JP4739602B2 - 新規な(メタ)アクリル酸エステルおよび当該(メタ)アクリル酸エステルを含む硬化型組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、その硬化物が硬化性、耐熱性および表面硬度に優れるジ(メタ)アクリル酸エステルに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、(メタ)アクリル基を複数個有する(メタ)アクリル酸エステルは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線硬化型組成物として、インキ、塗料およびレジスト分野等で用いられている。一般にこれらの分野で(メタ)アクリル酸エステルに要求される物性は、速硬化性、高硬度および高耐熱性である。
【0003】
これまで硬化性の優れた(メタ)アクリル酸エステルとして、ビスフェノール骨格を有する4,4’−ジ(ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン(ビスフェノールA)のアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリル酸エステルがあったが、硬化物の耐熱性が劣るという欠点がある。一方、3個以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリル酸エステルは耐熱性に優れるものの硬化収縮率が大きいという問題がある。
【0004】
4,4’−ジ((メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)スルホンや4,4’−ジ((メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)スルフィド等の(メタ)アクリル酸エステルにおいてアルキレンオキサイドの付加モル数が少ないものは、常温で固体であり取扱い易くない。
本発明者らは、液体で取扱い易く、その硬化物の硬化性、耐熱性および表面硬度が優れた(メタ)アクリル酸エステルを見出すため鋭意研究を行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するため本発明者らは、種々の検討を行った結果、特定構造を有する新規ジ(メタ)アクリル酸エステルが有効であることを見出し、本発明を完成させたのである。以下、本発明を詳細に説明する。
尚、本明細書においては、アクリロイルまたはメタクリロイルを(メタ)アクリロイルと、アクリル基またはメタクリル基を(メタ)アクリル基と、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸エステルと、アクリル酸またはメタクリル酸を(メタ)アクリル酸等と表す。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、式(1)で示されるジ(メタ)アクリル酸エステル(式(1)中、Rは分岐があっても良い炭素数1〜6の低級アルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜4の分岐があっても良いアルキレン基であり、R1は水素原子またはメチル基であり、aおよびbは、それぞれ0から10までの整数で、a+bの平均値は2〜10であり、好ましくは2〜4である)に関する。
【0007】
【化2】
【0008】
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルは、式(2)(式(2)中、Rは分岐があっても良い炭素数1〜6の低級アルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜4の分岐があっても良いアルキレン基であり、aおよびbは、それぞれ0から10までの整数で、a+bの平均値は2〜10であり、好ましくは2〜4である)で表される化合物と(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させることにより得ることができる。
【0009】
【化3】
【0010】
式(2)で表される化合物としては、例えば後記式(3)で表される2,4’−ジ(ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンがある。この式(3)の化合物は、後記式(4)で表される2,4’−ジ(ヒドロキシフェニル)スルホン(市販品としては、日華化学(株)製BPS−24がある)とエチレンオキサイドより公知の方法を用いて合成することができる。このとき、式(4)の化合物1モルに対しエチレンオキサイドを3モル以上用いれば、a+bが3以上のものが得られる。また、このエチレンオキサイドの代わりにプロピレンオキサイドを用いれば、式(2)においてRの炭素数が3のものを得ることができる。このように、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド等のエポキシ化合物の種類を変えたりモル数を変えることにより、式(2)で表される化合物を得ることができる。
【0011】
【化4】
【0012】
【化5】
【0013】
式(2)で表される化合物と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応の条件は、特に制約されるものではないが、一般的にp−トルエンスルホン酸や硫酸等のエステル化触媒を用い、有機溶媒類の存在下、70℃〜150℃の温度で反応させることにより得ることができる。このとき、ハイドロキノンのようなラジカル重合禁止剤の存在下で行うのが好ましい。(メタ)アクリル酸の使用割合は、式(2)で表される化合物1モルに対して1〜5モルが好ましく、2.1〜4モルがより好ましい。
【0014】
前記のエステル化触媒としては、原料として用いる(メタ)アクリル酸よりも酸性度が大きいものであれば特に制限されないが、好ましいものとしては、塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の無機酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリクロロ酢酸、シュウ酸およびギ酸等の有機酸またはそれらの塩、陽イオン交換樹脂等の固体酸、塩化亜鉛、塩化スズ、塩化第二鉄および塩化第二銅等のルイス酸、並びに活性白土等を挙げることができる。これらの中でも、硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
エステル化触媒の使用量は、一般的なエステル化反応における使用量と同じで良く、本発明の化合物1モルに対して、0.0001〜0.2モルが好ましく、0.005〜0.1モルがより好ましい。
【0015】
上記ラジカル重合禁止剤としては、ラジカルを捕捉しうる化合物であれば特に制限されないが、好ましいものとして、ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、エトキシハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン、t−ブチルカテコールおよび次亜リン酸等、従来より知られている通常のラジカル重合禁止剤が使用可能である。これらのラジカル重合禁止剤は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。通常は、(メタ)アクリル酸に対して10〜10000ppmの範囲で使用することが好ましく、100〜5000ppmがより好ましい。
【0016】
上記有機溶媒としては、原料として使用される(メタ)アクリル酸と反応するもの、例えば、アルコール類やアミン類等以外のものであれば、特に限定しない。しかし、本発明においては、反応の進行に伴って生成する水を反応系外に留去することによって反応が促進されることから、系内で生成した水を系外に容易に留去できる溶媒、すなわち水に不溶でありなおかつ水と共沸するような有機溶媒が好ましい。このようなものの例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、n−ヘキサンやn−ヘプタン等を挙げることができる。これらの中で水と近い沸点を有し水と共沸し、しかも安価で比較的環境への負荷が少ないトルエンが特に好ましく使用できる。
有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、通常は(メタ)アクリル酸と式(2)で表される化合物との合計100質量部に対して、200質量部以下であり、好ましくは50〜100質量部である。
【0017】
エステル化反応は、通常70〜150℃、好ましくは約100〜135℃の範囲で行われる。反応は通常、常圧下で行われるが、用いる有機溶媒の沸点によっては、反応温度が合成に適した温度範囲内になるように加圧または減圧下で行っても良い。
本発明において反応時間は特に限定されるものではないが、通常、1〜20時間の範囲で行われる。
【0018】
エステル化反応終了後、反応混合物に水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えて反応系中のエステル化触媒や未反応の(メタ)アクリル酸等を中和した後に、有機溶媒層と水層とを分離し、得られた有機溶媒層から有機溶媒を減圧留去するか、または得られた有機溶媒層をそのまま、もしくは得られた有機溶媒層を濃縮した後に、得られたジ(メタ)アクリル酸エステル含有有機溶媒に対しこの溶解性が低い溶媒を加えて析出する方法によってジ(メタ)アクリル酸エステルを回収することもできる。
析出に用いる溶媒としては、メタノール、エタノールやイソプロパノール等の低級脂肪族アルコール等が挙げられ、これら以外にもn−ヘキサンやn−ヘプタン等のような非極性溶媒も使用できる。これらは単独で用いても良いし、2種類以上を混合した溶媒を用いても良い。
【0019】
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルは、その硬化物が硬化性、表面硬度および耐熱性に優れ、また硬化時の収縮率が小さく、なおかつ液体のため取扱いが容易であり、紫外線および電子線等の活性エネルギー線ならびに熱による硬化型組成物の成分として有用である。
【0020】
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物は、活性エネルギー線の照射により光ラジカル重合させて硬化させ、インキ、塗料およびレジスト分野等で使用することができる。活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線や電子線等を挙げることができる。特に特別な装置を必要とせず簡便であるため、可視光線または紫外線が好ましい。可視光線または紫外線硬化型組成物とする場合は,組成物に光重合開始剤を配合することができる。なお、電子線による硬化型組成物とする場合は、重合開始剤を必ずしも配合する必要はない。
【0021】
光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインプロピルエーテル等のベンゾイン類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オンおよびN,N−ジメチルアミノアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンおよび2−アミルアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンおよび2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタールおよびベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーズケトンおよび4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等のベンゾフェノン類;並びに2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で使用しても2種以上を併用しても良い。なお、光重合開始剤を配合する場合は、本発明のジ(メタ)アクリル酸エステル100質量部に対して、0.05〜12質量部が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
【0022】
光重合開始剤には、必要に応じて光増感剤を併用することができる。光増感剤としては、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエチルアミンおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。
【0023】
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物は、加熱硬化させ使用することもできる。このとき、熱重合開始剤を配合してもよい。
熱重合開始剤としては、種々の化合物を使用することができ、特に有機過酸化物およびアゾ系開始剤等が好ましい。有機過酸化物の具体例としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジーメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイドやt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾジ−t−オクタンやアゾジ−t−ブタン等が挙げられる。
これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、有機過酸化物は、還元剤と組み合わせることによりレドックス重合させることも可能である。
これら熱重合開始剤の使用量としては、本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物100質量部に対して、10質量部を超えないことが好ましい。熱重合開始剤を用いる場合は、通常のラジカル熱重合の常套手段にしたがって行えばよく、場合によっては光重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
【0024】
今まで述べてきたように、本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルは、光ラジカル重合性モノマーまたは熱ラジカル重合性モノマーとして単独で使用することもでき、また他のラジカル重合性モノマーと併用もしくはその他成分と併用して組成物として使用することもできる。
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物は、必要に応じてさらに顔料、染料、離型剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤(例えばヒンダードアミン等)、酸化防止剤、重合防止剤、帯電防止剤、密着性改良剤(例えば各種ポリマー類)、無機フィラーおよび有機フィラー等を添加することもできる。
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用する場合、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射方法は一般的な方法を用いることができる。また、本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルまたはこれを含む組成物を熱重合型組成物として使用する場合、一般的な熱重合の方法を用いることができる。
【0025】
【実施例】
次に実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお,以下においての「部」は、質量部を示す。
【0026】
○実施例1
式(3)で表される化合物(日華化学(株)製、品名X−0385)123部、アクリル酸63部、トルエン186部、p−トルエンスルホン酸7.4部、メチルハイドロキノン0.2部をディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計および攪拌棒を備えた500mL容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸させて除き、水が13.8部生成した時点で反応を停止した。反応温度は120〜140℃であった。反応液は、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、4%硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。この洗浄した反応液から溶媒を減圧除去し、式(5)で表されるアクリル酸エステルを137部得た。
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
式(5)は室温において液体で、この粘度(25℃)は610Pa・sであり、また合成反応中および後処理の過程で結晶化することはなかった。式(5)について高分解能核磁気共鳴(1H−NMR、270MHz)による測定を行なった結果を下記に示す(この測定は、基準物質としてテトラメチルシランを用い、溶媒は重クロロホルムを用いて測定した)。
【0030】
式(5)の1H−NMRデータ
【0031】
○比較例1
式(6)で表される化合物(日華化学(株)製、品名SEO−2)123部、アクリル酸63部、トルエン186部、p−トルエンスルホン酸7.4部、メチルハイドロキノン0.2部をディーンスタークトラップ(水分離器)、冷却管、温度計および攪拌棒を備えた500mL容量の3つ口フラスコに仕込み、撹拌しながら加熱した。エステル化反応中の生成水はトルエンとともに共沸させて除き、水が13.8部生成した時点で反応液を冷却した。反応温度は120〜140℃であった。反応液をトルエンで希釈した後、10%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、4%硫酸アンモニウム水溶液で洗浄した。この洗浄した反応液から溶媒を減圧除去し、式(7)で表されるアクリル酸エステルを192部得た。得られたアクリル酸エステルは白色固体であった。式(7)について高分解能核磁気共鳴(1H−NMR、270MHz)による測定を行なった結果を下記に示す(この測定は、基準物質としてテトラメチルシランを用い、溶媒は重クロロホルムを用いて測定した)。
【0032】
【化8】
【0033】
【化9】
【0034】
式(7)の1H−NMRデータ
【0035】
○実施例2、比較例2および比較例3
紫外線硬化型組成物を調製し、この硬化処理を行って、性能を評価した。
表1の配合組成に従い(表において組成欄の数字は質量部である)作製した組成物をバーコーターを用いて鉄板上に塗布(厚さ10μm)した。その後、ランプ出力80W/cmの高圧水銀ランプを照射して(照射量93mJ/cm2)硬化させた。
【0036】
【表1】
【0037】
○物性評価
表1により作製した組成物は、下記評価方法により、塗布性、硬化性、鉛筆硬度、ガラス転移温度(以下Tgという)および硬化収縮率等を測定し、この結果を表2に記載した。
【0038】
【表2】
【0039】
○評価方法
1)塗布性
調製した組成物をバーコーターを用いて厚さ10μmに鉄板上に塗布したときの塗布性能を評価した。
2)硬化性試験
調製した組成物をバーコーターで鉄板上に塗布(厚さ10μm)した後、出力80W/cmの高圧水銀ランプを照射し(照射量93mJ/cm2)、硬化するまでの照射量(mJ/cm2)を求めた。
3)鉛筆硬度
硬化性試験で作製した硬化物の表面硬度をJIS K 5400に準拠して測定した。
4)Tg
粘弾性スペクトルの測定により得られるtanδの値が極大(振動周波数10Hz)となる温度をTgとした。
5)硬化収縮率
25℃における組成物の比重とその硬化物比重を測定し、硬化収縮率を求めた。
【0040】
上記表2の評価結果から明らかなように、本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルを用いた組成物は、液状のため取扱いが容易であり、またその硬化物は、硬化性、表面硬度および耐熱性に優れ、また硬化収縮率が小さい。
【0041】
【発明の効果】
本発明のジ(メタ)アクリル酸エステルは、液状のため取扱いが容易であり、その硬化物の表面硬度と耐熱性に優れ、また硬化収縮率が小さく、紫外線や電子線等により硬化する組成物の成分として有用である。
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