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JP4800120B2 - 挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置 - Google Patents

挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置 Download PDF

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JP4800120B2 JP2006165124A JP2006165124A JP4800120B2 JP 4800120 B2 JP4800120 B2 JP 4800120B2 JP 2006165124 A JP2006165124 A JP 2006165124A JP 2006165124 A JP2006165124 A JP 2006165124A JP 4800120 B2 JP4800120 B2 JP 4800120B2
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Description

本発明は挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置に係り、特に小腸や大腸を観察する内視鏡の挿入を補助する挿入補助具に関する。
内視鏡の挿入部を小腸などの深部消化管に挿入する場合、単に挿入部を押し入れていくだけでは、腸管の複雑な屈曲のために挿入部の先端に力が伝わりにくく、深部への挿入は困難である。例えば、挿入部に余分な屈曲や撓みが生じると、挿入部をさらに深部に挿入することができなくなる。そこで、内視鏡の挿入部を挿入補助具に挿通させて体内に挿入し、この挿入補助具で挿入部をガイドすることによって、挿入部の余分な屈曲や撓みを防止する方法が提案されている。
特許文献1には、内視鏡の挿入部の先端部に第1バルーンを設けるとともに、挿入補助具(オーバーチューブまたはスライディングチューブともいう)の先端部に第2バルーンを設けた内視鏡装置が記載されている。第1バルーンや第2バルーンは、膨張させることによって、挿入部や挿入補助具を小腸等の腸管内に固定させることができる。したがって、第1バルーンや第2バルーンの膨張、収縮を繰り返しながら、挿入部と挿入補助具を交互に挿入することによって、挿入部を小腸等の複雑に屈曲した腸管の深部に挿入することができる。
特許文献1の挿入補助具は、その先端が搾られた先細形状になっている。このような挿入補助具は、先端において挿入部との隙間が小さいので、腸壁が隙間に巻き込まれることを防止することができる。
しかし、先細形状の挿入補助具は、内視鏡の挿入部を挿入補助具の内部に引き入れることができないという問題がある。すなわち、内視鏡の挿入部には、第1バルーンが装着され、第1バルーンの位置で外径が大きくなっている。したがって、挿入部の第1バルーンが挿入補助具の先細の先端に引っ掛かり、挿入部を挿入補助具の内部に引き入れることができない。このため、特許文献1は、挿入補助具を体内に挿入した状態のまま、挿入部だけを体内から引き抜くことができないという問題があった。
この問題を解消するため、特許文献2には、先端を拡径可能にした挿入補助具が記載されている。この挿入補助具は、先端がスポンジなどの軟性材料によって構成され、拡径させることができるので、第1バルーンが装着された挿入部を挿入補助具から引き抜くことができる。
特開2001−340462号公報 特開2005−211217号公報
しかしながら、特許文献2は、内視鏡の挿入部を引き抜いた際に、第1バルーンが挿入補助具の先端に接触するため、第1バルーンが損傷したり、第1バルーンが挿入補助具の先端に引っかかって脱落したりするおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、腸壁の巻き込みを確実に防止することができ、且つ、内視鏡の挿入部を安全に引き抜くことができる挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、内視鏡の挿入部が挿通可能な筒状に形成され、外周面に膨縮自在なバルーンが装着された挿入補助具において、前記挿入補助具の先端部と前記バルーンが連結され、前記バルーンの膨張動作に連動して前記挿入補助具の先端部が拡径されることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、挿入補助具の先端部がバルーンの膨張動作に伴って拡径されるので、内視鏡の挿入部を安全に引き抜くことができる。したがって、挿入部に装着されたバルーンを損傷したり脱落させたりすることなく、挿入部を安全に引き抜くことができる。
また、請求項1の発明によれば、バルーンの膨張動作に連動して挿入補助具の先端部が拡径されるので、挿入補助具の先端部を拡径させるための操作を新たに行う必要がない。したがって、操作の単純化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記挿入補助具の先端部は、拡径方向に弾性変形可能な先細の筒状に形成され、該先端部と前記バルーンの膨出部とが連結部材によって連結されることを特徴とする。
請求項2の発明によれば、挿入補助具の先端部が先細形状に形成されるので、挿入補助具に挿通させた挿入部と挿入補助具との隙間が小さくなり、腸壁の巻き込みを防止することができる。
また、請求項2の発明によれば、挿入補助具の先端部とバルーンの膨出部が連結部材によって連結されるので、バルーンを膨張させた際に挿入補助具の先端部が連結部材によって外側に引っ張られて拡径される。したがって、挿入部を挿入補助具から安全に引き抜くことができる。
さらに、請求項2の発明によれば、バルーンを収縮させた際に、挿入補助具の先端部が自身の弾性力によって元の先細形状に戻るので、挿入補助具と挿入部との隙間を小さくすることができる。
請求項3に記載の発明は請求項2の発明において、前記連結部材は軟性材によって筒状に形成され、該連結部材の先端部が前記挿入補助具の先端部に係合されるとともに、前記連結部材の基端部が前記バルーンの膨出部に係合されることを特徴とする。
請求項3の発明によれば、筒状の連結部材によって挿入補助具の先端部とバルーンの膨出部とが連結されるので、バルーンを膨張させた際に挿入補助具の先端部が全周にわたって連結部材によって外側に引っ張られ、先端部が均等に拡径される。
請求項4に記載の発明は請求項2の発明において、前記連結部材は、円周方向に所定の間隔で配置された複数の糸状部材から成り、該複数の糸状部材の先端部が前記挿入補助具の先端部に係合され、前記複数の糸状部材の基端部が前記バルーンの膨出部に係合されるとともに、前記挿入補助具の先端部には、前記糸状部材の係合位置同士の間に切り込みが形成されることを特徴とする。
請求項4の発明によれば、挿入補助具の先端とバルーンの膨出部とが複数の糸状部材によって連結されるので、バルーンを膨張させた際に挿入補助具の先端部が糸状部材によって外側に引っ張られて拡径される。また、請求項4の発明によれば、糸状部材の係合位置同士の間に切り込みが形成されるので、複数の糸状部材によって挿入補助具の先端部を外側に引っ張って拡径させた際に、切り込みの位置においても拡径させることができる。よって、挿入補助具の先端部を全周にわたって略均等に拡径させることができる。
請求項5に記載の発明は請求項1の発明において、前記挿入補助具の先端部は、拡径方向に弾性変形可能な先細の筒状に形成され、前記バルーンの先端部は、前記挿入補助具の先端側で折り返されて、該挿入補助具の内周面に固定されることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、挿入補助具の先端部が先細形状に形成されるので、挿入補助具に挿通させた挿入部と挿入補助具との隙間が小さくなり、腸壁の巻き込みを防止することができる。
また、請求項5の発明によれば、バルーンが挿入補助具の先端側で折り返されて挿入補助具の内周面で固定されるので、バルーンを膨張させた際に挿入補助具の先端部がバルーンによって外側に引っ張られ、拡径される。
さらに、請求項5の発明によれば、バルーンを収縮させた際に、挿入補助具の先端部が自身の弾性力によって元の先細形状に戻るので、挿入補助具と挿入部との隙間を小さくすることができる。
請求項6の発明の内視鏡装置は、請求項1〜5のいずれか1に記載の挿入補助具と、挿入部の外周に膨縮自在なバルーンが装着された内視鏡とを備えたことを特徴とする。挿入部の外周に膨縮自在なバルーンが装着された内視鏡は、バルーンが挿入補助具の先端に引っ掛かりやすいという問題があるが、本発明では、挿入補助具の先端部を拡径させることができるので、上記問題を解消することができる。
本発明によれば、バルーンの膨張動作に連動して挿入補助具の先端部が拡径されるので、新たな操作を増やすことなく、挿入補助具の先端部を拡径させることができる。
以下添付図面に従って本発明に係る挿入補助具及びそれを備えた内視鏡装置の好ましい実施の形態について詳述する。
図1は本発明に係る挿入補助具が適用される内視鏡装置の一例を示すシステム構成図である。図1に示すように内視鏡装置は主として、内視鏡10、挿入補助具70及びバルーン制御装置100で構成される。
内視鏡10は、手元操作部14と、この手元操作部14に連設され、体内に挿入される挿入部12とを備える。手元操作部14には、ユニバーサルケーブル16が接続され、このユニバーサルケーブル16の先端にLGコネクタ18が設けられる。LGコネクタ18は光源装置20に着脱自在に連結され、これによって後述の照明光学系54(図2参照)に照明光が送られる。また、LGコネクタ18には、ケーブル22を介して電気コネクタ24が接続され、この電気コネクタ24がプロセッサ26に着脱自在に連結される。
手元操作部14には、送気・送水ボタン28、吸引ボタン30、シャッターボタン32、及び機能切替ボタン34が並設されるとともに、一対のアングルノブ36、36が設けられる。手元操作部14の基端部には、L状に屈曲した管によってバルーン送気口38が形成されている。このバルーン送気口38にエア等の流体を供給、或いは吸引することによって、後述の第1バルーン60を膨張、或いは収縮させることができる。
挿入部12は、手元操作部14側から順に軟性部40、湾曲部42、及び先端部44で構成され、湾曲部42は、手元操作部14のアングルノブ36、36を回動することによって遠隔的に湾曲操作される。これにより、先端部44を所望の方向に向けることができる。
図2に示すように、先端部44の先端面45には、観察光学系52、照明光学系54、54、送気・送水ノズル56、鉗子口58が設けられる。観察光学系52の後方にはCCD(不図示)が配設され、このCCDを支持する基板には信号ケーブル(不図示)が接続される。信号ケーブルは図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16等に挿通されて電気コネクタ24まで延設され、プロセッサ26に接続される。よって、観察光学系52で取り込まれた観察像は、CCDの受光面に結像されて電気信号に変換され、そして、この電気信号が信号ケーブルを介してプロセッサ26に出力され、映像信号に変換される。これにより、プロセッサ26に接続されたモニタ50に観察画像が表示される。
図2の照明光学系54、54の後方にはライトガイド(不図示)の出射端が配設されている。このライトガイドは、図1の挿入部12、手元操作部14、ユニバーサルケーブル16に挿通され、LGコネクタ18内に入射端が配設される。したがって、LGコネクタ18を光源装置20に連結することによって、光源装置20から照射された照明光がライトガイドを介して照明光学系54、54に伝送され、照明光学系54、54から前方に照射される。
図2の送気・送水ノズル56は、図1の送気・送水ボタン28によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、さらにこのバルブはLGコネクタ18に設けた送気・送水コネクタ48に連通される。送気・送水コネクタ48には不図示の送気・送水手段が接続され、エア及び水が供給される。したがって、送気・送水ボタン28を操作することによって、送気・送水ノズル56からエア又は水を観察光学系52に向けて噴射することができる。
図2の鉗子口58は、図1の鉗子挿入部46に連通されている。よって、鉗子挿入部46から鉗子等の処置具を挿入することによって、この処置具を鉗子口58から導出することができる。また、鉗子口58は、吸引ボタン30によって操作されるバルブ(不図示)に連通されており、このバルブはさらにLGコネクタ18の吸引コネクタ49に接続される。したがって、吸引コネクタ49に不図示の吸引手段を接続し、吸引ボタン30でバルブを操作することによって、鉗子口58から病変部等を吸引することができる。
挿入部12の外周面には、ゴム等の弾性体から成る第1バルーン60が装着される。第1バルーン60は、その両端部が絞られた略筒状に形成されており、挿入部12を挿通させて第1バルーン60を所望の位置に配置した後、図2に示すように第1バルーン60の両端部にゴム製の固定リング62、62を嵌め込むことによって、第1バルーン60が挿入部12に固定される。なお、固定リング62、62の代わりに糸を巻回することによって第1バルーン60を固定するようにしてもよい。
第1バルーン60の装着位置となる挿入部12の外周面には、通気孔64が形成されている。通気孔64は、図1の手元操作部14に設けられたバルーン送気口38に連通されており、バルーン送気口38には後述のチューブ110を介してバルーン制御装置100に接続される。したがって、バルーン制御装置100によってエアを供給、吸引することによって、第1バルーン60を膨張、収縮させることができる。なお、第1バルーン60はエアを供給することによって略球状に膨張し、エアを吸引することによって挿入部12の外表面に張り付くようになっている。
一方、図1に示す挿入補助具70は、基端側に設けられた筒状の把持部72と、この把持部72の先端側に連設されたチューブ部73と、さらにチューブ部73の先端側に連設された先端部75(図3参照)で構成され、前述の挿入部12は、把持部72からチューブ部73内に挿入される。チューブ部73は、挿入部12の外径よりも若干大きい内径を有する筒状に形成されており、たとえばウレタンゴムなどによって製作され、十分な可撓性を有している。なお、把持部72とチューブ部73は別部材で形成してもよいし、一体で形成してもよい。
チューブ部73の先端外周には第2バルーン80が装着される。第2バルーン80は、図3に示すように両端が窄まった略筒状に形成されており、小径の先端部80A及び基端部80Bと、中央の膨出部80Cで構成される。この第2バルーン80は、まず、裏返した状態でチューブ部73を挿通させ、第2バルーン80の先端部80Aに糸を巻回してチューブ部73の先端に固定する。次いで、第2バルーン80を裏返して元の状態に戻し、基端部80Bに糸を巻回してチューブ部73に固定する。これにより、第2バルーン80がチューブ部73の先端外周に装着される。
チューブ部73の外周面には、細径のチューブ74が貼り付けられている。チューブ74の先端は、第2バルーン80の内部に配置され、チューブ74の基端は、図1に示すコネクタ76に連通される。コネクタ76には、チューブ120が接続され、このチューブ120を介して後述のバルーン制御装置100に接続される。したがって、バルーン制御装置100でエア等の流体を供給、吸引することによって、第2バルーン80を膨張、収縮させることができる。第2バルーン80は、流体を供給することによって略球状に膨張し、流体を吸引することによって挿入補助具70の外周面に貼りつくようになっている。なお、細径のチューブ74を貼り付ける代わりに、チューブ部73の内部に流体の管路を一体形成してもよい。
図3に示すように、挿入補助具70の先端部75は、先端側ほど径が小さくなる先細の筒状に形成されている。先端部75の先端の内径は、挿入部12の外径と殆ど同じ寸法で形成される。また、先端部75は、チューブ部73よりもゴム硬度の低い材質で構成されており、拡径方向に(すなわち外側に)弾性変形することができ、且つ、チューブ部73よりも変形しやすくなっている。なお、チューブ部73と先端部75は、一体成形により製造してもよいし、別体で製造して接着または溶着するようにしてもよい。また、先端部75は、チューブ部73全体よりも変形しやすく構成されていればよく、たとえば、先端部75をチューブ部73と同じ材質で且つチューブ部73よりも薄く形成してもよい。
先端部75は、連結部材77によって第2バルーン80の膨出部80Cに連結されている。連結部材77は、布等の軟性材によって先端側の径が小さい筒状に形成されている。なお、連結部材77の材質は、十分に柔らかく、且つ、第2バルーン80及び先端部75よりも伸び率の小さい材質であればよく、たとえば、第2バルーン80及び先端部75よりも硬度が高いゴムを用いてもよい。
連結部材77は、図4に示すように、その先端部分が、先端部75の先端側で折り返され、先端部75の内周面で全周にわたって接着剤78により固定される。また、連結部材77は、その基端部が第2バルーン80の膨出部80Cの外周面に全周にわたって接着剤79により固定されている。なお、その固定位置は特に限定するものではないが、膨出部80Cが最も膨出する点、或いは、その最大膨出点よりも基端側に配置することが好ましい。
上記の如く構成された挿入補助具70は、先端部75が拡径方向に弾性変形可能に構成され、且つ、先端部75が連結部材77を介してバルーン80の膨出部80Cに連結されている。したがって、図7に示すように第2バルーン80に流体を供給して膨出部80Cを膨張させると、先端部75が連結部材77によって外側に引っ張られて拡径される。また、図6に示すように、第2バルーン80から流体を吸引して膨出部80Cを収縮させると、先端部75は自身の弾性力によって元の形状に戻り、縮径される。なお、先端部75は、第2バルーン80の膨張時にチューブ部73と同程度まで拡径されることが好ましいが、これに限定するものではなく、たとえば先端部75をチューブ部73よりも大きく拡径してもよい。この場合、先端部75が挿入部12を引き入れる際のガイドとなるので、挿入部12の挿通性をさらに向上させることができる。
次に、図1の第1バルーン60、第2バルーン80に流体を供給・吸引するバルーン制御装置100について説明する。バルーン制御装置100は主として、装置本体102、及びリモートコントロール用のハンドスイッチ104で構成される。
装置本体102の前面には、電源スイッチSW1、停止スイッチSW2、第1圧力表示部106、第2圧力表示部108、及び第1機能停止スイッチSW3、第2機能停止スイッチSW4が設けられる。第1圧力表示部106、第2圧力表示部108はそれぞれ、第1バルーン60、第2バルーン80の圧力値を表示するパネルであり、バルーン破れ等の異常発生時にはこの圧力表示部106、108にエラーコードが表示される。
第1機能停止スイッチSW3、第2機能停止スイッチSW4はそれぞれ、内視鏡用制御系統、挿入補助具用制御系統の機能をON/OFFするスイッチであり、第1バルーン60と第2バルーン80の一方のみを使用する場合には、使用しない方の機能停止スイッチSW3、SW4を操作して機能をOFFにする。機能がOFFになった制御系統では、エアの供給、吸引が完全に停止し、その系統の圧力表示部106、又は108もOFFになる。機能停止スイッチSW3、SW4は両方をOFFにすることによって、初期状態の設定等を行うことができる。例えば、両方の機能停止スイッチSW3、SW4をOFFにして、ハンドスイッチ104の全スイッチSW5〜SW9を同時に押下操作することによって、大気圧に対するキャリブレーションが行われる。
装置本体102の前面には、第1バルーン60へのエア供給・吸引を行うチューブ110、及び第2バルーン80へのエア供給・吸引を行うチューブ120が接続される。各チューブ110、120と装置本体102との接続部分にはそれぞれ、第1バルーン60、或いは第2バルーン80が破れた時の体液の逆流を防止するための逆流防止ユニット112、122が設けられる。逆流防止ユニット112、122は、装置本体102に着脱自在に装着された中空円盤状のケース(不図示)の内部に気液分離用のフィルタを組み込むことによって構成されており、装置本体102内に液体が流入することをフィルタによって防止する。
一方、ハンドスイッチ104には、装置本体102側の停止スイッチSW2と同様の停止スイッチSW5と、第1バルーン60の加圧/減圧を指示するON/OFFスイッチSW6と、第1バルーン60の圧力を保持するためのポーズスイッチSW7と、第2バルーン80の加圧/減圧を指示するON/OFFスイッチSW8と、第2バルーン80の圧力を保持するためのポーズスイッチSW9とが設けられており、このハンドスイッチ104はコード130を介して装置本体102に電気的に接続されている。なお、図1には示してないが、ハンドスイッチ104には、第1バルーン60や第2バルーン80の送気状態、或いは排気状態を示す表示部が設けられている。
上記の如く構成されたバルーン制御装置100は、各バルーン60、80にエアを供給して膨張させるとともに、そのエア圧を一定値に制御して各バルーン60、80を膨張した状態に保持する。また、各バルーン60、80からエアを吸引して収縮させるとともに、そのエア圧を一定値に制御して各バルーン60、80を収縮した状態に保持する。
バルーン制御装置100は、バルーン専用モニタ82に接続されており、各バルーン60、80を膨張、収縮させる際に、各バルーン60、80の圧力値や膨張・収縮状態をバルーン専用モニタ82に表示する。なお、各バルーン60、80の圧力値や膨張・収縮状態は、内視鏡10の観察画像にスーパーインポーズしてモニタ50に表示するようにするようにしてもよい。
次に上記の如く構成された内視鏡装置の操作方法について図5(a)〜図5(f)に従って説明する。
まず、挿入補助具70に挿入部12に挿通させた状態で、図5(a)に示すように挿入部12を肛門90Aから腸管(大腸)90内に挿入する(挿入操作)。このとき、第1バルーン60及び第2バルーン80は収縮させておく。
次に、図5(a)の如く、挿入部12の先端がS状結腸90Bに達した状態で第1バルーン60を膨張させ、挿入部12の先端を腸管90に固定する(固定操作)。
次いで、挿入補助具70を押し込むことによって、挿入部12に沿わせて挿入する(押し込み操作)。そして、図5(b)に示すように、挿入補助具70の先端部を第1バルーン60の近傍まで持っていった後、第2バルーン80にエアを供給して膨張させる。これにより、第2バルーンが腸管90に固定され、腸管90が第2バルーン80を介して挿入補助具70に把持された状態になる。
次に図5(c)に示すように、挿入補助具70を手繰り寄せ、腸管90の余分な撓みや屈曲を無くす(手繰り寄せ操作)。
次いで第1バルーン60からエアを吸引し、第1バルーン60を収縮させる。そして、図5(d)に示すように、挿入部12を腸管90の深部に(例えば下行結腸90Cの上端の屈曲部まで)挿入する(挿入操作)。そして、上述したように、第1バルーン60を膨張させる固定操作、挿入補助具70を挿入部12に沿わせて押し込む押し込み操作を行った後、第2バルーン80を膨張させて把持操作し、挿入補助具70による手繰り寄せ操作を行う。これにより、図5(e)に示す如く、腸管90の余分な撓みや屈曲が取り除かれる。
このような一連の操作(挿入操作、固定操作、押し込み操作、把持操作、手繰り寄せ操作)を繰り返し行うことによって、挿入部12の先端を腸管90の深部に徐々に挿入することができる。また、挿入補助具70によって腸管90の余分な撓みを取り除くことができる。
例えば図5(f)は、挿入部12の先端を横行結腸90Dの端部まで挿入し、挿入補助具70を手繰り寄せ操作して腸管90の余分な撓みを取り除いた状態である。
以上の操作によって、挿入部12の先端を大腸の深部に挿入することができる。その際、挿入補助具70は半ループ状を形成するようになり、挿入部12を腸管90のさらに深部に挿入することができる。これにより、腸管90の深部を内視鏡10によって観察及び処置することができる。
ところで、上述した一連の操作の後に挿入補助具70を体内に挿入したまま、挿入部12を挿入補助具70から引き抜くことがある。例えば、内視鏡10の代わりに別の処置具を挿入補助具70に挿入する場合や、バルーン60が破れたり外れたりした異常発生時には、第2バルーン80を膨張させて挿入補助具70を体内に固定して残したまま、挿入部12を挿入補助具70から引き抜く必要がある。
その際、挿入補助具70の先端が搾られたままだと、挿入部12を引き抜くことができない。すなわち、図6に示すように、挿入部12の外周面には、第1バルーン60や、それを固定する固定リング62、62が突出しているため、挿入補助具70の先端が搾られていると、第1バルーン60や固定リング62が引っ掛かり、第1バルーン60が損傷したり脱落したりするおそれがある。これを防止するためには、第1バルーン60や固定リング62が引っかからないように、挿入補助具70の先端の内径を大きくすることが望まれる。しかし、その場合には、上述した挿入補助具70の押し込み操作時に、挿入補助具70と挿入部12との隙間に腸壁が入り込んで巻き込まれるおそれが生じる。
そこで、本実施の形態では、挿入補助具70の先端部75を拡径及び縮径できるように構成している。すなわち、挿入補助具70は、第2バルーン80を膨張した際に先端部75が拡径し、第2バルーン80を収縮させた際に先端部75が縮径するように構成されている。
上述したように挿入補助具70を体内に固定したまま挿入部12を引き抜く際には、図7に示すように、第2バルーン80が膨張しているので、先端部75は拡径した状態になっている。したがって、第1バルーン60や固定リング62を先端部75に引っ掛けることなく、挿入部12を安全に挿入補助具70内に引き入れることができる。
また、上述した挿入補助具70の押し込み操作時には、図6に示すように第2バルーン80が収縮されているので、先端部75が縮径されている。したがって、挿入補助具70の押し込み操作時には、挿入補助具70と挿入部12との隙間が殆どないので、腸壁の巻き込みを防止することができる。
このように本実施の形態の挿入補助具70は、その先端部75を拡径及び縮径できるようにしたので、挿入部12を安全に引き抜くことができ、且つ、腸壁の巻き込みを防止することができる。
また、本実施の形態の挿入補助具70によれば、先端部75の拡径及び縮径を第2バルーン80の膨縮動作に連動させたので、先端部75を拡径及び縮径するための操作が不要である。したがって、本実施の形態によれば、従来の挿入補助具と同等の簡単な操作によって先端部75の拡径及び縮径を行うことができる。
なお、上述した実施形態は、第2バルーン80を膨張させた際に先端部75を拡径させ、第2バルーン80を収縮させた際に先端部75を縮径させることによって、二段階の操作を行ったが、図8(A)〜図8(C)に示すように三段階の操作を行ってもよい。すなわち、図8(A)に示すように第2バルーン80を収縮させることによって先端部75を縮径させる第1操作と、図8(B)に示すように先端部75を縮径した状態のまま第2バルーン80を膨張させる第2操作と、図8(C)に示すように第2バルーン80をさらに膨張させて先端部75を拡径させる第3操作とから成る、三段階の操作を行うようにしてもよい。この場合、第2バルーン80を膨張させて挿入補助具70を体内に固定する第2操作と、第2バルーン80をさらに膨張させて先端部75を拡径する第3操作とを分けて行うことができる。
図9は、第2の実施形態の挿入補助具を示す斜視図である。同図に示すように第2の実施形態では、連結部材が四本の糸81、81…によって構成されている。すなわち、チューブ部73の先端部75と第2バルーン80の膨出部80Cが四本の糸81、81…によって連結されている。
糸81、81…は、円周方向に等間隔で、すなわち90°間隔で配置される。糸81は、先端部75の内周面と外周面とを貫通する孔に挿通されており、先端部75の内周面側で孔よりも大きい結び目を作ることによって先端部75に係合される。糸31の基端は、第2バルーン80の膨出部80Cに接着固定される。その固定位置は特に限定するものではないが、膨出部80Cの最も膨出する位置、または、その最大膨出位置よりも基端側であることが好ましい。なお、糸81と先端部75との固定方法は、上述した方法に限定されるものではなく、たとえば接着剤による固定であってもよい。
先端部75は、上述した第1の実施形態と同様に、ゴムによって先細形状に形成されており、拡径方向に弾性変形できるようになっている。また、先端部75には、四つの切り込み(溝)83、83…が形成されている。切り込み83、83…は、U状に形成されており、糸81の固定位置同士の中間に配置される。
上記の如く構成された挿入補助具は、チューブ部73の先端部75が四本の糸81、81…によって第2バルーン80の膨出部80Cに連結されているので、第2バルーン80を膨張させることによって先端部75が外側に引っ張られて拡径される。また、第2バルーン80を収縮させることによって、先端部75が自身の弾性力によって元の形状に戻り、縮径される。
また、第2の実施形態によれば、先端部75に切り込み83が形成され、その切り込み83が糸81の固定位置同士の間に配置されるので、糸81によって先端部75が拡径方向に引っ張られた際に、糸81の固定位置だけでなく、糸81、81同士の間、すなわち切り込み83の位置でも拡径される。これにより、先端部75を全周にわたって略均等に拡径させることができる。
なお、上述した第2の実施形態では、糸81の数を四本としたが、糸の数はこれに限定するものではなく複数本であればよい。ただし、先端部75を拡径させるためには、三本以上であることが好ましい。また、切り込み83の数は特に限定するものではないが、糸81、81の間の全てに設けることが好ましい。
図10、図11は、第3の実施形態の挿入補助具を示す断面図である。これらの図に示すように、第3の実施形態は、第2バルーン80の先端部80Aが先端部75の先端側で折り返され、チューブ部73の内周面に全周にわたって接着により固定されている。先端部75は、先細の筒状に形成され、且つ、チューブ部73よりも変形しやすく構成される。
上記の如く構成された第3の実施形態によれば、図11に示すように第2バルーン80を膨張させた際に、第2バルーン80によってチューブ部73の先端部75が外側に引っ張られて拡径される。また、第2バルーン80を図10の如く収縮させた際に、先端部75が自身の弾性力によって縮径状態に戻る。したがって、第3の実施形態によれば、第2バルーン80の膨張・収縮動作に連動して先端部75を拡径・収縮させることができる。
本発明に係る内視鏡装置のシステム構成図 内視鏡の挿入部の先端部を示す斜視図 第1の実施形態の挿入補助具の組立図 挿入補助具の先端部分を示す断面図 本発明に係る内視鏡装置の操作方法を示す説明図 縮径状態の挿入補助具を示す断面図 拡径状態の挿入補助具を示す断面図 三段階で制御を行う挿入補助具の説明図 第2の実施形態の挿入補助具の先端部分を示す断面図 第3の実施形態の挿入補助具の先端部分を示す断面図 図10の挿入補助具を拡径させた状態を示す断面図
符号の説明
10…内視鏡、12…挿入部、14…手元操作部、60…第1バルーン、70…挿入補助具、73…チューブ部、75…先端部、77…連結部材、80…第2バルーン、80C…膨出部、81…糸、83…切り込み

Claims (6)

  1. 内視鏡の挿入部が挿通可能な筒状に形成され、外周面に膨縮自在なバルーンが装着された挿入補助具において、
    前記挿入補助具の先端部と前記バルーンが連結され、
    前記バルーンの膨張動作に連動して前記挿入補助具の先端部が拡径されることを特徴とする挿入補助具。
  2. 前記挿入補助具の先端部は、拡径方向に弾性変形可能な先細の筒状に形成され、
    該先端部と前記バルーンの膨出部とが連結部材によって連結されることを特徴とする請求項1に記載の挿入補助具。
  3. 前記連結部材は軟性材によって筒状に形成され、
    該連結部材の先端部が前記挿入補助具の先端部に係合されるとともに、
    前記連結部材の基端部が前記バルーンの膨出部に係合されることを特徴とする請求項2に記載の挿入補助具。
  4. 前記連結部材は、円周方向に所定の間隔で配置された複数の糸状部材から成り、
    該複数の糸状部材の先端部が前記挿入補助具の先端部に係合され、
    前記複数の糸状部材の基端部が前記バルーンの膨出部に係合されるとともに、
    前記挿入補助具の先端部には、前記糸状部材の係合位置同士の間に切り込みが形成されることを特徴とする請求項2に記載の挿入補助具。
  5. 前記挿入補助具の先端部は、拡径方向に弾性変形可能な先細の筒状に形成され、
    前記バルーンの先端部は、前記挿入補助具の先端側で折り返されて、該挿入補助具の内周面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の挿入補助具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1に記載の挿入補助具と、挿入部の外周に膨縮自在なバルーンが装着された内視鏡とを備えたことを特徴とする内視鏡装置。
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