JP4803540B2 - 電気柵 - Google Patents
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Description
電気柵は、田畑を囲むように間隔を隔てて立てた杭に電線を張り、この電線に通電することによって動物に感電ショックを与えて田畑への侵入を防止するものが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。動物が電線の隙間をくぐり抜けるのを防止するため、電線に加え、ネットを張設したものもある。
まず、猿やハクビシン等、運動能力に優れる動物は、支柱やネットを伝って電気柵を乗り越えたり、電気柵そのものを飛び越えてしまうこともあり、動物侵入抑止効果の面で、改善の余地が大きい。さらに、従来の電気柵は高価で設置に手間も掛かる割りに、前記のように効果が限られることから、特に小規模農家や家庭菜園従事者は、対費用効果の面から、設置をあきらめることも多い。
また、従来の電気柵は、電気柵の内側の田畑において農作業を行う作業者が電気柵に誤接触して感電することもあるため、作業者は常に電気柵の位置を意識していなければならないという問題もある。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、動物の侵入をより確実に防ぐことができ、かつ簡易かつ安価で安全な電気柵を提供することを目的とする。
また、柵本体を地盤上に設置した状態で、自重等によって柵本体の形状が上記した当初の形状から変形することもあり得る。この他、前記の断面形状は、柵本体が連続する方向において常に同一である必要はなく、例えば地盤上に設置したときの安定性を向上させるために、長さ方向の一部を多角形状とし、残部を円形とすることもできる。また、柵本体を、一定長を有したユニットを繋ぎ合わせることで構成する場合等、ユニット同士の接続部分にフランジを形成すること等を許容する。
このような電気柵を田畑の周囲に設けると、電気柵に動物が接近し、第一の導電体と第二の導電体とに動物が接触すると、動物の体に第一の導電体から電流が流れ、電気ショックを与えることができる。これにより、電気柵の内側の田畑への動物の侵入が防止できる。
また、柵本体の断面形状が筒状または断面の一部に切り欠きのある筒状であるが故に、電気柵は、田畑に侵入しようとする動物にとって見れば、高さだけでなく奥行きが大きく、電気柵を飛び越えにくい。
ここで、柵本体は、断面方向に複数に分割された分割体を組み合わせることで構成するのがさらに好ましい。これにより、柵本体の運搬性がさらに高まる。
また、柵本体をユニット化することで、簡易かつ安価な電気柵を提供できる。
加えて、導電体を電気柵の外側にのみ設けることで、電気柵の内側で作業を行う作業者の安全性を高めることができる。
図1は、本実施の形態における電気柵の構成を説明するための断面図である。
図1に示すように、電気柵10は、外形が筒状の柵本体11と、柵本体11の外表面に設けられるシート材12と、シート材12の表面に設けられた導電体13とから構成される。
また、設置に際する運搬性の観点から、柵本体11は、断面方向に複数に分割した分割体11sから形成するのが好ましい。図1の例においては、柵本体11を中空の円筒状とし、断面が半円弧状の2つの分割体11sを組み合わせることで柵本体11を形成している。分割体11sどうしは、その合わせ面に互いに噛み合う凹凸11dを形成したり、適宜の連結部材を用いることで、互いに連結され、柵本体11を形成する。
このとき、シート材12の幅方向中間部12cを、柵本体11が地盤Gの表面に接する部分11bの隙間に押し込むようにして設置するのが好ましい。すなわち、断面円形あるいは多角形状(図1の例では断面円形)の柵本体11と、地盤Gの表面との間には、柵本体11の外表面と地盤Gの表面とによって鋭角Cを有した空間Aが形成される。シート材12を設けた状態で、同様に柵本体11と地盤Gの表面との間に鋭角Cを有した空間Aが形成されるよう、幅方向中間部12cを柵本体11が地盤Gの表面に接する部分に押し込むのである。
シート材12は、柵本体11が地盤Gの表面に接する部分11bの隙間に幅方向中間部12cを押し込んだ状態を維持するため、幅方向中間部12cをペグ21等によって地盤Gに固定しても良いし、柵本体11の外表面に、面ファスナーや接着剤等によって固定しても良い。
また、このような空間Aを形成するため、柵本体11は、多角形状とする場合、その角数は5角形以上とするのが好ましい。
アース側導電体13Gは、シート材12が地盤Gの表面に沿った範囲に、少なくとも一本が設けられる。
このとき、電気柵10は、筒状の柵本体11を備えているため視界が遮られ、電気柵10の内側の田畑を視認することができない。したがって、動物が、何が何でも電気柵10の内側へ侵入しようという意欲が高まるのを防げる。
また、柵本体11が筒状であるが故に、電気柵10は、田畑に侵入しようとする動物にとって見れば、高さだけでなく奥行きが大きい。したがって、電気柵10を飛び越えにくい。
加えて、電気柵10の柵本体11の下部と地盤Gとの間に、鋭角Cを有した空間Aが形成されている。動物は、このような空間Aにもぐり込もうとする習性が多いため、この空間Aにもぐり込もうとすれば、プラス側導電体13Vとアース側導電体13Gとに動物が確実に接触する。
これらにより、電気柵10の内側の田畑への動物の侵入防止効果を、従来になく高いものとすることができる。
図4に示すように、柵本体11上に、従来の電気柵と同様、電線17を設けることも可能である。その場合、柵本体11上に支柱18を立て、支柱18で電線17を支持し、この電線17にも電源から高電圧電流を印加する。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
Claims (6)
- 筒状または断面の一部に切り欠きのある筒状で、地盤に沿って一方向に連続して設置される柵本体と、
前記柵本体の表面に沿って設けられ、外部の電源から電圧が印加される第一の導電体と、
前記柵本体に沿った地盤上に敷設されるシートと、
前記シートの表面に設けられた第二の導電体と、
を備えることを特徴とする電気柵。 - 前記第一の導電体は、前記柵本体において、前記電気柵の外側となる部分にのみ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気柵。
- 前記柵本体は筒状であり、
前記シートは、前記柵本体の外表面から前記柵本体に沿った地盤上までを連続して覆うことを特徴とする請求項1または2に記載の電気柵。 - 前記柵本体は予め定められた長さを有し、前記電気柵が連続する方向に沿って複数の前記柵本体が連続して設置されるとともに、
前記シートは、予め定められた幅を有し、前記電気柵が連続する方向に沿って連続する帯状とされていることを特徴とする請求項3に記載の電気柵。 - 前記柵本体は、断面方向に複数に分割された分割体を組み合わせることで構成されることを特徴とする請求項4に記載の電気柵。
- 前記柵本体を地盤上に設置したときに、前記柵本体の底部と前記地盤との間に鋭角を有した空間が形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電気柵。
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