JP4854248B2 - 換気化粧部材及びその施工方法 - Google Patents
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つまり、特許文献1、2に記載された一体成形部材では、全て同一の材料から構成されるので、化粧板と換気材の両方の機能において、最適な材料を適用することはできない。
換気材部分に設けられる換気口は、用途に応じて任意の形状、大きさの換気口を、任意の間隔で設けることができる。
なお、本実施態様において、化粧板部分を垂木又は下地材に「固定する」場合や、換気材部分を軒天井材又は天井材に「固定する」場合には、化粧板部分や換気材部分を、直接、垂木や軒天井材等に固定する場合だけでなく、例えば、防水シ−トやシール部材等を介して固定する場合も含まれる。
本実施態様によれば、製造コストのかからない簡単な構造を用いて、確実に換気材部分と軒天井材又は天井材に取り付けることがきる。また、換気材部分が金属材料からなる場合には、換気材部分に設けられ凹部の開口寸法を、軒天井材又は天井材の厚みよりも若干小さくすることによって、凹部と軒天井材又は天井材の嵌合時にバネ力が生じるようにして、換気材部分と軒天井材又は天井材の嵌合を強化することができる。
本実施態様では、化粧板部分と換気材部分の各々の用途に応じて、最適な材料を選定することができ、また、化粧板部分と換気材部分の材料の組み合わせも自由に選択、変更することができる。
本実施態様によれば、化粧板部分として望まれる装飾的な多様性を実現し、かつ、換気材部分として望まれる、耐久性、メンテナンスに優れた換気化粧部材を得ることができる。
本実施態様によれば、仮に、化粧板部分又は換気材部分を交換する事態が生じた場合でも、化粧板部分又は換気材部分の一方のみを交換することができるので、交換費用を低減することができる。
換気化粧部材の取り付け後、ある期間が経過すると、破損や換気口の詰まり等により、換気材部分を交換しなければならない事態が生じる場合が多いが、本実施態様によれば、化粧板部分を取り付けたまま換気材部分を交換することができるので、交換費用を低減することができる。
本実施形態では、換気材部分と軒天井材又は天井材との係合によって、両者が固定された状態となる場合も考えられるし、更に別途の固定手段を用いて両者を固定する場合も考えられる。
始めに、図1を用いて、本発明の換気化粧部材の一実施形態の構造を説明する。図1は、本発明の換気化粧部材の一実施形態の全体構造を示す斜視図である。図1(a)は、化粧板部分2と換気材部分4とが分離した状態を示し、図1(b)は、化粧板部分2と換気材部分4とが接続された状態を示す。
なお、本実施形態では、化粧板部分2は珪酸カルシウムのような窯業系材料又は樹脂材料からなり、換気材部分4は、ステンレス鋼やアルミニウムのような金属材料からなる。
次に、化粧板部分2について更に詳細な説明を行なうと、化粧板部分2は、略板状の形状をしており、下地材に取り付けられる鼻隠しの機能を果たす。図1(a)において、紙面右側の面が下地材に当接する取付面であり、紙面左側の面が施工後に人目に触れる外面となる。化粧板部分2の長手方向の長さLは、取り付け箇所の寸法に応じて所望の長さに設定することができる。
次に、換気材部分4について更に詳細な説明を行なうと、紙面左端に、略コの字型の凹部6bが設けられ、紙面中央の中央面部4cに換気口4aが設けられ、紙面右端に、上辺が下辺より長い略コの字型の軒天係合用凹部4bが設けられている。換気材部分4の長手方向の長さは、化粧板部分2と同じ長さLとなる。
なお、凸部6aと凹部6bの嵌合を更に強固にするため、ネジ等の固定部品や接着剤を用いることもできる。
なお、化粧板部分2や換気材部分4の材料としては、本実施形態に限られるものではなく、用途に応じて、あらゆる材料を適用することができる。
次に、図2を用いて、本発明の換気化粧部材の施工(取り付け、取り外し)方法の一実施形態の説明を行なう。なお、図2は、図1(a)の矢印Aから見た側面断面図である。
まず、図2(a)に示すように、化粧板部分2の凸部6aと、換気材部分4の凹部6bとを嵌合させて、化粧板部分2と換気材部分4を接続し、換気化粧部材1を形成する。
つまり、スクリュー釘12を抜いて(更に、軒天係合用凹部4bと軒天井部20との嵌合部分が固定されている場合にはその固定をはずして)、換気化粧部材1を紙面水平方向左側に移動させることによって、化粧板部分2を下地材50から取り外し、同時に、軒天係合用凹部4bと軒天井部20との嵌合を外すことができるので、換気化粧部材1を容易に屋根裏から取り外すことができる。
本実施形態では、化粧板部分2と換気材部分4が一体成形されていないので、不具合の生じた部分のみを交換することができ、交換に要する費用を低減することができる。
次に、化粧板部分2と換気材部分4を接続する接続手段のその他の実施形態について、図3、4を用いて説明する。なお、図3、4は、図1(a)の矢印Aから見た側面図である。
図3に示す実施形態では、化粧板部分2に設けられた凸部6aの付け根部分に溝6cが形成され、換気材部分4に設けられた凹部6bの先端に突起6dが設けられている。本実施形態では、化粧板部分2は、窯業系材料又は樹脂材料からなり、換気材部分4は金属材料からなる。
凸部6aと凹部6bが嵌合するときには、凹部6bの先端の突起6dが凸部6aの根元の溝6cにはまり込んで固定され、スナップリング式の固定機構を構成する。このスナップリング式の固定機構によって、がたつくことなく、化粧板部分2と換気材部分4とを接続することができる。また、化粧板部分2と換気材部分4とを分離するときには、凹部6bを若干広げることによって、両部品を容易に分離することができる。
図4に示す実施形態では、化粧板部分2に設けられた凸部6aの断面形状が略円弧形状をしており、換気材部分4に設けられた凹部6bも、凸部6aの断面形状に対応して、略円弧形状の形状を有している。よって、図4の矢印に示すように、換気材部分4を化粧板部分2に対して回転させることができ、化粧板部分2と換気材部分4のなす角度を調整することができる。従って、換気材部分4が化粧板部分2に接続された状態で、化粧板部分2を下地材50に当接させるときに、換気材部分4の先端の軒天係合用凹部4bが、軒天井材20と係合するように、その位置の調整を行なうことができる。
次に、図5を用いて、換気化粧部材1のその他の実施形態を説明する。なお、図5は、図1(a)の矢印Aから見た側面図である。
この実施形態では、化粧板部分2には、上方が開いた凹部6a’が設けられ、換気材部分4には、下方に突き出た凸部6b’が設けられている。図面から明らかなとおり、凹部6a’と凸部6b’が嵌合することによって、化粧板部分2と換気材部分4を接続して、換気化粧部材1を形成するようになっている。また、換気材部分4の紙面右側には、ネジ部品10によってブラケット8が取り付けられており、軒天係合用凹部4bが形成されている。なお、ブラケット8は、換気材部分4の長手方向の全領域に存在する必要はなく、必要とされる固定強度に応じて、所定の間隔を置いて設置すればよい。
図6、7を用いて、図5に示す換気化粧部材の施工(取り付け、取り外し)方法の説明を行なう。なお、図6、7も、図1(a)の矢印Aから見た側面断面図である。
始めに、図6を用いて、図5に示す換気化粧部材1の取り付け方法について説明する。まず、図6(a)に示すように、化粧板部分2の凹部6a’と、換気材部分4の凸部6b’を嵌合させて、化粧板部分2と換気材部分4とを接続し、換気化粧部材1を形成する。このとき、換気材部分4には、予め、ネジ部品10によってブラケット8が取り付けられている。
この化粧板部分2と換気材部分4の接続作業は、通常、施工現場の地上で行なわれ、化粧板部分2と換気材部分4が接続された換気化粧部材1を、屋根裏の位置まで運ぶ。そして、図6(b)に示すように、まず、化粧板部分2が下地材50と対向する位置まで換気化粧部材1を持ち上げ、次に、化粧板部分2が下地材50に当接するように、換気化粧部材1を水平方向に紙面左側から右側へ移動させる。この移動により、化粧板部分2に接続された換気材部分4の先端の軒天係合用凹部4bの開口部に、軒天井部20が挿入される。
上記においては、鼻隠しの機能を有する化粧板部分2と、軒先換気材の機能を有する換気材部分4を用いた実施形態について説明したが、本発明の換気化粧部材は、この実施形態に限られるものではなく、例えば、破風の機能を有する化粧板部分2や、天井用換気材の機能を有する換気材部分4を用いることも可能であり、上記と全く同様の施工方法を用いることが可能であり、換気構造を有する(軒)天井裏を形成することができる。
2 化粧板部分
4 換気材部分
4a 換気口
4b 軒天係合用凹部
4c 中央面部
4d ガイド板
6 接続手段6
6a 凸部
6a’ 凹部
6b 凹部
6b’ 凸部
6c 溝
6d 突起
8 ブラケット
10 ネジ部品
12 スクリュー釘
20 軒天井材
30 壁部
40 鼻隠し
50 下地材50
60 軒元換気材
70 軒先換気材
Claims (3)
- 略板状の化粧板部分と、換気口及び凹部が設けられた換気材部分とを接続手段を用いて接続し、換気化粧部材を形成する工程1と、
前記化粧板部分が垂木又は下地材に当接し、かつ前記換気材部分の前記凹部と予め建物に取り付けられている軒天井材又は天井材とが勘合するように、形成された前記換気化粧部材を移動させる工程2と、
前記化粧板部分を前記垂木又は前記下地材に固定することにより、換気構造を有する軒天井裏又は天井裏を形成する工程3と、
を含み、
前記凹部が、前記換気材部分の本体及び前記本体に着脱可能に取り付けられたブラケットにより形成されていて、前記工程3により前記換気構造を有する軒天井裏又は天井裏が形成された状態において、前記ブラケットを前記換気材部分の前記本体から取り外すことにより、前記化粧板部分を前記垂木又は前記下地材に固定したまま、かつ前記軒天井材又は前記天井材を取り外すことなく、前記換気材部分だけを取り外すことが可能な構造を前記換気材部分が有することを特徴とする換気化粧部材の施工方法。 - 前記化粧板部分と前記換気材部分とが異なる材質からなることを特徴とする請求項1に記載の換気化粧部材の施工方法。
- 前記化粧板部分が窯業系材料又は樹脂材料からなり、前記換気材部分が金属材料からなることを特徴とする請求項2に記載の換気化粧部材の施工方法。
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