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JP4874625B2 - 変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セット - Google Patents

変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セット Download PDF

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JP4874625B2
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Description

本発明は変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セットに関する。更に詳細には、変色液の適用により変色又は消色可能な筆跡を形成できる変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セットに関する。
従来より、還元剤により変色又は消色する染料を着色剤として用いた際、前記染料の発色性を向上するために酢酸やリン酸等の酸を用いた変色性インキ組成物が開示されている(例えば特許文献1、2参照)。
前記インキ組成物を内蔵した筆記具により形成された筆跡は、その上から変色液を塗布することにより筆跡の変色又は消色が可能であるが、該筆跡を形成する紙の材質(pH)によっては、所望の筆跡濃度が得られ難かったり、変色液を塗布する前に変色してしまい初期の色調を維持し難いものである。
特に特定の緑色系塩基染料を用いた場合、中性を呈する紙面では鮮明な筆跡が得られるものの、インキ組成物中に酸を添加することにより、酸性やアルカリ性を呈する紙面に筆記した際に得られる筆跡の濃度が薄かったり、経時に伴って筆跡濃度が薄くなっていく現象が顕著に生じていた。
特公昭54−22345号公報 特開2004−256706号公報
本発明は、特定の緑色系塩基染料を用いたインキにおいても、変色液を塗布する前の筆跡が紙のpHによって変色することなく、永続して良好な色濃度の筆跡を保持することができる変色性インキ組成物及びそれを内蔵した変色性筆記具、筆記具セットを提供しようとするものである。
本発明は、C.I.Basic Green 1と、カルボン酸、リン酸、亜リン酸、炭酸から選ばれる難揮発性の弱酸と、リン酸塩、炭酸塩から選ばれるアルカリ性物質と、水とから少なくともなるpH3〜5の変色性インキ組成物を要件とする。
更に、前記変色性インキ組成物を内蔵してなる変色性筆記具や、該筆記具の後端部に変色液を収容した変色用塗布具を備えてなることを要件とする。
更には、前記変色性筆記具と、変色液を収容した変色用塗布具とからなる筆記具セットを要件とする。
本発明は、インキ組成物中に難揮発性の弱酸と共にアルカリ性物質を添加することによって、紙のpHに影響されることなく筆記初期から鮮明な濃度の筆跡が得られ、該濃度の筆跡を永続的に保持できると共に、変色液を筆跡上に塗布することにより変色又は消色させることのできる実用性に優れた変色性インキ組成物、及びそれを内蔵した変色性筆記具、前記変色性筆記具と変色液を収容した変色用塗布具とからなる筆記具セットを提供できる。
本発明の変色性インキには、着色剤としてC.I.Basic Green 1が単独で用いられる他、メチン系染料、トリメチルメタン系染料、ジフェニルメタン系染料、トリフェニルメタン系染料、キサンテン系染料、シアニン系染料、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料等の還元剤によって変色又は消色する染料を併用することもできる。
また、前記消色性染料と共に、還元剤によって変色し難い染料や顔料を併用することもできる。これらを併用することによって、筆記時には前記染料の色調が混色となった筆跡が視認され、前記筆跡に変色液を付着させることにより、一方の染料が変色又は消色して異なる色調の筆跡を視認可能な構成とすることもできる。
前記C.I.Basic Green 1は、インキ組成物中0.1〜10重量%、好ましくは0.3〜5重量%の範囲で用いられる。
また、他の着色剤を併用した際には、インキ組成物中0.1〜15重量%、好ましくは0.3〜10重量%の範囲で着色剤を用いることができる。
前記難揮発性の弱酸(不揮発性のものも含む)は、インキ中での着色剤(C.I.Basic Green 1や他の塩基性染料)の発色性を向上させるために添加されるものであり、例えば、リンゴ酸、シュウ酸等のカルボン酸、リン酸、亜リン酸、炭酸等を適用できる。
特に、前記難揮発性の弱酸のうちカルボン酸が好適に用いられ、具体的には、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、グリコール酸、グルコン酸等が挙げられる。
前記難揮発性の弱酸は、インキ組成物中0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で用いられる。
0.1重量%未満では紙面上での染料の発色性が充分に得られ難く、また、15重量%を越えて添加することも可能であるが、15重量%未満で充分な染料の発色効果が得られるため、これ以上の添加量は必要としない。
前記アルカリ性物質は、弱酸添加後のインキのpHを所望の範囲に調整するために用いられると共に、筆跡の経時による変色(退色)を抑制するものであり、特に弱アルカリ性を呈するものが好適に用いられる。前記アルカリ性物質としては、例えば、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、アンモニア、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化物等が挙げられる。
特に、前記アルカリ性物質のうち、リン酸塩が高い変色抑制効果を示すために好適に用いられる。具体的には、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、リン酸水素カルシウム、亜リン酸カルシウム、リン酸水素アンモニウム、亜リン酸アンモニウム等が例示できる。
前記アルカリ性物質は、インキ組成物中0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%の範囲で用いられる。
0.1重量%未満では紙面上での筆跡の色濃度変化を抑制し難く、また、5重量%を越えて添加することも可能であるが、5重量%未満で充分な効果が得られるため、これ以上の添加量は必要としない。
なお、インキ中で前記染料の発色性を良好なものとするためには、インキのpHを6以下、即ち1〜6の範囲に設定する必要がある。特に、インキの安定性と、筆記紙面のpHによる筆跡の変色抑制効果が得られ易いことから、インキのpHを3〜5の範囲に調整することが好ましい。
前記インキに用いられる溶剤としては、水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
その他、必要に応じて染料の発消色に影響を及ぼさない範囲で、防錆剤、石炭酸等の防腐剤或いは防黴剤、界面活性剤、湿潤剤、メチルポリシロキサン等の消泡剤等の添加剤を用いたり、紙面への固着性や粘性付与のためにアクリル樹脂、スチレンマレイン酸共重合樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、デキストリン等を用いることもできる。
また、前記インキをボールペンに内蔵して実用に供する場合、剪断減粘性付与剤を添加することによって、不使用時にボールとチップとの間隙からインキが漏れ出すことを防止したり、チップを上向きで放置した際のインキの逆流を防止することができる。
前記剪断減粘性付与剤を添加したインキ組成物の粘度は、20℃でのE型回転粘度計による3.84S−1の剪断速度におけるインキ粘度が200〜3000mPa・sを示し、且つ、剪断減粘指数が0.1〜0.6を示すことが好ましい。
なお、剪断減粘指数(n)は、剪断応力値(T)及び剪断速度値(j)の如き粘度計による流動学測定から得られる実験式T=Kj(Kは非ニュートン粘性係数)にあてはめることによって計算される値である。
前記剪断減粘性付与剤としては、キサンタンガム、ウェランガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100乃至800万)、アルカガム、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する増粘多糖類、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アミド等のHLB値が8〜12のノニオン系界面活性剤、ジアルキル又はジアルケニルスルホコハク酸の塩類、N−アルキル−2−ピロリドンとアニオン系界面活性剤の混合物、ポリビニルアルコールとアクリル系樹脂の混合物を例示できる。
更に、前記インキをボールペンに内蔵して実用に供する場合、オレイン酸等の高級脂肪酸、長鎖アルキル基を有するノニオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーンオイル、チオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルメチルエステル)やチオ亜燐酸トリ(アルコキシカルボニルエチルエステル)等のチオ亜燐酸トリエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、或いは、それらの金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、アルカノールアミン塩等の潤滑剤を添加してボール受け座の摩耗防止効果を付与することが好ましい。
前記変色性インキ組成物は、チップを筆記先端部に装着したマーキングペンやボールペンに充填して実用に供される。
マーキングペンに充填する場合、マーキングペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のマーキングペンチップを筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容して、弁機構により筆記先端部に所定量のインキを供給する構造等のマーキングペンが挙げられる。
ボールペンに充填する場合、ボールペン自体の構造、形状は特に限定されるものではなく、例えば、軸筒に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体にインキを含浸させ、ボールペンチップを装着した筆記先端部にインキを供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材や繊維束からなるインキ流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量のインキを供給する構造、軸筒内にインキを充填したインキ収容管を有し、該インキ収容管はボールペンチップに連通しており、さらにインキの端面には逆流防止用の液栓を配設した構造等のボールペンを例示できる。
前記ボールペンチップについて更に詳しく説明すると、金属製のパイプの先端近傍を外面より内方に押圧変形させたボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、或いは、金属材料をドリル等による切削加工により形成したボール抱持部にボールを抱持してなるチップ、金属又はプラスチック製チップ内部に樹脂製のボール受け座を設けたチップ、或いは、前記チップに抱持するボールをバネ体により前方に付勢させたもの等を適用できる。
また、前記ボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック、樹脂、ゴム等の0.1〜3mm径程度のものが適用できる。
なお、本発明のインキを充填する筆記具は、ボールと同様の転動作用により筆跡を形成させる、ローラー等の転動機構を筆記先端部に備えたものを含む。
インキを収容するインキ収容管(軸筒)は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂からなる透明性成形体が好適に用いられる。
前記インキ収容管の透明性とは着色透明、半透明、着色半透明を含み、インキ色やインキ残量等を確認することができる。
前記インキ収容管に直接又は接続部材を介してチップを連結することでレフィルとし、該レフィルを軸筒内に収容して筆記具を構成できる。前記レフィルを収容する軸筒を透明(着色透明、半透明、着色半透明を含む)にすることにより、レフィル中のインキ色やインキ残量等を確認することができる。
また、先端部にチップを装着した軸筒自体に直接インキを充填して筆記具を構成することもできる。
前記インキ収容管又は軸筒に収容したインキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体は不揮発性液体及び/又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等が挙げられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
前記不揮発性液体及び/又は難揮発性液体には、ゲル化剤を添加して好適な粘度まで増粘させることが好ましく、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物を例示できる。
更に、前記液状のインキ逆流防止体と、固体のインキ逆流防止体を併用することもできる。
前記変色性インキを変色又は消色させるために用いられる変色液には還元剤が添加される。
前記還元剤として具体的には、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、亜硫酸カルシウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸亜鉛、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモミウム、次亜塩素酸ナトリウム、塩化錫、ハイドロサルファイト等を例示でき、変色又は消色性能の観点から亜硫酸ナトリウムが好適に用いられる。
また、前記変色液には必要に応じて有機溶剤や各種添加剤を配合でき、例えば、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンを添加すると消去性を向上させることができる。
前記変色液を収容する変色用塗布具としては、収容した変色液を開口部から直接筆跡に付着させる簡易構造の塗布具、開口部に刷毛等の吸液体を設けたキャップを有し、キャップを嵌めた状態で前記吸液体が容器内の変色液を含浸する構成となし、筆跡上に吸液体を接触させて変色液を塗布する構造の塗布具を例示できる。
また、筆記具の構造を有する塗布具であってもよく、塗布部に繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ、筆穂等を筆記先端部に装着し、軸筒内部に収容した繊維束からなるインキ吸蔵体に変色液を含浸させ、筆記先端部に変色液を供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造、軸筒内部に直接変色液を収容して、弁機構により筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造のマーキングペンや筆ペン、軸筒に収容した繊維束からなる吸蔵体に変色液を含浸させ、ボールペンチップを装着した筆記先端部に変色液を供給する構造、軸筒内部に直接インキを収容し、櫛溝状の液体流量調節部材や繊維束からなる液体流量調節部材を介在させて筆記先端部に所定量の変色液を供給する構造、軸筒内に変色液を充填した収容管を有し、該収容管はボールペンチップに連通しており、さらに変色液の後端には逆流防止用の液栓を配設した構造のボールペンを例示できる。
前記変色用塗布具(ボールペン、マーキングペン、筆ペン等)は、変色性インキを内蔵した変色性筆記具の一部、具体的には後部に設けて(所謂、両頭式筆記具構造)、筆記により得られた筆跡を単一の筆記具により変色又は消色可能な携帯性に優れた筆記具とすることができる。
なお、前記変色液を筆記具形態の塗布具に収容して実用に供する場合、変色性インキにより形成された筆跡の幅よりも太い筆跡幅を形成できる塗布具が効率的に前記筆跡を変色又は消色させることができる。
また、前記変色用塗布具と、変色性インキを内蔵した変色性筆記具とを組み合わせて筆記具セットを得ることもできる。
前記筆記具セットは、単一の変色性筆記具と変色用塗布具により構成されていてもよいが、複数の色調の異なる変色性筆記具や複数の筆跡幅の異なる変色性筆記具と変色用塗布具とを組み合わせた筆記具セットとすることにより、バリエーションに富む筆跡や絵柄を形成できると共に、前記筆跡や絵柄を変色又は消色可能な意外性を有する筆記具セットが得られる。
なお、前記変色液を筆記具形態の塗布具に収容して実用に供する場合、変色性ボールペンにより形成された筆跡の幅よりも太い筆跡幅を形成できる塗布具が効率的に前記筆跡を変色又は消色させることができる。
実施例及び比較例のインキ組成を以下の表に示す。表中の組成の数値は重量部を示す。
なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
Figure 0004874625
変色性インキの調製
前記実施例及び比較例の配合量で各原料を混合し、室温でディスパーにて1時間撹拌することにより緑色の変色性インキ組成物を得た。
変色性筆記具Aの作製
前記各変色性インキ組成物を、軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色性筆記具Aを得た。
なお、前記変色性筆記具には着脱自在のキャップを備えてなる。
各実施例及び比較例で得られた変色性インキを収容した変色性筆記具Aを用いて,以下の試験を行った。
経時変色性試験
各変色性筆記具Aを用いて酸性紙(pH5.8)、アルカリ性紙(pH9.5)にそれぞれに筆記し、25℃で1時間及び60日間放置した後の筆跡の状態を目視により観察した。以下の表に試験結果を示す。
Figure 0004874625
なお、表中の試験結果の評価は以下のとおりである。
1時間放置後
○:初期より良好な筆跡が得られ、該筆跡の色調に変化が見られない。
△:初期の筆跡は薄いが、良好な筆跡となる。
×:筆跡が発色しない。
60日間放置後
○:初期の良好な筆跡と比較して、筆跡の色調に変化が見られない。
□:初期又は1時間放置後の良好な筆跡と比較して、筆跡が若干薄くなる。
△:かなり薄い筆跡が得られる。
×:筆跡が発色しない又は消色してしまう。
変色液の調製
亜硫酸ナトリウム(還元剤) 10.0部
炭酸カリウム 1.0部
リン酸エステル系界面活性剤 0.2部
〔第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフAL〕
石炭酸(防腐剤) 0.1部
グリセリン 10.0部
水(イオン交換水) 78.7部
前記溶剤中に還元剤と各種添加剤を加えて攪拌することにより変色液を得た。
変色用塗布具Aの作製
前記変色液を軸筒内に直接収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具Aを得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
変色用塗布具Bの作製
ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維集束インキ吸蔵体に前記変色液を含浸させて軸筒内に収容し、軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けてマーキングペン形態の変色用塗布具Bを得た。
なお、前記変色用塗布具には着脱自在のキャップを備えてなる。
両頭式変色性筆記具aの作製
軸筒内部に7:3の容積となる仕切り壁を設けた両端開口形状の軸筒の一方(大容積部分)に前記実施例1で調製した変色性インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けた。
次いで、他方(小容積部分)に前記変色液を収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けて両頭式変色性筆記具aを得た。
前記筆記具を用いて紙面上に筆記すると、緑色の筆跡が得られ、前記筆跡上から他方に設けた変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記筆記具は筆記と消去を1本の筆記具で行うことができるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
両頭式変色性筆記具bの作製
軸筒内部に5:5の容積となる仕切り壁を設けた両端開口形状の軸筒の一方に前記実施例4で調製したインキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部に砲弾型繊維マーキングペンチップを取り付けた。
次いで、他方に別途作製した赤色の筆跡を形成できる変色性インキを収容し、櫛溝状のインキ流量調節部材を介して軸筒先端部に砲弾型繊維マーキングペンチップを取り付けて両頭式変色性筆記具bを得た。
前記筆記具を用いて紙面上に筆記すると、緑色と赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具を用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
前記筆記具は異なる色調の筆跡を1本の筆記具で形成できるため、携帯性と利便性に優れるものであった。
筆記具セット1の作製
前記両頭式変色性筆記具bと、前記変色用塗布具Bとを組み合わせて筆記具セット1を得た。
前記両頭式変色性筆記具bを用いて紙面上に筆記すると、緑色と赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具Bを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
筆記具セット2の作製
前記実施例1の変色性インキを収容する変色性筆記具Aと、前記変色用塗布具Aとを組み合わせて筆記具セット2を得た。
前記変色性筆記具Aを用いて紙面上に筆記すると、緑色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具Aを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
筆記具セット3の作製
前記実施例4の変色性インキを収容する変色性筆記具Aと、別途作製した赤色の筆跡を形成できる変色性インキを収容する同形態の変色性筆記具と、変色用塗布具Bとを組み合わせて筆記具セット3を得た。
前記各筆記具を用いて紙面上に筆記すると、緑色と赤色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具Bを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
筆記具セット4の作製
前記実施例1の変色性インキ組成物を、ポリエステルスライバーを合成樹脂フィルムで被覆した繊維集束インキ吸蔵体に含浸させて軸筒内に収容し、軸筒先端部にチゼル型繊維マーキングペンチップを取り付けたマーキングペン形態の変色性筆記具B(着脱自在のキャップを備えてなる)と、前記変色用塗布具Bとを組み合わせて筆記具セット4を得た。
前記筆記具を用いて紙面上に筆記すると、緑色の筆跡が得られ、前記筆跡上から変色用塗布具Bを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色した。
応用例1
前記両頭式変色性筆記具aを用いて、紙面に印刷された黒色の文字を覆うように筆記して緑色の筆跡を形成した。なお、前記筆跡を透して黒色の文字は視覚可能であった。
前記筆跡上に赤色透明性シートを載置すると、筆跡の緑色とシートの赤色は補色の関係にあり、黒色に視覚されるため、文字は視覚されなくなる。
次いで、赤色透明性シートを取り除き、筆跡上から他方に設けた変色液を塗布すると筆跡は消色するため、再び黒色の文字が視認されるのみとなり、暗記に適した筆記具が得られた。
応用例2
前記筆記具セット1の両頭式変色性筆記具bを用いて、紙面に印刷された黒色の文字を覆うように筆記して緑色の筆跡を形成した。なお、前記筆跡を透して黒色の文字は視覚可能であった。
前記文字上に同色の赤色透明性シートを載置すると、補色の関係により黒色に視覚されるため、文字は視覚されなくなった。
次いで、赤色透明性シートを取り除き、筆跡上から変色用塗布具Bにより変色液を塗布すると筆跡は消色するため、暗記に適した筆記具が得られた。
また、他方に設けた赤色インキにより前記文字上に形成した筆跡は、緑色透明性シートを載置すると、補色の関係により黒色に視覚されるため、文字は視覚されなくなり、暗記に適したものとなった。前記赤色の筆跡も変色液により消去できた。
応用例3
前記筆記具セット2の変色性筆記具Aを用いて、紙面に印刷された黒色の文字を覆うように筆記して緑色の筆跡を形成した。なお、前記筆跡を透して黒色の文字は視覚可能であった。
前記筆跡上に赤色透明性シートを載置すると、筆跡の緑色とシートの赤色は補色の関係にあり、黒色に視覚されるため、文字は視覚されなくなる。
次いで、赤色透明性シートを取り除き、筆跡上から変色用塗布具Aを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色するため、再び黒色の文字が視認されるのみとなり、暗記に適した筆記具が得られた。
また、前記変色性筆記具Aを用いて、紙面上に文字を筆記して緑色の筆跡を形成した。
前記文字上に同色の緑色透明性シートを載置すると、文字は視覚されなくなった。
次いで、緑色透明性シートを取り除き、筆跡(文字)上に変色用塗布具Aを用いて変色液を塗布すると筆跡は消色するため、暗記に適した筆記具が得られた。

Claims (4)

  1. C.I.Basic Green 1と、カルボン酸、リン酸、亜リン酸、炭酸から選ばれる難揮発性の弱酸と、リン酸塩、炭酸塩から選ばれるアルカリ性物質と、水とから少なくともなるpH3〜5の変色性インキ組成物。
  2. 請求項1記載の変色性インキ組成物を内蔵してなる変色性筆記具。
  3. 後端部に変色液を収容した変色用塗布具を備えてなる請求項2記載の変色性筆記具。
  4. 請求項2記載の変色性筆記具と、変色液を収容した変色用塗布具とからなる筆記具セット。
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