はほぼ310ppmで一定しており、塩素の濃縮は生じていないことを確認した。
(実施例2)
蒸留塔からのナフタリン油の抜き出し量を120質量%(原料コールタールに対して)、精製ナフタリン油の返送量を100質量%(原料コールタールに対して)とした以外は、実施例1と同様にして、連続して7日間のコールタールの蒸留を行った。
【0025】
その結果、操業中のナフタリン油留出口近傍の塩素濃度はほぼ130ppmで一定しており、塩素の濃縮は生じていないことを確認した。
【0026】
また、返送量を増加することにより、塩素量を低く抑えることができることが分かる。
(比較例)
蒸留塔からのナフタリン油の抜き出し量を20質量%(原料コールタールに対して)とし、精製ナフタリン油の返送を行なわないこととした以外は、実施例1と同様にして、連続して7日間コールタールの蒸留を行った。
【0027】
その結果、操業開始時のナフタリン油留出口近傍の塩素濃度は320ppmであったが、7日後には400ppmまで増加した。返送を行わないと、塩素の濃縮が生じていることが分かる。
(参考例)
コールタールに20質量%重炭酸ナトリウム水溶液を0.3質量%添加したものを蒸留用原料として用い、蒸留塔からのナフタリン油の抜き出し量を20質量%(原料コールタールに対して)とし、精製ナフタリン油の返送を行わないこととした以外は、実施例1と同様にして、連続して7日間コールタールの蒸留を行った。
【0028】
その結果、操業開始時のナフタリン油留出口近傍の塩素濃度は140ppmであたが、7日後には145ppmであり、やや増加する傾向が生じた。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、蒸留塔内のナフタリン油の留出口近傍での塩素の濃縮が抑制できるようになる。その結果、蒸留塔内壁の防食が可能となるばかりでなく、蒸留残渣中に塩化ナトリウム等の塩化物が存在しないので、その再処理が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施における蒸留塔からのナフタリン油の抜き出し量と戻し量との関係を説明する図である。
【図2】従来のコールタールの蒸留方法を示す図であり、(a)はコールタールにNa2CO3を添加しない場合、(b)はコールタールにNa2CO3を添加し、留出したナフタリン油にNaOHを添加する場合である。
【図3】本発明に係るコールタールの蒸留装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 蒸留塔
2 コールタール
3 クーラー
4 ナフタリン油
5 油水分離槽
6 含水タール酸ソーダ
7 界面計
8 カルボル油
9 洗浄油
10 ラインミキサー
11 アントラセン油
12 ピッチ
13 精製ナフタリン油
14 水酸化ナトリウム水溶液
15 製品[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a coal tar distillation method and a distillation apparatus, and more particularly to a technique for suppressing the corrosion of a distillation tower by chlorine contained in the coal tar and extending the life of the coal tar during distillation.
[0002]
[Prior art]
Generally, when coke is produced by dry distillation of coal, generated exhaust gas is cooled, and volatile components in the exhaust gas are condensed and recovered as coal tar. This coal tar is a mixture of various aromatic hydrocarbons, but when further distilled, as shown in FIG. 2 (a), various tar oils (carbol oil, naphthalene oil, washing oil, anthracene are used as distillate oil. Oil) is recovered, and the distillation residue is thermally modified to become binder pitch (hereinafter referred to as pitch). This distillate oil is used as a chemical industrial raw material, and pitch is used as various carbon materials (for example, an electrode raw material for electrolytic refining of aluminum).
[0003]
By the way, since coal tar contains several hundred ppm of chlorine, when distilled as it is, a specific temperature region in the distillation column (the hatched portion in the figure has a boiling point of 200 to 230 ° C. at normal pressure). (Near the outlet of naphthalene oil). And if the chlorine concentration there exceeds 500 ppm, it is known that the wall of the distillation tower (material is carbon steel) is significantly corroded. Therefore, normally, as shown in FIG. 2 (b), sodium carbonate as an anticorrosive is added to the raw coal tar, and chlorine is immobilized as sodium chloride. Thereafter, the sodium chloride is extracted from the distillation tower as a distillation residue along with the pitch (see, for example, the aromatic and tar industrial handbook, edited by the Japan Aromatic Industry Association, first published in December 1978).
[0004]
However, in the conventional technique in which the sodium carbonate described above is added to the distillation column, a large amount of sodium chloride is contained in the pitch that is the distillation residue. This causes another problem that the use of the pitch is limited. In order to solve this problem, it is necessary to separately clean the pitch with hot water or the like, and this conventional technique is economically undesirable.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In view of such circumstances, an object of the present invention is to provide a method for distillation of coal tar that not only prevents the inner wall of the distillation tower from being anticorrosive but also does not require reprocessing of the distillation residue.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the inventor conducted intensive studies on a method for preventing the formation of a chlorine-enriched region in a distillation column, and the results were embodied in the present invention.
[0007]
That is, the present invention relates to a method for distillation of coal tar in which a column tower type distillation column hecoal tar provided with a distillation outlet according to the type of distillate to be distilled is continuously supplied and naphthalene oil is distilled from one distillation outlet. And adding an aqueous alkaline solution to the distilled naphthalene oil to separate the produced sodium tarate, and separating a portion of the sodium naphthalate and purifying a portion of the purified naphthalene oil from the naphthalene oil in the distillation column. The coal tar distillation method is characterized in that the coal tar is returned to a stage corresponding to the above-described distillation outlet or a higher stage.
[0008]
In addition, the present invention provides a column tower distillation column provided with a distillation outlet according to the type of distillate to be distilled, supplied with coal tar, and a distillate piping for naphthalene oil from the distillation column. A supply means of an alkaline aqueous solution to be added to and mixed with naphthalene oil passing through the outlet pipe, an oil / water separator for separating the mixed solution into a water phase and an oil phase, and a naphthalene oil separated by the oil / water separator Is a coal tar distillation apparatus characterized in that a part of the coal tar is returned to a stage corresponding to a naphthalene oil distillation outlet in the distillation column or a pipe higher than that.
[0009]
In these methods and apparatuses, the alkali is preferably sodium hydroxide.
[0010]
In the present invention, chlorine concentrated in the vicinity of the outlet of naphthalene oil in a plate column distillation column (hereinafter referred to as a distillation column) is circulated through a portion of naphthalene oil obtained by separating and refining sodium tartrate, Since the chlorine concentrated in the vicinity of the distillate outlet of naphthalene oil is washed and distilled, the chlorine in the distillated naphthalene oil is transferred to sodium tartrate by the addition of an alkaline aqueous solution, so the naphthalene oil in the distillation column It becomes possible to suppress the concentration of chlorine in the vicinity of the distillate outlet. As a result, not only can the inner wall of the distillation column be protected from corrosion, but there is no chloride such as sodium chloride in the distillation residue, so that reprocessing of the distillation residue becomes unnecessary. The plate column type distillation column is provided with a plurality of step beds such as bubble bell trays, valve trays and perforated plate trays in the distillation column.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below based on the circumstances leading to the invention.
[0012]
First, the inventor decided not to add sodium carbonate to coal tar supplied to the distillation column in order to avoid a large amount of chloride (such as sodium chloride) from being transferred to pitch, which is a distillation residue. Accordingly, chlorine concentration naturally occurs near the specific temperature range in the distillation column, that is, near the stage corresponding to the naphthalene oil distillation outlet (hereinafter referred to as the distillation stage). Is required.
[0013]
Therefore, the inventor added, “In the tar industry, as shown in FIG. 2 (b), an aqueous sodium hydroxide solution was added to the naphthalene oil in order to recover sodium tarate from the naphthalene oil distilled from the distillation column. (For example, refer to the aromatic and tar industrial handbook, edited by the Japan Aromatic Industry Association, published in the first edition of December 1978). This is because, from the viewpoint of a normal acid-base reaction, if chlorine, which is an acidic element, is present in naphthalene oil, the chlorine is extracted into sodium tartrate (aqueous phase) produced by the addition of an aqueous sodium hydroxide solution.
[0014]
In order to confirm this, the inventor conducted an experiment in which a sodium hydroxide aqueous solution was added to and mixed with naphthalene oil added with ammonium chloride as a chlorine source using a beaker. As a result, it was confirmed that chlorine was transferred to the aqueous phase along with sodium tartrate. At the same time, it was confirmed that the reaction between chlorine and sodium hydroxide proceeds by an acid-base equivalent reaction, and that the reaction shifts very easily if the aqueous phase is alkaline. This means that even if sodium carbonate is not added to coal tar in the distillation tower and chlorine is removed, if an aqueous alkali solution is added to the distilled naphthalene oil, it will accompany the soda tartrate (water phase) produced. This suggests that chlorine can be removed from the system. The chlorine can be easily removed by a purification process such as dehydration of sodium tartrate.
[0015]
However, even if the chlorine of naphthalene oil is removed at the stage of being extracted from the distillation column, the chlorine enters the distillation column along with the newly supplied coal tar, which is concentrated in the specific temperature range. There is no change. Therefore, the inventor decided to wash and distill chlorine in this specific temperature range. As the substance for washing and distilling, naphthalene oil containing no chlorine is preferable. The naphthalene oil may be introduced separately from the outside of the distillation column, but it is most preferable from an economic standpoint if the product separated and purified by recovery of sodium tartrate can be returned to the distillation column and used again. Therefore, a pipe for separating sodium tarate and returning a part of the refined naphthalene oil to the distillation tower was additionally installed in the existing equipment, and the present invention was completed.
[0016]
Furthermore, in the present invention, among distillate oils obtained by distilling coal tar, a sodium hydroxide aqueous solution is added to naphthalene oil. The temperature of naphthalene oil at that time is 60 ° C. or higher and below the distillation temperature. It is preferable. More preferably, it is 80-100 degreeC. If this temperature is 100 ° C or higher, a separate pressurizing operation is necessary for the convenience of contact with the aqueous phase, and if it is higher than the distillate oil temperature, the vapor pressure of naphthalene oil increases, and equipment with pressure resistance specifications is required This is because the equipment cost becomes high. Moreover, at 60 degrees C or less, naphthalene oil coagulates and it becomes impossible to operate. Note that the production of sodium tartrate and the extraction of chlorine into the aqueous phase by contact of naphthalene oil and aqueous sodium hydroxide proceed almost instantaneously. Therefore, in the practice of the present invention, a line mixer such as a static mixer may be used as the contact means.
[0017]
In addition, in the present invention, the addition amount of the aqueous sodium hydroxide solution is adjusted so that the pH of the hydrous sodium tartrate as the separation aqueous solution is 5 or more, preferably 12 or more. This is because an existing apparatus for extracting sodium tarate can be used. Further, when the pH of the hydrous sodium tartrate is 5 or less, the extraction of chlorine is insufficient.
[0018]
In addition, in the present invention, the amount of naphthalene oil to be returned to the distillation column is preferably returned while maintaining the relationship shown in FIG. In FIG. 1, (X) is the amount of naphthalene oil extracted from the distillation column, (a) is the amount of sodium tarate produced, and (Y) is the amount of purified naphthalene oil as a product. The value of (XYA) is preferably 50% by mass or more, and more preferably 50 to 170% by mass with respect to
[0019]
Moreover, in this invention, it is good to return the position which returns said dechlorinated naphthalene oil to the distillation stage same as or higher than the distillation stage of naphthalene oil. This is because returning to a lower stage does not result in cleaning or distilling chlorine. Moreover, as long as it is the same or higher stage, it may be returned to any place, but it is preferably returned to about one theoretical stage, that is, for example, in the case of a plate tower, it is returned to the second to the third stage. This is because, in the same stage, the heat / material exchange efficiency of the gas / liquid in the tower is not sufficient, so that the operation of the distillation tower is possible, but the balance is easily lost and the state becomes unstable. Moreover, if it returns to a stage higher than necessary, the rectifying effect of the distillation column will decrease.
[0020]
Hereinafter, specific contents of the coal tar distillation method according to the present invention will be described with reference to FIG.
[0021]
First, as shown in FIG. 3, the
[0022]
【Example】
(Example 1)
The distillation apparatus shown in FIG. 3 was applied, and
[0023]
[0024]
This operation was carried out continuously for 7 days, and naphthalene oil was periodically sampled from the vicinity of the naphthalene oil distillation outlet of the distillation column to measure the amount of chlorine. As a result, it was confirmed that the chlorine concentration during the operation was constant at about 310 ppm, and no concentration of chlorine occurred.
(Example 2)
Example 1 except that the amount of naphthalene oil withdrawn from the distillation column was 120% by mass (based on the raw material coal tar) and the amount of return of the purified naphthalene oil was 100% by mass (based on the raw material coal tar). Then, coal tar was distilled continuously for 7 days.
[0025]
As a result, it was confirmed that the chlorine concentration in the vicinity of the naphthalene oil distillation outlet during operation was constant at about 130 ppm, and no chlorine concentration occurred.
[0026]
Moreover, it turns out that the amount of chlorine can be restrained low by increasing return amount.
(Comparative example)
7 days in the same manner as in Example 1 except that the amount of naphthalene oil extracted from the distillation column was 20% by mass (relative to the raw coal tar) and the purified naphthalene oil was not returned. Coal tar was distilled.
[0027]
As a result, the chlorine concentration near the naphthalene oil distillation outlet at the start of operation was 320 ppm, but increased to 400 ppm after 7 days. If it is not returned, it can be seen that chlorine concentration has occurred.
(Reference example)
Refined by using 20% by weight sodium bicarbonate aqueous solution of 0.3% by weight coal tar as the raw material for distillation, and extracting 20% by weight of naphthalene oil from the distillation column (relative to the raw coal tar). The coal tar was continuously distilled for 7 days in the same manner as in Example 1 except that the naphthalene oil was not returned.
[0028]
As a result, the chlorine concentration in the vicinity of the naphthalene oil distillation outlet at the start of the operation was 140 ppm, but after 7 days it was 145 ppm, and there was a tendency to increase slightly.
[0029]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to suppress the concentration of chlorine near the outlet of naphthalene oil in the distillation column. As a result, not only can the inner wall of the distillation column be protected from corrosion, but there is no chloride such as sodium chloride in the distillation residue, so that reprocessing is not necessary.
[Brief description of the drawings]
BRIEF DESCRIPTION OF DRAWINGS FIG. 1 is a diagram for explaining the relationship between the amount of naphthalene oil extracted from a distillation column and the amount of return in the practice of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a conventional coal tar distillation method, in which (a) shows no addition of Na 2 CO 3 to coal tar, and (b) shows distillation by adding Na 2 CO 3 to coal tar. In this case, NaOH is added to the naphthalene oil.
FIG. 3 is a diagram illustrating a coal tar distillation apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
Claims (2)
前記留出したナフタリン油にアルカリ水溶液を添加して、生成したタール酸ソーダを分離すると共に、該タール酸ソーダを分離して精製されたナフタリン油の一部を、前記蒸留塔内のナフタリン油の留出口に対応する段又はそれより高い段に返送することを特徴とするコールタールの蒸留方法。In the method for distillation of coal tar, which continuously feeds a coal tower hecoal tar provided with a distillation outlet according to the type of distillate to be distilled, and distills naphthalene oil from one distillation outlet,
An aqueous alkali solution is added to the distilled naphthalene oil to separate the produced sodium tartrate, and a part of the naphthalene oil purified by separating the sodium tarate is separated from the naphthalene oil in the distillation column. A method for distilling coal tar, characterized in that the coal tar is returned to the stage corresponding to the distillation outlet or higher.
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