JP4738310B2 - 端子金具およびカードエッジコネクタ - Google Patents
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Description
先端が細長い形状の雄端子等が接触部に対して横方向(横方向とは基板の面方向に沿う方向のうち接触片が折り返される方向と交差する方向をいう。)から接近してくると、雄端子等の先端が積層部の横側面部に当接するから、雄端子等が接触部の内側(接触部のうち基板の導電路と接触する面とは反対側の面より本体部の内部側)に突き刺さる等により、接触部が損傷を受けるを受けることを防ぐことができる。したがって、端子挿入工程における端子金具の取り扱いを容易にすると共に、接触部が損傷を受けることを未然に防ぐことができる。
先端が細長い雄端子等が接触部に対して横方向から接近したときに、雄端子等の先端が膨出部の横側面部に当接するから、雄端子等の先端が接触部の内側に突き刺さって、接触部が損傷を受けることを防ぐことができる。したがって、端子挿入工程における端子金具の取り扱いを容易にして、端子金具の不具合を未然に防ぐことができる。
接触部が本体部の内部で弾性部材の弾性力を受けて本体部の内部から外部に向かう方向に付勢されているから、基板の導電路に対して十分な接圧を与えることができる。したがって、接触部と基板の導電路との間の接続信頼性をより高めることができる。
カードエッジコネクタに好適な端子金具を提供することができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図16によって説明する。
本発明におけるカードエッジコネクタ1は、図15及び図16に示すように、回路基板(本発明における基板に相当する。)10と、回路基板10に装着される基板側ハウジング20と、電線Wの端末に接続されるハーネス側ハウジング30とを含んで構成されている。
まず、ハーネス側ハウジング30に対する端子金具50、ロックアーム60、金属リング70及びリテーナ80の組み付け作業について説明する。
端子金具50をキャビティ31内に挿入する端子挿入工程では、端子金具50がバレル53によって電線Wの端末に固着されており、端子金具50が接続された複数の電線Wが束になった状態で取り扱われる。このとき、他の電線Wや先端が細長い形状の小型の雄端子等が、端子金具50の接触部52に対して横方向から接近しても、積層部として形成された接触部52の側面部に接触する。或いは、雄端子等が隙間S2に侵入しようとしても、隙間S2の入口部分でその侵入が規制される。したがって、接触部52が、他の電線Wや雄端子等によって損傷を受けることが回避される。
ハーネス側ハウジング30は、基板側ハウジング20のフード部21内に嵌合される。これに伴って、基板側ハウジング20に固定された回路基板10は、ハーネス側ハウジング30の基板挿入空間S1に対して前方から挿入される。回路基板10のエッジ部11の前端は、基板挿入空間S1の入口部分で誘い込み面41Aに接触し、基板挿入空間S1の内部へ案内される。回路基板10が基板挿入空間S1の内部に進入すると、回路基板10の両面が両受け壁41によって基板挿入空間S1の奥方へ案内される。接触部52が回路基板10のエッジ部11の表面に乗り上げると、接触片56は本体部51の内部側に撓み変形する。このとき、接触片56の弾性力により端子金具50の本体部51がキャビティ31内面におけるランス40側の面に押圧される。これに伴って、ハーネス側ハウジング30の上下両面は、上下方向に開き変形しようとするものの、金属リング70によって開き変形することが規制される。さらに、両ハウジング20,30の嵌合操作を続けると、回路基板10のエッジ部11の前端が突き当て壁44に当接することで、回路基板10が基板挿入空間S1内における正規位置に至ると共に、接触部52と導電路12とが接続される。このとき、ハーネス側ハウジング30が上下方向に開き変形することが規制されているから、接触部52の導電路12に対する接圧を低下させることなく、接触部52と導電路12との間の接続信頼性が確保される。このようにして両ハウジング20,30の嵌合が完了すると、ロックアーム60のロック係止面64Aが基板側ハウジング20の係止縁22Aと係止して両ハウジング20,30がロック状態に保持される。
1.本体部51の外部側の構成板材52Bと本体部51の底壁51Bの外面との間に形成される隙間S2に先端が細長い形状の小型の雄端子等が侵入することが規制される。この結果、端子挿入工程における端子金具50の取り扱いを容易にすると共に、接触部52が電線Wや雄端子等により損傷を受けることを未然に防ぐことができる。
2.SUS材の弾性部材59により接触片56の弾性力が得られるようにしたから、大きな撓み変形可能領域を得ることができる。その結果、回路基板10の基板厚の公差や回路基板10の反り等による接圧変動要因に対応することが可能となり、接触部52の導電路12に対する十分な接圧を確保することができる。
3.金属リング70によりハーネス側ハウジング30が上下方向に開き変形することが規制される。これにより、接触部52の導電路12に対する接圧低下を阻止することができる。
5.金属リング70によりロックアーム60の抜け止めを行うことができることに加えて、金属リング70とは別にロックアーム60の抜け止め部材を設ける必要がないから、部品点数を減らすことができる。
6.端子金具50がランス40から受ける押圧力を受け壁41で受けることができるから、端子金具50の前端が挿通孔45に落ち込むおそれがなく、端子挿入工程における端子挿入性を向上させることができる。
8.端子金具50の先端部を他の部分より一段と薄くして、この薄くなった部分に受け壁41が進入するようにしたから、端子金具50の本体部51の外面に突部を設けて段部51Dを形成する場合よりもキャビティ31の低背化が可能であり、ひいてはハーネス側ハウジング30の低背化が可能となる。
9.基板挿入空間S1の入口部分に誘い込み面41Aを設け、かつ、回路基板10の両面を両受け壁41によって挟み込む構成としたから、回路基板10が基板挿入空間S1に案内することができる。
10.基板挿入空間S1の奥方に突き当て壁44を設けたから、回路基板10の挿入深さが一定となるように回路基板10の挿入を規制することができる。
次に、本発明の実施形態2を図17ないし図19によって説明する。
本実施形態における端子金具90は、実施形態1における端子金具50の接触部52の構造を一部変更したものであり、その他の重複する部分については実施形態1と同一の符号を付すものとし、その構造及び作用効果の説明を省略する。端子金具90は、端子金具50のように接触片56の先端部56Aから折り返した構成ではなく、単層の構成板材からなる接触部92を備えている。すなわち接触部92は、接触片96の基端部96Aから先端部96Bに至る途中部分を開口部55から本体部51の外部に突出させると共に、接触片96の構成板材を本体部51の内部から外部に向かう方向に膨らみ出る膨出部として形成されている。その膨出部のうち本体部51の内部側に開口する開口縁は、底壁51Bの外面の高さ位置より本体部51の内部側に位置するように形成されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(2)実施形態1では接触片56の先端部56Bから本体部51の内部側に折り返されたものを例示しているが、本発明によると、接触片56の先端部56Bから本体部の外部側に折り返されたものであってもよい。
(3)本実施形態では接触片56が前後方向に沿って配されたものを例示しているが、本発明によると、回路基板10の面方向に沿う方向であれば他の方向であってもよく、例えば接触片56が幅方向(本体部51の両側壁51Cが対向する方向)に沿って配されたものであってもよい。
(5)実施形態1では、弾性部材59として略U字状の板ばねを例示したが、本発明によると、弾性力を有するものであれば他の形状であってもよく、例えばコイルばねとしてもよい。
(6)本実施形態ではキャビティ31が上下2段形成されているものを例示したが、本発明によると、キャビティ31の段数が1段のものであってもよい。
(8)実施形態2では膨出部のうち本体部91の内部側において開口する開口縁が、本体部91の底壁91Bの外面の高さ位置より本体部91の内部側に位置しているものを例示したが、本発明によると、前記開口縁が本体部91の底壁91Bの外面の高さ位置と同じものであってもよい。
10…回路基板(基板)
12…導電路
50,90…端子金具
51,91…本体部
51B,91B…底壁
52,92…接触部
52A…本体部の内部側の構成板材(構成板材)
52B…本体部の外部側の構成板材(構成板材)
55,95…開口部
56,96…接触片
56A,96A…接触片の基端部
56B,96B…接触片の先端部
59,99…弾性部材
Claims (4)
- 基板の表面に形成した導電路に接触される端子金具であって、
前記基板の面方向に沿って延びる箱形の本体部と、
前記本体部において前記導電路と対向する底壁に開口する開口部と、
前記本体部の内部において前記基板の面方向に沿う方向に配されると共に前記本体部に連なる基端部を有し、その基端部から先端部に至る途中部分を前記開口部から前記本体部の外部に突出させて前記導電路と接触する接触部を形成した接触片とを備え、
前記接触片のうち前記接触部は同接触片の前記先端部において折り返すことにより前記接触片の構成板材が複数層に重なる積層部として形成され、かつ、この積層部のうち前記基板の導電路と接触する面とは反対側の面が、前記底壁の外面よりも前記本体部の内部側に位置するように形成されていることを特徴とする端子金具。 - 基板の表面に形成した導電路に接触される端子金具であって、
前記基板の面方向に沿って延びる箱形の本体部と、
前記本体部において前記導電路と対向する底壁に開口する開口部と、
前記本体部の内部において前記基板の面方向に沿う方向に配されると共に前記本体部に連なる基端部を有し、その基端部から先端部に至る途中部分を前記開口部から前記本体部の外部に突出させて前記導電路と接触する接触部を形成した接触片とを備え、
前記接触部は、前記接触片の構成板材を前記本体部の内部から外部に向かう方向に膨らみ出る膨出部として形成され、かつ、その膨出部のうち前記本体部の内部側において開口する開口縁は、前記底壁の外面と同じかこれより前記本体部の内部側に位置していることを特徴とする端子金具。 - 前記本体部の内部には、前記接触片の前記接触部を前記開口部から突出させる方向に付勢する弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端子金具。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の前記端子金具を備えたカードエッジコネクタ。
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