JP4887036B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents
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Description
熱交換効率の向上を図るため、理想的にはエアフィルタに付着している塵埃を定期的に除去する必要がある。本体前面を構成する前面パネルは回動自在に設けられ、これを開放するとエアフィルタが露出する。エアフィルタ下端部を摘んで引き下ろせば、エアフィルタを容易に本体から取外せる。エアフィルタに付着している塵埃を除去したあと、再びエアフィルタを本体内へ押し上げれば、元の位置に戻すことができる。
そこで、たとえば[特許文献1]に開示されるように、エアフィルタに付着するゴミを自動的に除去する手段を備えた空気調和機が提供されるに至った。具体的には、筐体内に収容する逆V字状の熱交換器に対し、筐体前面から上面にかけてエアフィルタを配置している。熱交換器の頂部付近に、エアフィルタを筐体前面と背面に移動させる移動手段と、エアフィルタの移動にともないゴミを掻き取るゴミ取り部を設けてなる。
いずれの部位にもエアフィルタ移動用のスペースを確保する必要があり、筐体の大型化が避けられない。しかも、エアフィルタ自体、この背面一部は塵埃の捕捉作用をしない。すなわち、エアフィルタを往動する際にゴミ取り部に対向させ、ここで保持されるだけの部分でしかなく、エアフィルタも大型化してしまう。
結局は、筐体内のゴミ収納部に保管したゴミを取出すために、高所に手を伸ばす必要があり、面倒である。このときゴミが突き固まっているという保証がないから、筐体からゴミ収納部を取出すと、ゴミが飛散する、もしくは落下する虞れがある。
エアフィルタ清掃ユニットは、エアフィルタの移動と連係して回転駆動してエアフィルタ表面に付着する塵埃を除去する回転ブラシ、この回転ブラシの一部が露出してエアフィルタに接触する開口部、回転ブラシ側部の軸方向に沿って設けられ回転ブラシが掻き取った塵埃を回収するとともに吸排気装置に連通する塵埃受け通路を備え室内機本体の幅方向に亘って配置されたダストボックスと、このダストボックスの上記開口部を閉塞するシール部材と、エアフィルタを往復移動させるエアフィルタ移動機構と、シール部材を上下動自在に支持するリフト機構と、回転ブラシを回転駆動する回転ブラシ駆動機構と、リフト機構とエアフィルタ移動機構および回転ブラシ駆動機構を駆動する駆動部を備え、
駆動部は、回転ブラシ駆動機構の動作中はリフト機構によりシール部材を下降位置に保持して開口部を開放させ、回転ブラシ駆動機構の動作が終了した状態でリフト機構を上昇駆動しシール部材で開口部を閉塞するよう、回転ブラシ駆動機構とリフト機構を連係して駆動する。
エアフィルタ移動機構に対する回転ブラシ駆動機構と、リフト機構の動作を一つの駆動部で行うようにしたから、エアフィルタに対する清掃運転と、清掃運転後の塵埃排出運転を確実に行える。
図1は空気調和機の室内機に係る概略の側断面図、図2は前面パネル2を外した状態での室内機本体1の正面図である。(なお、説明中に符号を付していない部品は図示していない。以下同じ)
室内機本体1は、この室内機本体1の前側筐体を構成する前面パネル2と、後板筐体3とから構成されていて、上下方向に対して幅方向に横長状をなす。室内機本体1の前面側一部に前面吸込み口4が開口され、前面吸込み口4に対向する前面パネル2には開閉駆動機構に支持される可動パネル2Aが嵌め込まれている。
運転停止の状態では、上記可動パネル2Aは前面パネル2表面に接合して同一面となり前面吸込み口4を閉成するが、運転時には手前側に突出変位して周囲に室内と連通する隙間を生じさせ、前面吸込み口4が室内に開放するよう制御される。室内機本体1の上部には上面吸込み口5が設けられる。この上面吸込み口5には枠状の桟が嵌め込まれていて、上記桟によって複数の空間部に仕切られている。
室内機本体1内には、前側熱交換器部8Aと後側熱交換器部8Bとで略逆V字状に形成される熱交換器8が配置されるとともに、この熱交換器8の一側部に電気部品箱9が並設される。上記前側熱交換器部8Aは、前面パネル2と間隙を存してほぼ平行な湾曲状に形成されて前面吸込み口4と上面吸込み口5と対向し、後側熱交換器部8Bは直状に形成されて上面吸込み口5と斜めに傾斜して対向している。
前後ドレンパン12a,12bの一部側壁外面は室内送風機10に近接して設けられ、これらで室内送風機10の横流ファンに対するノーズを構成している。ノーズとなる前後ドレンパン12a,12bの側壁部分と吹出し口6の各辺部との間は、隔壁部材14によって連結される。隔壁部材14で囲まれる空間が、ノーズと吹出し口9とを連通する吹出し通風路15となっている。
上記枠体組立16の上面には左右に二分割された上部エアフィルタ20,20が取付けられる。さらに、各前部エアフィルタ17の上端と各上部エアフィルタ20の前端との間に亘って、エアフィルタ清掃ユニットSが取付けられる。
上記エアフィルタ清掃ユニットSは、前部エアフィルタ17および上部エアフィルタ20の幅方向長さと同一の幅方向長さに形成され、かつ前後方向にある程度の厚み寸法を有している。エアフィルタ清掃ユニットSの配置位置は、前面パネル2における前面部と上面部とが交差する、いわゆる角部内となり、前面パネル2と熱交換器8との間に必然的に形成されるデッドスペースである。
上記集塵機電源部23の側部には、電気集塵機22の端子部cと電気的に接続する接続部dを備えている。各電気集塵機22は左右いずれの位置に取付けてもよく、かつ枠体組立16に取付けた状態で電気集塵機22相互と集塵機電源部23とは互いに電気的に接続される。
図3では、前部エアフィルタ17、上部エアフィルタ20、エアフィルタ清掃ユニットSを示しているが、空気清浄ユニット18は省略している。図4では、前部エアフィルタ17、上部エアフィルタ20、エアフィルタ清掃ユニットSおよび空気清浄ユニット収納部16aの概略の断面を示している。
上記枠体組立16は、前面パネル2の外枠体の形状に合せて成形され、左右両側部の縦枠とこの両側部の間に架設される中央部、および前面下部、背面部の横枠を備えた枠体により構成する。なお、このうち、前面下部、背面部の横枠は、一部または全部を省略し、中央部の横枠のみとし、両側部の背面部と前面下部を室内機本体1の後板筐体3に固定するようにしたものでも良く、要は、左右両側部の縦枠とこの両側部の間に架設される中央部の横枠を備えた枠体であればよい。
後述するように、前部エアフィルタ17に対する塵埃除去運転をなさない通常の状態で、各前部エアフィルタ17の上端はエアフィルタ清掃ユニットS内に挿入し支持される。同様に、各上部エアフィルタ20に対する通常の状態(非塵埃除去運転状態)で、各上部エアフィルタ20の前端がエアフィルタ清掃ユニットS内に挿入し支持されている。
そして、上記エアフィルタ清掃ユニットSは一部(後述するシール部材34)を除いて、枠体組立16の前面側エアフィルタ収納部16bと上面側エアフィルタ収納部16cとの間に設けられるエアフィルタ清掃ユニット取付け部16dから着脱自在となるよう構成されている。
特に、図3に示すように、枠体組立16の一側部で、上記エアフィルタ清掃ユニットSと対向する部位には、エアフィルタ清掃ユニットSと後述するエアフィルタ移動機構(エアフィルタ移動手段)55を駆動する駆動源と駆動機構を備えた駆動部25が取付けられる。上記駆動部25の側方には、上記電気部品箱9が配置されることになる。
上記エアフィルタ清掃ユニットSは、後述するように前部エアフィルタ17および上部エアフィルタ20に付着する塵埃を除去する回転ブラシ(塵埃除去機構)30と、この回転ブラシ30を内部に収容するとともに、回転ブラシ30が除去した塵埃を収集する塵挨受け通路(塵埃受け部)31を備えたダストボックス32と、上記ダストボックス32に設けられる開口部33を開閉自在なシール部材34とから構成される。
上記ダストボックス32は、互いに対向する面が開口するボックスケース32aおよびボックスカバー32bとを組合せてなり、回転ブラシ30を軸方向に沿って囲う状態で収容している。ボックスケース32a下面に上記開口部33が設けられ、ここから回転ブラシ30の一部が露出する。
さらに、ダストボックス32を構成するボックスカバー32bで、上記塵埃受け通路31と回転ブラシ30の収容部位との間には掻き落し用突部35が突設される。この掻き落し用突部35は常時、回転ブラシ30の毛先内に、回転ブラシ30の軸方向に亘って挿入していて、回転ブラシ30の回転にともなって毛先が摺接する位置にある。
上記掻き落し用突部35は、ボックスカバー32bの幅方向に亘って、ボックスカバー32bと一体に設けられ、互いに所定間隔を存して突出している。したがって、掻き落し用突部35は櫛状をなしていて、回転ブラシ30の回転にともなって、回転ブラシ30の毛先に付着する塵埃を掻き落す。ダストボックス32の構造上、掻き落された塵埃は塵埃受け通路31に落下するようになっている。
図8は、ボックスカバー32bを取外したダストボックス32の斜視図、図9(A)は回転ブラシ30の連結構造を示す斜視図、図9(B)はダストボックス32側部の斜視図である。
上記回転ブラシ30は、左右方向に分割された上記前部エアフィルタ17と上部エアフィルタ20と対向して、左右に分割されたユニット構造としている。すなわち、それぞれの分割回転ブラシ30,30の軸長は、分割された各前、上部エアフィルタ17,20の幅方向長さと同一であり、同位置に配置される。
この状態にして、回転ブラシ30をボックスケース32a内に挿入すると、分割回転ブラシ30の連結部fはボックスケース32aに設けられる軸受部hに支持される。そのうえで、軸受部hに押えカバー36を嵌め込むことで、分割回転ブラシ30の連結部f相互はボックスケース32aに回転自在に支持されることになる。
一方、上記ダストボックス32に設けられ回転ブラシ30が露出する開口部33は、分割された前、上部エアフィルタ17,20の周囲枠あるいは中間枠間に設けられるメッシュ部bと対向している。そのため回転ブラシ30は、前部エアフィルタ17と上部エアフィルタ20のメッシュ部b表面と確実に接触できるようになっている。
上記ダストボックス32の左右両側部には、把手部38が一体に設けられている。内部に回転ブラシを収容するエアフィルタ清掃ユニットSを枠体組立16のエアフィルタ清掃ユニット取付部16dに取付け、もしくはここから取外しする際は、上記把手部38を持って作業すると容易に行える。
図10(A)に示すように、上記ダストボックス32の一側部(右側部)で、この上面をなすボックスカバー32bには矩形状の空気導入孔39が設けられている。この空気導入孔39は、上記塵埃受け通路31と対向して設けられていて、互いに連通する位置にある。
後述するように、上記シール部材34でダストボックス開口部33を閉成した状態にして、塵挨受け通路31内の塵埃を上記換気ユニット11に排出する作用をなす。このときの塵挨受け通路31末端の風速が2m/s以上となるよう設定することで、塵挨受け通路内の塵埃を確実に移動させることが種々の実験から判明した。
図5および図6に示す、上記第1の駆動モータ46と第2の駆動モータ47は、後述するようにして前部エアフィルタ17を移動する前部移動機構52と上部エアフィルタ20を移動する上部移動機構53の、それぞれに対する駆動源であり、これら前部移動機構52と上部移動機構53でエアフィルタ移動機構55が構成される。
上記第3の駆動モータ48のみ示し、他の駆動モータは省略しているとともに、ギヤ組立Gを構成するケーシング51の側面部を外してギヤ列の一部を示している。ただし、上記第1の駆動モータ46の支持座kと、上記第2の駆動モータ47の支持座mが近接した位置に設けられることと、上記第4の駆動モータ49の支持座nがケーシング51の下端部に設けられることを示している。
図12に示すケーシング51の右側隅部に所定間隔を存して、互いに同一ギヤ径の一対のギヤEが支持される。これらギヤEの軸部には先に説明した第1の駆動モータ46と第2の駆動モータ47の回転軸がケーシング51の側面から上記支持座k、mに挿入され、各モータ46,47はケーシング51側面に取付けられる。第1、第2の駆動モータ46,47の回転軸は支持座k、mから突出していて、それぞれに上記ギヤEが嵌着固定される。
一方、ここでは図示しない上記第4の駆動モータ49の回転軸はケーシング51を介して内部に突出し、この回転軸に駆動レバー65の基端部が嵌着固定される。上記駆動レバー65は基端部から軸方向とは直交する方向に一体に延設される舌片部65aを備えていて、この舌片部65aの先端に上記駆動アーム64の基端部が回動自在に連結される。
これら第4の駆動モータ49、駆動レバー65、駆動アーム64、ギヤDで、上記切換え機構61が構成される。すなわち、上記第4の駆動モータ49の回転方向に応じて駆動レバー65と駆動アーム64が一体になって回動し、駆動アーム64先端のギヤDの位置が変動するよう構成される。
すなわち、上記ギヤアーム66はギヤCとともに上記支軸部p回りに回動自在であり、このギヤアーム66の下端部に上記ギヤDおよび駆動アーム64の先端部が回動自在に連結される。そのため、上記ギヤDはギヤアーム66の回動姿勢に係らず常にギヤCに噛合することとなる。
図12のみ示すように、上記ケーシング51の隅部にはマイクロスイッチ67が取付けられている。上記駆動アーム64は、回動変位した位置によっては上記マイクロスイッチ67の作動子に接触してオン状態となし、検知信号は制御部に送られるようになっている。
一方、上記シール部材34はシールベース73に取付けられていて、上記シールベース73はいわゆるパンタグラフ構造をなすシールガイド機構74に支持される。上記シールガイド機構74は枠体組立16に設けられ、リフト力のかからない通常の姿勢では平坦状に折り畳まれ、上方へのリフト力がかかった状態で立上がり変形してシールベース73とともにシール部材34を上方へ押上げる作用をなす。
つぎに、上記前部移動機構52および上部移動機構53について説明する。
再び図5および図6に示すように、上記ダストボックス32の開口部33を開閉するシール部材34の両側部に沿って一対の支軸75a,75bが設けられる。それぞれの支軸75a,75bの一端部(右側端部)には、先に図12で説明したように、上記ギヤ列を構成する前部用ギヤFfもしくは上部用ギヤFuが嵌着固定される。実際には、図5、図6の左側の支軸75aに前部用ギヤFfが取付けられ、右側の支軸75bに上部用ギヤFuが取付けられる。
いずれにしろ、ギヤ列を構成する前部用ギヤFfが回転すれば、この支軸75aに設けられる前部エアフィルタ駆動ギヤ76が回転して、ピニオンとラックの関係から前部エアフィルタ17が前部エアフィルタ駆動ギヤ76の回転方向に移動付勢される。また、ギヤ列を構成する上部用ギヤFuが回転すれば、この支軸75bに設けられる上部エアフィルタ駆動ギヤ77が回転し、ピニオンとラックの関係から上部エアフィルタ20が上部エアフィルタ駆動ギヤ77の回転方向に移動付勢される。
また、上記ダストボックス32を構成するボックスケース32aには、前部ガイド80および上部ガイド85が設けられる。すなわち、前部ガイド80と上部ガイド85はエアフィルタ清掃ユニットSに一体に取付けられる。
前部ガイド軸81の左右両側部と中央部には、ダストボックス32と前部ガイド軸81との間隔を均一に保持する間隔保持具82が設けられる。上記間隔保持具82は、上記ボックスケース32aの角部に接離自在な突部82aを備えていて、この突部82aをボックスケース32aに当接することにより前部ガイド軸81の位置が固定化され、かつダストボックス32に対する前部ガイド軸81との間隔が互いの全長に亘って均一に設定されるようになっている。
各フィルタガイド83の上面側で、幅方向両側部にはガイド鍔部tが設けられていて、これらガイド鍔部t相互間に上記中央補強桟aの幅方向を嵌め込むことが可能である。また、通常の状態でフィルタガイド83の周面下端側一部は前部エアフィルタ17の中央補強桟a上面に接触するよう組立てられる。
ここでは特に図示していないが、上部ガイド軸86の左右両側部と中央部にも、ダストボックス32と上部ガイド軸86との間隔を均一に保持する間隔保持具が設けられる。この間隔保持具は、ボックスケース32aの角部に接離自在な突部を備え、この突部をボックスケース32aに当接することにより上部ガイド軸86の位置が固定化され、かつダストボックス32に対する上部ガイド軸86との間隔が互いの全長に亘って均一に設定されることも同様である。
各フィルタガイド88の上面側で、幅方向両側部にはガイド鍔部tが設けられていて、これらガイド鍔部t相互間に上記中央補強桟aの幅方向を嵌め込むことが可能である。また、通常の状態でフィルタガイド88の周面下端側一部は上部エアフィルタ20の中央補強桟a上面に接触するよう組立てられる。
上記換気ユニット11は、本来、室内空気を室内機本体1内に取り入れたあと、熱交換器8の一次側もしくは二次側の空気を外部に排出する機能を備えているが、ここでは併せて、後述するように前部エアフィルタ17と上部エアフィルタ20からエアフィルタ清掃ユニットSが収集した塵埃を吸気し、かつ屋外へ排出する吸排気装置を兼ねている。したがって、吸排気装置を換気ユニット11として、以下に説明する。
図14に示すように、上記排出ボックス41にはホース接続口41aが一体に設けられていて、接続ホース42の一端部が接続される。接続ホース42は緩やかな曲線をなすよう曲成されて、上記換気ユニット11に設けられる接続口91に接続される。すなわち、後述するように接続ホース42内には前、上部エアフィルタ17,20から除去した塵埃が流通するので、途中で詰まらないように配慮される。
上記風力ダンパ96は、側面視で略への字状に折曲される板片からなっていて、上記ダンパケース97は風力ダンパ96の形状に合致して形成され、塵埃案内用ケース95から突出する。風力ダンパ96の一端は支軸uを介して塵挨案内用ケース95に回動自在に支持され、風力ダンパ96の他端は重力で塵挨排出路94に垂れ下がって、塵挨排出路94を閉成する。
図16に示すように、上記換気ユニット11は、ファンケーシング90の側面中心部に開口する換気吸込み口に設けられた換気通路用開閉ダンパ98と、このダンパ98を駆動する機構およびファンケーシング90内に配置される換気ファン99などの送風機構から構成される。
上記開口の一方は、上記熱交換器8の二次側空間と連通し、もう一方は前、上部エアフィルタ17,20を通過して熱交換器8に導かれる以前の、熱交換器8の一次側空間と連通する構成となっている。上記開閉ダンパ98の駆動機構は制御信号にもとづいて換気通路用開閉ダンパ98を回動駆動する。
使用者がリモコン(遠隔操作盤)の運転ボタンを押圧操作すると、室内送風機10が駆動するとともに空気清浄ユニット18が作用する。さらに、室内機と冷媒管を介して連通する室外機において圧縮機が駆動して、冷凍サイクル運転が開始される。
室内空気は前面吸込み口4および上面吸込み口5から室内機本体1内に導かれ、2分割された前部エアフィルタ17および上部エアフィルタ20を通過する。このとき、室内空気中に含まれる塵埃が前部エアフィルタ17および上部エアフィルタ20に捕捉される。前部エアフィルタ17により塵埃が除去された室内空気は空気清浄ユニット18を構成する一対の電気集塵機22を通過して、より微細な塵埃が電気的に集塵され、かつ脱臭される。
使用者がリモコン(遠隔操作盤)を操作して「エアフィルタ掃除モード」を選択する、もしくは所定の期間毎で空調運転の終了後、もしくは予め設定された時間、もしくは予め決められた時間帯などに、「エアフィルタ掃除モード」が自動的に行われる。
エアフィルタ掃除モードの選択にともない、制御部は駆動部における第1の駆動モータ46と第2の駆動モータ47および第3の駆動モータ48に駆動信号を送る。はじめは、フィルタ移動機構を構成する前部移動機構52が駆動され、同時にブラシ駆動機構が作動する。第4の駆動モータ49に対しては、先にエアフィルタ掃除モードの選択終了時に駆動信号を送っており、第4の駆動モータ49に連結される切換え機構61はギヤDを前部用ギヤFfと噛合する位置に切換えている。
この状態で第1、第2の駆動モータ46,47の駆動により一対のギヤEが互いに同方向に回転駆動される。これらギヤEを介してギヤBが回転し、このギヤBに噛合するギヤAからギヤCに回転力が伝達される。そして、ギヤCからギヤDを介して前部用ギヤFfに回転力が伝達され、この前部用ギヤFfを支持する支軸75aが回転する。この支軸75aには前部エアフィルタ駆動ギヤ76が設けられ、しかも前部エアフィルタ17が上面側から前部ガイド80に押え付けられて中央補強桟aのラック78と噛合している。
このとき、リフト機構45を構成するシール駆動用カム71がシールガイド機構74から離間していて、シールガイド機構74は平坦状に折り畳まれ、シール部材34は下降位置にあってダストボックス32の開口部33は開放されている。
前部エアフィルタ17に付着していた塵埃は、回転ブラシ30によって円滑に、かつ確実に掻き落されて除去される。すなわち、左右に分割されている前部エアフィルタ17に対して、回転ブラシ30も左右に分割されているので、各分割前部エアフィルタ17への接触のばらつきを少なくして、塵埃の掻き取り効果を高めることができる。
塵埃は前部エアフィルタ17から回転ブラシ30に転移する。この直後に回転ブラシ30は掻き落し用突部35に接触して通過する。掻き落し用突部35が櫛歯状に形成されているので、回転ブラシに転移した塵埃は掻き落されて塵埃受け通路31に落下する。上記塵挨受け通路31は、回転ブラシ30と対向する部位が開口している以外は密閉構造となっているので、掻き落とされた塵埃が塵挨受け通路31から周辺へ飛散することはない。
上記回転ブラシ30の回転方向は変らないから、回転ブラシ30に転移した塵埃は掻き落し用突部35によって回転ブラシ30から剥離され塵挨受け通路31へ落下する。このときも、全ての塵埃は塵挨受け通路31に収集され、周囲に飛散することはない。
ついには、前部エアフィルタ17は元の前面側のエアフィルタ収納部16bに完全に戻る。この状態を感知した制御部は、第1、第2の駆動モータ46,47に停止信号を送る。このようにして、前部エアフィルタ17に対する塵挨除去作用が終了する。
このときも上部エアフィルタ20は前部ガイド80と枠体組立16のガイド部にガイドされ、姿勢が傾くことなく円滑に移動する。上部エアフィルタ20が再び上面側のエアフィルタ収納部16cに戻ったところで、制御部は第1、第2の駆動モータ46,47および第3の駆動モータ48に停止信号を送る。ここで、上部エアフィルタ20全面に対する塵挨除去作用が終了する。
すなわち、いずれか一方のエアフィルタをエアフィルタ清掃ユニットSに対し往復移動し、付着している塵埃を除去し、つぎに他方のエアフィルタをエアフィルタ清掃ユニットSに対して往復移動し、付着している塵埃を除去する。あるいは、前部エアフィルタ17と上部エアフィルタ20における塵挨付着量を検知するセンサを備えて、塵挨付着量の多いエアフィルタのみに対して塵挨除去作用をなすようにしてもよい。
つぎに制御部は、換気ユニット11に対して換気ダンパ全閉モードを選択したうえで、換気ファン99へ駆動信号を送る。換気ファン99の回転にともなって塵挨案内用ケース95の塵挨排出路94に負圧がかかり、ここに設けられる風力ダンパ96を開放させる。したがって、負圧は塵挨案内用ケース95から接続ホース42と排出ボックス41を介してエアフィルタ清掃ユニットSに作用する。
上記接続ホース42から塵挨案内用ケース95の接続口91と、風力ダンパ96が開放する塵挨排出路94およびファンケーシング90の取付け用孔93を介して導かれた塵埃は、ファンケーシング90内周面に沿って移動し、排気口90aから屋外へ排出される。
なお、上述したように、ここでは既存の室内機本体1に、前部エアフィルタ17と、上部エアフィルタ20および空気清浄ユニット18を備えた枠体組立16を取付けることが可能であるが、既存の室内機に換気ユニット11を備えていないタイプのものもある。この場合は、エアフィルタ清掃ユニットSを構成するダストボックス32の一側部に空気導入孔がなく、他側部に塵挨排出カバーが設けられていないものを取付ける。
以上説明したように、本発明によれば、室内機本体1の前面吸込み口4と上面吸込み口5に対向する前部エアフィルタ17と上部エアフィルタ20を互いに別体に構成した。そして、エアフィルタ清掃ユニットSに対して一方のエアフィルタ、たとえば前部エアフィルタ17を往復移動して付着している塵埃を除去し、そのあと他方のエアフィルタ、たとえば上部エアフィルタ20を往復移動して塵埃を除去するようにした。
両方のエアフィルタ17,20に付着する塵埃をエアフィルタ清掃ユニットSに備えた塵挨除去手段を構成する1つの回転ブラシ30で除去するので、エアフィルタ清掃ユニットSがコンパクト化され、配置スペースをとらないですむ。
さらに本発明によれば、前面から上面に亘って構成される1枚のエアフィルタに比べ、移動量が半分となり、塵埃を除去する時間も半分ですむ。エアフィルタの移動量が少ないため、回転ブラシ30で塵埃を除去する際、前部エアフィルタ17は上部エアフィルタ20が収納される上面側のエアフィルタ収納部16cへ移動するだけでよい。
さらに、前、上部エアフィルタ17,20を移動しエアフィルタ清掃ユニットSを通過させることで、各エアフィルタ17,20に付着した塵埃を取り除くことができる。エアフィルタ清掃ユニットSが室内機本体1前面上部のデットスペースに配置されるため、室内機本体1の奥行きおよび高さ寸法を大きくしなくても収納が可能となり、従来の空気調和機にも容易に取付けが可能となる。
また、従来の室内機本体内の熱交換器、送風機などの構造を変えることなく、上記枠組立を装着することで、エアフィルタ自動清掃機能を備えた空気調和機を構成することができ、汎用性の高いエアコンを提供できる。
前部移動機構52および上部移動機構53に対してリフト機構45を連係させたので、双方が同時に作動することを防止して、各エアフィルタ17,20の清掃運転、清掃運転後の塵埃排出運転を確実に行えるようにした。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
Claims (1)
- 室内機本体に設けられる吸込み口に対向してエアフィルタを設置し、このエアフィルタを往復移動させることで、エアフィルタ表面に付着した塵埃を除去し、吸排気装置を介して屋外へ排出するエアフィルタ清掃ユニットを備えた空気調和機の室内機であって、
上記エアフィルタ清掃ユニットは、
上記エアフィルタの移動と連係して回転駆動してエアフィルタ表面に付着する塵埃を除去する回転ブラシ、この回転ブラシの一部が露出してエアフィルタに接触する開口部、上記回転ブラシ側部の軸方向に沿って設けられ回転ブラシが掻き取った塵埃を回収するとともに上記吸排気装置に連通する塵埃受け通路を備え、上記室内機本体の幅方向に亘って配置されたダストボックスと、
このダストボックスの上記開口部を閉塞するシール部材と、
上記エアフィルタを往復移動させるエアフィルタ移動機構と、
上記シール部材を上下動自在に支持するリフト機構と、
上記回転ブラシを回転駆動する回転ブラシ駆動機構と、
上記エアフィルタ移動機構とリフト機構および回転ブラシ駆動機構を駆動する駆動部と、
を備え、
上記駆動部は、上記回転ブラシ駆動機構の動作中は、リフト機構によりシール部材を下降位置に保持して開口部を開放させ、上記回転ブラシ駆動機構の動作が終了した状態で、リフト機構を上昇駆動しシール部材で開口部を閉塞するよう、上記回転ブラシ駆動機構と上記リフト機構を連係して駆動する
ことを特徴とする空気調和機の室内機。
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