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JP4889373B2 - 3次元形状測定方法およびその装置 - Google Patents

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JP4889373B2 JP2006144272A JP2006144272A JP4889373B2 JP 4889373 B2 JP4889373 B2 JP 4889373B2 JP 2006144272 A JP2006144272 A JP 2006144272A JP 2006144272 A JP2006144272 A JP 2006144272A JP 4889373 B2 JP4889373 B2 JP 4889373B2
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Description

本発明は、3次元形状測定方法およびその装置に関し、さらに詳細には、2値化投影パターンにより空間に対し絶対的なコード値を生成する空間コード化法を用いた3次元形状測定方法およびその装置に関する。
一般に、光を用いて測定対象物の3次元形状を非接触で計測する技術としては、受動的測定法と能動的測定法とがある。
ここで、受動的測定法とは、ステレオ法に代表されるように、測定機器側は投光手段を持たずに、環境光を利用して計測するという手法である。
一方、能動的測定法とは、測定機器側の投光手段から測定対象物に向けて光を照射して、その反射光を計測するという手法である。
また、こうした能動的測定法のなかで、三角測量の原理を用いるものとしては、スリット光投影法や空間コード化法などが知られている。

ここで、空間コード化法とは、測定対象物に対して光透過領域と光非透過領域とよりなるストライプ状の光パターンたる2値化投影パターン(以下、「2値化投影パターン」を「スリットパターン」と適宜に称する。)を何種類も投影することにより、当該ストライプ状の光パターンを投影された測定対象物上の1点を観察していると、その観察している1点に投影される光線が点滅して符号(コード)を形成するようになるが、そのコードを利用して測定対象物の3次元形状を測定するという手法である。
なお、図1(a)(b)(c)(d)には、空間コード化法で使用する各種の2値化投影パターン、即ち、スリットパターンの例が示されている。
これら2値化投影パターンは、それぞれ一定の幅Wを有するとともに幅W方向と直交する所定の方向に延長するスリット状の光透過領域100aとスリットの枠に相当する光非透過領域100bとが、交互に連続するようにして形成されている。光透過領域100aと光非透過領域100bとの幅Wは、任意の大きさに設定することができる。
また、図1(a)(b)(c)(d)に示す2値化投影パターンにおいては、幅Wが最も狭い2値化投影パターンは図1(d)に示すものである。このように、それぞれ異なる複数の2値化投影パターンの中で幅Wが最も狭い2値化投影パターンを「LSBパターン」と一般に称する。
なお、こうした2値化投影パターンは、従来より周知の技術であるためその詳細な説明は省略する。
こうした空間コード化法においては、コードが示す値(空間コード値)と光線の方向とは一対一の関係で対応しており、測定対象物上における光点の位置から観察位置の視線の方向が判り、また、その光点の空間コード値から光線の方向が判るので、三角測量の原理により測定対象物上における全ての光点までの距離を求めることができ、これにより測定対象物の3次元形状を非接触で計測することができるようになるものである。

一般に、上記した空間コード化法を用いた3次元形状測定装置は、コンピュータによりその全体の動作を制御するように構成されており、コンピュータの制御により測定対象物へ複数の2値化投影パターンを投影する投影手段としてのプロジェクタと、プロジェクタにより2値化投影パターンを投影された測定対象物を撮像するCCDなどの撮像素子を備えて構成される撮像手段としてのカメラとを有して構成されている。
即ち、3次元測定装置においては、プロジェクタはコンピュータに接続されていて、測定対象物の表面に、コンピュータで生成される各種の2値化投影パターンを投影することができるように配置にされている。また、カメラは、プロジェクタの投影方向とは異なる方向から測定対象物の表面を撮影することができるように配置されており、カメラで撮影された画像は、デジタル化されてコンピュータに取り込まれるようになされている。
そして、カメラで撮影されデジタル化されてコンピュータに取り込まれた画像を処理することによって、3次元測定装置から測定対象物までの距離を計測し、こうして計測された距離に基づいて測定対象物の表面の3次元形状を測定するものである。

しかしながら、上記したような空間コード化法を用いた3次元形状測定装置により、表面の色(以下、測定対象物の表面の色を「表面色」と適宜に称する。)に黒色と白色とのような輝度値の差が大きい色が混在する測定対象物を測定しようとする際には、全ての色の表面の形状を同時に測定することができないという問題点があった。以下、この問題点について、図2に示す表面に輝度値の差が大きい黒色と白色とが混在する測定対象物Aを例にとって説明する。
この測定対象物Aに2値化投影パターンをプロジェクタにより投影してその反射光をカメラで撮像する場合に、まず、白色のような表面の色が明るい部分に投影されている2値化投影パターンの輝度差を得られるようにするためには、カメラの露光時間を短くする必要がある。ところが、カメラの露光時間を短くすると、表面が黒色の部分では投影された2値化投影パターンの輝度差がほとんど得られず(図3(a)参照)、結果として、表面の色が明るい部分の表面の3次元形状のみしか測定することができないものであった(図3(b)参照)。
一方、上記とは逆に、黒色のような表面の色が暗い部分に投影された2値化投影パターンの輝度差を得られるようにするためには、カメラの露光時間を長くする必要がある。ところが、カメラの露光時間を長くすると、表面が白色の部分では投影された2値化投影パターンがハレーションを起こして輝度差が得られず(図4(a)参照)、結果として、表面の色が暗い部分の表面形状しか測定することができないものであった(図4(b)参照)。
なお、上記した問題点は、撮像手段を構成する撮像素子の入力光に対するダイナミックレンジが、人間の目のそれと比べて狭いことに起因するものである。

なお、本願出願人が特許出願時に知っている先行技術は、上記において説明したようなものであって文献公知発明に係る発明ではないため、記載すべき先行技術情報はない。
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、測定対象物の表面の色の明暗に依存することなく、測定対象物の全表面の形状を測定することができるようにした3次元形状測定方法およびその装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、撮像手段が同一の2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を異なるシャッタースピード(露光時間)で取得するようにして、こうして取得した画像に基づいて空間コード画像を得るようにしたものである。
即ち、本発明は、例えば、以下に示す(1)〜(4)の処理を行うようにしたものである。
(1)同一の2値化投影パターンを投影した様子を露光時間を様々に変えて複数撮影する。
(2)上記(1)で撮影した複数の撮影画像を合成して1つの画像(多重シャッタースピード画像)を生成する。これにより、撮像素子のダイナミックレンジを仮想的に広げることができ、測定対象物の表面の色の明暗に依存することなく、測定対象物の全表面の形状を測定することが可能となる。
(3)空間コード化法では、例えば、8ビット分の2値化投影パターンを投影するが、各ビット分毎に上記(1)(2)の処理を行って8ビット分の多重シャッタースピード画像を生成する。
(4)得られた8ビット分の多重シャッタースピード画像を用いて、従来の空間コード化法による処理と同様にして空間コード画像を生成し、生成した空間コード画像に基づいて3次元形状を復元する。

こうした本発明のうち請求項1に記載の発明は、2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を撮像し、該撮像した反射光画像を用いて空間コード画像を生成する空間コード化法により上記測定対象物の3次元形状を測定する3次元形状測定方法において、光透過領域と光非透過領域とよりなるストライプ形状のパターンである所定の2値化投影パターンを、上記所定の2値化投影パターンの光透過領域と光非透過領域との位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトし、かつ、測定対象物における3次元形状測定の測定分解能に関する最小分解能となるような所定の移動量でシフトしながら上記測定対象物に順次投影し、該所定の2値化投影パターンを投影された上記測定対象物からの反射光画像を該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を取得し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を用いて、複数の反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出して1つに合成することにより該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該シフト毎の多重シャッタースピード画像を合成した位相シフト画像を生成し、上記所定の2値化投影パターンを含む、それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを上記測定対象物にそれぞれ投影し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを投影された上記測定対象物からの反射光画像を該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像した反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出し合成して該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を合成した空間コード画像を生成し、該位相シフト画像と該空間コード画像とを合成することにより、撮影空間に対してシフトピッチまで光分解能化された絶対的なコード値たる位相シフト空間コード画像を生成し、該位相シフト空間コード画像を空間コード画像として扱うことにより、該位相シフト空間コード画像に基づいて上記測定対象物の3次元形状を取得することを特徴とし、さらに、該シフト毎の多重シャッタースピード画像および該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成する方法としては、上記露光時間について、測定対象物上の黒色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最長露光時間とし、また、測定対象物上の白色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最短露光時間とし、上記最長露光時間と上記最短露光時間との差となる時間を等間隔に複数に分割して得られた複数の露光時間を用いるものとし、上記反射光画像について、上記反射光画像が有する各画素が有する明るさについて、見た目の明るさを示す値を画素値とし、上記所定の条件を有する画素のうち最大の明るさである画素値を有するある画素を用いて該画素の画素値oと撮影時の露光時間eとを用いて、計算式i=o/eより算出された値を露光時間による画素値への影響を除去した真の明るさiとして決定し、計算した上記真の明るさの値に対して対数スケール(log10(i))を取り、1つの画像として合成することにより、上記多重シャッタースピード画像を生成するものとするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、上記記載の発明において、上記所定の条件は、上限画素値を240から250とするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を撮像し、該撮像した反射光画像を用いて空間コード画像を生成する空間コード化法により上記測定対象物の3次元形状を測定する3次元形状測定装置において、光透過領域と光非透過領域とよりなるストライプ形状のパターンである所定の2値化投影パターンを、上記所定の2値化投影パターンの光透過領域と光非透過領域との位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトし、かつ、測定対象物における3次元形状測定の測定分解能に関する最小分解能となるような所定の移動量でシフトしながら上記測定対象物に順次投影し、該所定の2値化投影パターンを投影された上記測定対象物からの反射光画像を該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を取得し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を用いて、複数の反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出して1つに合成することにより該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該シフト毎の多重シャッタースピード画像を合成した位相シフト画像を生成する第1の手段と、上記所定の2値化投影パターンを含む、それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを上記測定対象物にそれぞれ投影し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを投影された上記測定対象物からの反射光画像を該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像した反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出し合成して該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を合成した空間コード画像を生成する第2の手段と、該位相シフト画像と該空間コード画像とを合成することにより、撮影空間に対してシフトピッチまで光分解能化された絶対的なコード値たる位相シフト空間コード画像を生成する合成手段と、該位相シフト空間コード画像を空間コード画像として扱うことにより、該位相シフト空間コード画像に基づいて上記測定対象物の3次元形状を取得する3次元形状取得手段とを有することを特徴とし、さらに、該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成する第1の手段と、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成する第2の手段とのそれぞれにおいて、上記露光時間について、測定対象物上の黒色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最長露光時間とし、また、測定対象物上の白色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最短露光時間とし、上記最長露光時間と上記最短露光時間との差となる時間を等間隔に複数に分割して得られた複数の露光時間を用いるものとし、上記反射光画像について、上記反射光画像が有する各画素が有する明るさについて、見た目の明るさを示す値を画素値とし、上記所定の条件を有する画素のうち最大の明るさである画素値を有するある画素を用いて該画素の画素値oと撮影時の露光時間eとを用いて、計算式i=o/eより算出された値を露光時間による画素値への影響を除去した真の明るさiとして決定し、計算した上記真の明るさの値に対して対数スケール(log10(i))を取り、1つの画像として合成することにより、上記多重シャッタースピード画像を生成するものとするようにしたものである。
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、上記発明において、上記所定の条件は、上限画素値を240から250とするようにしたものである。
本発明は、以上説明したように構成されているので、測定対象物の表面の色の明暗に依存することなく、測定対象物の全表面の形状を測定することができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による3次元形状測定方法およびその装置の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。

図5には、本発明による3次元形状測定装置の実施の形態の一例を表す概略構成説明図が示されている。
即ち、本発明の実施の形態の一例による3次元形状測定装置10は、バス12aを介して接続された中央処理装置(CPU)12b、CPU12bが実行するプログラムなどを格納したリードオンリメモリ(ROM)12c、データ信号を一時記憶するバッファメモリやCPU12bによるプログラムの実行時に必要な各種レジスタなどが設定されたワーキングエリアとしてのランダムアクセスメモリ(RAM)12d、キーボードやマウスなどの各種の入力装置12eならびにCPU12bの処理結果などを出力して表示する表示装置12fなどを有して構成されるコンピュータ12によりその全体の動作を制御するように構成されており、コンピュータ12の制御により測定対象物14へ複数の2値化投影パターンを投影する投影手段としての投影機(プロジェクター)16と、投影機16により2値化投影パターンを投影された測定対象物14を撮像する撮像素子を備えて構成される撮像手段としての撮影機(カメラ)18とを有して構成されている。なお、撮像素子としては、例えば、CCDやCMOSなどを用いることができる。
そして、この3次元形状測定装置10においては、投影機16はコンピュータ12に接続されていて、測定対象物14の表面に、コンピュータ12で生成される各種の2値化投影パターンを投影することができるように配置にされている。また、撮影機18は、投影機16の投影方向とは異なる方向から測定対象物14の表面を撮影することができるように配置されており、撮影機18で撮影された画像は、デジタル化されてコンピュータ12に取り込まれるようになされている。
そして、この3次元形状測定装置10においては、撮影機18が同一の2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像するようにして、コンピュータ12はこうして撮影した複数の撮影画像を合成して1つの画像(多重シャッタースピード画像)を生成し、多重シャッタースピード画像に基づいて空間コード画像(後述する。)ならびに位相シフト画像(後述する。)を得るようにしている。
なお、2値化投影パターンとしては、上記において図1(a)(b)(c)(d)を参照しながら説明したものと同様なものを用いることができるものであるので、その詳細な説明は省略する。

次に、図6には、コンピュータ12により実現される3次元形状測定装置10の制御システムのブロック構成説明図が示されている。
この制御システムは、投影機16で投影する処理に使用する複数の2値化投影パターンを決定して、当該決定した複数の2値化投影パターンを測定対象物14の表面に投影するとともに、当該決定した複数の2値化投影パターンの中のいずれか1つを幅W方向に所定の移動量だけシフト(移動)させながら測定対象物14の表面に投影するための制御を行う2値化投影パターン投影手段20と、撮影機18が撮影した画像をデジタル化して画像処理手段24(後述する。)へ送る画像入力手段22と、画像入力手段22から送られた画像を処理して測定対象物14の三次元情報を抽出する画像処理手段24とを有して構成されている。

ここで、2値化投影パターン投影手段20は、図1(a)(b)(c)(d)に示すような2値化投影パターンを生成する2値化投影パターン生成部20aと、2値化投影パターン生成部20aにおいて生成された2値化投影パターンを測定対象物14へ投影するように投影機16を制御する2値化投影パターン投影制御部20bとを有して構成されている。
即ち、この2値化投影パターン投影手段20においては、2値化投影パターン生成部20aで所定の幅Wの光透過領域100aと光非透過領域100bとからなる複数の2値化投影パターンを生成する。
そして、空間コード画像生成処理(後述する。)を行う場合には、2値化投影パターン投影制御部20bが投影機16を制御して、2値化投影パターン生成部20aが生成した種類の異なる複数の2値化投影パターンを測定対象物14の表面にそれぞれ投影する。この際には、2値化投影パターン投影制御部20bは、測定対象物14の表面に投影する2値化投影パターンを幅W方向へシフトしない。
一方、位相シフト画像生成処理(後述する。)を行う場合には、2値化投影パターン投影制御部20bが投影機16を制御して、2値化投影パターン生成部20aが生成した複数の2値化投影パターンのいずれか1つを測定対象物14の表面に投影する。この際には、2値化投影パターン投影制御部20bは、測定対象物14の表面に投影する2値化投影パターンを幅W方向に所定の移動量ずつ順次にシフトさせながら投影する。
この移動量は任意であり、幅Wよりも小さくてもよいし大きくてもよいが、この移動量が、測定対象物14における3次元形状の形状計測の測定分解能に関する最小分解能となる。
次に、画像入力手段22は、測定対象物14の表面に投影された2値化投影パターンを撮影機18により撮影し、当該撮影により得られた画像をデジタル化して画像処理手段24へ入力するものである。
この際に、撮影機18は、ある2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を撮像する際にそれぞれ異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像し、当該2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像の多重シャッタースピード画像を生成可能とする。
さらに、画像処理手段24は、画像入力手段22から送られた画像を処理して測定対象物14の三次元情報を抽出するものであり、2値化投影パターン生成部20aが生成した種類の異なる複数の2値化投影パターンを測定対象物14の表面にそれぞれ投影し、撮影機18により2値化投影パターンを投影された測定対象物14の表面を、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮影した画像を画像入力手段22から送られて、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に当該送られた画像を合成した1つの画像(多重シャッタースピード画像)を生成し、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に生成した多重シャッタースピード画像を合成した画像(以下、「空間コード画像」と適宜に称する。)を生成する空間コード画像処理を行う空間コード画像生成手段24aと、2値化投影パターン生成部20aが生成したいずれか1つの2値化投影パターンを幅W方向に所定の移動量だけ順次にシフトさせながら測定対象物14の表面に投影し、撮影機18により2値化投影パターンを投影された測定対象物14の表面を、当該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮影した画像を画像入力手段22から送られて、当該シフト毎に当該送られた画像を合成した1つの画像(多重シャッタースピード画像)を生成し、当該シフト毎に生成した多重シャッタースピード画像を合成した画像(以下、「位相シフト画像」と適宜に称する。)を生成する位相シフト画像生成処理を行う位相シフト画像生成手段24bと、空間コード画像生成手段24aにより得られた空間コード画像(空間コード値)と位相シフト画像生成手段24bにより得られた位相シフト画像(シフトコード値)とを合成した画像たる位相シフト空間コード画像を生成する位相シフト空間コード画像生成手段24cと、位相シフト空間コード画像生成手段24cにより得られた位相シフト空間コード画像から測定対象物14の3次元形状情報を得る3次元形状情報取得手段24dとを有して構成されている。
そして、3次元形状情報取得手段24dにより取得された測定対象物14の3次元形状情報は、表示装置12fなどへ出力されて利用に供される。
なお、位相シフト空間コード画像生成手段24cにより得られた画像たる位相シフト空間コード画像は空間コード画像であるので、3次元形状情報取得手段24dは、空間コード化法のアルゴリズムのままで測定対象物14の3次元形状情報を取得することができる。換言すれば、3次元形状情報取得手段24dは、従来より公知の技術により構築することができ、従来より公知の技術を利用して3次元形状情報が得られる。

以上の構成において、図7に示すフローチャートを参照しながら、3次元形状測定装置10の動作について説明する。
即ち、この3次元形状測定装置10において測定対象物14の3次元形状情報を得るには、まず、空間をコード化するために、所定の幅Wがそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンを生成する(ステップS702)。
ここで、空間を分割するためのスリットの数をnとすると、logn枚の異なる2値化投影パターンを用意しなければならない。
次に、ステップS702で生成された2値化投影パターンの中で任意の一つを選択して、位相シフト画像を生成する位相シフト画像生成処理を行う(ステップS704)。即ち、投影機16により、選択した2値化投影パターンを幅W方向に所定の移動量だけ順次にシフトさせながら測定対象物14の表面に投影し、撮影機18により2値化投影パターンを投影された測定対象物14の表面を、当該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮影した画像を画像入力手段22から送られて、当該シフト毎に当該送られた画像を合成した1つの画像たる多重シャッタースピード画像を生成し、当該シフト毎に生成した多重シャッタースピード画像を合成した位相シフト画像を生成する。
つまり、位相シフト画像生成処理においては、後述する空間コード画像生成処理に必要な2値化投影パターンのうちの任意の一つ選択して用いるものであり、この位相シフト画像生成処理で用いる2値化投影パターンを「シフトパターン」と適宜に称することとする。
シフトパターンとしては、原理的にはいずれの2値化投影パターンを用いてもよく、いずれの2値化投影パターンでも同様の効果を得ることが可能であるが、シフト数を考慮すると最も幅Wの狭い2値化投影パターン、即ち、LSBパターンを用いることが好ましいものである。
即ち、シフトパターンとしては、原理的にはいずれの2値化投影パターンを用いても同様な作用効果を得ることができるが、位相シフト画像生成処理においてはシフト毎に2値化投影パターンを投影された測定対象物14の画像を撮影するため、撮影枚数が最も少なくなる、換言すれば、シフト回数が最も少なくなるLSBパターンを用いてそれをシフトすることが好ましい。
また、シフトパターンをシフトする際のシフト毎の移動量(以下、「シフトピッチ」と適宜に称する。)は、測定装置10のユーザーが希望する測定分解能のピッチでよく、このシフトピッチが最小分解能となる。なお、投影機16の最小ドットピッチを採用すると、投影機16の解像度に影響を受けることなく最も測定分解能が高くすることができる。
また、シフトパターンは、そのパターンの1周期以内で複数回シフトするものとする。即ち、シフトパターンのシフト幅は、例えば、LSBパターンの光透過領域100aと光非透過領域100bとの位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトする。
ここで、測定対象物14の表面をシフト毎に撮影して生成した多重シャッタースピード画像を合成して位相シフト画像を生成する際には、シフト毎に生成した各多重シャッタースピード画像をそれぞれに重み無く(または、同一の重みでもよい。)足し込むことで、シフトピッチを最小分解能とする空間コード画像たる位相シフト画像を生成する。
なお、位相シフト画像は、2値化投影パターンのストライプ幅間隔である幅W間隔でコード値が繰り返され、生成される位相シフト画像中に同一コード値が複数存在するようになる。このため、位相シフト画像生成処理においては、撮影空間に対して絶対的なコード値は生成されない。
また、後述するように、2値化投影パターンに「グレイコード」を採用した場合には、足し込みの前にBit演算をすることが望ましい。
上記したステップS704の処理を終了すると、ステップS706の処理へ進み、ステップS702で生成された所定の幅Wがそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンを用いて、空間コード画像を生成する空間コード画像生成処理を行う。即ち、投影機16により、種類の異なる複数の2値化投影パターンを測定対象物14の表面にそれぞれ投影し、撮影機18により2値化投影パターンを投影された測定対象物14の表面を、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮影した画像を画像入力手段22から送られて、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に当該送られた画像を合成した1つの画像たる多重シャッタースピード画像を生成し、当該種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に生成した多重シャッタースピード画像を合成した空間コード画像を生成する。
つまり、空間コード画像生成処理においては、例えば、シフトパターンとしてLSBパターンを選択したならば、シフトさせる前のLSBパターンも含めた2値化投影パターンを測定対象物14の表面に投影して各2値化投影パターンの多重シャッタースピード画像を生成し、生成した各2値化投影パターンの多重シャッタースピード画像を用いて、従来より公知の空間コード画像を生成する手法により、所謂、空間コード画像を生成する。
この空間コード画像の分解能はLSBパターンのストライプ幅であるが、撮影空間に対して絶対的なコードとなる。
次に、ステップS704で生成した位相シフト画像とステップS706で生成した空間コード画像とを合成して、位相シフト空間コード画像を生成する位相シフト空間コード画像生成処理を行う(ステップS708)。この位相シフト空間コード画像は、撮影空間に対して相対的なコード値の画像たる位相シフト画像と撮影空間に対して絶対的なコード値の画像たる空間コード画像との合成であるため、これにより生成された位相シフト空間コード画像は、シフトピッチを測定分解能とし、かつ、撮影空間に対して絶対的なコード値の画像となる。即ち、シフトピッチまで細分化(高分解能化)された絶対的なコード画像(コード値)が生成される。
ステップS708の処理を終了すると、ステップS710の処理へ進み、ステップS708で生成された位相シフト空間コード画像に基づいて、測定対象物14の3次元形状情報を取得する3次元形状情報取得処理を行う。即ち、位相シフト空間コード画像は空間コード画像であるため、位相シフト空間コード画像を空間コード画像として扱い、従来より公知の技術を用いて測定対象物14の3次元形状情報を取得する。
そして、ステップS710の3次元形状情報取得処理により取得された測定対象物14の3次元形状情報は、表示装置12fなどへ出力されて各種の利用に供される。

次に、シフトパターンをシフトしながら各シフト毎における測定対象物14の表面へ投影された2値化投影パターン画像を撮影する手法の原理について、以下により詳細に説明することする。
まず、図8(a)(b)(c)には、光非透過領域(図8(a)(b)(c)においてハッチングで示す領域)が、16分割したシフトピッチ幅で図上左側から右側へシフトパターンをシフトして、光透過領域(図8(a)(b)(c)においてハッチングされていない領域)と光非透過領域とが反転する位置までシフトしたときにおける、各シフトパターンのシフト状態と各シフトピッチに対応するコード値とが示されている。なお、図8(a)(b)(c)において、黒1〜nは、シフトパターンをシフトしたことで光非透過領域がシフトパターンを含めて何回であったかを示している。
ここで、図8(a)は、シフトピッチを分解能とした空間に分割するものであり、シフトパターンを撮影した画像と、シフトごとに撮影した各画像の中の同一画素の2値化された値を単純に加算することによって空間を分割する。
例えば、図8(b)に示すように、シフトパターンを予め二分割しておけばシフト回数は1/2になり、撮影枚数ならびに撮影時間ともに1/2となる。
同様に、図8(c)に示すように、シフトパターンを4分割にすれば、シフト回数は1/4になり、さらに分割していけば同様にシフト回数が減り、撮影枚数ならびに撮影時間も短縮することができる。
このことから、シフトパターンとしては、2値化投影パターンの中で最もストライプ幅の小さい、即ち、分割数の多いLSBパターンを選択することがより効率的である。

また、図8(b)および図8(c)に示すように、位相シフト画像は、2値化投影パターンのストライプの幅Wの間隔でコード値が繰り返され、生成される位相シフト画像中に同一コード値が複数存在することになる。このため、撮影空間に対して絶対的なコード値は生成されない。
しかしながら、シフトパターンをシフトさせることによって得られた同一コード値は、シフトパターンの光透過領域と光非透過領域という2値化された値の中では、複数回発生しないという特徴を備えている。
例えば、図8(c)において、「光非透過領域|光透過領域|光非透過領域|光透過領域」という2値化投影パターンで4分割されたパターンをシフトパターンとした場合、「黒1」というコード値は4カ所に発生している。
しかしながら、シフトパターンの中の「光透過領域」の中には1カ所しか発生しない。同様に、シフトパターンの中の「光非透過領域」の中にも「黒1」というコード値は1カ所しかない。
ここで、シフトさせる前のシフトパターンも含めた2値化投影パターンを投影および撮影し空間コード画像を生成すると、当該空間コード画像の分解能はLSBパターンのストライプ幅であるが、撮影空間に対して絶対的なコード値となる。
即ち、図9に示すように、シフトパターンの「右側の光透過領域」は「空間コード0」、「左側の光非透過領域」は「空間コード3」というように撮影空間を一意にコード化できる。
従って、図10に示すように、撮影空間に対して相対的なコード値を持つ位相シフト画像と、絶対的なコード値を持つ空間コード画像との複雑な演算システムを必要としない足し合わせによる合成により、シフトピッチを分解能とし撮影空間に対して絶対的なコード値を持つ位相シフト空間コード画像を生成することができる。
これにより、例えば空間を16分割するのに16回のシフトを行わずにシフト回数を減少させ、撮影枚数ならびに撮影時間を短縮することができるようになる。

なお、上記においては、バイナリコードを用いた場合について説明したが、一般に用いられているグレイコードでも原理は同じである。
ここで、グレイコードで表現した2値化投影パターンを使用し、位相シフト空間コード画像を公知の表計算ソフトウェアを用いて処理した結果を図11に示す。
なお、図11において、光透過領域は「1」、光非透過領域は「0」で表され、空間コード値は実際は255までであるが、35までのみが表示されている。
また、投影機の解像度が、2値化投影パターンにおけるLSBパターンのストライプの幅の4倍であるとしてシフトさせているため、バイナリコードであれば4回のシフトとなるが、グレイコードのため7回シフトとなっている。
G32〜G1はグレイコードで表現した2値化投影パターンを示し、S1〜S7はG1(LSB)を位相シフトしたパターンを示す。
足し合わせの覧には、位相シフトを単純に足し込みをした値を示している。ここで、足し合わせを行った位相シフト画像は「0〜3」までの変化でなくてはならないものが、「0〜7」「7〜0」と大きさと変化の方向が一定でなくなっている。
このままでも空間コード画像との合成は可能であるが、三次元情報抽出時の演算が複雑になってしまうので、空間コード画像との合成の前に図12に示すBit演算を行うことで大きさと変化の方向をバイナリコードから生成された空間コード画像に合わせる値で示した。
変換データの覧には、G32〜G1のグレイコードパターンをバイナリコードパターンに変換した値を示す。バイナリ空間コードはバイナリコードから生成された空間コード画像を示す。
Bit演算によりグレイコードからバイナリコードに変換された位相シフト画像とバイナリコードから生成された空間コード画像を合成した位相シフト空間コード画像は、図13に示すように、グラフの傾きが階段状になっているバイナリコードから生成された空間コード画像に対し、位相シフト空間コード画像ではグラフの傾きが直線状となり分解能が向上したことがわかる。

上記した3次元形状測定装置10においては、シフトパターンをシフトする機能および位相シフト画像と空間コード画像とを合成する機能以外の特別な構成を必要とせずに、従来の空間コード化法で用いる構成を用いて、撮影画像の合成だけで高解像度の空間コード画像が生成でき、これにより測定対象物14の3次元形状計測の分解能を向上することができる。
また、上記した3次元形状測定装置10においては、測定分解能はシフトピッチに依存し、2値化投影パターンのストライプの幅Wとは独立しているため、LSBパターンのストライプの幅Wは、投影機16や撮影機18の解像度に応じてLSBパターンのストライプが識別が可能な幅とすることができる。

次に、撮影機18により同一の2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像する点について説明する。
ここで、撮影機18を構成するCMOSやCCDなどの撮像素子は、人間の目と比較すると入力光に対するダイナミックレンジが狭い。そのため、撮像素子においては、明るい部分の輝度差を認識するために光の感度を調整すると暗い部分を認識することができなくなり、また、暗い部分の輝度差を認識するために光の感度を調整すると明るい部分を認識することができなくなるものであった。
そこで、様々な光の感度で画像を撮影し、それらの画像の中から2値化投影パターン(スリットパターン)を認識できる画素を抽出して1枚の画像に合成する。そうすると、この画像からは、物体表面の輝度差によらず、全域のスリットパターンを認識できるようになる。これは、撮像素子における入射する光エネルギー量に関するダイナミックレンジを仮想的に広げることを意味する。
撮像素子の感度を変化させる方法としては、レンズの絞りを調節する方法とシャッタースピード(撮像素子に電荷をためる時間)を調節する方法とがある。ここで、レンズの絞りを調節する方法では、被写界深度が変わり撮影画像のぼけ具合に影響を及ぼすようになるため、シャッタースピードを調節する方法を採用することが好ましい。
そして、そのような調節を行いつつ撮影した画像から、有効な画素を抽出して1つに合成する。なお、複数のシャッタースピードで撮影された画像から有効な画素を抽出して1つに合成して得られる画像は、上記したように一般に「多重シャッタースピード画像」と称されている(文献1「京都大学 学術メディアセンター,“多重画像の統合による多機能高精度画像計測”,メディア情報処理専修コース「コンピュータビジョン(画像計測の基礎と3次元形状復元)」セミナー資料・演習資料,May 2005」および文献2「松山隆司,久野義徳,井宮 淳,“コンピュータビジョン(技術評論と将来展望)”,新技術コミュニケーションズ,1998」を参照する。)。

次に、撮影機18が同一の2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像して多重シャッタースピード画像を生成する手法の詳細について説明する。

まず、はじめに、露光時間と画素値(見た目の明るさ)と真の明るさとの関係について説明する(文献1参照)。
撮影された画像のある点は、露光時間が長くなるほど画素値が大きくなる。即ち、撮像素子のダイナミックレンジ内であれば、露光時間と画素値との関係には線形性がある。図14を参照しながら具体的に説明すると、例えば、露光時間が2msecの時の画素値が128である場合には、もし露光時間が2msecの半分の1msecになると、画素値は半分の64と暗くなる。
即ち、露光時間をeとし、また、露光時間eで撮影された画像のある点の画素値をo(画素値oは、0〜255の値をとるものとする。)とすると、画素値oをそれを撮影したときの露光時間値eで割った値i(=o/e)は、露光時間によらず一定である。本願明細書においては、上記により得られたiを、露光時間による画素値への影響が除去された「真の明るさ」と称することとする。

ここで、真の明るさの選択基準について説明するが、撮像素子への入射光のエネルギーがダイナミックレンジを超える場合は、撮影画像上の画素値oは255を超えるかまたは0を下回ることになる。その場合の画素値を使って上記したように真の明るさを計算しようとしても、正しい値は得られない。これを含め、一般的に撮影画像の画素値には、以下の(a)〜(d)に示す特性が見られる(文献1参照)。
(a)撮影時の信号レベルが低いところはノイズの影響が大きい
(b)撮影時の信号レベルが高いところは入出力の線形性が乱れている
(c)撮影時の信号レベルが飽和(>255)しているデータは使えない
(d)露光時間が短いほど精度は低い

この実施の形態においては、上記した特性を踏まえて、以下の(1)〜(4)に示すアルゴリズムにより真の明るさの決定し、この真の明るさをもった画素を有効な画素として複数のシャッタースピードで撮影された画像から抽出し、抽出した画素を1つの画像として合成して多重シャッタースピード画像を生成する。なお、当然のことながら、抽出した有効な画素を用いて画像を合成するため、有効な画素の抽出は撮影された画像の全ての画素に関して行うものである。
(1)画素値の有効範囲の上限、即ち、上限画素値を設定する
一般には、画素値の有効範囲の上限、即ち、上限画素値は、上記(b)(c)よ り240〜250程度とされているが、この実施の形態においては「250」と した、
(2)画素輝度値の有効範囲の下限、即ち、下限画素値を設定する
この実施の形態においては、下限画素値を「5」とした、
(3)上記(1)(2)で定めた範囲内において最大の画素値を持つ画素を採用して、 その画素値oと撮影時の露光時間eから、i=o/eにより真の明るさiを決定 する、
(4)もし、全ての露光時間での撮影画像について画素値が上限画素値を超える場合は
、最短露光時間でも上限画素値を上回ったということであるので、真の明るさi として「上限画素値/最短露光時間」により得られた値を採用する、
逆に、全ての露光時間での撮影画像について画素値が下限画素値を下回る場合は
、最長露光時間でも下限画素値を下回ったということであるので、真の明るさi 値として「下限輝度値/最長露光時間」により得られた値を採用する、
これにより、真の明るさiとして、上限画素値または下限画素値付近で正常に求 められた真の明るさに近い値を求めることができる、
その結果、上限画素値または下限画素値付近での明るさの変化が滑らかになる。

次に、真の明るさを可視化する手法について説明すると、上記した(1)〜(4)に示すアルゴリズムでは、基本的に真の明るさが大きいほど、その時の露光時間は短くなっていく。ここで、露光時間が短くなるほど画素値の精度は悪くなっていくので、真の明るさが大きいほど精度が悪くなるということになる。そこで、上記において求めた真の明るさの値に対して対数スケール(log10(i))をとることとし、これを画像化する。具体的には、例えば、全ての座標の画素に対してその画素値を計算し、それらの最小値が0、最大値が255になるようにスケーリングすればよい。

次に、実際の2値化投影パターン(スリットパターン)を投影した画像での適用について説明する。
まず、同一の2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を異なるシャッタースピード、即ち、露光時間を変えて撮影する。
ここで、表面色として黒色と白色とが混在するような測定対象物を撮影する場合には、ユーザは以下の(ア)〜(オ)に示す条件を満たすように実際に2値化投影パターンを試しに投影して、その投影の反射光画像の状態を見て露光時間のパターンを設定する。
(ア)黒色の部分に当たっているスリットパターンを視認できるような露光時間を最長 の露光時間にする、
(イ)白色の部分に当たっているスリットパターンを視認できるような露光時間を最短 の露光時間にする、
(ウ)上記(ア)(イ)により求められた最長露光時間の値と最短露光時間の値との間 に、等時間間隔で2〜3段階程度で露光時間を設定する、
(エ)それらすべての露光時間について、スリットパターンを投影して、その投影の反 射光画像を撮影する、
(オ)上記(エ)で撮影した反射光画像を用いて、上記において説明した手法により各 反射光画像の各画素の真の明るさを計算し、複数のシャッタースピードで撮影さ れた画像から有効な画素を抽出し、抽出した画像を1つに合成して多重シャッタ ースピード画像を生成する。

ここで、真の明るさを計算してその最大値と最小値とを求めるときは、同じ空間コードのポジ・ネガ相補パターンを通じて行う。その目的は、空間コード化法ではスリットのポジ・ネガパターンの輝度差より2値画像を生成するが(文献3「井口征士,佐藤宏介,“三次元画像計測”,昭晃堂,1990」を参照する。)、それを正確に生成できるようにするためである。
もしポジとネガとで個別に真の明るさの最大と最小値を求めると、それらは異なってしまい、真の明るさを可視化する処理でスケーリングされる範囲も異なってしまう。そうすると、例えば、本来ポジ画像のほうが明るくネガ画像のほうが暗い画素では、その関係が逆転してしまう可能性がある。こうした場合には、正確な2値画像を得ることができなくなる。
このため、真の明るさから作る同じビットのポジ・ネガ画像の基準輝度は、一致させる必要がある。

次に、本願発明者による実験結果について説明すると、図15(a)(b)(c)(d)には実際に撮影された画像が示されている。
即ち、図15(a)(b)(c)(d)には、露光時間を40msec(図15(a))、27.3msec(図15(b))、14.7msec(図15(c))、2msec(図15(d))というように、40msecから2msecまで4段階の等間隔時間で変化させて撮影した画像が示されている。また、図16には、それらから合成された多重シャッタースピード画像が示されている。
最も露光時間が長い図15(a)に示す画像では、測定対象物の表面色が黒色の部分ではスリットパターンの輝度差を認識できるが、測定対象物の表面色が白色の部分では白飛びを起こして認識できない。逆に、最も露光時間が短い図15(d)に示す画像では、測定対象物の表面色が白色の部分ではスリットパターンを認識できるが、測定対象物の表面色が黒色の部分は潰れて認識できない。
しかしながら、図16に示す多重シャッタースピード画像では、図15(a)ならびに図15(d)で潰れていたスリットパターンもはっきりと現れている。
ここで、図16に示す多重シャッタースピード画像を生成するに際しては、露光パターンとして図15(a)(b)(c)(d)に示す4段階の露光時間のパターン、即ち、4パターンを用いたが、そのパターンの最適な数について検討する実験を行ったのでそれについて説明する。
図17(a)には、露光パターンとして最長の40msecと最短の2msecとの2パターンを用い、露光時間40msecの図15(a)に示す画像と露光時間2msecの図15(d)に示す画像とのみを用いて生成した多重シャッタースピード画像が示されている。一方、図17(b)には、露光パターンとして40msec、27.3msec、14.7msec、2msecとの4パターンを用い、図15(a)(b)(c)(d)に示す画像を用いて生成した多重シャッタースピード画像が示されている。
これら図17(a)に示す多重シャッタースピード画像と図17(b)に示す多重シャッタースピード画像とを比較すると、パターン数が2つの図17(a)の多重シャッタースピード画像では、矢印で示した箇所などで明度の変化が不連続な部分があることがわかる。
この理由は、画像合成時において最長露光時間の画像で輝度が上限を超えている画素を除くと、次に採用されるのは中間の露光時間の画像ではなく、急に最短露光時間の画像になり、合成された画素間の連続性が悪くなるためである。
このように不要な輝度差が発生する可能性があると、その画像を元にして空間コード化法で必要な2値画像を生成する際に、その結果が不正確になる可能性があるので、2パターンのみという使用は避けることが望ましい。
次に、図18(a)には露光パターン数が2の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)が示されており、図18(b)には露光パターン数が3の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)が示されており、図18(c)には露光パターン数が4の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)が示されており、図18(d)には露光パターン数が5の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)が示されている。
これら図18(a)(b)(c)(d)に示す3次元形状復元結果を比較すると、露光パターン数が2パターンまたは3パターンの場合には、露光パターン数が4パターンの場合に比べて矢印で示した箇所などで若干形状が欠落している部分がある。また、露光パターン数が5パターンの場合では、露光パターン数が4パターンの場合と比較して視覚上の差は見られなかった。
従って、上記した事例においては、少なくとも4パターンの露光パターンで撮影を行うことが好ましい。

以上において説明したように、複数の露光時間パターンで2値化投影パターンの投影画像を撮影してそれらの画像を合成することにより、測定対象物の表面に輝度値の差が大きい色が混在する場合でも、スリットパターンの輝度差を画像全域で得られるようになり、その結果、測定対象物の表面色の輝度差に依存しない安定した計測結果を得ることができるようになる。
ここで、図19(a)(b)には、多重シャッタースピード画像を用いない場合の3次元形状復元結果を示されており、図19(a)は短い露光時間で画像撮影を行った場合の3次元形状復元結果であり、図19(b)は長い露光時間で画像撮影を行った場合の3次元形状復元結果である。一方、図19(c)には、本発明による多重シャッタースピード画像を用いた場合の3次元形状復元結果が示されている。
これら図19(a)(b)(c)に示す3次元形状復元結果を比較すると、図19(c)では、死角などの理由で元々撮像できない部分を除いて、図19(a)(b)において復元できなかった箇所の形状が復元されていることがわかる。

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に説明するように変形してもよい。
(1)上記した実施の形態においては、空間コード化法として位相シフト空間コード化法を用いたが、これに限られることなしに、従来より知られた空間コード化法を用いるようにしてもよく、その場合にも空間コード画像の撮影を多重シャッタースピード画像で求めればよい。
(2)上記した実施の形態においては、位相シフト画像生成処理を行った後に空間コード画像生成処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、両者の処理の順番を逆にして、空間コード画像生成処理を行った後に位相シフト画像生成処理を行うようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、2値化投影パターンを生成するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、記憶手段に幅Wがそれぞれ異なる複数の2値化投影パターンを予め記憶しておき、当該記憶手段に記憶されている2値化投影パターンを適宜に読み出すようにしてもよい。
(4)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
本発明は、工業デザインでの形状取得、人体の形状取得あるいは建築物の形状取得などに利用することができる。
図1(a)(b)(c)(d)は、各種の2値化投影パターンの例を示す説明図である。 図2は、表面に輝度値の差が大きい黒色と白色とが混在する測定対象物の一例を示す説明図である。 図3(a)(b)は、カメラの露光時間が短い場合における説明図であり、図3(a)は、2値化投影パターンを投影された図2に示す測定対象物を露光時間の短いカメラで撮像した場合の反射光画像の説明図であり、図3(b)は、図3(a)に示す反射光画像を用いて得られる3次元形状の測定結果を示す画像である。 図4(a)(b)は、カメラの露光時間が長い場合における説明図であり、図4(a)は、2値化投影パターンを投影された図2に示す測定対象物を露光時間の長いカメラで撮像した場合の反射光画像の説明図であり、図4(b)は、図4(a)に示す反射光画像を用いて得られる3次元形状の測定結果を示す画像である。 図5には、本発明による3次元形状測定装置の実施の形態の一例を表す概略構成説明図である。 図6は、本発明による3次元形状測定装置の制御システムのブロック構成説明図である。 図7は、本発明による3次元形状測定装置の動作を示すフローチャートである。 図8(a)(b)(c)は、本発明による3次元形状測定装置の動作原理を示す説明図である。 図9は、本発明による3次元形状測定装置の動作原理を示す説明図である。 図10は、本発明による3次元形状測定装置の動作原理を示す説明図である。 図11は、グレイコードで表現した2値化投影パターンを使用し、位相シフト空間コード画像を公知の表計算ソフトウェアを用いて処理した結果を示す表である。 図12は、Bit演算の演算内容を示すものである。 図13は、Bit演算によりグレイコードからバイナリコードに変換された位相シフト画像とバイナリコードから生成された空間コード画像を合成した位相シフト空間コード画像を示すグラフである。 図14は、露光時間と画素値(見た目の明るさ)と真の明るさとの関係を示す説明図である。 図15(a)(b)(c)(d)は、本願発明者による実験結果を示す画像(8ビット目の空間コード)である。 図16は、図15(a)(b)(c)(d)に示す画像から合成された多重シャッタースピード画像である。 図17(a)は、露光パターンとして最長の40msecと最短の2msecとの2パターンを用い、露光時間40msecの図15(a)に示す画像と露光時間2msecの図15(d)に示す画像とのみを用いて生成した多重シャッタースピード画像(全投影画像)であり、また、図17(b)は、露光パターンとして40msec、27.3msec、14.7msec、2msecとの4パターンを用い、図15(a)(b)(c)(d)に示す画像を用いて生成した多重シャッタースピード画像(全投影画像)である。 図18(a)は露光パターン数が2の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)であり、図18(b)は露光パターン数が3の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)であり、図18(c)は露光パターン数が4の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)であり、図18(d)は露光パターン数が5の場合の3次元形状復元結果を示す画像(シェーディング表示)である。 図19(a)(b)は、多重シャッタースピード画像を用いない場合の3次元形状復元結果(テクスチャマッピング表示)を示し、図19(a)は短い露光時間で画像撮影を行った場合の3次元形状復元結果(テクスチャマッピング表示)であり、図19(b)は長い露光時間で画像撮影を行った場合の3次元形状復元結果(テクスチャマッピング表示)であり、図19(c)は、本発明による多重シャッタースピード画像を用いた場合の3次元形状復元結果(テクスチャマッピング表示)を示す。
符号の説明
10 三次元形状の測定装置
12 コンピュータ
12a バス
12b 中央処理装置(CPU)
12c リードオンリメモリ(ROM)
12d ランダムアクセスメモリ(RAM)
12e 入力装置
12f 表示装置
14 測定対象物
16 プロジェクタ
18 カメラ
20 2値化投影パターン投影手段
20a 2値化投影パターン生成部
20b 2値化投影パターン投影制御部
22 画像入力手段
24 画像処理手段
24a 空間コード画像生成手段
24b 位相シフト画像生成手段
24c 位相シフト空間コード画像生成手段
24d 3次元形状情報取得手段
A 測定対象物

Claims (4)

  1. 2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を撮像し、該撮像した反射光画像を用いて空間コード画像を生成する空間コード化法により前記測定対象物の3次元形状を測定する3次元形状測定方法において、
    光透過領域と光非透過領域とよりなるストライプ形状のパターンである所定の2値化投影パターンを、前記所定の2値化投影パターンの光透過領域と光非透過領域との位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトし、かつ、測定対象物における3次元形状測定の測定分解能に関する最小分解能となるような所定の移動量でシフトしながら前記測定対象物に順次投影し、該所定の2値化投影パターンを投影された前記測定対象物からの反射光画像を該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を取得し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を用いて、複数の反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出して1つに合成することにより該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該シフト毎の多重シャッタースピード画像を合成した位相シフト画像を生成し、
    前記所定の2値化投影パターンを含む、それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを前記測定対象物にそれぞれ投影し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを投影された前記測定対象物からの反射光画像を該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像した反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出し合成して該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を合成した空間コード画像を生成し、
    該位相シフト画像と該空間コード画像とを合成することにより、撮影空間に対してシフトピッチまで光分解能化された絶対的なコード値たる位相シフト空間コード画像を生成し、
    該位相シフト空間コード画像を空間コード画像として扱うことにより、該位相シフト空間コード画像に基づいて前記測定対象物の3次元形状を取得する
    ことを特徴とし、
    さらに、
    該シフト毎の多重シャッタースピード画像および該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成する方法としては、
    前記露光時間について、測定対象物上の黒色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最長露光時間とし、また、測定対象物上の白色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最短露光時間とし、前記最長露光時間と前記最短露光時間との差となる時間を等間隔に複数に分割して得られた複数の露光時間を用いるものとし、
    前記反射光画像について、前記反射光画像が有する各画素が有する明るさについて、見た目の明るさを示す値を画素値とし、前記所定の条件を有する画素のうち最大の明るさである画素値を有するある画素を用いて該画素の画素値oと撮影時の露光時間eとを用いて、計算式i=o/eより算出された値を露光時間による画素値への影響を除去した真の明るさiとして決定し、
    計算した前記真の明るさの値に対して対数スケール(log10(i))を取り、1つの画像として合成することにより、前記多重シャッタースピード画像を生成するものとする
    ことを特徴とする3次元形状測定方法。
  2. 請求項1に記載の3次元形状測定方法において、
    前記所定の条件は、上限画素値を240から250とする
    ことを特徴とする3次元形状測定方法。
  3. 2値化投影パターンを投影された測定対象物からの反射光画像を撮像し、該撮像した反射光画像を用いて空間コード画像を生成する空間コード化法により前記測定対象物の3次元形状を測定する3次元形状測定装置において、
    光透過領域と光非透過領域とよりなるストライプ形状のパターンである所定の2値化投影パターンを、前記所定の2値化投影パターンの光透過領域と光非透過領域との位置が入れ替わる1/2位相反転する範囲までシフトし、かつ、測定対象物における3次元形状測定の測定分解能に関する最小分解能となるような所定の移動量でシフトしながら前記測定対象物に順次投影し、該所定の2値化投影パターンを投影された前記測定対象物からの反射光画像を該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を取得し、該シフト毎に異なるシャッタースピード(露光時間)で撮像した複数の反射光画像を用いて、複数の反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出して1つに合成することにより該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該シフト毎の多重シャッタースピード画像を合成した位相シフト画像を生成する第1の手段と、
    前記所定の2値化投影パターンを含む、それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを前記測定対象物にそれぞれ投影し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターンを投影された前記測定対象物からの反射光画像を該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎に異なる露光時間で撮像した反射光画像から所定の条件を有する有効な画素を抽出し合成して該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成し、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を合成した空間コード画像を生成する第2の手段と、
    該位相シフト画像と該空間コード画像とを合成することにより、撮影空間に対してシフトピッチまで光分解能化された絶対的なコード値たる位相シフト空間コード画像を生成する合成手段と、
    該位相シフト空間コード画像を空間コード画像として扱うことにより、該位相シフト空間コード画像に基づいて前記測定対象物の3次元形状を取得する3次元形状取得手段と
    を有することを特徴とし、
    さらに、
    該シフト毎の多重シャッタースピード画像を生成する第1の手段と、該それぞれ種類の異なる複数の2値化投影パターン毎の多重シャッタースピード画像を生成する第2の手段とのそれぞれにおいて、
    前記露光時間について、測定対象物上の黒色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最長露光時間とし、また、測定対象物上の白色の部分に当たっている2値化投影パターンを視認するのに必要な露光時間を最短露光時間とし、前記最長露光時間と前記最短露光時間との差となる時間を等間隔に複数に分割して得られた複数の露光時間を用いるものとし、
    前記反射光画像について、前記反射光画像が有する各画素が有する明るさについて、見た目の明るさを示す値を画素値とし、前記所定の条件を有する画素のうち最大の明るさである画素値を有するある画素を用いて該画素の画素値oと撮影時の露光時間eとを用いて、計算式i=o/eより算出された値を露光時間による画素値への影響を除去した真の明るさiとして決定し、
    計算した前記真の明るさの値に対して対数スケール(log10(i))を取り、1つの画像として合成することにより、前記多重シャッタースピード画像を生成するものとする
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
  4. 請求項3に記載の3次元形状測定装置において、
    前記所定の条件は、上限画素値を240から250とする
    ことを特徴とする3次元形状測定装置。
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