JP4858313B2 - ワークスペース管理方式 - Google Patents
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Description
1.ワークスペースの構築・切り替えが支援されるか否か。
2.ウィンドウの重なりをなくすよう、ウィンドウ間での調整がどの程度行われているか。
3.既存のアプリケーションが利用可能かどうか、可能ならどの程度の困難さで可能か。
1.ワークスペースの構築と切り替えに関する機能上の課題
2.既存アプリケーションを活用するための実現方式に関する課題
先に述べた従来研究のうち、ワークスペースの構築を可能とするものは、表1に示すように、Rooms(非特許文献1)、Task Gallery(非特許文献2)、 Scalable Fabric(非特許文献3)、 GroupBar(非特許文献4、5)、特許文献1、および Elastic Windows(非特許文献6)である。いかにタスク切り替えを容易にするか、いかにして以前のタスク状態に簡単に戻れるようにするか、そのためのユーザインタフェースを工夫するということがこれら技術の中心課題である。
先にワークスペース内でのウィンドウが重ならないよう、ウィンドウ位置を自動調整することの必要性を述べた。特許文献2および特許文献3では、この問題を部分的に解決する。すなわち、ユーザからの指示、またはウィンドウを開くタイミングにおいてウィンドウ間の重なりがなくなるようにウィンドウ配置を調整する。しかし、その後にユーザがウィンドウを移動したり、サイズ変更を施した場合には、他のウィンドウが隠れてしまう可能性がある。
さらに本発明は、既存システムに対するできるだけ少ない変更を加えることで、複数のウィンドウの配置を再現することでワークスペースの構成を可能にし、かつ各ワークスペース内でウィンドウが重なり合うことのないようにウィンドウ配置の調整を可能にすることを目的とする。言い方を変えるなら、本発明は、既存システムへの変更をできるだけ少なくし、従来技術に対する3つの評価基準の全てを満足させること、さらにはそのための簡易で直感的なユーザインタフェースを提供することを狙いとする。
(a)ウィンドウによるワークスペースを構築する操作が、従来のもの比べて直感的で簡単である。
(b)ワークスペースにおけるウィンドウ配置を自動化することで、ウィンドウ配置が容易になり、無駄なスペースをつくることなく、限られたディスプレイ空間を有効に利用できる。
1.ワークスペースの構築、切り替えを支援するユーザインタフェース
2.1のユーザインタフェースを実現するためのアーキテクチャであり、既存のアプリケーションを発明の枠組みにできるだけ簡易に取り込むための実現方式
図1Aは、ディスプレイ上に2つのウィンドウA、Bが表示され、ウィンドウAの近くにウィンドウBがドラッグされている状態を示している。ウィンドウA、Bは、それぞれ別々のアプリケーションソフトウエアをコンピュータのオペレーティングソフトウエア上で実行することによりディスプレイ上に表示されたものであり、ウィンドウBは、マウス等の入力装置によって選択され、ドラッグ(移動)される。ウィンドウAとウィンドウBがある程度の近さになると、両者がドッキング可能であることを示すギザギザののりしろ10、12がウィンドウA、Bの対向する辺にそれぞれ表示される。この状態で、ウィンドウBをドロップ(移動を停止)すると、図1Bに示すように、両ウィンドウA、Bはドッキングし、1つのウィンドウになる。この際、ウィンドウBのサイズは、ウィンドウAののりしろが表示された辺のサイズに適合するサイズに調整される。
(a)ドッキング後のウィンドウの形は、長方形または矩形状である。
(b)ドッキング後のウィンドウは、一緒になって移動する。つまり、タイトルバーをドラッグすることで、ウィンドウA、B両方が同時に移動する。
(c)ドッキングウィンドウに含まれる個々のサブウィンドウに対して、同時にクローズ、最大化、最小化をすることができる。
(a)特定のサブウィンドウのサイズを変更することで、他のサブウィンドウ (さらには、全体を統括するドッキングウィンドウ) のサイズも変化する。
(b)ドッキングの解除が可能である。全体を解除する場合もあるだろうし、特定のサブウィンドウだけを解除する場合もあるだろう。
(c)必要に応じて、ドッキングされたことを示すよう、タイトルバーの表示を通常のウィンドウの表示と異ならせてもよい。
(イ)通常の「最小化」、「最大化」、「閉じる」のボタンに対して、「ドッキング解除」のボタンを加える。
(ロ)ウィンドウのアイコンを特殊なものに変える。
(ハ)タイトルバーの背景の色を変える。
本発明の上記したアイデアの枠組み(Docking Window Framework (DWF) と呼ぶことにする)を実現するにあたり、オペレーティングシステム(OS)に機能を追加するだけでDWFを実現することができれば、次のような観点から都合がよい。
(a)既存のアプリケーション(例えば、Microsoft Office のアプリケーションなど)に一切の変更を施すことなく、DWFの利点を得ることができる。
(b)システムにバグがあっても、OSに追加したモジュールのみを置き換えればよく、アプリケーションごとに置き換えをする必要がない。このことは、システムのバージョンアップについてもいえる。
方式B(イベント通知方式):イベント通知方式は、各ウィンドウでウィンドウ状態に変更があった場合、ウィンドウからマネージャにイベントが生じたことを通知する。
(a)マネージャが定期的に全てのウィンドウの状態をチェックするため、コンピュータのリソースを大幅に使うことになる。
(b)定期的なチェックによりイベントを検出するため、実際のイベントの発生からイベントを検知するまでにタイムラグが生じることになる。これが、DWF全体の振る舞いに遅延をもたらすことになる。もちろん、チェックの周期を小さくすることで問題は軽減できるが、周期を小さくすればするほどコンピュータのリソースが消費されることになる。
アプリケーション終了「Exit」
ウィンドウがアクティブ「Active」
ウィンドウの移動「Move」
ウィンドウのドロップ(移動の終了)「Drop」
ウィンドウのサイズ変更「Resize」
図1に示すドッキングは、ドッキングされるウィンドウAの外側に、ドッキングしたウィンドウBがくっつく(Aの外側にBがはみ出る)かたちでドッキングが行われた。このようなドッキングを「拡張ドッキング」と呼ぶことにする。これに対して、図5A、Bに示すドッキングは、ウィンドウA、Bのドッキングウィンドウに対して、ウィンドウCがウィンドウBの領域に割り込むようにドッキングされている。このように既存のウィンドウに入り込むかたちでのドッキングを、「埋め込みドッキング」と呼ぶことにする。
ドッキングウィンドウに対するインタラクション
(a) ワークスペース内の特定のウィンドウを大きくしたり、小さくしたりする。相対的に他のものは小さくなったり、大きくなったりする。最大化、最小化ではなく、拡大、縮小に対応する。
(b)ワークスペース内の特定のウィンドウをシュリンクする。相対的に他のものは大きくなる。
(c)ドッキングウィンドウの状態 (サブウィンドウのアプリケーションと位置関係)を保存し、再現することができる。
(d)ドッキングウィンドウのドキュメント状態 (ウィンドウ状態に加え、各ウィンドウで開いているドキュメント、スクロール位置、カーソル位置など) を保存し、再現することができる。
本発明を用いたフレームワークをユーザが始めて利用する場合に、ワークスペース構築支援として利用できるだろうし、通常の利用において、ウィンドウをドッキングした際、他に候補となりえるウィンドウを自動的に推薦してもよい。ドッキング候補のアプリケーションやドキュメントは以下のように収集すればよい。
(a)ドキュメントの日時属性(作成、更新、参照)が近いもの
(b)かつて一緒に利用したことのあるドキュメント
(c)他のワークスペースで一緒に利用されているドキュメント
(a)ワークスペース内でのユーザの振る舞いにおいて、アクティブなサブウィンドウがどのように推移するかを分析し、適切なウィンドウ配置を推薦する。
(イ)操作の移動や目線移動は少ない方が望ましい。
(ロ)操作は左から右、上から下に移動することが望ましい。
(ハ)頻繁に操作の切り替えが起こるサブウィンドウは隣り合うことが望ましい。
イベント検出方式では、個々のアプリケーションのウィンドウには一切の変更を施す必要はなく、マネージャが全ての処理を行う。また、イベントの検出において、Exitイベントは検出しないものとする。
まずは、イベント検出手段140から説明する。イベント検出手段140は、定期的にアクティブなウィンドウ状態を取得し、ウィンドウ・イベント・テーブルを参照しながら以前のウィンドウ状態と比較することにより、イベントの検出を行う。
「ウィンドウID」は、ウィンドウの識別子を保持する。
「位置」は、ウィンドウの左上の座標を保持する。
「サイズ」は、ウィンドウの幅と高さを保持する。
「アクティブ」は、ウィンドウが現在アクティブか否かを示すフラグを保持する。
「イベント」は、アクティブなウィンドウに対して直前に発生したイベントを保持する。
「ウィンドウ管理手段」は、個々のウィンドウのイベント送信手段からイベントメッセージを受け取ったら、「ウィンドウテーブル」「ドッキングテーブル」を参照し、必要なウィンドウに操作を行う。まずは、ウィンドウテーブル、ドッキングテーブルのデータ構造を説明し、次いでウィンドウ管理手段の振る舞いを示す。
「ウィンドウID」は、ウィンドウのIDを保持する。
「位置」は、各ウィンドウの左上の座標を保持する。
「サイズ」は、各ウィンドウの幅と高さを保持する。
「ドッキングID」は、ウィンドウがドッキングされている場合、ドッキングされているウィンドウのウィンドウIDの集合を保持する。ウィンドウがどのウィンドウともドッキングされていない場合、このカラムは空になる。
「ドッキングID」は、ドッキングウィンドウのIDを保持する。
「位置」は、各ドッキングウィンドウの左上の座標を保持する。
「サイズ」は、各ドッキングウィンドウの幅と高さを保持する。
「ドッキング集合」は、ドッキングされているウィンドウのウィンドウIDの集合を保持する。
Executeイベントを検出したときの動作フローを図8に示す。Wがドッキングウィンドウか否かによって動作が異なる。Wがドッキングウィンドウか否かをチェックし(ステップS20)、ドッキングウィンドウの場合、ドッキングテーブルからWの位置、サイズを取得し(ステップS21)、ドッキングテーブルにWの情報(ID、位置、サイズ、サブウィンドウの集合)を追加し(ステップS22)、ウィンドウテーブルからサブウィンドウの位置、サイズを取得し(ステップS23)、ウィンドウテーブルにサブウィンドウの情報を追加する(ステップS24)。Wが非ドッキングウィンドウの場合は、Wのサイズを取得し(ステップS25)、単にウィンドウテーブルにWの情報を追加する(ステップS26)。
Moveイベントを検出したときの動作フローを図9に示す。まずは、Wの位置を取得し(ステップS30)、ウィンドウテーブルにおけるWの情報を更新する(ステップS31)。Wがドッキングされているか否かチェックし(ステップS32)ドッキングされている場合には、Wとドッキングされている他のウィンドウを探し、ウィンドウ位置を再計算する(ステップS33)。次いで、Wとドッキングされている他のウィンドウについて、ウィンドウテーブルでの位置情報およびドッキングテーブルでの対応する情報を更新する(ステップS34)。さらに、近傍ウィンドウ検出手段において、ウィンドウテーブルを参照し、近傍にウィンドウが存在するか否かを探す(ステップS35)。近傍のウィンドウがあった場合は、のりしろ表示手段においてのりしろを表示する(ステップS36)。近傍のウィンドウがなかった場合は、のりしろ表示手段においてのりしろを非表示する(ステップS37)。
Dropイベントを検出したときの動作フローを図10に示す。まずは、Wの位置、サイズを取得する(ステップS40)。次いで、近傍ウィンドウ検出手段において、Wの近傍ウィンドウを探す(ステップS41)。近傍ウィンドウが存在しなかった場合には何もせず終了する。近傍ウィンドウW’があった場合には(ステップS42)、ドッキング手段において、WとW’の位置、サイズを再計算し、ウィンドウ位置を設定し、両者をドッキングする(ステップS43)。さらに、ウィンドウテーブルにおける WとW’の位置およびサイズの情報を更新し(ステップS44)、ドッキングテーブルにおける情報も更新する(ステップS45)。
Resizeのイベントを検出したときの動作フローを図11に示す。まずは、Wの位置を取得し(ステップS50)、テーブルウィンドウにおけるWの情報を更新する(ステップS51)。Wが他のウィンドウとドッキングしているか否かをチェックし(ステップS52)、ドッキングしていない場合には、処理を終了する。Wが他のウィンドウとドッキングしている場合には、ドッキングしているW以外のウィンドウについて、位置とサイズを再計算し、ウィンドウ位置を設定する(ステップS53)。さらに、ウィンドウテーブルにおけるWとドッキングしているW以外のウィンドウの情報を更新し(ステップS54)、ドッキングテーブルにおける Wの位置とサイズの情報を更新する(ステップS55)。
ウィンドウWが移動中(WでイベントMoveが検出されている最中)の「近傍ウィンドウ検出手段」の動作を説明する。図12に示すように、ウィンドウの四辺の位置を示すために、図のように、上をトップ(Top)、下をボトム(Bottom)、左を)レフト(Left)、右をライト(Right)と呼ぶことにする。
ライト(Right)?レフト(Left)
トップ(Top)?ボトム(Bottom)
Wのライト(Right)とXのレフト(Left)
Wのレフト(Left)とXのライト(Right)
Wのトップ(Top)とXのボトム(Bottom)
Wのボトム(Bottom)とXのトップ(Top)
移動中のWに対して、近傍ウィンドウ検出手段で近傍ウィンドウXが検出されたら、のりしろ表示手段は、WとXの両脇に「WとXがドッキング可能」であることを示すのりしろを表示する。XがWの近傍ウィンドウであり、Wのレフト(Left)とWのライト(Right)が接近している場合、のりしろ表示手段は、図13Aに示すように、ウィンドウXにのりしろ20を、ウィンドウWにのりしろ22を表示する。のりしろの表示態様は、例えば、ウィンドウの辺の形状が変化したり、ウィンドウの辺の色彩が変化したり、あるいは、ウィンドウの辺の形状と色彩の双方が変化したりするようにしてもよい。これ以外にも、ユーザが視覚的にドッキング位置を認識できる態様であればよく、付加的に他の色彩や形状等のイメージを付加するものであってもよい。
ウィンドウWからDropイベントが検出された場合、ウィンドウ管理手段は、Wの近傍ウィンドウを探す。Wの近傍ウィンドウXが存在する場合、「ドッキング手段」により、実際にWとXのドッキング処理が行われる。
Wのドッキング位置がレフト(Left)の場合;
Wの高さを、Xの高さと同じにし、Xの左にXと接するようWを移動させる (図 13Bを参照)。
Wのドッキング位置がライト(Right)の場合;
Wの高さを、Xの高さと同じにし、Xの右にXと接するようWを移動させる。
Wのドッキング位置がトップ(Top)の場合;
Wの幅を、Xの幅と同じにし、Xの下にXと接するようWを移動させる。
Wのドッキング位置がボトム(Bottom)の場合;
Wの幅を、Xの幅と同じにし、Xの上にXと接するようWを移動させる。
本実施例では、ウィンドウ間のデータやタイミングのやり取りはイベントドリブンにて行うことを前提とするが、実施の形態はイベントドリブンのみに限定されるものではない。メモリやファイルを介して行ってもよい。とりあえず、何らかの手段で、各ウィンドウからマネージャに対してメッセージを送信する。
イベント送信手段200は、自分のウィンドウに以下のような操作が生じた際に、そのイベントをウィンドウ管理手段220に送信する。先の実施例では、Exitイベントの検出を行なわなかったが、本実施例では各ウィンドウからExitイベントも送信されるものとする。
「ソースウィンドウ」は、イベントを送信するウィンドウのウィンドウIDを保持する。
「イベントの種類」は、送信するイベントの種類を示す。
ウィンドウ管理手段220は、基本的には上記したイベント検出方式と同じである。ただし、Exitイベントの管理が新たに加わっているから、その差分のみを説明する。
Exitイベントを検出したときの動作フローを図15に示す。Wがドッキングウィンドウか否かによって動作が異なる。Wがドッキングウィンドウか否かをチェックし(ステップS60)、Wがドッキングウィンドウの場合、ウィンドウテーブルからWのサブウィンドウの情報を削除し(ステップS61)、次いで、ドッキングテーブルからWの情報を削除する(ステップS62)。Wが非ドッキングウィンドウの場合は、単にウィンドウテーブルからWの情報を削除する(ステップS63)。
まずは、ウィンドウの状態保存において、2つの保存形態があることを明記しておく。
ウィンドウ状態の保存
ウィンドウ状態の保存では、以下の情報を保持する。
個々のウィンドウのアプリケーション
個々のウィンドウの位置とサイズ
ドキュメント状態の保存では、ウィンドウ状態に加え、以下の情報を保持する。
個々のウィンドウで開いているドキュメント
個々のウィンドウでのスクロール位置
個々のウィンドウでのカーソル位置
ウィンドウ管理手段220に含まれるウィンドウテーブルのデータ構造は、表6のように拡張される。「ウィンドウID」、「位置」、「サイズ」、「ドッキングID」は、表3のものと同じであり、表6は、以下のフィールドを拡張している。
「ドキュメント」は、ウィンドウで開くドキュメントのパスやURLを示す。ドキュメントを指定しない場合は空にする。
「スクロール位置」は、ドキュメントのスクロール位置 (ドキュメントの長さに対する比率) を保持する。「ドキュメント」フィールドが空の場合は、スクロールされることもないので、このフィールドも空になる。
「カーソル位置」は、ドキュメントにおけるカーソル位置 (先頭からの文字数) を保持する。「ドキュメント」フィールドが空の場合は、カーソルが置かれることもないので、このフィールドも空になる。
ドッキングIDがD001のドッキングウィンドウの保存が指定された場合、状態保存手段300は、表6からD001に関する部分を抜き出した情報(表7を参照)を含む構造化データをユーザが指定した、あるいは予め指定されているファイルに保存する。
状態再現手段310は、ファイルを読み込み、上記のデータ構造に基づいて、ドッキングウィンドウを再現する。まずは、指定されたアプリケーションを利用してサブウィンドウを開き、ウィンドウの位置とサイズを定める。さらに、指定されたドキュメントを開き、スクロール位置、カーソル位置を設定する。
ドッキング対象ウィンドウ候補の提示を行うシステム構成を図17に示す。ここでは、上記したイベント通史方式に対して、ウィンドウマネージャ214側に、候補ドキュメント検索手段400、候補ドキュメントお知らせ手段410、候補ドキュメント提示手段420およびウィンドウ生成手段430が追加されている。
ユーザがウィンドウをドッキングするとき
ユーザから候補ドキュメントの検索が指示されたとき
(a)現在アクティブなウィンドウで表示しているドキュメントと日時属性 (作成日時、更新日時、参照日時) が近いものを検索する。アクティブなウィンドウがドッキングウィンドウである場合、そのサブウィンドウで表示しているドキュメントと日時属性が近いものを検索する。
(b)現在アクティブなウィンドウで表示しているドキュメントとかつて一緒に利用したことのあるドキュメントを検索する。アクティブなウィンドウがドッキングウィンドウである場合、そのサブウィンドウで表示しているドキュメントとかつて一緒に利用したことのあるドキュメントを検索する。これを実現するためには、これまでのドキュメントの利用を履歴として保持しておく必要がある。
(c)現在アクティブなウィンドウで表示しているドキュメントと他のワークスペース (ドッキングウィンドウ) で一緒に利用されているドキュメントを検索する。アクティブなウィンドウがドッキングウィンドウである場合、そのサブウィンドウで表示しているドキュメントと他のワークスペースで一緒に利用されているドキュメントを検索する。これを実現するためには、ドッキングウィンドウでのドキュメントの利用を履歴として保持しておく必要がある。
ウィンドウ配置の推薦を行うためのシステム構成を図19に示す。イベント通知方式の実施例に対して、ウィンドウマネージャ216側に、利用ログ取得手段500、利用ログ分析手段510、およびレイアウト推薦手段520が追加される。
利用ログ取得手段500は、ドッキングウィンドウ内でのサブウィンドウに対する操作のログを取得し、利用ログテーブルに履歴を格納する。利用ログテーブルは、ドッキングウィンドウに対するユーザの操作履歴を保持するテーブルである。データ構造の一例を表8に示す。テーブルは以下のフィールドをもつ。
「日時」は、操作が発生した日時を保持する。
「ドッキングID」は、操作が行われたドッキングウィンドウのIDを保持する。ここで、ドッキングIDは、ドッキングウィンドウの起動毎に異ならないものとする。
「ウィンドウID」は、ドッキングウィンドウのサブウィンドウのウィンドウIDを保持する。ここで、ウィンドウIDは、起動毎に異ならないものとする。
「操作の種類」は、ユーザからどのような操作があったのかを保持する。とりあえずアクティブ、スクロール、クリック、入力などの操作を保持するが、その中で最も重要なのはアクティブである。下で述べる利用ログ分析手段のアルゴリズムではアクティブの履歴を解析することで推薦を行う。
(a)サブウィンドウの利用頻度
(b)サブウィンドウ間の類似度
(1) 最も利用頻度の高いサブウィンドウを一番左に置く。
(2) それと最も類似度の高いウィンドウを左から2番目におく。
(3) まだ配置の決まっていないサブウィンドウの中で左から2番目のサブウィンドウと最も類似度が高いものを左から3番目におく。
(4) (3) の処理を繰り返すことで、全てのサブウィンドウの配置 (左からの順番) を決める。
(5) サブウィンドウのサイズは、もともとのサブウィンドウの面積に比例するように、横幅を定める。
上記に述べたとおり、埋め込みドッキングには、その動作に関して次のような特徴がある。ドッキングの前後で(ドロップされた側の)ウィンドウ全体のサイズが変化しない。「のりしろ」が、ウィンドウの複数の辺に表示される。
イベント通知方式の近傍ウィンドウ検出手段600は、2つのウィンドウがレフト(Left)-ライト(Right)、トップ(Top)-ボトム(Bottom)の関係にあるウィンドウのみを検出したが、本実施例では、2つのウィンドウが重なっている場合も検出する。
近傍サブウィンドウ検出手段600は、近傍ウィンドウ検出手段で埋め込みドッキングと判断された場合、ドッキングウィンドウのどのサブウィンドウのどの位置を押しのけて新たにウィンドウをドッキングさせるかを決定する。概念的には図23に示すようになる。
(1) 押しのける対象のサブウィンドウを検出する。
(2) 押しのける対象のサブウィンドウで、押しのける位置を検出する。
ここでは、図23のように、2つのウィンドウAとBがドッキングされたドッキングウィンドウABのどこかに新たなウィンドウCを埋め込みドッキングさせる場合を例に説明する。
のりしろ表示手段240は、近傍サブウィンドウ検出手段600で検出されたサブウィンドウ(先の例ではB)の埋め込み位置(先の例では左)、それからドラッグ中のウィンドウ(先の例ではC)の対応する位置にのりしろを表示する。ここで、対応する位置とは、図23A、図23B、図23Cに示すように、ドッキングした結果、他のサブウィンドウと接することになる辺40B、40C、42B、42C、44B、44Cのことである。
ドッキング手段230は、のりしろ表示手段240で表示したのりしろの部分に新たなウィンドウ(先の例ではC)をドッキングする。
40B、40C、42B、42C、44B、44C:のりしろ表示
100:マネージャ
110:ドッキング手段
120:のりしろ表示手段
130:近傍ウィンドウ検出手段
140:イベント検出手段
150:ウィンドウ管理手段
200:イベント送信手段
210、212、214、216、218:マネージャ
220:ウィンドウ管理手段
230:ドッキング手段
240:のりしろ表示手段
250:近傍ウィンドウ検出手段
300:状態情報保存
310:状態再現手段
400:候補ドキュメント検索手段
410:候補ドキュメントお知らせ手段
420:候補ドキュメント提示手段
430:ウィンドウ生成手段
500:利用ログ取得手段
510:利用ログ分析手段
520:レイアウト提示手段
600:近傍サブウィンドウ検出手段
Claims (32)
- アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理方法であって、
ディスプレイ上に表示された複数のウィンドウに関する管理情報を管理する管理ステップと、
ウィンドウの状態の変化を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより複数のウィンドウのうちの1つのウィンドウの移動が検出されたとき、前記管理情報を参照して、当該1つのウィンドウの近傍に存在する他のウィンドウを検出するウィンドウ検出ステップと、
ウィンドウ検出ステップにより他のウィンドウが検出されたとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに、ドッキングされる位置を示すのりしろを表示する表示ステップと、
前記検出ステップにより前記1つのウィンドウの移動の停止が検出されたとき、前記1のウィンドウと前記他のウィンドウとを前記のりしろを介してドッキングするドッキングステップと、
を含むワークススペース管理方法。 - 前記複数のウィンドウは、それぞれ異なるアプリケーションによって起動される、請求項1に記載のワークスペース管理方法。
- 前記複数のウィンドウは矩形状であり、前記1つのウィンドウは、他のウィンドウの1辺のサイズに適合するサイズでドッキングされ、ドッキングされたウィンドウは矩形状である、請求項1に記載の管理方法。
- 前記表示ステップは、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウの各々の少なくとも2辺にドッキング位置を示すのりしろを表示する、請求項1に記載の管理方法。
- ワークスペース管理方法はさらに、前記検出ステップによりドッキングされたウィンドウに含まれるサブウィンドウのサイズが変更されたことが検出されたとき、前記管理情報を参照してドッキングされたウィンドウに含まれる他のサブウィンドウのサイズを同時に変更するサイズ変更ステップを含む、請求項1に記載の管理方法。
- ワークスペース管理方法はさらに、前記検出ステップによりドッキングされたウィンドウの移動が検出されたとき、ドッキングされたウィンドウを全体として移動するステップを含む、請求項1に記載の管理方法。
- 管理方法はさらに、ドッキングされたウィンドウのドッキングを解除するステップを含む、請求項1ないし6いずれか1つに記載の管理方法。
- アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理方法であって、
1つのウィンドウがドラッグされて他のウィンドウに接近されたとき、1つのウィンドウと他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに、ドッキングされる位置を示すのりしろを表示し、
前記のりしろが表示された状態で1つのウィンドウのドラッグが停止されたとき、1つのウィンドウが他のウィンドウに前記のりしろを介してドッキングされ、1つのウィンドウになる、
管理方法。 - アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理方式であって、
ディスプレイ上に表示された複数のウィンドウに関する管理情報を記憶するウィンドウ管理手段と、
ウィンドウの状態の変化を検出する検出手段と、
前記検出手段により複数のウィンドウのうちの1つのウィンドウの移動が検出されたとき、前記管理情報を参照して、当該1つのウィンドウの近傍に存在する他のウィンドウを検出するウィンドウ検出手段と、
ウィンドウ検出手段により他のウィンドウが検出されたとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに、ドッキング可能である位置を示すのりしろを提示する提示手段と、
前記検出手段により前記1つのウィンドウの移動の停止が検出されたとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとを、前記提示されたのりしろ介してドッキングするドッキング手段と、
を有するワークスペース管理方式。 - 前記提示手段は、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに前記のりしろを表示する表示手段を含む、請求項9に記載の管理方式。
- 前記表示手段は、ウィンドウの特定の辺に他の辺と識別可能な表示を与える、請求項10に記載の管理方式。
- 前記検出手段は、定期的にアクティブなウィンドウの状態を監視し、アクティブなウィンドウのイベントの変化を検出する、請求項9に記載の管理方式。
- 前記検出手段は、ウィンドウに対して操作されたイベントの種類を検出する、請求項9に記載の管理方式。
- 複数のウィンドウは、それぞれ異なるアプリケーションによって起動される、請求項9に記載の管理方式。
- 前記管理情報は、少なくともウィンドウを識別する識別情報、ウィンドウの位置情報、ウィンドウのサイズ情報を含む、請求項9に記載の管理方式。
- 前記複数のウィンドウは矩形状であり、前記ドッキング手段は、前記1つのウィンドウを、他のウィンドウの1辺のサイズに適合するサイズでドッキングし、ドッキングされたウィンドウは矩形状である、請求項9に記載の管理方式。
- 前記提示手段は、前記1つのウィンドウが、複数の他のウィンドウに接近したとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウの各々の少なくとも2辺にドッキング位置を表示する、請求項10に記載の管理方式。
- ワークスペース管理方式はさらに、前記検出手段によりドッキングされたウィンドウに含まれるサブウィンドウのサイズが変更が検出されたとき、前記管理情報を参照して、ドッキングされたウィンドウに含まれる他のサブウィンドウのサイズを同時に変更するサイズ変更手段を含む、請求項9に記載の管理方式。
- ワークスペース管理方式はさらに、前記検出手段によりドッキングされたウィンドウの移動が検出されたとき、ドッキングされたウィンドウを移動する移動手段を含む、請求項9に記載の管理方式。
- ワークスペース管理方式はさらに、ドッキングされたウィンドウの状態を保存する状態保存手段と、前記状態保存手段により保存された状態に基づきドッキングウィンドウを再現する状態再現手段とを含む、請求項9に記載の管理方式。
- アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理方式であって、
1つのウィンドウがドラッグされて他のウィンドウに接近されたとき、1つのウィンドウと他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれにドッキングされる位置を示すのりしろを表示する表示手段と、
1つのウィンドウと他のウィンドウとを前記のりしろを介してドッキングするドッキング手段と、
ドッキングされたドッキングウィンドウ内のサブウィンドウに対する操作履歴情報を保持する利用履歴保持手段と、
前記操作履歴情報に基づきドッキングされたウィンドウ内のサブウィンドウの配置を推薦する配置推薦手段と、
を有するワークスペース管理方式。 - 配置推薦手段は、前記操作履歴情報に基づき少なくともサブウィンドウの利用頻度またはサブウィンドウ間の類似度を算出し、その算出結果に応じてサブウィンドウの配置を決定する、請求項21に記載のワークスペース管理方式。
- アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理方式であって、
1つのウィンドウがドラッグされて他のウィンドウに接近されたことを検出する手段と、
前記検出に応答して1つのウィンドウと他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに、ドッキングされる位置を示すのりしろを表示する表示手段と、
前記のりしろが表示された状態で1つのウィンドウのドラッグが停止されたとき、1つのウィンドウと他のウィンドウとを、前記のりしろを介してドッキングし、1つのウィンドウを生成するドッキング手段と、
を有する管理方式。 - アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理プログラムであって、
ディスプレイ上に表示された複数のウィンドウに関する管理情報を記憶するウィンドウ管理手段と、
ウィンドウの状態の変化を検出する検出手段と、
前記検出手段により複数のウィンドウのうちの1つのウィンドウの移動が検出されたとき、前記管理情報を参照して、当該1つのウィンドウの近傍に存在する他のウィンドウを検出するウィンドウ検出手段と、
ウィンドウ検出手段により他のウィンドウが検出されたとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとが対向する辺のそれぞれに、ドッキングされる位置を示すのりしろ表示する表示手段と、
前記検出手段により前記1つのウィンドウの移動の停止が検出されたとき、前記1つのウィンドウと前記他のウィンドウとを、前記のりしろを介してドッキングするドッキング手段と、
を有するワークスペース管理プログラム。 - 前記複数のウィンドウは矩形状であり、前記ドッキング手段は、前記1つのウィンドウを、他のウィンドウの1辺のサイズに適合するサイズでドッキングし、ドッキングされたウィンドウは矩形状である、請求項24に記載の管理プログラム。
- ワークスペース管理方式はさらに、前記検出手段によりドッキングされたウィンドウの移動が検出されたとき、ドッキングされたウィンドウを移動する移動手段を含む、請求項24に記載の管理プログラム。
- ワークスペース管理方式はさらに、ドッキングされたウィンドウの状態を保存する状態保存手段と、前記状態保存手段により保存された状態に基づきドッキングウィンドウを再現する状態再現手段とを含む、請求項24に記載の管理プログラム。
- アプリケーションの起動に応答して表示されたウィンドウをユーザインタフェース用のワークスペースとして管理するワークスペース管理プログラムであって、
1つのウィンドウがドラッグされて他のウィンドウに接近されたことを検出する手段と、
前記検出に応答して1つのウィンドウと他のウィンドウとが対向するそれぞれの辺に、ドッキングされる位置を示すのりしろを表示する表示手段と、
前記のりしろが表示された状態で1つのウィンドウのドラッグが停止されたとき、1つのウィンドウと他のウィンドウとを前記のりしろを介してドッキングし、1つのウィンドウを生成するドッキング手段と、
を有する管理プログラム。 - 前記表示手段は、ウィンドウの特定の辺に他の辺と識別可能な表示を与える、請求項28に記載の管理プログラム。
- 前記検出手段は、定期的にアクティブなウィンドウの状態を監視し、アクティブなウィンドウのイベントの変化を検出する、請求項28に記載の管理プログラム。
- 前記検出手段は、ウィンドウに対して操作されたイベントの種類を検出する、請求項28に記載の管理プログラム。
- 複数のウィンドウは、それぞれ異なるアプリケーションによって起動される、請求項28に記載の管理プログラム。
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