本発明にかかる実施形態について説明する。
<実施形態1>
以下より、本発明の実施形態1について説明する。
図1は、本発明にかかる実施形態において、X線CT装置1の全体構成を示すブロック図であり、図2は、本実施形態において、X線CT装置1の要部を示す斜視図である。
図1に示すように、X線CT装置1は、走査ガントリ2と、操作コンソール3と、被検体搬送部4とを有する。X線CT装置1は、被検体にX線を照射し、その被検体を透過したX線を検出するスキャンを実施することによって得られる投影データを用いて、被検体についての画像を画像再構成する。
走査ガントリ2について説明する。
走査ガントリ2は、図1に示すように、X線管20とX線管移動部21とコリメータ22とX線検出器23とデータ収集部24とX線コントローラ25とコリメータコントローラ26と回転部27とガントリコントローラ28とを有し、操作コンソール3からの制御信号CTL30aに基づいて、被検体搬送部4により撮影空間29に移動された被検体をX線でスキャンして、その被検体の投影データを得る。走査ガントリ2においては、図2に示すように、被検体が搬入される撮影空間29を挟むように、X線管20とX線検出器23とが対面して配置されている。そして、コリメータ22が、X線管20から撮影空間29の被検体へ照射されるX線を成形するように、X線管20とX線検出器23との間に配置されている。そして、走査ガントリ2は、被検体を中心にしてX線管20とコリメータ22とX線検出器23とを被検体の周囲で旋回させて、被検体の周囲の各ビュー角度vにおいて、X線管20から被検体へX線を放射し、その被検体を透過したX線をX線検出器23で検出するスキャンを実施することによって、被検体の投影データを得る。なお、ここで、ビュー角度vは、図1に示すように、鉛直方向であるy方向を0°として、X線管20が被検体の周囲を回転移動された角度をいう。また、詳細については後述するが、本実施形態においては、走査ガントリ2は、操作コンソール3のスキャン条件設定部302により設定されたスキャン条件に基づいて、列方向jの第1の位置において被検体の第1被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第1スキャンと、列方向jにて第1の位置と異なる第2の位置において被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンとを実施する。走査ガントリ2の各部について、順次、説明する。
X線管20は、たとえば、回転陽極型であり、X線を被検体に放射する。X線管20は、図2に示すように、X線コントローラ25からの制御信号CTL251に基づいて、所定強度のX線を被検体の撮影領域にコリメータ22を介して照射する。そして、X線管20は、被検体搬送部4が被検体を撮影空間29に移動する方向に沿った体軸方向zを中心にして、回転部27によって被検体の周囲を回転し、被検体の周囲からX線を放射する。ここでは、X線管20は、回転部27によって回転される回転方向であるチャネル方向iと、その回転の回転軸方向である列方向jとに放射状に広がるように、X線を放射する。そして、X線管20から放射されたX線は、コリメータ22によってコーン状に成形され、X線検出器23の側へ出射される。
X線管移動部21は、図2に示すように、X線コントローラ25からの制御信号CTL252に基づいて、X線管20の放射中心を列方向jに移動させる。
コリメータ22は、図2に示すように、X線管20とX線検出器23との間に配置されている。コリメータ22は、たとえば、X線が透過させずに遮蔽する遮蔽板を含み、その遮蔽板がチャネル方向iと列方向jとにそれぞれ2枚ずつ設けられている。コリメータ22は、コリメータコントローラ26からの制御信号CTL261に基づいて、チャネル方向iと列方向jとに設けられた2枚の遮蔽板を独立して移動させて、X線管20から照射されたX線をそれぞれの方向において遮ってコーン状に成形し、被検体へ照射されるX線の照射範囲を調整する。つまり、コリメータ22は、X線管20から照射されたX線が通過する開口の大きさをチャネル方向iの遮蔽板を移動させることによって可変して、X線の放射角度が所定のファン角になるように調整すると共に、その開口の大きさを列方向jの遮蔽板を移動させることによって可変して、X線の放射角度が所定のコーン角になるように調整する。
X線検出器23は、X線管20から照射され、撮影空間29の被検体を透過するX線を検出して、被検体の投影データを生成する。X線検出器23は、X線管20と共に、回転部27によって被検体の周囲を回転する。そして、被検体の周囲からX線管20により照射され、被検体を透過したX線を検出して投影データを生成する。
図2に示すように、X線検出器23は、いわゆる多列X線検出器であり、たとえば、X線管20が撮影空間29の被検体の周囲を回転部27により回転する回転方向に沿ったチャネル方向iと、X線管20が回転部27によって回転する際に中心軸となる回転軸方向に沿った列方向jとに、検出素子23aがアレイ状に2次元的に配列されている。たとえば、X線検出器23は、検出素子23aがチャネル方向iに1000個程度配列され、列方向jに8個程度配列されている。また、X線検出器23は、2次元的に配列された複数の検出素子23aによって、凹状に湾曲した検出面が形成されている。
X線検出器23を構成する検出素子23aは、たとえば、固体検出器として構成されており、X線を光に変換するシンチレータ(図示なし)と、シンチレータが変換した光を電荷に変換するフォトダイオード(図示なし)とを有する。なお、検出素子23aは、これに限定されるものではなく、たとえば、カドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体検出素子、あるいはキセノン(Xe)ガスを利用した電離箱型の検出素子であって良い。
データ収集部24は、X線検出器23からの投影データを収集するために設けられている。データ収集部24は、X線検出器23のそれぞれの検出素子23aが検出したX線による投影データを収集して、操作コンソール3に出力する。図2に示すように、データ収集部24は、選択・加算切換回路(MUX,ADD)241とアナログ−デジタル変換器(ADC)242とを有する。選択・加算切換回路241は、X線検出器23の検出素子23aによる投影データを、中央処理装置30からの制御信号CTL303に応じて選択し、あるいは組み合わせを変えて足し合わせ、その結果をアナログ−デジタル変換器242に出力する。アナログ−デジタル変換器242は、選択・加算切換回路241において選択あるいは任意の組み合わせで足し合わされた投影データをアナログ信号からデジタル信号に変換して中央処理装置30に出力する。
X線コントローラ25は、図2に示すように、中央処理装置30からの制御信号CTL301に応じて、X線管20に制御信号CTL251を出力し、X線の照射を制御する。X線コントローラ25は、たとえば、X線管20の管電流や照射時間などを制御する。また、X線コントローラ25は、中央処理装置30による制御信号CTL301に応じて、X線管移動部221に対し制御信号CTL252を出力し、X線管20の放射中心を列方向jに移動するように制御する。
コリメータコントローラ26は、図2に示すように、中央処理装置30からの制御信号CTL302に応じてコリメータ22に制御信号CTL261を出力し、X線管20から被検体へ照射されたX線を成形するように、コリメータ22を制御する。
回転部27は、図1に示すように、円筒形状であり、中心部分に撮影空間29が形成されている。回転部27は、ガントリコントローラ28からの制御信号CTL28に応じて、たとえば、モーター(図示なし)を駆動し、撮影空間29内における被検体の体軸方向zを中心にして回転する。すなわち、回転部27は、列方向jを回転軸にしてチャネル方向iへ回転する。回転部27は、X線管20とX線管移動部21とコリメータ22とX線検出器23とデータ収集部24とX線コントローラ25とコリメータコントローラ26とが搭載されており、各部を支持している。そして、回転部27は、スリップリング(図示なし)を介して、各部に電力を供給する。また、回転部27は、各部を被検体の周囲に回転移動させ、撮影空間29に搬入される被検体と各部との位置関係を回転方向にて相対的に変化させる。
ガントリコントローラ28は、図1および図2に示すように、操作コンソール3の中央処理装置30による制御信号CTL304に基づいて、回転部27に制御信号CTL28を出力し、回転部27が回転するように制御する。
操作コンソール3について説明する。
操作コンソール3は、図1に示すように、中央処理装置30と、入力装置41と、表示装置51と、記憶装置61とを有する。
操作コンソール3における中央処理装置30は、オペレータにより入力装置41に入力される指令に基づいて、種々の処理を実施する。中央処理装置30は、コンピュータと、このコンピュータを種々の手段として機能させるプログラムとを含む。
図3は、中央処理装置30の構成を示すブロック図である。
中央処理装置30は、図3に示すように、制御部301と、スキャン条件設定部302と、画像再構成部303とを有する。各部は、コンピュータを種々の手段として機能させるプログラムを含む。
制御部301は、X線CT装置1の各部を制御するために設けられている。制御部301は、オペレータにより入力装置41に入力された指令に基づいて各部を制御する。たとえば、制御部301は、オペレータにより入力装置41に入力された指令に基づいてスキャン条件設定部302が設定したスキャン条件に対応するように、各部を制御してスキャンを実施する。具体的には、制御部301は、被検体搬送部4に制御信号CTL30bを出力し、被検体搬送部4に被検体を撮影空間29へ搬送させて移動させる。そして、制御部301は、ガントリコントローラ28に制御信号CTL304を出力して、走査ガントリ2の回転部27を回転させる。そして、制御部301は、X線管20からX線の照射するように、制御信号CTL301をX線コントローラ25に出力する。そして、制御部301は、制御信号CTL302をコリメータコントローラ26に出力し、コリメータ22を制御してX線を成形する。また、制御部301は、制御信号CTL303をデータ収集部24に出力し、X線検出器23の検出素子23aが得る投影データを収集するように制御する。
スキャン条件設定部302は、オペレータにより入力装置41に入力されたスキャンパラメータに基づいて、スキャンの実施において各部を動作させるスキャン条件を設定する。たとえば、スキャン条件設定部302は、スライス厚、スキャン開始位置、スキャン終了位置、スキャンピッチ、X線ビーム幅、管電流値などに対応するように、各部を動作させるスキャン条件を設定する。そして、スキャン条件設定部302は、その設定したスキャン条件についてのデータを制御部301に出力して、各部を制御させる。
本実施形態においては、スキャン条件設定部302は、列方向jの第1の位置において被検体の第1被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第1スキャンと、列方向jにて第1の位置と異なる第2の位置において被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンとを実施するように、スキャン条件を設定する。ここでは、列方向jにおいて互いに隣接する第1被検体領域と第2被検体領域とをそれぞれスキャンするように、第1スキャンと第2スキャンとのスキャン条件を設定する。
画像再構成部303は、スキャンの実施によってデータ収集部24が収集した投影データに基づいて、被検体のスライスについてのスライス画像を、複数の画素からなるデジタル画像として画像再構成する。たとえば、画像再構成部303は、コーンビーム逆投影法によって、スキャンにて得られた投影データから、被検体の複数のスライスについての画像を、CT値を画素値として画像再構成する。つまり、画像再構成部303は、画像再構成面上の画素に一致する投影データを利用し、被検体のスライスについての画像を画像再構成する。ここでは、まず、データ収集部24が収集した投影データに対して、オフセット補正,対数補正,X線線量補正,感度補正などの前処理を、画像再構成部303が実施する。そして、その前処理をした投影データに対して、フィルタリング処理を画像再構成部303が実施する。ここでは、フーリエ変換をした後に画像再構成関数を重畳し、逆フーリエ変換をするフィルタリング処理を実施する。その後、このフィルタリング処理を施した投影データに対して3次元逆投影処理を行った後に、後処理を実施して画像データを生成する。
本実施形態においては、画像再構成部303は、体軸方向zと列方向jとを垂線とするアキシャル面(xy面)が、被検体において走査ガントリ2によりX線が放射された領域内であって、列方向jへ放射されたX線の仰角の範囲内にて列方向jに傾いた斜平面を、画像再構成面として、被検体のスライスについての斜平面画像を画像再構成する。具体的には、画像再構成部303は、上記の第1スキャンが実施された被検体の第1被検体領域であって、その第1スキャンの際にX線管20により列方向jへ放射されたX線の仰角の範囲内において、列方向jを垂線とするアキシャル面が列方向jに傾いた第1の斜平面についての第1斜平面画像を、その第1の斜平面に対応する投影データから画像再構成する。さらに、画像再構成部303は、上記の第2スキャンが実施された被検体の第2被検体領域であって、その第2スキャンの際にX線管20により列方向jへ放射されたX線の仰角の範囲内において、アキシャル面が列方向iに傾いた第2の斜平面についての第2斜平面画像を、その第2の斜平面に対応する投影データから画像再構成する。ここでは、画像再構成部303は、第1スキャンと第2スキャンとの実施の際に、X線管20からX線検出器23において列方向jに並ぶ検出素子23aへ向かうX線の経路が互いに平行になる斜平面を、第1の斜平面と第2の斜平面とをし、この第1の斜平面と第2の斜平面とに対応するように、第1斜平面画像と第2斜平面画像とをそれぞれ画像再構成する。たとえば、画像再構成部303は、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンが実施される側に位置する検出素子23aの中心へ、第1スキャンの実施の際にX線管20から放射されるX線の放射方向に沿った斜平面を、第1の斜平面とし、第1スキャンと第2スキャンとにより得られた投影データから第1斜平面画像を画像再構成する。そして、画像再構成部303は、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンが実施される側に位置する検出素子23aの中心へ、第2スキャンの実施の際にX線管20から放射されるX線の放射方向に沿った斜平面を第2の斜平面とし、第1スキャンと第2スキャンとにより得られた投影データから第2斜平面画像を画像再構成する。
操作コンソール3の入力装置41は、たとえば、キーボードやマウスなどにより構成されている。入力装置41は、オペレータの入力操作に基づいて、スキャンパラメータや被検体情報などの各種情報や指令を中央処理装置30に入力する。たとえば、本スキャン条件を設定する際においては、入力装置41は、そのスキャンパラメータとして、スキャン開始位置、スキャン終了位置、スキャンピッチ、X線ビーム幅、管電流値、スライス厚についてのデータをオペレータからの指令に基づいて入力する。
操作コンソール3の表示装置51は、たとえば、CRTを含み、中央処理装置30からの指令に基づき、表示面に画像を表示する。本実施形態においては、表示装置51は、たとえば、画像再構成部303によって画像再構成されたスライス画像を、表示面に表示する。
操作コンソール3の記憶装置61は、メモリにより構成されており、各種データを記憶している。記憶装置61は、その記憶されたデータが必要に応じて中央処理装置30によってアクセスされる。
被検体搬送部4について説明する。
被検体搬送部4は、撮影空間29の内部と外部との間で被検体を搬送する。
図4は、被検体搬送部4の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、被検体搬送部4は、テーブル部401と、テーブル移動部402とを有する。
被検体搬送部4のテーブル部401は、被検体が載置される載置面が水平面に沿うように形成されており、その載置面で被検体を支持する。たとえば、被検体は、仰向けになるようにテーブルに寝かされて、被検体搬送部4のテーブル部401に支持される。
被検体搬送部4のテーブル移動部402は、被検体の体軸方向zに沿った水平方向Hにテーブル部401を移動させる水平移動部402aと、水平方向Hに対して垂直な鉛直方向Vにテーブル部401を移動させる垂直移動部402bとを有し、中央処理装置30からの制御信号CTL30bに基づいて、撮影空間29の内部に被検体を搬入するように、テーブル部401を移動させる。
本実施形態のX線CT装置1の動作について説明する。
図5は、本実施形態において、X線CT装置1の動作を示すフロー図である。
まず、図5に示すように、アキシャルスキャンの実施を行う(S11)。
ここでは、操作コンソール3からの制御信号CTL30aに基づいて、被検体搬送部4により撮影空間29に移動された被検体を、走査ガントリ2がアキシャルスキャン方式によりX線でスキャンし、その被検体の投影データを得る。
図6は、本実施形態において、スキャンを実施する際の走査ガントリ2を示す側面図である。
図6に示すように、列方向jの第1の位置J1において被検体の第1被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第1スキャンS1と、列方向jにて第1の位置J1と異なる第2の位置J2において被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンS2とを、順次、走査ガントリ2が実施する。
具体的には、第1スキャンS1を実施する際には、図6に示すように、列方向jの第1の位置J1において、走査ガントリ2がX線管20とX線検出器23とを列方向jを回転軸にして、列方向jと体軸方向zとを垂線とするアキシャル面(xy面)に沿うように被検体の周囲で旋回させる。そして、X線管20とX線検出器23とを被検体の周囲で旋回させながら、X線管20が所定のコーン角αのX線を被検体の周囲から照射し、その被検体を透過したX線をX線検出器23が検出して投影データを生成する。そして、X線検出器23からの投影データをデータ収集部24が収集する。
そして、列方向jにおいて第1の位置J1と異なる第2の位置J2にて被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンS2を実施可能なように、テーブル移動部402がテーブル部401を体軸方向zおよび列方向jに沿って移動する。ここでは、図6に示すように、列方向jにおいて互いに間隔が無く隣接する第1被検体領域と第2被検体領域とをそれぞれスキャンするように、テーブル移動部402がテーブル部401を列方向jに沿って移動する。
その後、図6に示すように、列方向jの第2の位置J2において、走査ガントリ2がX線管20とX線検出器23とを列方向jを回転軸にして、アキシャル面(xy面)に沿うように被検体の周囲で旋回させる。そして、X線管20とX線検出器23とを被検体の周囲で旋回させながら、X線管20が所定のコーン角αのX線を被検体の周囲から照射し、その被検体を透過したX線をX線検出器23が検出して投影データを生成する。そして、X線検出器23からの投影データをデータ収集部24が収集する。
つぎに、図5に示すように、斜平面画像の画像再構成を行う(S21)。
ここでは、上記のスキャンにより得られた投影データに基づいて、被検体のスライスについてのスライス画像を、画像再構成部303が画像再構成する。
図7は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成する斜平面を示す側面図である。
図7に示すように、第1スキャンS1が実施された被検体の第1被検体領域であって、その第1スキャンS1の際にX線管20により列方向jへ放射されたX線の仰角θの範囲内において、アキシャル面が列方向jに傾いた第1の斜平面T1についての第1斜平面画像を、その第1の斜平面T1に対応する投影データから画像再構成部303が画像再構成する。そして、さらに、第2スキャンS2が実施された被検体の第2被検体領域であって、その第2スキャンS2の際にX線管20により列方向jへ放射されたX線の仰角θの範囲内において、アキシャル面が傾いた第2の斜平面T2についての第2斜平面画像を、その第2の斜平面T2に対応する投影データから画像再構成部303が画像再構成する。
ここでは、図7に示すように、第1スキャンS1と第2スキャンS2との実施の際に、X線管20からX線検出器23において列方向jに並ぶ検出素子23aへ向かうX線の経路が互いに平行になる斜平面を、第1の斜平面T1と第2の斜平面T2とをし、この第1の斜平面T1と第2の斜平面T2とに対応するように、第1斜平面画像と第2斜平面画像とを、画像再構成部303がそれぞれ画像再構成する。
具体的には、図7に示すように、第1斜平面画像を再構成する場合には、第1スキャンS1の実施においてビュー角度vが0度の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へ、X線管20から放射されるX線の放射方向に沿った斜平面を、画像再構成部303が第1の斜平面T1とする。そして、第2斜平面画像を画像再構成する場合には、図7に示すように、2スキャンS2の実施においてビュー角度vが180度の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へ、第X線管20から放射されるX線の放射方向に沿った斜平面を、画像再構成部303が第2の斜平面T2とする。すなわち、列方向jと体軸方向zとを垂線とするアキシャル面がy方向に対して傾いた第1斜平面T1,第2斜平面T2を、画像再構成面として、第1斜平面画像と第2斜平面画像とを画像再構成部303がそれぞれ画像再構成する。
図8は、画像再構成を実施する際の幾何学的関係をyz平面上で示す図である。
本実施形態においては、図8に示すように、上記のような斜平面を画像再構成面Rとし、その画像再構成面Rの画素Pを画像再構成する場合においては、以下の数式(1)に示すような列位置(row_pos)に対応する多列X線検出器23の検出素子にて得られた投影データを用いて、画像再構成を実施する。
row_pos=(zpos(x,y)*XL/L)/detector_configuration ・・・(1)
なお、数式(1)において、row_posは、多列X線検出器23の中心からの列単位の位置を示す。また、zpos(x,y)は、図8に示すように、X線管20の焦点Fと、多列X線検出器23の体軸方向z(列方向j)における中心とを結ぶ位置(xy面)から、画像再構成面R上の画素Pが体軸方向z(列方向j)において離れた距離を示している。また、Lは、図8に示すように、y方向において、画像再構成面R上の画素PがX線管20の焦点Fから離れた距離を示している。また、XLは、図8に示すように、X線管20の焦点と、X線管20の焦点Fが被検体の周囲を回転する際に軸となる回転軸Cとが、y方向において離れた距離を示している。また、detector_configurationは、z方向の座標と列単位の座標の間の変換係数を示す。
つぎに、図5に示すように、斜平面画像の表示を行う(S31)。
ここでは、上記のように、画像再構成部303によって画像再構成された第1斜平面画像と第2斜平面画像とを、表示装置51が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、列方向jを回転軸にしてX線管20が被検体の周囲を回転して被検体の周囲から被検体へX線を放射し、その被検体を透過したX線を検出するスキャンをアキシャルスキャン方式で実施することによって、走査ガントリ2が被検体の投影データを得る。そして、走査ガントリ2によって得られる投影データに基づいて、被検体のスライスについての画像を画像再構成部303がコーンビーム逆投影法によって画像再構成する。ここでは、画像再構成部303は、被検体において走査ガントリ2によりX線が放射された領域内であって、走査ガントリ2により列方向jへ放射されたX線の仰角θの範囲内において、列方向jを垂線とする面が列方向jに傾いた斜平面T1,T2に対応するように、被検体の斜平面画像をそれぞれ画像再構成する。具体的には、画像再構成部303は、列方向jにおいて走査ガントリ2がX線を放射する放射方向に沿った斜平面T1,T2に対応するように、その斜平面画像を画像再構成する。したがって、本実施形態は、対向データの矛盾が発生することを抑制しているために、画像再構成された斜平面画像にアーチファクトが発生することを防止することができ、画像品質を向上することができる。
<実施形態2>
以下より、本発明の実施形態2について説明する。
本実施形態においては、画像再構成部303の動作が、実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
図9は、本実施形態において、X線CT装置1の動作を示すフロー図である。
まず、図9に示すように、アキシャルスキャンの実施を行う(S111)。
ここでは、実施形態1と同様に、図6に示すように、列方向jの第1の位置J1において被検体の第1被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第1スキャンS1と、列方向jにて第1の位置J1と異なる第2の位置J2において被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンS2とを、順次、走査ガントリ2が実施する。
つぎに、図9に示すように、斜平面画像の画像再構成を行う(S121)。
ここでは、実施形態1と同様に、図7に示すように、第1スキャンS1においてビュー角度vが0°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第1の斜平面T1を、画像再構成面として、画像再構成部303が第1斜平面画像を画像再構成する。そして、図7に示すように、第2スキャンS2においてビュー角度vが180°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンS1が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第2の斜平面T2を、画像再構成面として、画像再構成部303が第2斜平面画像を画像再構成する。
この他に、本実施形態においては、他の斜平面についての斜平面画像の画像再構成を行う。
図10は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成する斜平面を示す側面図である。
図10に示すように、第1スキャンS1においてビュー角度vが180°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第3の斜平面T3を、画像再構成面として、画像再構成部303が第3斜平面画像を画像再構成する。そして、図10に示すように、第2スキャンS2においてビュー角度vが0°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンS1が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第4の斜平面T4を、画像再構成面として、画像再構成部303が第4斜平面画像を画像再構成する。すなわち、第1斜平面T1,第2斜平面T2がy方向に対して傾斜した方向と反対の方向へアキシャル面が傾いた第3斜平面T3,第4斜平面T4を、画像再構成面として、第3斜平面画像と第4斜平面画像とを画像再構成部303がそれぞれ画像再構成する。
また、特に図示しないが、この他に、第1スキャンS1においてビュー角度vが90°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第5の斜平面T5を、画像再構成面として、画像再構成部303が第5斜平面画像を画像再構成する。そして、第2スキャンS2においてビュー角度vが270°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンS1が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第6の斜平面T6を、画像再構成面として、画像再構成部303が第6斜平面画像を画像再構成する。すなわち、アキシャル面がx方向に対して傾いた第5斜平面T5,第6斜平面T6を、画像再構成面として、画像再構成部303が第5斜平面画像と第6斜平面画像とをそれぞれ画像再構成する。
さらに、第1スキャンS1においてビュー角度vが270°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第2スキャンS2が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第7の斜平面T7を、画像再構成面として、画像再構成部303が第7斜平面画像を画像再構成する。そして、第2スキャンS2においてビュー角度vが90°の際に、X線検出器23の列方向jの端部であって第1スキャンS1が実施される側に位置する検出素子23aの中心へX線管20が放射するX線の放射方向に沿った第8の斜平面T8を、画像再構成面として、画像再構成部303が第8斜平面画像を画像再構成する。すなわち、第5斜平面T5,第6斜平面T6がy方向に対して傾斜した方向と反対の方向へアキシャル面が傾いた第7斜平面T7,第8斜平面T8を、画像再構成面として、第7斜平面画像と第8斜平面画像とを画像再構成部303がそれぞれ画像再構成する。
つぎに、図9に示すように、アキシャル画像の画像再構成を行う(S122)。
ここでは、列方向jと体軸方向zとを垂線とする面であって、第1スキャンが実施された第1被検体領域と、第2スキャンが実施された第2被検体領域との両者を含むアキシャル面に対応するアキシャル画像を、上記のようにして画像再構成した複数の斜平面画像に基づいて画像再構成部303が画像再構成する。
図11は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成する斜平面画像に対応する斜平面と、その斜平面画像から画像再構成するアキシャル面画像に対応するアキシャル面とを示す側面図である。図11において、図11(a)は、上記のように斜平面画像が画像再構成された第1斜平面T1,第2斜平面T2,第3斜平面T3,第4斜平面T4,第5斜平面T5,第6斜平面T6,第7斜平面T7,第8斜平面T8を、x方向を視線にして示す側面図である。なお、図11(a)において、第5斜平面T5,第6斜平面T6,第7斜平面T7,第8斜平面T8については、作画を簡略するためにx方向における中心線を点線で示しているが、実際にはx方向において傾斜している。
図11(a)と図11(b)に示すように、本実施形態においては、被検体の複数のアキシャル面A1,A2,A3,A4に交差する斜平面T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8に対応した複数の斜平面画像を用いて、その複数のアキシャル面A1,A2,A3,A4についてのアキシャル画像を、画像再構成部303が画像再構成する。具体的には、複数の斜平面T1,T2,T3,T4,T5,T6,T7,T8に対応した複数の斜平面画像を、重み付け加算処理することによって断面変換し、列方向jに沿って順次並ぶ第1アキシャル面A1,第2アキシャル面A2,第3アキシャル面A3,第4アキシャル面A4のそれぞれについて、画像再構成部303が第1アキシャル画像,第2アキシャル画像,第3アキシャル画像,第4アキシャル画像を画像再構成する。たとえば、図11(b)に示すように、第1アキシャル面A1と第3アキシャル面A3との間に位置する第2アキシャル面A2に対応する第2アキシャル画像については、図11(a)に示すように、その第2アキシャル面A2に近接し交差する第1斜平面T1,第3斜平面T3,第5斜平面T5,第7斜平面T7についての第1斜平面画像,第3斜平面画像,第5斜平面画像,第7斜平面画像の各画素値を、画素位置に応じた重み付け加算処理することによって画像再構成する。
つぎに、図9に示すように、アキシャル画像の表示を行う(S131)。
ここでは、上記のように、画像再構成部303によって画像再構成された複数のアキシャル画像を、表示装置51が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、列方向jの第1の位置J1において被検体の第1被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第1スキャンと、列方向jにて第1の位置J1と異なる第2の位置J2において被検体の第2被検体領域をアキシャルスキャン方式でスキャンする第2スキャンとを走査ガントリ2が実施する。ここでは、列方向jにおいて第1被検体領域と第2被検体領域とが互いに隣接するように第1スキャンと第2スキャンとを走査ガントリ2が実施する。その後、第1被検体領域と第2被検体領域とであって、走査ガントリ2により列方向jへ放射されたX線の仰角の範囲内においてアキシャル面が傾いた複数の斜平面に対応するように、複数の斜平面画像を画像再構成部303が画像再構成する。ここでは、列方向jにおいて走査ガントリ2がX線を放射する放射方向に沿った斜平面を、画像再構成部303が画像再構成面として複数の斜平面画像を画像再構成する。そして、その複数の斜平面画像に基づいて、アキシャル面に対応するアキシャル画像を画像再構成部303が画像再構成する。ここでは、第1被検体領域と第2被検体領域との両者を含むアキシャル面に対応するアキシャル画像を、そのアキシャル面に交差する斜平面に対応した斜平面画像を用いて、画像再構成部303が画像再構成する。したがって、本実施形態は、互いに対向する投影データにおいて、各投影データが取得される際にX線が放射される経路が同様であるために、画像再構成されたアキシャル画像にアーチファクトが発生することを防止することができ、画像品質を向上することができる。
<実施形態3>
以下より、本発明の実施形態3について説明する。
本実施形態においては、走査ガントリ2と画像再構成部303との動作が、実施形態1と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
図12は、本実施形態において、X線CT装置1の動作を示すフロー図である。
まず、図12に示すように、ヘリカルスキャンの実施を行う(S211)。
ここでは、操作コンソール3からの制御信号CTL30aに基づいて、被検体搬送部4により撮影空間29に移動された被検体を、走査ガントリ2がヘリカルスキャン方式によってX線でスキャンし、その被検体の投影データを得る。たとえば、ヘリカルピッチが1.5であって被検体の周囲を1回転するヘリカルスキャン方式のスキャンを、走査ガントリ2が実施する。
つぎに、図12に示すように、斜平面画像の画像再構成を行う(S21)。
ここでは、上記のスキャンにより得られた投影データに基づいて、被検体のスライスについてのスライス画像を、画像再構成部303が画像再構成する。
図13は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成する斜平面と、走査ガントリ2との関係を、y方向を視線にして示す側面図である。図13においては、ヘリカルスキャン方式でのスキャンにおいて、ビュー角度が90°と270°の場合の走査ガントリ2と斜平面との関係を示している。
本実施形態においては、図13に示すように、ヘリカルスキャン方式でのスキャンの実施の際に、X線管20が被検体の周囲を回転する回転角度(本実施形態では360°)の中心値(本実施形態では180°)に対して、−90°となるビュー角度(本実施形態では90°)でのスキャンS90と、+90°となるビュー角度(本実施形態では270°)でのスキャンS270とにおいて、各スキャンS90,S270の際にX線管20により列方向jへ放射されたX線の仰角θの範囲内においてアキシャル面が傾いた斜平面Tを、画像再構成部303が画像再構成面として斜平面画像を画像再構成する。たとえば、90°のビュー角度のスキャンS90にて得られる投影データと、そのスキャンS90に対向するビュー角度である270°でのスキャンS270において得られる投影データとを用いて、各スキャンS90,S270において放射されるX線の経路が一致する斜平面Tについての斜平面画像を、画像再構成部303がコーンビーム再構成法により画像再構成する。すなわち、互いに対向するビュー角度にて得られた投影データに対して、画像再構成部303が重み付け加算処理を斜平面Tに対応するように実施し、斜平面画像を画像再構成する。
つぎに、図12に示すように、斜平面画像の表示を行う(S31)。
ここでは、上記のように、画像再構成部303によって画像再構成された斜平面画像を、表示装置51が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、列方向jを中心にしてX線管20が被検体の周囲を回転して被検体の周囲から被検体へX線を放射し、その被検体を透過したX線を検出するスキャンをヘリカルスキャン方式で実施することによって走査ガントリ2が被検体の投影データを得る。そして、走査ガントリ2によって得られる投影データに基づいて、被検体のスライスについての画像を画像再構成部303がコーンビーム逆投影法によって画像再構成する。ここでは、画像再構成部303は、被検体において走査ガントリ2によりX線が放射された領域内であって、走査ガントリ2により列方向jへ放射されたX線の仰角θの範囲内においてアキシャル面が列方向jに傾いた斜平面Tに対応するように、被検体の斜平面画像を画像再構成する。具体的には、画像再構成部303は、90°と270°のように、互いに対向するビュー角度のスキャンS90,S270において放射される放射方向に沿った斜平面Tについての斜平面画像を、その互いに対向するビュー角度のスキャンS90,S270にて得られた投影データを斜平面Tに対応するように重み付け加算処理することによって画像再構成する。つまり、ヘリカルスキャン方式でのスキャンにおける螺旋軌道に沿った斜平面Tを、画像再構成面として、画像再構成部303が斜平面画像を画像再構成する。したがって、本実施形態は、互いに対向する投影データにおいて、各投影データが取得される際にX線が放射される経路が同様であるために、画像再構成された斜平面画像にアーチファクトが発生することを防止することができ、画像品質を向上することができる。
<実施形態4>
以下より、本発明の実施形態4について説明する。
本実施形態においては、画像再構成部303の動作が、実施形態3と異なる。この点を除き、本実施形態は、実施形態3と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
図14は、本実施形態において、X線CT装置1の動作を示すフロー図である。
まず、図14に示すように、ヘリカルスキャンの実施を行う(S311)。
ここでは、実施形態3と同様に、ヘリカルスキャン方式でのスキャンを走査ガントリ2が実施する。
つぎに、図14に示すように、斜平面画像の画像再構成を行う(S321)。
図15は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成する斜平面を示す側面図である。図15において、図15(a)は、x方向を視線とした側面図であり、図15(b)は、y方向を視線とした側面図である。
ここでは、図15に示すように、走査ガントリ2により実施されるヘリカルスキャン方式でのスキャンの際に、互いに対向するビュー角度において放射されるX線の放射方向に沿った複数の斜平面T11,T12,T13,T14,T15、T16,T17,T18,T19,T20,T21,T22,T23に対応するように、実施形態1と同様にして、画像再構成部303が複数の斜平面画像を画像再構成する。
つぎに、図14に示すように、アキシャル画像の画像再構成を行う(S322)。
図16は、本実施形態において、画像再構成部303が画像再構成するアキシャル面を示す側面図である。図16において、図16(a)は、x方向を視線とした側面図であり、図16(b)は、y方向を視線とした側面図である。
ここでは、図16に示すように、複数のアキシャル面A11,A12,A13,A14,A15、A16,A17,A18,A19,A20,A21,A22,A23に対応するアキシャル画像を、上記のように複数の斜平面T11,T12,T13,T14,T15、T16,T17,T18,T19,T20,T21,T22,T23に対応するように画像再構成した複数の斜平面画像に基づいて画像再構成部303が画像再構成する。たとえば、図16に示すように、第1アキシャル面A1と第3アキシャル面A3との間に位置する第2アキシャル面A2に対応する第2アキシャル画像については、図15に示すように、その第2アキシャル面A2に近接する複数の斜平面T11,T12,T13についての斜平面画像の各画素値を、画素位置に応じた重み付け加算処理することによって画像再構成する。
つぎに、図14に示すように、アキシャル画像の表示を行う(S331)。
ここでは、上記のように、画像再構成部303によって画像再構成された複数のアキシャル画像を、表示装置51が表示面に表示する。
以上のように、本実施形態においては、走査ガントリ2により実施されるヘリカルスキャン方式でのスキャンの際に互いに対向するビュー角度において放射される放射線の放射方向に沿った複数の斜平面に対応するように、画像再構成部303が複数の斜平面画像を画像再構成する。つまり、ヘリカルスキャン方式でのスキャンにおける螺旋軌道に沿った複数の斜平面Tを、画像再構成面として、画像再構成部303が複数の斜平面画像を画像再構成する。その後、その画像再構成した複数の斜平面画像に基づいて、画像再構成部303が、被検体の複数のアキシャル面に対応するアキシャル画像を複数画像再構成する。したがって、本実施形態は、互いに対向する投影データにおいて、各投影データが取得される際にX線が放射される経路が同様であるために、アキシャル画像にアーチファクトが発生することを防止することができ、画像品質を向上することができる。
なお、上記の実施形態において、X線CT装置1は、本発明の放射線撮影装置に相当する。また、上記の実施形態において、走査ガントリ2は、本発明のスキャン部に相当する。また、上記の実施形態において、X線管20は、本発明の放射線源に相当する。また、上記の実施形態において、X線検出器23は、本発明の検出部に相当する。また、上記の実施形態において、回転部27は、本発明の回転部に相当する。また、上記の実施形態において、画像再構成部303は、本発明の画像再構成部に相当する。また、「X線の仰角」とは、X線管20の焦点から出射するX線が、X線管20の焦点と列方向jにおけるX線検出器23の中心とを結ぶ面を基準に、列方向jに傾いて放射される角度に相当する。
また、本発明の実施に際しては、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態においては、放射線としてX線を用いている例について説明しているが、これに限定されない。たとえば、たとえば、ガンマ線等の放射線を用いても良い。
また、たとえば、上記の実施形態においては、列方向jにおいて放射されるX線の放射方向に沿った斜平面についての斜平面画像を画像再構成する例について説明しているが、これに限定されない。図17は、本発明にかかる実施形態の変形例において、アキシャルスキャン方式でのスキャンによって得られた投影データから、画像再構成部303が画像再構成する斜平面を示す側面図である。また、図18は、本発明にかかる実施形態の変形例において、ヘリカルスキャンスキャン方式でのスキャンによって得られた投影データから、画像再構成部303が画像再構成する斜平面を示す側面図である。図17と図18とに示すように、たとえば、曲面を描くように複数の斜平面が連なった面Tに対応する画像を画像再構成してもよい。
また、たとえば、上記の実施形態においては、ヘリカルスキャン方式のスキャンをヘリカルピッチが1.5として実施する例について説明しているが、これに限定されない。図19は、本発明にかかる実施形態の変形例において、ヘリカルスキャン方式のスキャンを、1.0のヘリカルピッチで実施した場合に、画像再構成部303が画像再構成する斜平面と、走査ガントリ2との関係を、y方向を視線にして示す側面図である。また、図20は、本発明にかかる実施形態の変形例において、ヘリカルスキャン方式のスキャンを、0.5のヘリカルピッチで実施した場合に、画像再構成部303が画像再構成する斜平面と、走査ガントリ2との関係を、y方向を視線にして示す側面図である。図19と図20とに示すように、任意のヘリカルピッチでヘリカルスキャン方式のスキャンを実施した場合に適用してもよい。