JP4886722B2 - Method for producing nitride single crystal - Google Patents
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Description
本発明は、窒化物単結晶の製造方法に関するものである。 The present invention relates to a method for producing a nitride single crystal.
窒化ガリウム系III-V窒化物は、優れた青色発光素子として注目を集めており、発光ダイオードや半導体レーザーダイオード用材料として実用化されている。特許文献1記載の方法では、フラックス法によってIII族窒化物単結晶を育成している。すなわち、均一に加熱したフラックス中に種結晶基板を配置し、単結晶を育成している。
原料ガスと接する気液界面から原料液内部に向かう流れが生じるように、装置を揺動及び、坩堝内に撹拌羽根の設置を行なう等の手法を組み合わせて、窒化物半導体を育成する方法が開示されている(特許文献2)。
また、特許文献3、4記載の方法では、坩堝(育成容器)の底部に低温部を設け、坩堝底部上に種結晶基板を固定し、種結晶基板の周辺を低温にすることによって、固液界面近傍の過飽和度を上げて結晶の成長を促進する。
本出願人は、特許文献5、6において、坩堝内の融液に種結晶基板を垂直方向に浸漬し、フラックス法によって種結晶基板の表面に窒化物単結晶を成長させることを開示した。
特許文献5、6では、坩堝内の融液の下部を高温にすることにより、上方へと向かう熱対流を発生させ、融液の攪拌を行っている。しかし、坩堝内に種結晶基板を固定することにより、種結晶基板が一種の邪魔板となってしまい、種結晶基板表面上での融液対流が未だ不十分な領域のあることが分かった。このため、基板上で横方向成長して平滑な表面を保ちつつ成長している箇所が限定されていた。
In
本発明の課題は、フラックス法によって窒化物単結晶を育成するのに際して、種結晶基板全面の表面近傍での融液の対流を促進し、品質の良い平滑な単結晶を生成させることである。 An object of the present invention is to promote convection of a melt near the surface of the entire surface of a seed crystal substrate when growing a nitride single crystal by a flux method, and to produce a smooth single crystal of good quality.
本発明に係る製造方法は、育成容器内でフラックスおよび単結晶原料を含む融液に種結晶基板を浸漬し、育成容器の底壁部に高温部と低温部とを設け、高温部上に種結晶基板を固定し、種結晶基板の育成面上に窒化物単結晶を育成することを特徴とする。 In the production method according to the present invention, a seed crystal substrate is immersed in a melt containing a flux and a single crystal raw material in a growth vessel, a high temperature portion and a low temperature portion are provided on the bottom wall portion of the growth vessel, and the seed is formed on the high temperature portion. A crystal substrate is fixed, and a nitride single crystal is grown on the growth surface of the seed crystal substrate.
本発明者は、育成容器内の融液の底部を加熱する場合の融液の流れを種々検討した。育成容器の底部から加熱を行った場合には、融液の底部から上部へと向かって熱対流が生じ、融液が攪拌される。しかし、底部にある無秩序な起点から融液が熱対流によって、上へと向かって上昇するので、その流れは複雑となる。このため、融液と種結晶基板との接触は乱雑になり、単結晶膜が再現よく層状かつ規則的に成長しにくいと考えられる。この結果、得られた単結晶膜に膜厚不均一や欠陥が生じやすくなったものと考えられた。 The inventor has studied various melt flows when the bottom of the melt in the growth vessel is heated. When heating is performed from the bottom of the growth vessel, thermal convection occurs from the bottom to the top of the melt, and the melt is stirred. However, the flow is complicated because the melt rises upward from the chaotic origin at the bottom by thermal convection. For this reason, the contact between the melt and the seed crystal substrate becomes messy, and the single crystal film is considered to be difficult to grow in a layered and regular manner with good reproducibility. As a result, it was considered that the obtained single crystal film was likely to have non-uniform film thickness and defects.
本発明者は、この知見に基づき、図1(a)、(b)に模式的に示すように、育成容器1の底壁部10に、相対的に高温の高温部10bと相対的に低温の低温部10aとの両方を生じさせた。そして、融液2内に種結晶基板5を浸漬する際に、種結晶基板5が高温部10b上に位置するように固定した。
Based on this knowledge, the present inventor has a relatively
これによって、高温部10b付近から矢印6のように種結晶基板の育成面5a(あるいは5b)に添って上昇流が生じ、次いで気液界面の近くでは育成容器の外側へと向かって流れ、次いで矢印8のように育成容器の内壁面に添って下降流が生ずる。この場合、上下に温度勾配を設けたのみの場合と比べて、基板表面上の流れの方向が定まっており、整流になりやすい。しかも、効率よく対流させることができるため、気液界面付近で窒素を融液に溶解させた後に、その融液を育成容器の全体にすみやかに供給することができる。この結果として、種結晶基板の育成面にステップフロー成長がおこり、品質の良い平滑な窒化物単結晶を形成できることを見いだし、本発明に到達した。
As a result, an upward flow is generated along the
本発明においては、育成容器の底壁部に高温部と低温部とを設ける。底壁部の高温部の温度と低温部の温度とは、以下のようにして測定する。すなわち、育成容器1の底壁部10に接触するように熱電対を設置し、この熱電対が示す温度を測定する。
In this invention, a high temperature part and a low temperature part are provided in the bottom wall part of a growth container. The temperature of the high temperature part and the temperature of the low temperature part of the bottom wall part are measured as follows. That is, a thermocouple is installed so as to contact the
育成容器の底壁部の高温部10bにおける温度と低温部10aにおける温度との差は、本発明の効果という観点からは、3℃以上であることが好ましく、10℃以上であることが更に好ましい。また、この温度差が大きくなりすぎると、熱対流によって乱流が発生しやすくなり、窒化物単結晶の品質が低下する可能性があるので、50℃以下とすることが好ましく、30℃以下とすることが更に好ましい。
The difference between the temperature at the
対流促進という観点からは、融液2の気液界面2bにおける温度と底壁部10bにおける温度との差を0.5℃/cm以上とすることが更に好ましく、1℃/cm以上とすることが一層好ましい。また、上下方向の熱対流に起因する乱流の発生を抑制するという観点、かつ、気液界面の温度が低いことによる気液界面付近での雑晶発生を防止するという観点からは、融液2の気液界面2aにおける温度と高温部10bの温度との差は、10℃/cm以下とすることが好ましく、5℃/cm℃以下とすることが更に好ましい。
From the viewpoint of promoting convection, the difference between the temperature at the gas-
本発明において、育成容器の底壁部に相対的に高温な高温部を形成する方法は特に限定されない。例えば以下の方法を例示できる。
(1) 育成容器の下に支持板を設け、この支持板が高熱伝導部と低熱伝導部とを備えている。高熱伝導部上に高温部を設ける。
(2) 育成容器の下に支持板を設け、底壁部が肉厚部と肉薄部とを備えている。肉厚部上が高温部となる。
(3) 育成容器の下に熱制御板を設け、この熱制御板に貫通孔を形成する。貫通孔上に底壁部の高温部を設ける。
In the present invention, a method for forming a relatively high temperature high temperature portion on the bottom wall portion of the growth vessel is not particularly limited. For example, the following method can be illustrated.
(1) A support plate is provided under the growth container, and the support plate includes a high heat conduction portion and a low heat conduction portion. A high temperature part is provided on the high heat conduction part.
(2) A support plate is provided under the growth container, and the bottom wall portion includes a thick portion and a thin portion. The thick part is the high temperature part.
(3) A thermal control plate is provided under the growth vessel, and a through hole is formed in the thermal control plate. A high temperature portion of the bottom wall portion is provided on the through hole.
図1(a)は、本発明の一実施形態によって単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図であり、(b)は、種結晶基板5、支持板9、高温部9b、低温部9aの平面的な位置関係を示す模式図である。
FIG. 1 (a) is a cross-sectional view schematically showing a state where a single crystal is grown according to an embodiment of the present invention, and FIG. 1 (b) shows a
本例では、育成容器の下に支持板を設け、この支持板が高熱伝導部と低熱伝導部とを備えている。本例では、育成容器1を柱状となっているが形は限定しない。例えば、円柱状である。育成容器1内に融液2が収容されており、融液2内に種結晶基板5が浸漬されている。育成容器1は、側壁部4と底壁部10とからなる。底壁部10の下には、支持板9が設置されており、底壁部10と支持板9とは接触している。
In this example, a support plate is provided under the growth container, and this support plate includes a high heat conduction portion and a low heat conduction portion. In this example, the growth container 1 is columnar, but the shape is not limited. For example, it is cylindrical. The
支持板9の下の空間温度は、育成容器1の周辺温度よりも高くなっており、従って矢印Hのように熱が支持板9に向かって上昇してくる。ここで、支持板9には、高熱伝導部9bと低熱伝導部9aとを設ける。高熱伝導部9bとは、支持板中で相対的に熱伝導率が高い材質からなる部分であり、低熱伝導部9aとは、支持板中で相対的に熱伝導率が低い材質からなる部分である。この結果、低熱伝導部9a上には、底壁部9の低温部10aが位置し、高熱伝導部9b上には、底壁部9の高温部10bが位置する。
The space temperature under the
そして、高温部10b上に種結晶基板5を固定する。すると、高温部10bから上方へと矢印6のように対流が生ずる。この流れは比較的整流である。そして、気液界面の付近を外側へと向かって流れ、側壁部4の近くを下方へと向かって矢印8のように下降する。
And the
この場合、単純に上下に温度勾配を設けた場合と比べて、起点が決まるため、基板表面上の流れの方向が定まっており、整流になりやすい。しかも、効率よく対流させることができるため、気液界面付近で窒素を融液に溶解させた後に、その融液を育成容器の全体にすみやかに供給することができる。この結果として、種結晶基板の育成面においてステップ成長が起こりやすく、窒化物単結晶の広面積の膜厚を再現よく均一化しやすい。 In this case, since the starting point is determined as compared with the case where a temperature gradient is simply provided above and below, the direction of the flow on the substrate surface is fixed and rectification is likely to occur. In addition, since convection can be efficiently performed, after the nitrogen is dissolved in the melt near the gas-liquid interface, the melt can be quickly supplied to the entire growth vessel. As a result, step growth is likely to occur on the growth surface of the seed crystal substrate, and the film thickness of a wide area of the nitride single crystal can be easily reproduced and made uniform.
本発明の観点からは、低熱伝導部9aを構成する材質の熱伝導率と、高熱伝導部9bを構成する材質の熱伝導率との差は、10W・m−1・K−1以上とすることが好ましく、30W・m−1・K−1以上とすることが更に好ましい。また、低熱伝導部9aを構成する材質の熱伝導率と、高熱伝導部9bを構成する材質の熱伝導率との差は、500W・m−1・K−1以下とすることが好ましく、350W・m−1・K−1以下とすることが更に好ましい。
From the viewpoint of the present invention, the difference between the thermal conductivity of the material constituting the low thermal
本発明においては、育成容器の底壁部の高温部上に種結晶基板を設置する。この際、種結晶基板の全体が高温部上空間E内に存在していることが好ましい。種結晶基板の全体が高温部上空間E内に存在していることは必須ではないが、種結晶基板の育成面の面積のうち30%以上が空間E内に位置していることが好ましい。 In the present invention, the seed crystal substrate is placed on the high temperature portion of the bottom wall portion of the growth vessel. At this time, it is preferable that the entire seed crystal substrate exists in the high-temperature space E. Although it is not essential that the entire seed crystal substrate exists in the high-temperature space E, it is preferable that 30% or more of the area of the growth surface of the seed crystal substrate is located in the space E.
図2は、他の実施形態において育成容器内で種結晶基板上に単結晶を育成している状態を模式的に示す斜視図であり、図3は、支持板9A、育成容器2、高熱伝導部9b、低熱伝導部9a、種結晶基板5の平面的位置関係を示す図である。
FIG. 2 is a perspective view schematically showing a state in which a single crystal is grown on a seed crystal substrate in a growth container in another embodiment, and FIG. 3 shows the
本例では、図1の例と同様に、育成容器1の下に支持板9Aを設け、この支持板9Aが高熱伝導部9bと低熱伝導部9aとを備えている。育成容器1内に融液2が収容されており、融液2内に種結晶基板5が浸漬されている。育成容器1は、側壁部4と底壁部10とからなる。底壁部10の下には、支持板9Aが設置されており、底壁部10と支持板9Aとは接触している。
In this example, similarly to the example of FIG. 1, a
支持板9Aの下の空間温度は、育成容器1の周辺温度よりも高くなっており、熱が支持板9Aに向かって上昇してくる。ここで、支持板9Aには、高熱伝導部9bと低熱伝導部10aとを設ける。高熱伝導部9bとは、支持板中で相対的に熱伝導率が高い材質からなる部分であり、低熱伝導部9aとは、支持板中で相対的に熱伝導率が低い材質からなる部分である。この結果、低熱伝導部9a上には、底壁部10の低温部10aが位置し、高熱伝導部9b上には、底壁部10の高温部10bが位置する。本例では、高熱伝導部9bが、支持板9Aのほぼ対角線上に沿って延びている。
The space temperature under the
そして、高温部10b上に種結晶基板5を固定する。すると、高温部10bから上方へと矢印6のように対流が生ずる。この流れは比較的整流である。そして、気液界面の付近を外側へと向かって流れ、側壁部4の近くを下方へと向かって矢印8のように流れる。
And the
図4は、本発明の一実施形態によって単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図である。本例では、育成容器1Aの下に支持板9Bを設け、底壁部10が肉厚部10bと肉薄部10aとを備えている。
FIG. 4 is a cross-sectional view schematically showing a state where a single crystal is grown according to an embodiment of the present invention. In this example, a support plate 9B is provided under the growth container 1A, and the
育成容器1内に融液2が収容されており、融液2内に種結晶基板5が浸漬されている。育成容器1は、側壁部4と底壁部10とからなる。底壁部10の下には、支持板9Bが設置されており、底壁部10と支持板9Bとは接触している。支持板9Bは本例では単一材料からなっていてよい。
The
支持板9Bの下の空間温度は、育成容器1の周辺温度よりも高くなっており、従って矢印Hのように熱が支持板9Bに向かって上昇してくる。ここで、底壁部10の肉厚部10bは支持板9Bに接触している。肉薄部10aは、支持板9Bに接触しておらず、両者の間には空隙12が形成されている。支持板9Bの下から上昇してきた熱Hは、肉厚部10bを優先的に熱伝導する。従って、肉厚部10bは高温部となり、肉薄部10aは低温部となる。
The space temperature under the support plate 9B is higher than the ambient temperature of the growth vessel 1, so that the heat rises toward the support plate 9B as indicated by the arrow H. Here, the
そして、高温部10b上に種結晶基板5を固定する。すると、高温部10bから上方へと不印6のように対流が生ずる。この流れは比較的整流である。そして、気液界面の付近を外側へと向かって流れ、側壁部4の近くを下方へと向かって矢印8のように流れる。
And the
図5は、本発明の一実施形態によって単結晶を育成している状態を模式的に示す断面図である。本例では、育成容器1の下に熱制御板9Cを設け、この熱制御板9Cに貫通孔18を形成する。貫通孔18上に底壁部10の高温部10bを設ける。
FIG. 5 is a cross-sectional view schematically showing a state where a single crystal is grown according to an embodiment of the present invention. In this example, a
育成容器1内に融液2が収容されており、融液2内に種結晶基板5が浸漬されている。育成容器1は、側壁部4と底壁部10とからなる。底壁部10と熱制御板9Cとは、接触していてよく、接触していなくともよい。熱制御板9Cは本例では単一材料からなっていてよい。
The
熱制御板9Cの下の空間温度は、育成容器1の周辺温度よりも高くなっており、従って矢印Hのように熱が板9Cに向かって上昇してくる。ここで、貫通孔18では熱が優先的に通過し、底壁部10に向かって伝達されやすい。この結果、貫通孔18上は高温部10bとなり、その他は低温部10aとなる。
The space temperature under the
そして、高温部10b上に種結晶基板5を固定する。すると、高温部10bから上方へと矢印6のように対流が生ずる。この流れは比較的整流である。そして、気液界面の付近を外側へと向かって流れ、側壁部4の近くを下方へと向かって矢印8のように流れる。
And the
本発明では、図6に示すように、種結晶基板を傾斜させた状態で設置してもよい。好適な実施形態においては、融液の気液界面2aと種結晶基板5の育成面5aとがなす角度θを30°以上、150°以下とする。好ましくは、θを60°以上、120°以下とする。特に好ましくは、融液の気液界面と種結晶の成長面とをほぼ垂直とする。これによって、雑晶が一層単結晶に対して付着しにくくなる。
In the present invention, as shown in FIG. 6, the seed crystal substrate may be installed in an inclined state. In a preferred embodiment, the angle θ formed by the gas-
好適な実施形態においては、図7に模式的に示すように、複数の発熱体26A、26B、26C、26D、26E、26F、26Gを上下方向、水平方向に設置し、発熱体ごとに発熱量を独立して制御する。つまり、上下方向、水平方向へと向かって多ゾーン制御を行なう。各発熱体を発熱させ、気体タンク21、圧力制御装置22、配管23を通して、雰囲気制御用容器14内の育成容器1へと窒素含有雰囲気を流し、加熱および加圧すると、育成容器内で混合原料がすべて溶解し、融液を生成する。
In a preferred embodiment, as schematically shown in FIG. 7, a plurality of
本発明において、発熱体の材質は特に限定されないが、鉄-クロム-アルミ系、ニッケル-クロム系などの合金発熱体、白金、モリブデン、タンタル、タングステンなどの高融点金属発熱体、炭化珪素、モリブデンシリサイト、カーボンなどの非金属発熱体を例示できる。 In the present invention, the material of the heating element is not particularly limited, but an alloy heating element such as iron-chromium-aluminum or nickel-chromium, a refractory metal heating element such as platinum, molybdenum, tantalum or tungsten, silicon carbide, molybdenum Non-metallic heating elements such as silicite and carbon can be exemplified.
本発明の単結晶育成装置において、原料混合物を加熱して融液を生成させるための装置は特に限定されない。この装置は熱間等方圧プレス装置が好ましいが、それ以外の雰囲気加圧型加熱炉であってもよい。 In the single crystal growth apparatus of the present invention, the apparatus for heating the raw material mixture to generate a melt is not particularly limited. This apparatus is preferably a hot isostatic pressing apparatus, but other atmospheric pressure heating furnaces may be used.
融液を生成するためのフラックスは特に限定されないが、アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属またはその合金が好ましい。この金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが例示でき、リチウム、ナトリウム、カルシウムが特に好ましく、ナトリウムが最も好ましい。 The flux for generating the melt is not particularly limited, but one or more metals selected from the group consisting of alkali metals and alkaline earth metals or alloys thereof are preferable. Examples of the metal include lithium, sodium, potassium, rubidium, cesium, beryllium, magnesium, calcium, strontium, and barium. Lithium, sodium, and calcium are particularly preferable, and sodium is most preferable.
また、上記アルカリ金属およびアルカリ土類金属からなる群より選ばれた一種以上の金属と合金を形成する物質としては、以下の金属を例示できる。
ガリウム、アルミニウム、インジウム、ホウ素、亜鉛、ケイ素、錫、アンチモン、ビスマス。
Examples of the substance that forms an alloy with one or more metals selected from the group consisting of alkali metals and alkaline earth metals include the following metals.
Gallium, aluminum, indium, boron, zinc, silicon, tin, antimony, bismuth.
本発明の育成方法によって、例えば以下の単結晶を好適に育成できる。
GaN、AlN、InN、これらの混晶(AlGaInN)、BN。
For example, the following single crystals can be suitably grown by the growing method of the present invention.
GaN, AlN, InN, mixed crystals thereof (AlGaInN), BN.
単結晶育成工程における加熱温度、圧力は、単結晶の種類によって選択するので特に限定されない。加熱温度は例えば800〜1500℃とすることができる。好ましくは800〜1200℃であり、更に好ましくは800〜1100℃である。圧力も特に限定されないが、圧力は1MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることが更に好ましい。圧力の上限は特に規定しないが、例えば200MPa以下とすることができ、100MPa以下が好ましい。 The heating temperature and pressure in the single crystal growth step are not particularly limited because they are selected depending on the type of single crystal. The heating temperature can be set to, for example, 800 to 1500 ° C. Preferably it is 800-1200 degreeC, More preferably, it is 800-1100 degreeC. The pressure is not particularly limited, but the pressure is preferably 1 MPa or more, and more preferably 2 MPa or more. The upper limit of the pressure is not particularly defined, but can be, for example, 200 MPa or less, and preferably 100 MPa or less.
反応を行なうための育成容器の材質は特に限定されず、目的とする加熱および加圧条件において耐久性のある材料であればよい。こうした材料としては、金属タンタル、タングステン、モリブデンなどの高融点金属、アルミナ、サファイア、イットリアなどの酸化物、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ホウ素などの窒化物セラミックス、タングステンカーバイド、タンタルカーバイドなどの高融点金属の炭化物、p−BN(パイロリティックBN)、p−Gr(パイロリティックグラファイト)などの熱分解生成体が挙げられる。 The material of the growth container for carrying out the reaction is not particularly limited as long as the material is durable under the intended heating and pressurizing conditions. Examples of such materials include refractory metals such as tantalum, tungsten, and molybdenum, oxides such as alumina, sapphire, and yttria, nitride ceramics such as aluminum nitride, titanium nitride, zirconium nitride, and boron nitride, tungsten carbide, tantalum carbide, and the like. And pyrolytic products such as p-BN (pyrolytic BN) and p-Gr (pyrolytic graphite).
以下、更に具体的な単結晶およびその育成手順について例示する。
(窒化ガリウム単結晶の育成例)
本発明を利用し、少なくともナトリウム金属を含むフラックスを使用して窒化ガリウム単結晶を育成できる。このフラックスには、ガリウム原料物質を溶解させる。ガリウム原料物質としては、ガリウム単体金属、ガリウム合金、ガリウム化合物を適用できるが、ガリウム単体金属が取扱いの上からも好適である。
Hereinafter, more specific single crystals and their growth procedures will be exemplified.
(Gallium nitride single crystal growth example)
Using the present invention, a gallium nitride single crystal can be grown using a flux containing at least sodium metal. In this flux, the gallium source material is dissolved. As the gallium source material, a gallium simple metal, a gallium alloy, and a gallium compound can be applied, but a gallium simple metal is also preferable in terms of handling.
このフラックスには、ナトリウム以外の金属、例えばリチウムを含有させることができる。ガリウム原料物質とナトリウムなどのフラックス原料物質との使用割合は、適宜であってよいが、一般的には、ナトリウム過剰量を用いることが考慮される。もちろん、このことは限定的ではない。 This flux can contain metals other than sodium, such as lithium. The use ratio of the gallium source material and the flux source material such as sodium may be appropriate, but in general, it is considered to use an excess amount of sodium. Of course, this is not limiting.
この実施形態においては、窒素ガスを含む混合ガスからなる雰囲気下で、全圧1MPa以上、200MPa以下の圧力下で窒化ガリウム単結晶を育成する。全圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、更に好ましくは900℃以上の高温領域において、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。 In this embodiment, a gallium nitride single crystal is grown under a pressure of a total pressure of 1 MPa or more and 200 MPa or less in an atmosphere composed of a mixed gas containing nitrogen gas. By setting the total pressure to 1 MPa or more, it was possible to grow a good quality gallium nitride single crystal in a high temperature region of, for example, 800 ° C. or higher, more preferably in a high temperature region of 900 ° C. or higher.
好適な実施形態においては、育成時雰囲気中の窒素分圧を1MPa以上、200MPa以下とする。この窒素分圧を1MPa以上とすることによって、例えば800℃以上の高温領域において、フラックス中への窒素の溶解を促進し、良質の窒化ガリウム単結晶を育成可能であった。この観点からは、雰囲気の窒素分圧を2MPa以上とすることが更に好ましい。また、窒素分圧は実用的には100MPa以下とすることが好ましい。 In a preferred embodiment, the nitrogen partial pressure in the growth atmosphere is 1 MPa or more and 200 MPa or less. By setting the nitrogen partial pressure to 1 MPa or higher, for example, in a high temperature region of 800 ° C. or higher, dissolution of nitrogen into the flux was promoted, and a high-quality gallium nitride single crystal could be grown. From this viewpoint, it is more preferable that the nitrogen partial pressure of the atmosphere is 2 MPa or more. Moreover, it is preferable that nitrogen partial pressure shall be 100 Mpa or less practically.
雰囲気中の窒素以外のガスは限定されないが、不活性ガスが好ましく、アルゴン、ヘリウム、ネオンが特に好ましい。窒素以外のガスの分圧は、全圧から窒素ガス分圧を除いた値である。
好適な実施形態においては、窒化ガリウム単結晶の育成温度は、800℃以上であり、800℃以上とすることが好ましく、1000℃以上とすることが更に好ましい。このような高温領域においても良質な窒化ガリウム単結晶が育成可能である。また、高温・高圧での育成により、生産性を向上させ得る可能性がある。
A gas other than nitrogen in the atmosphere is not limited, but an inert gas is preferable, and argon, helium, and neon are particularly preferable. The partial pressure of a gas other than nitrogen is a value obtained by subtracting the nitrogen gas partial pressure from the total pressure.
In a preferred embodiment, the growth temperature of the gallium nitride single crystal is 800 ° C. or higher, preferably 800 ° C. or higher, and more preferably 1000 ° C. or higher. Even in such a high temperature region, a good quality gallium nitride single crystal can be grown. Moreover, there is a possibility that productivity can be improved by growing at high temperature and high pressure.
窒化ガリウム単結晶の育成温度の上限は特にないが、育成温度が高すぎると結晶が成長しにくくなるので、1500℃以下とすることが好ましく、この観点からは、1200℃以下とすることが更に好ましい。 The upper limit of the growth temperature of the gallium nitride single crystal is not particularly limited. However, if the growth temperature is too high, the crystal is difficult to grow. Therefore, the temperature is preferably set to 1500 ° C. or lower. From this viewpoint, the temperature is further set to 1200 ° C. or lower. preferable.
窒化ガリウム結晶をエピタキシャル成長させるための育成用基板の材質は限定されないが、サファイア、AlNテンプレート、GaNテンプレート、シリコン単結晶、SiC単結晶、MgO単結晶、スピネル(MgAl2O4)、LiAlO2、LiGaO2、LaAlO3,LaGaO3,NdGaO3等のペロブスカイト型複合酸化物を例示できる。また組成式〔A1−y(Sr1−xBax)y〕〔(Al1−zGaz)1−u・Du〕O3(Aは、希土類元素である;Dは、ニオブおよびタンタルからなる群より選ばれた一種以上の元素である;y=0.3〜0.98;x=0〜1;z=0〜1;u=0.15〜0.49;x+z=0.1〜2)の立方晶系のペロブスカイト構造複合酸化物も使用できる。また、SCAM(ScAlMgO4)も使用できる。 The material of the growth substrate for epitaxially growing the gallium nitride crystal is not limited, but sapphire, AlN template, GaN template, silicon single crystal, SiC single crystal, MgO single crystal, spinel (MgAl 2 O 4 ), LiAlO 2 , LiGaO 2 , perovskite complex oxides such as LaAlO 3 , LaGaO 3 , and NdGaO 3 can be exemplified. The composition formula [A 1-y (Sr 1- x Ba x) y ] [(Al 1-z Ga z) 1-u · D u ] O 3 (A is a rare earth element; D is niobium and One or more elements selected from the group consisting of tantalum; y = 0.3-0.98; x = 0-1; z = 0-1; u = 0.15-0.49; x + z = 0 .1 to 2) cubic perovskite structure composite oxides can also be used. SCAM (ScAlMgO 4 ) can also be used.
(AlN単結晶の育成例)
本発明は、少なくともアルミニウムとアルカリ土類を含むフラックスを含む融液を特定の条件下で窒素含有雰囲気中で加圧することによって、AlN単結晶を育成する場合にも有効であることが確認できた。
(Example of growing AlN single crystal)
The present invention has been confirmed to be effective even when growing an AlN single crystal by pressurizing a melt containing a flux containing at least aluminum and an alkaline earth in a nitrogen-containing atmosphere under specific conditions. .
(予備実験)
図2、図3に示すような育成装置を作成し、図7に示すような装置内に設置した。育成容器の寸法は35mm×40mm×70mmとした。種結晶基板の寸法はφ2インチとした。育成容器内に水を収容し、トレーサーとしてのポリエステルを添加した。下部から育成容器を加熱することにより、水内に対流を発生させた。レーザー光を側壁から照射することによって対流を可視化させたところ、図2、図3に示すような所望の対流が観測された。
(Preliminary experiment)
A growing apparatus as shown in FIGS. 2 and 3 was prepared and installed in the apparatus as shown in FIG. The size of the growth container was 35 mm × 40 mm × 70 mm. The size of the seed crystal substrate was 2 inches. Water was accommodated in the growth container, and polyester as a tracer was added. Convection was generated in the water by heating the growth vessel from below. When convection was visualized by irradiating laser light from the side wall, desired convection as shown in FIGS. 2 and 3 was observed.
(実施例1)
図2、図3を参照しつつ説明した前記方法に従い、Naフラックス法によりGaN単結晶を育成した。具体的には、金属Na74 g、金属Ga50 g、添加物として炭素100mgを真空グローブボックス内で秤量し、内径幅16×奥行き55mm×高さ75mmのアルミナルツボ1に入れた。種結晶基板5として、直径2インチのGaNテンプレート基板を用い、ルツボの対角線上に略垂直〜水平から80度くらいの角度に立てかけた。ルツボ1を、図7に示す容器14内に収容した。このとき、図2、3のように、高温部9bの材質を窒化アルミニウムセラミックスとし、低温部9aの材質をアルミナセラミックスとした。窒化アルミニウムセラミックスの熱伝導率は150W・m−1・K−1であり、アルミナセラミックスの熱伝導率は32W・m−1・K−1である。
Example 1
According to the method described with reference to FIGS. 2 and 3, a GaN single crystal was grown by the Na flux method. Specifically, 74 g of metal Na, 50 g of metal, and 100 mg of carbon as an additive were weighed in a vacuum glove box and placed in an alumina crucible 1 having an inner diameter of 16 × 55 mm × height of 75 mm. A GaN template substrate having a diameter of 2 inches was used as the
次いで、窒素ガスにて4.5MPaに加圧し、炉内を850 ℃まで45分で昇温し、850°Cで200時間保持し結晶育成を行った。この期間中、容器の底部は880℃になるように、別系統のヒーターで加熱制御した。その後室温まで冷却した。エタノールにてフラックスを処理し、結晶を取り出したところ、種基板上に厚さ約1mmのGaN結晶が成長していた。結晶の表面は種基板上で全面的に平滑であり、ステップが観察された。不純物帯発光が少なく、結晶の色はほぼ無色透明であった。 Next, the pressure was increased to 4.5 MPa with nitrogen gas, the temperature in the furnace was increased to 850 ° C. in 45 minutes, and maintained at 850 ° C. for 200 hours for crystal growth. During this period, the bottom of the container was controlled to be 880 ° C. with a separate heater. Then it was cooled to room temperature. When the flux was treated with ethanol and the crystal was taken out, a GaN crystal having a thickness of about 1 mm was grown on the seed substrate. The surface of the crystal was entirely smooth on the seed substrate, and steps were observed. The impurity band emission was small, and the crystal color was almost colorless and transparent.
(比較例1)
実施例1と同様にGaN単結晶を育成した。ただし、ルツボ1の下に支持板9Aを設置しなかった。この結果、種結晶基板上に約1mmの結晶が成長したが、結晶の表面は平滑であったが、三次元成長している部分が所々に存在した。また、その部分では結晶は茶色〜黒色に着色しており、不純物帯発光も強く観察された。これは、種結晶基板5上での融液の対流が不十分であったことを示唆する。
(Comparative Example 1)
A GaN single crystal was grown in the same manner as in Example 1. However, the
1、1A 育成容器 2 融液 2a 気液界面 2b 融液の底部 4 側壁部 5 種結晶基板 5a 育成面 6、6A、6B、6C 高温部からの上昇流 8 下降流 9、9A,9B、9C 支持板 9a 低熱伝導部 9b 高熱伝導部 10 底壁部 10a 低温部 10b 高温部 12 空隙 E 高温部上の領域 H 熱の流れ θ 育成面と気液界面とがなす角度
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