JP4806228B2 - 車両用ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents
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また、ポンプにより加圧されたブレーキ液の一部をマスタシリンダに戻す場合には、カット弁に帰ってくる脈動によりカット弁の作動音が頻繁に発生しやすい。
また、「その差」は、一の車輪ブレーキにおいて目標液圧からブレーキ液圧を引いた値であり、「所定値」は、正の値である。
請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、モータを最大デューティ比で駆動する時間を、制御の必要に応じて調節することができるので、モータによる昇圧性能を維持しつつ、作動音および脈動を抑制することができる。
また、このような車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、モータのデューティ比を制御することにより回転数を制御するので、簡単かつ正確にモータの駆動を制御することができる。
実測ブレーキ液圧は、各車輪ブレーキにそれぞれ設けられた圧力センサによって取得することができる。
推定ブレーキ液圧は、例えば、一の液圧路に設けられた圧力センサによって検出された一の液圧路におけるブレーキ液圧と、車両用ブレーキ液圧制御装置の駆動と、に基づく計算によって取得することができる。
このような車両用ブレーキ液圧制御装置によれば、ブレーキ液圧として推定値を取得するので、実測値を取得する場合と比較して圧力センサの数を減らすことができる。
参照する図において、図1は、本発明の実施形態に係る車両用ブレーキ液圧制御装置を備えた車両の構成図であり、図2は、車両用ブレーキ液圧制御装置のブレーキ液圧回路図である。
図1に示すように、車両用ブレーキ液圧制御装置100は、車両CRの各車輪Tに付与する制動力(ブレーキ液圧)を適宜制御するためのものであり、油路や各種部品が設けられた液圧ユニット10と、液圧ユニット10内の各種部品を適宜制御するための制御装置20とを主に備えている。また、この車両用ブレーキ液圧制御装置100の制御装置20には、車輪Tの車輪速度を検出する車輪速センサ91、ステアリングSTの操舵角を検出する操舵角センサ92、車両CRの横方向に働く加速度を検出する横加速度センサ93と、車両CRの旋回角速度を検出するヨーレートセンサ94、および車両CRの前後方向の加速度を検出する加速度センサ95が接続されている。各センサ91〜95の検出結果は、制御装置20に出力される。
制御装置20は、例えば、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、車輪速センサ91、操舵角センサ92、横加速度センサ93、ヨーレートセンサ94および加速度センサ95からの入力と、ROMに記憶されたプログラムやデータに基づいて各演算処理を行うことによって、制御を実行する。また、ホイールシリンダHは、マスタシリンダMおよび車両用ブレーキ液圧制御装置100により発生されたブレーキ液圧を各車輪Tに設けられた車輪ブレーキFR,FL,RR,RLの作動力に変換する液圧装置であり、それぞれ配管を介して車両用ブレーキ液圧制御装置100の液圧ユニット10に接続されている。
ここで、「出力液圧路A1」が特許請求の範囲における「第一の液圧路」に相当し、「車輪液圧路B」が特許請求の範囲における「第二の液圧路」に相当する。
図3に示すように、制御装置20は、各センサ91〜95から入力された信号に基づき、液圧ユニット10内の制御弁手段V、カット弁6および吸入弁7の開閉動作ならびにモータ9の動作を制御して、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの動作を制御するものである。制御装置20は、機能部として目標液圧設定部21、ブレーキ液圧計算部22、弁駆動部23およびモータ駆動部24を備えている。
設定された各目標液圧PPFL,PPRR,PPRL,PPFR,PPREGは、適宜弁駆動部23およびモータ駆動部24に出力される。
すなわち、圧力センサ8とブレーキ液圧計算部22との組み合わせが、特許請求の範囲における「ブレーキ液圧取得手段」の一例である。
計算されたブレーキ液圧は、弁駆動部23およびモータ駆動部24に出力される。
弁駆動部23は、各目標液圧PPFL,PPRR,PPRL,PPFR,PPREG、カット弁液圧PREGおよび各ブレーキ液圧PFL,PRR,PRL,PFRに基づき各制御弁手段V、カット弁6および吸入弁7の駆動を決定し、駆動するものであり、制御弁手段Vを駆動する制御弁手段駆動部23aと、カット弁6を駆動するカット弁駆動部23bと、吸入弁7を駆動する吸入弁駆動部23cと、を備えている。
図4(a)は、車輪ブレーキの目標液圧およびブレーキ液圧の時間変化を示すグラフであり、図4(b)は、モータのデューティ比の時間変化を示すグラフである。
図4に示すように、まず、経過時間t1の時点で車両用ブレーキ液圧制御装置100による車両CRの挙動安定化制御が開始され、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα未満のときには(PP−P<α,PP>P,経過時間t1〜t2の間)、モータ駆動部24は、モータ9を最大回転数よりも小さい回転数、本実施形態では低デューティ比で駆動するともに、ブレーキ液圧Pが目標液圧PPに追従するように、モータ9のデューティ比を調節する。そして、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα以上になると(PP−P≧α,PP>P,経過時間t2〜t3の間)、モータ駆動部24は、モータ9を最大回転数、本実施形態ではデューティ比100%で駆動する。そして、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα未満になると(PP−P<α,PP>P,経過時間t3〜t4の間)、モータ駆動部24は、モータ9を最大回転数よりも小さい回転数、本実施形態では低デューティ比で駆動するとともに、ブレーキ液圧Pが目標液圧PPに追従するように、モータ9のデューティ比を調節する。この際、モータ駆動部24は、ブレーキ液圧Pが目標液圧PPを超えないように、すなわち、ブレーキ液圧Pが目標液圧PP以下を保ちつつ目標液圧PPに追従するように制御を行う。
したがって、車両用ブレーキ液圧制御装置100は、モータ9を所定時間デューティ比100%で駆動し、その後低デューティ比で駆動する従来の装置と比較して、ポンプ4による昇圧性能を維持しつつモータ9の作動音を抑制することができる。
かかる制御は、四つの車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのうち、目標液圧が最大のものに適用することができる。
図5(a)(b)に示すように、モータ9を低デューティ比で駆動する方が、デューティ比100%で駆動するよりも、カット弁6に帰ってくる脈動が小さくなることがわかる。すなわち、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα以上のときにはモータ9をデューティ比で駆動し、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα未満のときにはモータ9を低デューティ比で駆動することによって、昇圧性能を維持しつつカット弁6に伝わる脈動を抑制してカット弁6の作動音を低減するとともに、モータ9の作動音を低減することができる。
図6は、制御装置によるモータ駆動処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、制御装置20は、挙動安定化制御を実行中であるか否かを判定する(ステップS1)。
挙動安定化制御を実行中の場合には(ステップS1でYes)、各車輪ブレーキの目標液圧とブレーキ液圧との差(目標液圧からブレーキ液圧を引いた値)を計算し、所定値αと比較する(ステップS2,S3,S4,S5)。
各車輪ブレーキの目標液圧とブレーキ液圧との差が、全て所定値α未満である場合(PP−P<α,ただし、少なくとも一つの車輪ブレーキにおいて目標液圧PPがブレーキ液圧Pよりも大きい。なお、本実施形態における挙動安定化制御実行中には、全ての車輪ブレーキにおいて目標液圧PPがブレーキ液圧Pよりも大きくなっている。)には(ステップS2,S3,S4,S5の全てでNo)、制御装置20は、モータ9を低デューティ比で駆動する(ステップS6)。ここで、制御装置20は、車輪ブレーキFL,RR,RL,FRのうち、目標液圧が最大のものについて、ブレーキ液圧が目標液圧に追従するようにモータ9を駆動する。
また、各車輪ブレーキFL,RR,RL,FRの目標液圧とブレーキ液圧との差のいずれかが、所定値α以上である場合には(ステップS2,S3,S4,S5のいずれかでYes)、制御装置20は、モータ9をデューティ比100%で駆動する(ステップS7)。
また、挙動安定化制御を実行していない場合には(ステップS1でNo)、制御装置20は、モータ9を停止する(ステップS8)。
ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα以上のときにはモータ9をデューティ比100%で駆動し、ブレーキ液圧Pと目標液圧PPとの差がα未満のときにはモータ9を低デューティ比で駆動することによって、ポンプ4の昇圧性能を維持しつつ、作動音および脈動を抑制することができる。
モータ9を低デューティ比で駆動する際に、車輪ブレーキFL,FR,RL,RRのうち目標液圧が最大のもののブレーキ液圧を目標液圧に追従させるように駆動するので、一つの車輪ブレーキのブレーキ液圧を、モータ9の駆動により制御することができる。また、モータ9の駆動量(回転数)を必要最小限に抑えることができ、作動音および脈動をさらに抑制することができる。
各車輪ブレーキFL,FR,RL,RRにおけるブレーキ液圧を推定するので、圧力センサの数を減らすことができる。
モータ9の回転数制御をデューティ制御により行うので、簡単かつ正確にモータの駆動を制御することができる。
6 カット弁(リニアソレノイド弁)
8 圧力センサ
9 モータ
21 目標液圧設定部
22 ブレーキ液圧計算部
23 弁駆動部
24 モータ駆動部
100 車両用ブレーキ液圧制御装置
FL,FR,RL,RR 車輪ブレーキ
M マスタシリンダ(液圧供給手段)
V 制御弁手段
Claims (4)
- 液圧供給手段に接続された一の液圧路が複数の車輪ブレーキに接続され、前記複数の車輪ブレーキのブレーキ液圧をそれぞれの目標液圧に制御する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記一の液圧路に設けられたリニアソレノイド弁と、
前記一の液圧路における前記リニアソレノイド弁よりも前記車輪ブレーキ側のブレーキ液圧を加圧可能なポンプと、
前記ポンプを駆動する回転数制御可能なモータと、
前記モータを回転数制御により駆動制御するモータ駆動部と、
各前記車輪ブレーキの目標液圧を設定する目標液圧設定部と、
各前記車輪ブレーキのブレーキ液圧を取得するブレーキ液圧取得手段と、
を備え、
前記モータ駆動部は、前記モータの回転数制御をデューティ制御により行い、車両の挙動安定化制御が開始されたときに、前記モータを最大回転数よりも小さい回転数で駆動し、続いて、前記挙動安定化制御の実行中において、各前記車輪ブレーキのうち前記目標液圧が最大である前記車輪ブレーキを選択し、前記選択された車輪ブレーキにおいて前記目標液圧が前記ブレーキ液圧よりも大きく、その差が所定値以上となったときに、常に前記モータを前記最大回転数となるようにデューティ比100%で駆動し、続いて、前記挙動安定化制御の実行中において、前記選択された車輪ブレーキにおいて前記目標液圧が前記ブレーキ液圧よりも大きく、その差が所定値未満となったときに、前記モータを前記最大回転数よりも小さい回転数で駆動する
ことを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 液圧供給手段に接続された一の液圧路が複数の車輪ブレーキに接続され、前記複数の車輪ブレーキのブレーキ液圧をそれぞれの目標液圧に制御する車両用ブレーキ液圧制御装置であって、
前記一の液圧路に設けられたリニアソレノイド弁と、
前記リニアソレノイド弁よりも前記車輪ブレーキ側の液圧路のブレーキ液圧を加圧可能なポンプと、
前記ポンプを駆動する回転数制御可能なモータと、
前記モータを回転数制御により駆動制御するモータ駆動部と、
各前記車輪ブレーキの目標液圧を設定する目標液圧設定部と、
各前記車輪ブレーキのブレーキ液圧を取得するブレーキ液圧取得手段と、
を備え、
前記モータ駆動部は、前記モータの回転数制御をデューティ制御により行い、車両の挙動安定化制御が開始されたときに、前記モータを最大回転数よりも小さい回転数で駆動し、続いて、前記挙動安定化制御の実行中において、少なくとも一つの前記車輪ブレーキのうち前記目標液圧が最大である前記車輪ブレーキを選択し、前記選択された車輪ブレーキにおいて前記目標液圧が前記ブレーキ液圧よりも大きく、その差が所定値以上となったときに、常に前記モータを前記最大回転数となるようにデューティ比100%で駆動し、続いて、前記挙動安定化制御の実行中において、前記選択された車輪ブレーキにおいて前記目標液圧が前記ブレーキ液圧よりも大きく、かつ全ての前記車輪ブレーキにおいてその差が所定値未満となったときに、前記モータを前記最大回転数よりも小さい回転数で駆動する
ことを特徴とする車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記モータ駆動部は、前記モータを前記小さい回転数で駆動する際に、前記選択された車輪ブレーキにおいて前記ブレーキ液圧を前記目標液圧に追従させるように駆動する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。 - 前記ブレーキ液圧取得手段は、各前記車輪ブレーキの推定ブレーキ液圧を取得する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用ブレーキ液圧制御装置。
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