JP4841179B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱体が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
誘導加熱部と発熱体との位置関係が変動してしまうのは、高温で使用される定着装置を構成する構成部材が熱変形することによる。
具体的に、特許文献1等の定着装置において、定着補助ローラは所定の定着ニップ部を形成するために加圧ローラに対向する位置で固定支持されていて、支持ローラは定着ベルトに所定の張力を与えるために誘導加熱部(固定支持されている。)に対向する位置で移動自在に支持されている場合が多い。一方、定着工程時に誘導加熱部によって加熱された定着ベルトの熱は、記録媒体上へトナー像(トナー)を溶着させる熱として伝達されるだけではなく、定着補助ローラへも伝達される。したがって、定着工程が連続しておこなわれている定着補助ローラの温度は徐々に上昇して、シリコーンゴム等で形成された弾性層の熱膨張によって定着補助ローラの外径が大きくなる。そして、定着ベルトの基材の熱膨張率は定着補助ローラの弾性層のものよりも低いために、定着補助ローラの外径変化にともない支持ローラと定着補助ローラとの軸間距離が縮まってしまう。したがって、誘導加熱部と発熱体(支持ローラ)との対向距離(位置関係)が変動してしまう。
さらに、誘導加熱部と発熱体との対向距離が小さくなると、誘導加熱部自体の温度が上昇して、構成部材が耐熱温度を超えてしまったり、コア部の温度がキューリー点を超えて発熱効率を低下させてしまったりする可能性もある。
これに対して、誘導加熱部と発熱体との対向距離が大きくなると、定着ベルトを発熱させる効率が低下してしまうので、連続通紙時等に所望の定着温度が得られずに定着性不良等の異常画像が発生する可能性がある。
図1〜図4にて、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
まず、図1にて、画像形成装置全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、19は記録媒体P上の未定着画像を定着する定着装置を示す。
まず、露光部3から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の電子写真プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
なお、図示は省略するが、プロセスカートリッジ4には、感光体ドラム18、感光体ドラム18上を帯電する帯電部、トナー(現像剤)が収容されていて感光体ドラム18上に形成された静電潜像を現像する現像部、感光体ドラム18上に残存する未転写トナーを除去するクリーニング部、等が一体的に設けられている。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12、15のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置19は、誘導加熱部24、定着補助ローラ21、定着ベルト22(発熱体)、支持ローラ23(発熱体)、加圧ローラ30、サーミスタ37、等で構成される。なお、定着装置19には、発熱体の変位に連動して誘導加熱部24を変位させる可変手段も設けられているが、これについては後で詳しく説明する。
定着ベルト22は、ポリイミド等からなるベース層、ニッケルや銀等の金属からなる発熱層、シリコーンゴム等からなる弾性層、フッ素化合物等からなる離型層等からなる多層構造のエンドレスベルトである。定着ベルト22の離型層によって、トナーTに対する離型性が担保されている。
なお、定着ベルト22の発熱層として、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂等の樹脂層とニッケル等の金属層との複数層構造体を用いることもできる。
詳しくは、図2及び図3を参照して、誘導加熱部24は、画像形成装置本体1の本体側板42に固設されたガイドピン45によって支持されている。ガイドピン45は、誘導加熱部24を保持する第1保持部29に形成された穴部29aに挿通されるとともに、誘導加熱部24(第1保持部29)を支持ローラ23に向けて付勢する第2付勢部材としてのスプリング46が設置されている。ここで、ガイドピン45の外径は穴部29aの穴径よりも小さくなっていて、ガイドピン45は穴部29aに対して径方向にある程度の自由度をもって取り付けられている。
また、図3を参照して、第1保持部29には、支持ローラ23の両端軸部を保持する軸受33の曲面部33aが2点で当接するV字状の傾斜部29bが形成されている。
また、図示は省略するが、支持ローラ23の外周面には、サーモスタットが当接されている。そして、支持ローラ23上の表面温度が所定の温度を超えた場合には、サーモスタット37によって誘導加熱部24への通電が切断される。これにより、誘導加熱部24による支持ローラ23の過熱が制限される。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、支持ローラ23も反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で、誘導加熱部24から発生される磁束によって加熱される。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Y1の搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
このような一連の動作が連続的に繰り返されて、画像形成プロセスにおける定着工程が完了する。
図5にて、この発明の実施の形態2について詳細に説明する。
図5は、実施の形態2の定着装置19を示す断面図である。本実施の形態2の定着装置19は、定着ベルト22に張力を与えるテンションローラ38が設置されている点と、誘導加熱部24の移動方向と、が前記実施の形態1のものとは相違する。
テンションローラ38は、支持ローラ23と定着補助ローラ21との間であって、定着ベルト22の内周面に当接する位置で、定着ベルト22に張力を与えている。ここで、テンションローラ38と定着補助ローラ21とは第2保持部20に固定支持されていて、支持ローラ23は前記実施の形態1と同様に第1付勢部材34によって定着ベルト22に積極的に張力を与えている。
具体的には、前記実施の形態1の図3で説明した第2保持部20の案内部20aが、軸受33が第3の仮想線S3上を移動するように第3の仮想線S3に沿って形成されている。
図6及び図7にて、この発明の実施の形態3について詳細に説明する。
図6は実施の形態3における定着装置19を示す断面図であって、図7はその要部を示す概略図である。本実施の形態3の定着装置19は、支持ローラ23内に内部コア35と磁束調整部材36とが設置されている点と、軸受33の構成と、が前記実施の形態1のものとは相違する。
ここで、内部コア35は、フェライト等の強磁性体からなり、定着ベルト22を介してコイル部25に対向するように支持ローラ23に内設されている。内部コア35を設けることによって、コア26と内部コア35との間でコイル部25によって交番磁界が効率よく生成されることになる。
具体的には、図7を参照して、支持ローラ23の両端軸部を保持する軸受33には、誘導加熱部24に突き当たる複数の突当部33cが設けられている。また、軸受33は、第1付勢部材としてのスプリング34によって、その曲面部33aが傾斜部29bに当接した状態で誘導加熱部24に向けて付勢されている。また、誘導加熱部24は、第2付勢部材としてのスプリング46によって、軸受33の複数の突当部33cに突き当たった状態で支持ローラ23に向けて付勢されている。
図8にて、この発明の実施の形態4について詳細に説明する。
図8は、実施の形態4における定着装置19の可変手段の要部を示す概略図である。本実施の形態4の定着装置19は、軸受33の構成が前記実施の形態3のものとは相違する。
このような構成によって、軸受33が第1保持部29の傾斜部29aに2箇所で面接触した状態で、支持ローラ23の変位に連動して、誘導加熱部24の姿勢を同一方向(仮想線Sに沿った方向である。)に維持したまま移動させることができる。
19 定着装置、
20 第2保持部、 20a 案内部、
21 定着補助ローラ、
22 定着ベルト、 23 支持ローラ(発熱体)、
24 誘導加熱部、 25 コイル部、 26 コア、
26a センターコア、 26b サイドコア、 27 コイルガイド、
29 第1保持部、 29a 穴部、 29b 傾斜部、
33 軸受、 33a 曲面部、 33b 溝部、
33c 突当部、 33d 平面部、
34 スプリング(第1付勢部材)、
35 内部コア、 36 磁束調整部材、
38 テンションローラ、 42 本体側板、 45 ガイドピン、
46 スプリング(第2付勢部材)、
S 仮想線、 S1 第1の仮想線、
S2 第2の仮想線、 S3 第3の仮想線。
Claims (6)
- トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、
支持ローラと定着補助ローラとに張架された定着ベルトと、
前記定着ベルトに当接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧ローラと、
前記定着ベルトを介して前記支持ローラに対向するとともに、磁束を発生させて前記定着ベルト又は/及び前記支持ローラを電磁誘導加熱する誘導加熱部と、
前記支持ローラの両端軸部を保持するとともに、外周に曲面部を有する軸受と、
前記誘導加熱部を保持するとともに、前記軸受の前記曲面部が2点で当接するV字状の傾斜部を有する第1保持部と、
前記軸受を保持するとともに、前記軸受が前記支持ローラの回転中心と前記定着補助ローラの回転中心とを通る仮想線上を移動するように当該仮想線に沿って形成された案内部を有する第2保持部と、
前記軸受を前記傾斜部に向けて付勢する第1付勢部材と、
前記誘導加熱部を前記支持ローラに向けて付勢する第2付勢部材と、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - トナー像を加熱して当該トナー像を記録媒体に定着する定着装置であって、
支持ローラと定着補助ローラとに張架された定着ベルトと、
前記支持ローラと前記定着補助ローラとの間の位置で前記定着ベルトに張力を与えるテンションローラと、
前記定着ベルトに当接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧ローラと、
前記定着ベルトを介して前記支持ローラに対向するとともに、磁束を発生させて前記定着ベルト又は/及び前記支持ローラを電磁誘導加熱する誘導加熱部と、
前記支持ローラの両端軸部を保持するとともに、外周に曲面部を有する軸受と、
前記誘導加熱部を保持するとともに、前記軸受の前記曲面部が2点で当接するV字状の傾斜部を有する第1保持部と、
前記軸受を保持するとともに、前記軸受が前記支持ローラの回転中心と前記定着補助ローラの回転中心とを通る第1の仮想線上と前記支持ローラの回転中心と前記テンションローラの回転中心とを通る第2の仮想線上との間であって前記支持ローラが前記定着ベルトによって付勢される側で等角度にて等分される第3の仮想線上を移動するように当該第3の仮想線に沿って形成された案内部を有する第2保持部と、
前記軸受を前記傾斜部に向けて付勢する第1付勢部材と、
前記誘導加熱部を前記支持ローラに向けて付勢する第2付勢部材と、
を備えたことを特徴とする定着装置。 - 前記第1保持部は、前記第2付勢部材による付勢方向に対して直交する面方向に変位できるように画像形成装置本体に支持されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記定着補助ローラは、前記加圧ローラに対して前記定着ベルトを介して当接するように配設されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記支持ローラに内設された内部コアと、
前記支持ローラに内設されるとともに前記内部コアに達する前記磁束を調整する磁束調整部材と、
を備え、
前記軸受部は、前記誘導加熱部に突き当たる突当部をさらに有し、
前記第2付勢部材は、前記突当部に突き当たった状態の前記誘導加熱部を前記支持ローラに向けて付勢することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の定着装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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