JP4739285B2 - ディスプレイストリップ及び商品展示体 - Google Patents
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Description
しかし、これらのディスプレイストリップでは、商品を封入した袋をディスプレイストリップに取り付ける工程を、機械を用いて自動化するのが困難であるという問題があった。即ち、このようなディスプレイストリップを粘着テープが露出したまま自動化しようとしても、機械を通過する際にローラ等に粘着してしまい自由なテープ送りをすることができなかった。一方、粘着面を離型シート等で覆った場合にも、結局は商品の取り付け操作が煩雑となり自動化が困難であった。また、粘着テープの表面に埃やゴミが付着して外観を損ねてしまうことがあるという問題もあった。
商品等の購入希望者が、一旦商品が封入された袋を手に取った後、思い直して商品を元に戻すことは頻繁に起こり得ることであり、従来のヒートシールによる商品展示体では、このような場合に対処することができないものであった。
以下に本発明を詳述する。
上記シーラント層は、最表層が常温で粘着性を示さず、かつ、ヒートシール性を与える熱溶融性樹脂を含有するヒートシール層、上記ヒートシール層の内側の層が常温で粘着性を示す粘着剤を含有する粘着剤層の2層以上からなる層構造を有する。
このような構成の本発明のディスプレイストリップでは、上記シーラント層の最表面を構成するヒートシール層と商品が封入された袋とをヒートシールすることで、上記ヒートシール層の熱溶融性樹脂が溶融し、上記袋を結合することができる。
上記粘着性付与剤としては特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂及び芳香族系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
上記粘着剤としては常温で粘着性を示すものであれば特に限定されないが、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤であることが好ましい。
また、後で詳述するが、本発明のディスプレイストリップは、いったん取り付けられた袋を取り外すと、上記袋が取り付けられた部分のヒートシール層が袋とともに引き剥がされて粘着剤層が露出するため、この露出した粘着剤層に取り外した袋を再接着することができる。
上記織布の織り密度としては特に限定されないが、6〜20本/インチ程度が好適である。縦糸間又は横糸間に適当な間隔あれば、上記樹脂フィルムと積層したときに、樹脂フィルムを構成する樹脂の一部が織布の経糸・緯糸の空隙に侵入して一体化することにより、織布と樹脂フィルムとの接着性が向上する。
上記ポリオレフィン糸は、単独の樹脂からなるものであってもよいが、必要に応じて、高融点ポリマーと低融点ポリマーとを複合化した複合糸であってもよい。このような複合糸を用いれば、優れた機械的強度と樹脂フィルムとの接着性とを両立することができる。
ここでフラットヤーンとは、押出成形法等により成形されたフィルムを所定幅にスリットした後、延伸処理及び熱処理を施すことにより形成された糸である。また、スプリットヤーンとは、フラットヤーンに更に割織処理を施した糸である。フラットヤーン及びスプリットヤーンは、極めて高い引張強度及び引裂強度を有することが知られている。
上記ポリオレフィン糸の繊度としては特に限定されず、通常使用される100〜5000d程度のものを用いることができる。
なお、ポリエステルフィルムと上記織布との接着性が低い場合には、ポリオレフィンフィルムを介してポリエステルフィルムと織布とを積層してもよい。
上記ポリエチレンからなる中間層は、上記基材層とシーラント層との間にポリエチレンを押出成形しながら積層することにより行うことができる。なお、ポリエチレンの他、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーを用いてもよい。
図1及び図2に示すように、本発明のディスプレイストリップ1は、基材層5の上にアンカーコート層6を介してシーラント層2が積層された帯状構造であり、その上方に商品を封入した袋を取り付けた本発明のディスプレイストリップ1を吊り下げるためのホールパンチ4が形成されている。
切れ目3は、ヒートシールにより結合された商品が封入された袋を取り外すときに、ヒートシール層2aが確実に破壊して粘着剤層2bが露出するように、上記商品が封入された袋が結合される部位の近傍に形成されており、即ち、図1に示した本発明のディスプレイストリップ1では、商品が封入された袋は、切れ目3で区画された領域内にヒートシールされる。
また、上記切れ目の形状としては、図1に示した切れ目3のようなディスプレイストリップの長手方向に垂直な方向(袋を並べる方向と直交する方向)に等間隔で形成された形状が挙げられる。
このように、本発明のディスプレイストリップによると、最表層が常温で粘着性を示さずヒートシール性を与える熱溶融性樹脂を含有するヒートシール層であるため、上記袋をディスプレイストリップに取り付ける工程と商品を袋に封入する一連の工程とを連続して自動化することが極めて容易である。一方、いったんディスプレイストリップに取り付けた袋を取り外すと、袋とともに上記切れ目に沿って上記ヒートシール層が引き剥がされ、常温で粘着性を示す粘着剤が含有された粘着剤層が露出するため、露出した粘着剤層に袋を粘着させることで、ハンドシーラー等を用いることなくいったん取り外した袋を容易に再取り付けすることができる。
また、本発明のディスプレイストリップの片端には、図1に示したディスプレイストリップ1のホールパンチ4のように、ディスプレイストリップ自体を吊り下げるための吊り下げ孔(ホールパンチ)が設けられていることが好ましい。上記ホールパンチに固定具を引っ掛けることで、本発明のディスプレイストリップに袋をヒートシールして作製した商品展示体をストリップバック展示することができる。
また、上記吊り下げ孔が本発明のディスプレイストリップの上端にのみ形成されていることが好ましい。ディスプレイストリップの下端にも吊り下げ孔が形成されていると、商店等において商品展示体を逆さまに吊り下げられることがある。
所定の数の商品を封入した袋Bをディスプレイストリップ1に結合したところで、各商品を封入した袋Bを圧着部7を軸に上下反転させて袋Bの表面がディスプレイストリップ1とは反対側になるようにする(図3b)。この状態でディスプレイストリップ1の片端をフック等に吊り下げて展示すれば、袋Bとディスプレイストリップ1との圧着部7は図3cのようになっていることから、商品を封入した袋Bを下方向に引っ張れば少ない力で容易にディスプレイストリップ1から上述した切れ目により区画された領域内のヒートシール層とともに取り外すことができる。
別の態様に係る本発明のディスプレイストリップは、商品が封入された袋を複数並べて取り付けて展示するためのディスプレイストリップであって、少なくとも、基材層とシーラント層とからなるものであり、上記基材層は、織布を含んで構成されており、上記シーラント層は、最表層が常温で粘着性を示さず、かつ、ヒートシール性を与える熱溶融性樹脂を含有するヒートシール層、上記ヒートシール層の内側の層が常温で粘着性を示す粘着剤を含有する粘着剤層の2層以上からなる層構造を有するものであり、更に、上部には、吊り下げ用のホールパンチが設けられている。
上記基材層は、織布を含んで構成されている。
上記基材層としては特に限定されないが、上述した本発明のディスプレイストリップの基材層と同様のものが好適に用いられる。
また、上記織布としては特に限定されないが、上述した本発明のディスプレイストリップの基材層で説明したものと同様のものが好適に用いられる。
また、上記ヒートシール層と袋との接着強度を高くすることで、袋が取り付けられた部分のヒートシール層が袋とともに確実に引き剥がされるようにすることができる。この場合、袋を取り外すときに上記ホールパンチ部分に大きな応力が作用することとなる。しかし、別の態様に係る本発明のディスプレイストリップは、上記基材層が織布を含んで構成されているため、ホールパンチ強度が優れたものとなり、上記袋を取り外す際の衝撃でホールパンチ部分に大きな応力が作用しても、該ホールパンチ部分が破損することもない。
また、上記織布を含んだ基材層を有する別の態様に係る本発明のディスプレイストリップは、ホールパンチの形成時に用いるナイフが切れ止んだ等の原因により、ホールパンチにノッチ様の切り欠けが形成された場合であっても、ホールパンチ強度は極端に低下することがない。
別の態様に係る本発明のディスプレイストリップに、商品が封入された袋が取り付けられている商品展示体(以下、別の態様に係る本発明の商品展示体ともいう)において、袋と、別の態様に係る本発明のディスプレイストリップとのシール強度としては特に限定されないが、上述した本発明の商品展示体と同様であることが好ましい。
基材層として、厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム上に、低密度ポリエチレン(厚さ10μm)を押出ししながら、メルタッククロス(萩原工業社製、メルタッククロス PE−330dt−8×8)を貼り合わせた。その後、メルタッククロス面に、天然ゴム系粘着剤を塗布して厚さ30μmの粘着剤層を形成し、更に、ヒートシール層として、粘着剤層上に厚さ30μmのm−LLDPEフィルムを貼り合わせて積層フィルムを作製した。
作製した積層フィルムのヒートシール層に、長手方向(袋を並べる方向)に対して5mm間隔で巾1mmの罫線加工を施し切れ目を形成した。
その後、積層フィルムを35mm巾にスリット加工を施してディスプレイストリップを作製した。
基材層として薄葉紙(70g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にしてディスプレイストリップを作製した。
基材層として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用い、PETフィルムの片面にコロナ処理を施した。
次に、PETフィルムのコロナ処理を施した面上にアンカーコートを施し、アンカーコート面に対して、天然ゴム系粘着剤を厚さ50μmでコートして粘着剤層を形成した。
予め10mm間隔で巾0.5mm、深さ30μmの切れ目を形成しておいた厚さ40μmのm−LLDPEフィルムを粘着剤層上に貼り合せることで積層フィルムを作製した。
その後、積層フィルムを35mm巾にスリット加工を施してディスプレイストリップを作製した。
基材層として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を用い、PETフィルムの片面にコロナ処理を施した。
次に、PETフィルムのコロナ処理を施した面上にアンカーコートを施し、アンカーコート面に対して、天然ゴム系粘着剤を厚さ50μmでコートして粘着剤層を形成した。
予め7mm間隔で巾0.5mm、深さ45μmの切れ目を形成しておいた厚さ50μmのEVA系シーラントフィルムを貼り合わせることで積層フィルムを作製した。
その後、積層フィルムを35mm巾にスリット加工を施してディスプレイストリップを作製した。
基材層として、厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にコロナ処理を施し、コロナ処理面に対して天然ゴム系粘着剤を厚さ50μmで塗布して粘着剤層を形成した。粘着剤層上に、厚さ40μmのm−LLDPEフィルムを貼り合わせて積層フィルムを作製した。
その後、積層フィルムを35mm巾にスリット加工を施してディスプレイストリップを作製した。
基材層として、薄葉紙(70g/cm2)を用いた以外は、比較例1と同様にしてディスプレイストリップを作製した。
作製した接着サンプルについて、引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフV1−C)を用いて、300mm/minの引張速度にてシール強度を測定した。結果を表1に示した。
初期シール強度の測定により袋を引き剥がした際に、袋とともにヒートシール層が引き剥がされて粘着剤層が露出しているか否かを目視にて確認した。結果を表1に示した。
いったん引き剥がした袋材を、ディスプレイストリップの引き剥がした箇所に再度2kgの圧力にて物理的に接着させ、吊り下げることができたか否かで判断した。結果を表1に示した。
2 シーラント層
2a ヒートシール層
2b 粘着剤層
3 切れ目
4 ホールパンチ
5 基材層
6 アンカーコート層
Claims (11)
- 商品が封入された袋を複数並べて取り付けて展示するためのディスプレイストリップであって、
少なくとも、基材層とシーラント層とからなるものであり、
前記シーラント層は、最表層が常温で粘着性を示さず、かつ、ヒートシール性を与える熱溶融性樹脂を含有するヒートシール層、前記ヒートシール層の内側の層が常温で粘着性を示す粘着剤を含有する粘着剤層の2層以上からなる層構造を有するものであり、
更に、前記ヒートシール層には、前記ヒートシール層へ前記袋を並べる方向と直交する方向に、前記ディスプレイストリップの一端から他端まで伸びる切れ目を有し、前記切れ目は所定間隔で繰り返されることで、
ヒートシールにより結合された前記商品が封入された袋を取り外すときに、前記袋がヒートシールされている位置における上部最近傍の切れ目と下部最近傍の切れ目とで区画された領域に存在する前記ヒートシール層が確実に破壊して前記粘着剤層が露出するようにしたことを特徴とするディスプレイストリップ。 - 熱溶融性樹脂は、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体、低密度ポリエチレン又はエチレン酢酸ビニル共重合体である請求項1記載のディスプレイストリップ。
- 粘着剤は、ゴム系粘着剤又はアクリル系粘着剤である請求項1又は2記載のディスプレイストリップ。
- 基材層は、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、紙、金属、不織布、織布又はこれらの積層物からなる請求項1、2又は3記載のディスプレイストリップ。
- 基材層は、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は紙に、織布が積層された積層物からなる請求項4記載のディスプレイストリップ。
- 織布は、フラットヤーンで構成されたものである請求項4又は5記載のディスプレイストリップ。
- 二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は紙と織布とは、ポリエチレンからなる中間層を介して積層されている請求項5又は6記載のディスプレイストリップ。
- 基材層と粘着剤層との間にアンカーコート層が形成されている請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のディスプレイストリップ。
- 切れ目は、連続線状又はミシン目状に形成されている請求項1、2、3、4、5、6,7又は8記載のディスプレイストリップ。
- 上部には、吊り下げ用のホールパンチが設けられている請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載のディスプレイストリップ。
- 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のディスプレイストリップに、商品が封入された袋が取り付けられていることを特徴とする商品展示体。
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