JP4892886B2 - 固体撮像素子及び撮像装置 - Google Patents
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Description
この遮光画素領域は、できるたけ実際に撮像を行う画素と同特性で黒基準信号の検出を行えることが好ましいため、通常は有効画素領域の近傍に設けられており、例えば有効画素領域の辺に沿って複数の画素列を割り当てたり、あるいは、有効画素領域の周囲に分散して複数の画素ブロックを設けることにより、画素アレイ部内での特性のばらつきを補正した正確な黒基準を得るようになっている。
そして、このようなOPBの遮光膜の上面や端部に、低透過率の膜を配置して入射光を制限し、不要な光の入射や反射を防止するようなものも提案されている(例えば特許文献1、2参照)。
特にCMOSイメージセンサではフォトダイオード上に配線層が配置される構造上、配線層の最上層膜を用いて遮光膜を形成しているため、遮光膜とフォトダイオードとの間の距離が大きくなり、さらに中間に配線膜が配置されるため、有効画素領域に入射した光が回折や反射によって遮光画素側に進入し易いものとなる。
そのため、遮光画素近傍に強い光が入射すると、不正な偽信号が発生したり、色再現が悪化する現象が見られるという問題がある。特に、長波長光の場合、入射深度が大きいために、遮光画素側に到達する可能性が高くなる。
これに対して従来は、上述した特許文献に開示されるように、遮光膜上や端部に低透過率の膜を配置しているが、有効画素領域側から回折や反射によって遮光膜下に入り込む光に対する対策にはなっていない。
このため、例えば有効画素領域と遮光画素領域との中間に十分なスペース(境界領域)を確保して、有効画素領域側から遮光画素領域側への不正な光の入射を阻止することも考えられるが、画素アレイ部の面積が大きくなってしまい、撮像素子の小型化が妨げられるという問題が生じる。
また、光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている。
また、光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている。
また、光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている。
したがって、境界領域のスペースを大きくとることなく、遮光画素領域(OPB)への不正入射光を抑制して、正確な黒基準を測定でき、高品位の撮像画像を出力できる効果がある。
本例の撮像装置は、デジタルスチルカメラまたはデジタルビデオカメラとして構成されており、撮像光学系10、撮像部20、信号処理部30、表示部40、記録部50、操作部60等で構成されている。
撮像光学系10は各種レンズや絞り機構等を含み、被写体像を撮像部20に導く。撮像部20はCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子によって被写体像を撮像する。
信号処理部30は、撮像部20によって取得した画像信号にフォーマット変換等の処理を施し、表示用や記録用のデータに変換する。表示部40は信号処理部30によって処理した画像データを表示する液晶表示器等であり、記録部50は信号処理部30によって処理した画像データを記録媒体に記録する。また、操作部60はシャッタボタン、各種機能キー、及びカーソルキー等を含み、ユーザが本撮像装置を操作するための各種入力を行うものである。
図2に示すように、本例のCMOSイメージセンサは、半導体チップ100上に画素アレイ部110、周辺回路部120、及び入出力端子部130等を設けたものである。
画素アレイ部110は、それぞれフォトダイオードや画素トランジスタで構成される多数の画素を2次元配列で配置したものである。この画素アレイ部110の大部分が有効画素領域111であり、被写体の撮像を行い、その撮像信号を出力する。また、画素アレイ部110の周辺部には、有効画素領域111の黒基準信号を得るための遮光画素領域(OPB)113が形成されている。また、有効画素領域111と遮光画素領域113との間には、OPBへの不正入射光を防止するための、境界領域112が設けられている。なお、本例では2画素列分が境界領域112として割り当てられている。
これら有効画素領域111、境界領域112、及び遮光画素領域113の各画素は、基本的に同一プロセスで同時形成され、同一の構造を有している。そして、図2では省略するが、遮光画素領域113の上部領域にアルミ等によるメタル遮光膜が形成される。
このように形成された半導体チップ100の上面には、さらにカラーフィルタやオンチップレンズ(図2では省略する)が取り付けられ、センサモジュールとして撮像装置内に組み込まれる。
なお、図2に示す例では、有効画素領域の4辺に沿って遮光画素領域(OPB)を配置したが、遮光画素領域(OPB)の配置方法としては、バランス良く黒基準を測定できるものであれば良く、例えば有効画素領域の両側の2辺に沿って配置したり、各辺の一部や各コーナー部に分散してブロック状に配置したり、様々な方法が可能であり、本発明において特に限定されないものとする。
また、シリコン基板200上には、不図示のゲート酸化膜等を介して層間絶縁膜220が配置され、この絶縁膜220内に複数層の配線膜230、240によって各種配線パターン231、241が形成されている。なお、図示の例では、2層配線の例を示している。
ここで、層間絶縁膜の材料としては透明なシリコン酸化膜等が用いられる。また、配線膜の材料としては、例えばシリコン基板に近い下層の配線膜230にはポリシリコン膜が用いられ、上層の配線膜240にはアルミ等のメタル膜が用いられている。
そして、本例では、この上層のアルミ配線膜240を用いて遮光膜242が形成されている。
この遮光膜242は、上述した画素アレイ部110の遮光画素領域113に対応する領域に配置されており、上方から入射する光を遮断し、遮光画素領域113への入光を阻止するものである。これにより、遮光画素領域113は基本的に遮光され、OPBとして機能する。一方、有効画素領域111や境界領域112では、上方からの入射光が各配線パターン231、241の間を通って各画素のフォトダイオード210に入光する。
このカラーフィルタ250とマイクロレンズ260は、画素アレイ部110の全領域にわたって形成されているが、カラーフィルタ250については、有効画素領域111に対応する有効部250Aと、境界領域112及び遮光画素領域113に対応する無効部250Bとに分かれており、有効部250Aと無効部250Bとで異なるフィルタ特性を有するものとなっている。
すなわち、有効部250Aのフィルタは、通常のカラーフィルタとして機能するものであり、本例では、赤緑青(RGB)の3原色カラーフィルタが用いられ、所定のパターンでRGBに割り当てられた各画素のフォトダイオードにRGBの成分光が入射するようになっている。
この無効部250Bのフィルタとしては、種々のフィルタ構造が可能であるが、まず第1の例として、3原色フィルタを用いた場合に、最も長波長光の透過率が高い赤フィルタを最も長波長光の透過率が低い青フィルタに置き換えることが考えられる。
図3はこの例を示しており、有効部側のフィルタには赤フィルタ251を含むが、無効部側には青フィルタ252と緑フィルタ253だけが配置される状態を示している。
図4はこのようなフィルタ構成を従来との比較で示しており、図4(A)に示す従来のフィルタ構造では、有効部の3原色カラーフィルタ配列をそのまま無効部に延長して設けているが、図4(B)に示す本例のフィルタ構造では、無効部側で赤フィルタを青フィルタに置き換えたフィルタ構造となっている。また、無効部のうち2列分が画素アレイ部の境界領域に対応しており、それより内側は有効部(有効画素領域)として被写体の撮像に用いる構造となっている。
このようなフィルタ構造により、画素アレイ部の境界領域上からの長波長光の入光を有効に抑制し、長波長光を遮光画素側に到達させない構造を得る。この結果、境界領域のスペースを最小限に抑えつつ、遮光画素側への不正入射を適正に阻止し、黒基準の正確な測定を可能とすることができる。
特に、この方法では、フィルタのパターンを変えるだけで実現でき、従来の製造工程を大幅に変えることなく低コストで実現できる利点がある。
図5はこのようなフィルタ構成を従来との比較で示している。図5(A)に示す従来のフィルタ構造では、遮光画素領域の上部だけを青フィルタとしているが、この場合には、画素アレイ部の境界領域から遮光画素領域側に長波長光が回り込む恐れがある。しかし、図5(B)に示す本例のフィルタ構造では、遮光画素領域から境界領域に至る無効部全体に青フィルタが配置され、遮光画素領域への長波長光の進入を有効に防止できる。
したがって、本例では、境界領域のスペースを最小限に抑えつつ、遮光画素側への不正入射を適正に阻止し、黒基準の正確な測定を可能とすることができる。また、本例においても、フィルタのパターンを変えるだけで実現でき、従来の製造工程を大幅に変えることなく低コストで実現できる。
図6はこの場合のフィルタ構造を示す断面図である。図示のように、無効部のフィルタを下層の赤フィルタ251と上層の青フィルタ252の2重構造としている。ただし、この場合、マイクロレンズ260を搭載する際の下地が、2重構造のフィルタによって段差となるため、図示のように、赤フィルタ251を境界領域の途中までとし、青フィルタを有効画素領域側に延在させた構造とすることで、段差の角度を緩和し、マイクロレンズの形成に支障のない下地形状としている。
図7はこのようなフィルタ構成を従来との比較で示している。図7(A)に示す従来のフィルタ構造では、遮光画素領域の上部だけを赤フィルタと青フィルタの2重構造としているが、この場合には、画素アレイ部の境界領域から遮光画素領域側に長波長光が回り込む恐れがある。しかし、図7(B)に示す本例のフィルタ構造では、遮光画素領域から境界領域に至る無効部全体に赤フィルタと青フィルタの2重フィルタが配置され、遮光画素領域への光の進入を有効に防止できる。
したがって、本例では、境界領域のスペースを最小限に抑えつつ、遮光画素側への不正入射を適正に阻止し、黒基準の正確な測定を可能とすることができる。また、本例においても、フィルタのパターンを変えるだけで実現でき、従来の製造工程を大幅に変えることなく低コストで実現できる。
図8はこのようなフィルタ構成を従来との比較で示している。図8(A)に示す従来のフィルタ構造では、遮光画素領域の上部だけに黒フィルタ254を設けているが、この場合には、画素アレイ部の境界領域から遮光画素領域側に長波長光が回り込む恐れがある。しかし、図8(B)に示す本例のフィルタ構造では、遮光画素領域から境界領域に至る無効部全体に黒フィルタ254が配置され、遮光画素領域への光の進入を有効に防止できる。
したがって、本例では、境界領域のスペースを最小限に抑えつつ、遮光画素側への不正入射を適正に阻止し、黒基準の正確な測定を可能とすることができる。ただし、通常は用いない黒フィルタを設けることから、その分、新規な工程を設ける必要があり、コストがかかることになるが、十分な遮光効果を得たい場合には有効な方法である。なお、ここでは黒フィルタを用いたが、遮光効果のある他の色のフィルタを用いることも可能である。
また、以上の例では、3原色フィルタを用いた場合を前提としたが、シアン、マゼンタ、イエローの補色フィルタを用いる構成においても同様に工夫でき、例えばシアンフィルタを無効部に配置して遮光を行うようにしてもよいし、黒色フィルタを用いることももちろん可能である。
なお、OPBへの不正入射光を防止する方法として、単純に遮光膜を境界領域まで延在させた場合には、逆に、配線層内での反射や回折による不正入射光が遮光膜の下に入り易くなり、また、いったん遮光膜の下に入り込んだ光が遮光膜に遮られて外部に放出されなくなって反射光としてOPB内に残ることになり、偽信号として永く留まることとなるので、返って黒基準の精度を下げてしまうことになる。
これに対し、本例では、境界領域に低透過率のフィルタを配置することにより、特に長波長の不正入射を防止してOPBに到達する入射光を排除するとともに、配線層内の光が境界領域のフィルタを通して外部に放出されることを可能とし、OPBに至る不正入射光を有効に防止して正確な黒基準の測定を可能とするものである。
また、上述のようなカラー画像を撮影する固体撮像素子に限らず、例えば赤外線等の特殊用途に用いるような素子にも同様に適用できるものである。
また、本発明を適用できる撮像装置としては、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラに限らず、各種監視カメラや医療用内視鏡等にも広く適用できるものである。
Claims (6)
- 受光面に入射する光の量に応じた信号電荷を生成する複数の画素を2次元方向に配置され、被写体の撮像に用いる有効画素領域と、前記有効画素領域の近傍に配置される黒基準信号を得るための遮光画素領域と、前記有効画素領域と遮光画素領域との中間に配置される境界領域とを有する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の遮光画素領域上に絶縁膜を介して配置され、前記遮光画素領域を遮光する遮光膜と、
前記画素アレイ部及び遮光膜上に絶縁膜を介して配置され、前記複数の画素に入射する光の波長成分を画素毎に制限する光学フィルタとを具備し、
前記光学フィルタは、前記有効画素領域に対応する有効部と、前記境界領域及び遮光画素領域に対応する無効部とを有し、
前記無効部に配置される光学フィルタに少なくとも可視光の長波長光の通過を抑制する入光抑制フィルタを配置し、
前記光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、前記入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、
前記3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、前記入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが前記画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている
固体撮像素子。 - 受光面に入射する光の量に応じた信号電荷を生成する複数の画素を2次元方向に配置され、被写体の撮像に用いる有効画素領域と、前記有効画素領域の近傍に配置される黒基準信号を得るための遮光画素領域と、前記有効画素領域と遮光画素領域との中間に配置される境界領域とを有する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部上に絶縁膜を介して配置される配線層と、
前記配線層内の前記画素アレイ部の遮光画素領域に対応する領域に配置され、前記遮光画素領域を遮光する遮光膜と、
前記画素アレイ部及び遮光膜上に絶縁膜を介して配置され、前記複数の画素に入射する光の波長成分を画素毎に制限する光学フィルタとを具備し、
前記光学フィルタは、前記有効画素領域に対応する有効部と、前記境界領域及び遮光画素領域に対応する無効部とを有し、
前記無効部に配置される光学フィルタに少なくとも可視光の長波長光の通過を抑制する入光抑制フィルタを配置し、
前記光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、前記入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、
前記3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、前記入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが前記画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている
固体撮像素子。 - 前記配線層は絶縁膜を介して積層された複数層の配線膜を有し、前記遮光膜と最上層の配線膜とを共用した請求項2記載の固体撮像素子。
- 被写体を固体撮像素子によって撮像する撮像部と、被写体像を撮像部に入射させる撮像光学系と、前記撮像部によって撮像した画像を信号処理する信号処理部と、前記信号処理部によって処理した画像データを表示する表示部と、前記信号処理部によって処理した画像データを記録する記録部と、操作入力を行う操作部とを具備し、
前記固体撮像素子は、
受光面に入射する光の量に応じた信号電荷を生成する複数の画素を2次元方向に配置され、被写体の撮像に用いる有効画素領域と、前記有効画素領域の近傍に配置される黒基準信号を得るための遮光画素領域と、前記有効画素領域と遮光画素領域との中間に配置される境界領域とを有する画素アレイ部と、
前記画素アレイ部の遮光画素領域上に絶縁膜を介して配置され、前記遮光画素領域を遮光する遮光膜と、
前記画素アレイ部及び遮光膜上に絶縁膜を介して配置され、前記複数の画素に入射する光の波長成分を画素毎に制限する光学フィルタとを具備し、
前記光学フィルタは、前記有効画素領域に対応する有効部と、前記境界領域及び遮光画素領域に対応する無効部とを有し、
前記無効部に配置される光学フィルタに少なくとも可視光の長波長光の通過を抑制する入光抑制フィルタを配置し、
前記光学フィルタは赤緑青の3原色フィルタであり、前記入光抑制フィルタは3原色フィルタの赤フィルタと青フィルタとを重ね合わせたフィルタであり、
前記3原色フィルタは赤フィルタの上層に青フィルタが配置され、前記入光抑制フィルタの赤フィルタと青フィルタは、赤フィルタが前記画素アレイ部の境界領域の中途位置まで形成され、青フィルタは赤フィルタよりも有効部側に接近した位置まで形成されている
撮像装置。 - 前記画素アレイ部上に絶縁膜を介して配置される配線層を有し、前記遮光膜は前記配線層内の前記画素アレイ部の遮光画素領域に対応する領域に配置されている請求項4記載の撮像装置。
- 前記配線層は絶縁膜を介して積層された複数の配線膜を有し、前記遮光膜と最上層の配線膜とを共用した請求項4記載の撮像装置。
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