以下、本発明の実施の形態として示した透過型液晶カラー表示装置(以下、液晶表示装置1略称する。)1について、図面を参照して詳細に説明する。液晶表示装置1は、例えば40インチ以上の大型表示画面を有するテレビジョン受像機或いは表示モニタ装置等に用いられる。液晶表示装置1は、図1及び図2に示すように、液晶パネルユニット2と、この液晶パネルユニット2の背面側に組み合わされて大容量の照明光を出射するバックライトユニット3とを備えている。液晶表示装置1は、液晶パネルユニット2とバックライトユニット3との間に、バックライトユニット3から出射された照明光に対して所定の光学変換処理を施して液晶パネルユニット2に供給する光学変換部4と、照明光を液晶パネルユニット2に均一化した状態で供給する導光部5と、バックライトユニット3から周囲に向かって出射された照明光を導光部5に向かって反射させる反射部6と、バックライトユニット3において発生した熱を放熱する放熱部7とが配置される。
液晶表示装置1には、詳細を後述するバックパネル13の内面側の第1主面(発光アレイ実装面)13aに放熱部7が組み合わされるとともに、このバックパネル13の底面側の第2主面(ヒートシンク実装面)13bにバックライトユニット3に設けた後述する多数個のLED18から発生する熱を放熱する左右一対のヒートシンク37、37が組み合わされる。液晶表示装置1には、ヒートシンク37、37に対して、その放熱作用を促進する冷却ファン45、45がそれぞれ取り付けられる。
液晶表示装置1は、液晶パネルユニット2が、30インチ以上の大型表示画面サイズの液晶パネル8を備えており、図2に示すようにこの液晶パネル8の外周縁部を枠状の前面フレーム部材9とホルダフレーム部材10とによって、スペーサ11やガイド部材12等を介して挟み込んで保持する。液晶表示装置1は、ホルダフレーム部材10やバックパネル13が構成各部材を組み付けるいわゆるシャーシ部材を構成し、図示しない筐体の取付部に固定される。なお、液晶表示装置1は、図示しないが液晶パネル8の前面側にカバーガラスが組み合わされる。
液晶パネル8は、詳細を省略するが、スペーサビーズ等によって対向間隔を保持された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶を封入し、この液晶に対して電圧を印加して液晶分子の向きを変えて光透過率を変化させる。液晶パネル8は、第1ガラス基板の内面に、ストライプ状の透明電極と、絶縁膜と、配向膜とが形成されている。液晶パネル8は、第2ガラス基板の内面に、光3原色のカラーフィルタと、オーバコート層と、ストライプ状の透明電極と、配向膜とが形成される。
液晶パネル8は、第1ガラス基板と第2ガラス基板の表面に、それぞれ偏向フィルムと位相差フィルムとが接合される。液晶パネル8は、ポリイミドからなる配向膜が液晶分子を界面にして水平方向に配列されており、偏向フィルムと位相差フィルムとが波長特性を無彩色化、白色化してカラーフィルタによるフルカラー化を図って受信画像等をカラー表示する。なお、液晶パネル8については、かかる構造に限定されるものではなく、従来提供されている種々の構成を備える液晶パネルであってもよいことは勿論である。
液晶表示装置1は、上述した液晶パネルユニット2の背面側に、図2に示すようにバックライトユニット3が光学的に密閉した導光空間部14を構成して全面に対向して組み合わされる。バックライトユニット3は、所定個数の発光ユニット体15を同一軸線上に並べて発光アレイ16を構成し、複数列の発光アレイ16を所定の間隔を以って互いに平行に並べて構成してなる。バックライトユニット3は、詳細には図3に示すように3個の発光ユニット体15を長さ方向に並べて1列分の発光アレイ16を構成し、この発光アレイ16を高さ方向に6列並べて構成する。バックライトユニット3は、全体で3×6=18個の発光ユニット体15を備えている。
バックライトユニット3は、各発光ユニット体15が、配線基板17と、この配線基板17の第1主面(発光ダイオード実装面)上に実装された複数個のLED18及び入力用コネクタ19と出力用コネクタ20等によって構成される。バックライトユニット3は、各発光ユニット体15の配線基板17の発光ダイオード実装面上に、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとを組み合わせた合計25個のLED18が同一軸線上に位置して実装される。したがって、バックライトユニット3には、各発光アレイ毎にそれぞれ25×3=75個、6列合計で75×6=450個のLED18が備えられる。
各LED18は、図5に示すように、発光部18aを樹脂ホルダ18bによって保持するとともに樹脂ホルダ18bから一対の端子18cを引き出してなる。各LED18には、詳細を省略するが出射光の主成分を発光部18aの外周方向に出射する指向性を有するいわゆるサイドエミッション型のLEDが用いられている。なお、バックライトユニット3は、液晶パネル8のサイズや各LED18の発光能力等によって、発光ユニット体15の個数やそれぞれに実装するLED18の個数及び間隔が適宜決定される。
発光ユニット体15は、各配線基板17が全て同一仕様で形成されており、図示を省略するが各配線基板17の発光ダイオード実装面に各LED18をシリーズで接続する配線パターンや各LED18の端子を接続するランド等が形成されている。各配線基板17には、幅方向の一側部の近傍でかつ一方側に位置して入力用コネクタ19が実装されるとともに、他方側に位置して出力用コネクタ20が実装されている。
各発光アレイ16は、図3に示すように同一列内において各発光ユニット体15が、配線基板17を同じ向きにして並べられる。発光アレイ16は、第1列目と第3列目及び第5列目の奇数列発光アレイが、各配線基板17をそれぞれ入力用コネクタ19や出力用コネクタ20を実装した側の一方側縁部が下向きとなるようにして各発光ユニット体15を配列する。発光アレイ16は、第2列目と第4列目及び第6列目の偶数列発光アレイが、各配線基板17をそれぞれ入力用コネクタ19や出力用コネクタ20を実装した側の一方側縁部が上向きとなるようにして各発光ユニット体15を配列する。
したがって、各発光アレイ16は、同一列内において、各発光ユニット体15が隣り合う各配線基板17の入力用コネクタ19と出力用コネクタ20とを対向させるようにして配列される。また、各発光アレイ16は、奇数列と偶数列とで、各発光ユニット体15が相対する各配線基板17の入力用コネクタ19と出力用コネクタ20とを対向させるようにして配列される。
各発光アレイ16は、同一列内において各発光ユニット体15が図示しないコネクタ付きリード線によってシリーズ接続されるが、上述したように入力用コネクタ19と出力用コネクタ20とを対向させることにより各発光ユニット体15間で最短の配線が行われるようになる。各発光アレイ16は、奇数列においてそれぞれの右側に配置された発光ユニット体15の右端側に入力用コネクタ19が位置されるとともに、左側に配置された発光ユニット体15の左端側に出力用コネクタ20が位置されて配列される。また、各発光アレイ16は、偶数列においてそれぞれの左側に配置された発光ユニット体15の左端側に出力用コネクタ20が位置されるとともに、右側に配置された発光ユニット体15の右端側に入力用コネクタ19が位置されて配列される。各発光アレイ16は、奇数列と偶数列との間に構成された長さ方向のスペースを利用してリード線の引き回しが行われる。リード線は、バックパネル13に形成した図示を省略する引出し開口を介して各スペースからの引き込み及び各スペースへの引き出しが行われ、各スペース内においてクランパ等によって束ねられる。
バックライトユニット3は、上述したように各発光アレイ16間に構成されるスペースを利用したリード線の保持、ガイドを行うことにより、スペースの効率化や配線工程の簡易化が図られている。バックライトユニット3においては、各配線基板17に実装した入力用コネクタ19と出力用コネクタ20の位置によって、同一列内及び各列間において各発光ユニット体15の組み間違えが識別されるようになる。また、バックライトユニット3においては、各発光アレイ16が配線基板17間の配線構造や配線工程の簡易化或いはリード線の共通化を図るようにする。
液晶表示装置1においては、上述したバックライトユニット3の各LED18から出射された出射光に基づく大容量の照明光が、光学変換部4を介して液晶パネル8に供給される。光学変換部4は、液晶パネル8の外形とほぼ同等の外形を有する複数の光学シートを積層した光学シート積層体を有している。光学変換部4は、光学機能シート積層体が、詳細を省略するがバックライトユニット3から供給された照明光を直交する偏光成分に分解する光学機能シート、照明光の位相差を補償して広角視野角化や着色防止を図る光学機能シート或いは照明光を拡散する光学機能シート等の種々の光学機能を奏する複数の光学機能シートからなる。
光学変換部4は、図2に示すように光学機能シート積層体が後述する導光部5の拡散導光プレート21の主面に組み合わされるとともに、バックパネル13に組み付けた保持ブラケット部材22を介して液晶パネル8の背面側に所定の対向間隔を以って配置される。光学変換部4は、上述した光学機能シート積層体に限定されるものでは無く、その他の光学機能シートとして例えば輝度向上を図る輝度向上フィルムや、位相差フィルムやプリズムシートを挟む上下2枚の拡散シート等の光学機能シートを備えるようにしてもよい。
液晶表示装置1においては、導光部5によって、バックライトユニット3から供給された照明光を全面に亘って均一な輝度にした状態で導光空間部14内を導光して光学変換部4を介して液晶パネル8に供給する。導光部5は、拡散導光プレート21と拡散プレート23とから構成され、詳細を後述するように光学スタッド部材25によって所定の対向間隔に保持されて導光空間部14内に配置される。
拡散導光プレート21は、導光性を有する乳白色の合成樹脂材、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等を素材として成形された液晶パネル8とほぼ同サイズでやや厚みのあるプレート体からなる。拡散導光プレート21は、一方の主面上に光学変換部4の光学機能シート積層体が組み合わされるとともに、外周部を保持ブラケット部材22に保持される。拡散導光プレート21は、他方の主面から入射された照明光を内部において適宜屈折、乱反射を行うことによって拡散させ、一方主面側から全面に亘って輝度の均一化を図って光学変換部4に入射させる。
拡散プレート23は、透明な合成樹脂材、例えばアクリル樹脂等を素材として成形された液晶パネル8とほぼ同サイズのプレート体からなり、バックライトユニット3と所定の間隔を以って対向配置されることにより、各LED18から出射される出射光の入射状態を制御する機能を有する。拡散プレート23には、図2に示すように各LED18の発光部18aと対向する部位にそれぞれ調光パターン24が形成されている。
各調光パターン24は、光反射・拡散特性を有するインクによってLED18の発光部18aよりもやや大径の円形パターンを印刷して構成される。各調光パターン24は、遮光剤と拡散剤とを含むインク材料を所定の割合に調合したインクが用いられ、例えばスクリーン印刷法等により精密に形成される。インクには、遮光剤として、例えば酸化チタン、硫化バリウム、炭酸カルシウム、酸化アルミナ、酸化亜鉛、酸化ニッケル、水酸化カルシウム、硫化リチウム、四三酸化鉄、メタクリル樹脂粉末、雲母(セリサイト)、陶土粉末、カオリン、ベントナイト、金粉或いはパルプ繊維等が用いられる。インクには、拡散剤として、例えば酸化ケイ素、ガラスビーズ、ガラス微粉末、ガラス繊維、液体シリコン、水晶粉末、金めっき樹脂ビーズ、コレステリック液晶液、再結晶アクリル樹脂粉末等が用いられる。
拡散プレート23は、各調光パターン24が直下に配置されたLED18の発光部18aから出射された出射光について、直上に向かって出射された成分を反射させる。拡散プレート23は、各調光パターン24の非形成領域、すなわち各発光アレイ16と直接対向しない領域において出射光を入射させる。拡散プレート23は、このように各調光パターン24によって各LED18から出射されて直接入射される出射光を規制することで、部分的な高輝度領域の発生を低減して輝度を均一化した照明光を全面から拡散導光プレート21に対して供給する。
なお、拡散プレート23は、各調光パターン24をLED18の発光部18aよりも大径の領域内に形成した多数個のドットによって構成し、出射光の一部を透過させるとともに一部を反射拡散させることで入射光量を制限するように構成してもよい。拡散プレート23は、この場合に各調光パターン24が、ドットの密度を周辺部に対して中央部を密にして形成することにより、中央部における入射光量を制限しかつLED18との位置ズレを吸収するいわゆるグラデーションパターンとして構成してもよい。拡散プレート23は、上述したようにサイドエミッション型LED18を用いることにより各発光アレイ16間の領域で照明光が集光する現象が生じることから、各調光パターン24を縦長に形成してこの現象の発生を抑制するようにしてもよい。
液晶表示装置1においては、各LED18から出射されて拡散プレート23に対して臨界角を超えて入射される出射光の一部を拡散プレート23の表面で反射させる。液晶表示装置1においては、バックライトユニット3の各LED18から周囲に出射された出射光や、拡散プレート23の表面で反射された出射光、或いは各調光パターン24によって反射された出射光を反射部6によって反射させて拡散プレート23を介して効率よく導光部5に供給する。液晶表示装置1においては、反射部6が、拡散プレート23との間で反復反射されることによって増反射原理による反射率の向上が図られるようにする。
反射部6は、図3及び図4に示すように1枚の大きな反射プレート26と、各発光ユニット体15毎に設けられる多数個の反射シート片27とから構成される。反射部6は、反射プレート26が詳細を後述するように放熱部7を構成する放熱プレート28と光学スタッド部材25とによって位置決めされてバックライトユニット3に組み合わされるとともに、この反射プレート26によって各反射シート片27が保持される。
反射プレート26は、歪みの無い比較的精度の高い面精度を有して導光部5に対して対向間隔を保持して組み合わされる液晶パネル8とほぼ同形の大判の部材であることから、ある程度の機械的剛性が必要とされる。したがって、反射プレート26は、例えばアルミプレート29を基材として、その表面に蛍光剤を含有した発泡性PET等からなる反射材30を接合して形成される。なお、反射プレート26は、アルミ材ばかりでなく、鏡面を有するステンレスプレート等を用いるようにしてもよい。また、反射プレート26は、比較的小サイズの液晶表示装置である場合に、例えば蛍光剤を含有した発泡性PETによって形成するようにしてよい。発泡性PETは、軽量であり、約95%程度の高反射率特性を有するとともに金属光沢色と異なる色調で反射面についた傷等が目立たないといった特徴を有しており、従来の液晶表示装置にも用いられている。
反射プレート26には、図3に示すように各発光アレイ16に対応して6列のガイド開口部31が形成されている。各ガイド開口部31は、詳細には同一軸線上に位置してそれぞれブリッジ部33によって区割りされた横長矩形の多数個の単位ガイド開口部32a〜32n(単位ガイド開口部32と総称する。)によって構成される。各単位ガイド開口部32は、それぞれの開口幅がLED18の発光部18aの外径よりもやや大きく、それぞれ5個のLED18を貫通させるに足る長さを以って形成されている。
したがって、ガイド開口部31は、各発光アレイ16に75個のLED18を有することから、各列毎に75÷5=15個の単位ガイド開口部32によって構成される。なお、ガイド開口部31は、かかる構成に限定されず、各発光アレイ16毎にその全長に対応する長さを有する1個の開口部によって構成するようにしてもよい。しかしながら、ガイド開口部31は、各ブリッジ部33が、反射プレート26の機械的剛性を保持するとともに後述するように反射シート片27を保持する部位としても機能することから、数個のLED18を貫通させるに足るある程度の間隔を以って形成することが好ましい。
反射シート片27は、例えば上述した発泡性PET材等の高反射特性を有する部材が用いられ、各配線基板17とほぼ同長でかつやや大きな幅とされるとともに放熱プレート28の幅よりもやや小幅とされた矩形片に形成される。反射シート片27には、各発光ユニット体15に同一軸線上に位置して設けられた25個のLED18にそれぞれ対応して、25個のガイド孔34が形成されている。各ガイド孔34は、反射シート片27に同一軸線上に位置して長さ方向に並んで形成され、それぞれが内径を各LED18の発光部18aと略同径とされた円孔からなる。
反射シート片27は、各発光ユニット体15毎に、各ガイド孔34から相対する各LED18の発光部18aを貫通させて放熱プレート28に支持される配線基板17に組み合わされる。反射シート片27は、各発光ユニット体15毎に対応した大きさに形成されており、配線基板17に直接組み合わすことで各ガイド孔34から相対する各LED18を精密に位置決めすることが可能である。したがって、反射シート片27は、各ガイド孔34からその内周壁に各LED18の発光部18aの外周部を密着させた状態でそれぞれ突出させる。なお、反射シート片27は、後述する放熱プレート28の第1主面(配線基板実装面)28aに形成した基板嵌合凹部38とほぼ同幅若しくはやや小幅に形成し、各ガイド孔34の開口縁がLED18の樹脂ホルダ18bの上面で係止されるようにしてもよい。
反射部6は、図3及び図5に示すように、各発光ユニット体15毎に反射シート片27を各ガイド孔34から相対する各LED18の発光部18aを貫通させて配線基板17に対して組み合わされる。反射部6は、反射プレート26が、各反射シート片27上に重ね合わされて詳細を後述するように各放熱プレート28の配線基板実装面28a上に固定される。反射部6は、反射プレート26の各ガイド開口部31に反射シート片27側の所定個数のガイド孔34が臨ませられことで、各ガイド開口部31からLED18の発光部18aがそれぞれ貫通されて拡散プレート23と対向する。
反射部6においては、上述したように各反射シート片27を絶縁性の発泡性PET材で形成するとともに、反射プレート26をアルミプレート29と発泡性PET材からなる反射材30との積層体によって形成する。反射部6においては、図5に示すようにアルミ材が露出する反射プレート26の各ガイド開口部31の内周縁に対して、絶縁材からなる各反射シート片27に小径に形成された相対する各ガイド孔34の内周縁が全周に亘って内方へと突出して組み合わされた構造となる。したがって、反射部6においては、各反射シート片27によって反射プレート26のアルミ部位と各LED18の端子18cとの間の電気的絶縁が保持される。
反射部6においては、上述したように各発光ユニット体15毎に反射シート片27を組み合わせた後に、反射プレート26の組み付けが行われる。反射部6においては、反射プレート26を放熱プレート28の配線基板実装面28a上に固定することにより、反射シート片27を放熱プレート28上に押し付けて保持する。反射部6においては、上述したように反射プレート26が、ブリッジ部33を介してそれぞれ5個のLED18を突出させる単位ガイド開口部32に区割りしてガイド開口部31を構成している。したがって、反射部6においては、各ブリッジ部33が各反射シート片27を長さ方向に対して所定の間隔で押圧することにより、これら反射シート片27をさらに確実に保持する。反射部6においては、反射シート片27の浮き上がりや振動等の発生を防止する構造が不要とされるが、かかる構成によって構造と組立の簡易化が図られるようにする。
ところで、反射部6は、上述したように反射プレート26が、液晶パネル8と同等の大きなサイズを有しており、図2に示すようにバックパネル13に形成した支持部や光学スタッド部材25によって位置決めされてバックライトユニット3に組み合わされている。反射部6は、反射プレート26が、ガイド開口部31を反射シート片27と同様に各LED18を1個ずつ貫通させる円孔によって構成した場合に、これら円孔とLED18との位置決めが極めて困難となる。反射部6は、反射プレート26を高寸法精度を以って形成するとともに、各部材を高精度に位置決めして組み立てる対応を必要とさせることで、高精度の部品製作と組立工程からコストを大幅に上昇させるとともに、熱変化により反射プレート26に歪みを生じさせてしまう。
反射部6は、反射プレート26と多数個の反射シート片27とを組み合わせて構成することにより、各LED18の外周部に隙間が発生することを防止する。反射部6は、各LED18から出射された出射光の一部が、外周部の隙間から背面側に漏出することを防止して光効率の向上を図って高輝度の表示を行うことを可能とする。反射部6は、背面側からの漏出光を遮蔽する構造を不要とすることで、構造の簡易化が図られるようにする。
反射部6においては、上述したように反射プレート26と多数個の反射シート片27とを組み合わせて構成することにより、各反射シート片27に形成したガイド孔34が各LED18の発光部18aと精密に対応して外周部に密着する。したがって、反射部6においては、各LED18から出射された出射光が、ガイド孔34の内周壁と発光部18aの外周部との間の隙間から背面側へと漏出することが防止される。
なお、反射部6においては、反射シート片27が、各発光ユニット体15毎に組み合わされる大きさに形成したが、発光ユニット体15の大きさに応じて2個或いは3個を組み合わせる大きさに形成してもよく、また複数の発光ユニット体15に跨って組み合わせる大きさに形成してもよい。しかしながら、反射部6は、反射シート片27が、あまりに大型となると各ガイド孔34とLED18との精密な位置合わせが困難となり、上述した積層構成による効果が奏し得なくなることから、所定の大きさに形成される。
液晶表示装置1においては、バックパネル13に多数個の光学スタッド部材25が取り付けられ、これら光学スタッド部材25を介して上述した光学変換部4を構成する光学機能シート積層体と、導光部5を構成する拡散導光プレート21及び拡散プレート23と、反射部6を構成する反射プレート26とが互いに位置決めされるとともに相対する主面間の平行度を全面に亘って精度よく保持されるように構成されている。液晶表示装置1においては、大型サイズのこれら各プレートの間隔と平行度を保持することにより色むら等の発生が防止される。
液晶表示装置1においては、光学スタッド部材25との組み合わせのために、上述した拡散プレート23に多数個の嵌合孔23aが形成されるとともに、反射プレート26に多数個の嵌合孔26aが形成される。これらは嵌合孔23a、26aは、拡散プレート23と反射プレート26とを組み合わせた状態において、各発光アレイ16の列間に位置しかつそれぞれ軸線を一致させて形成される。
各光学スタッド部材25は、例えばポリカーボ樹脂等の導光性と機械的剛性及びある程度の弾性を有する乳白色の合成樹脂材によって一体に成形された部材であり、図2に示すようにバックパネル13に一体に形成した取付部35にそれぞれ取り付けられる。バックパネル13には、内面側に略台形凸部を呈して一体に形成された多数個の取付部35が形成されている。取付部35は、上面が拡散プレート23の載置面を構成し、それぞれ取付孔35cが貫通して設けられている。なお、取付部35は、上述したバックライトユニット3がバックパネル13に組み合わされた状態において、各発光アレイ16の列間に位置するようにして形成されている。
各光学スタッド部材25は、図2に示すように、それぞれ軸状基部25aと、この軸状基部25aの先端部に形成された嵌合部25bと、この嵌合部25bから所定の間隔を以って軸状基部25aの周回りに一体に形成されたフランジ状の第1受け板部25cと、この第1受け板部25cから所定の間隔を以って軸状基部25aの周回りに一体に形成されたフランジ状の第2受け板部25dとから構成される。各光学スタッド部材25は、軸状基部25aがバックパネル13の取付部35と拡散導光プレート21との対向間隔を規定する軸長を以って形成され、第2受け板部25dから所定の高さ位置に段部25eが構成されている。
各光学スタッド部材25は、軸状基部25aが、段部25eを拡散プレート23に形成した嵌合孔23aよりもやや大径とされるとともに先端部25gに向かって次第に小径とした長軸な円錐形状を呈して形成されている。各光学スタッド部材25には、軸状基部25aに、段部25eのやや上方に位置して軸方向の肉盗み孔25fが形成されている。各光学スタッド部材25は、肉盗み孔25fが、軸状基部25aにその外径が拡散プレート23の嵌合孔23aよりも大径とされた部位の範囲で形成することによって、この部位に収斂習性を付与する。
各光学スタッド部材25は、第1受け板部25cと第2受け板部25dとが拡散プレート23と反射プレート26との対向間隔を保持する間隔を以って形成されている。各光学スタッド部材25は、軸状基部25aが、第1受け板部25cと第2受け板部25dとの部位を拡散プレート23の嵌合孔23aとほぼ同径に形成される。各光学スタッド部材25は、嵌合部25bが、先端部の外径をバックパネル13側の取付部35に形成した取付孔35aとほぼ等しい外径とされるとともに軸方向に対してこの取付孔35aの内径よりも次第に大径とされた断面が略円錐台の形状を呈している。各光学スタッド部材25は、嵌合部25bが、大径部位から先端側に向かって図示しないすり割りを形成することによって収斂習性を付与される。
各光学スタッド部材25は、嵌合部25bの大径部位と第1受け板部25cとの間隔が、バックパネル13の厚みと拡散プレート23の厚みの和とほぼ等しくして形成されている。各光学スタッド部材25は、第1受け板部25cが拡散プレート23の嵌合孔23aの内径よりもやや大径とされるとともに、第2受け板部25dが反射プレート26の嵌合孔26aの内径よりもやや大径とされて形成されている。
液晶表示装置1においては、バックパネル13の発光アレイ実装面13aに対して放熱部7やバックライトユニット3が組み立てられた状態で、バックパネル13の取付部35上に反射プレート26が、相対する取付孔35aに対して嵌合孔26aを対向位置させて組み合わされる。液晶表示装置1においては、この状態で各光学スタッド部材25がバックパネル13の発光アレイ実装面13a側から各取付部35に対して組み付けられる。各光学スタッド部材25は、反射プレート26の嵌合孔26aを介して嵌合部25bが取付部35の取付孔35a内に押し込まれる。各光学スタッド部材25は、嵌合部25bが取付孔35a内を通過する際にすり割りの作用によって収斂動作するとともに貫通した後に自然状態に復帰することで、取付部35上に抜け止めされて立設状態で組み付けられる。
液晶表示装置1においては、各光学スタッド部材25が嵌合部25bと第1受け板部25cとの間で取付部35と反射プレート26とを厚み方向に挟持することにより、バックパネル13に対して反射プレート26を位置決めした状態で保持する。液晶表示装置1においては、反射プレート26が精密に位置決めされて各反射シート片27を保持する。各光学スタッド部材25は、この状態でそれぞれ軸状基部25aの第1受け板部25cから上方部位を反射プレート26から突出させて、バックパネル13の取付部35上に立設される。
液晶表示装置1においては、各光学スタッド部材25に対して拡散プレート23が、それぞれの嵌合孔23aを相対する先端部25g側から嵌挿させて組み合わされる。各光学スタッド部材25は、肉盗み孔25fの作用により大径部位が収斂動作することで、軸方向に押し込まれる拡散プレート23の段部25eの乗り越え動作を可能とする。各光学スタッド部材25は、拡散プレート23が、段部25eを乗り越えて第2受け板部25dに突き当たると大径部位が自然状態に復帰して、段部25eと第2受け板部25dとの間で拡散プレート23を厚み方向に挟持する。
液晶表示装置1においては、図2に示すように、各光学スタッド部材25が、それぞれ軸状基部25aの第2受け板部25dから上方部位を拡散プレート23から突出させる。液晶表示装置1においては、各光学スタッド部材25の先端部25gに対して光学変換部4の光学機能シート積層体を重ね合わせた拡散導光プレート21が、その底面側を突き当てられるようにして組み付けられる。
液晶表示装置1においては、各光学スタッド部材25が、嵌合部25bを取付孔35aに押し込む簡易な方法によってバックパネル13の取付部35上にそれぞれ組み付けられる。液晶表示装置1においては、各光学スタッド部材25によって、拡散プレート23と反射プレート26とを位置決めするとともに、これら拡散プレート23と反射プレート26及び拡散導光プレート21と光学変換部4との対向間隔が精密に保持される。液晶表示装置1においては、上述した多数個の光学スタッド部材25を備えることによって、複雑な位置決め構造や間隔保持構造が不要となるとともに組立工程の簡易化が図られるようになる。
なお、各光学スタッド部材25は、各種サイズの液晶パネル8に対しても互換使用が可能であり、部品の共用化が図られるようになる。光学スタッド部材25については、上述した構造に限定されるものでは無く、液晶表示装置1の構成に基づいて各部の具体的な構造が適宜変更される。光学スタッド部材25は、例えば嵌合部25bがすり割を形成されて収斂習性を付与されることでバックパネル13の取付孔35aに押し込まれて取り付けられるようにしたが、例えば外周部に抜止め凸部を一体に形成して、内周部にキー溝を形成した取付孔35a内に嵌合した後に回転して抜け止めされるようにしてもよい。
液晶表示装置1においては、上述した各プレートが光学スタッド部材25により精密に位置決めされることにより、液晶パネル8とバックライトユニット3との間に構成される導光空間部14内において照明光に対して安定した状態で導光、拡散、反射等の動作が行われるようになる。したがって、液晶表示装置1においては、液晶パネル8に色むら等の発生が防止されるようになる。なお、光学スタッド部材25は、上述したように乳白色の導光性の合成樹脂材によって形成することから、外周面から内部に入射する照明光を拡散して先端部25gが部分的に光輝されないようにすることで、導光空間部14ら拡散導光プレート21に対して照明光が均一に入射されるようにする。
液晶表示装置1においては、具体的には上述した光学スタッド部材25が図3に示すように、バックパネル13に対して各発光アレイ16間に位置して横方向に5個、縦方向に3個、合計15個が取り付けられる。液晶表示装置1においては、調光パターン24を形成した拡散プレート23やアルミプレート29と反射材30を接合した反射プレート26がそれぞれ表裏面特性を有し、間違えずに組み合わされなければならない。
拡散プレート23や反射プレート26には、上述したように光学スタッド部材25の軸状基部25aが貫通する嵌合孔23a、26aが、各光学スタッド部材25の取付位置に対応して横方向に5個、縦方向に3個、合計15個が形成される。液晶表示装置1においては、図3に示すように下段列の左側から2番目の光学スタッド部材25Aを、上段列側の各光学スタッド部材25と位置を異にしてバックパネル13に立設するようにする。液晶表示装置1においては、拡散プレート23や反射プレート26に、当該光学スタッド部材25Aに相対される下段列の左側から2番目の嵌合孔23a、26aを上段列側の各嵌合孔23a、26aと位置を異にして形成する。
したがって、液晶表示装置1においては、拡散プレート23や反射プレート26が表裏面を間違えて組み合わせるようにしても、光学スタッド部材25Aに対向する位置に嵌合孔23a、26aが存在しないために組み合わせることができない。液晶表示装置1においては、かかる構造により拡散プレート23や反射プレート26の誤組合せ防止構造が構成されている。なお、液晶表示装置1においては、誤組合せ防止構造を構成する光学スタッド部材25Aや拡散プレート23及び反射プレート26の嵌合孔23a、26aを中心位置以外のいずれに設けてもよいが、各部材が安定した状態で組み合わされることから外周位置よりは内側位置に設けた方がよく、また1箇所ではなく複数箇所に設けるようにしてもよい。
バックパネル13は、例えば比較的軽量であり機械的剛性を有するアルミ材によって、液晶パネル8の外形よりもやや大型サイズの部材に形成される。バックパネル13は、上述したように構成各部材を取り付けるシャーシ部材を構成するとともに自らも大きな熱伝導率特性を有することで、導光空間部14や回路部品等から発生する熱を放熱する作用を有している。また、バックパネル13は、後述するように放熱部7を構成する放熱プレート28とヒートシンク37との間に介在して、放熱プレート28からヒートシンク37へと効率的に熱伝導を行う熱伝導部材としても作用する。
バックパネル13には、発光アレイ実装面13a側に上述したように外周部位に前面フレーム部材9やホルダフレーム部材10を組み合わす外周壁部が形成されるとともに、光学スタッド部材25を取り付ける取付部35や詳細を省略する放熱プレート28を取り付ける取付部或いはリード線を引き出す引出し開口や掛け合わせ部が形成されている。なお、バックパネル13には、図示しないが筐体に固定するための多数個の取付部や取付孔等が形成されている。
バックパネル13は、上述したように内面側の発光アレイ実装面13aに放熱プレート28を取り付けるとともに、外面側のヒートシンク実装面13bにヒートシンク37や制御回路部等が取り付けられる。バックパネル13は、上述したようにアルミ材によって機械的剛性を有する部材として形成されるが、大きな厚みとすることによって液晶表示装置1の厚みや重量を大きくしてしまう。バックパネル13は、薄厚とした場合に、放熱プレート28を強くねじ止めした場合に取付部に変形を生じさせて上述した各光学プレート部材に撓み等を生じさせてしまう。バックパネル13は、後述するように比較的厚みの大きな放熱プレート28とヒートシンク37とを利用することにより、機械的剛性を保持して薄厚化が図られる。
液晶表示装置1においては、バックライトユニット3に多数個の各LED18が備えられ、これらLED18から出射される出射光により大容量の照明光を液晶パネルユニット2に供給することで高輝度の表示が行われるようにする。液晶表示装置1においては、各LED18から発生する熱が液晶パネルユニット2とバックライトユニット3との間に構成された周囲を密閉した導光空間部14内において籠もって高温状態となる。液晶表示装置1においては、高温化によって上述した光学変換部4の各光学機能シートの特性が変化したり、各LED18の点灯状態が不安定となって液晶パネル8に色むら等を生じさせ、また回路部を構成する電子部品等の動作を不安定とさせたり構成各部材に大きな寸法変化を生じさせたりする。
液晶表示装置1においては、放熱部7によって各LED18から発生した熱を効率的に放熱することによって安定した動作が行われるように構成される。放熱部7は、上述した各発光ユニット体15の取付部材を兼ねる放熱プレート28と、この放熱プレート28に組み合わされるヒートパイプ36と、ヒートパイプ36の端部が接続されて熱伝導を受けるバックパネル13のヒートシンク実装面13b側に左右一対が配置されたヒートシンク37、37或いはこれらヒートシンク37の冷却機能を促進する冷却ファン45、45によって構成される。
各放熱プレート28は、6列の各発光アレイ16毎に備えられ、熱伝導率に優れ、加工性がよくかつ軽量で廉価な例えばアルミ材が用いられて、押出加工によって上述した各発光アレイ16の長さと幅とにほぼ等しい長尺な矩形板状に形成される。各放熱プレート28は、それぞれ3個の発光ユニット体15が取り付けられる取付部材を兼ねることから機械的剛性を有する所定の厚みを以って形成される。なお、各放熱プレート28については、アルミ材に限定されず、熱伝導率が良好な、例えばアルミ合金材、マグネシウム合金材或いは銀合金材や銅材等によって形成するようにしてもよい。各放熱プレート28は、液晶表示装置1が比較的小型である場合に、例えばプレス加工や切出し加工等の適宜の加工方法によって形成するようにしてもよい。
各放熱プレート28には、図5に示すように、第1主面(配線基板実装面)28aを取付面として、発光ユニット体15を構成する3個の配線基板17が発光ダイオード実装面の裏面側の第2主面を放熱プレート取付面としてそれぞれの長さ方向の端面を突き合わせた状態で取り付けられる。各放熱プレート28には、配線基板実装面28aに配線基板17が嵌合される基板嵌合凹部38が全長に亘って形成されている。各放熱プレート28は、基板嵌合凹部38が、配線基板17とほぼ同幅とされるとともにその厚みよりもやや大きな高さを有して形成され、嵌合された配線基板17の底面(放熱プレート取付面)と幅方向の両側縁部とを保持する。各放熱プレート28は、基板嵌合凹部38内に嵌合された配線基板17を複数個の取付ねじ39によって固定する。
各放熱プレート28には、基板嵌合凹部38内に、幅方向の中央領域を所定幅の凸部として残すことにより配線基板17の放熱プレート取付面が密着される長さ方向の受け凸部38aを形成するとともに、この受け凸部38aの両側に沿って長さ方向の全長に亘って肉盗み凹部38b、38cが形成される。各放熱プレート28は、受け凸部38aが、図5に示すように配線基板17の各LED18を実装するLED実装領域に対応する幅を以って形成されており、各LED18の点灯動作により最も熱くなるLED実装領域から熱が効率的に伝達されて放熱が行われるようにする。なお、各放熱プレート28は、軽量化と寸法精度を保持するために肉盗み凹部38b、38cを形成したが、これら肉盗み凹部38b、38cもヒートパイプ嵌合部として構成するようにしてもよい。
各放熱プレート28には、基板嵌合凹部38の開口縁の両側に沿って、長さ方向の全域に亘って反射プレート受け部40、40がそれぞれ一体に形成されている。反射プレート受け部40、40は、放熱プレート28の基板嵌合凹部38の開口縁からそれぞれ幅方向に突出する板状の部位からなり、図5に示すように全体として放熱プレート28の配線基板実装面28aを反射シート片27の幅よりも大きな幅となるようにする。反射プレート受け部40、40は、各LED18の発光部18aを相対する各ガイド孔34から突出させて発光ユニット体15に組み合わせた反射シート片27の両側縁を係止する。
なお、反射プレート受け部40、40は、反射シート片27が基板嵌合凹部38の開口幅よりも大きな幅で形成される場合に、その両側部を支持する。反射プレート受け部40、40は、この場合に組み合わされた反射シート片27を、各LED18の発光部18aが相対する各ガイド孔34から突出させる高さ位置に保持するように形成される。
放熱部7においては、6個の放熱プレート28が、配線基板実装面28aの裏面側の第2主面をバックパネル実装面28bとし、このバックパネル実装面28bに発光アレイ実装面13aを重ね合わせてバックパネル13の内面に互いに所定の間隔を以って取り付けられる。各放熱プレート28は、配線基板実装面28aに形成した基板嵌合凹部38内に所定個数のLED18を配線基板17の発光ダイオード実装面に実装してなる3個の発光ユニット体15が取り付けられており、6列の発光アレイ16の取付部材を構成する。放熱部7においては、各発光ユニット体15に対してそれぞれ反射シート片27を組み付けた状態で、反射部6を構成する反射プレート26が各放熱プレート28を覆うようにして組み付けられる。
各放熱プレート28には、それぞれの反射プレート受け部40、40上に反射プレート26の内面が押し付けられる。各放熱プレート28には、反射プレート受け部40、40上に予め両面接着テープ41、41が全長に亘って接合されており、押し付けられた反射プレート26の内面を接合固定する。反射プレート26は、上述したように外周部をバックパネル13に形成した支持部上で支持するとともに、各発光アレイ16間の領域において光学スタッド部材25によって保持し、さらに各発光アレイ16を構成する放熱プレート28の対応領域においても反射プレート受け部40、40によって保持される。反射プレート26は、かかる構造によって高精度に位置決めされるとともに歪み等の無い状態で組み合わせが行われる。
液晶表示装置1においては、放熱部7を構成する各放熱プレート28がバックライトユニット3の発光ユニット体15の取付部材として機能するとともに、反射部6を構成する反射プレート26の取付部材としても機能する。液晶表示装置1においては、大型サイズの反射プレート26を機能を兼用する構造によって精密に位置決め保持して光効率の向上を図るとともに色むらの発生等が防止されるようにする。液晶表示装置1においては、各放熱プレート28に対して反射プレート26が極めて簡易な作業により組み合わせが行われる。なお、液晶表示装置1においては、各放熱プレート28の反射プレート受け部40、40上に接合した両面接着テープ41、41によって反射プレート26を接合するようにしたが、例えば反射プレート受け部40、40上に塗布した接着剤によって反射プレート26を固定するようにしてもよい。
液晶表示装置1においては、上述したように放熱プレート28の配線基板実装面28aに長さ方向の全域に亘って基板嵌合凹部38を形成し、この基板嵌合凹部38内に各発光ユニット体15の配線基板17を組み付けている。液晶表示装置1においては、反射プレート受け部40上に反射プレート26を接合することによって基板嵌合凹部38を閉塞する。液晶表示装置1においては、上述したように反射シート片27に形成した各ガイド孔34から各LED18がそれぞれ外周部を密着された状態で突出される。したがって、液晶表示装置1においては、各放熱プレート28が配線基板実装面28a側において基板嵌合凹部38を略密閉構造として防塵性が確保されている。
液晶表示装置1においては、上述したように放熱プレート28の配線基板実装面28aに基板嵌合凹部38が長さ方向の全域に亘って形成されているために長さ方向の側面に開放された構造となっている。液晶表示装置1においては、図4に示すように放熱プレート28の側方部位の反射プレート受け部40上に例えば発泡ウレタン樹脂やスポンジ材等によって形成された防塵部材43を接合する。液晶表示装置1においては、防塵部材43が基板嵌合凹部38の側方開放部位を閉塞することで、基板嵌合凹部38への塵埃等の侵入を防止して防塵性の向上が図られるようにする。
各放熱プレート28には、配線基板実装面28aの裏面である第2主面側をバックパネル実装面28bとしてヒートパイプ36が嵌合されるヒートパイプ嵌合凹部42や、図示しないがバックパネル13との取付部を構成する複数個の取付スタッドや位置決めダボが一体に形成されている。ヒートパイプ嵌合凹部42は、配線基板実装面28a側の受け凸部38aと対向するバックパネル実装面28bに、幅方向の略中央部に位置して長さ方向の全域に亘って開口する断面が略アーチ型形状の凹溝からなる。ヒートパイプ嵌合凹部42は、ヒートパイプ36の外径とほぼ等しい開口幅を有するとともに、その開口部位にかしめ凸縁42a、42bが一体に形成されている。
各放熱プレート28には、それぞれのヒートパイプ嵌合凹部42内にヒートパイプ36が組み付けられている。各ヒートパイプ36は、ヒートパイプ嵌合凹部42の開口部からその内部に組み付けられ、図5に示すようにかしめ凸縁42a、42bに対して開口部を塞ぐようにかしめ処理が施されることによって、外周部がヒートパイプ嵌合凹部42の内壁に密着した状態で組み付けられる。各ヒートパイプ36は、各放熱プレート28に対して、LED18の実装領域に対向した部位に全長に亘って組み付けられることによって、効率的な放熱が行われるようにする。
放熱部7においては、各放熱プレート28に形成したヒートパイプ嵌合凹部42内にそれぞれヒートパイプ36を組み付けることで、各放熱プレート28がヒートパイプ36の保持部材を兼用する。放熱部7においては、ヒートパイプ36の取付構造を簡易化するとともに、組立時等において精密なヒートパイプ25の取り扱いを簡易化するとともに折れ曲がりや破損等の発生が防止される。放熱部7においては、各放熱プレート28が、発光ユニット体15とヒートパイプ36とを互いに位置決めした状態かつ接近した状態で組み合わされるようにすることから、これら発光ユニット体15とヒートパイプ36との間で効率的な熱伝導路を構成する。
なお、放熱部7においては、各放熱プレート28のバックパネル実装面28bに開口するヒートパイプ嵌合凹部38を形成してヒートパイプ36を組み付けるようにしたが、かかる構造に限定されるものでは無い。各放熱プレート28においては、長手方向の少なくとも一方端部に開口するヒートパイプ嵌合孔を形成して側面方向からヒートパイプ36を内部に組み付けるようにしてもよい。
ヒートパイプ36は、各種の電子機器等において高温となる電源部等から放熱手段へと熱伝導を行うために一般的に採用される部材であり、熱伝導率に優れた銅等の金属製パイプ材内を排気した状態で所定の温度で気化する水等の伝導媒体を封入して構成され、高能率の熱伝導能力を有している。ヒートパイプ36は、上述したように各放熱プレート28に一体的に組み付けられ、両端部がヒートシンク37と接続される。ヒートパイプ36においては、高温側の放熱プレート28からの熱伝導を受けて内部に封入された伝導媒体が液体から気体へと気化する。ヒートパイプ36においては、気化した伝導媒体がパイプ内を低温側のヒートシンク37との接続部へと流れて冷却されることで凝縮熱を放出して液化する。ヒートパイプ36においては、液化した伝導媒体が金属パイプの内壁に形成した長さ方向の多数条の溝や多孔質層内を毛細管現象によって放熱プレート28側へと移動してパイプ内の循環が行われることで、高能率の熱伝導作用を奏する。
放熱部7においては、各放熱プレート28が、基板嵌合凹部38内に配線基板17を組み合わせるとともにヒートパイプ嵌合凹部42内にヒートパイプ36を組み付けた状態で、それぞれのバックパネル実装面28bを発光アレイ実装面13a上に重ね合わせてバックパネル13に対して精密に位置決めされて固定される。放熱部7においては、各放熱プレート28が、図3に示すようにバックパネル13の発光アレイ実装面13aに幅方向に所定の間隔を以って、長さ方向のほぼ全域に延在するようにしてそれぞれ固定されることによって、上述した発光アレイ16を構成する。
放熱部7においては、図3に示すように詳細を後述するヒートシンク37、37がそれぞれバックパネル13のヒートシンク実装面13b側に位置してその長手方向の両側に位置して高さ方向に配置されている。放熱部7においては、各発光アレイ16を構成する両側の放熱プレート28が、バックパネル13を介して各ヒートシンク37と直交するようにして延在されている。放熱部7においては、詳細を後述するようにバックパネル13を挟み込むようにして各放熱プレート28と各ヒートシンク37とが、取付ねじ52によって共締めされる。
各ヒートシンク37は、各種の電子機器等において電源部等の放熱部材として単独或いはヒートパイプ36と組み合わせて用いられ、高温部側から熱伝導を受けて放熱を行うことにより高温部の冷却を行う部材である。各ヒートシンク37は、基本的な構成を従来の一般的なヒートシンクと同様とされ、熱伝導率が高い金属材、例えばアルミ材に押出し加工や切削加工を施して形成される。各ヒートシンク37は、バックパネル13と対向する第1主面側をバックパネル取付面46bとしてなるベース46と、このベース46のバックパネル取付面46bの裏面側である第2主面をフィン形成面46aとしてこのフィン形成面46aに一体に立設されてLED18からの発生熱を表面から放熱する多数個のフィン47とから構成される。
各ヒートシンク37は、ベース46が、バックパネル13の幅(高さ)とほぼ等しい長さを有する矩形体を呈している。各ヒートシンク37は、ベース46が、ある程度の厚みを有することによって充分な機械的強度を有している。各ヒートシンク37には、図6及び図8に示すようにバックパネル13に形成した取付孔50と放熱プレート28に形成した取付孔49とに対応して複数の取付孔51が形成されている。
各ヒートシンク37には、バックパネル13に対する取付面を構成するベース46のバックパネル取付面46b側に後述する放熱シート44を組み付ける放熱シート嵌合凹部48が形成されている。放熱シート嵌合凹部48は、図8に示すように後述する放熱シート44の外形よりもやや大きな開口寸法を有するとともに、放熱シート44の厚みtよりもやや小さな深さ寸法dを以って形成されている。
各ヒートシンク37には、図8に示すように幅方向の一側部に沿って組合せ部54が一体に形成されている。組合せ部54は、後述するように液晶パネル8の画面サイズに合わせて複数個のヒートシンク55、56を適宜組み合わせて所定の放熱容量を有するヒートシンク37を構成するようにする。各ヒートシンク37には、ベース46や組合せ部54の適宜の位置に厚み方向に貫通して取付孔51が形成されている。
各フィン47は、図6及び図8に示すようにベース46のフィン形成面46a上に、長さ方向の全域に亘って一体に立設された薄厚の立壁状の部位からなる。各フィン47は、互いに平行に対峙してベース46に形成されるが、特に厚みを等しくし或いは間隔を等しくする必要は無い。各フィン47は、ベース46のフィン形成面46a上に、長さ方向の全域に亘って多数条の放熱空間部47aを構成する。
ところで、ヒートシンク37は、上述したようにベース46に対して多数個のフィン47を一体に形成して構成されることから、幅方向に対して厚み変化が大きくなり加工精度や熱膨張による変化或いは加工時のスプリングバック現象等が生じやすい。ヒートシンク37は、このためにベース46に対して図8矢印で示す方向の力が作用されて幅方向の反りが発生しやすい。なお、ヒートシンク37は、ベース46の反りが、加工条件等により各フィン47を開かせる方向や閉じさせる何れの方向にも生じる。
ヒートシンク37は、後述するようにバックパネル13を挟んで放熱プレート23と一体化されるが、ベース46に反りが生じることによってバックパネル取付面46bをバックパネル13のヒートシンク実装面13bに対して全面に亘って密着させた状態で固定することが困難となる。ヒートシンク37は、バックパネル13との間に生じる隙間により、このバックパネル13を介しての放熱プレート23との間に構成される熱伝導路の熱伝導効率を低下させてしまう。ヒートシンク37は、取付ねじ52を強く締め付けてベース46の反りを補正するようにした場合にバックパネル13に変形を生じさせてしまう。
したがって、液晶表示装置1においては、各ヒートシンク37が、バックパネル13に対して放熱シート44を介して取り付けられる。放熱シート44は、例えばある程度の熱伝導特性を有するとともに弾性変形特性を有するシリコン樹脂等によって成形され、上述したようにヒートシンク37に形成した放熱シート嵌合凹部48の開口寸法よりもやや小さな外形寸法を有するとともに放熱シート嵌合凹部48の深さ寸法よりもやや大きな厚み寸法を有している。放熱シート44には、ヒートシンク37側の相対する取付孔51と対向して厚み方向に貫通する複数個の取付孔44aが形成されている。
放熱シート44は、例えば接着剤によりヒートシンク37の放熱シート嵌合凹部48内に接合されることによって、ベース46のバックパネル取付面46bから厚み方向の一部を露出した状態で一体化される。放熱シート44は、各取付孔44aがベース46側の相対する取付孔51とそれぞれ連通される。
液晶表示装置1においては、バックパネル13の発光アレイ実装面13aに複数の発光アレイ16を構成する放熱プレート23が長さ方向に対してそれぞれ所定の間隔を以って取り付けられている。液晶表示装置1においては、バックパネル13のヒートシンク実装面13b側に、長さ方向の両側に位置して両側の放熱プレート23と直交するようにして放熱シート44をそれぞれ接合した各ヒートシンク37が配置される。したがって、液晶表示装置1においては、図3に示すようにバックパネル13の長さ方向の両側に位置して、このバックパネル13を挟んで放熱プレート23とヒートシンク37とが複数箇所で重なり合う重なり合い部位57を構成する。
液晶表示装置1においては、これら各重なり合い部位57において、図6に示すように放熱プレート23に形成した取付孔49と、バックパネル13に形成した取付孔50と、放熱シート44に形成した取付孔44aと、各ヒートシンク37に形成した取付孔51とが互いに連通される。液晶表示装置1においては、これら取付孔49、50、44a、51に対して、例えばヒートシンク37側から取付ねじ52がそれぞれねじ込まれる。液晶表示装置1においては、各取付ねじ52によって、放熱プレート23とヒートシンク37とがバックパネル13を挟み込んだ状態で一体化される。
液晶表示装置1においては、上述したようにバックパネル13がやや薄厚とされるとともに、放熱プレート23とヒートシンク37のベース46とが大きな厚みを以って形成されている。したがって、液晶表示装置1においては、各取付ねじ52を強くねじ込んでもバックパネル13に部分的な変形を生じさせることなく、バックパネル13に対して放熱プレート23とヒートシンク37とが強固に固定されるようになる。また、液晶表示装置1においては、バックパネル13が、格子状に組み合わされる放熱プレート23とヒートシンク37とによって挟み込まれた状態を呈することによって全体に亘って機械的強度が補強された状態となる。
液晶表示装置1においては、上述したようにヒートシンク37が、ベース46に形成した放熱シート嵌合凹部48に放熱シート44を接合した状態でバックパネル13への取付が行われる。液晶表示装置1においては、放熱シート44が各取付ねじ52をねじ込むにしたがってバックパネル13とベース46との間で次第に厚み方向に圧縮されて弾性変形した状態となる。したがって、液晶表示装置1においては、ヒートシンク37がベース46に反りを生じた状態であっても、図6に示すように放熱シート44を介してベース46のバックパネル取付面46bがバックパネル13のヒートシンク実装面13bとの密着状態を保持される。液晶表示装置1においては、かかる構成によって放熱プレート23とヒートシンク37との間に、バックパネル13と放熱シート44とを介して互いに密着された熱伝導路を構成して良好な放熱が行われるようになる。
ところで、液晶表示装置1においては、ヒートシンク37が、大型であるほど大きな放熱作用を奏するが、バックライトユニット3や装置全体の厚みを大きくかつ大型化させる。ヒートシンク37は、大型で重量が大きな部品であり、例えば配線基板等に直付けする場合に回路部品や配線パターン等との絶縁を保持する取付ブラケット部材や高温部位との間に介在する熱伝導部材等を必要として構造を複雑とさせる。
液晶表示装置1においては、上述したように多数個の放熱プレート28とヒートパイプ36とを用いて比較的大型部品である各ヒートシンク37がバックパネル13に対して巧に配置される。また、液晶表示装置1においては、放熱プレート28とヒートパイプ36との間にバックパネル13と放熱シート44とを介して効率的な熱伝導路が構成される。したがって、液晶表示装置1においては、大型化を抑制してバックライトユニット3から発生する熱を効率的に放熱するように構成される。
液晶表示装置1においては、図7及び図9に示すように各ヒートシンク37にそれぞれ冷却ファン45が取り付けられることによって、ヒートシンク37の放熱作用の促進が図られている。冷却ファン45も、高温部位からの放熱或いは冷却を行う装置として、各種の電子機器に備えられている。冷却ファン45は、図示しないがヒートシンク37に対して各フィン47間に構成される放熱空間部47aを閉塞するようにして組み合わされるバックカバーの一部を切り欠いた部位に取り付けられる。
冷却ファン45は、詳細を省略するが、取付部が形成された筐体と、複数のアーム部を介して筐体の中央部に配置されたモータと、このモータによって回転されるファン等を備えている。冷却ファン45は、筐体の厚み方向の主面が開口されており、この開口部を放熱空間部47aに臨ませるようにしてヒートシンク37に取り付けられる。冷却ファン45は、モータに電源が投入されてファンが回転すると、ヒートシンク37に対して各フィン47間の放熱空間部47a内に冷却風を送風することにより各フィン47からの放熱を促進させる。
ところで、液晶表示装置1においては、液晶パネル8を垂直に設置した状態で用いることから、各LED18から発生した熱が上昇して内部において次第に上方部位に籠もるようになる。液晶表示装置1においては、上述したように放熱プレート23やヒートパイプ36或いはヒートシンク37や冷却ファン45によって構成される放熱部7により、各LED18からの発生熱の放熱が行われる。
液晶表示装置1においては、冷却ファン45によるヒートシンク37の放熱促進がより高温となる上方部位において作用されるように構成されている。すなわち、液晶表示装置1においては、図9に示すように冷却ファン45が、ヒートシンク37に対して高さ方向の中心線OLに対して、上方側にΔhをずらして取り付けられている。
したがって、液晶表示装置1においては、各冷却ファン45からヒートシンク37に対して供給される冷却風が、上方部位においてより多く供給されるようになる。液晶表示装置1においては、かかる構成によってヒートシンク37において上方部位における放熱作用が促進され、全体として均一な温度分布となる。液晶表示装置1においては、液晶パネル8や各光学プレート類が全体として均一な温度となり、色むら等の発生を防止し或いは安定した動作が行われるようになる。また、液晶表示装置1においては、高能力の冷却ファン45が不要とされることで、消費電力が低減されるとともに静粛化も図られる。
なお、冷却ファン45は、一般に筐体が略正方形を呈するとともに各コーナ部に取付部が形成されている。冷却ファン45は、筐体の側面部をヒートシンク37の各フィン47に対して平行状態の向きで取り付けた場合に、各取付部が各フィン47間の放熱空間部47aの一部を塞いで冷却風の送風効率を低下させてしまう。したがって、冷却ファン45は、図7に示すようにヒートシンク37の各フィン47に対して約90度傾けた状態で取り付けられることによって、開口部のほぼ全体から冷却風を放熱空間部47a内へと送風する。また、冷却ファン45は、各フィン47間の放熱空間部47a内から排気を行うことにより、各フィン47からの放熱を促進させるようにしてもよい。
液晶表示装置1においては、上述したように放熱プレート28にヒートパイプ嵌合凹部42を形成したことにより、バックパネル13にヒートパイプ36を引き回すために配置経路に沿った逃げ凹部を形成するといった対応を不要とする。液晶表示装置1においては、かかる構成によってバックパネル13が、全体をフラットな形状に形成されるとともに薄型化も図られる。液晶表示装置1においては、フラット形状のバックパネル13の背面にヒートシンク37を両側に位置して組み付けて、このバックパネル13の中央領域にフラットな部位が構成されるようにする。
液晶表示装置1には、液晶パネル8に対してその動作制御用の信号を出力する液晶コントローラ60や、液晶パネル8や電源部を制御する電源制御ユニット61、或いはバックライトユニット3の動作を制御するLED制御ユニット62等の制御回路パッケージが備えられる。液晶表示装置1においては、バックパネル13がこれら制御回路パッケージ等の搭載パネルを兼用し、図7に示すように第2主面13b側に適宜搭載する。液晶表示装置1においては、ヒートシンク37を両側に配置することによって中央部に構成されたフラットな領域に配置された制御基板に上述した各制御回路パッケージ等を搭載する。
液晶表示装置1においては、各制御回路パッケージをフラットな領域に搭載することにより、簡易な工程によって浮き上がり等が生じることなく搭載することが可能とされる。液晶表示装置1においては、一般に各制御回路パッケージがヒートシンク37に対して薄型であることから、全体として薄型に構成することが可能となる。
液晶表示装置1においては、例えばテレビジョン受像機として用いられる場合に、画面サイズとして例えば40インチ、42インチ、46インチ及び55インチのものが提供されている。液晶表示装置1においては、液晶パネル8の画面サイズが大型化するにしたがい、表示輝度を保持するためにバックライトユニット3により多くのLED18が備えられて大容量の照明光が供給されるように構成される。液晶表示装置1においては、LED18の数量が増えるにしたがって、各LED18から発生する熱も大きくなり、放熱部7において効率的な放熱が行われるようにしなければならない。
液晶表示装置1においては、一般に液晶パネル8の画面サイズ仕様に応じて放熱容量特性を異にするヒートシンク37が用いられる。ヒートシンク37は、フィン47の形状や表面積の大きさ等によって放熱容量特性が規定され、画面サイズ仕様に応じた複数仕様のものを手配する必要がある。液晶表示装置1においては、例えば40インチサイズの液晶パネル8を基準画面サイズとした場合に、図7に示すようにバックパネル13に対して左右一対のヒートシンク37、37が配置される。
液晶表示装置1においては、40インチの液晶パネル8よりも大きな画面サイズの液晶パネル8を備える場合に、図11に示すように大型に形成されたバックパネル13に対して左右一対のヒートシンク37を配置した基本的な構成を同様とするが、これらヒートシンク37が詳細を後述する第1ヒートシンク55と第2ヒートシンク56との組合せ体によって構成される。
ヒートシンク37は、上述したようにアルミ材等によって形成することから、所定の大きさに切断加工を施すことによって共通部品化を図ることも考慮される。しかしながら、ヒートシンク37は、上述した複雑な断面形状と、数十センチの長さを有しており、素材に対して所定の長さと幅に精度よく切断して切り出す加工を施すことが極めて面倒であり、歩留まりが悪くなるとともに加工能率も悪くなる。
液晶表示装置1においては、大型表示画面を有するテレビジョン受像機が、一般に40インチ程度をベースとして大画面化が図られている。液晶表示装置1においては、ヒートシンク37が、図10に示す幅W、長さLを有する共用ヒートシンク素材53を用い、この共用ヒートシンク素材53を所定の長さに切断して第1ヒートシンク55を形成するとともに、画面サイズ仕様に応じた所望の放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56とを組み合わせて構成される。共用ヒートシンク素材53は、例えば40インチ用を基準として製作され、幅Wが基準画面としての40インチ用として必要な放熱容量を確保するに足る140mmとされるとともに、長さLが最大画面の55インチ用にまで対応するに足る長さに形成されている。
ヒートシンク37は、上述した共用ヒートシンク素材53を用い、この共用ヒートシンク素材53を所定の長さに切断して第1ヒートシンク55を形成するとともに、画面サイズ仕様に応じた所望の放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56とを組み合わせて構成される。共用ヒートシンク素材53には、ベース46に、多数条のフィン47が一体に立設されるとともに、ベース46の一方側縁に沿って長さ方向の全域に亘り組合せ部54が一体に形成されている。また、共用ヒートシンク素材53には、ベース46に、所定の間隔を以って多数個の取付孔51が形成されている。共用ヒートシンク素材53には、冷却ファン45を取り付ける取付部が形成されている。
共用ヒートシンク素材53は、画面サイズ仕様に応じて長さ方向の一方端面を基準にして所定位置で幅方向の切断が行われることにより、所定の長さを有する第1ヒートシンク55として形成される。第1ヒートシンク55は、共用ヒートシンク素材53に対して幅方向の切断加工を施すことで、能率よくかつ高精度に形成される。
液晶表示装置1においては、40インチ液晶パネル8を用いる場合に、ヒートシンク37が共用ヒートシンク素材53を所定の長さLaに切断してなる図12(A)に示す1個の第1ヒートシンク55A(実際には左右一対が備えられる。)によって構成される。第1ヒートシンク55Aは、具体的には長さLaが410mm、幅Waが140mmに形成される。
液晶表示装置1においては、42インチ液晶パネル8を用いる場合に、ヒートシンク37が共用ヒートシンク素材53を所定の長さLbに切断してなる図12(B)に示す1個の第1ヒートシンク55B(実際には左右一対が備えられる。)と、放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56Bとによって構成される。ヒートシンク37は、具体的には第1ヒートシンク55Bが幅Waを140mmとし、長さLbが430mmに形成されたものが用いられる。また、ヒートシンク37は、第2ヒートシンク56Bが、長さLbを430mmと共通とし、幅Xbが40mmに形成される。
液晶表示装置1においては、46インチ液晶パネル8を用いる場合に、ヒートシンク37が共用ヒートシンク素材53を所定の長さLcに切断してなる図12(C)に示す1個の第1ヒートシンク55C(実際には左右一対が備えられる。)と、放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56Cとによって構成される。ヒートシンク37は、具体的には第1ヒートシンク55Cが幅Waを140mmとし、長さLcが470mmに形成されたものが用いられる。また、ヒートシンク37は、第2ヒートシンク56Cが、長さLcを470mmと共通とし、幅Xcが約53〜54mmに形成される。
液晶表示装置1においては、55インチ液晶パネル8を用いる場合に、ヒートシンク37が共用ヒートシンク素材53を所定の長さLdに切断してなる図12(D)に示す1個の第1ヒートシンク55D(実際には左右一対が備えられる。)と、放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56Dとによって構成される。ヒートシンク37は、具体的には第1ヒートシンク55Dが幅Waを140mmとし、長さLdが560mmに形成されたものが用いられる。また、ヒートシンク37は、第2ヒートシンク56Dが、長さLdを560mmと共通とし、幅Xdが約140mmに形成される。したがって、ヒートシンク37は、同一形状の第1ヒートシンク55Dと第2ヒートシンク56Dとを組み合わせて構成する。
液晶表示装置1においては、上述したように40インチ液晶パネル8を基準表示パネルとするとともに、この基準表示パネル用に適合する幅Wを有する長尺の共用ヒートシンク素材53が予め用意される。液晶表示装置1においては、基準表示パネルよりも画面サイズが大きい液晶パネル8を用いる場合に、共用ヒートシンク素材53にこの適用表示パネルに適合した所定の長さに切断する加工を施して形成された第1ヒートシンク55を用いるとともに、この第1ヒートシンク55に放熱容量の不足分を補完する第2ヒートシンク56を組み合わせて構成する。液晶表示装置1においては、多種類の仕様に対して部品の共用化が図られるとともに素早い対応も図られ、最適仕様のヒートシンク37を構成して高精度の放熱が行われるようにする。
なお、液晶表示装置1は、ヒートシンク37が、各画面仕様に対応して選択された上述した寸法値を有する第1ヒートシンク55と第2ヒートシンク56とを組み合わせて構成するものに限定され無いことは勿論である。液晶表示装置1は、第1ヒートシンク55を形成する共用ヒートシンク素材53が、フィン47の大きさや数量等によって放熱特性が決定され、その長さLや幅Wが変えられる。液晶表示装置1は、バックパネル13等に対する取付構造を共通化するとともに、全体で均等な放熱作用が奏されるようにするため、第2ヒートシンク56が第1ヒートシンク55と同長とされて組合せ部54を介して一体化されることが好ましい。液晶表示装置1は、第1ヒートシンク55側にのみ冷却ファン45の取付部を形成したことにより、第2ヒートシンク56を簡易な形状として構造の簡易化が図られるようにする。
液晶表示装置1においては、バックパネル13とヒートシンク37との間に放熱シート44を挟み込んで効率的な熱伝導路を構成するようにしたが、かかる構成を配線基板17と放熱プレート23との間に設けるようにしてもよい。液晶表示装置1においては、放熱プレート23に形成した基板嵌合凹部38の開口寸法よりもやや小さな外形寸法を有しかつ基板嵌合凹部38の深さよりもやや大きな厚みを有する放熱シートが用いられる。液晶表示装置1においては、放熱プレート23に対して配線基板17を固定することによって放熱シートが厚み方向に潰され、放熱プレート23と配線基板17との間で効率的な熱伝導路が構成されるようになる。
上述した実施の形態は、40インチ以上の大型表示画面を有するテレビジョン受像機の表示パネル用の透過型液晶表示装置1を示したが、本発明は大型画面を有する各種の液晶表示装置に適用されることは勿論である。また、本発明は、大型表示装置に適用して極めて効果的であるが、中型サイズの表示装置にも適用可能である。