本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。実施形態1は、主に請求項1、2、3、8などについて説明する。実施形態2は、主に請求項4などについて説明する。実施形態3は、主に請求項5などについて説明する。実施形態4は、主に請求項6、7などについて説明する。
(実施形態1)
(実施形態1:概要)本実施形態は、放送により受信した信号を復号し、自身に接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得し、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定し、決定したパラメータに応じて復号化した信号を符号化して記録することを特徴とする記録再生装置について説明する。
(実施形態1:構成)本実施形態に係る記録再生装置の機能ブロック図を図2に例示する。記録再生装置(0200)は、「放送受信部」(0201)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。
また、図3は記録再生装置の別の構成を例示する機能ブロック図である。図3における記録再生装置(0300)は、「放送受信部」(0201)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。また、パラメータ決定部(0204)は「画質パラメータテーブル保持手段」(0307)を有する。なお、機能ブロック図においては、同じ構成要件には同一の符号を付して表している。(明細書の全体を通じて同様である。)
なお、以下に詳述する本発明の構成要素である各部は、ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアとソフトウェアの両方のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、バス、メモリ、インターフェイス、周辺装置などで構成されるハードウェアと、それらハードウェア上で実行可能なソフトウェアがある。ソフトウェアとしては、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、保存、出力などにより各部の機能が実現される。(明細書の全体を通じて同様である。)
「放送受信部」(0201)は、放送により映像信号を受信する機能を有する。「放送」とは、主にデジタル放送を想定している。一般的に、デジタル放送波には映像データ以外に音声データや番組情報等の付加データが多重化されており、例えば地上デジタルテレビ放送においてはMPEG2のTS(Transport Stream)によって実現されている。通常、アンテナにて受信されたデジタル放送波は復調処理が行われてTSが出力され、出力されたTSは、映像データ、音声データ、付加データに分離されて、それぞれデコード(復号化)される。このような処理のうち、放送受信部は、アンテナにて放送波を受信し、受信した放送波を復調して映像データを分離するまでの処理を実行する役目を果たす。より具体的には、図1に例示した復調部(0111)までの処理を実行する。
「復号化部」(0202)は、放送受信部で受信した信号を復号化する。すなわち、復調された信号を復号化する処理を行う。より具体的には、図1に例示した復調部(0111)とMPEG2デコーダ(0114)における処理が該当する。
「表示能力情報取得部」(0203)は、自身に接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得する。「表示能力情報」とは、ディスプレイ装置における表示出力に関する性能を表す情報であり、例えば一般的な符号化パラメータである解像度、フレームレート、ビットレートなどが該当する。図4は、表示能力情報の一例を示す。図4においては、ディスプレイ装置の解像度は「800×600」であり、フレームレートは「30f/s(フレーム/秒)」であることを表している。表示能力情報取得部はこのような表示能力情報をディスプレイ装置から取得するが、取得方法としては前述したようにHDMI接続によりディスプレイ装置から取得する場合やユーザから入力される場合等が想定される。また、表示能力情報を取得するタイミングは様々に考えられる。例えば、ディスプレイ装置が記録再生装置に接続された時に取得する場合、定期的にディスプレイ装置に問い合わせをして取得する場合、などが挙げられる。
「パラメータ決定部」(0204)は、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定する。記録画質パラメータの決定方法としては、主には取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定するための情報である画質パラメータテーブルを保持しておき、画質パラメータテーブルに基づいて決定する場合を想定している。ただし、この方法に限定するものではない。記録画質パラメータの決定方法については後述する。なお、表示能力情報取得部(0203)にて表示能力情報を取得しパラメータ決定部で記録画質パラメータを決定する処理は、放送によって受信した信号を符号化して記録する際にそのつど行うのではなく、別途、事前に実行されるようになっていてもよい。例えば、記録再生装置にディスプレイ装置が接続された時に表示能力情報を取得し、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定しておいてもよい。また、決定された記録画質パラメータは不揮発性メモリ等の所定の記憶領域に記録して保持しておき、信号を符号化する際には所定の記憶領域から記録画質パラメータを読み出して符号化すればよい。また、決定した記録画質パラメータを所定の記憶領域に記録しておく際に、ディスプレイ装置の機器識別番号やMACアドレス等と関連付けて保持しておいてもよい。このようにすれば、例えばディスプレイ装置との接続が一旦、切断された後に同じディスプレイ装置が再度接続された時には、ディスプレイ装置の機器識別番号やMACアドレス等を取得することでそのディスプレイ装置に対応する記録画質パラメータが抽出される。このような場合においては、機器識別番号やMACアドレス等が表示能力情報に該当する。また、例えば記録再生装置の工場出荷時に、あらかじめ各メーカーのディスプレイ装置に対応した記録画質パラメータを機器識別番号等と関連付けて不揮発性メモリ等に保持しておいてもよい。このようにすれば、ディスプレイ装置が接続された時には、ディスプレイ装置の機器識別番号等を取得することでそのディスプレイ装置に対応する記録画質パラメータが抽出される。このような場合においては、機器識別番号等が表示能力情報に該当する。
また、図3に示すようにパラメータ決定部は「画質パラメータテーブル保持手段」(0307)を有する場合もある。「画質パラメータテーブル保持手段」(0307)は、画質が破綻しないように再生ビットレートと、解像度と、フレームレートと、を予め関連付けた記録画質を決定するために用いる画質パラメータテーブルを保持する。再生ビットレートと解像度とフレームレートは一般的な符号化パラメータであるが、ビットレートの変化に対して解像度とフレームレートの設定バランスが悪いと画質が破綻してしまうので、画質パラメータテーブルにおいては、画質が破綻しないような設定バランスとなるように再生ビットレートと解像度とフレームレートを関連付けておく。図5は、画質パラメータテーブルの具体例を示す。「ID」は各レコードに自動的に付与されるシリアル番号であり、「ビットレート」、「解像度」、「フレームレート」が関連付けられている。この関連付けられているビットレート等は、画質が破綻しないような値に予め設定されたものである。図5の例においては設定が64段階あり、「ビットレート」は段階に応じてほぼリニアに決定されている。記録再生装置は、例えば表示能力情報取得部(0203)において図4のような表示能力情報を取得したとすると、図5のID=16とID=17のデータによりビットレートを6.3Mbps(メガビット/秒)もしくは6.5Mbpsのいずれかに決定することができる。このように、一の解像度とフレームレートの組に対して複数のビットレートが選択可能である場合もあり得る。
また、図8に示すようにパラメータ決定部は、さらに「最高画質パラメータ選択手段」(0808)をさらに有していてもよい。「最高画質パラメータ選択手段」(0808)は、ディスプレイ装置から取得した表示能力情報を用いてディスプレイ装置の性能を超えない範囲で取得可能な最高画質を実現するパラメータを選択する。先ほどの図4と図5の例であれば、ID=16とID=17のデータからビットレートは6.3Mbpsもしくは6.5Mbpsが選択できるが、ビットレートが高いほうが画質は高くなるので6.5Mbpsをビットレートとして決定する。
「符号化部」(0205)は、決定したパラメータに応じて復号化部にて復号化した信号を符号化する。先の例であれば、再生ビットレートを「6.5Mbps(又は6.3Mbps)」、解像度を「800×600」、フレームレートを「30f/s」として復号化したデータを符号化する。より具体的には、符号化部は図1におけるMPEG2エンコーダ(0115)が該当する。また、近年ではH.264という動画圧縮規格も採用されており、MPEG2デコーダでデコードした信号をH.264エンコーダで符号化して記録する場合や、デジタル放送波を受信して復調した後にMPEG2/H.264トランスコーダにてH.264に変換して記録する場合もある。前者の場合にはH.264エンコーダが符号化部に該当する。また、後者の場合にはMPEG2/H.264トランスコーダが復号化部と符号化部と同様の役目を果たすことになる。
「記録部」(0206)は、信号を記録する。「信号」とは、主に符号化部(0205)にて符号化された信号であるが、後述するように放送受信部で受信した信号そのものであってもよい。また、記録部に記録された信号は、復号化部で復号化されて利用されてもよい。また、記録部に記録された信号は記録再生装置に接続されたディスプレイ装置に出力され、ディスプレイ装置で映像を視聴する際の映像ソースとなる。記録部は、具体的には例えばハードディスク、DVDメディア等の記録媒体、半導体メモリなどが該当する。また、記録部は不揮発性であるほうが好適であるが、これに限定するものではない。
(実施形態1:ハードウェア上における処理)図6は、本実施形態に係る記録再生装置のハードウェア上における処理の具体例を示す。まず、記録再生装置は自身に接続されたディスプレイ装置から入力インターフェイス(HDMI接続インターフェイス等)を介して表示能力情報(0601)を受信する。受信された表示能力情報(0601)はメインメモリに格納される。また、復調回路・デコーダにて放送波によって信号(0602)が受信されて復調され、デコードされて画像データ(0603)に変換される。画像データ(0603)は、メインメモリに格納される。画像データ(0603)が取得されると、記憶装置に記憶されている記録画質パラメータを決定するためのパラメータ決定プログラム(パラメータ決定P)(0604)と画質パラメータテーブル(0605)がメインメモリに展開され、ディスプレイ装置から取得した表示能力情報とパラメータ決定プログラムとパラメータテーブルによって、記録画質パラメータのパラメータ値(0606)が決定されメインメモリに格納される。符号化部では、このパラメータ値(0606)に基づいて画像データ(0603)が符号化され、符号化画像データ(0607)が生成される。符号化画像データ(0607)は、ハードディスク等の記憶領域に格納される。
なお、図6を用いて説明したハードウェア上の処理はあくまで処理の概要を説明するものである。(明細書の全体を通じて同様である。)
(実施形態1:処理の流れ)図7は、本実施形態に係る記録再生装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
まず、放送を受信する(S0701)。次に、放送にて受信した信号を復号化する(S0702)。次に、接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得する(S0703)。なお、このステップはステップS0701もしくはS0702よりも以前に実行されてもよい。次に、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定する(S0704)
次に、決定したパラメータに応じて復号化した信号を符号化する(S0705)。次に、符号化した信号を記録する(S0706)。なお、ステップS0703とS0704の処理はそのつど実行されるのではなく、別途、事前に実行されるようになっていてもよい。例えば、記録再生装置にディスプレイ装置が接続された時に表示能力情報を取得し、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定しておいてもよい。決定された記録画質パラメータは不揮発性メモリ等の所定の記憶領域に記録して保持しておけばよい。この場合の処理フローは、放送を受信して(S0701)、受信した信号を復号化し(S0702)、復号化した信号を符号化する際に所定の記憶領域から記録画質パラメータを読み出して符号化し(S0705)、符号化した信号を記録する(S0706)、という処理フローになる。
なお、図7のフロー図は、計算機に実行させるプログラムの処理フロー図とみなすことも可能である。さらに、このようなプログラムをフレキシブルディスク等の媒体に記録することも可能である。(明細書の全体を通じて同様である。)
(実施形態1:効果)本実施形態に係る記録再生装置によれば、接続されたディスプレイ装置の表示性能に応じて符号化して記録する映像信号の画質を決定するので、無意味に高い画質で記録することなく使用する記憶領域を減らすことができる。
(実施形態2)
(実施形態2:概要)本実施形態は、表示能力情報を取得するために、表示能力を取得するためのユーザーインターフェイスを備えることを特徴とする記録再生装置について説明する。
(実施形態2:構成)本実施形態に係る記録再生装置の機能ブロック図を図9に例示する。記録再生装置(0900)は、「放送受信部」(0201)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。また、表示能力情報取得部(0203)は「表示能力入力手段」(0909)を有する。また、パラメータ決定部(0204)はさらに画質パラメータテーブル保持手段を有していてもよいし、さらに最高画質パラメータ選択手段をも有していてもよい。「表示能力入力手段」(0909)以外の構成については前述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
「表示能力入力手段」(0909)は、表示能力を取得するためのユーザーインターフェイスである。図10は、表示能力入力手段の具体例を示す。記録再生装置のディスプレイ等に表示能力を入力するための表示能力入力画面が表示され、ユーザはキーボード等を使用して解像度とフレームレートを入力することができる。このようにして入力された表示能力情報はメインメモリに格納された後、前述したように記録画質パラメータを決定するために利用されることになる。また、このような表示能力入力手段が備えられていれば、記録再生装置とディスプレイ装置をHDMI等で接続することができない場合等であっても記録再生装置はディスプレイ装置の表示能力情報を取得することができる。
(実施形態2:ハードウェア上における処理)本実施形態に係る記録再生装置のハードウェア上における処理は、図6にて説明した処理と同様である。ただし、表示能力情報を取得する入力インターフェイスは、図10に例示したようなユーザーインターフェイスであることを特徴とする。
(実施形態2:処理の流れ)本実施形態に係る記録再生装置における処理の流れは、図7にて説明した処理の流れと同様である。ただし、表示能力情報は接続されたディスプレイ装置から直接取得するのではなく、図10に例示したようなユーザーインターフェイスにより取得されることを特徴とする。
(実施形態2:効果)本実施形態に係る記録再生装置によれば、記録再生装置とディスプレイ装置がHDMI等のインテリジェントな接続方式で接続することができないような場合であっても、表示能力情報を取得することができる。
(実施形態3)
(実施形態3:概要)本実施形態は、放送により受信した信号による画質が最高画質パラメータにより実現される画質以下である場合には受信した信号をそのまま記録することを特徴とする記録再生装置について説明する。
(実施形態3:構成)本実施形態に係る記録再生装置の機能ブロック図を図11に例示する。記録再生装置(1100)は、「放送受信部」(0201)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。また、パラメータ決定部(0204)は「画質パラメータテーブル保持手段」(0307)と「最高画質パラメータ選択手段」(0808)とを有する。また、記録部(0206)は「直接記録手段」(1110)を有する。「直接記録手段」(1110)以外の構成については前述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
「直接記録手段」(1110)は、放送受信部にて受信した信号による画質が最高画質パラメータ選択手段にて選択され実現される画質以下である場合には受信した信号をそのまま記録する。「放送受信部にて受信した信号による画質」は、例えばデジタル放送波には信号の画質を表す情報が含まれているが、そのような情報から画質の情報を取得してもよいし、放送波から取得できない場合にはユーザの手入力や他の装置からの入力などによって取得されるようになっていてもよい。「受信した信号をそのまま記録する」とは、復号化した受信信号を受信した時とは異なる最高画質パラメータに基づいて符号化して記録するのではなく、受信した時と同一の画質にて記録部に記録することを意味する。つまり、受信信号の画質よりも最高画質パラメータの画質のほうが高い場合には、最高画質パラメータによって受信信号を符号化してしまうと、受信信号をそのまま記録する場合よりもかえって記憶領域を使用する結果となってしまうため、このような場合には受信信号をそのままの画質で記録するということである。なお、受信信号の画質と最高画質パラメータによる画質を比較する方法としては、例えば解像度、フレームレート、ビットレートのいずれかを基準として比較してもよいし、これらを所定の評価式で乗算・加算等して評価値を算出して比較する等となっていてもよい。また、受信した信号をそのまま記録する場合には、復号化部(0202)、符号化部(0205)を経ずに、放送受信部(0201)にて受信した信号を直接記録手段にて記録することが想定される。より具体的には、例えば最高画質パラメータ選択手段にて選択される画質と受信信号の画質の比較結果によって受信信号の処理ルートがパスの切替器にて2つのパスに分割され、画質変更がなされる場合には切替器から復号化部(0202)、符号化部(0205)、記録部(0206)を経由し、画質変更がなされない場合には切替器から記録部(0206)を経由する。
図12は、直接記録手段における処理の具体例を示す。放送受信部にて受信した信号の画質(受信信号画質:1201)が、解像度「1280×720」、フレームレート「30f/s」、ビットレート「14Mbps」であったとする。なお、このような情報はデジタル放送の場合は受信信号に含まれているが、受信信号から直接取得できない場合にはユーザの入力等によって取得してもよい。表示能力情報1202は表示能力情報取得部(0203)にて取得されるものであり、取得方法は先に説明した通りである。ここでは表示能力情報として、解像度「1920×1080」、フレームレート「60f/s」という情報が取得されたとする。また、この表示能力情報に基づき、パラメータ決定部(0204)の最高画質パラメータ選択手段(0808)によって最高画質パラメータ1203として、ビットレート「24Mbps」が選択されたとする。今まで説明した記録再生装置においては、この最高画質パラメータで決定されたパラメータによって復号化された受信信号を符号化して記録部に記録していたが、本実施形態に係る記録再生装置においては、受信信号画質1201と最高画質パラメータ1203とを比較し、受信信号画質1201のほうが低ければ受信信号をそのまま記録部に記録する、という具合である。例えば、図12においてビットレートを基準として比較すると、受信信号画質1201においては「14Mbps」であり、最高画質パラメータ1203においては「24Mbps」であるので、受信信号画質1201のほうが低い、という判断になり、受信信号をそのまま記録部に記録する。このように、受信信号の画質が最高画質パラメータにより実現される画質以下であるならば、そのまま記録部に記録しても無駄に高い画質で信号を記録することにはなり得ないため問題がない。むしろ受信信号を復号化・符号化する処理を省くことができるため、記録再生装置の処理負荷を軽減するというメリットもある。
(実施形態3:ハードウェア上における処理)図13は、本実施形態に係る記録再生装置のハードウェア上における処理の具体例を示す。まず、記録再生装置は自身に接続されたディスプレイ装置から入力インターフェイス(HDMI接続インターフェイス等)を介して表示能力情報(1301)を受信する。受信された表示能力情報(1301)はメインメモリに格納される。また、復調回路・デコーダにて放送波によって信号(1302)が受信されて復調された後、メインメモリに格納される。また、必要に応じて受信信号を復号化する等して受信信号の画質を表す受信信号画質(1307)がメインメモリに格納される。受信信号(1302)が取得されると、記憶装置に記憶されている記録画質パラメータを決定するためのパラメータ決定プログラム(パラメータ決定P)(1304)と画質パラメータテーブル(1305)がメインメモリに展開され、ディスプレイ装置から取得した表示能力情報とパラメータ決定プログラムとパラメータテーブルによって、最高画質パラメータ値(1306)が決定されメインメモリに格納される。また、記憶装置に記憶されている比較判断プログラム(比較判断P)(1303)がメインメモリに展開される。比較判断プログラム(1303)は、受信信号画質(1307)と最高画質パラメータ値(1306)を比較し、いずれの画質が高いかを判断するためのプログラムであり、判断結果はメインメモリに格納される。この判断結果が、受信信号画質のほうが最高画質パラメータ値よりも低いとの判断結果である場合には、受信信号をそのままハードディスク等の記憶領域に格納する。
(実施形態3:処理の流れ)図14は、本実施形態に係る記録再生装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。
まず、放送を受信する(S1401)。次に、接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得する(S1403)。なお、このステップはステップS1401よりも以前に実行されてもよい。次に、取得した表示能力情報を用いて最高画質パラメータを選択する(S1404)。次に、受信した信号の画質が最高画質パラメータにて実現される画質以下であるか判断する(S1405)。ここでの判断結果が、YES(受信した信号の画質のほうが低い)であれば受信した信号をそのままの画質にて記録する(S1406)。判断結果がNO(受信した信号の画質のほうが高い)であれば、放送にて受信した信号を復号化し(S1402)、最高画質パラメータに応じて復号化した信号を符号化する(S1407)。次に、符号化した信号を記録する(S1408)。なお、ステップS1403とS1404の処理はそのつど実行されるのではなく、別途、事前に実行されるようになっていてもよいことは、図7にて説明したのと同様である。
(実施形態3:効果)本実施形態に係る記録再生装置によれば、受信信号の画質のほうが最高画質パラメータによる画質以下である場合には、そのまま受信信号を記録するため、記録部の記憶領域を無駄に使うことなく効率よく受信信号を記録することができる。
(実施形態4)
(実施形態4:概要)本実施形態は、放送に代えて記録メディア装置から映像信号を取得する記録再生装置について説明する。また、放送により受信する信号に代えて静止画情報を取得する記録再生装置についても説明する。
(実施形態4:構成)本実施形態に係る記録再生装置の機能ブロック図を図15、図16に例示する。図15に例示する機能ブロック図は放送に代えて記録メディア装置から映像信号を取得する記録再生装置を示し、図16に例示する機能ブロック図は放送により受信する信号に代えて静止画情報を取得する記録再生装置を示す。
図15に示す記録再生装置(1500)は、「映像信号取得部」(1511)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。すなわち、前述した放送受信部に代えて「映像信号取得部」(1511)を有する。また、さらにパラメータ決定部(0204)は画質パラメータテーブル保持手段を有していてもよいし、さらに最高画質パラメータ選択手段をも有していてもよい。また、さらに表示能力情報取得部(0203)は表示能力入力手段を有していてもよい。また、さらに記録部(0206)は直接記録手段を有していてもよい。「映像信号取得部」(1511)以外の構成については前述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
また、図16に示す記録再生装置(1600)は、「静止画情報取得部」(1612)と、「復号化部」(0202)と、「表示能力情報取得部」(0203)と、「パラメータ決定部」(0204)と、「符号化部」(0205)と、「記録部」(0206)と、を有する。すなわち、前述した放送受信部に代えて「静止画情報取得部」(1612)を有する。「静止画情報取得部」(1612)以外の構成については前述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
「映像信号取得部」(1511)は、記録メディア装置から映像信号を取得する。「記録メディア装置」とは、情報を記録することが可能な装置全般を広く含む意味であり、その大きさ、形状、記録方法、等は問わない。具体的には、例えばハードディスク、半導体メモリ、光ディスク、フロッピー(登録商標)、等が挙げられる。また、記録再生装置に内蔵されるものであってもよいし、着脱式のものであってもよい。また、記録再生装置と有線もしくは無線による通信によって接続されるものであってもよい。さらに、ハードディスクや半導体メモリを利用する外部装置、デジタルカメラ、携帯端末等も含む。「映像信号」は、静止画の映像信号であってもよいし、動画の映像信号であってもよい。具体的には、MPEG、H.264、JPEG(Joint Photographic Experts Group)等が挙げられるが、データ形式は問わない。映像信号取得部は、具体的には例えば通信インターフェイスや記録媒体接続インターフェイス等が該当する。なお、映像信号取得部で取得された映像信号の処理については先に説明した通りであり、例えば必要に応じて復号化部(0202)にて復号化され、パラメータ決定部(0204)にて決定されたパラメータにて符号化部(0205)にて符号化されて記録部(0206)にて記録される。
「静止画情報取得部」(1612)は、静止画情報を取得する。「静止画情報」とは静止画を構成するデータを指す。静止画情報はそのデータ形式は問わないが、具体的には例えば、JPEG、GIF(Graphics Interchange Format)、TIFF(Tagged Image File Format)、ビットマップ、等が挙げられる。静止画情報取得部が静止画情報を取得する方法は問わないが、例えば記録メディア装置、外部の電子機器、インターネット等のネットワークなどから取得することが考えられる。また、これらとの接続方法も問わないが、例えば有線もしくは無線による通信によって接続される場合や、記録媒体用の接続端子等に差し込むことによって接続される場合などが想定される。すなわち、静止画情報取得部は、具体的には例えば通信インターフェイスや記録媒体接続インターフェイス等が該当する。なお、静止画情報取得部で取得された静止画情報の処理については先に説明した通りであり、例えば必要に応じて復号化部(0202)にて復号化され、パラメータ決定部(0204)にて決定されたパラメータにて符号化部(0205)にて符号化されて記録部(0206)にて記録される。
(実施形態4:ハードウェア上における処理)本実施形態に係る記録再生装置のハードウェア上における処理は、図6や図13にて説明した処理と同様である。ただし、復調回路・デコーダにて放送波によって信号が受信されるのではなく、通信インターフェイスや記録媒体接続インターフェイス等を介して映像信号もしくは静止画情報が取得されることを特徴とする。
(実施形態4:処理の流れ)図17、図18は、本実施形態に係る記録再生装置における処理の流れを示すフロー図を例示する。図17は記録再生装置が映像信号取得部を有する場合のフロー図であり、図18は記録再生装置が静止画情報取得部を有する場合のフロー図である。
まず、図17における処理の流れを説明する。最初に、記録メディア装置から映像信号を取得する(S1701)。次に、取得した映像信号を復号化する(S1702)。次に、接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得する(S1703)。なお、このステップはステップS1701もしくはS1702よりも以前に実行されてもよい。次に、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定する(S1704)次に、決定したパラメータに応じて復号化した映像信号を符号化する(S1705)。次に、符号化した映像信号を記録する(S1706)。なお、ステップS1703とS1704の処理はそのつど実行されるのではなく、別途、事前に実行されるようになっていてもよいことは、図7にて説明したのと同様である。
次に、図18における処理の流れを説明する。最初に、静止画情報を取得する(S1801)。次に、取得した静止画情報を復号化する(S1802)。次に、接続されたディスプレイ装置から表示能力情報を取得する(S1803)。なお、このステップはステップS1801もしくはS1802よりも以前に実行されてもよい。次に、取得した表示能力情報に応じて記録画質パラメータを決定する(S1804)次に、決定したパラメータに応じて復号化した静止画情報を符号化する(S1805)。次に、符号化した静止画情報を記録する(S1806)。なお、ステップS1803とS1804の処理はそのつど実行されるのではなく、別途、事前に実行されるようになっていてもよいことは、図7にて説明したのと同様である。
(実施形態4:効果)本実施形態に係る記録再生装置によれば、記録メディア装置からの映像信号や静止画情報も接続されたディスプレイ装置の表示性能に応じて符号化して記録することで、無意味に高い画質で記録することなく使用する記憶領域を減らすことができる。