JP4850030B2 - シーリング装置およびこれを用いた包装機 - Google Patents
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Description
すなわち、1対のシール部材による包装紙のシール部のシール圧力の調整は、微小な圧力制御が難しいエアシリンダのロッドのストローク圧力を利用して行なわれていた。しかも、エアシリンダは包装機の高速運転用の駆動部としては適さず、予め設定した通りのシール圧力が安定して得られ難く、包装体のシール部の信頼性が低下していた。
これを解消するものとして、例えばエアシリンダに代えてサーボモータを利用し、直動カムのカムフォロア間への押し込み量を無段階に調整するようにした包装機が考えられる。しかしながら、サーボモータを使用してシールする場合、数百kgの圧力が必要であり、サーボモータ用のハーモニック減速機が必要である。そのため、サーボモータに加え、サーボ用のハーモニック減速機およびそのコントローラが必要であり、包装機の製造コストが高騰するおそれがある。
これに対して、汎用の三相交流モータを使用し、力の制御(トルク制御)、高速位置決め制御(ベクトル制御)をすることにより安価に包装機を製造することができる。
カムフォロアが、前記カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの正移動の終端(逆移動の始端)に到達した後は、モータが逆転され、カムフォロアが前記カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの逆移動の終端(正移動の始端)まで、開閉アームを徐々に開きながら戻される。
開閉アームは、少なくとも1対存在すればよく、2対以上を配設してもよい。
熱融着シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミニウム箔、ポリエチレンフィルムなどを積層したラミネートフィルムを採用することができる。
シーリング部材は、開閉アームに対して少なくとも1つ存在すればよく、2対以上を配設してもよい。
シーリング部材の素材、形状、大きさは、包装紙の重ね合わされた部分を設定シール圧力で挟持して熱シールできれば限定されない。例えば、シーリング部材は、1枚の熱融着シートを、その幅方向の中間位置から熱融着シートの幅方向の両端部を重ね合わせて折り曲げ、その熱融着シートの重なり合った両端部分を熱シールする縦シーリング用のものでもよい。また、この熱融着シートの重なり合った両端部に直交するように、熱融着シートの幅方向の全域を熱シールする横シーリング用のものでもよい。そして、縦シーリングおよび横シーリングを同時に行なえるものでもよい。
カムは、回動軸を中心にして回動する回動カムである。モータとしては、カムを正移動および逆移動が可能なモータであれば限定されない。例えば、汎用の三相交流モータなどの電動モータを採用することができる。また、油圧モータなどの他のアクチュエータでもよい。ここでいうカムの正移動とは、カムを熱融着シートの熱シール方向へ移動させることをいう。ここでいうカムの逆移動とは、カムを熱シール解除方向へ移動させることをいう。
シーリング装置を完全に自動化させるには、カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの正移動の終端(逆移動の始端)に達したことを検知する閉検知センサと、カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの逆移動の終端(正移動の始端)に達したことを検知する開検知センサとを配設する必要がある。さらに、この自動化には開検知センサからの検知信号に基づき、モータによりカムを正回動させるとともに、閉検知センサからの検知信号に基づき、モータによりカムを逆転させる回動制御手段も必要となる。
高トルク発生用隆起部の形状は限定されない。また、カムのカム面上における高トルク発生用隆起部は、カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの正移動の終端まで徐々に隆起させ、その終端部分に高トルク発生用隆起部を設けてもよい。もしくは、カムの正移動の終端部分のみに設けてもよい。
熱融着シートの重ね合わせ部分に作用される最大シール圧力とは、熱融着シートを熱融着させる際に必要とされるシール圧力のうち、最大となる圧力である。
カムフォロアが、カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの正移動の終端に到達した後は、モータが逆転され、カムフォロアが、カムフォロアの接触点の軌跡のうち、カムの逆移動の終端まで、開閉アームを徐々に開きながら戻される。
縦シール形成部と横シール形成部としては、例えば熱融着器を採用することができる。
包装体に充填される内容物としては、例えばインスタントコーヒー、インスタントミルク、砂糖、塩などの食品、顆粒状やパウダー状の薬品などを採用することができる。また、各種の液状の素材でもよいし、塊状の素材でもよい。
内容物貯留部としては、例えばホッパなどを採用することができる。
横シール切断部としては、カッタとこれを横移動させるカッタ往復移動手段(電動モータ、エアシリンダなど)とを有している。
これらの供給部、縦シール形成部、横シール形成部、内容物貯留部、内容物供給部および横シール切断部を有した包装体の製造装置の主要部は、2組(2連)または3組(3連)以上を装置本体に搭載されてもよい。
前記供給部11、縦シール形成部13、横シール形成部14、ホッパ15、計量部15A、内容物供給部16、横シール切断部17および製品排出部18により、包装機構20が構成される。包装機構20は、水平状態で装置本体19に設けられている。
装置本体19は縦長な直方体のケーシングである。装置本体19の前側の中央部上には、門形の支柱19aを介して、軸線が水平なリール11aに巻回されたラミネート状の包装紙Fを供給する供給部11が設けられている。装置本体19の上板19bには、箱形状の上部カバー19cが取り付けられている。上部カバー19cの上板の中央部には、上部が未封止状態の予備包装体(熱融着シート)12AにかやくSを投入する4つのホッパ15が並設されている。各ホッパ15のかやくSは、種類がそれぞれ異なる。装置本体19の上板19bには、対応するホッパ15から切り出された4種類のかやくを個別に計量する4つの計量部15Aが並設されている。
ローラ送り手段50の直下には、横シール部12bを切断し、包装体12として形成する横シール切断部17が設けられている。横シール切断部17は、1対のカッタ17aと、両カッタ17aを開閉させる図示しない切断シリンダとを有している。装置本体19の前側の下部には、包装体12を略水平に外部排出する製品排出部18が設けられている。製品排出部18はベルトコンベアで、製造された包装体12の図示しない検量部を設けてもよい。
装置本体19の中央部には、連結アーム39aを介して、制御盤39が一側方に突設されている。制御盤39には、後述する回動制御手段39aが組み込まれている。
回動カム57には、その外周部に、回動カム57の逆回動方向に向かうほど徐々に回動カム57が大径化することで、両シーリング部材53の近接方向への回動速度を低下させる高トルク領域(減速領域)Bが設けられている。また、この高トルク領域Bには、その回動カム57の正回動方向の端を除く部分に、前記閉角度位置Yが配されている。
両開閉アーム55の回動軸54は、装置本体19の前側の縦シール形成部13の直下近傍に、軸受54aを介して軸支されている。両開閉アーム55の互いの先部同士が近接したり離反するとは、一方の開閉アーム55の先部と、他方の開閉アーム55の先部とが、互いに近づいたり離れたりする動作を行なうことをいう。
両シーリング部材53は、それぞれ横長でかつ厚肉な電熱ヒータである。
両カムフォロア56は、対応する開閉アーム55の元部に、軸受56aに軸支された垂直な旋回軸56bを中心にして水平旋回自在に軸支されている。
回動モータ58の包装機10の前側から突出する出力軸58aの先部には、垂直面に沿って正逆回動自在な回動カム57が固着されている。回動カム57の詳細は後述する。
回動モータ58の包装機10の後側から突出する出力軸58aの元部には、回転角度検出用の回転リング板60が固着されている。また、回動モータ58のケーシングの後端板には、ブラケット61を介して、回転リング板60の回転角度を検出する角度センサ62が設けられている。エンコーダ59は、主に、回転リング板60および角度センサ62により構成される。
回動カム57は、2枚羽根タイプの略スクリュー形状を有している。回動カム57の中央部には、回動モータ58の出力軸58aの嵌入孔57aが形成されている。また、回動カム57の中央部の対角位置からは、第1羽根57bおよび第2羽根57cがそれぞれ外方に向かって放射状に一体成形されている。第1羽根57bおよび第2羽根57cは、先端に進むほどそれぞれ回動カム57の逆転方向に向かってなだらかに湾曲している。
第1羽根57bおよび第2羽根57cの各正回動方向の辺部(開角度位置Xから回動カム57の正回動方向に90°の範囲)は、長さ方向の中間部が外凸向きの円弧形状に膨出し、かつ回動カム57が1°回動するごとに両カムフォロア56は所定の距離移動する高速アーム開閉領域Aとなっている。
さらに、第1羽根57bおよび第2羽根57c第1羽根および第2羽根の逆回動方向の辺部(開角度位置Xから回動カム57の正回動方向に140°〜180°の範囲)は、両カムフォロア56が略瞬時にそれぞれ開角度位置Xまで戻る高速復帰領域Cとなっている。ただし、両高速復帰領域Cは、両カムフォロア56が閉角度位置Yに到達した直後、回動カム57が逆回動されるため、通常、使用されない。
各高トルク領域Bには、回動カム57の正回動方向の端をそれぞれ基準の角度位置aとし、かつ回動カム57の逆回動方向に向かって略11°ごとに角度位置b〜eがそれぞれ配置されている。また、各高トルク領域Bの回動カム57の逆回動方向の端は、それぞれ角度位置fとしている。
まず、供給部11によりリール11aから包装紙Fを導出する。次に、包装紙Fを内容物供給部16を用いて筒状に付形し、筒状の包装紙Fの幅方向の両端部を縦シール形成部13によって貼り付け、縦シール部12aを形成する。それから、横シール形成部14により筒状の包装紙Fを長さ方向に所定ピッチで熱融着し、一方の横シール部12bを形成する(三方シール)。
また、ここではシール機構として、高トルク領域Bを有する回動カム方式を採用したので、サーボモータ、ハーモニック減速機、コントローラなどの機器を組み込んだ高価な包装機10を使用しなくても、例えば安価な三相交流モータを利用し、高圧かつ同じタイミングで包装紙Fの縦シール部12a、横シール部12bを熱シールすることができる。汎用の三相交流モータを使用すれば、カムに対して、力の制御(トルク制御)を行うことができる。また、汎用の三相交流モータにあっては、制御電流をd軸、q軸の直交座標成分に分離して制御するベクトル制御が一般に知られている。このベクトル制御を利用することにより、カムに対して高速位置決め制御を行うことができる。その結果、低コストな包装機10でありながら、これを高速運転した場合でも、未シール部分を有した包装体12の発生頻度を低下させることができる。
製造された包装体12は、製品排出部18により、次の梱包工程に、順次、移送される。
そこで、本願発明に係る三方シール包装機は、高安定、高精度でしかも低コスト化を図った三方シール包装機である。すなわち、低コストの汎用の三相交流モータを使用することで、独自の力制御により高安定かつ理想的なシール制御を行うものである。また、独自のカム形状により、安定したシール機構を達成した。
11 供給部、
12A 予備包装体(熱融着シート)、
12a 縦シール部、
12b 横シール部、
13 縦シール形成部(シーリング部材)、
14 横シール形成部(シーリング部材)、
15 ホッパ(内容物貯留部)、
16 内容物供給部、
17 横シール切断部、
17a カッタ、
39a 回動制御手段、
54 回動軸、
55 開閉アーム、
56 カムフォロア、
57 回動カム、
58 回動モータ(モータ)、
59 エンコーダ(開検知センサ、閉検知センサ)、
B 高トルク領域、
F 包装紙(熱融着シート)、
X 開角度位置、
Y 閉角度位置、
S かやく(内容物)。
Claims (2)
- 回動軸を中心にして回動可能な開閉アームと、
該開閉アームの一端部に設けられ、熱融着シートの重ね合わせ部分を押圧して熱シールするシーリング部材と、
前記開閉アームの他端部に設けられたカムフォロアと、
カム回動軸を中心にして正回動させることによって、当接された該カムフォロアを介して該開閉アームがその回動軸を中心にして閉方向に回動するように構成されるカムと、
該カムを正逆自在に回動させるモータとを備え、
前記カムは、羽根形状を有し、その外郭には、
前記開閉アームの全開時における前記カムフォロアが前記カムに当接する開角度位置から該カムの正回動方向に90°の範囲に設けられた高速アーム開閉領域と、
該開角度位置から該カムの正回動方向に90°〜140°の範囲に設けられた高トルク領域と、
該開角度位置から該カムの正回動方向に140°〜180°の範囲に設けられた高速復帰領域と、を有し、
該高速アーム開閉領域は、その長さ方向の中間部が外凸向きの円弧形状に膨出し、
該高トルク領域は、該高速復帰領域に向かうほど徐々に大径化し、
該高速復帰領域は、瞬時にカムフォロアが該開角度位置に当接可能となる形状を有し、
該カムフォロアが該高トルク領域の所定位置に当接した際に、該カムを逆回動させる回動制御手段が設けられ、
該高速アーム開閉領域では、該カムが正回動することによって、該開閉アームが閉方向に回動し、
該高トルク領域では、該カムが正回動することによって、該高速アーム開閉領域における該開閉アームの閉方向への回動速度より遅く該開閉アームが閉方向に回動し、
該カムフォロアが該高トルク領域の所定位置に当接した際に、該回動制御手段により該カムを逆回動させるシーリング装置。 - 熱融着シートからなる包装紙を供給する供給部と、
前記包装紙の縦両縁部を合掌状に合わせた縦シール部を熱シールして筒形状の予備包装体にする縦シール形成部と、
包装体を製造する途中の前記予備包装体の上下両端を熱シールして横シール部を形成する横シール形成部と、
内容物を貯留して該内容物の所定量を落下させる内容物貯留部と、
前記内容物貯留部から投下された内容物を前記予備包装体に供給する内容物供給部と、
上下両端の前記横シール部をカッタにより切断する横シール切断部と、
これらが搭載される装置本体とを備えた包装機において、
前記縦シール形成部および横シール形成部として、請求項1に記載のシーリング装置を採用した包装機。
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