以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、可変表示装置2が設けられている。可変表示装置2の内部には、3つのリール3L、3C、3Rから構成されるリールユニット3が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図3参照)の駆動によって回転/停止させられる。
リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止したときにおいて、可変表示装置2において上中下三段に表示される。また、リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」「BAR」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「JAC」、「☆」、「★」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。
図2に示すように、リール3L、3C、3Rの何れについても、「JAC」は、最大でも5コマ以内の間隔で配置されている。中と右のリール3C、3Rについての「ベル」は最大で5コマ以内の間隔で配置されている。左のリール3Lについては、「ベル」の配置間隔が7コマとなっている箇所があるが、「ベル」または「白7」の配置間隔とすれば、5コマ以内になっている。また、右のリール3Rについては、「赤7」、「白7」または「BAR」の何れかが7コマずつの間隔で並んでいる。
リールユニット3内には、リール3L、3C、3Rのそれぞれに対して、その基準位置を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SR(図3参照)と、背面から光を照射するリールランプ3LP(図3参照)とが設けられている。このスロットマシン1では、何れの遊技状態においても賭け数として3が設定されている状態でのみゲームを開始させることができ、上中下段の3本及び対角線の2本の合計5本の入賞ラインが設定される。
また、可変表示装置2の周囲には、各種表示部が設けられている。可変表示装置2の下側には、ゲーム回数表示部21と、クレジット表示部22と、ペイアウト表示部23とが設けられている。ゲーム回数表示部21は、7セグメント表示器によるゲーム回数表示器51(図3参照)によって構成され、後述するレギュラーボーナスにおけるゲーム数及び入賞数をカウントするカウンタの値を表示する。さらに、ゲーム回数表示部21は、エラーが発生したときに、発生したエラーの種類に対応したコード(エラーコード)を表示するためにも用いられる。
クレジット表示部22は、7セグメント表示器によるクレジット表示器52(図3参照)によって構成され、後述するようにメダルの投入枚数及び払い出し枚数に応じてデータとして蓄積されたクレジットの数を表示する。ペイアウト表示部23は、7セグメント表示器によるペイアウト表示器53(図3参照)によって構成され、入賞が成立した場合に払い出されるメダルの枚数を表示する。
可変表示装置2の左側には、1枚賭け表示部24、2枚賭け表示部25、26、及び3枚賭け表示部27、28が設けられている。1枚、2枚、3枚賭け表示部24〜28は、入賞ラインに対応してそれぞれ1枚、2枚、3枚賭けランプ54〜58(図3参照)が点灯状態となることで、現時点で設定されている賭け数を遊技者に示す。
可変表示装置2の右側には、投入指示表示部29と、スタート表示部30と、ウェイト表示部31と、リプレイ表示部32と、ゲームオーバー表示部33とが設けられている。投入指示表示部29は、投入指示ランプ59(図3参照)が点灯状態となることで、メダルが投入可能なことを示す。スタート表示部30は、スタートランプ60(図3参照)が点灯状態となることで、スタート可能、すなわちスタートレバー11の操作受付可能であることを示す。ウェイト表示部31は、ウェイトランプ61(図3参照)が点灯状態となることで、後述するウェイトがかかっていることを示す。リプレイ表示部32は、リプレイランプ62(図3参照)が点灯状態となることで、後述するリプレイ入賞をしたことを示す。ゲームオーバー表示部33は、ゲームオーバーランプ63(図3参照)が点灯状態となることで、スロットマシン1が打ち止めになったことを示す。
可変表示装置2の上側には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、遊技状態、当選フラグの設定状況、または可変表示装置2に導出された図柄の種類択に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4において行われる演出としては、後述する遊技ナビ、ナビ告知、AT(Assist Time)における三択小役1〜三択小役3の当選告知がある。また、液晶表示器4には、遊技履歴などの遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
また、可変表示装置2の下方に設けられた台状部分の水平面には、メダル投入口13と、1枚BETボタン14と、MAXBETボタン15と、精算ボタン16とが設けられている。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15には、データとして蓄積されたクレジット(最大50)から賭け数の設定を可能としているときに点灯するBETボタンランプ70a、70b(図3参照)が内部に配されている。
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図3参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図3参照)またはMAXBETスイッチ46(図3参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる。
精算ボタン16は、既に賭け数として設定されたメダル、或いは蓄積されたクレジットに対応したメダルの払い出しを指示するためのボタンである。精算ボタン16の操作が精算スイッチ47(図3参照)によって操作が検出されると、賭け数が設定されていれば、まず設定された賭け数に応じたメダルが払い出され、賭け数が設定されていなければ(精算ボタン16の操作で先に賭け数分のメダルが払い出された場合を含む)、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rとが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図3参照)によって検出されると、リールモータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図3参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図3参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。
リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、後述する停止制御テーブルにより選択される停止図柄は、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
さらに、停止ボタン12L、12C、12Rを覆うパネルが、ボーナス告知部36として適用されている。ボーナス告知部36は、ボーナス告知ランプ66(図3参照)が点灯状態となることで、後述するレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)及びビッグボーナス(2)入賞が可能となっていることを遊技者に告知する。また、停止ボタン12Rの右側には、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18が設けられている。
スロットマシン1の下部前面側には、メダル払い出し口71と、メダル貯留皿72とが設けられている。メダル払い出し口71は、ホッパー80(図3参照)によって払い出しが行われたメダルを外部に排出するものである。メダル貯留皿72は、払い出されたメダルを貯めておくためのものである。メダル貯留皿72の上の前面パネルには、内部に設置された蛍光灯6(図3参照)が発した光が照射される。
スロットマシン1の下部前面側と、上部前面側の左右とには、それぞれ演出手段としてのスピーカ7U、7L、7Rが設けられている。スピーカ7U、7L、7Rは、各ゲーム中において、後述するビッグボーナス、レギュラーボーナスにおいて、それぞれに固有の効果音(楽曲)を継続して出力する。また、スタートレバー11や停止ボタン12L、12C、12Rの操作時、或いは入賞時において所定の効果音を出力する。さらには異常時における警報音の出力を行うと共に、遊技状態に応じた様々な演出用の音声の出力を行う。
さらに、スロットマシン1の前面側には、可変表示装置2及び液晶表示器4の周囲を取り囲むように、演出手段としての遊技効果ランプ75A〜75M(図3参照)の発光により光による演出を行う遊技効果表示部5A〜5Mが設けられている。遊技効果表示部5A〜5Mは、遊技の進行状況に応じた様々なパターンで光による演出を行うものである。なお、遊技効果表示部5A〜5Mの発光色は、単色からなるものであっても、複数色からなるものであっても構わない。
図3は、このスロットマシン1の制御回路の構成を示す図である。図示するように、このスロットマシン1の制御回路は、電源基板100、遊技制御基板101、演出制御基板102、リール中継基板103、リールランプ中継基板104、外部出力基板105、及び演出中継基板106に大きく分けて構成される。
電源基板100は、AC100Vの外部電源電圧を変圧し、遊技制御基板101その他のスロットマシン1の各部に動作電力を供給する。図3では、遊技制御基板101、ホッパー80、各スイッチ91〜94にのみ接続されているように示しているが、電源基板100は、他の各部への電力の供給も行っている。電源基板100は、スロットマシン1の内部に設けられ、メダルの払い出し動作を行うホッパーモータ82と、メダルの払い出しを検知する払い出しセンサ81とから構成されるホッパー80に接続されている。
電源基板100は、後述する内部抽選への当選確率を設定し、これに基づいて算出されるメダルの仮想払出率の設定値(設定1〜設定6)を変更するための設定スイッチ91、設定スイッチ91を操作有効とする設定キースイッチ92、内部状態(RAM112)をリセットする第2リセットスイッチ93、及び電源のON/OFF切り替えを行うメインスイッチ94にもそれぞれ接続されてており、これらのスイッチの検出信号を遊技制御基板101へと送る。これらのスイッチ91〜94は、スロットマシン1の内部に設けられている。
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116、電源監視回路117、リセット回路118その他の回路を搭載している。
CPU111は、計時機能、タイマ割り込みなどの割り込み機能(割り込み禁止機能を含む)を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うと共に、スロットマシン1内の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM112の構成については後述する。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、遊技制御基板101に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
乱数発生回路115は、パルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路116は、乱数発生回路115がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路115は、遊技の進行に使用される乱数の種類毎に設けられていて、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められている。CPU111は、その処理に応じてサンプリング回路116に指示を送ることで、乱数発生回路115が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。
電源監視回路117は、電源基板100から供給される電源電圧を監視し、電圧の低下を検出したときに、電圧低下信号を制御部110に対して出力する。制御部110は、特に図示はしないが、電源監視回路117に接続された割込入力端子を備えており、割込入力端子に電圧低下信号が入力されることでCPU111に外部割り込みが発生し、CPU111は、電断割込処理を実行する。
リセット回路118は、電源投入時において制御部110が起動可能なレベルまで電圧が上昇したきにリセット信号を出力して制御部110を起動させると共に、制御部110から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわち制御部110が一定時間動作を行わなかった場合に、制御部110に対してリセット信号を出力し、制御部110を再起動させる。
CPU111は、また、タイマ割り込み処理により、RAM112の特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。CPU111は、I/Oポート114を介して演出制御基板102に、各種のコマンドを送信する。なお、遊技制御基板101から演出制御基板102へ情報(コマンド)は一方向のみで送られ、演出制御基板102から遊技制御基板101へ向けて情報(コマンド)が送られることはない。
遊技制御基板101には、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、精算スイッチ47、第1リセットスイッチ48、投入メダルセンサ44が接続されており、これらのスイッチ/センサ類の検出信号が入力される。また、リール中継基板103を介して、リールセンサ3SL、3SC、3SRの検出信号が入力される。I/Oポート114を介して入力されるこれらスイッチ/センサ類の検出信号、或いは前述したように電源基板100を介して入力される各種スイッチの検出信号に従って、遊技制御基板101上のCPU111は、処理を行っている。
遊技制御基板101には、また、流路切り替えソレノイド49、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53、投入指示ランプ59、1枚賭けランプ54、2枚賭けランプ55、56、3枚賭けランプ57、58、ゲームオーバーランプ63、スタートランプ60、リプレイランプ62、BETボタンランプ70a、70b、操作有効ランプ63L、63C、63Rが接続されており、CPU111は、遊技の進行状況に従ってこれらの動作を制御している。
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、後述する内部抽選によりRAM112に設定される当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。
演出中継基板106は、遊技制御基板101から演出制御基板102へ送信される情報の一方向性を担保するために設けられた基板である。演出中継基板106は、この状態を調べることによって遊技制御基板101や演出制御基板102を調べなくても、遊技制御基板101の制御部110に不正な信号(特に演出制御基板102に外部から入力されるようになっている信号)が入力されるような改造がなされていないかどうかをチェックすることができるようにするものである。
演出制御基板102は、スロットマシン1における演出の実行を制御するサブ側の制御基板であり、CPU121、RAM122、ROM123及びI/Oポート124を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部120を搭載している。また、乱数発生回路125及びサンプリング回路126を搭載しており、CPU121は、サンプリング回路126により乱数発生回路125がカウントしている値を取得することにより、遊技制御基板101と同様のハードウェア乱数機能を形成している。割り込み処理によるソフトウェア乱数機能も有している。
CPU121は、ROM123に記憶されたプログラム(後述)を実行して、演出の実行に関する処理を行うと共に、演出制御基板102内の各回路及びこれに接続された各回路を制御する。演出の実行は、I/Oポート124を介して遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて行われる。RAM122は、CPU121がプログラムを実行する際のワーク領域として使用される。RAM122の構成については後述する。ROM123は、CPU121が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。ROM123に格納された演出データについては後述する。I/Oポート124は、演出制御基板102に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
演出制御基板102には、遊技効果ランプ75A〜75M、液晶表示器4、スピーカ7L、7R、7U、蛍光灯6、ウェイトランプ61、ボーナス告知ランプ66が接続されている。また、リールランプ中継基板104を介してリールランプ3LPが接続されている。演出制御基板102の制御部120は、これら各部をそれぞれ制御して、演出を行っている。
リール中継基板103は、遊技制御基板101と外部出力基板105及びリールユニット3との間を中継している。リール中継基板103には、また、満タンセンサ90が接続されており、その検出信号が入力される。満タンセンサ90は、スロットマシン1の内部に設けられ、ホッパー80からオーバーフローしたメダルを貯留するオーバーフロータンク内のメダルが満タンになったことを検知するものである。
リールランプ中継基板104は、演出制御基板102とリールユニット3との間を中継している。外部出力基板105は、ホールの管理コンピュータなどの外部装置に接続されており、遊技制御基板101からリール中継基板103を介して入力されたビッグボーナス中信号、レギュラーボーナス中信号、リール制御信号、ストップスイッチ信号、メダルIN信号、メダルOUT信号、及び当選状況信号を、当該外部装置に出力する。
図4は、遊技制御基板101と、遊技制御基板101に接続される遊技用電子部品との配線接続状態を示す概略図である。図4には、遊技制御基板101と接続される各種スイッチ、センサ等の電子部品のうち、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、ゲームを開始させる際に操作されるスタートスイッチ41、リール3L、3C、3Rの回転を停止する際に操作されるストップスイッチ42L、42C、42R、賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44、リール3L、3C、3Rを回転させるためのリールモータ3ML、3MC、3MR、リール3L、3C、3Rの回転を検出するためのリールセンサ3SL、3SC、3SR、入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81及び演出制御基板102が示されており、他のスイッチ、センサ等の図示は省略されている。
演出制御基板102を除く上記遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に関わる信号を遊技制御基板101に入出力する電子部品である。ゲームの進行に関わる信号とは、例えば、ゲームを開始可能な状態とするための賭数の設定操作、ゲームを開始させるための操作、リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作等、ゲームの進行操作に応じて遊技制御基板101に出力される信号や、投入メダルの検出、リールの基準位置の検出、払出メダルの検出等、ゲームの進行に応じて遊技用電子部品から出力されて遊技制御基板101に入力される信号と、スタート操作の検出に応じてリール3L、3C、3Rを駆動させるための駆動信号や、入賞の発生に伴いメダルを払い出すホッパー80を駆動するための駆動信号等、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力されて遊技用電子部品に入力される信号とを含む。
そして、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に信号を出力する第1の電子部品と、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101からの信号が入力される第2の電子部品と、からなる。
具体的には、賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び賭数を設定するために投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ44は、該操作またはメダルの検出に基づいて遊技制御基板101にBET信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該BET信号の受信に基づいて賭数の設定処理を行うため、これら電子部品がないと賭数を設定することができない。すなわち、賭数を設定しないとゲームが開始可能な状態とならないため、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46及び投入メダルセンサ44はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
ゲームを開始させるための操作を検出するスタートスイッチ41は、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にスタート信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該スタート信号の受信に基づいてゲームを開始する処理(リール回転処理等)を行うため、この電子部品がないとゲームを開始することができない。すなわち、スタートスイッチ41はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの表示結果を導出させるための操作を検出するストップスイッチ42L、42C、42Rは、該操作の検出に基づいて遊技制御基板101にストップ信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該ストップ信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止して表示結果を導出する処理を行うため、この電子部品がないとリール3L、3C、3Rの表示結果を導出することができない。すなわち、ストップスイッチ42L、42C、42Rはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
リール3L、3C、3Rの回転を検出するリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リールの基準位置の検出信号を遊技制御基板101に出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該リールの基準位置の検出信号の受信に基づいて該当するリール3L、3C、3Rの図柄の位置を把握して回転を停止する処理等を行うため、この電子部品がないと各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等を行うことができない。すなわち、リールセンサ3SL、3SC、3SRはゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
入賞の発生に伴い払い出されるメダルを検出する払出センサ81は、該メダルの検出に基づいて遊技制御基板101にメダル払出信号を出力する第1の電子部品である。遊技制御部110は、該払出メダル検出信号の受信に基づいて、発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出す払出処理を行うため、この電子部品がないと発生した入賞に応じた枚数のメダルを払い出すことができない。すなわち、払出センサ81はゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、リール3L、3C、3Rを回転させるリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このリールモータ3ML、3MC、3MRは、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてリール3L、3C、3Rを回転させて図柄の変動表示を開始するものであるが、該信号入力に基づいて実際にリール3L、3C、3Rを回転しなかったとしても、遊技制御部110は、リールの駆動信号を出力した後に上記リールセンサ3SL、3SC、3SRからの信号が入力されることで、リールが回転したとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、このリールセンサ3SL、3SC、3SRから信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、リールの駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、リールの回転の検出に基づく信号の出力タイミングを計るためにはリールの駆動信号が必要となる。すなわち、リールモータ3ML、3MC、3MRは、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、メダルの払い出しを行うホッパータンクを駆動するホッパーモータ82は、入賞の発生に応じて遊技制御基板101から出力される駆動信号が入力される第2の電子部品である。このホッパーモータ82は、遊技制御基板101から出力される駆動信号の入力に基づいてホッパー80を駆動させてメダルを払い出すものであるが、該信号入力に基づいて実際にホッパー80を駆動しなかったとしても、遊技制御部110は、ホッパー80の駆動信号を出力した後に上記払出センサ81からの信号が入力されることで、メダルが払い出されているとしてゲームを進行する制御を行うことができる。しかし、この払出センサ81から信号が遊技制御基板101に入力されるタイミングは、ホッパー80の駆動信号の出力後でないとエラーとなるため、打ち込み器具によりゲームを進行させる場合において、払出メダルの検出に基づく信号の出力タイミングを計るためには該ホッパータンクの駆動信号が必要となる。すなわち、ホッパーモータ82は、ゲームの進行に必要な遊技用電子部品である。
また、これら遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81は、基本的には複数の機種に共通して継続使用される電子部品であり、故障等が発生しない限り本体から取り外して交換する機会は少ないので、スロットマシンの本体所定箇所に固設されている。これに対して遊技制御基板101や演出制御基板102等は、機種変更の際には交換が必要となるため、その際には本体から取り外される。
つまり、遊技制御基板101を取り外す際には遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81との接続を解除する必要があるため、遊技用電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81と遊技制御基板101とは中継基板100、103、106、107を経由して接続されているとともに、これら基板同士及び基板と遊技用電子部品とはケーブルを介して接続されている。またケーブルと基板とは、ケーブルの端部に設けられたケーブル側コネクタと基板の配線パターンと電気的に接続された基板側コネクタとの接続により電気的に接続されている。
具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42L、42C、42R、投入メダルセンサ44は、操作部中継基板107を経由して遊技制御基板101と配線接続され、リールモータ3ML、3MC、3MR及びリールセンサ3SL、3SC、3SRは、リール中継基板103を経由して遊技制御基板101と配線接続され、ホッパーモータ82及び払出センサ81は、電源基板100を経由して遊技制御基板101と配線接続され、演出制御基板102は、演出中継基板106を経由して遊技制御基板101と配線接続されている。
操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102には、遊技制御基板101と各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81とを接続するための配線パターン(図示略)が設けられており、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81から遊技制御基板101に対して出力される検出信号または遊技制御基板101から供給(入力)される電力や信号等を中継可能とされている。
また、このように各種電子部品と遊技制御基板101とを、スロットマシン1の本体所定箇所に取り付けた各中継基板100、103、106、107を経由して配線接続することで、遊技制御基板101からスロットマシン1の本体所定箇所に個々に配設される複数の電子部品との配線の取りまとめが容易になるとともに、コネクタ接続部が常に中継基板または遊技制御基板101に設けられることになり、これにより各電子部品それぞれのコネクタ接続部が固定されるため、配線接続作業時においてコネクタ接続部を探したり、接続する配線の種類を間違うこと等が防止される。
遊技制御基板101と操作部中継基板107とは、ケーブル600aを介して接続され、遊技制御基板101とリール中継基板103とは、ケーブル600bを介して接続され、遊技制御基板101と電源基板100とは、ケーブル600cを介して接続されており、また、遊技制御基板101と演出中継基板106とは、ケーブル600dを介して接続されている。
操作部中継基板107と1枚BETスイッチ45とはケーブル601aを介して接続され、操作部中継基板107とMAXBETスイッチ46とはケーブル601bを介して接続され、操作部中継基板107とスタートスイッチ41とはケーブル601cを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Lとはケーブル601dを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Cとはケーブル601eを介して接続され、操作部中継基板107とストップスイッチ42Rとはケーブル601fを介して接続され、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とはケーブル601gを介して接続されている。
また、リール中継基板103とリールモータ3MLとはケーブル601hを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MCとはケーブル601jを介して接続され、リール中継基板103とリールモータ3MRとはケーブル601lを介して接続されている。また、リール中継基板103とリールセンサ3SLとはケーブル601iを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SCとはケーブル601kを介して接続され、リール中継基板103とリールセンサ3SRとはケーブル601mを介して接続されている。また、電源基板100とホッパーモータ82とはケーブル601nを介して接続され、電源基板100と払出センサ81とはケーブル601oを介して接続され、演出中継基板106と演出制御基板102とはケーブル601pを介して接続されている。
これら各ケーブル600a〜600c、601a〜601oは、各基板に対してコネクタ接続されており、基板との配線接続を解除可能となっている。具体的には、ケーブル600aの両端には、ケーブル側コネクタ610a、611aが設けられており、一方のケ一ブル側コネクタ610aは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620aに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611aは、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ621aに接続可能なコネクタである。ケーブル600bの両端には、ケーブル側コネクタ610b、611bが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610bは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620bに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611bは、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ621bに接続可能なコネクタである。ケーブル600cの両端には、ケーブル側コネクタ610c、611cが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610cは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620cに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611cは、電源基板100に固設された基板側コネクタ621cに接続可能なコネクタである。ケーブル600dの両端には、ケーブル側コネクタ610d、611dが設けられており、一方のケーブル側コネクタ610dは、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタ620dに接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタ611dは、演出中継基板106に固設された基板側コネクタ621dに接続可能なコネクタである。
また、一端が1枚BETスイッチ45に接続されたケーブル601aの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622aに接続可能なケーブル側コネクタ612aが設けられている。一端がMAXBETスイッチ46に接続されたケーブル601bの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622bに接続可能なケーブル側コネクタ612bが設けられている。一端がスタートスイッチ41に接続されたケーブル601cの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622cに接続可能なケーブル側コネクタ612cが設けられている。一端がストップスイッチ42Lに接続されたケーブル601dの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622dに接続可能なケーブル側コネクタ612dが設けられている。一端がストップスイッチ42Cに接続されたケーブル601eの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622eに接続可能なケーブル側コネクタ612eが設けられている。一端がストップスイッチ42Rに接続されたケーブル601fの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622fに接続可能なケーブル側コネクタ612fが設けられている。一端が投入メダルセンサ44に接続されたケーブル601gの他端には、操作部中継基板107に固設された基板側コネクタ622gに接続可能なケーブル側コネクタ612gが設けられている。
また、一端がリールモータ3MLに接続されたケーブル601hの他端及び一端がリールセンサ3SLに接続されたケーブル601iの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622hに接続可能なケーブル側コネクタ612hが設けられている。一端がリールモータ3MCに接続されたケーブル601jの他端及び一端がリールセンサ3SCに接続されたケーブル601kの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622iに接続可能なケーブル側コネクタ612iが設けられている。一端がリールモータ3MRに接続されたケーブル601lの他端及び一端がリールセンサ3SRに接続されたケーブル601mの他端には、リール中継基板103に固設された基板側コネクタ622jに接続可能なケーブル側コネクタ612jが設けられている。
また、一端がホッパーモータ82に接続されたケーブル601nの他端及び一端が払出センサ81に接続されたケーブル601oの他端には、電源基板100に固設された基板側コネクタ622kに接続可能なケーブル側コネクタ612kが設けられている。
また、ケーブル601pの両端には、ケーブル側コネクタC2、C3が設けられており、一方のケーブル側コネクタC2は、遊技制御基板101に固設された基板側コネクタC1に接続可能なコネクタであり、他方のケーブル側コネクタC3は、演出制御基板102に固設された基板側コネクタC4に接続可能なコネクタである。
なお、この実施の形態では、各電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、3ML、3MC、3MR、82、81からはコネクタを介すことなく配線が延出されているが、コネクタを介して配線と接続されていても良い。
上述のように、各基板と各ケーブルとは、基板側に設けられる基板側コネクタ620a〜620d、621a〜621d、622a〜622k、C1、C4と、ケーブル側に設けられるケーブル側コネクタ610a〜610d、611a〜611d、612a〜612k、C2、C3とからなる一対のコネクタ(雄コネクタと雌コネクタ)を介して配線接続されており、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱することにより配線接続を解除することができるようになっている。特に、遊技制御基板101、操作部中継基板107、リール中継基板103、電源基板100、演出制御基板102は、スロットマシン1の筐体または前面扉の所定箇所に取り付けられていることで、基板側コネクタからケーブル側コネクタを抜脱しやすいので、遊技制御基板101や演出制御基板102の交換が容易に行うことができる。
まず第1の電子部品に関して具体的に説明すると、1枚BETスイッチ45、MAXBETスイッチ46または投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にBET信号が不正に出力されると、賭数の設定操作が行われていないのに賭数が設定される虞がある。スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にスタート信号が不正に出力されると、ゲームの開始操作を行うことなくゲームが開始される虞がある。ストップスイッチ42L、42C、42Rと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にストップ信号が不正に出力されると、停止操作を行うことなくリールの回転が停止される虞がある。
リールセンサ3SL、3SC、3SRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にリール回転信号が不正に出力されると、リールを回転させることなく各リール3L、3C、3Rの表示結果の導出や入賞の判定等が行われる虞がある。払出センサ81と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタに打ち込み器具のコネクタが接続され、該打ち込み器具から遊技制御基板101にメダル払出信号が不正に出力されると、メダルを払い出すことなくメダルの計数が行われる虞がある。
第2の電子部品に関して具体的に説明すると、リールモータ3ML、3MC、3MRと遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、リールの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来リールセンサ3SL、3SC、3SRから遊技制御基板101に入力されるリール回転検出信号を、打ち込み器具からリール回転後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
また、ホッパーモータ82と遊技制御基板101との間に設けられるケーブルのコネクタのうちいずれかのコネクタでの接続が解除されて遊技制御基板101から出力される駆動信号を打ち込み器具等で取得できることになると、ホッパータンクの駆動信号が遊技制御基板101から出力されたタイミングを打ち込み器具側で特定できるので、本来払出センサ81から遊技制御基板101に入力される払出メダル検出信号を、打ち込み器具からホッパータンクの駆動後の適正なタイミングで出力されてしまう虞がある。
このように、ゲームの進行に応じて第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81から出力され、本来であれば遊技制御基板101に入力される信号が打ち込み器具から出力された場合、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができる。一方、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101から出力され、本来であれば第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82に入力される信号が打ち込み器具に入力された場合、打ち込み器具側では、遊技制御部110がリールモータ3ML、3MC、3MLやホッパーモータ82の駆動後に出力する信号の出力タイミング等を特定可能となり、これに基づいて新たな信号がメイン制御基板101に入力された場合には、遊技制御部110は該信号の受信に基づいてゲームを進行する制御を行うことができるので、ゲームを自動的に進行させるといった不正行為が実施される虞がある。この実施の形態にかかるスロットマシン1では、後述するように打ち込み器具の接続による不正行為を防止する種々の対策が施されている。
次に、遊技制御基板101における遊技制御部110への電源まわりの構成を説明する。図5は、遊技制御部110に対するバックアップ電源の供給ラインを示す回路図である。
遊技制御基板101には、電源基板100の電圧生成回路により生成された+5Vの直流電圧が供給される。電源基板100から供給された+5Vの直流電圧は、遊技制御部110の駆動電源としてVDD入力端子に供給されるとともに、図5に示すように、遊技制御基板101上で分岐して+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインを形成する。そして、この+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、逆流防止用のダイオード312を介して遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているとともに、電源基板100側でグラウンドレベルに接続され、その間には大容量の図示されないコンデンサが設けられている。これにより+5V(VBB)の直流電圧をコンデンサに蓄積可能とされ、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧を、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態を保持するためのバックアップ電源として供給できるようになっている。
また、+5V(VBB)の直流電圧の供給ラインは、遊技制御基板101上で直接遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されているのではなく、図5に示すように、遊技制御基板101と操作部中継基板107を配線接続するケーブル600a、操作部中継基板107、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44を配線接続するケーブル601gを経由し、更に、投入メダルセンサ44で折り返して、ケーブル601g、操作部中継基板107、ケーブル600aを経由して再度遊技制御基板101に接続され、遊技制御部110のメモリバックアップ電源入力端子VBBに接続されている。すなわち、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されたときに、コンデンサに蓄積された電圧は、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給され、遊技制御部110におけるRAM112の記憶状態が保持されるようになっている。
このため、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技制御基板101と遊技用電子部品との間のコネクタ接続の解除を規制することで、打ち込み器具の接続を困難としている。具体的には、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を規制している。基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの接続は、コネクタ規制部材500によってその解除が規制され、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続、及び基板側コネクタ622gとケーブル側コネクタ612gとの接続は、コネクタ規制部材650によってその解除が規制されるようになっている。
次に、遊技制御基板101を収納する基板ケース200及びコネクタ規制部材500の詳細な構造について説明する。
図6及び図7は、基板ケース200及び基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に取り付けるための取付ベース250、コネクタ規制部材500を示す分解斜視図であり、図8は、基板ケース200を取付ベース250に組み付けた状態を示す斜視図であり、図9は、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタキャップ520の要部拡大斜視図であり、図10(a)は、図9のA−A断面図であり、図10(b)(c)は、図9のB−B断面図であり、図11は、基板ケース200を取付ベース250に組み付け、更に取付側部材510に対してコネクタキャップを装着した状態を示す斜視図であり、図12(a)は、図11のC−C断面図であり、図12(b)は、図11のD−D断面図である。
基板ケース200は、図6及び図7に示すように、遊技制御基板101の裏面側を覆うケース本体としての下部ケース201と、遊技制御基板101の実装面側を覆う上部ケース203と、から構成され、遊技制御基板101を挟持するように組み付けられるものである。なお、遊技制御基板101の実装面には、特に詳細な図示はしないが、CPU111、ROM123、RAM112等の電子素子や、他の基板からのケーブルの一端に設けられたケーブル側コネクタ等が接続される基板側コネクタ620a〜620c等が多数実装されている。
下部ケース201は、透明な合成樹脂からなり、略長方形状に形成される底板201aと、該底板の周囲を囲むように形成された側壁と、により上面が開放する直方体状に成形されている。
下部ケース201の一方の短辺の側壁201cには、2つの封止片211、211が外方に突出して設けられているとともに、他方の短辺の側壁201dには、2対の係止部210が外方に突出して設けられている。また、下部ケース201の底板201aの裏面における側壁201dよりの両長辺側端には、後述する取付側部材510の係止片511が係合する係合溝212がそれぞれ形成されている。
上部ケース203は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、下面が開放するとともに、上面中央が膨出し、両短辺側に段部203a、203bが形成された凸型の箱状に成形されている。上部ケース203の下面は、下部ケース201と同型であり、下部ケース201と上部ケース203とを組み付けることで、内部に遊技制御基板101を収容する空間が形成されるようになっている。
上部ケース203の一方の短辺の側壁203cには、下部ケース201の一方の短辺の側壁201cに設けられた封止片211、211と対応する箇所にそれぞれ封止片231、231が外方に突出して設けられており、封止片231、231の間には、等間隔に4つの封止片232が外方に突出して設けられている。上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、下部ケース201の他方の短辺の側壁に設けられた2対の係止部210と対応する箇所にそれぞれ1対の係止部210と係合する係合部230がそれぞれ設けられている。また、上部ケース203の他方の短辺の側壁203dには、係合部230よりも外方よりの位置に、後述する取付ベース250の係止孔251a、251aに係合する係止片235、235がそれぞれ設けられている。
また、上部ケース203の両短辺側の段部203a、203bには、それぞれ凹部203e、203fが形成されているとともに、特に、段部203bの凹部203fの底面には、基板ケース200内に収容した遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対応する箇所に基板側コネクタ620aを挿通可能な挿通孔234が形成されている。
取付ベース250は、基板ケース200をスロットマシン1の本体をなす筐体に対して固定するための部材である。取付ベース250は、合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、下部ケース201の底板201aよりも大きい略長方形状に形成される底板250aと、該上板の周縁辺のうち2つの長縁辺に形成された側壁250b、250cとにより上面が開放する直方体状に形成されている。取付ベース250の底板250aには、複数箇所にビス孔252が形成されているとともに、一方の短辺側の縁辺には、中央部に切り欠き250eを有する側壁250dが形成されており、底板250aには、側壁250dの切り欠き250eから中央に向かって1対のガイド254、254が設けられている。ガイド254、254の対向する面には、後述する固着部材255の両端部に形成された係止部257、257が嵌入されるガイド溝254a、254aが形成されている。
固着部材255は、合成樹脂からなり、上面に4カ所の固着孔256が形成された固着片255aの両端から下方(図中後方)に伸びる垂下片255b、255bが延設され、更に垂下片255b、255bの両端部から左右方向(図中上下方向)を向く係止部257、257が形成された略コ字状に成形されている。固着部材255は、その係止部257、257を取付ベース250のガイド254、254に形成されたガイド溝254a、254aに対してそれぞれ嵌入することで、取付ベース250に取り付けられる。
取付ベース250における側壁250dが形成された短辺側には、先端に内方向きの係止爪253aを有する係止柱253が底板250aから立設されているとともに、反対側の短辺側の両端部には、上部ケース203の係合部230が挿入される係止孔251a、251aが底板250aから連設された係止孔部251、251が立設されている。
コネクタ規制部材500は、図6及び図7に示すように、基板ケース200に対して取り付けられる取付側部材510と、取付側部材510に対して装着され、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆するコネクタカバー520と、から構成され、取付側部材510を基板ケース200に対して取り付け、コネクタカバー520を装着することで、基板側コネクタ620aからのケーブル側コネクタ610aの抜脱が規制される。
取付側部材510は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の表面形状に沿った形状に成形されている。詳しくは、取付側部材510は、上部ケース203の係合部230が設けられた短辺側に装着されるものであり、その形状は、基板ケース200への取付時に上部ケース203における段部203bの凹部203fの底面に当接するとともに、ケーブル側コネクタ610aを逃がす切り欠き512及び内側に係止孔513aを有する筒状の係止孔部513が形成された基片510aの両端から起立する起立片510b、510bを介して上部ケース203における段部203bの両端部上面に当接する上片510c、510cが延設され、更に上片510c、510cの両端から垂下する側片510d、510dを介して係止部257、257が内向きに延設された形状であり、基板ケース200への取付時に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっている。
係止孔部513における係止孔513aの内面には、図9に示すように、中心を挟んで対向する位置に係止溝514が、係止孔513aの下端から上方に向かって設けられている。係止溝514は、係止孔513aの下端からの深さの浅い浅溝部514aとそれよりも深い深溝部514bとからなる略L字状で、対向する係止溝514、514の浅溝部514a、514a同士、深溝部514b、514b同士が、それぞれ中心を挟んで対向する位置に形成されている。すなわち係止溝514、514は、中心を挟んで点対称に形成されている。
コネクタカバー520は、透明な合成樹脂からなり、図6及び図7に示すように、基板ケース200に取り付けられた取付側部材510に対して取り付けた際に、基板側コネクタ620aに接続されたケーブル側コネクタ610aの一部を被覆する断面視略コ字状の被覆部521が成形されているとともに、被覆部521の長手方向側面の一方の側面521aに取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aの内周とほぼ同径の係止筒522が接続片522aを介して設けられている。
被覆部521の一方の側面521aの下端は、取付側部材510に取り付けた際にその基片510aの上面に当接するとともに、側面521aの背面には、リブ521b、521bが設けられ、そのリブ521b、521bの下面も基片510aの上面に当接するようになっている。
係止筒522は、図9に示すように、中心を挟んで対向する位置に、先端に外向きの係止爪523aが形成され、内方に弾性変形可能な係合部523、523が設けられている。係合部523、523は、その係止爪523a、523aが、コネクタカバー520を基板側コネクタ620aにケーブル側コネクタ610aが接続されている状態で取付側部材510に取り付けた際に、係止孔513aに形成された係止溝514、514の浅溝部514a、514aに対して係合する位置に設けられている。
次に、コネクタ規制部材500の基板ケース200への取付状況及び基板ケース200の筐体への取付状況について説明する。
まず、基板ケース200を構成する下部ケース201及び上部ケース203の内部に遊技制御基板101を収容して封止状態とする。下部ケース201及び上部ケース203を封止状態とするには、下部ケース201の2対の係止部210に対して、それぞれ対応する上部ケース203の係合部230を係合させた後、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着する。
ワンウェイネジは、周知のように、一方向の回転によってネジを螺着することができるが、他方向に回転させようとしても回転させることができない、すなわち、そのネジを緩めることができない機能を有するネジである。このため、下部ケース201のいずれかの封止片211と上部ケース203の対応する封止片231とをワンウェイネジにて固着すると、封止片211及び封止片231のいずれか一方を破断させなければ、これらの固着を解除できないようになっている。
そして、封止片211及び封止片231を固着することにより、下部ケース201に対する上部ケース203の長手方向の移動が規制され、その結果、下部ケース201の係止部210に対する上部ケース203の係合部230の係合の解除も規制されることとなり、上部ケース201と下部ケース203は、内部に遊技制御基板101を収容した状態で一体化され、封止片211及び封止片231を破断しなければ、開放することができない状態となる。
次に、遊技制御基板101を封止状態とした基板ケース200に対して取付側部材510を取り付ける。取付側部材510は、その両側片510d、510dを外方に向かって弾性変形させ、上部ケース203の段部203bに装着する。そして弾性変形を解除することで、係止片511、511を下部ケース201の裏面における係合溝212、212に係合させることで取り付けられる。この際、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cは、それぞれ上部ケース203の段部203b上面、凹部203fの底面に当接するとともに、基片510aに設けられた切り欠き512が、上部ケース203の凹部203fに設けられた挿通孔234と一致し、これら切り欠き512及び挿通孔234を介して、基板ケース200に収容された遊技制御基板101の基板側コネクタ620aが基板ケース200内から外部に露出するようになっている。
次に、取付ベース250のビス孔252を介して取付ネジ259を筐体側の壁に螺入し、取付ベース250を筐体に対して固定するとともに、固着部材255の係止部257、257を取付ベース250の係合溝254a、254aにそれぞれ嵌入し、固着部材255を取付ベース250に対して装着する。
次に、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200を取付ベース250に対して組み付ける。詳しくは、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235をそれぞれ取付ベース250の係止孔部251、251の係止孔251a、251aに挿入した後、図8に示すように、基板ケース200を取付ベース250の側壁250b、250cの間に収容させるとともに、係止柱253の係止爪253aによって基板ケース200の他端側段部203aの上面を係止して基板ケース200を取付ベース250に仮止めする。この状態で上部ケース203の一端に設けられた4つの封止片232と取付ベース250に装着された固着部材255の固着孔256がそれぞれ対応する位置となり、この状態で、いずれかの封止片232の上方から対応する固着孔256に対して前述のワンウェイネジを螺入することで、封止片232と固着部材255とを固着する。
そして、封止片232及び封止片固着部材255を固着することにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が規制されるとともに、係止柱253によって基板ケース200の封止片232側への水平移動も規制されるので、基板ケース200の一端側に突出する係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから外すことも不可能となる。更に、この状態では、取付ベース250の底板250aのビス孔252は全て基板ケース200に被覆され、取付ネジへの259へのアクセスも不能となり、取付ベース250を筐体から取り外すことも不可能となる。このようにして、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200は、取付ベース250を介して筐体に固定され、封止片232または固着部材255を破断しなければ、基板ケース200を筐体から取り外すことができない状態となる。
また、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、図12(a)に示すように、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる。
次に、図8に示すように、基板ケース200の挿通孔234及び取付側部材510における基片510aの切り欠き512を介して露呈する遊技制御基板101の基板側コネクタ620aに対してケーブル600aのケーブル側コネクタ610aを接続した後、これら基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aを接続した状態で、図11に示すように、コネクタカバー520の被覆部521でケーブル側コネクタ610aの上方を被覆するとともに、コネクタカバー520の係止筒522を取付側部材510における係止孔部513の係止孔513aに嵌入させる。これにより係止筒522の係合部523、523は、係止孔513aの内周に当接して内方に弾性変形する。この際、係合部523、523は、被覆部521でケーブル側コネクタ610aを被覆する位置とすると、自ずと係止孔513aの内面に形成された係合溝514、514のうち浅溝部514a、514aに位置決めされることとなり、係止筒522を更に嵌入し、係合部523、523の先端の係止爪523a、523aが係合溝514、514の浅溝部514a、514aに到達することで、図10(a)に示すように、係合部523、523の内方への弾性変形が開放され、係止爪523a、523aがそれぞれ浅溝部514a、514aに係合し、係止筒522の上方への移動が規制されるとともに、被覆部521の側面521aと基板側コネクタ620a及びケーブル側コネクタ610aの側面とが当接して、係止筒522の係止孔部513に対する回転が規制されることにより、取付側部材510とコネクタカバー520とが連結し、一体化されたコネクタ規制部材500が形成された状態となる。この状態では、係合部523、523が係止孔部513によって被覆されるため、外部から係合部523、523を内方に弾性変形させることが不可能となり、コネクタカバー520または取付側部材510を破断しなければ、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すことが不可能となる。
コネクタカバー520を取付側部材510に対して取り外し不能に取り付けると、図12(a)(b)に示すように、被覆部521によってケーブル側コネクタ610aの上面の一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が規制されるようになっている。
このように、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除するには、取付側部材510またはケーブルカバー520を破断してコネクタカバー520を取付側部材510から取り外すか、基板ケース200の封止片232または固着部材255を破断して、基板ケース200を取付ベース250から取り外し、コネクタカバー520が取り付けられた状態のままの取付側部材510を基板ケース200から取り外す必要がある。
例えば、ケーブル600aの故障などによりケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合には、前者の方法で取り外し、基板の故障などにより基板ケース200ごと交換する場合には、後者の方法で取り外せば良い。
まず、ケーブル600aを交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具でコネクタカバー520の被覆部521と係止筒522とを繋ぐ接続片522aを破断する。これにより被覆部521が分離するとともに、係止筒522の係止孔部513に対する回転が可能な状態となる。この状態で、係止筒522を、上面視反時計回りに回転させることで、係合部523、523が係合溝514、514の浅溝部514a、514aから深溝部514b、514bの位置に移動し、図10(a)に示すように、係止爪523a、523aが浅溝部514a、514aに係合している状態から、図10(b)に示すように、係止爪523a、523aと浅溝部514a、514aの係合が解除された状態となる。これにより、係止筒522の上方への移動が可能となり、図10(c)に示すように、係止筒522を上方に引き抜くと、係止爪523a、523aが深溝部514b、514bに係合するが、この状態では、係合部523、523が露呈するため、内方に弾性変形させることが可能となり、係合部523、523を内方に弾性変形させることにより、係止爪523a、523aと深溝部514b、514bとの係合が解除され、係止筒522を取付側部材510から取り外すことができ、これによりコネクタカバー520が取付側部材510から完全に分離し、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、コネクタカバー520を取付側部材510から取り外すと、被覆部521と係止筒522とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
次に、基板ケース200ごと交換するにあたり、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから外す必要がある場合に、取付側部材510をコネクタカバー520ごと基板ケース200から取り外す方法について説明すると、最初に、ニッパーなどの工具で固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する。これにより、基板ケース200の封止片232側の端部における取付ベース250からの取り外し方向への移動が可能となるので、係止柱253の係止爪253aと基板ケース200の段部203eとの係合を解除する。これに伴って封止片232側への水平方向への移動も可能となるので、基板ケース200の係止片235、235を取付ベース250の係止孔251a、251aから取り外す。これにより、基板ケース200が取付ベース250から取り外され、取付側部材510の側片510d、510dを外方に変形することが可能な状態となり、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが可能となり、これによりコネクタカバー520と一体化された状態で取付側部材510を基板ケース200から取り外すことにより、コネクタカバー520によるケーブル側コネクタ610aの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除することができるようになる。
なお、この方法によっても取付側部材510を基板ケース200から取り外すためには、固着部材255と固着されている基板ケース200の封止片232を破断する必要があり、一度破断すると元の状態とはならないため、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した痕跡が残ることとなる。
また、この方法によれば、基板ケース200の封止片232が破断され、固着部材255に残るが、取付側部材510からコネクタカバー520を取り外すことなく、取付側部材510を基板ケース200から取り外せるため、交換用に遊技制御基板101が収容された新たな基板ケース200にコネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けることで、新たな基板ケース200においてケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続の解除が不能化されるとともに、新しい固着部材255を取付ベース250に装着し、コネクタカバー520が組み付けられた状態の取付側部材510を取り付けた新たな基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、再び取付側部材510の取り外しが不可能な状態となり、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続を解除した場合には、その痕跡を残せる状態となる。すなわちこのような場合には、取付側部材510とコネクタカバー520とを再利用することが可能となる。
次に、コネクタ規制部材650の詳細な構造について説明する。
図13は、コネクタ規制部材650を構成する載置台660及びカバー部材680を示す分解斜視図であり、図14は、載置台660に対してカバー部材680を組み付けた状態を示す斜視図であり、図15(a)は、図14のE−E断面図であり、図15(b)は、図14のF−F断面図である。
コネクタ規制部材650は、図13及び図14に示すように、操作部中継基板107を載置する載置台660と、載置台660を上方から被覆するカバー部材680と、から構成され、載置台660に操作部中継基板107を収容した後、操作部中継基板107の基板側コネクタ621a、622gに、それぞれに対応するケーブル600a、601gのケーブル側コネクタ611a、612gを接続した後、カバー部材680をケース体610に取り付けることで、基板側コネクタ621a、622gからのケーブル側コネクタ611a、612gの抜脱が規制される。
載置台660は、透明な合成樹脂からなり、操作部中継基板107よりも大径の略長方形状に成形されている。操作部中継基板107には、図13に示すように、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gが実装されており、載置台660の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、操作部中継基板107を載置した際に、操作部中継基板107において差し込み口が実装面と水平方向に開口する基板側コネクタ622a、622b、622c、622d〜622f、622gが位置する部位を避けて、外方に突出するように、係止孔661bを有する係止孔部661がそれぞれ1つずつ接続片661aを介して設けられている。係止孔661bの内周面には、中心を挟んで対向する位置に中心向きの係止爪661c、661cが1対形成されている。
カバー部材680は、透明な合成樹脂からなり、載置台660とほぼ同形状に成形されており、一方の長辺側には、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部681が、他方の長辺側には、作業部中継基板110の基板側コネクタ622a、622bに対応する位置に手前側に向かって膨出するカバー部688、基板側コネクタ622c、622g、622d〜622fに対応する位置に手前に向かって膨出するカバー部689がそれぞれ形成されている。
カバー部681の上面681aには、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aの長辺の長さよりも狭い、基板側コネクタ621aに接続されたケーブル600aを逃がすための切り欠き681bが外側の側面にかけて形成され、これにより、上面681aの両側端には、それぞれ被覆面681c、681が形作られる。
カバー部688には、基板側コネクタ622a、622bに接続されたケーブル612a、612bを逃がすための切り欠き682aが形成されているとともに、カバー部689には、基板側コネクタ622cに接続されたケーブル612cを逃がすための切り欠き682b、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き632c、基板側コネクタ622d〜fに接続されたケーブル612d〜fを逃がすための切り欠き682dがそれぞれ形成されている。特に、基板側コネクタ622gに接続されたケーブル612gを逃がすための切り欠き682cは、ケーブル601gの長辺の長さよりも狭幅に形成されており、その両端には、カバー部689から垂下する被覆片683、683がそれぞれ設けられている。
また、カバー部材680の長辺側の両側面、及び短辺側の一方の側面には、載置台660の係止孔部661と対応する位置に、外方に突出するように、係止孔661bの内周面とほぼ同径の係止筒684が接続片684aを介して設けられている。係止筒684の外周面には、係止孔661bの内周に設けられた1対の係止爪661cと対応する箇所にそれぞれ係止孔684が形成されており、係止爪661cが係合できるようになっている。
次に、載置台660とカバー部材680の取付状況について説明すると、まず、図13に示すように、載置台660に操作部中継基板107を載置し、基板側コネクタ621a、622a、622b、622c、622d〜622f、622gにそれぞれ対応するケーブル側コネクタ611a、612a、612b、612c、612d〜612f、612gを接続する。これらケーブル側コネクタを基板側コネクタに接続した後、カバー部材680を載置台660に対して取り付ける。
詳しくは、カバー部材680の係止筒634を載置台660の対応する係止孔部661の係止孔661bに嵌入する。そして係止筒634を係止孔661bに押し込むことにより、係止孔661b内の係止爪661cが係止筒684の係止孔684に係合する。これにより、外方から係止爪661cと係止孔684との係合を解除することが不可能な状態となり、図14に示すように、載置台660とカバー部材680とが、係止孔部661または係止筒634を破断しなければ取り外し不能に組み付けられた状態となる。
そして、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図15(a)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ621aに接続されたケーブル側コネクタ611aの両端部上面がカバー部材680の被覆部681c、681cに被覆され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ611aの基板側コネクタ621aからの抜脱が規制されるようになっている。
また、載置台660とカバー部材680とが組み付けられると、図15(b)に示すように、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gに接続されたケーブル側コネクタ612gの両端部上面がカバー部材680の被覆片683、683に被覆され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜き方向への移動が規制され、ケーブル側コネクタ621gの基板側コネクタ622gからの抜脱が規制されるようになっている。
次に、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除する際の状況について説明する。
ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除するには、ニッパーなどの工具でカバー部材680の係止筒684を繋ぐ接続片684aを破断する。これにより、カバー部材680の本体と係止筒684とが分離して、カバー部材680を載置台660から取り外すことが可能となり、カバー部材680を載置台660から取り外すことにより、被覆部681c、681cによるケーブル側コネクタ611aの抜き方向の移動の規制が解除されるとともに、被覆片683、683によるケーブル側コネクタ621gの抜き方向の移動の規制も解除されるので、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続を解除することができるようになる。
なお、カバー部材680を載置台660から取り外すと、カバー部材680の本体と係止筒684とが破断し、一度破断すると元の状態とはならないうえに、分離した係止筒684が載置台660の係止孔部661の係止孔661b内に残るため、ケーブル側コネクタ611aと基板側コネクタ621aとの接続及びケーブル側コネクタ621gと基板側コネクタ622gとの接続との接続を解除した痕跡が残ることとなる。
上記スロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められている。遊技状態としては、通常の遊技状態の他に、特別遊技状態としてのビッグボーナス、レギュラーボーナスがある。
入賞となる役の種類には、大きく分けて、特別遊技状態(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭け数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。図16(a)は、このスロットマシン1において入賞となる役の種類と可変表示装置2における図柄の組み合わせを説明する図である。
レギュラーボーナスは、通常の遊技状態またはRTにおいていずれかの入賞ラインに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常の遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したときのいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM112に設定される(次に説明するビッグボーナス中に提供された場合を含む)。
ビッグボーナス(1)は、通常の遊技状態またはRTにおいていずれかの入賞ラインに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、通常の遊技状態またはRTにおいていずれかの入賞ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
ビッグボーナスにおいては、上記したレギュラーボーナスが終了まで繰り返して提供される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM112に設定される。ビッグボーナスは、遊技者に払い出したメダルの枚数が465枚を越えたときに終了する。ここでは、1ゲーム当たりの最大払出枚数が15枚なので、ビッグボーナスにおける払出メダル枚数の上限は、480枚となる。
後述する内部抽選においてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に当選していても、リール3L、3C、3Rの全てについて「赤7」、「白7」、「BAR」が5コマ以内の間隔で配置されている訳ではないので、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはこれらの役に入賞しない場合がある。
小役1は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。小役2は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「赤7−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、12枚のメダルが払い出される。小役1と小役2には1ゲームで同時に当選となる場合があるが、小役1および/または小役2に当選しているときのリール3L、3C、3Rの停止制御については、詳細を後述する。
三択小役1は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。三択小役2は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。三択小役3は、いずれの遊技状態においてもいずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
三択小役1〜3の何れかに入賞すると、8枚のメダルが払い出される。左と中のリール3L、3Cについては「JAC」が5コマ以内の間隔でで配置されているが、右のリール3Rについては「赤7」、「白7」、「BAR」が互いに7コマ間隔で1つずつ配置されている。つまり、三択小役1〜三択小役3は、互いに同時に狙うことのできない役となっている。
リプレイは、通常の遊技状態またはRTにおいていずれかの入賞ラインに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭け数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭け数3に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。リール3L、3C、3Rの全てについて「JAC」が5コマ以内の間隔で配置されているので、リプレイに当選している場合には、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずにリプレイ入賞する。
また、入賞となる役ではないが、通常の遊技状態において可変表示装置2の何れかの入賞ライン上に「白7−ベル−ベル」の図柄組み合わせが揃うと、RT図柄の導出となる。通常の遊技状態においてRT図柄が導出された場合には、その後の200ゲームの間だけ遊技状態がRTに制御される。RTは、200ゲームを消化するまでは、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに当選しただけでは終了させられないが、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナス入賞した場合には、そこで終了させられる。
なお、通常の遊技状態以外の遊技状態(RTを含む)では、可変表示装置2の入賞ライン上に「白7−ベル−ベル」の図柄組み合わせが揃っても、改めて遊技状態がRTに制御されることはなく、遊技状態がRTにあるときにRT図柄が導出された場合には、そのまま現在のRTが継続され、現在のRTの残りゲームを消化するまで当該RTが継続するものとなる(但し、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスに入賞するまで)。
遊技状態がRTに制御されると、後述するように通常の遊技状態よりもリプレイ当選確率が高くなり、後述するATが付加されないATであったとしても、メダルの払出率が1より大きくなる(すなわち、賭け数の設定のために投入するメダルの数に対して内部抽選で当選する小役に対して払い出されることとなるメダルの数の方が大きい)。これに対して、通常の遊技状態におけるメダルの払出率は、1よりも小さく、通常の遊技状態とRT(ATが付加されないものとする)で200ゲームを行ったときのメダルの払い出し枚数の期待値の差には、小役1、小役2の1回分の入賞により払い出される12枚よりも大きな差が生じることとなる。
もっとも、仮にRT図柄を導出させるための操作手順で遊技ナビの権利が付与されていない通常の遊技状態における全てのゲームで停止ボタン12L、12C、12Rを操作したとすると、小役1に単独で当選する確率と、小役1と小役2に同時当選する確率とを考慮した場合には、小役1と小役2に同時当選してRT図柄を導出させることができるまでに、単独で当選していた小役1を取りこぼしたことにより生じた損失の期待値が、RTで200ゲームを行うことで得られる利益よりも大きなものとなる。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものである。
内部抽選では、各役について遊技状態及び設定値毎に登録されている判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、その対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113の遊技状態別当選役テーブルに登録されている。
図16(b)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において遊技状態毎に各抽選対象となる役の判定値数を登録したテーブルである。ここでは、所定の設定値のものだけを示しているが、設定値の違いに応じて微妙に異なる値が登録されている。内部抽選においては、複数の役が同時に抽選対象となる場合もある。
この遊技状態別当選役テーブルに従って、内部抽選では、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、小役1、小役2、小役1+小役2、三択小役1、三択小役2、三択小役3、リプレイの判定値数が順番に遊技状態に応じて取得される。もっとも、レギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)の遊技状態に対しては、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、小役1+2、リプレイの判定値数として0が登録されているため、これらの役に当選することはない。
通常の遊技状態またはRTでは、小役2の判定値数として0が登録されているため、小役2に単独で当選することはない。もっとも、抽選対象役として小役1+小役2が定められており、小役1+小役2に当選したときには、小役1当選フラグと小役2当選フラグの2つがRAM112に設定される。
また、通常の遊技状態またはRTでビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選が前回以前のゲームから持ち越されている場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスに新たに当選することはない。一方、このような場合にも、小役1、小役2、三択小役1、三択小役2、三択小役3、リプレイには当選し得るが、この場合には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグに重ねて、小役1、小役2、三択小役1、三択小役2、三択小役3、またはリプレイの当選フラグがRAM112に設定される。
なお、レギュラーボーナスにおける各抽選対象役の判定値数として、小役1の判定値数d1は、三択小役1〜三択小役3の判定値数の合計3gよりも大きく、三択小役1〜三択小役3の判定値数の合計3gは、小役2の判定値数eよりも大きい。通常の遊技状態またはRTにおけるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの判定値数は、それぞれa、b、cとなっているが、これらは同じ値であってもよい。
また、RTにおけるリプレイの判定値数i2は、通常の遊技状態におけるリプレイの判定値数i1よりも大きく、通常の遊技状態におけるリプレイ当選確率が約1/7.3となっているのに対して、RTにおけるリプレイ当選確率は約1/1.4となっている。リプレイ以外の他の役の当選確率は同じであるものの、このリプレイ当選確率の違いによって、通常の遊技状態とRTにおけるメダルの払出率には、上記したような関係が生じるものとなっている(通常の遊技状態とRTにおけるメダルの払出率が1より上か下かという関係は、何れの設定値においても成立する)。
次に、リール3L、3C、3Rの停止制御について説明する。可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rは、スタートレバー11が操作され、且つ前回のゲームにおけるリール3L、3C、3Rの回転開始から所定時間を経過していることを条件に、回転開始される。そして、遊技者によって停止ボタン12L、12C、12Rが操作されると、その操作タイミングからそれぞれに対応するリール3L、3C、3Rが190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(4コマの引き込み範囲内)で停止されるものとなる。
リール3L、3C、3Rの回転停止は、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されている役の図柄を入賞ライン上に揃えるように、また、190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内で当選フラグの設定されていない役の図柄を入賞ライン上に揃えないように、すなわちハズレの表示結果(RT図柄を含む)を導出させるように制御される。導出されるハズレの表示結果は、当選フラグの設定されている役が異なれば、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順(操作の順序及び各々の操作タイミング)が同じであっても、異なる表示結果とすることができる。
ここで、小役1の当選フラグが設定されているとき(小役2の当選フラグが設定されている場合を含む)には、左の停止ボタン12Lを1番目に停止操作すると、左のリール3Lについては「ベル」が最大でも7コマ間隔で配置されているので、その操作タイミングに関わらずに左のリール3Lの上中下段の何れかに「ベル」を停止させることができる。この場合は、中と右のリール3C、3Rについては「ベル」が5コマ以内の間隔で配置されているので残りのリール3C、3Rに対応した停止ボタン12C、12Rの操作手順(操作の順序及びタイミング)に関わらずに、小役1に必ず入賞させることができる。
また、小役1の当選フラグが設定されているとき(小役2の当選フラグが設定されている場合を含む)には、中の停止ボタン12Cが1番目に操作されたときにはリール3Cの中段に「ベル」が、右の停止ボタン12Rが1番目に操作されたときにはリール3Rの上段または下段に「ベル」が、それぞれの停止タイミングに関わらずに停止されるよう制御される。左の停止ボタン12Lを2番目に操作すれば、リール3Lの上段または下段に「ベル」を停止させることができるので、「ベル」が入賞ライン上にテンパイすることとなる。その後、右の停止ボタン12Rまたは中の停止ボタン12Cを3番目に操作すると、中と右のリール3C、3Rについては「ベル」が5コマ以内の間隔で配置されているので、小役1に必ず入賞させることができる。
一方、左の停止ボタン12Lを3番目に操作するものとする場合(なお、左の停止ボタン12Lが3番目に操作される場合としては一般的に右→中→左の逆押しとなる場合が多いので、実際には中→右→左の順で停止ボタン12L、12C、12Rが操作される場合も、逆押しと表現している場合がある)、中と右のリール3C、3Rについては「ベル」が5コマ以内の間隔で配置されているので、左のリール3Lが停止される前には必ず「ベル」がテンパイされていることとなる。
ここで、左の停止ボタン12Lが左のリール3Lの5番または6番の図柄が「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作された場合、その次に「ベル」(または「赤7」)の図柄が配置されているのは11番となるので、190ミリ秒の最大停止遅延時間の間に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上にまで左のリール3Lの「ベル」(または「赤7」)を引き込むことができない。
この場合、小役1の当選フラグのみが設定されている場合には、「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に左のリール3Lについて6番の「BAR」を停止させる。一方、小役1の当選フラグとともに小役2の当選フラグが設定されている場合には、「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に左のリール3Lについて9番の「白7」を引き込んで停止させる。これがRT図柄を導出することのできる唯一の条件となっている。
このように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、通常の遊技状態において停止ボタン12Lを1番目または2番目に操作する限り(一般的には、このうちで左→中→右の順押しで操作される場合が多い)、小役1に当選(小役2との同時当選を含む)していれば、これを取りこぼすことがない。一方、RT図柄を導出させるための操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作した場合には、小役1と小役2に同時当選しているときにはRT図柄を導出させることができるが、小役1にだけ当選しているときには小役1を取りこぼしてしまうこととなる。
また、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグとリプレイ当選フラグが重複して設定されているときには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に関わらずに、リプレイの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように停止制御を行う。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグと何れかの種類の小役の当選フラグが重複して設定されているときには、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの図柄を優先して入賞ライン上に揃えるように停止制御を行い、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの図柄を入賞ライン上に揃えることができない場合に、当選フラグの設定されている小役の図柄を可能な限り入賞ライン上に揃えるように停止制御を行う。
また、三択小役1〜三択小役3の何れかに当選しているときには、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順に応じて、これらの役のうちの当選しているものに入賞させることができる。ここで、左と中のリール3L、3Cについての構成図柄は、三択小役1〜三択小役3の何れについても任意の位置に停止可能な「JAC」となっているので、三択小役1〜三択小役3に入賞させることができるかどうかは、右の停止ボタン12Rの操作タイミングに応じて決まることとなる。
例えば、右の停止ボタン12Rが1番目または2番目に操作されることとすると、右のリール3Rの下段に12番〜18番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、右のリール3Rの上段または下段に「赤7」が停止されるが、「白7」及び「BAR」は停止できない。右のリール3Rの下段に5番〜11番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、右のリール3Rの上段または下段に「白7」が停止されるが、「BAR」及び「赤7」は停止できない。右のリール3Rの下段に19番、20番、0番〜4番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、右のリール3Rの上段または下段に「BAR」が停止されるが、「赤7」及び「白7」は停止できない。
右の停止ボタン12Rが3番目に操作される場合には、三択小役1〜三択小役3の何れに当選しているときも「JAC」が左と中のリール3L、3Cについて何れかの入賞ライン上にテンパイしていることとなる。この場合において、右のリール3Rの14番〜18番の図柄が「JAC」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、当該入賞ライン上に「赤7」が停止される。右のリール3Rの下段に7番〜11番の図柄が「JAC」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すれば、当該入賞ライン上に「白7」が停止される。左のリール3Lの0番〜4番の図柄が「JAC」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Rを操作すれば、左のリール3Lの上段または下段に「BAR」が停止される。
なお、上記のリール3L、3C、3Rの停止制御は、遊技状態及び当選フラグの設定状況(及び既に停止しているリールに導出された図柄)に応じて未だ停止していないリールの停止操作位置と停止位置との関係を定めた停止制御テーブルを未停止のリールについて予め作成し、停止ボタン12L、12C、12Rがそれぞれ操作されたときに、予め作成された停止制御テーブルを参照して、対応するリールの回転を停止させるものとしている。なお、停止制御テーブルでは、停止操作位置に対して停止位置が一意に定められている。
遊技制御基板101の側においては、上記のように内部抽選が行われ、その結果と停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングとに従ってリール3L、3C、3Rの回転が停止し、入賞が発生するものとなる。入賞の発生により、配当としてメダルの払い出しや遊技状態の移行が与えられるが、このように遊技制御基板101の側における遊技の進行状況に応じて、演出制御基板102の側で独自の演出が行われる。このような演出を行うためには、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101の側における遊技の進行状況を認識できなければならないが、このような遊技の進行状況に関する情報は、全てコマンドとして遊技制御基板101から演出制御基板102に送信される。
遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、少なくともBETコマンド、精算コマンド、当選状況通知コマンド、リール回転コマンド、リール停止コマンド、入賞情報コマンド、及び遊技状態コマンドが含まれている。遊技制御基板101から演出制御基板102に送信されるコマンドには、これ以外のコマンドも含まれているが、本発明に直接関わるものではないため、詳細な説明を省略している。
BETコマンドは、現在までに設定された賭け数を示すもので、遊技者の操作によりまたはリプレイゲームにより設定されている賭け数の数が1つずつ大きくなる度に送信される。この実施の形態において1ゲームを行うための賭け数は3であるので、1ゲームの開始前に3回BETコマンドが送信されることとなる。精算コマンドは、精算ボタン16の操作により未だ開始されていないゲームに対して設定された賭け数(リプレイ入賞に基づくものを除く)またはクレジットが精算されたことを示すもので、精算された賭け数またはクレジットに応じたメダルが払い出されたときに送信される。
当選状況通知コマンドは、RAM112における当選フラグの設定状況を示すもので、スタートレバー11が操作されて内部抽選が行われたときに送信される。リール回転コマンドは、リール3L、3C、3Rが回転開始するときに送信される。リール停止コマンドは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに、それぞれ送信される。入賞情報コマンドは、可変表示装置2の表示結果に応じて発生した入賞の種別やRT図柄が導出されたことを示すもので、可変表示装置2に表示結果が導出されて入賞判定が行われたときに送信される。遊技状態コマンドは、次のゲームで適用される遊技状態を示すものであり、1ゲームの終了時において送信される。
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。このような演出として、ビッグボーナスが終了した後の通常の遊技状態で小役2(小役1にも同時当選)に当選した旨を報知する遊技ナビや、遊技ナビの権利を遊技者に報知する旨を遊技者に告知するナビ告知がある。ナビ告知は、遊技状態がビッグボーナスにあるときに行われるものであり、ビッグボーナス中演出の一部である。さらに、遊技ナビに従ってRT図柄が導出された後のRTで三択小役1〜三択小役3の何れかに当選したときにその旨を告知する小役告知がある。
また、遊技ナビは、ビッグボーナス終了後の通常の遊技状態にあるゲームで遊技ナビの権利が付与されている場合に、小役1+小役2に当選したときに行われる。通常の遊技状態において小役1+小役2に当選しているときには、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを右から左の順で逆押しし、さらに左のリール3Lの5番、6番の図柄が「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作すると、RT図柄が導出され、遊技状態がRTに制御されることとなる(RTに遊技状態が制御されるのは、遊技ナビが行われたかどうかに関わらない)。
遊技ナビが行われたゲームでは、確実に小役1+小役2に当選していることが分かるので、遊技者が上記のような手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作することができるものと仮定すれば、RT図柄の導出により遊技状態をRTに移行させることができる。また、遊技ナビの行われたゲームでRT図柄を導出させた場合には、これに基づいて制御されたRTにおいて、さらに三択小役1〜三択小役3の何れかに当選していれば、その種類が告知されるATに遊技状態が制御されるものとなっている。
遊技ナビが行われていないゲームでは、小役1+小役2に当選しているかどうかは分からないが、遊技者が上記のような手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作した場合に、たまたま小役1+小役2に当選していれば、RT図柄の導出により遊技状態をRTに移行させることができる。
しかし、遊技ナビが行われていないゲームでは、小役1のみの当選であって小役1+小役2には当選していない場合の方が多く、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを逆押し操作し、停止ボタン12Lを5番または6番の図柄が「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作してしまうと、小役1に当選していたとしても、これを取りこぼしてしまうこととなる。さらに、遊技ナビが行われていないゲームでたまたま小役1+小役2に当選していてRT図柄を導出させることができたとしても、これに基づいて制御されたRTでは、遊技状態がATに制御されることはない。このように遊技ナビが行われていないゲームで停止ボタン12L、12C、12Rを逆押し操作すると、遊技者が不利益を受けてしまうこととなる。
ところで、ビッグボーナスの終了後の通常の遊技状態において遊技ナビの権利を遊技者に付与するか否かの決定は、まず、遊技状態がビッグボーナスにあるときに行われ、遊技ナビの権利を付与する旨が決定されたときには、ビッグボーナス中演出の一部としてナビ告知が行われる。ビッグボーナスの遊技状態において遊技ナビの権利を付与するか否かを決定する契機は、3種類あり、そのうちの何れの契機とするかは、ビッグボーナスの開始時に遊技者によって選択される。また、ナビ告知の態様も、この遊技者の選択によって異なるものとなっている。
すなわち、ビッグボーナスの1ゲーム目が開始される前には、液晶表示器4において3種類のキャラクタA、B、Cが一定時間ずつ切替表示され、ビッグボーナスの1ゲーム目のための賭け数を確定させる操作を遊技者が行ったタイミングでキャラクタの切替表示が停止される。ここで停止させたキャラクタの種類が、遊技ナビの権利を遊技者に付与するか否かを決定する契機となる。
キャラクタAが選択された場合、当選確率がd2/65536の小役1に当選すると、遊技ナビの権利を付与するか否かを決定するナビ抽選が行われる。ここでのナビ抽選の当選確率は、ほぼe/d2である。また、この場合のナビ抽選に当選しても、直ぐにはナビ告知は行われず、ビッグボーナスの終了時において、ビッグボーナス中演出の一部として液晶表示器4にキャラクタBの画像を表示してナビ告知が行われるものとなる。
キャラクタBが選択された場合、合計の当選確率が3g/65536の三択小役1〜三択小役3の何れかに当選すると、遊技ナビの権利を付与するか否かを決定するナビ抽選が行われる。ここでのナビ抽選の当選確率は、ほぼe/3gである。また、この場合のナビ抽選に当選した場合には、ここで三択小役1〜三択小役3の何れかに入賞していることを条件として、次のゲームのために設定される賭け数が確定したときに、ビッグボーナス中演出の一部として液晶表示器4にキャラクタBの画像を表示してナビ告知が行われるものとなる。
キャラクタCが選択された場合、当選確率がe/65536の小役2に当選すると、ナビ抽選を経ることなく100%の確率で遊技ナビの権利を付与する旨が決定される。もっとも、小役2に当選しただけではナビ告知は行われず、この小役2の当選に基づいて実際に小役2に入賞したときにビッグボーナス中演出の一部として液晶表示器4にキャラクタCの画像を表示してナビ告知が行われるものとなる。
また、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスにあるときは、それぞれのボーナスの種類に応じたボーナス中楽曲がスピーカ7L、7U、7Rから継続して出力される。ビッグボーナスにおいて出力されるボーナス中楽曲は、ビッグボーナスの1ゲーム目が開始される前に選択したキャラクタの種類に応じた楽曲となっている。また、レギュラーボーナス中楽曲は、ビッグボーナス中のボーナス中楽曲とは異なる楽曲となっている。
ボーナス中楽曲は、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスにある間は所定の音量レベルで再生されてスピーカ7L、7U、7Rから出力されるが、所定期間継続して遊技操作がされなかった場合、或いはクレジットまたは既に設定した賭け数の精算操作が行われた場合に、その出力がミュートされる。もっとも、その後に遊技を進行させるための何らかの操作が行われれば、ミュートは解除される。
なお、演出制御基板102のRAM122には、遊技制御基板101から受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況を保存するための領域が設けられている。ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスは、入賞するまで当選の持ち越される役ではあるが、演出制御基板102のCPU121は新たにボーナス当選したことを判断する必要があるため、当選状況を保存するための領域は、2ゲーム分設けられている。また、RAM122には、遊技制御基板101から受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存するための領域と、遊技制御基板101から受信した入賞情報コマンドが入賞情報を保存するための領域とが設けられている。
さらに、RAM122には、遊技ナビの権利が付与されていることを示すナビフラグを設定するための領域が設けられている。また、キャラクタAまたはキャラクタBが選択されているときにナビ抽選に当選したり、キャラクタCが選択されているときに小役2に当選した場合であっても、その時点で直ぐにナビ告知は行われないので、これらの場合において、遊技ナビの権利が付与されたことが決定されているが、未だナビ告知が行われていないことを示すA告知フラグ、B告知フラグ、C告知フラグを設定するための領域もRAM122に設けられている。さらに、RTの遊技状態においてATにも制御されていることを示すATフラグ設定するための領域もRAM122に設けられている。
以下、この実施の形態にかかるスロットマシン1における遊技動作について説明する。ここでは、まず、スロットマシン1を起動したときに実行される特別な処理について説明し、その後、スロットマシン1において各ゲームが繰り返して行われるときの処理について説明する。なお、以下の説明において“ゲーム”といった場合には、狭義には、スタートレバー11の操作からリール3L、3C、3Rを停止するまでをいうものとする。もっとも、ゲームを行う際には、スタートレバー11の操作前の賭け数の設定や、リール3L、3C、3Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。なお、以下の説明では、本発明に関わらない処理の説明が省略されている場合がある。
設定キースイッチ92をON状態とスロットマシン1を起動した場合には、設定変更モードに移行し、ここでRAM112を初期化するとともに設定スイッチ91により新たな設定値を設定し、スタートレバー11の操作により新たな設定値を確定させてから設定キースイッチ92をOFF状態とすると、次に説明するゲーム制御処理に移行するものとなる。
一方、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1を起動した場合には、RAM112のデータが壊れているかどうかを診断し、RAM112のデータが壊れていれば、RAM異常エラー処理に移行させる。RAM異常エラー処理は、第1リセットスイッチ48または第2リセットスイッチ93の操作では解除することができず、上記したように設定キースイッチ92をON状態として改めてスロットマシン1を起動し、改めて設定値を設定し直さなければ解除することができない。
RAM112のデータが壊れていなかった場合、すなわち前回のスロットマシン1の電源をOFFしたときのデータが正常なままで残っている場合には、RAM112に記憶されているデータはそのままで、次に説明するゲーム制御処理に移行するものとなる。すなわち、設定キースイッチ92をOFF状態としてスロットマシン1を起動した場合においてRAM112のデータが壊れていなければ、前回のスロットマシン1の電断時の状態から遊技が再開されるものとなる。
図17は、遊技制御基板101のCPU111が1ゲーム毎に行うゲーム制御処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS101)。
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う。(ステップS102)。BET処理においては、賭け数を設定するだけではなく、精算ボタン16の操作により、既に設定されている賭け数やクレジットを精算して、対応する数のメダルを払い出させることができる。既に賭け数が設定され、クレジットが残っているときには、1回目の精算ボタン16の操作で賭け数が、2回目の操作でクレジットが精算される。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、 ゲームを開始させるための賭け数は、3に限定されており、賭け数として3が設定されるまではスタートレバー11が操作有効とならない。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭け数が自動設定される(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。
BET処理では、また、設定されている賭け数が1増加する毎に(MAXBETボタン15の操作やリプレイ入賞後の自動設定では、3まで順次増加させられる)、設定されている賭け数を示すBETコマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。また、精算ボタン16が操作され、既に設定された賭け数またはクレジットが精算されるときには、精算コマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態及び賭け数に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS103)。抽選処理においては、遊技状態に応じて定められた抽選対象役の判定値数を抽出した乱数に順次加算していき、オーバーフローしたときの抽選対象役に当選したものと判定される。もっとも、前回以前のゲームからビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選フラグが持ち越されている状態で抽選対象役がビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスであるときにオーバーフローしても、重ねて当選となることはない。
前回以前のゲームからビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選フラグが持ち越されている状態で小役またはリプレイに当選したと判定されたときには、小役またはリプレイの当選フラグが重ねて設定される。抽選処理において当選したものと判定された抽選対象役があると、その当選フラグがRAM112に設定されるものとなる。また、抽選処理では、RAM112における当選フラグの設定状況を示す当選状況通知コマンドを、演出制御基板102に送信するものとなっている。
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行われる(ステップS104)。リール回転処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)を経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。リール3L、3C、3Rの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立すると、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とする。
その後、停止ボタン12L、12C、12Rが遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じて選択した停止制御テーブルに従ってリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。リール3L、3C、3Rの回転を停止する度に、停止したリールの種類及び図柄の種類を示すリール停止コマンドを演出制御基板102に送信するものとなっている。
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、何れかの入賞ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS105)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞した(入賞役ではないが、RT図柄の導出を含む)と判定されると、入賞した役に応じた処理が行われる。
例えば、小役に入賞したときには、入賞した小役の種類に応じた払い出し予定数を設定する。リプレイに入賞したときには、リプレイゲーム中フラグを設定する。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときには、RAM112にビッグボーナス中フラグを設定するとともに、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグを消去する。レギュラーボーナスに入賞したときには、レギュラーボーナス中フラグを設定するとともに、レギュラーボーナス当選フラグを消去する。さらに、入賞した役の種類(入賞役ではないが、RT図柄の導出を含む)を示す入賞情報コマンドを、演出制御基板102に送信するものとなっている。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS106)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、払出処理では、レギュラーボーナス中の消化ゲーム数及び入賞ゲーム数、ビッグボーナス中のメダルの払い出し総数、或いはRTの消化ゲーム数をカウントし、それぞれの終了条件となった場合に、レギュラーボーナス、ビッグボーナスやRTの遊技状態を終了させる処理も行われる。
また払出処理では、各種小役やリプレイの当選フラグを消去する処理も行われるが、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの当選フラグは、当該ゲームにおいて当該役に入賞していなければ、消去されずに次のゲームに持ち越されるものとなっている。さらに、払出処理の最後において、すなわち1ゲームの最後において、次のゲームの遊技状態を示す遊技状態コマンドが演出制御基板102に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板101のCPU111は、通常の遊技状態、レギュラーボーナス、ビッグボーナスの間で遊技状態の移行を行っており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板102に送信している。これに対して、演出制御基板102のCPU121は、遊技制御基板101から受信したコマンドに基づいて、遊技ナビ、ナビ告知、AT、ボーナス中楽曲の再生などの演出の処理を独自に行っている。以下、演出制御基板102側の制御により行われる演出の処理について説明する。
図18、図19は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS201)。遊技制御基板101から何れかのコマンドを受信すると、遊技操作タイマによる計時を0から改めて開始する(ステップS202)。そして、遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS203)。
受信したコマンドの種類がステップS102で送信されたBETコマンドであった場合には、前回のゲームでリプレイ入賞していた場合を除いて遊技者によりゲームを進行させるための操作が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS204)。リプレイ入賞に基づいて賭け数が自動設定された場合は、遊技者の操作によるものとは言えないが、この処理は、前回のゲームで第3停止ボタンが操作されたタイミングとほとんど変わらないタイミングで行われるため、特に問題はない。
次に、受信したBETコマンドが賭け数として1が設定されたことを示しているかどうかを判定する(ステップS205)。賭け数として既に2または3が設定されたことを示していれば、そのままステップS201の処理に戻る。賭け数として1が設定されたことを示していれば、前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、これから開始するゲームがビッグボーナスの開始ゲームとなるかどうかを判定する(ステップS206)。
ビッグボーナスの開始ゲームであれば、ステップS251(後述)で開始されて液晶表示器4にて行われているキャラクタA、B、Cの切替表示を停止する(ステップS207)。そして、停止したキャラクタの種別を示す情報をRAM122に保存する(ステップS208)。さらに、このキャラクタの種別に対応したビッグボーナスにおけるボーナス中楽曲の再生を開始させる。こうして再生されたボーナス中楽曲がスピーカ7L、7R、7Uから出力開始されることとなる(ステップS209)。そして、ステップS201の処理に戻る。
これから開始するゲームがビッグボーナスの開始ゲームでなければ、前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、これから開始するゲームがレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含まず)の開始ゲームとなるかどうかを判定する(ステップS210)。レギュラーボーナスの開始ゲームであれば、レギュラーボーナスに対応したボーナス中楽曲の再生を開始させる。こうして再生されたボーナス中楽曲がスピーカ7L、7R、7Uから出力開始されることとなる(ステップS211)。そして、ステップS201の処理に戻る。
これから開始するゲームがレギュラーボーナスの開始ゲームでもなければ、キャラクタBの選択でナビ抽選に当選して、RAM122にB告知フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS212)。B告知フラグが設定されていれば、前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した入賞情報を参照して、前回のゲームで三択小役1〜三択小役3の何れかに入賞したかどうかを判定する(ステップS213)。
前回のゲームで三択小役1〜三択小役3の何れかに入賞していれば、キャラクタBによる演出で液晶表示器4にてナビ告知を行って、遊技ナビの権利が付与されたことを遊技者に報知する(ステップS214)。そして、ステップS215の処理に進む。前回のゲームで三択小役1〜三択小役3の何れにも入賞していなければ、遊技者に対して遊技ナビの権利は付与されているものの、可変表示装置2の表示結果からはこれが分からないので、ナビ告知は行わずにステップS215の処理に進む。
ステップS215では、RAM122に設定されているB告知フラグを消去するとともに、ビッグボーナスの終了後の通常の遊技状態において遊技ナビが行われる権利が遊技者に付与されたこととなるので、RAM112にナビフラグを設定する。そして、ステップS201の処理に戻る。ステップS212でB告知フラグが設定されていなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS103で送信された当選状況通知コマンドであった場合には、遊技者によりゲームを進行させるための操作(スタートレバー11の操作)が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS216)。次に、受信した当選状況通知コマンドが示す当選状況(すなわち、今回のゲームにおける当選フラグの設定状況)をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS217)。
次に、前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態がRTであるかどうかを判定する(ステップS218)。今回のゲームにおける遊技状態がRTであれば、RAM122にATフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS219)。ATフラグが設定されていれば、RAM122に保存した当選状況を参照して、三択小役1〜三択小役3の何れかに当選しているかどうかを判定する(ステップS220)。
三択小役1〜三択小役3の何れかに当選していれば、三択小役1〜三択小役3の何れかのうちの当選しているものの種類に応じた情報を液晶表示器4に表示して、遊技者に報知する(ステップS221)。そして、ステップS201の処理に戻る。ステップS219でATフラグが設定されていなかった場合、或いはステップS220で三択小役1〜三択小役3の何れにも当選していなかった場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
今回のゲームにおける遊技状態がRTでなければ、RAM122のATフラグを消去する。もっとも、そもそもATフラグがRAM122に設定されていない場合には、その状態が維持されるだけである(ステップS222)。次に、さらに前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であるかどうかを判定する(ステップS223)。今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であれば、RAM122にナビフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS224)。ナビフラグが設定されていれば、RAM122に保存した当選状況を参照して、小役1+小役2に当選しているかどうかを判定する(ステップS225)。
小役1+小役2に当選していれば、その旨を示す情報を液晶表示器4に表示して、遊技者に報知する(ステップS226)。遊技者は、この情報に従って停止ボタン12L、12C、12Rを逆押しし、しかも停止ボタン12Lを5番または6番の図柄が「ベル」のテンパイする入賞ライン上に位置するタイミングで操作すれば、可変表示装置2にRT図柄を導出させることができる。そして、ステップS201の処理に戻る。ステップS224でナビフラグが設定されていなかった場合、或いはステップS225で小役1+小役2に当選していなかった場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態でもなければ、さらに前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスであるかどうかを判定する(ステップS227)。今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスでもなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスであれば、ステップS208で保存したキャラクタの種別がキャラクタAであって、且つRAM122に保存した当選状況が今回のゲームで小役1に当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS228)。キャラクタの種別がキャラクタAで、小役1に当選している場合には、当選確率が約e/d2の乱数抽選によるナビ抽選を行い(ステップS229)、その結果として遊技者に遊技ナビの権利を付与する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS230)。遊技者に遊技ナビの権利を付与する旨が決定された場合には、RAM122にA告知フラグを設定して(ステップS231)、ステップS201の処理に戻る。遊技者に遊技ナビの権利を付与しない旨が決定された場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
キャラクタの種別がキャラクタAでないか、当選状況通知コマンドが小役1に当選していることを示しているのでもない場合には、ステップS208で保存したキャラクタの種別がキャラクタBであって、且つRAM122に保存した当選状況が三択小役1〜三択小役3の何れかに当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS232)。
キャラクタの種別がキャラクタBで、三択小役1〜三択小役3の何れかに当選している場合には、当選確率が約e/3gの乱数抽選によるナビ抽選を行い(ステップS233)、その結果として遊技者に遊技ナビの権利を付与する旨が決定されたかどうかを判定する(ステップS234)。遊技者に遊技ナビの権利を付与する旨が決定された場合には、RAM122にB告知フラグを設定して(ステップS235)、ステップS201の処理に戻る。遊技者に遊技ナビの権利を付与しない旨が決定された場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
キャラクタの種別がキャラクタBでないか、当選状況通知コマンドが三択小役1〜三択小役3の何れにも当選していることを示しているのでもない場合には、ステップS208で保存したキャラクタの種別がキャラクタCであって、且つRAM122に保存した当選状況が小役2に当選していることを示しているかどうかを判定する(ステップS236)。キャラクタの種別がキャラクタCで、小役2に当選している場合には、RAM122にC告知フラグを設定して(ステップS237)、ステップS201の処理に戻る。キャラクタの種別がキャラクタCでないか、小役2に当選していることを示していない場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS104で送信されたリール停止コマンドであった場合には、遊技者によりゲームを進行させるための操作(停止ボタン12L、12C、12Rの操作)が行われたことになるので、スピーカ7L、7R、7Uからの音声出力がミュートされていれば、これを解除する(ステップS238)。そして、ステップS201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS105で送信された入賞情報コマンドであった場合には、受信した入賞情報コマンドが示す入賞情報をRAM122の所定の領域に保存する(ステップS239)。次に、前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であるかどうかを判定する(ステップS240)。
今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態であれば、RAM122に保存した入賞情報がRT図柄が導出された旨を示しているかどうかを判定する(ステップS241)。RT図柄が導出された旨を示していなければ、そのままステップS201の処理に戻る。RT図柄が導出された旨を示していれば、さらにRAM122にナビフラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS242)。ナビフラグが設定されていなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
ナビフラグが設定されていれば、今回のゲームでは遊技ナビが行われており、遊技者がこれに従って停止ボタン12L、12C、12Rを操作した結果として可変表示装置2にRT図柄が導出されていたということになる。この場合には、RAM122に設定されているナビフラグを消去するとともに、ここで導出されたRT図柄に基づくRTでは、演出制御基板102の側でATに遊技状態が制御されることとなるので、RAM122にATフラグを設定する(ステップS243)。そして、ステップS201の処理に戻る。
今回のゲームにおける遊技状態が通常の遊技状態でなければ、さらに前回のゲームのステップS249(後述)でRAM122に保存した遊技状態を参照して、今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスであるかどうかを判定する(ステップS244)。今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスであれば、RAM112にC告知フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS245)。C告知フラグが設定されていれば、RAM122に保存した入賞情報が小役2の入賞を示しているかどうかを判定する(ステップS246)。
小役2に入賞していれば、キャラクタCによる演出で液晶表示器4にてナビ告知を行って、遊技ナビの権利が付与されたことを遊技者に報知する(ステップS247)。さらに、RAM122に設定されているC告知フラグを消去するとともに、RAM122にナビフラグを設定する(ステップS248)。そして、ステップS201の処理に戻る。今回のゲームにおける遊技状態がビッグボーナスでなかった場合、RAM122にC告知フラグが設定されていなかった場合、或いは小役2に入賞していなかった場合には、そのままステップS201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS106で送信された遊技状態コマンドであった場合には、RAM122の2ゲーム分の遊技状態の保存領域に保存されていた遊技状態をシフトし(前々回のゲームで受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態は、追い出される)、今回のゲームで受信した遊技状態コマンドが示す遊技状態を保存する(ステップS249)。
次に、RAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、次のゲームからビッグボーナスが開始するのであるかどうかを判定する(ステップS250)。次のゲームからビッグボーナスが開始するのであれば、液晶表示器4にキャラクタA、キャラクタB、キャラクタCを一定期間ずつ切り替えて表示させるキャラクタ切り替え表示を開始させる(ステップS251)。そして、ステップS201の処理に戻る。
次のゲームからビッグボーナスが開始するのでなければ、さらにRAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、今回のゲームでビッグボーナスが終了するのであるかどうかを判定する(ステップS252)。今回のゲームでビッグボーナスが終了するのであれば、これまでの遊技状態がビッグボーナスであったということなので、ボーナス中楽曲が再生されている。そこで、このボーナス中楽曲の再生を停止し、ミュートされてなくてもスピーカ7L、7U、7Rから出力されないようにする(ステップS253)。
次に、キャラクタAの選択でナビ抽選に当選して、RAM122にA告知フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップS254)。A告知フラグが設定されていれば、キャラクタAによる演出で液晶表示器4にてナビ告知を行って、遊技ナビの権利が付与されたことを遊技者に報知する(ステップS255)。さらに、A告知フラグを消去するとともに、RAM122にナビフラグを設定する(ステップS256)。そして、ステップS201の処理に戻る。A告知フラグも設定されていなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
今回のゲームでビッグボーナスが終了するのでなければ、さらにRAM122に保存した2回分の遊技状態を参照して、今回のゲームでレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供されたものを含まず)が終了するのであるかどうかを判定する(ステップS257)。今回のゲームでレギュラーボーナスが終了するのであれば、これまでの遊技状態がレギュラーボーナスであったということなので、ボーナス中楽曲が再生されている。そこで、このボーナス中楽曲の再生を停止し、ミュートされてなくてもスピーカ7L、7U、7Rから出力されないようにする(ステップS258)。今回のゲームでレギュラーボーナスが終了するのでなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
受信したコマンドの種類がステップS102で送信された精算コマンドであった場合には、遊技者により精算ボタン16が操作され、次のゲームのために設定した賭け数(リプレイ入賞に基づくものを除く)またはクレジットが精算されている。この場合には、遊技者が遊技を中断したものと考えられるが、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス中である場合もあり得る。この場合は、ボーナス中楽曲が再生されているので、この音声が大音量のままスピーカ7L、7R、7Uから出力されないように、音声の出力をミュートする(ステップS259)。
ここで、例えば、クレジットを用いて賭け数が設定されたような場合には、1回目の精算ボタン16の操作で賭け数だけが精算され、このときに送信される精算コマンドによりボーナス中楽曲の出力がミュートされている。2回目の精算ボタン16の操作でクレジットまでを精算したときに精算コマンドが送信されても、ボーナス中楽曲の出力がミュートされた状態が続くだけである。未だ賭け数が設定されていない状態で精算ボタン16が操作されたときには、ここで送信される精算コマンドにより、ボーナス中楽曲の出力がミュートされる。そして、ステップS201の処理に戻る。
また、受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS260)。ここでの処理については、本発明と関係がないので、詳細な説明を省略する。その後、ステップS201の処理に戻る。
また、ステップS201においてコマンドを受信していないと判定した場合には、遊技操作タイマが所定時間の経過を計時したかどうかを判定する(ステップS261)。所定時間の経過を計時していれば、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス中であって、ボーナス中楽曲が再生されている場合もあるので、この音声が大音量のままスピーカ7L、7R、7Uから出力されないように、音声の出力をミュートする(ステップS262)。そして、ステップS201の処理に戻る。遊技操作タイマが所定時間の経過を計時していなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、通常の遊技状態において可変表示装置2にRT図柄が導出されることにより、メダルの払出率が1を越え、遊技者にとって有利なものとなるRTに遊技状態が制御される。RT図柄は、通常の遊技状態において小役1+小役2に当選したときに、停止ボタン12L、12C、12Rを逆押しで操作し、且つ左のリール3Lよりも先に停止しているリール3C、3Rについて「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に5番または6番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作することを条件として、導出させることができる。もっとも、小役1+小役2に当選していなければ、小役1のみに当選している場合を含めて、上記のRT図柄を導出させるための操作手順と同じ操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作しても、RT図柄が導出されることはない。
また、可変表示装置2にRT図柄が導出されたと言うことは、小役1または小役2を取りこぼしたということであり、遊技者は、小役1または小役2に入賞した場合の12枚分のメダルを喪失したことになるが、これによって制御される200ゲームのRTで得られる利益は、喪失したメダル12枚分よりも大きなものとなっている。一方、停止ボタン12L、12C、12Rを逆押しせずに、左の停止ボタン12Lを1番目または2番目に操作すれば、小役1に当選している限り(小役2にも同時に当選している場合を含む)、停止ボタン12L、12C、12Rの各々の操作タイミングに関わらずに、必ず小役1に入賞することとなり、遊技者は、メダル12枚分の利益を確実に得ることができる。
ここで通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されているときには、小役1+小役2に当選すると、その旨を特定可能な情報が液晶表示器4に表示されるので、遊技者は、報知された情報に従って停止ボタン12L、12C、12Rを逆押しで操作し、且つ左のリール3Lよりも先に停止しているリール3C、3Rについて「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に5番または6番の図柄が位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作することができる。この操作にミスがないことを前提とすれば、小役1+小役2の当選を示す情報が報知されれば、遊技者の選択により確実にRTに遊技状態を制御させることができる。遊技ナビの権利が付与されているときのRT図柄の導出に基づくRTでは、さらに遊技状態がATに制御され、入賞させるための手順が排他的な三択小役1〜三択小役3の何れかに当選したときには、その種類が告知されるものとなる。
一方、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときには、小役1+小役2に当選しても、遊技者にはこれが分からないが、このような場合でも実際に小役1+小役2に当選していさえいれば、上記と同様の停止操作を行うことでRT図柄を導出させ、RTに遊技状態を制御させることもできる。このように通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていなくても、小役1+小役2に当選していたならばRT図柄を導出させることのできる操作手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作すれば、RTに遊技状態を制御させるチャンスはある。
しかし、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときにこのような停止操作をした場合に実際には小役1+小役2に当選していないと、小役1には単独で当選していたとしても、これを必ず取りこぼしてしまうという不利益が生じることとなる。さらに、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときにこのような停止操作をすることで偶然にRT図柄を導出できたとしても、これに基づいて制御されるRTでは、ATの権利が付与されないという不利益も生じることとなる。
つまり、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときには、単独当選した小役1を取りこぼす虞があることやRTにおいてATが付加されないという不利益があることを甘受しつつRT図柄の導出に挑戦するか、RT図柄の導出にチャレンジせずに小役1の取りこぼしを防いで12枚のメダルを確実に得るかというように遊技に戦略性が生じるので、遊技の興趣を向上させることができる。
もっとも、通常遊技状態において遊技ナビの権利が付与されているときには、RT図柄を導出させるための操作手順を行えることを前提とすれば遊技者に不利益となることがない(小役1または小役2の取りこぼしにより短期的に損失が生じるが、RTにおいてその損失以上の利益を得ることができる)ので、RT図柄の導出によりRTに遊技状態を制御させる仕様が無駄になってしまうことがない。また、当該RTではATも付加されるので、RT図柄を導出させるための操作手順をしようという動機付けにもなる。
一方、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときには、小役1+小役2に当選しても報知されないが、この場合に遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを順押しするなど、左の停止ボタン12Lを3番目に操作しない限り、必ず小役1に入賞することとなる。通常の遊技状態では、小役1に単独で当選することもあり、この場合も順押し等の操作手順では、必ず小役1に入賞することとなる。しかも、小役1の単独の当選確率の方が、小役1+小役2の当選確率よりも高い。これにより、遊技ナビの権利が付与されてないときに小役1に入賞した場合に、可変表示装置2の表示結果から小役1+小役2に当選していたことが遊技者に察知されることがなくなる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1を含めたスロットマシン全般において、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作する際に最も多く採用する操作順序は、左→中→右の順で操作する順押しである。停止ボタン12L、12C、12Rを順押ししている限りは、小役1に単独当選したときにこれを取りこぼすことがないので、遊技者が普段通りに停止操作を行っているうちに、意図せずに小役1の取りこぼしという不利益が与えられてしまうことがない。
また、遊技ナビの権利が付与されていないときでもRT図柄を導出することができたとすると(RTにATが付加されないこととなる)、当該1回のゲームでの小役1または小役2の取りこぼしにより生じた損失よりも、その後のRTで遊技者が得られる利益は大きくなる。もっとも、小役1に単独当選する場合の当選確率と、小役1+小役2に当選する場合の当選確率を考えると、遊技ナビの権利が付与されていないときにおいてRT図柄が導出されるまでに単独当選した小役1を取りこぼした損失の合計の期待値は、その後のRTで得られる利益よりも大きくなってしまう。このため、ハイリスク・ハイリターンか、ローリスク・ローリターンかを選択する戦略性が生じるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときに停止ボタン12L、12C、12Rを逆押し操作し、5番または6番の図柄が「ベル」のテンパイする入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作した場合において遊技者に生じる不利益は、小役1に単独で当選していたとしてもこれを取りこぼすというものを含んでいる。つまり、可変表示装置2の表示結果で遊技を進めるというスロットマシン本来の遊技性による制御で、このような場合に遊技者に不利益を与えることができるものとなる。
さらに、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されていないときに停止ボタン12L、12C、12Rを逆押し操作し、5番または6番の図柄が「ベル」のテンパイする入賞ライン上に位置するタイミングで停止ボタン12Lを操作した場合において遊技者に生じる不利益は、仮に小役1+小役2に当選していてRT図柄が導出されたとしても、これに基づくRTではATが付加されないということが含まれている。これにより、遊技ナビの権利が付与されていない場合にこのような停止操作を行うことの有効性が小さくなるので、遊技ナビの権利の付与をいっそう特別なものとして遊技者に認識させることが可能となる。
ところで、ビッグボーナスの終了後の通常の遊技状態のゲームにおいて、小役1と小役2に同時に当選したときに、その旨を示す情報を遊技者に報知する遊技ナビの権利を遊技者に付与するかどうかは、直前のビッグボーナスに制御されているときにおいて決定されるものとなっている。
ここで、ビッグボーナスの1ゲーム目が開始される前には、液晶表示器4にてキャラクタA〜Cが順次切替表示されており、遊技者の賭け数設定操作によってビッグボーナスの1ゲーム目のための賭け数が確定すると、その時点で表示されているキャラクタの種類が、遊技ナビの権利が付与されたときにこれを告知するナビ告知に適用されるキャラクタの種類ということになる。また、ビッグボーナスにおいて再生/出力されるボーナス中楽曲も、このキャラクタの種類に応じて異なるものとなる。このように賭け数の設定タイミングによるキャラクタの種類の選択でビッグボーナス中の演出の内容が変わるので、キャラクタの種類の選択に対する面白味が増すこととなる。
また、ビッグボーナスの終了後の通常の遊技状態において遊技ナビの権利を遊技者に付与するかどうかを該ビッグボーナスに制御されているときに決定する契機は、キャラクタAを選択したときには小役1の当選、キャラクタBを選択したときには三択小役1〜三択小役3の何れかの当選、キャラクタCを選択したときには小役2の当選と、選択したキャラクタの種類に応じて異なっている。また、それぞれの契機でナビを行う旨が決定される確率も、e/d2、e/3g、1(=e/e)と異なっている。
もっとも、各役の当選確率を考慮すれば、ビッグボーナスの終了までに遊技ナビの権利を付与する旨が決定される確率は、何れの種類のキャラクタを選択しても実質的に同じである。このようにビッグボーナスの開始時におけるキャラクタの選択は、単なる演出だけではなく遊技の進行そのものに影響するので、遊技者の遊技に対する介入感を高めさせ、これによって遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、ビッグボーナスにおいて遊技ナビの権利を付与する旨が決定されたときには、これを遊技者に報知すべくナビ告知が行われることとなるが、ナビ告知が行われるタイミングも、キャラクタAを選択したときにはビッグボーナスの終了時、キャラクタBを選択したときには次のゲームのための賭け数を設定したとき、キャラクタCを選択したときには小役Cの入賞で即座にと、選択したキャラクタの種類に応じて異なっている。このようにビッグボーナスの開始時におけるキャラクタの選択は、遊技ナビの権利を付与する旨が決定されたときに行われるナビ告知のタイミングにも違いを生じさせるので、キャラクタの種類の選択に対する面白味をさらに増すことができるものとなる。
また、RT図柄の導出により制御されるRTの継続ゲーム数は200ゲームと定められているが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞しない限り、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に内部抽選に当選しただけではRTが終了しない。このため、200ゲームというRTの利益を遊技者の関与なしに失わないで済むこととなる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスにあるときにはボーナス中楽曲が継続して再生される。ボーナス中楽曲は、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに制御されている限りは、ゲーム中もゲームとゲームの間においても途切れることなく再生され、スピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとなる。もっとも、遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに制御されていても、所定時間遊技者により遊技操作(賭け数の設定操作、スタート操作)が行われていない場合には遊技者が遊技を中断しているものと考えられるので、スピーカ7L、7R、7Uからの出力がミュートされる。
また、遊技者により遊技操作がされないまま所定時間を経過する前であっても、ゲームとゲームの間において遊技者により精算ボタン16が操作され、次のゲームのために設定された賭け数またはクレジットが精算されたときには、遊技者が遊技を中断したものと考えられ、スピーカ7L、7R、7Uからの出力がミュートされる。これにより、遊技が中断されているのにボーナス中楽曲が大音量でスピーカ7L、7R、7Uから出力され続けて、周囲の遊技者に迷惑をかけてしまうということがなくなる。
また、この実施の形態にかかるスロットマシン1においては、取付側部材510とコネクタカバー520とからなるコネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けることで、当該基板ケース200に収容された遊技制御基板の基板側コネクタ620aとケーブル側コネクタ610aとの抜脱が規制されるとともに、この状態で基板ケース200を取付ベース250に取り付けて固着部材255と封止片232とを固着することで、基板ケース200からのコネクタ規制部材500の取り外しが規制されることになり、基板ケース200の封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除しなければ、基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを抜脱できない状態となる。すなわち封止片232の破断という痕跡を残さなければケーブル側コネクタ610aを抜脱することができない状態となり、痕跡を残さずに打ち込み器具などの不正器具を接続することができなくなるため、不正が行われた可能性があることを確実に発見することができるようになる。
また、故障などにより遊技制御基板101を収容した基板ケース200ごと遊技制御基板101を交換する場合には、封止片232を破断して基板ケース200と筐体(取付ベース250)との固着を解除すれば、コネクタ規制部材500を基板ケース200から取り外してケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aから抜脱可能となるため、無駄にコネクタ規制部材500を破壊したり、基板ケース200を破壊して開封することなく基板側コネクタ620aからケーブル側コネクタ610aを分離させることができる。
また、コネクタ規制部材500を取付側部材510とコネクタカバー520とから構成し、取付側部材510を基板ケース200に取り付けた後、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その状態で基板側コネクタ620aの一部を上方から被覆するようにして取付側部材510に取り付けることによって、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aからの抜脱が不能化されるようになっており、ケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続した後、基板側コネクタ620aの周辺に位置する取付側部材510の係止孔部513の係止孔513aにコネクタカバー520の係止筒522を嵌入し、コネクタカバー520を取付側部材510に取り付けるのみで、コネクタカバー520によりケーブル側コネクタ610aの一部が被覆され、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向への移動が規制されるので、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を軽減できる。
また、遊技制御基板101が基板ケース200に収容された状態であっても、そのままの状態でケーブル側コネクタ610aを基板側コネクタ620aに接続し、その後コネクタカバー520を取り付けるのみで良く、このような場合には、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を規制するにあたり、その組み付け作業を一層効果的に軽減できる。
また、コネクタカバー510は、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分全体を被覆するのではなく、ケーブル側コネクタ610aの抜き方向側の一部のみを被覆する構成であるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制できるばかりでなく、コネクタカバー510の製造に必要な材料が少なく済む。
また、コネクタカバー520が取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられるが、コネクタカバー520の一方の側壁には、取付側部材510の基片510aの表面に当接するリブ521b、521bが形成されており、コネクタカバー520の移動が規制されるため、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を確実に規制することができる。
また、取付側部材510の基片510aから延設される両端部には、内向きの係止部511、511がそれぞれ形成されており、係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200に組み付けて基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるようになっているため、コネクタ規制部材500を基板ケース200に取り付けるにあたり、ネジやピンなどの他の部材を用いることなく取り付けることができるので、部品点数を削減できる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510を基板ケース200に取り付けた際に、取付側部材510の基片510a、上片510c、510cの基板ケース200に対する対向面が上部ケース203における段部203bの上面及び凹部203fの底面にそれぞれ当接するようになっており、コネクタ規制部材500と基板ケース200の表面との間に不正部品などが取り付けられることを効果的に防止することができる。
また、コネクタ規制部材500を構成する取付側部材510及びコネクタカバー520は、ともに透明な合成樹脂材にて構成されているため、基板ケース200内の視認性がコネクタ規制部材500により損なわれることがないので、遊技制御基板101の監視に支障をきたすことがない。また、コネクタ規制部材500と基板ケース200との隙間に不正部品が取り付けられた場合でも容易に発見することが可能となる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続、すなわち遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続についてこれらコネクタ同士の接続の解除を、コネクタ規制部材500及びコネクタ規制部材650によって規制するようになっている。これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続を解除するためには、基板ケース200の封止片232やコネクタカバー520の接続片522a、カバー部材680の接続片684aを破断しなければならず、これにより、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ接続が1つでも解除されると、その痕跡が残るとともに、その痕跡を消すことはきわめて困難であるため、上記不正行為をより効果的に抑制することができる。
また、遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間に中継基板が1つのみであるが、複数の中継基板を経由する場合には、その間に存在するコネクタ接続全てについて抜脱を規制することが好ましく、このようにすることで遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のいずれかのコネクタを不正な打ち込み器具等のコネクタに差し替えて接続し、遊技制御基板101の遊技制御部110にゲームの進行に関わる信号を不正に入出力させるといった不正行為を行うことが困難となるため、不正営業の実施等を効果的に防止できる。
また、ゲームの進行に応じて遊技制御基板101に対して信号を入力する第1の電子部品45、46、41、42L、42C、42R、44、3SL、3SC、3SR、81及びゲームの進行に応じて遊技制御基板101から信号が出力される第2の電子部品3ML、3MC、3MR、82のうち、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制している。すなわちその信号がなければ遊技を進行させることができない投入メダルセンサ44(投入メダルセンサ44からの信号が入力されなければ賭数を設定できずゲームを開始することが不可能となる)と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制しており、他の電子部品と遊技制御基板101との間でコネクタ同士の接続を解除して打ち込み器具のコネクタに差し替えた場合でも、実質的に遊技を自動的にゲームを進行させることができなくなるため、最小限の規制で不正行為を防止することが可能となり、これらコネクタ同士の接続を解除するための部品点数を減らすことができる。
また、遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、遊技制御基板101と操作部中継基板107との間では1本のケーブル600aで接続されているため、遊技制御基板101の基板側コネクタ610aとケーブル側コネクタ620aとのコネクタ接続、すなわち1カ所のコネクタ接続のみ接続の解除を規制することで、複数の信号線同士の接続の解除を規制することが可能となり、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
遊技制御部110とゲームの進行上必要な信号の入出力が行われる複数の電子部品とを接続する複数の信号線が、複数のケーブルを介して接続される場合でも、基板側コネクタを近接する位置に配置するとともに、1つの部品でこれら複数の基板側コネクタと複数のケーブル側コネクタとの接続の解除を規制することで、これらコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御基板101と操作部中継基板107とを接続するケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続の解除、操作部中継基板107と投入メダルセンサ44とを接続するケーブル601gのケーブル側コネクタ612gと操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとの接続の解除が、1つのコネクタ規制部材650によって、同時に規制されるので、これら複数のコネクタ接続の解除を規制するための部品を複数用意する必要がなく、これらの部品点数を削減できる。
また、遊技制御部110のバックアップ電源が、遊技制御基板101からケーブル600a−操作部中継基板107−ケーブル601g−投入メダルセンサ44−ケーブル601g−操作部中継基板107−ケーブル600aを経由した後、遊技制御部110に供給されるようになっており、スロットマシン1に対する電力供給が遮断されている状態で、遊技制御基板101の基板側コネクタ620aとケーブル600aのケーブル側コネクタ610aとの接続、ケーブル600aのケーブル側コネクタ611aと操作部中継基板107の基板側コネクタ621aとの接続、操作部中継基板107の基板側コネクタ622gとケーブル601gのケーブル側コネクタ612gとの接続、のいずれかの接続を解除することで、バックアップ電源の供給ラインが切断され、遊技制御部110のRAM112のデータを保持できず、消失することとなる。すなわち遊技制御基板101と投入メダルセンサ44との間のコネクタ同士の接続が1カ所でも解除されると、遊技制御部110のRAM112に保持されているバックアップデータが消失するようになっている。
一方、打ち込み器具などの不正器具を接続するには、コネクタの抜き差しが必要となるが、打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技状態を設定しても、正規のコネクタと交換するためにコネクタの接続を解除することでRAM112のデータが初期化されてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、取付側部材510の係止部511、511を外方に弾性変形させた状態で、基板ケース200の裏面に形成された係止溝514、514に係合させることで、取付部材510が基板ケース200に取り付けられるとともに、取付側部材510が取り付けられた基板ケース200が取付ベース250(筐体)に対して取り外し不能に固定されると、取付側部材510の側片510d、510dが取付ベース250の側壁250b、250cの内面に当接し、狭持されて取付側部材510の両側片510d、510dの外方への変形が規制されるため、取付側部材510を基板ケース200から取り外すことが不可能となる構成となっていた。
これに対して、例えば、取付側部材の一部を基板ケース200の裏面でネジや取り外し可能な係止ピンで固定するとともに、基板ケース200を筐体(取付ベース)に取り外し不能に取り付けた際に、これらネジや係止ピンが隠蔽される構造とし、基板ケース200を筐体に対して取り付けることで、取付側部材の基板ケース200からの取り外しが規制される構成としてもよい。また、これ以外にも、取付側部材を基板ケース200に取り付けた状態で、基板ケース200を筐体に対して固着した後、取付側部材が基板ケース200から取り外せなくなる構成であれば、どのような構成を採っても良い。
上記の実施の形態では、コネクタカバー520は、取付側部材510に対して1カ所の係止筒522のみで取り付けられていた。この構成は、コネクタカバー520及び取付側部材510の構造を簡素化できるという点では好ましい。これに対して、コネクタカバー520に係止筒522を複数箇所設けるとともに、取付側部材510にもそれぞれ対応する箇所に係止孔513aを設け、コネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けるようにしてもよい。このようにすることで、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱をより強固に規制することができる。さらに、この場合には、ケーブル側コネクタ610aと基板側コネクタ620aとの接続部分を跨ぐ複数箇所でコネクタカバー520を複数箇所で取付側部材510に対して取り付けることが好ましく、このようにすれば、ケーブル側コネクタ610aの基板側コネクタ620aに対する抜脱を更に強固に規制することができる。
上記の実施の形態では、投入メダルセンサ44と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制していた。これに対して、スタートスイッチ41と遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。また、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものであれば、ストップスイッチ42L、42C、42Rのいずれかと遊技制御基板101との間のコネクタ接続のみコネクタ規制部材を設けてコネクタ同士の接続の解除を規制するようにしてもよい。これらの場合も、上記した実施の形態と同様の効果が得られる。
上記の実施の形態では、バックアップ電源が、遊技制御基板101から投入メダルセンサ44を経由して再度遊技制御基板101に戻り、遊技制御部110に対して供給されることで、この間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失するようになっていた。これに対して、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品(例えば、スタートスイッチ41や、リールの回転開始後、リールの停止操作がなされるまでリールが停止する構成でないものにおけるストップスイッチ42L、42C、42Rなど)を経由するものであっても、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
また、バックアップ電源を蓄積するコンデンサや電池などを、ゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品の取付基板やこれら電子部品の中継基板(操作部中継基板107など)に搭載し、これら取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからのバックアップ電源の供給ラインが、電子部品の信号線とともにケーブルを介して遊技制御基板に接続され、遊技制御部110に対して供給されるようにしてもよい。この場合でも、これら取付基板や中継基板と遊技制御基板101との間のコネクタ接続が解除された場合にRAM112のデータが消失することとなるため、上記と同様の効果を得られるうえに、遊技制御基板101には取付基板や中継基板に搭載されたコンデンサや電池などからケーブルを介してバックアップ電源が供給されることとなるため、ケーブルを抜いた際に遊技制御部110に対してバックアップ電源を供給し続けるためには、基板間を跨いでバックアップ電源の供給ラインを短絡させる必要があり、バックアップ電源を供給し続けた状態でコネクタ接続を解除することが非常に困難となるため、打ち込み器具の接続を効果的に防止することができる。
また、例えば、停電時においても常に特定の信号を出力する信号出力回路を搭載するとともに、停電時においても常に特定の信号を検出するとともに、特定の信号の検出が途切れた場合には、その旨を記憶する信号監視回路を遊技制御基板101に搭載し、この特定の信号の出力経路が遊技制御基板101からゲームの進行上必ず必要な信号の入出力がなされる電子部品を経由して遊技制御基板101に戻り、信号監視回路に入力される構成とし、遊技制御部110が起動時に、信号監視回路に特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されているか否かを確認し、特定の信号の検出が途切れた旨が記憶されている場合に、前述した初期化1を実行し、RAM112に記憶されているデータをクリアするようにしてもよい。このようにした場合でも、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を防止することができる。
上記の実施の形態では、設定キースイッチ92をONせずにスロットマシン1を起動した場合には、RAM112のデータが破壊されていない限り、該データを用いて電断前の状態に復帰するものとしていた。ここで、遊技制御部110の起動時に電断前の状態に復帰した場合には、CPU111が特別役の当選状況と遊技状態を示す電源投入コマンドを送信し、演出制御部120のCPU121は、電源投入コマンドを受信したときに、特別役の当選状況及び遊技状態が液晶表示器4や、ゲーム回数表示器51、クレジット表示器52、ペイアウト表示器53において報知するものとしてもよい。
打ち込み器具などの不正器具を接続するには、一度電源を切る必要がある(電源を切らずにコネクタを外すと故障の原因となる)が、この場合には、無理矢理コネクタの接続を解除して打ち込み器具を使用し、不正に特別役の当選や遊技者に有利な遊技状態を設定しても、遊技制御部110を再起動させた際に、特別役に当選していることや有利な遊技状態に制御されていることが外部から容易に判別できてしまうので、打ち込み器具を使用して特別役が当選した状態や遊技者に有利な遊技状態に設定したスロットマシン1を、遊技店の営業開始時等において遊技客に提供するといった不正営業を効果的に抑止することができる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態においてナビ権利が付与されていない状態で左の停止ボタン12Lを3番目に操作し、且つ5番または6番の図柄が先に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作したときに、小役1+小役2に当選している場合には、RT図柄は導出されて遊技状態がRTには制御されるものの当該RTでATが得られないという不利益が遊技者に生じるものとなっていた。また、小役1+小役2に当選している場合も小役1のみに当選している場合も、左の停止ボタン12Lを1番目または2番目に操作すれば取りこぼすことのない小役1を取りこぼすという不利益が遊技者に生じるものとなっていた。もっとも、通常の遊技状態においてナビ権利が付与されていない状態で左の停止ボタン12Lを3番目に操作し、且つ5番または6番の図柄が先に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作したときに遊技者に生じる不利益は、この何れか一方のみでもよい。
上記の実施の形態では、小役1+小役2に当選しているときに、左の停止ボタン12Lを3番目に操作し、且つ5番または6番の図柄が先に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作することを条件として、RT図柄が導出されるものとしていた。しかしながら、RT図柄を導出可能とする条件は、これに限るものではない。例えば、小役1+小役2に当選し、小役1も小役2も導出できない手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作した場合に、X割の確率でRT図柄を導出させ、(10−X)割の割合でRT図柄ではないハズレの図柄を導出させるものとすることもできる。
また、小役1+小役2に当選しているときだけではなく、小役1に単独で当選しているときにも、小役1を導出できない手順、すなわち左の停止ボタン12Lを3番目に操作し、且つ5番または6番の図柄が先に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作したときには、RT図柄が導出され得るものとすることもできる。もっとも、小役1に単独で当選したときには当選報知は行わず、RT図柄が導出されたとしても当該RT図柄に基づいて制御されたRTではATに制御しないものとすることとしてもよい。
また、小役1+小役2に当選しているときと、小役1に単独で当選しているときの何れでも小役1も小役2も導出できない手順で停止ボタン12L、12C、12Rを操作すればRT図柄を一定の割合で導出させるものとする場合には、前者の場合においてRT図柄の導出される割合は、後者の場合においてRT図柄の導出される割合よりも高くなるものとすることができる。
上記の実施の形態では、小役2は、内部抽選において小役1と同時でのみ当選するものとなっていたが、小役2のみに単独で当選するものとしてもよい。また、小役2のみに単独で当選する場合と、小役1と小役2に同時に当選する場合とがあってもよい。後者の場合において、左の停止ボタン12Lを3番目に操作し、且つ5番または6番の図柄が先に「ベル」のテンパイしている入賞ライン上に位置するタイミングで操作することによってRT図柄が導出され得るのは、小役2に単独で当選している場合のみ、小役1と小役2に同時に当選している場合のみ、或いは小役2に単独で当選している場合と小役1と2に同時で当選している場合の両方、の何れであってもよい。
ここで、例えば、小役2に単独で当選している場合にのみRT図柄が導出可能となる場合には、通常の遊技状態においてナビ権利が付与されているときにおいて小役2に単独で当選したときのみに当選報知を行い、小役1と小役2に同時に当選したときには当選報知は行わないものとすることができる。要するに、停止ボタン12L、12C、12Rの操作手順によってはRT図柄を導出し得る当選状況であることを条件として、遊技ナビの権利が報知されているときに当選報知を行うものとすることができる。
上記の実施の形態では、ビッグボーナスの終了後の通常の遊技状態の全体に対して遊技ナビの権利を付与することを、当該ビッグボーナスにおいて決定するものとしていた。これに対して、遊技ナビの権利は、通常の遊技状態の全体に対して付与するものではなく、通常の遊技状態においてRT図柄の導出が可能となる小役1+小役2に当選する都度行われる抽選の結果に応じて付与するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態において遊技ナビの権利が付与されているときにRT図柄の導出が可能となる小役1+小役2に当選した場合に、その旨を示す情報を液晶表示器4に表示される画像にて報知するものとしていた。もっとも、小役1+小役2に当選していることを示す情報ではなく、RT図柄が導出可能であることを直接的に示す情報を報知するものであってもよい。そのような情報としては、例えば、左のリール3LについてRT図柄を構成する「白7」の画像を液晶表示器4に表示させるものとすることができる。また、これとは逆に、RT図柄を構成しない「赤7」や「BAR」の画像を液晶表示器4に表示させ、RT図柄が導出可能となっていることを遊技者に間接的に示すものとしてもよい。
また、RT図柄の導出が可能であることを遊技者に示す情報は、液晶表示器4に表示される画像によって報知されるだけではなく、スピーカ7L、7R、7Uから所定の音声を出力したり、遊技効果ランプ75A〜75Mを所定の態様で発光させることなどによって報知されるものとしてもよい。さらに、第4リールなどの役物を設け、この役物によってRT図柄の導出が可能であることを示す情報が遊技者に報知されるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、遊技状態をRTに制御させることのできるRT図柄は、入賞となる役を構成する図柄とは異なる図柄の組み合わせにより構成されていた。もっとも、RT図柄は、何れかの役(小役またはリプレイ)の図柄組み合わせにより成るものとしてもよい。例えば、上記の実施の形態における小役2をRT図柄として適用する場合には、小役1+小役2に当選しているときにおいて停止ボタン12L、12C、12Rを逆押し以外で操作した場合には小役1に入賞させ、逆押しした場合には停止ボタン12Lの操作タイミングにより小役2に入賞させるものとすることができる。
上記の実施の形態では、通常の遊技状態以外でRT図柄が導出されたとしても、改めてRTに遊技状態が制御されることはなかった。これに対して、RTの遊技状態でRT図柄が導出されたときに、当該RTの残りゲーム数に関わらずに、そこから改めて200ゲームのRTを付与するものとしてもよい。この場合には、遊技ナビの権利を次にレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞するまで付与するものとし、遊技状態がRTにあるときでも遊技ナビの権利があって小役1+小役2に当選したのであれば、その当選報知を行うものとしてもよい。
上記の実施の形態では、ボーナス中楽曲が再生されているときに精算ボタン16が操作されて次のゲームのために既に設定された賭け数、またはクレジットが精算されたとき、所定時間に亘って遊技操作がされなかったときに、再生されている楽曲のスピーカ7L、7R、7Uからの出力をミュートして、ボーナス中楽曲の音声が周囲の遊技者に聞こえなくなるようにしていた。
もっとも、これらの場合にスピーカ7L、7R、7Uからのスピーカからの出力をミュートするのではなく、出力される音声の音量レベルを一定レベルまで下げるだけであってもよい。また、これらの場合に再生する楽曲を音声レベルの低い別の楽曲に切り替えるものとしてもよい。つまり、周囲の遊技者に迷惑が生じる程の大音量でなければ、このような場合にあっても、楽曲の音声がスピーカ7L、7R、7Uから出力されるものとしてもよい。或いは、これらの場合に楽曲の再生そのものを停止してしまってもよい。楽曲の再生そのものを停止してしまう場合には、上記したミュート解除の事象が生じた場面で必要であれば改めて楽曲の再生を開始するものとしてもよい。
上記の実施の形態では、何れの遊技状態においても、賭け数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。もっとも、ゲームを開始させるために設定できる賭け数は、1〜3の範囲で任意の数を適用することができる。遊技状態毎に設定できる賭け数が異なっていてもよい。ここで、通常の遊技状態で賭け数として1または2が設定されていたときには、賭け数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるとともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。
上記の実施の形態では、当選フラグの設定状況に基づいて停止制御テーブルを予め選択し、リール3L、3C、3Rの停止時において停止制御テーブルを参照して図柄の停止位置を決定し、当該停止位置でリールを停止させるテーブル方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンを例として説明した。これに対して、停止条件が成立したときの現在の図柄位置と当選フラグの設定状況に基づいて、当選している役の図柄が揃うように引き込み制御を行ったり、当選していない役の図柄が揃わないように外し制御を行うコントロール方式でリール3L、3C、3Rの回転を停止させるスロットマシンにも本発明を適用することができる。
コントロール方式では、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されたときに、対応するリール3L、3C、3Rについてその時点で表示されている図柄から190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲内(表示されている図柄と引き込み分を含めて合計5コマの範囲)に、当選フラグの設定されている役の図柄があるかどうかを判定する。
当選フラグの設定されている役の図柄(重複当選時には、導出が優先される役の図柄から判断する)があれば、当該役を入賞させるための図柄を選択して入賞ライン(既に停止しているリールがあるときには、停止しているリール上の図柄とともに入賞の表示態様を構成可能な入賞ライン)上に導出させる。そうでなければ、いずれの役にも入賞させないための図柄を選択して導出させる。すなわち、このコントロール方式によりリール3L、3C、3Rの停止を制御する場合も、停止ボタン12L、12C、12Rの操作が検出されてから最大停止遅延時間の範囲で図柄を停止させることにより導出可能となる表示態様であって当選フラグの設定状況に応じた表示態様が、可変表示装置2の表示結果として導出されるものとなる。
上記の実施の形態では、可変表示装置2は、外周部に複数の図柄を所定順に配した3つのリール3L、3C、3Rを備えるものとし、これらのリール3L、3C、3Rの回転駆動によって図柄を可変表示させるものとしていた。しかしながら、液晶表示装置などの表示装置上で仮想的に図柄を可変表示させるものを、上記のような可変表示装置2の代わりに用いてもよい。
上記の実施の形態では、賭け数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができる。
いわゆるパロットでは、遊技媒体として用いられる遊技球は、そのままの物理的形態で貯留皿に貯留されており、遊技者がBETボタンを操作すると、貯留皿(上皿)に貯留されていた遊技球のうちのBET操作に応じた数の遊技球が所定の取り込み経路を介してパロットの内部に取り込まれる。この内部に取り込まれた遊技球によって1ゲームを行うための賭け数が設定されるものとなる。
また、パロットにおいて遊技者が精算ボタンを操作した場合には、既に賭け数が設定されていれば(但し、リプレイ入賞後に賭け数が自動設定された場合を除く)、設定された賭け数に応じた数の遊技球がスロットマシンの下部に設けられた下皿に排出される。賭け数が設定されていなければ(先に賭け数の精算を行った場合を含む)、貯留皿に貯留されている遊技球が所定の経路を通って下皿に排出されるものとなる。下皿には、遊技者が所定のレバーを操作することで貯留された遊技球を下部に通過させるための穴が設けられており、遊技球箱(いわゆるドル箱)を下皿の下においてレバー操作すれば、遊技者が所有する遊技球を容易に遊技球箱に移すことができる。