JP4877952B2 - 無線lanを利用した音声通話システム、無線端末及び中継装置 - Google Patents
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Description
ここで、無線端末からインターネットに接続するためには、まず、無線端末は、中継装置に接続する必要がある。この中継装置は、通常、接続サービスを提供する通信事業者により設置され、当該接続サービス加入者のみに、接続が認められる。
なお、外出先では携帯電話網経由で、宅内ではBluetooth網経由でインターネットに接続できる携帯電話において、宅内のBluetooth網のゲートウェイ装置が、来訪者の携帯電話等の予め接続を許諾されていない端末についても、所定の課金、ログ取得といった処理を行った上で接続を許可する方法が知られている(特許文献1参照)。
そこで、本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、無線LANで接続される無線端末と中継装置とを含む音声通話システムであって、ユーザによる無線端末の移動を最小限に抑えた音声による緊急連絡を可能にするシステムを提供することを目的とする。
ここで、前記音声データ中継手段は、VoIP(Voice over Internet Protocol)を使用して音声データを送信することとしてもよい。
これにより、緊急発信要求を送信した無線端末の近くに存在する無線端末のユーザは、緊急発信要求があった旨の通知により、近傍で発生した事故等の存在を知ることが可能となるので、救助作業への参加や、自らの安全の確保が可能となる。
これにより、中継装置は、緊急連絡先からの音声データを受信し、無線端末に送信することができるので、無線端末は緊急発信先からの音声データを受信し、ユーザはスピーカ等から音声データを聞くことが可能になる。
これにより、警察、消防・救急等、複数の緊急発信先のうちから、ユーザによって指定された宛先を示す情報を中継装置に送ることができ、中継装置は宛先を示す情報から電話番号を特定して、特定された宛先に無線端末から受信した音声データを送信するので、ユーザは、自らが指定した緊急発信先との通話が可能になる。
これにより、音声データの送受信中に通信が切断されてしまった場合でも、無線端末の識別情報として無線端末の電話番号を受信していれば、緊急発信先から無線端末に対し、通話を試みることができる。また、識別情報を送付するため、緊急発信を行った無線端末やユーザを特定できる可能性があり、いたずら目的での緊急発信要求の抑制が可能となる。
これにより、無線端末から送信した緊急発信要求が届く範囲に中継装置が存在しない等の理由により、無線端末が、中継装置からの接続要求を検出できないときは、接続要求を検出できなかった旨を出力する。そのため、ユーザは、場所の移動や、時間を空けて再度緊急発信要求をする等の措置をとることが可能であり、無駄な無線端末のバッテリーの消耗を防ぐことが可能となる。
これにより、無線端末が複数の接続要求を受信した場合でも、最初に受信した接続要求を送信した中継装置だけに接続を許可する応答を送信するため、1つの中継装置だけと接続を確立することが可能となる。
<実施形態1>
<システムの構成>
以下、実施形態1に係る音声通話システムの構成について説明する。
図1は、実施形態1に係る音声通話システムの構成図である。
無線端末100は、無線LAN接続機能を有する携帯電話機であり、緊急発信を行うユーザが使用するものである。詳細は後述するが、無線端末100の操作部101に備えられた緊急発信ボタンのうちの1つがユーザにより押下されると、中継装置300又は400との接続が確立され、音声データを接続が確立された中継装置300又は400経由で緊急連絡先装置500に送信することができる。
VoIP技術とは、デジタル符号化した音声信号を一定の時間ごとに区切ってパケット化してIPネットワーク経由で送受信する技術である。VoIPは通信相手との接続制御を行うシグナリングプロトコルと、音声データの転送プロトコルとから構成される。シグナリングプロトコルには、SIP(Session Initiation Protocol)や、H.323、MGCP(Media Gateway Control Protocol)などがあり、音声データの転送プロトコルには、RTP(Real-time Transport Protocol)、RTCP(RTP Control Protocol)などがある。実施形態1では、シグナリングプロトコルとしてSIPを、音声データの転送プロトコルとしてRTPを使用している。
<無線端末100の構成>
以下、無線端末100の構成について説明する。
緊急発信要求部103は、操作部101からそれぞれのボタンに対応した信号が伝達された場合に、当該ボタンに対応する要求を行うための信号を生成し、送信する機能を有する。操作部101から緊急発信ボタンに対応した信号が伝達された場合に、当該信号と、識別情報記憶部102から読み出した無線端末100の識別情報から緊急発信要求信号を生成して、1秒間に数回程度、ブロードキャストする。切断ボタンに対応する信号が伝達された場合に、中継装置300との回線の切断を行うためのトリガーとなる切断要求信号を生成し、送信する。
一般的に、アドホックモードとは、アクセスポイントを介さずに機器同士が直接通信を行なうモードをいう。一方、アクセスポイントを介して通信を行うモードをインフラストラクチャーモードという。これらは、IEEE 802.11b規格に準拠した無線LANの通信モードである。
接続要求検出部105は、中継装置300から受信した後述する接続要求信号、切断要求信号に対応する応答を指示する信号を応答部107に伝達する機能を有する。なお、緊急発信要求部103が緊急発信要求信号を送信してから、所定時間内に接続要求信号を検出できない場合には、その旨の未検出信号を表示部106に伝達する。
表示部106は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を含み、接続要求検出部105から未検出信号が伝達された場合に、中継装置からの接続要求信号が検出できない旨の表示を行う。
音声データ送信部109は、中継装置300と緊急発信先装置500との接続が完了した後に、マイク108から入力された音声データを中継装置300に送信する機能を有する。
<中継装置300の構成>
次に、中継装置300の構成について説明する。
中継装置300は、図1に示すように、通信部301、緊急発信要求検出部302、宛先特定部303、音声データ中継部304、接続要求部305から構成される。なお、下記、緊急発信要求検出部302、宛先特定部303、音声データ中継部304、接続要求部305の各機能は、メモリに記憶されているプログラムをCPUに実行させることにより実現される。プログラム間でのデータの授受を本実施形態では、信号の授受として表現している。
本実施形態では、通信部301がアドホックモードで稼動する場合、中継装置300は、加入者認証を行わないように設定されており、無線端末100は、加入者認証を受けずに中継装置300と接続することができる。
宛先特定部303は、図3に示すデータを記憶する不揮発性のメモリを有し、緊急発信要求検出部302から伝達された宛先指定情報に基づいて、緊急発信先装置500の電話番号を特定し、当該電話番号を音声データ中継部304に伝達する機能を有する。
また、音声データ中継部304は、緊急発信要求検出部302から伝達された無線端末100の識別情報である携帯電話番号、IPアドレス、MACアドレスを、緊急発信先装置500に送信する機能を有する。
<データ>
以下、上記、音声通話システムで使用するデータについて説明する。
図2は、無線端末100の緊急発信要求部103が生成して送信する緊急発信要求信号のフレーム構造を示す図である。緊急発信要求信号700は、ビーコン信号であり、そのフレーム構造は、無線LANの規格であるIEEE 802.11b規格に準拠している。
図3は、緊急発信先装置500の宛先指定情報と電話番号の対応を示す図である。同図に示すように、電話番号対応表800は、警察501、消防・救急502等の緊急連絡先装置500毎に宛先指定情報801、電話番号802を対応付けて構成されている。
電話番号802は、警察501、消防・救急502等緊急連絡先装置500に割り当てられている電話番号である。
<動作>
以下、上記構成を備え、上述したデータを取り扱う音声通話システムにおける緊急発信に関する動作について図4を用いて説明する。
<無線端末100の動作>
まずは、無線端末100の動作を説明する。
音声データ送信部109は、マイク108からユーザにより入力された音声データを、通信部104を経由して、中継装置300に送信する。また、無線端末100の通信部104は、中継装置300から送信された緊急発信先装置500の音声データを受信すると、スピーカ110に伝達する。以上の音声データの送受信を回線が切断されるまで行う(ステップS15)。
<中継装置300の動作>
次に、中継装置300の動作を説明する。
緊急発信要求検出部302は、宛先指定情報を宛先特定部303に伝達し、無線端末100の識別情報を音声データ中継部304に伝達し、緊急発信要求受信信号を接続要求部305に伝達する。宛先特定部303は、宛先指定情報に対応する電話番号を特定し、音声データ中継部304に電話番号を伝達する。接続要求部305は、無線端末100に対する接続要求信号を、通信部301を通じて、無線端末100に送信する(ステップS22)。
音声データ中継部304は、通信部301を通じて、無線端末100に接続完了信号を送信する(ステップS26)。
<緊急発信先装置500の動作>
緊急発信先装置500は、中継装置300からINVITE信号が送信されると、これを検出し(ステップS31)、Trying信号及びRinging信号を送信する。
緊急発信先装置500は、中継装置300から無線端末100の識別情報及び音声データを受信する。また、緊急発信先装置500の音声データを中継装置300に送信する。以上の音声データの送受信を回線が切断されるまで行う(ステップS33)。
一方、無線端末100から回線が切断される場合、緊急発信先装置500は、中継装置300からBYE信号を受信すると、OK信号を送信する。これにより、中継装置300と緊急発信先装置500との間の回線が切断される(ステップS34)。
<接続シーケンス>
次に、無線端末100、中継装置300、緊急発信先装置500の間の接続シーケンスについて、図5を用いて説明する。無線端末100と中継装置300との間の接続は本発明で開示している独自のプロトコルに従って行われる。中継装置300と緊急発信先装置500との間の接続は、SIPに従って行われる。なお、回線の切断は、無線端末100、緊急発信先装置500のいずれからも行うことができるが、ここでは、緊急発信先装置500から通話を終了する場合を例にして説明する。
<無線端末100と中継装置300との間の接続>
まず、無線端末100と中継装置300との間の接続シーケンスについて説明する。
緊急発信要求信号を受信した中継装置300は、無線端末100に接続要求信号902を送信する。
接続要求信号902を受信した無線端末100は、中継装置300に接続許可信号903を送信する。
<中継装置300と緊急発信先装置500との間の接続>
次に、中継装置300と緊急発信先装置500との間の接続シーケンスについて説明する。
INVITE信号904を受信した緊急発信先装置500は、中継装置300にINVITE信号が受信され処理中であることを示すTrying信号905及びRinging信号906を送信する。
緊急発信先装置500は、中継装置300にセッションが確立された旨を示すACK信号908を送信する。
中継装置300がACK信号908を受信すると、中継装置300と緊急発信先装置500の間の接続が確立する。
<音声データの送受信>
次に、音声データの送受信について説明する。
接続完了信号909を受信した無線端末及び緊急発信先装置500は中継装置300を経由して、通話910、911が可能となる。
<セッションの切断>
次に、セッションの切断について説明する。
BYE信号を受信した中継装置300は、無線端末100に無線端末100と中継装置300の間の接続を解除する旨の切断要求信号913を送信する。
切断要求信号913を受信した無線端末100は、中継装置300との間の接続解除を認める旨の切断許可信号914を送信する。中継装置300が切断許可信号914を受信すると無線端末100と中継装置300の間の接続が解除される。
<実施形態2>
<システムの構成>
以下、実施形態2に係る音声通話システムの構成について説明する。
実施形態2では、詳細は後述するが、無線端末150は、まず、インフラストラクチャーモードで加入者認証を受けて、中継装置350へ接続することを試みる。
無線端末150は、VoIPによる接続機能及び無線LAN接続機能を有する携帯電話機であり、緊急発信を行うユーザが使用するものである。詳細は後述するが、インフラストラクチャーモードで中継装置350との接続を試み、加入者認証を受けた結果、インフラストラクチャーモードで接続ができた場合には、中継装置350を経由して、IP網600への接続が可能になるため、直接、緊急発信先装置500と接続して緊急発信を行う。一方、インフラストラクチャーモードで接続ができない場合には、アドホックモードに切り替えて加入者認証を受けずに中継装置350と接続し、実施形態1同様に緊急発信を行う。
システムの運用段階においては、中継装置の電波の届く範囲に複数の無線端末が存在する場合があり、無線端末150、200はこのような無線端末の一つである。
接続サービス加入者以外の無線端末に対しては、実施形態1で説明した無線端末と緊急発信先装置500との間で送受信される緊急発信に係る音声データの中継を行い、接続サービス加入者の無線端末に対しては、一般的なアクセスポイントとして、緊急発信先装置500以外との間でなされるデータの中継をも行う。また、無線端末200から所定の操作がなされると、無線端末150と緊急発信先装置500との間で送受信される緊急発信に係る音声データを送信する。
<無線端末150の構成>
以下、無線端末150の構成について説明する。
無線端末150は、図7に示すとおり、接続要求検出部105、応答部107、マイク108、スピーカ110、操作部151、識別情報記憶部152、緊急発信要求部153、通信部154、表示部155、音声データ送信部156、ビーコン信号検出部157、通信方式設定部158、認証要求部159から構成される。なお、下記、緊急発信要求部153、音声データ送信部156、ビーコン信号検出部157、通信方式設定部158、認証要求部159の各機能は、メモリに記憶されているプログラムをCPUに実行させることにより実現される。プログラム間でのデータの授受を本実施形態では、信号の授受として表現している。
操作部151は、操作部101と同様、いわゆるテンキー等のキー群やボタン群を含むものであり、ユーザが所定の操作を行う場合に使用される。ボタン群の中には、操作部101に含まれる緊急発信ボタン、切断ボタンの他、緊急通話の受信を要求する緊急通話受信ボタンを有する。
識別情報記憶部152は、識別情報記憶部102と同様の不揮発性のメモリである。識別情報記憶部102に記憶される無線端末150の識別情報に加え、無線端末150のユーザが加入する接続サービスのユーザ識別情報、パスワードを記憶するものであり、ユーザ識別情報、パスワードは、ユーザが初めて加入中継装置に接続する際に行う入力により、識別情報記憶部152に記憶される。
加入者認証を受けた結果、インフラストラクチャーモードでの接続ができず、アドホックモードに通信モードを変更した旨の設定完了信号が、通信方式設定部158から伝達された場合には緊急発進要求部103と同様、緊急発信要求信号を生成し、通信部154を通じて、中継装置350に送信する機能を有する。
表示部155は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)を含み、ビーコン信号検出部157から後述する通知情報受信信号が伝達された場合に、他の無線端末から緊急発信要求がなされた旨の緊急表示を行う。
ビーコン信号検出部157は、中継装置350から後述するビーコン信号を受信する機能を有する。ビーコン信号には、中継装置350に接続するための情報となる中継装置350のSSIDを示す情報が含まれており、これを用いて、中継装置350に接続するため、当該SSIDを示す情報を認証要求部159に伝達する。また、ビーコン信号に、後述する通知情報が含まれていたときは、表示部155に、通知情報を受信した旨の信号である通知情報受信信号を伝達する。
また、操作部151から伝達された信号に従って無線端末150の近傍に存在する無線端末と緊急発信先装置500との間で送受信される緊急発信要求に係る音声データの送信を指示する旨の送信指示信号を生成し、中継装置350に送信する機能を有する。
中継装置305への信号の送信には、ビーコン信号検出部157から伝達された中継装置350のSSIDを示す情報が使用される。
<中継装置350の構成>
次に中継装置350について説明する。
音声データ中継部351は、音声データ中継部304の機能に加え、無線端末150から緊急発信要求に係る音声データを受信すると、ブロードキャスト送信部352に対し、音声データを受信した旨の音声データ受信信号を伝達し、ブロードキャスト送信部352から音声データを受信する旨の信号を受信すると、ブロードキャスト送信部352に音声データを送信する機能を有する。
また、ブロードキャスト送信部352は、第2通信部354を通じて無線端末200から送信指示信号を受信した場合に、音声データ中継部351に、音声データを送信する旨の送信信号を伝達し、音声データ中継部351から音声データが伝達された場合に、第2通信部354を通じて、無線端末200に音声データを送信する機能を有する。
第2通信部354は、インフラストラクチャーモードで稼動し、無線端末150、200との間でデータの送受信を行い、送受信に際し、電気信号と無線LAN用電波信号の相互変換を行う回路である。
<データ>
実施形態1で説明したデータに加え、上記、音声通話システムで使用するデータについて説明する。
<動作>
以下、上記構成を備え、上述したデータを取り扱う音声通話システムにおける緊急発信に関する動作について説明する。
<無線端末150の動作>
まずは、無線端末150の動作を、図9を用いて説明する。
操作部151は、ユーザにより、緊急発信ボタンのうちの一つが押下されると、宛先指定情報を含む緊急発信指示信号を緊急発信要求部153に伝達する。
通信方式設定部158は、緊急発信要求部153から指示受信信号が伝達されると、通信部154に、インフラストラクチャーモードに設定させる旨のインフラストラクチャーモード設定信号を伝達し、通信部154は、通信モードをインフラストラクチャーモードに設定して、稼動させ、通信方式設定部158に、設定が完了した旨のインフラストラクチャーモード設定完了信号を伝達する。
通信方式設定部158は、緊急発信要求部153に、アドホックモードに設定した旨の設定完了信号を伝達する。緊急発信要求部153は、識別情報記憶部152に記憶されている無線端末150の識別情報である電話番号、IPアドレス、MACアドレスと緊急発信指示信号から緊急発信要求信号を生成し、通信部154を通じて、ブロードキャストする。以降、実施形態1で述べたとおり緊急発信処理がなされる(ステップS46)。
また、通信部154は、中継装置350を通じて、緊急発信先装置500から音声データを受信すると、これをスピーカ110に伝達する(ステップS45)。なお、回線の切断については、実施形態1と同様の手順によりなされる。
<中継装置350の動作>
次に、中継装置350の動作を、図9を用いて説明する。
ビーコン信号送信部353は、中継装置350のSSIDを示す情報を含むビーコン信号を、第2通信部354を通じて、ブロードキャストする。
ビーコン信号を受信した無線端末150が、ビーコン信号に含まれる無線端末150のSSIDを示す情報を使用し、中継装置350に認証要求信号を送信すると、認証部355は、第2通信部354を通じて、認証要求信号を検出する(ステップS51)。
緊急発信要求検出部302が、第1通信部301を通じて、無線端末150から送信された緊急発信要求信号を検出すると、以降、実施形態1で述べたとおり緊急発信中継処理がなされる(ステップS56)。
実施形態1で説明した緊急発信中継処理の図4のステップS27において、音声データ中継部351が無線端末150から音声データを受信する(ステップS61)。
音声データを受信した音声データ中継部351が、ブロードキャスト送信部352に音声データ受信信号を伝達する。ブロードキャスト送信部352は、ビーコン信号送信部353に、通知要求信号を伝達する。ビーコン信号送信部353は、通知情報を付加したビーコン信号を生成し、第2通信部354を通じて、ビーコン信号をブロードキャストする(ステップS62)。
ブロードキャスト送信部352は、音声データ送信部304に、送信信号を伝達し、音声データ送信部304から音声データが伝達されると、当該音声データを、無線端末200に第2通信部354を通じて、送信する(ステップS64)。音声データの送信は、無線端末150と中継装置350の間の回線及び中継装置350と緊急発信先500との間の回線が切断されるまで、又は、無線端末200の操作部151の切断ボタンがユーザにより押下されるまで行う。
<無線端末200の動作>
次に、無線装置200の動作を、図10を用いて説明する。
通信部154は、中継装置350から送信された、無線端末150と緊急発信先装置500との間で送受信される音声データを受信すると(ステップS75)、これをスピーカ110に伝達する。以上の音声データの受信を、無線端末150と中継装置350の間の回線及び中継装置350と緊急発信先500との間の回線が切断されるまで、又は、無線端末200の操作部151の切断ボタンがユーザにより押下されるまで行う。
<補足>
以上、本発明に係る音声通話システムについて実施形態に基づいて説明したが、以下のように変形することも可能であり、本発明は上述した実施形態で示した通りの音声通話システムに限られないことは勿論である。
(1)上述の実施形態では、無線端末150、200として携帯電話機を例にして説明したが、無線LAN接続機能を有するものであれば、PHS(Personal Handyphone System)やPDA(Personal Digital Assistants)等であってもよい。
(2)上述の実施形態では、無線端末150の操作部101には、緊急発信先装置500毎に設けられた緊急発信ボタンを有する場合を例にして説明したが、キー群から110番、119番など電話番号を直接入力してもよいし、無線端末150が有するメニューから選択してもよい。
(3)上述の実施形態では、緊急発信先装置500の宛先指定情報及び無線端末150の識別情報は、緊急発信要求に含めて送信するとして説明したが、これらは、緊急発信要求とは別に送信することとしてもよい。
(4)上述の実施形態では、無線端末150の識別情報を緊急発信先装置500に送付する場合を例にして説明したが、中継装置300に記憶部を設け、そこに無線端末150の識別情報を所定期間記憶し、必要に応じて、緊急発信先装置500から参照可能としてもよい。
(5)上述の実施形態では、緊急発信要求信号700のフレーム構造を無線LANの規格であるIEEE 802.11b規格に準拠するものとして説明したが、その他の無線LANの規格であるIEEE 802.11a、gに準拠するものとしてもよい。
(6)上述の実施形態では、無線端末150及び中継装置300の位置情報は取り扱っていないが、これらの情報を緊急発信先装置500に送付することとしてもよい。これにより、緊急連絡先500において、より正確に事故等の場所を把握することができる。
(7)上述の実施形態では、図3に示す電話番号802は、説明上、「110」、「119」を使用したが、中継装置300が設置された場所に応じて、管轄する警察、消防・救急等の電話番号(06−xxxx−xxxx)を採用することとしてもよい。
(8)上述の実施形態では、無線端末150が中継装置300の電波の届く範囲内にあることを前提としているが、電波の届く範囲内にない場合には、まず、無線端末150の近くにあるアドホックモードで稼動する第1の無線端末に緊急発信要求信号を送信し、第1の無線端末の近くにあるアドホックモードで稼動する第2の無線端末に、無線端末150から受信した緊急発信要求を送信する処理を第nの無線端末が中継装置300の電波の届く範囲になるまで繰り返していくことによって、緊急発信要求信号を送信することとしてもよい。これにより、無線端末150から直接、中継装置300に接続できない場合において、緊急発信要求が可能になる。
(9)上述の実施形態では、中継装置が複数存在する場合において、無線端末150の接続要求検出部105が最初に検出した接続要求以外は、無視するとしているが、電波の強度が閾値以上であり、かつ無線端末150の接続要求検出部105が最初に検出した接続要求の送信元である中継装置に対して、無線端末150の応答部107が接続を許可する応答を送信するとしてもよい。
101、151 操作部
102、152 識別情報記憶部
103、153 緊急発信要求部
104、154 通信部
105 接続要求検出部
106、155 表示部
107 応答部
108 マイク
109 音声データ送信部
110 スピーカ
156 音声データ送信部
157 ビーコン信号検出部
158 通信方式設定部
159 認証要求部
300、350、400 中継装置
301 通信部(第1通信部)
302 緊急発信要求検出部
303 宛先特定部
304、351 音声データ中継部
305 接続要求部
352 ブロードキャスト送信部
353 ビーコン信号送信部
354 第2通信部
355 認証部
500 緊急発信先装置
501 警察
502 消防・救急
600 IP網
1000 携帯電話機
1001 液晶ディスプレイ
1002 緊急表示
Claims (10)
- 無線LANで接続される無線端末と中継装置とを含む音声通話システムであって、
前記無線端末は、
認証を受ける通信方式と認証を受けない通信方式とを選択でき、認証を受ける通信方式を選択して、前記中継装置との通信を試みるものであって、
ユーザから入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が受け付けた入力が所定の緊急発信要求であった場合に、認証を受ける通信方式を選択させ、前記中継装置への接続を試みさせ、前記中継装置から前記接続拒否応答を受信したときに、認証を受けない通信方式を選択させ、前記所定の緊急発信要求を前記中継装置に送信する緊急発信要求手段と、
前記中継装置から送信された接続要求を検出する接続要求検出手段と、
前記接続要求検出手段が検出した前記接続要求が所定の接続要求である場合に、前記中継装置に対し、接続を許可する所定の応答を送信する応答手段と、
前記応答手段が前記接続を許可する応答を送信した前記中継装置に対し、音声データを送信する音声データ送信手段とを備え、
前記中継装置は、
前記無線端末から送信された前記緊急発信要求を検出する緊急発信要求検出手段と、
前記緊急発信要求検出手段が検出した前記緊急発信要求が所定の緊急発信要求である場合に、前記無線端末に対し、前記所定の接続要求を送信する接続要求手段と、
前記無線端末から受信した前記音声データを、前記無線端末から前記接続を許可する所定の応答を受信した後に、所定の宛先に送信する音声データ中継手段と、
前記無線端末の接続の可否を認証し、前記無線端末の接続を許可しない場合には、所定の接続拒否応答を送信する認証手段とを備える
ことを特徴とする音声通話システム。 - 前記音声データ中継手段は、VoIP(Voice over Internet Protocol)を使用して音声データを送信する
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記中継装置は、
前記無線端末から前記音声データを受信した場合に、前記中継装置の電波の届く範囲に存在する全ての無線端末に対して、前記所定の緊急発信要求があった旨を送信するブロードキャスト送信手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記音声データ中継手段は更に、
前記所定の宛先から受信した音声データを、前記無線端末に送信するものであって、
前記無線端末は更に、
前記中継装置から送信された前記音声データを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記音声データを音声として出力する出力手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記入力手段は、宛先を指定する情報を前記入力として受け付けるものであって、
前記無線端末は、
前記入力手段によって入力された前記宛先を指定する情報を前記中継装置に送信する宛先送信手段を備え、
前記中継装置は、
前記無線端末が送信した前記宛先を指定する情報を受信する宛先受信手段と、
前記宛先受信手段が受信した前記宛先を指定する情報に基づいて宛先を特定する宛先特定手段とを備え、
前記宛先特定手段が特定した前記宛先を前記所定の宛先として音声データを送信する
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記無線端末は、
前記無線端末を識別するための情報を前記中継装置に送信する識別情報送信手段を備え、
前記中継装置は、
前記無線端末から受信した前記無線端末を識別するための情報を、前記無線端末から前記接続を許可する所定の応答を受信した後に、前記所定の宛先に送信する識別情報中継手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記無線端末が、前記所定の緊急発信要求を送信した後の所定期間内に、
前記接続要求検出手段が、前記中継装置から送信された前記所定の接続要求を検出しない場合に、前記無線端末のユーザが認識できるようにその旨を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - 前記中継装置が複数存在する場合において、
前記無線端末の前記応答手段は、最初に検出した前記所定の接続要求の送信元である中継装置に対してのみ前記接続を許可する応答を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の音声通話システム。 - VoIPを使用して所定の宛先に音声データ送信する中継装置と無線LANで接続される無線端末であって、
前記無線端末は、
認証を受ける通信方式と認証を受けない通信方式とを選択でき、認証を受ける通信方式を選択して、前記中継装置との通信を試みるものであって、
前記無線端末のユーザから入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が受け付けた入力が所定の緊急発信要求であった場合に、認証を受ける通信方式を選択させ、前記中継装置への接続を試みさせ、前記中継装置から、接続を許可しない認証が行われた旨の接続拒否応答を受信したときに、認証を受けない通信方式を選択させ、前記所定の緊急発信要求を前記中継装置に送信する緊急発信要求手段と、
前記中継装置から送信された接続要求を検出する接続要求検出手段と、
前記接続要求検出手段が検出した前記接続要求が所定の接続要求である場合に、前記中継装置に対し、接続を許可する所定の応答を送信する応答手段と、
前記応答手段が前記接続を許可する応答を送信した前記中継装置に対し、VoIPプロトコルを使用して所定の宛先に送信させるために音声データを送信する音声データ送信手段とを備える
ことを特徴とする無線端末。 - VoIPを使用して所定の宛先に音声データ送信する中継装置と無線LANで接続される無線端末であって、
前記無線端末は、
認証を受ける通信方式と認証を受けない通信方式とを選択でき、認証を受ける通信方式を選択して、前記中継装置との通信を試みるものであって、
ユーザから入力を受け付ける入力手段と、
前記入力手段が受け付けた入力が所定の緊急発信要求であった場合に、認証を受ける通信方式を選択させ、前記中継装置への接続を試みさせ、前記中継装置から前記接続拒否応答を受信したときに、認証を受けない通信方式を選択させ、前記緊急発信要求を前記中継装置に送信する緊急発信要求手段とを備える
ことを特徴とする無線端末。
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