JP4883130B2 - 移動型デジタル放送受信装置 - Google Patents

Description

本発明は、移動型デジタル放送受信装置及び移動型デジタル放送受信装置におけるチャンネルサーチ方法に関し、更に詳しくは、チャンネルサーチを高速化することが可能な移動型デジタル放送受信装置及び移動型デジタル放送受信装置におけるチャンネルサーチ方法に関する。

デジタル放送では、高品位な映像音声を含めたサービス（以下、フルセグと呼ぶ）と、低品位な映像音声ながら受信エリアが広いサービス（以下、ワンセグと呼ぶ）のように、複数のサービス形態がある。
そして、上記複数のサービス形態に対応した放送受信装置において、あるサービス形態での物理チャンネルの電界強度が所定の受信レベル閾値より低い場合に、別サービスにおける同一物理チャンネルの受信に切り換える放送受信装置がある（例えば、特許文献１参照）。

特開２００１−１１１６４２号公報

しかしながら、上記従来の放送受信装置では、フルセグを視聴している状態において、ワンセグが受信できるレベルでチャンネルサーチして視聴可能チャンネルを決定してしまうと、実質視聴できない状態となってしまうという問題があった。
つまり、上記従来の放送受信装置において中継局をチャンネルサーチする場合であって、かつ所定の受信レベル閾値が低い受信レベルに設定されている場合は、フルセグ視聴時においてチャンネルサーチの結果、選局はできるが実際には受信できないという問題があった。また、上記従来の放送受信装置において中継局をチャンネルサーチする場合であって、かつ所定の受信レベル閾値が高い受信レベルに設定されている場合は、ワンセグ視聴時においてチャンネルサーチが完了しないという問題があった。
また、中継局、系列局といった放送局種別に応じた柔軟な対応もできないという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであって、複数の受信サービス形態において優先的に中継局をサーチ可能であって、チャンネルサーチを安価な構成で高速かつ正確に実現することが可能な移動型デジタル放送受信装置及び移動型デジタル放送受信装置におけるチャンネルサーチ方法を提供することを目的とする。

本発明の移動型デジタル放送受信装置は、選局要求を受信して、選局要求で指示された物理チャンネルを選局する選局部と、選局された物理チャンネルの電界強度を測定する受信レベル測定部と、少なくとも、現在の受信レベル閾値、受信レベル閾値情報及びチャンネルサーチリストを記憶する記憶部と、現在の受信レベル閾値を決定する閾値判定部と、記憶されたチャンネルサーチリストに基づいて、チャンネルサーチ処理を実行するサーチ処理部と、を具備し、閾値判定部は、現在の受信モード及び切換モードに応じて、対応する受信レベル閾値を受信レベル閾値情報から抽出し、記憶部が記憶した現在の受信レベル閾値を抽出した受信レベル閾値で更新し、サーチ処理部は、記憶された現在の受信レベル閾値及び測定された電界強度に基づいて、選局部が選局した物理チャンネルの受信可否を判断する、ことを特徴とする。

本発明の移動型デジタル放送受信機におけるチャンネルサーチ方法は、受信レベル閾値情報を記憶するステップと、選局要求を受信して、選局要求で指示された物理チャンネルを選局するステップと、現在の受信モード及び切換モードを取得するステップと、取得した現在の受信モード及び切換モードに基づいて、受信レベル閾値情報から対応する受信レベル閾値を取得するステップと、対応する受信レベル閾値及び選局された物理チャンネルの電界強度に応じて、物理チャンネルの受信可否を判断するステップと、を有することを特徴とする。

以上説明したように、本発明によれば、チャンネルサーチ実行時の受信レベル閾値を視聴モードと切換モードに応じて複数設定するとともに、受信レベル閾値を中継局が優先的に選局できる設定としたので、受信可能な全ての物理チャンネルをチャンネルサーチすることなく系列局よりも優先的に中継局を選局することができ、チャンネルサーチを安価な構成で高速に実現することができる。

本発明の実施の形態１にかかる移動型デジタル放送受信装置の構成を示すブロック図 同実施の形態にかかるチャンネルサーチ処理を示すフローチャート 同実施の形態にかかる受信レベル閾値情報を示す図

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１にかかる移動型デジタル放送受信装置の構成を示すブロック図である。移動型デジタル放送受信装置１００は、例えば車両等の移動体に設置されるデジタル放送受信装置であって、選局部１０１と、受信レベル測定部１０２と、記憶部１０３と、閾値判定部１０４と、サーチ処理部１０５から構成される。

選局部１０１は、サーチ処理部１０５からの選局要求に応じて、指示された物理チャンネルに同調する。

受信レベル測定部１０２は、選局部１０１が選局した物理チャンネルの電波強度を測定して、電波強度情報としてサーチ処理部１０５へ出力する。

記憶部１０３は、受信レベル閾値情報及び現在の受信レベル閾値を記憶する。また、チャンネルサーチリスト、現在の視聴モード、切換モードを記憶する。ここで、視聴モードとは、フルセグあるいはワンセグを視聴している状態であって、いずれか一方を選択できるものである。切換モードとは、フルセグのみを受信する状態、ワンセグのみを受信する状態、受信状態に応じて自動的にフルセグとワンセグを切り替える状態のいずれかを表すものであり、ユーザが指定することが可能である。

閾値判定部１０４は、サーチ処理部１０５からの閾値判定要求に応じて、記憶部１０３から現在の視聴モード、切換モード及び受信レベル閾値情報を取得し、現在の受信レベル閾値を判定する。そして、判定した現在の受信レベル閾値を記憶部１０３へ出力する。受信レベル閾値設定処理に関しては、後ほど図２を用いて詳述する。

サーチ処理部１０５は、ユーザからのチャンネルサーチ指示または視聴中の放送チャンネルの電波強度低下検出をトリガとして、閾値判定部１０４へ閾値判定要求を出力する。また、記憶部１０３から取得した現在の受信レベル閾値及び受信レベル測定部１０２から取得した電波強度情報に基づいて、選局された物理チャンネルが受信可能な否かを判断する。受信可能である場合は、選局指示を行った物理チャンネルの受信を継続させる。サーチ処理に関しては、後ほど図２を用いて詳述する。

次に図２、図３を用いて、閾値判定部１０４及びサーチ処理部１０５が実行するチャンネルサーチ処理について説明する。図２は本発明の実施の形態１にかかるチャンネルサーチ処理を示すフローチャートである。図３は、受信レベル閾値情報の構成を示す図である。チャンネルサーチ処理は、閾値判定部１０４が実行する受信レベル閾値設定処理（ステップＳ２０２からステップＳ２０５）とサーチ処理部１０５が実行するサーチ処理（ステップＳ２０１、ステップＳ２０６、ステップＳ２０７）から構成される。

まず、サーチ処理部１０５は、ユーザからのチャンネルサーチ指示または視聴中の放送チャンネルの電波強度低下検出をトリガとして、記憶部１０３に記憶されたチャンネルサーチリストに基づいて、選局部１０１へ選局要求を出力する。また、閾値判定部１０４へ閾値判定要求を出力する（ステップＳ２０１）。

閾値判定部１０４は、サーチ処理部１０５から閾値判定要求を受けた場合に、記憶部１０３から受信レベル閾値情報、現在の視聴モード及び切換モードを取得し、現在の視聴モードを特定する（ステップＳ２０２）。現在の視聴モードがフルセグである場合は（ステップＳ２０２で「ＹＥＳ」）、フルセグの切換モードに応じた受信レベル閾値を受信レベル閾値情報から抽出し（ステップＳ２０３）、抽出した受信レベル閾値を記憶部１０３へ出力する。

一方、現在の視聴モードがワンセグである場合は（ステップＳ２０２で「ＮＯ」）、ワンセグの切換モードに応じた受信レベル閾値を受信レベル閾値情報から抽出し（ステップＳ２０４）、抽出した受信レベル閾値を記憶部１０３へ出力する。

記憶部１０３は、現在の受信レベル閾値を、閾値判定部１０４から取得した受信レベル閾値で更新する（ステップＳ２０５）。

上記処理後、サーチ処理部１０５は、記憶部１０３から取得した現在の受信レベル閾値及び受信レベル測定部１０２から取得した電界強度情報に基づいて、選局要求を行った物理チャンネルが受信可能なレベルであるか否かを判断し、受信可能なレベルであると判断した場合に（ステップＳ２０６で「ＹＥＳ」）、検出した物理チャンネルの受信を継続する（ステップＳ２０７）。

一方、サーチ処理部１０５が選局要求を行った物理チャンネルが受信可能なレベルでないと判断した場合は（ステップＳ２０６で「ＮＯ」）、チャンネルサーチリストに記載された次の物理チャンネルの選局要求を選局部１０１へ出力し、受信可能なレベルの物理チャンネルが検出されるまで、上記のステップＳ２０１からステップＳ２０６の処理を繰り返す。

なお、チャンネルサーチリストは、受信可能な全物理チャンネルを周波数の低いものから順番に並べたリストであっても、放送種別毎に周波数の低いものから順番に並べたリストであってもよい。ただし、中継局を優先的に選局するためには、放送種別としてはまずデジタル放送信号として送出される中継局リストを用いたチャンネルサーチを行い、その後で残りの受信可能な物理チャンネルのチャンネルサーチを行うことが望ましい。

また、本発明の実施の形態では、図３に示すように現在の視聴モードと切換モードに応じて受信レベル閾値を「高」、「中」、「低」と設定しているが、中継局サーチ・系列局サーチの放送種別サーチに応じて、同じ受信レベル閾値であっても更に受信レベル閾値を細分化して設定してもよい。例えば、受信レベル閾値が「高（３０）」を、中継局サーチの場合は「高（３０）」、系列局サーチの場合は「高（４０）」としてもよい。

また、本発明の実施の形態では、閾値判定部１０４は、サーチ処理部１０５から閾値判定要求を受けた場合に、現在の視聴モードに応じた受信レベル閾値を受信レベル閾値情報から取得して（ステップＳ２０２、ステップＳ２０３、ステップＳ２０４）、取得した受信レベル閾値で現在の受信レベル閾値を更新しているが（ステップＳ２０５）、閾値判定要求を受けた場合に、現在の視聴モードを判定せずに全ての受信レベル閾値を受信レベル閾値情報から取得して現在の受信レベル閾値を更新するようにしてもよい。

本発明によれば、現在の受信モード、放送種別及び切換モードに応じて受信レベル閾値を変更してチャンネルサーチ時の受信可否判断を行うので、優先的に中継局をサーチすることができ、チャンネルサーチ時間の短縮も図ることができる。

また、特別にチャンネルサーチ処理を高速化するための新たな構成（例えば、別の専用チューナを設ける等）を追加する必要がなく、従来の１チューナ構成でチャンネルサーチ処理の高速化を実現することができる。

本発明によれば、チャンネルサーチ実行時において受信レベル閾値を受信状況に応じて変更して優先的に中継局をサーチし、チャンネルサーチを安価な構成で高速かつ正確に実現することができるので、例えば、車載搭載用デジタル放送受信装置、携帯用デジタル放送受信装置等の全ての移動型デジタル放送受信装置に有用である。

１００ 移動型デジタル放送受信装置
１０１ 選局部
１０２ 受信レベル測定部
１０３ 記憶部
１０４ 閾値判定部
１０５ サーチ処理部

Claims (1)

1. 後述するサーチ処理部からの選局要求で指示された物理チャンネルを選局する選局部と、
   前記選局部で選局された前記物理チャンネルの電界強度を測定する受信レベル測定部と、
   後述するサーチ処理部から閾値判定要求を受けた場合に、中継局と系列局とを区別する放送局種別によって複数の受信レベル閾値を有する受信レベル閾値情報、現在の受信が高品位サービスと低品位サービスの何れであるかを示す現在の視聴モード、及びユーザにより指定され高品位サービス固定、低品位サービス固定、高品位サービス低品位サービス自動切換の何れであるかを示す切換モードを後述する記憶部から取得し、現在の視聴モード及び切換モードに応じた受信レベル閾値を前記受信レベル閾値情報から抽出する閾値判定部と、
   後述する記憶部で記憶され放送局種別毎に受信可能な全物理チャンネルを周波数の低いものから順番に並べたリストを含むチャンネルサーチリストに記載の物理チャンネルを選局し、後述する記憶部で記憶された現在の受信レベル閾値及び前記受信レベル測定部で測定された電界強度に基づいて前記選局部が選局した物理チャンネルの受信可否を判断するサーチ処理部と、
   前記現在の受信レベル閾値、前記現在の視聴モード、前記切換モード、前記受信レベル閾値情報、及び前記チャンネルサーチリストを記憶し、前記閾値判定部で抽出した受信レベル閾値で前記現在の受信レベル閾値を更新する記憶部と、
   を有する移動型デジタル放送受信装置。

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