[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP4885484B2 - 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板 - Google Patents

意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板 Download PDF

Info

Publication number
JP4885484B2
JP4885484B2 JP2005167303A JP2005167303A JP4885484B2 JP 4885484 B2 JP4885484 B2 JP 4885484B2 JP 2005167303 A JP2005167303 A JP 2005167303A JP 2005167303 A JP2005167303 A JP 2005167303A JP 4885484 B2 JP4885484 B2 JP 4885484B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin layer
sheet
laminated sheet
metal plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005167303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006341403A (ja
Inventor
俊昭 蛯谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2005167303A priority Critical patent/JP4885484B2/ja
Publication of JP2006341403A publication Critical patent/JP2006341403A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4885484B2 publication Critical patent/JP4885484B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、意匠性被覆用積層シート、および該積層シートで被覆した積層シート被覆金属板に関する。特に、耐傷入り性、加工性に優れるとともに、破断伸びや折り曲げ白化性が経時的に低下する事に起因する長期保管後の二次加工性の低下を抑制し、厚みのある金属板に被覆された後に折り曲げ加工が施されるエレベーターのかご室壁、エレベーターかごの戸等のエレベーター内装材に好適に用いることができる積層被覆用金属板、および該金属板を製造するための積層シートに関する。また、本発明の積層シート被覆用金属板は、家電製品筐体用途、建築内装材用途、鋼製家具用途にも好適に用いることができる。さらに、本発明の意匠性被覆用積層シートは、金属板に被覆して用いる以外にも木質板、無機質繊維板、熱可塑性樹脂板、熱硬化性樹脂板等に被覆して意匠性を高める目的に好適に用いることができる。
従来、上記用途に適する材料として、エンボス意匠を付与した軟質塩化ビニル系樹脂シート(以下、「軟質PVCシ−ト」ということがある。)を、合成樹脂成形品、合板、木質繊維板、金属板等に被覆したものが用いられてきた。この軟質PVCシ−トの特徴としては、
(1)エンボス付与適性に優れることから、意匠性に富んだ被覆材を得ることができる。
(2)一般的に背反要素である加工性と、表面の耐傷入り性のバランスが比較的良好である。
(3)各種添加剤との相容性に優れること、および長年にわたり添加剤による物性向上検討が行われて来たことから、耐久性に優れた樹脂皮膜を得ることが容易である。
等の点を挙げることができる。
この軟質PVCの長尺シートに連続的にエンボスを付与する方法として、製膜後のシートを再加熱により軟化させ、エンボス柄を彫刻したロール(以下において「エンボス版ロール」という。)で押さえて柄を連続的に転写させる方法が一般的に用いられている。シートを加熱する方法として、加熱した金属ロールにシートを接触させて加熱する接触型や、赤外ヒーターや、熱風ヒーターなどによってシートをロールなどに接触させることなく加熱する非接触型などがある。実際の製造ラインでは、どちらか一方だけの場合もあるが、一般的には両者が併用されることが多い。また、これら一連の工程を有する設備を「エンボス付与機」と称している。
このようなエンボス付与機においては、一般的に、エンボス版ロールの交換脱着が非常に容易に行える設計が盛り込まれている。また、エンボス版ロールの直径が押出し製膜設備のキャスティングロール等と比較して小さいことから、多種のエンボス版ロールを用意しておくことでエンボス柄の変更を容易かつ経済的に行うことができる。したがって、エンボス付与機を用いたエンボス付与方法は、小ロットの製造に適したものであるといえる。
また、着色された軟質PVCシートの表面に印刷を施した後、透明な軟質PVCシートを積層一体化し、該積層シートをエンボス付与機へ連続的に通すことによって得られる、エンボス意匠と同時に印刷意匠を有する軟質PVC積層シートが存在する。この場合、エンボス付与機でのシート予熱を利用して、2層のシートを熱融着で積層一体化することができ、積層のための特別な工程を必要としないことから生産性が良く、コスト面でも優れたものであった。
しかし、近年、VOC(Volatile Organic Components:揮発性有機化合物)問題や内分泌撹乱作用の問題、燃焼時に塩化水素ガスその他の塩素含有ガスを発生する問題等から上記の軟質PVCシートは、その使用に制限を受けるようになってきた。そこで、上記のような優れた特徴を有する軟質PVCシートの代替材料が検討されている。
これらの中ではコスト面から、まずポリオレフィン系樹脂からなるシートが検討された。しかし、ポリオレフィン系樹脂は、樹脂被覆金属板として折り曲げ加工を施した際に曲げ部分が白化する問題がある。それを解決するために結晶性を低下させる処方を用いた場合は表面硬度が低くなり、人が触れる機会の多いエレベーター内層材等の用途では耐傷入り性が問題となった。
特許文献1には、ポリエチレン系樹脂からなる着色基材層の上に透明なポリカーボネート樹脂よりなる層を積層する構成が提案されている。
特許文献2には、非結晶性のポリエステル系樹脂に特定のMBS系架橋ゴムを添加することにより経時的な加工性の低下を防止する方法が提案されており、該方法によれば破断伸びの低下に対しては顕著な効果が認められるとされている。
軟質PVCシートに替わるものとしては、カレンダー製膜が可能なアクリル系樹脂の検討もなされている。特許文献3には、折り曲げ加工が可能なように架橋弾性体成分を添加して軟質化したアクリルシートを透明表層、及び着色基材層として用いることが提案されている。
また、特許文献4には、アクリル系樹脂からなる基材シートにポリエステル系樹脂からなる透明樹脂層を被覆する提案がされている。
: 特開2003−145702号公報 : 特開2002−121367号公報 : 特開2004−142164号公報 : 特開2000−094596号公報
しかし特許文献1の発明の目的は、表面硬度と耐衝撃性の確保であり、樹脂被覆金属板として折り曲げ加工を施した際の加工部の折り曲げ白化の防止までは考慮されていない。また、基材層としてポリオレフィン系樹脂を用いた場合は、表層であるポリカーボネート系樹脂との間に熱融着性がないことから、接着積層に特別な工夫が必要である。また、金属板との接着積層に関しても、従来の軟質PVCシートの積層に用いて来た接着剤のみでは、接着強度を得ることができない。
一方、従来の軟質PVCシートの製膜に用いられて来たカレンダー設備でシートを作成することが可能な非結晶性のポリエステル系樹脂からなるシートが検討され、表面硬度と加工性に優れる樹脂被覆金属板用のシートとして展開されている。しかし、無配向の非結晶性ポリエステルは、加熱成形後に該樹脂のガラス転移温度(Tg)以下で保管した場合、次第に破断伸び等の機械物性が低下する問題を有している。該物性の低下は、所謂エンタルピー緩和の進行に起因するものとされている。すなわち、非結晶性のポリエステル樹脂シートをエレベーター内装材のように比較的厚みのある金属板に被覆して樹脂被覆金属板とした場合、初期には問題無く折り曲げ加工できたものが、暫く保管した後に同様に折り曲げ加工を行うと、折り曲げ部分でシートが割れてしまう、あるいは微細なクラックが多数入ることにより白化として視認されてしまう等の問題を発生する。経時加工性低下の原因がエンタルピー緩和であるので、樹脂被覆金属板を折り曲げ加工に供する前工程で該被覆樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に一旦加熱することで加工性は復元するが、工程増となるため、加工メーカーに受け入れられるものではない。また、非結晶性のポリエステル系樹脂単層からなるシートは、従来から軟質PVCのシートにオフラインでエンボスを付与するために用いられて来た、エンボス付与機への適性に乏しく、充分なエンボス耐熱性を有するエンボス柄を転写することが難かしかった。これは、比較的厚みのある金属板にラミネートする際に、水冷による急速な冷却を施しても金属板の温度が直ぐには冷えないことから、その予熱によりエンボス柄が浅くなってしまう、所謂エンボス戻りが生じ安いことを意味し、エレベーター内装用途に用いる場合は、この点にも問題があった。
また、特許文献2は非晶性ポリエステル系樹脂のエンタルピー緩和に起因する加工性の低下の改善に関する開示を行っているが、樹脂被覆金属板用途のものではないため、折り曲げ白化の防止に対しては効果が認められない。架橋ゴムを添加していることによるボイド白化が発生することが影響していると思われる。また、エンボス付与機への適性は改善されない。
さらに、特許文献3が開示する構成では、表面硬度と樹脂被覆金属板としての加工性を両立させることが難かしく、耐傷入り性を確保するために表面硬度の高いものとした場合は加工性に問題を生じ、加工性を確保するためには逆の問題が発生する。また、架橋弾性体成分を多量に含むアクリル系樹脂は、エンボス付与機のエンボス版ロールで押圧しても、版ロールから引き剥がすと同時に付与された歪みが弾性回復してしまい、綺麗なエンボス転写を得ることが難かしいという問題があった。
加えて、特許文献4の発明の目的は真空成形性の良好な積層シートを得ることであり、アクリル樹脂としては比較的硬質のものを用いているため、樹脂被覆金属板としての加工性は十分なものとはならないという問題もあった。
そこで、本発明は、従来から用いられているエンボス付与機を用いて、良好なエンボス柄を付与することができ、カレンダー製膜法によって、各種色味のシートを効率良く得ることができる意匠性被覆用積層シート、およびこの積層シートを被覆して作製した、長期間の保管を経た後に折り曲げ加工を施しても、ラミネート直後と変わりのない加工性を有する積層シート被覆金属板を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第一の本発明は、コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル樹脂を主成分とする第一樹脂層(10)と、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が50〜75モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25〜50モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とする第二樹脂層(20)とを具備し、第一樹脂層の23℃における引っ張り破断伸びが120〜350%であるとともに、第二樹脂層を40℃×90%RHの環境下に30日間放置した後の23℃における引っ張り破断伸びが120%以上であることを特徴とする、意匠性被覆用積層シート(110)である。
ここで、本発明において「主成分とする」とは、それぞれの樹脂を含む層の樹脂成分を基準(100質量%)として、対応するそれぞれの樹脂を50質量%以上、好ましくは75質量%以上含むことをいう(本明細書において、以下、同様である。)。
また、本発明における「引っ張り破断伸び」に関する数値規定は、その測定方向が、製膜時における流れ方向(MD)、及びそれに直交する方向(TD)の両者いずれにも適用されるものとする(本明細書において、以下、同様である。)。
また、本発明の「積層シート」には、その厚みに関して一般的には「フィルム」と呼称する範囲と「シート」と呼称する範囲の両方を含むものである。以下、本発明においては、便宜上、「シート」という単一呼称を用いる(本明細書において、以下、同様である。)。
第二の本発明は、コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル樹脂を主成分とする第一樹脂層(10)と、芳香族ポリカーボネート系樹脂、又は、ポリエステル系樹脂と芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物を主成分とする第二樹脂層(20)とを具備し、第一樹脂層の23℃における引っ張り破断伸びが120〜350%であるとともに、第二樹脂層を40℃×90%RHの環境下に30日間放置した後の23℃における引っ張り破断伸びが120%以上であることを特徴とする、意匠性被覆用積層シート(110)である。
前記ブレンド組成物について、ポリエステル系樹脂が、該樹脂のジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であるとともに、ジオール成分が50〜75モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25〜50モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂であるが好ましい。
前記ブレンド組成物において、芳香族ポリカーボネート系樹脂が、該ブレンド組成物全量基準で25質量%以上であることも好ましい。
また、前記ブレンド組成物におけるポリエステル系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が25〜50モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、50〜75モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂であるとともに、ブレンド組成物は、芳香族ポリエステル系樹脂55質量%未満と芳香族ポリカーボネート系樹脂45質量%以上のブレンド組成物であってもよい。
さらに、第一樹脂層(10)は着色剤を有しているとともに、第二樹脂層(20)は透明であることが好ましい。
上記の意匠性被覆用積層シート(120)においては、第一樹脂層(10)と第二樹脂層(20)との間に印刷層(30)を有していてもよい。
上記の意匠性被覆用積層シート(130)においては、前記第二樹脂層(20)側表面にエンボス版により形成された凹凸形状を有していてもよい。
第三の本発明は、上記の第二樹脂層(20)側表面にエンボス版により形成された凹凸形状を有している意匠性被覆用積層シートの第一樹脂層(10)側を接着面として、接着剤によって金属板(60)の上に積層した積層シート被覆金属板(150)である。
第四の本発明は、上記の積層シート被覆金属板(150)を用いた、エレベーター内装材である。
第五の本発明は、上記の積層シート被覆金属板(150)を用いた、鋼製家具部材である。
第六の本発明は、上記の積層シート被覆金属板(150)を用いた、家電製品筐体部材である。
第七の本発明は、上記の積層シート被覆金属板(150)を用いた、建築内装材である。
第一の本発明、及び第二の本発明においては、第一樹脂層(10)が、アクリル系樹脂を主成分としているので、着色性に優れている。また、第一樹脂層(10)は、第二樹脂層(20)および金属板(60)との接着性に優れている。また、アクリル系樹脂はカレンダー製膜が比較的容易であることから、小ロットで各種色味の積層シートを容易に得ることができる。
さらに、第一の本発明では、第二樹脂層(20)が特定組成範囲のポリエステル系樹脂を主成分とする層であり、本発明の積層シートは、表面硬度に優れ、また、エンボス付与機によるエンボス柄の転写適性も良好である。よって、色味だけでなく、エンボス柄に関しても小ロットで多様な柄を転写できる積層シートを得ることができる。さらに、本発明の積層シートを金属板に被覆して長期間保管した後に折り曲げ加工を行っても、加工性の経時低下に起因する樹脂層の割れや微細クラックによる白化を生ずることもない。
第二の本発明においては、第二樹脂層(20)を特定組成範囲のポリエステル系樹脂と、芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物を主成分とする層、あるいは芳香族ポリカーボネート系樹脂を主成分とする層とすることで、第二樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度を高くすることができる。その結果、該層に付与したエンボス柄のエンボス耐熱性も高くすることができる。従って、ラミネート時の金属板の加熱温度からの冷却に時間のかかる比較的厚みのある金属板にラミネートした際もエンボス柄の残存性をより良好なものとすることができる。
第三の本発明においては、良好な加工性と、耐傷入り性を有し、長期間の保管の後も折り曲げ加工性の低下を生じないエンボス意匠性の積層シート被覆金属板を得ることができる。
第四〜第七の本発明においては、上記の性能を有する金属板を用いて作製した、良好な性能を有する加工品を得ることができる。
以下に適宜、図1(a)〜図1(e)を参照しつつ、本発明の意匠性被覆用積層シート、及び積層シート被覆金属板について説明する。
図1(a)は、本発明の基本構成の積層シート110を模式的に示す断面図である。積層シート110は、アクリル系樹脂を主成分とする第一樹脂層10と、特定組成範囲の芳香族ポリエステル系樹脂、又は、芳香族ポリカーボネート系樹脂と特定組成範囲のポリエステル系樹脂のブレンド組成物、若しくは芳香族ポリカーボネート系樹脂を主成分とする第二樹脂層20の少なくとも2層により形成されている。また、図1(b)は、図1(a)の構成に加えて、第一樹脂層10と第二樹脂層20との間に印刷層30が設けられている構成の積層シート120の断面を示す模式図である。図1(c)は、図1(b)の積層シート120の第二樹脂層20側表面にエンボス柄が付与された、エンボスつきの第二樹脂層20Aが配置されている積層シート130の断面を示す模式図である。また、図1(d)は、図1(a)の構成において、第一樹脂層10と第二樹脂層20との間に接着剤層40、若しくは接着性樹脂層40を設けた積層シート140の断面を示す模式図である。さらに、図1(e)は、図1(c)に示す構成の積層シート130が接着剤層50を介して金属板60上に積層されている、積層シート被覆金属板150の断面を示す模式図である。以下にこれら各層について詳しく説明する。
<第一樹脂層10>
第一樹脂層10は、コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル系樹脂を主成分とするものであり、カレンダー製膜法により容易に得ることができる。
第一樹脂層10は、シート製膜時の流れ方向(MD)及び、それに直交する方向(TD)の両方向についての23℃に於ける引っ張り破断伸びが、120〜350%である。引っ張り破断伸びが小さすぎると、第二樹脂層20の組成に関わらず、積層シートを比較的厚みのある金属板に被覆して、該積層シート被覆金属板に折り曲げ加工等を施した場合に、積層シートの割れ等、加工性不良を生じ易くなる。また、引っ張り破断伸びが大きすぎると、第一樹脂層10の柔軟性が高すぎるため、第一樹脂層10単体での取り扱い性に問題が生じる。また、以下に説明する第二樹脂層20を実用的な厚みで積層したとしても、積層シートに充分な耐傷入り性を付与することが難かしくなる。
ここで、「アクリル系樹脂」とは、一般式(1)
CH=CR−COOR (1)
で示されるアクリル系単量体の単一組成、又は複数組成を重合して得られる重合体を主成分として含むものをいう。
一般式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、炭素数1〜8、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基又はシクロアルキル基を表す。
第一樹脂層10における、アクリル系樹脂としては、例えば、ブチルアクリレート等とメチルメタアクリレート等とをランダム共重合させて破断伸びを向上させたアクリル樹脂、アクリル系樹脂との相容性に優れ、アクリル系樹脂のガラス転移温度Tgを低下させる作用を有する可塑剤を添加したアクリル系樹脂、あるいは、アクリル系樹脂とある程度の相溶性を有するポリマー成分を添加等することにより破断伸びを向上させたアクリル系樹脂等を用いることができる。これらの中でもガラス転移温度Tgが85℃以上であるメチルメタアクリレートを主成分とするアクリル系樹脂を好ましく用いることができる。ガラス転移温度Tgがこれ以下である場合は、カレンダー製膜での製膜性等に問題を生じ易い。
上記のアクリル系樹脂のガラス転移温度を低下させる作用を有する可塑剤としては、フタル酸系の可塑剤、(例えばジオクチルフタレート(DOP))、連続塊状重合により得られた分子量1000〜20000のアクリル系高分子可塑剤(例えば、東亜合成社製「アルフォンUP」)等を用いることができる。
また、上記のアクリル系樹脂とある程度の相溶性を有するポリマー成分としては、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリエチレンオキサイド等を用いることができる。
上記のアクリル系樹脂に添加する架橋弾性体成分としては、ABS、MBS、などの衝撃改良剤として一般的に用いられているものを使用できる。本発明においては、架橋弾性体成分を比較的多量に添加する必要があることから、マトリクス樹脂となるアクリル系樹脂との相容性に優れ、折り曲げ白化を生じ難い、「アクリル樹脂系架橋弾性体成分」を用いることが好ましい。
「アクリル樹脂系架橋弾性体成分」とは、架橋されたアクリル系ゴム相に多段重合で、マトリクスとの相容性を得るためのアクリル系組成物相をグラフト重合したものである。
架橋されたアクリルゴム相に用いるアクリル系樹脂としては、例えばアルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸エステルが挙げられる。低温での加工性を良好なものとするため、ガラス転移温度が0℃より低いアクリル系樹脂を主成分とすることが好ましく、アクリル酸ブチルやアクリル酸2−エチルヘキシルのような炭素数4〜8のものが好ましい。
上記に共重合可能な他のビニル単量体成分として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルのようなメタクリル酸エステル、スチレンのような芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物などを含んでいても良い。
該アクリル系ゴム相に架橋構造を付与するための架橋性・共重合性単量体としては、1分子内に重合性二重結合を少なくとも2個有するものであれば良く、エチレングリコールジメタクリレート、1.3−ブチレングリコールジメタクリレート、1.4−ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル類や、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼンなどを用いることができる。
該アクリル系ゴム相には、マトリクス樹脂との相容性を良好なものとする目的で、メタアクリル酸エステル系樹脂を主体とする単量体がグラフト重合されている。
グラフト重合させる単量体の主体であるメタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。また共重合成分としてのアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、などのアクリル酸エステル成分や、スチレンなどの芳香族ビニル化合物、あるいは、アクリロニトリルのようなビニルシアン化合物などが挙げられる。
上記基本構造を有するアクリル樹脂系架橋弾性体成分は、コア・シェル型アクリル等と呼称され、アクリル系衝撃改良剤として、あるいは加工助剤として、各種のものが市販されている。
また、上記コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル系樹脂は、「ソフトアクリル」、「軟質アクリル」、「柔軟性アクリル」、あるいは「カレンダーアクリル」などの呼称で各種グレードのものが市販されており、本発明においても、これらを好適に用いることができる。ただし、本発明に用いることができる架橋弾性体成分は、アクリル系架橋弾性体成分に限定される訳ではなく、折り曲げ白化や耐侯性、耐熱性等が問題にならない範囲において、MBS系の架橋弾性体成分等を併用してもよい。
このようなアクリル系樹脂は、架橋弾性体成分を比較的多量に含有していることから溶融張力が高い。従って、カレンダー製膜時に溶融張力が不足してドローダウンし、製膜困難となるおそれが少ない。
また、架橋弾性体成分を含むことによって、第一樹脂層10の金属ロールからの離型性が良好なものとなり、滑剤等に特別な工夫をしなくともカレンダーロールへの粘着のおそれが少ない。従って、第一樹脂層10におけるアクリル系樹脂を、コア・シェル型の共重合組成物を含むアクリル系樹脂とすることによって、第一樹脂層10をカレンダー製膜法によって製膜するのに適したものとすることができ、各種色味の第一樹脂層をカレンダー製膜法により小ロットで効率的に生産することができる。
また、エンボス付与機においても同様に加熱金属ロールからの離型性が良好であることから、エンボス付与適性に優れたものとすることができる。
さらに、上記したコア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル系樹脂を用いた場合、その破断伸びが大きいことから、本発明の第一樹脂層10に用いた場合に、必要な引っ張り破断伸びを得やすく、樹脂被覆金属板に良好な加工性を付与することができる。
第一樹脂層10には各種色味による意匠性の付与、金属板60など積層シートが被覆される下地材の視覚的隠蔽効果の付与、印刷層30の発色の向上等の目的で着色剤を添加することができる。着色剤は、顔料でも、染料であってもよく、上記目的のために一般的に用いられているものを用いることができる。その添加量に関しても上記目的のために一般的に添加される量で良い。例えば、顔料の添加量は、第一樹脂層10全体の質量を基準(100質量%)として、0.2〜40質量%である。隠蔽性に関しては第一樹脂層10の厚みが薄くなる程、必要な顔料添加量(%)は多くなる。また、染料の添加量は、第一樹脂層10全体の質量を基準(100質量%)として、0.1〜2質量%である。また、着色剤は、一種類であってもよいし、数種類を混合して用いてもよい。
好ましい着色剤としては、例えば、白系の着色では隠蔽効果が高く、かつ粒径が微細であることから積層シートの加工性に与える影響の少ない酸化チタン顔料をベースとして用いることができる。さらに、色味の調整のために、有彩色の有機、無機の顔料あるいは染料を少量添加してもよい。この場合、第一樹脂層10がアクリル系樹脂を主成分とする層であるので、着色剤の分散性が優れており、第一樹脂層10の発色性は良好なものとなる。これにより、意匠性に優れた本発明の積層シートを得ることができる。
下地の視覚的隠蔽効果に関しては、用途によってその重要度が異なり一概に規定できるものではない。一つの目安としては内装建材用途の樹脂被覆金属板においては、JIS K5600−4−1:1999(塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用))に準拠して測定した隠蔽率が0.98以上であることが求められる場合が多い。従って、本発明の積層シートにおいても上記の隠蔽率が0.98以上であることが好ましい。また、用途によっては、下地の有する色彩や模様の意匠を反映させるため、あえて第一樹脂層10の着色隠蔽性を低下させることもできる。
また、第一樹脂層10には、その性質を損なわない範囲において、各種添加剤を適宜な量添加しても良い。添加剤としては、燐系、フェノール系等の各種酸化防止剤、ラクトン系、フェノールアクリレート系等のプロセス安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、衝撃改良剤、各種加工助剤、金属不活化剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料分散性改良剤、充填・増量剤等、樹脂材料に一般的に添加される添加剤を挙げることができる。
第一樹脂層10の製膜方法に関しては、特に制限はなく、カレンダー製膜法、Tダイ製膜法、インフレーション法等の押出し製膜法や、溶剤キャスト法等により製膜しても良い。これらの中でも、小ロット対応性に優れるカレンダー製膜法によって製膜することが特に好ましい。かかる趣旨からも、特定成分を含むアクリル樹脂を主成分として第一樹脂層10を構成した本発明の利点が存するのである。
第一樹脂層10の厚みは、40μm以上であることが好ましい。厚みが薄すぎる場合は、下地を隠蔽するために多量の着色剤を添加することが必要となり、その結果、第一樹脂層10の加工性が低下するおそれがある。また、第一樹脂層10の厚みを薄くしつつ、高い隠蔽効果を得るために、特殊な着色剤を添加する必要が生じ、製造コストが上昇してしまう。さらに、第一樹脂層10をカレンダー法で製膜する場合の製膜安定性を考慮すると、第一樹脂層10の厚みは、70μm以上であることがより好ましい。
また、第一樹脂層10の厚みは、280μm以下であることが好ましい。厚みが厚すぎると、意匠効果や視覚的隠蔽効果、金属板60に対する保護効果は飽和するのに対し、加工性が低下するおそれがある。また、本発明の積層シートの厚みを以下に示す好ましい範囲とするためにも、第一樹脂層10は、上記の範囲以内の厚みであることが好ましい。
<第二樹脂層20>
第二樹脂層20は、比較的柔軟な第一樹脂層10上に積層することによって、本発明の積層シートに対して耐傷入り性を付与することができる。また、第一樹脂層10がアクリル樹脂系架橋弾性体成分を多量に含有していることによりエンボス付与適性(転写性)に劣ることから、第二樹脂層20を積層することによって、本発明の積層シートをエンボス付与適性に優れたものとすることができる。また、第二樹脂層20の組成を特定することにより、樹脂被覆金属板を長期間保管した後に折り曲げ加工を施しても、加工性の低下を来さないようにすることが可能となる。さらに、以下において説明する印刷層30を保護する効果もある。
第一の本発明においては、上記の目的を達成する第二樹脂層20は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が50〜75モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25〜50モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とするものである。上記の成分配合によって、低結晶性の芳香族ポリエステル系樹脂を得ることができる。ジオール成分に占める1.4−シクロヘキサンジメタノールの比率が、これより少なくなるとエンタルピー緩和に起因する物性低下が顕著となり好ましくない。また、これより多くなると結晶性樹脂としての特徴が顕著になり、エンボス付与機による加熱時に結晶化が進行してエンボス付与が困難になるおそれや、樹脂被覆金属板としての加工性の低下を来すおそれがある。
ここで、「低結晶性」とは、従来の技術で一般的に用いられる非晶性のポリエステル系樹脂(一例としてイーストマン・ケミカル・カンパニー社の「イースターPETG6763」は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分が約30モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、約70モル%のエチレングリコールよりなる。)に対して、僅かに結晶性の性質があることから該呼称を用いたものである。本発明の意匠性被覆用積層シートにおける第二樹脂層20には、該低結晶性の樹脂を無配向で用いることが好ましい。
上記本発明の第二樹脂層20に用いることのできる低結晶性のポリエステル系樹脂は、その結晶性に起因して、従来の軟質PVCのシート製膜に用いて来た温度条件のカレンダー製膜設備でシートを作製することは困難であるが、通常の押出し製膜法によれば非結晶性のシートとして製膜することが可能である。また、エンボス付与機でエンボス柄が転写されるまでの加熱工程において、エンボス転写が困難となる程の結晶化は進行しない。さらに、金属板にラミネートする際の加熱でも結晶化の進行により加工性の低下を来さないものである。
上記組成範囲のポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、ジオール成分が約65モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、約35モル%のエチレングリコールである、イーストマン・ケミカル・カンパニー社の「PCTG・5445」として商業的に入手することができる。
該組成範囲のポリエステル系樹脂において、エンタルピー緩和の進行に伴う加工性の低下が少ない理由としては、一般的に用いられる非晶性のポリエステル系樹脂に比べてガラス転移温度が高いことによるとする説や、嵩高い脂環構造が一般的非晶性ポリエステル系樹脂よりも多く含まれることによるとする説等がある。いずれにせよ、現象論としては、本発明の樹脂被覆金属板の構成において、経時的な加工性低下の問題が発生しないことが確認されている。
第二の本発明が規定するように、第二樹脂層20は、ポリエステル系樹脂と、芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物を主成分とするもの、あるいは芳香族ポリカーボネート系樹脂単独で主成分とするものであってもよい。芳香族ポリカーボネート系樹脂を混合することによって、ガラス転移温度が上昇し、厚みのある金属板にラミネートする際のエンボス戻りを少なくすることができる。また、ブレンド組成物のガラス転移温度が上昇することにより、エンタルピー緩和の進行が現実的な保管温度・湿度条件に対して問題とならなくなる。参考までに、ポリエステル系樹脂(PCTG系)と、芳香族ポリカーボネート系樹脂(PC)とをブレンドした際の、ブレンド比率とガラス転移温度(Tg)との関係を測定した一例を図2に示す。
上記のブレンド組成物を第二樹脂層20の主成分として用いる場合は、かかるブレンド組成物に含まれるポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレートのジオール成分の50モル%以上を1.4−シクロヘキサンジメタノールで置換したものを用いることができる。かかるポリエステル樹脂は、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相溶性に優れ、任意のブレンド比率をとることができる点から好ましい。また、結晶性の影響が顕著にならないように1.4−シクロヘキサンジメタノールの量はジオール成分の75モル%未満であることが好ましい。このような組成範囲のポリエステル樹脂としては、上記のイーストマン・ケミカル・カンパニー社の「PCTG・5445」を挙げることができる。
このブレンド組成物において、ブレンド組成物全体の質量を基準(100質量%)として、芳香族ポリカーボネート系樹脂は25〜100質量%であることが好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましい。芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が小さすぎるとエンボス耐熱性を向上させる効果が乏しくなる。一方、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が大きすぎると、ブレンド組成物よりなるシートの初期の引っ張り破断伸びが比較的小さくなり、被覆する金属板の厚みによっては加工性の不足を来す場合がある。
ブレンド組成物に含まれるポリエステル系樹脂として、ポリエチレンテレフタレートのジオール成分の20〜50モル%を1.4−シクロヘキサンジメタノールで置換したものを55質量%未満の量で、45質量%以上の芳香族ポリカーボネート系樹脂とブレンドして用いても良い。1.4−シクロヘキサンジメタノールの置換量が50モル%未満のポリエステル系樹脂は、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相容性がやや劣るようになる。その一方で、本組成範囲には、1.4−シクロヘキサンジメタノールが約30モル%である一般的なPETGが含まれており、低価格な原料を使用することができるという利点がある。上記組成のポリエステル系樹脂のブレンド比率が55質量%以上の範囲ではエンタルピー緩和の進行に起因する加工性の低下を抑制することが難かしくなる。また、第二樹脂層20のヘイズ(曇り度)が増大するおそれがある。
上記組成のポリエステル系樹脂のブレンド比率を55質量%未満とすることで、経時加工性の改善効果が見られる。これは、芳香族ポリカーボネート系樹脂が主成分となりマトリクス相を形成することの効果と考えられる。ポリエステル系樹脂の1.4−シクロヘキサンジメタノール置換量が、20モル%より少なくなると結晶性樹脂としての特徴が顕著になり、ブレンド組成においてもエンボス付与機での加熱時に結晶化が進行してエンボス付与が困難になるおそれや、樹脂被覆金属板としての加工性の低下を来すおそれがある。
芳香族ポリカーボネート系樹脂の比率が80質量%以上ではブレンド組成物よりなるシートの初期の引っ張り破断伸びが比較的小さくなり、被覆する金属板の厚みによっては加工性の不足を来すおそれがある。
ブレンド組成物に用いることができる芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、特に制限はないが、ビスフェノールAとホスゲンを原料とする、あるいはホスゲンを用いないものの同一の分子構造を有する最も汎用的なビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂を用いることができる。本発明に用いられる芳香族ポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量は、20000〜40000の範囲のものが好ましく、22000〜30000の範囲のものがより好ましい。粘度平均分子量が小さすぎるものは、力学的強度、特に低温衝撃強度が低下する。一方、粘度平均分子量が大きすぎるものは、溶融粘度が非常に高くなり成形加工性が低下する。また、重合に長時間を要することから生産サイクルやコストの点から好ましくない。
第二樹脂層20の厚みは、15〜150μmの範囲であることが好ましい。20〜100μmの範囲であることがさらに好ましく、30〜75μmの範囲であることが特に好ましい。第二樹脂層20の厚みが薄すぎると、第一樹脂層10が比較的柔軟なアクリル系樹脂を主成分とする層であることから、積層シートの表面硬度が低くなり、耐傷入り性を確保することが難しくなる。また、厚みが厚すぎると、第一樹脂層10として、加工性の良好なアクリル系樹脂を主成分とする層を用いたにも関わらず、第二樹脂層20との積層シートとした場合の加工性が劣ってしまう。また、第二樹脂層20は基本的に光黄変性を有するポリエステル系樹脂を主成分としているので、経時的な光黄変が目立つ程度とならないためにも第二樹脂層20の厚みは所定値より厚くしないことが好ましい。
第二樹脂層20には、本発明の効果を損なわない程度に、各種樹脂用添加剤を適宜な量添加することができる。樹脂用添加剤としては、著しく透明性を低下させたり、積層シート被覆金属板として折り曲げ等の加工を施した際にボイドを生じて外観不良を来すおそれがあるもの以外は、第一樹脂層10に用いることができる添加剤と同様なものを用いることができる。また、ポリエステル系樹脂において特に効果が期待されるカルボジイミド系化合物やオキサゾリン系化合物などの加水分解防止剤を添加しても良い。このような加水分解防止剤としては、各社から市販されているものを用いることができる。また、用途によっては、第二樹脂層20の経時的な光黄変を抑制する目的で、紫外線吸収剤等を添加することもできる。
第二樹脂層20は、通常の場合透明である。着色に関しては、以下において説明する印刷層30が存在しない場合においても、カレンダー製膜性が良好で小ロット対応性に優れた第一樹脂層10を着色層として、第二樹脂層20は隠蔽性の高い顔料を含まないことが好ましい。第一の発明、及び、第二の発明においても、第二樹脂層は従来からの軟質PVCのシート製膜に用いて来たカレンダー製膜設備では、温度条件、駆動系の負荷ともに不足し、色替え性に劣る押出し製膜法でシートを得る必要があり、実質的に透明なシートとして単一規格で多量に製膜することが好ましいからである。
第二樹脂層20には、意匠性付与の目的で染料系などの透明着色剤、蛍光剤、青み付与剤等を添加して、透明性を確保しつつ着色を行っても良い。また、適当な粒径を有するアルミ粉、銀粉、金粉等の各種メタリックパウダー、ガラスフレーク、表面修飾マイカ粉、セラミックパウダー、ホログラム箔等を添加して、透明性を確保しつつ点状に分散して光輝性を発現するような意匠を付与しても良い。これにより、第一樹脂層10における顔料等の着色剤による着色意匠、さらに以下において説明する印刷層30の印刷意匠に加えて第二樹脂層20に付与した意匠を併せて全体の意匠を形成することができる。但し、第二樹脂層20に対するこれら添加剤の添加は、色替え性に支障を来さない程度とするのが好ましい。
第二樹脂層20は、40℃×90%RHの環境下に30日間放置された後に23℃における引っ張り試験を行った際に、120%以上の引っ張り破断伸び値を有することが本発明においては必須である。引っ張り破断伸び値は150%以上であることがさらに好ましい。上記条件で保管した後の引っ張り破断伸びが120%を下回る場合は、比較的厚みのある金属板に該第二樹脂層20を用いた積層シートを被覆した被覆金属板を、現実的な条件で倉庫などに保管した後、折り曲げ加工を施した場合に、加工性に問題が出る場合が多い。第一の発明、第二の発明に規定された組成の第二樹脂層を用いることで、基本的にはこの条件は達成されるのであるが、押出し製膜時の温度条件の不適や、原料乾燥の不充分等に起因して上記組成を用いても経時後の破断伸びが該値を下回る場合がある。そこで、本発明では、第一の発明、及び第二の発明それぞれにおいて、第二樹脂層20の製膜シートとしての破断伸びを上記のように規定したものである。
<印刷層30>
本発明の積層シートは、第一樹脂層10と第二樹脂層20との間に、印刷層30を有していてもよい。印刷層30は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法で施すことができる。印刷層30の絵柄は、石目調、木目調、幾何学模様、または抽象模様等の任意である。また、部分印刷でも全面ベタ印刷でも良く、部分印刷層とベタ印刷層の両方が施されていても良い。また印刷意匠と、後工程で付与するエンボス意匠が同調するように印刷柄を付与しても良い。
印刷層30は、第一樹脂層10における第二樹脂層20と積層する側の表面に形成し、その後、第二樹脂層20と積層して積層シート120、130としてもよい。あるいは、第二樹脂層20における第一樹脂層10と積層する側の表面に、いわゆるバックプリントタイプの印刷層30を形成し、その後、第一樹脂層10と積層して積層シート120、130としてもよい。
<意匠性被覆用積層シートの製造方法(第一樹脂層10と第二樹脂層20との積層一体化、およびエンボス柄の付与)>
図3は、従来より軟質PVCシートへのエンボス柄の付与に用いられて来たエンボス付与機100である。本発明の第一樹脂層10と第二樹脂層20との積層一体化は、基本的にはこのエンボス付与機100での加熱ロール1部分等を用いて熱融着積層により一体化することが可能である。このように、第一樹脂層10と第二樹脂層20とを積層することが、工程増や使用原料の増加を伴わないため、コスト的にも好ましい。第二樹脂層20に芳香族ポリカーボネート系樹脂が含まれる場合、第一樹脂層10と第二樹脂層20との間の熱融着界面の接着強度をより強固なものとすることができる。
第一樹脂層10と第二樹脂層20との積層一体化方法は、上記の熱融着積層に限定されるものではなく、ポリエステル系樹脂やポリエーテル系樹脂等を主剤としてイソシアネート系架橋剤で硬化するような接着剤を用いるいわゆるドライラミ法、紫外線硬化型の接着剤や電子線・放射線硬化型接着剤等を用いる方法、ホットメルト接着剤を介在させる方法、第二樹脂層20の押出し製膜時にアクリル系樹脂よりなる第一樹脂層10、あるいは、印刷インクのバインダー樹脂と易接着性を有する樹脂層を共押出ししておく方法等、一般的に二枚のシートを接着積層するために用いる方法であれば制限なく適用することができる。
具体的には、ドライラミ法による場合の接着剤層40の厚みは、乾燥膜厚で1〜20μm程度とするのが好ましい。接着剤層40が、これより薄い場合は塗布ムラによる接着不良を生じ易く、これより厚い場合は、積層シートの加工性が初期から低下するおそれがある。接着剤層40を付与する場合には、意匠性付与のために、染料系などの透明着色剤、蛍光剤、青み付与剤などで着色を行っても良い。また、表面修飾マイカ粉、アルミ微粉、ホログラム箔等を添加しても良い。さらに、接着剤層40には、一般的に硬化型接着剤に添加される各種添加剤を適宜な量含んでいても良い。
また、第一樹脂層10のアクリル系樹脂が、アクリル樹脂系架橋弾性体成分を核にして、アクリル系樹脂をグラフト重合して得られるコア・シェル型の共重合組成物を含むアクリル系樹脂であれば、100〜140℃程度に加熱された加熱ロール1に対して非粘着性を有しており、加熱ロール1への粘着防止のために特別な措置をとる必要はない。
第一樹脂層10と第二樹脂層20との間に印刷層30が付与されている場合に関しても、印刷インクのバインダー樹脂を適宜選択することにより、あるいは印刷ラインで印刷意匠層を付与した後に連続的に接着プライマー層をベタの版ロールを用いて塗布すること等によっても各層を熱融着積層することができる。印刷層30において用いる印刷インクとしては、アクリル系の熱可塑性インクや架橋度を適宜調整したポリエステル系の架橋型インクなどを好ましく用いることができる。
図3に示される、エンボス付与機100において、加熱ロール1上に第一樹脂層10、第二樹脂層20の順に巻き取られて積層加熱されたシート材料7は、テイクオフロール2を経て、赤外ヒーター3により所定の処理をされ、さらに、ニップロール4、エンボスロール5、冷却ロール6へと送られる。
上記のように加熱ロール1により積層一体化されたシート材料7は、引き続きエンボスロール5により従来の軟質PVCシートと同様にエンボス柄を付与することができる。すなわち、加熱ロール1により積層一体化、及び予熱を施されたシート材料7は、テイクオフロール2により安定的に加熱ロールから引き剥がされ、その後、赤外ヒーター3により160〜190℃に加熱され、エンボスロール5により第二樹脂層20にエンボス柄が付与される。その後、積層シートは、冷却ロール6により冷却される。
赤外ヒーター3によるシート加熱温度である160〜190℃においても、第一樹脂層10は比較的溶融張力を有する層であることから積層シートの幅縮み、皺入り、破断等を生ずることはない。また、第二樹脂層20は良好なエンボス付与適性を有していることで良好な外観のエンボス付与された積層シート130を得ることができる。
<積層シート>
積層シートの総厚みは、300μm以下であることが好ましい。その理由は、積層シートの総厚みが厚すぎると、従来より軟質PVC樹脂被覆金属板の折り曲げ加工などの成形加工に用いて来た成形金型の使用が困難になるなど、積層シートの2次加工設備適応性が低下するためである。
<金属板60>
本発明の積層シート被覆金属板150における金属板60としては、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板、アルミニウム板、アルミニウム系合金板等を使用することができる。また、これら金属板60は通常の化成処理を施した後に使用することもできる。金属板60の厚さは、積層シート被覆金属板150の用途等により異なるが、0.1〜10mmの範囲で選ぶことができる。
金属板60は、通常内装建材用途では、厚み0.40〜0.60mm程度のものが用いられるが、エレベーター用途では樹脂被覆金属板150は単なる飾り板ではなく、強度を分担する材料として用いられる。そのため、1.0〜1.2mmの厚みがあるものが用いられ、さらに1.6mmの厚みのものが用いられる場合がある。この厚みがある金属板に樹脂シートをラミネートして折り曲げ加工を施す必要があるため、エレベーター内装用途では特に加工性の経時低下が問題となる。
<積層シート被覆金属板の製造方法>
本発明の積層シート被覆金属板150は、上記の積層シートを金属板60にラミネートすることによって製造することができる。ラミネートする際に用いる接着剤層50を形成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等の一般的に使用される熱硬化型接着剤を挙げることができる。第一樹脂層10がアクリル系樹脂を主成分とする層であることから、上記の接着剤の中でも、アクリル系接着剤を用いることが良好な密着性を得る点から好ましい。
積層シートを積層する方法としては、上記の各種金属板60にリバースコーター、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、一体化された積層シートを貼り合せる金属面に、乾燥後の接着剤層50の膜厚が2〜10μm程度になるように、上記の接着剤を塗布する。次いで、赤外線ヒーター及び、又は熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板60の表面温度を、180〜250℃程度の温度に保持する。そして、直ちにロールラミネータを用いて積層シ−トの第一樹脂層10側が接着面となるようにして、積層シートを接着して、冷却することにより本発明の積層シート被覆金属板150を得ることができる。
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
<第一樹脂層10の製膜>
第一樹脂層10(A1〜A9)としては、表1に種類及び配合量を記載した各種市販アクリル原料を配合した。樹脂組成の合計を100質量部として、滑剤である「メタブレンL−1000」(三菱レイヨン社製)を0.5質量部、及び酸化チタンと有機系茶色顔料が混合された淡茶色系顔料を18質量部添加した。これらの樹脂混合物に対して、前工程に予備混練ロールを有する、金属ロール4本からなるカレンダー製膜装置を用いて、ロール温度180〜195℃の条件下でシート圧延を行い、厚み150μm、幅1200mmの淡茶色シートを製膜した。いずれの配合に関しても、カレンダー製膜性には特別な問題はなかった。
また、第一樹脂層10(A6)に関しては、グラビアーコーターによりアクリル・ウレタン系のインクを用いて第一樹脂層10における第二樹脂層20と積層する側の表面に濃茶色を主体とする抽象柄の模様印刷を施し、印刷層30を形成した。
表1中、「メタブレンW−377」は、三菱レイヨン(株)製の、アクリル樹脂系架橋弾性体成分を多く含むアクリル系樹脂であり、カレンダー製膜用アクリル樹脂等として市販されているものである。
「メタブレンH−660」は、三菱レイヨン(株)製のアクリル樹脂系架橋弾性体成分を含まないポリメチルメタクリレート樹脂である。
「パラペットSA」は、クラレ社製のアクリル樹脂系架橋弾性体成分を含む軟質アクリル原料であり射出成形用途等で軟質PVCを代替するものである。
「パラペットGR−F」は、(株)クラレ社製のオーバーレィ用途に適した柔軟性を有するアクリル樹脂系架橋弾性体成分を含むアクリル系樹脂である。
また、第一樹脂層10(A10)は市販の樹脂被覆金属板用の低密度ポリエチレン(LDPE)系の淡茶色に着色されたカレンダーシートであり、厚みが150μmで、裏面に易接着性のプライマー層が塗布されている。該カレンダーシートには入手時点で、梨地のエンボス柄が付与されており、エンボス付与機100によるエンボス柄の付与は実施しなかった。
第一樹脂層10(A11)は、市販の非晶性ポリエステル樹脂を主成分としてなる淡茶色に着色されたカレンダーシートである。該樹脂の配合としては、イーストマンケミカル社製の非結晶性ポリエステル樹脂「イースターPETG6763」またはこれに準ずる樹脂組成の非晶性ポリエステルを主成分とし、樹脂組成を100質量部として、カレンダー適性を改良するためにMBS系衝撃改良剤を10〜20質量部、および、脂肪酸エステル系の滑剤を1.0〜3.0質量部程度含んでいるものと考えられる。シートの厚みは150μmであり、幅は1200mmである。
<第二樹脂層20の製膜>
第二樹脂層20(B1〜B14)としては、表2に記載の各種市販ポリエステル系樹脂原料とポリカーボネート系樹脂原料を用いた。これらの樹脂を原料として、口径65mmのベント付き単軸押出機にTダイを接続し、オイル循環機により125℃に保持された鏡面キャスティングロールによる引き取りで、厚み50μm、幅1100mmのシートを得た。
これら第二樹脂層20に用いた原料樹脂の組成は以下のものである。
・イースターPETG6763(イーストマンケミカル社製):ポリエチレンテレフタレートのジオール成分であるエチレングリコールの約31mol.%を1.4−シクロヘキサンジメタノールで置換した構造の非晶性ポリエステル樹脂である。ガラス転移温度は78.9℃、融点は観察されず。
・PCTG5445(イーストマンケミカル社製):ポリエチレンテレフタレートのジオール成分であるエチレングリコールの約65mol.%を1.4−シクロヘキサンジメタノールで置換した構造の低結晶性で、押出し製膜の工程、及びエンボス付与の工程では実質的に非晶性として取り扱うことのできるポリエステル樹脂である。ガラス転移温度は86.5℃、融点は観察されず。
・ノバレックス7025A(三菱エンジニアリングプラスチック社製):ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂である。ガラス転移温度は149.5℃、融点は観察されず。
<第一樹脂層10と第二樹脂層20との積層一体化、及びエンボス付与>
(実施例1〜15、比較例1〜7)
第一樹脂層10及び第二樹脂層20を表3に示すように組み合わせた。これらの組み合わせられた樹脂を、図3に示すエンボス付与機100にて第一樹脂層10と第二樹脂層20(あるいは、印刷層30が施された第一樹脂層10と第二樹脂層20)との熱融着積層一体化、およびエンボス柄の転写を行った。加熱ロール1は140℃に設定し、第一樹脂層10、及び第二樹脂層20を図3に示すように2本の巻き出し軸から供給し、加熱ロール1への接触部分で熱融着積層により一体化した。引き続き、積層一体化されたシートを非接触式の赤外ヒーター3でシート表面温度が180℃になるまで加熱し、エンボスロール5により梨地のエンボス柄を付与すると同時に第一樹脂層10と第二樹脂層20の接着積層をより確実なものとした。エンボスロールは、その温度が温水循環機により第二樹脂層20のガラス転移温度に合わせて、60℃〜100℃に保持されており、梨地柄でRmax=50μmのものである。得られた積層シートについて、以下に示す方法によってエンボス付与適性(耐粘着性、耐溶断性および転写性)を評価した。結果も併せて表3に示す。
(比較例8、10)
なお、比較例8、及び比較例10においては、本発明の第二樹脂層20は積層せずに、表1に示した第一樹脂層10のみを用いて、以下に示す方法によってエンボス付与適性(耐粘着性、耐溶断性および転写性)を評価した。また、次工程の金属板への被覆に付した。この際、比較例10のシートは、エンボス付与機で180℃まで加熱した際、シートの溶融破断を生じたため、加熱温度を140℃まで低下させてエンボス柄の付与を行っている。表3中の比較例10の評価結果は該温度でエンボス柄を転写した場合のものである。
(比較例9)
また、比較例9は、あらかじめ梨地のエンボス柄が付与された状態のシートとして購入しており、エンボス付与機での一連の適性評価は実施せず、購入シートを直接金属板に被覆した。
<積層シート被覆金属板の作成>
次にポリ塩化ビニル被覆金属板用として一般的に用いられているアクリル系熱硬化型接着剤(三菱レイヨン社製)を、金属面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように塗布した。次いで熱風加熱炉及び赤外線ヒーターにより塗布面の乾燥および加熱を行い、厚み1.2mm、及び1.6mmの亜鉛めっき鋼板の表面温度を225℃に設定した。そして、直ちにロールラミネーターを用いて、上記で作製した積層シート(一部、単層シート)を被覆し、水冷にて冷却することにより積層シート被覆鋼板を作製した。すべての実施例、及び比較例について同一の条件にてラミネートした。得られた積層シート被覆金属板について、以下に示す方法によって評価した。結果を表3に示す。
<測定規格、試験法>
実施例及び比較例に示した積層シート及び積層シート被覆金属板の物性の測定規格、試験法は以下の通りである。
(1)第一樹脂層10の23℃での引っ張り破断伸び
23℃の恒温室内に設置した万能材料試験機((株)インテスコ製)を用いて、JIS K7127−1999(プラスチック−引張特性の試験方法−第3部:フィルム及びシートの試験条件)に準拠した試験片形状により引っ張り試験を行い破断伸びを測定した。試験速度(引っ張り速度)200mm/分で、積層シートを作製する前の第一樹脂層単層に対し実施している。測定方向は製膜時の流れ方向(MD)、及び、それに直交する方向(TD)である。それぞれの方向において、各5回測定を行い、その平均値により評価した。
また、第一樹脂層10のアクリル系樹脂に関しては、長期間の室温保管での引っ張り破断伸びに大きな変化は無い事が確認されている。
(2)第二樹脂層20の23℃での引っ張り破断伸び(初期値と経時後)
23℃の恒温室内に設置した万能材料試験機((株)インテスコ製)を用いて、JIS K7127−1999に準拠した試験片形状により引っ張り試験を行い破断伸びを測定した。試験速度(引っ張り速度)200mm/分で、積層シートを作製する前の第二樹脂層20単層に対し実施している。測定方向は製膜時の流れ方向(MD)、及び、それに直交する方向(TD)である。それぞれの方向において、各5回測定を行い、その平均値により評価した。
引っ張り破断伸びの初期値は、押出し製膜法によりシートとした第二樹脂層20を23℃の恒温室内で24時間調湿後、ただちに測定を実施した。
経時後の引っ張り破断伸びは、押出し製膜法によりシートとした第二樹脂層20を40℃×90%RHに調整された恒温恒湿槽中に30日間静置した後、23℃の恒温室内に移設し、ここで24時間調湿後、ただちに測定を実施した。
(3)エンボス付与適性:耐粘着性
図3に示すエンボス付与機100でエンボスを付与した際に、加熱ロールにシートが粘着したものは「×」、粘着しなかったものは「○」で示した。
(4)エンボス付与適性:耐溶断性
図3に示すエンボス付与機100でエンボスを付与した際に、ヒーターによるシート加熱中にシートが溶断したものは「×」、溶断には至らなかったもののシートの顕著な伸びや皺入り等を発生したものは「△」、これらの問題を生じなかったものは「○」で示した。
(5)エンボス付与適性:転写性
図3に示すエンボス付与機100でエンボスを付与したシートを、目視で観察し、綺麗にエンボス柄が転写しているものを「○」、これに比べてやや転写が浅い場合を「△」、転写が悪く、浅いエンボス柄になっているもの、あるいはエンボス柄に無関係に単に表面が荒れているものを「×」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、エンボス耐熱性の評価を実施していない。
(6)エンボス耐熱性:ラミネート時
図3に示すエンボス付与機100でエンボスを付与した積層シートを金属板にラミネートした後のエンボスの外観変化を目視で観察し、ラミネート前の積層シートと比較してエンボスの形状がほとんど変化していないものを「○」、これに比べてややエンボス戻りが発生している場合を「△」、エンボス戻りが顕著な場合、あるいはエンボス柄が完全に消失し単に表面が荒れているものを「×」で示した。1.2mm鋼板にラミネートする際に評価を実施しており、ラミネート前の鋼板温度や冷却水量などは全ての実施例及び比較例で同一である。
(7)加工性試験初期、及び経時後
積層シート被覆金属板に折り曲げ試験を行い、曲げ加工部の積層シートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化がないものを「○」、若干クラックや白化が発生したものを「△」、割れが発生したものを「×」として評価した。なお、折り曲げ試験は次のようにして行った。積層シート被覆金属板の長さ方向及び幅方向からそれぞれ50mm×150mmの試料を作製し、23℃で1時間以上保った後、油圧式の折り曲げ試験機(油圧ベンダー)を用いて90°(内曲げ半径2mm)に折り曲げた。なお、表3には経時後の結果のみ示した。
(8)表面硬度試験
積層シートを金属板60にラミネートした積層シート被覆金属板について、JIS K5600−5−4:1999(塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法))に従い実施した。23℃の恒温室内で、80mm×60mmに切り出した樹脂被覆金属板の樹脂シート面に対し45°の角度を保ちつつ9.8Nの荷重を掛けた状態で線引きをできる治具を使用して線引きを行なった。該部分の樹脂シートの面状態を目視で判定し、2Bの鉛筆で全く傷が付かなかったものを「○」、2Bでは傷が入るが、3Bの鉛筆では全く傷が付かなかったものを「△」、3Bの鉛筆でも傷が付いたものを「×」として表示した。
Figure 0004885484
Figure 0004885484
Figure 0004885484
<評価結果>
比較例1は、第二樹脂層に、非晶性ポリエステル系樹脂として最も一般的なものを用いているが、40℃×90%RHの環境下に30日間保管した後の引っ張り破断伸びが著しく低下しており、その結果として、積層シートを被覆した金属板も折り曲げ加工試験で樹脂層に割れが発生する結果となった。また、ラミネート時にエンボスの戻りが認められた。これは第二樹脂層の非晶性ポリエステル系樹脂のガラス転移温度が低いことに起因するものと思われる。
比較例2〜4は、比較例1のポリエステル系樹脂に、芳香族ポリカーボネート系樹脂をブレントしたものであるが、経時後の破断伸びの改善効果は不充分であり、やはり折り曲げ加工で樹脂層に割れを生じている。また、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が低い比較例2、及び3では、比較例1と同程度のラミネート時のエンボス戻りが認められた。
比較例5は、第一樹脂層に本発明が規定する範囲より大きい引張り破断伸びを有するアクリル系樹脂を用いた例である。これらの例においては、第一樹脂層の柔軟性が高過ぎることにより、樹脂層を被覆した場合も充分な表面硬度が得られない結果となった。さらに第二樹脂層の厚みを増せば表面硬度は改善するはずであるが、第一樹脂層に本発明が規定する破断伸びを有するアクリル樹脂を用いるほうが、より効率的に表面硬度を改善することができる。
比較例6は、本発明が規定する範囲より小さい引張り破断伸びを有するアクリル系樹脂を用い、第二樹脂層として本発明が規定する樹脂組成のものを用いた例である。この場合は第一樹脂層の引っ張り破断伸びが不足することにより、加工性に問題が出ている。
比較例7は、第一樹脂層のアクリル系樹脂として、さらに引っ張り破断伸びの小さいものを用いた場合で、比較例6では厚み1.2mmの鋼板にラミネートした場合は、わずかなクラックの発生で済んでいたものが、比較例7では割れの発生となっている。
比較例8は、本発明が規定する範囲にあるアクリル系樹脂を用いたものであるが、第二樹脂層を有しない構成となっている例である。この例においては、エンボス付与機での加熱ロールへの粘着や、ヒーター加熱時の顕著な伸び等は生じなかったが、肝心のエンボス柄の転写が非常に浅くなってしまった。該シートは、アクリル系架橋弾性体成分を多量に含有していることでカレンダー適性が付与されているのであるが、それがエンボス付与機でのエンボス柄の転写後に顕著な弾性回復を示す特徴となって現れ、いわゆるエンボス戻りによって転写が浅くなったと考えられる。
また、該シートを被覆した金属板は、表面硬度が低く、人が触れる機会が多いエレベーター内装材等の用途には不適と判断される。
比較例9は、市販のLDPE系のカレンダーシートを単体で鋼板にラミネートした場合である。この例においては、ラミネート時のエンボス戻りが著しかった。これはLDPE系樹脂の融点が低いことに起因すると考えられる。該シートを被覆した金属板も表面硬度が低く、また、折り曲げ加工性試験では著しい白化を示した。
比較例10は、エンボス付与機でのシート加熱温度を下げることで、加熱金属ロールへの粘着や溶融破断等を生じずに、良好なエンボス柄の転写を得ることができたが、ラミネート時のエンボス戻りが顕著な結果となった。比較例10の樹脂組成は、比較例1の第二樹脂層と基本的に同一と考えられるが、比較例1よりエンボス耐熱性が低いのは、エンボス付与機でのシート温度を下げたことに起因すると推定される。
また、折り曲げ加工性試験の結果は、比較例1では樹脂層の割れが観察されたのに対し、比較例10では著しい白化となった。これは、比較例10のシートにはMBS系の架橋ゴムが添加されていることにより、エンタルピー緩和の進行に伴う経時的な加工性の低下は抑制されているものの、折り曲げ加工により樹脂層が伸ばされた際に、ゴム粒子と非晶性ポリエステル系樹脂のマトリクスとの間に微細な空隙が発生することによると思われる。
これらに対して、本発明の規定する範囲内にある実施例1〜15においては、得られた積層シート及び積層シート被覆金属板は、おおむね良好な性能を示した。
各実施例を個別に評価してゆくと、実施例1〜3は、比較例2〜4に対し、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率をさらに高めたものである。ポリカーボネート系樹脂が45質量%の実施例1では、経時後の第一樹脂層の破断伸びは、比較的良好な値となっている。その結果として、厚み1.2mmの金属板にラミネートした際の加工性も良い結果が得られているが、厚み1.6mmの金属板にラミネートした場合は、加工性に劣る結果を示した。
ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が50質量%の実施例2では、経時後の破断伸びがさらに改善されており、同65質量%の実施例3も良好な経時後の破断伸びが得られている。これらをラミネートした金属板では、厚み1.6mmの金属板を用いた場合も良好な加工性が得られた。
ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が25モル%以上で50モル%未満の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、50モル%以上で75モル%未満のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂(PETG6763)では、芳香族ポリカーボネート系樹脂(ノバレックス7025A)との相容性があまり良好ではなく、該ポリエステル系樹脂がブレンド組成で60質量%以上を占める組成範囲では、該ポリエステル系樹脂を単体で用いた場合と比較して、大きな物性改善は期待できないと考えられる。
実施例4は、第二樹脂層20に本発明の請求項1に該当するものを用いた場合であるが、第二樹脂層20の経時後の引っ張り破断伸びの値が良好であり、積層シートを被覆した金属板の経時後の折り曲げ加工性も良い結果が得られている。
ただし、ラミネート時にややエンボス戻りが発生しており、これは比較例1と同様に第二樹脂層のポリエステル系樹脂のガラス転移温度が低いことに起因すると思われる。エレベーター用途においても比較的厚みのある1.2mmや1.6mmの金属板を用いる場合は問題となる可能性がある。
実施例5〜9は、第二樹脂層20としてPCTG5445と芳香族系ポリカーボネート系樹脂(ノバレックス7025A)とのブレンド組成物を用いた場合である。これらの第二樹脂層20は、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が50モル%以上で75モル%未満の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25モル%以上で50モル%未満のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂と、芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物より成っている。該ポリエステル系樹脂は、芳香族ポリカーボネート系樹脂との相容性に優れることから、あらゆるブレンド比率で単一のガラス転移温度の組成物が得られることが知られているものである。
ただし、芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が25質量%の実施例5では、実施例4に対して、ラミネート時のエンボス戻りに大きな違いは認められない。ブレンド比率が35質量%以上である実施例6〜9において、エンボス戻りの無い良好な外観が得られている。芳香族ポリカーボネート系樹脂のブレンド比率が増す程、引っ張り破断伸びの初期値が低下しているが、実施例9においても加工性に問題は出なかった。
実施例10は、第二樹脂層20に芳香族ポリカーボネート系樹脂(ノバレックス7025A)のみを用いた場合である。ガラス転移温度が高い(Tg=149.5℃)ことから、ラミネート時のエンボス耐熱性に問題は出ないが、厚み1.6mmの鋼板に積層シートをラミネートした際の折り曲げ加工で、微細なクラックの発生に起因すると思われる白化を生じた。
実施例11は、第一樹脂層10として、破断伸びが350%に近いアクリル系樹脂を用いた場合であり、その柔軟性が高いことから、エンボス付与機でのシート加熱時に多少のシートの伸びが発生し、また、積層シートを被覆した金属板の表面硬度もやや低いものとなっている。
実施例12〜14は、実施例8と同様に本発明の規定する引っ張り破断伸びを有する第一樹脂層10を用いており、良好な性能が得られている。
実施例15は、第一樹脂層10として引っ張り破断伸びが120%程度のアクリル系樹脂を用いた場合で、実施例8と同一の第二樹脂層20を用いた場合も、厚み1.6mmの金属板にラミネートした場合の折り曲げ加工性がやや低下している。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の基本構成の積層シートの断面を示す模式図である。 図1(a)の構成に加えて、第一樹脂層と第二樹脂層との間に印刷柄が設けられている構成の積層シート断面を示す模式図である。 図1(b)の積層シートの第二樹脂層側表面にエンボス柄が付与されている積層シートの断面を示す模式図である。 図1(a)の構成において、第一樹脂層と第二樹脂層との間に接着剤層、若しくは接着性樹脂層を設けた積層シートの断面を示す模式図である。 図1(c)に示す構成の積層シートが接着剤を介して金属板上に積層されている、積層シート被覆金属板の断面を示す模式図である。 ポリエステル系樹脂(PCTG系)と、芳香族ポリカーボネート系樹脂(PC)とをブレンドした際の、ブレンド比率とガラス転移温度(Tg)との関係を示す図である。 エンボス付与機の模式図である。
符号の説明
1 加熱ロール
2 テイクオフロール
3 赤外ヒーター
4 ニップロール
5 エンボスロール
6 冷却ロール
7 シート材料
10 第一樹脂層
20 第二樹脂層
30 印刷層
40 接着剤層
50 接着剤層
60 金属板
100 エンボス付与機
110、120、130、140 積層シート
150 積層シート被覆金属板

Claims (13)

  1. コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル樹脂を主成分とする第一樹脂層と、
    ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が50〜75モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25〜50モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂を主成分とする第二樹脂層と、を具備し、
    前記第一樹脂層の23℃における引っ張り破断伸びが120〜350%であるとともに、前記第二樹脂層を40℃×90%RHの環境下に30日間放置した後の23℃における引っ張り破断伸びが120%以上であることを特徴とする、意匠性被覆用積層シート。
  2. コア・シェル型のアクリル系架橋弾性体成分を含むアクリル樹脂を主成分とする第一樹脂層と、
    芳香族ポリカーボネート系樹脂、又は、ポリエステル系樹脂と芳香族ポリカーボネート系樹脂とのブレンド組成物を主成分とする第二樹脂層と、を具備し、
    前記第一樹脂層の23℃における引っ張り破断伸びが120〜350%であるとともに、前記第二樹脂層を40℃×90%RHの環境下に30日間放置した後の23℃における引っ張り破断伸びが120%以上であることを特徴とする、意匠性被覆用積層シート。
  3. 前記ブレンド組成物におけるポリエステル系樹脂が、該樹脂のジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であるとともに、ジオール成分が50〜75モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、25〜50モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の意匠性被覆用積層シート。
  4. 前記ブレンド組成物における前記芳香族ポリカーボネート系樹脂が、該ブレンド組成物全量基準で25質量%以上であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の意匠性被覆用積層シート。
  5. 前記ブレンド組成物におけるポリエステル系樹脂が、ジカルボン酸成分がテレフタル酸、又はジメチルテレフタル酸であり、ジオール成分が25〜50モル%の1.4−シクロヘキサンジメタノールと、50〜75モル%のエチレングリコールからなる芳香族ポリエステル系樹脂であるとともに、前記ブレンド組成物は、前記芳香族ポリエステル系樹脂55質量%未満と芳香族ポリカーボネート系樹脂45質量%以上のブレンド組成物であることを特徴とする請求項2に記載の意匠性被覆用積層シート。
  6. 前記第一樹脂層は着色剤を有しているとともに、前記第二樹脂層は透明である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の意匠性被覆用積層シート。
  7. 前記第一樹脂層と前記第二樹脂層との間に印刷層を有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の意匠性被覆用積層シート。
  8. 前記第二樹脂層側表面にエンボス版により形成された凹凸形状を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の意匠性被覆用積層シート。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の意匠性被覆用積層シートの第一樹脂層側を接着面として、接着剤によって金属板の上に積層した積層シート被覆金属板。
  10. 請求項9に記載の積層シート被覆金属板を用いたエレベーター内装材。
  11. 請求項9に記載の積層シート被覆金属板を用いた、鋼製家具部材。
  12. 請求項9に記載の積層シート被覆金属板を用いた、家電製品筐体部材。
  13. 請求項9に記載の積層シート被覆金属板を用いた、建築内装材。
JP2005167303A 2005-06-07 2005-06-07 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板 Active JP4885484B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005167303A JP4885484B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005167303A JP4885484B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006341403A JP2006341403A (ja) 2006-12-21
JP4885484B2 true JP4885484B2 (ja) 2012-02-29

Family

ID=37638734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005167303A Active JP4885484B2 (ja) 2005-06-07 2005-06-07 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4885484B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5402607B2 (ja) * 2009-12-18 2014-01-29 東洋紡株式会社 成型用ハードコートフィルム及び成型体
CN103998653A (zh) * 2011-10-13 2014-08-20 奥的斯电梯公司 用于电梯的导轨

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301681A (ja) * 1999-04-19 2000-10-31 Dainippon Printing Co Ltd 化粧シート及びそれを用いた化粧材
JP2002144500A (ja) * 2000-08-23 2002-05-21 Toray Ind Inc 多層シートおよびそれからなるカード
JP4068810B2 (ja) * 2001-02-02 2008-03-26 東洋鋼鈑株式会社 樹脂フィルム積層金属板
JP2002225184A (ja) * 2001-02-06 2002-08-14 Mitsubishi Plastics Ind Ltd 耐候性樹脂被覆金属板
JP4160377B2 (ja) * 2002-12-26 2008-10-01 三菱樹脂株式会社 印刷意匠シート、及び、印刷意匠シートを被覆した金属板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006341403A (ja) 2006-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4742123B2 (ja) 樹脂被覆金属板、及び樹脂被覆金属板用の意匠シート
JP4846777B2 (ja) 積層樹脂シート、エンボス付与シート及び被覆基材
JP2008188970A (ja) 積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP2007326314A (ja) 金属被覆用耐候性積層シートおよび耐候性積層シート被覆金属板
JP5198128B2 (ja) 金属板被覆用積層シ−ト、および該積層シートで被覆した金属板
JP4160377B2 (ja) 印刷意匠シート、及び、印刷意匠シートを被覆した金属板
JPWO2004098883A1 (ja) エンボス意匠シート及びエンボス意匠シート被覆金属板
JP4907102B2 (ja) 意匠性被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP4719529B2 (ja) 意匠性被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP4227429B2 (ja) 積層シート及びこれを用いた樹脂被覆金属板
JP4107419B2 (ja) 印刷意匠性シート、および印刷意匠性樹脂被覆金属板
JP4885484B2 (ja) 意匠性被覆用積層シート及び積層シート被覆金属板
JP4654084B2 (ja) 金属板被覆用積層シート、および積層シート被覆金属板
JP4395387B2 (ja) 積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP4996831B2 (ja) 金属板被覆用積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP5116241B2 (ja) 積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板
JP2009255420A (ja) 化粧シート
JP4776905B2 (ja) 積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板
JP4801383B2 (ja) 耐候性積層シ−ト及び耐候性積層シ−ト被覆金属板
JP5106565B2 (ja) 積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP4516334B2 (ja) 積層シートおよび積層シート被覆金属板
JP2010264665A (ja) カーボンクロス調の意匠を有する積層シート、および該積層シートを被覆した金属板
JP2010006020A (ja) 積層シ−ト、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板、ユニットバス部材、建築内装材、鋼製家具部材、および、家電製品筐体部材
JP2012016930A (ja) 鏡面意匠性樹脂被覆金属板の製造方法、鏡面意匠性樹脂被覆金属板、ユニットバス部材、及び建築内装材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20101101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111129

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4885484

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350