JP4736813B2 - 車両用排熱回収システム - Google Patents
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Description
図12は、このような従来の車両用排熱回収システムの構成図である。
ランキンサイクル60を起動するために、エンジン51の動力によって、ベルト66を介してポンプ61が駆動される。ポンプ61から吐出されたフロン等の作動流体は、熱交換器62において、冷却水循環経路52を循環するエンジン冷却水と熱交換されて作動流体ガスとなり、膨張機63へと送られて膨張される。膨張機63で膨張された作動流体ガスはコンデンサ64で冷却凝縮され、再びポンプ61に吸入される。膨張機63の動力によって発電機65が駆動されて発電が行われ、車両の駆動等に使用される。
このような車両用排熱回収システムでは、エンジン51の動力のかわりにモータを使用してポンプ61を駆動してもよい。
また、ポンプ61をモータによって駆動する場合には、軸封装置による消費動力の増加を抑制するため、ポンプ61は密閉式のものが好ましい。しかしながら、密閉式の場合には、ポンプ61はモータ及びモータ制御用インバータを備えることになるので、サイズが大きくなり、コストも増加するといった問題点があった。
ギヤポンプ及び膨張機は、負荷機を介して連結されていてもよい。
負荷機はギヤポンプに連結され、ギヤポンプは膨張機に連結されていてもよい。
膨張機は、可変容量型の膨張機であってもよい。
可変容量型の膨張機は、高圧室から作動流体を吸入する吸入ポートと、吸入ポートから吸入された作動流体を膨張させる作動室と、作動室において作動流体を膨張させる途中過程の位置に設けられ、高圧室と作動室とを開閉可能に連通する、吸入ポートとは異なるバイパス口とを備え、バイパス口の開閉に応じて作動流体の膨張率が変化する膨張機であってもよい。
負荷機およびギヤポンプは、遮断壁を介して連結され、ギヤポンプは、その内部が遮断壁およびケーシングによって覆われ、ギヤポンプは、コンデンサで冷却された作動流体を吸入する吸入開口と、作動流体を熱交換器に向けて吐出する吐出開口とを備え、吸入開口はケーシングに形成され、吐出開口は遮断壁に形成されてもよい。
遮断壁およびケーシングの間に断熱材が配置されてもよい。
作動流体を圧縮するコンプレッサと、コンプレッサで圧縮された作動流体とランキンサイクルの膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却するコンデンサと、コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部をランキンサイクルのギヤポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置と、減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器とを有する冷凍サイクルを備えていてもよい。
実施の形態1.
図1に示されるように、この実施の形態に係る車両用排熱回収システム1は、エンジン2、エンジン2を冷却するための冷却水が循環する冷却水循環経路3、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20を備えている。
コンプレッサ21とコンデンサ14との間において、ランキンサイクル10と冷凍サイクル20とが合流するようになっている。また、コンデンサ14と膨張弁22との間において、ランキンサイクル10と冷凍サイクル20とに分岐するようになっている。したがって、コンデンサ14は、ランキンサイクル10と冷凍サイクル20とによって共有されている。
図2に示されるように、一体ユニット16は、ポンプ11と、膨張機13と、モータ/発電機15と、その外側に取り付けられてこれを覆う円筒状のハウジング131とを含む。モータ/発電機15は、ハウジング131内に回転可能に設けられたシャフト135を有している。シャフト135には、ロータ15aがシャフト135と共に回転可能に固定されている。ハウジング131の内周面には、ステータ15bがロータ15aを取り囲むように固定されている。ステータ15bは、ステータコア141にコイル140を巻回することにより構成されている。このようなモータ/発電機15の構成により、モータ/発電機15は、コイル140への通電によりロータ15aを回転させるモータとしての機能と、ロータ15aが回転駆動されることでコイル140に電力を生じさせる発電機としての機能とを有するようになっている。
シャフト135の後端135aには、シャフト135の回転軸Lに対して偏心した位置に偏心軸143が設けられており、偏心軸143はシャフト135の回転により回転軸Lのまわりを旋回するようになっている。偏心軸143にはブッシュ144が固定されており、偏心軸143と共に回転軸Lのまわりを旋回するようになっている。ブッシュ144にはベアリング159を介して可動スクロール145が設けられ、可動スクロール145は偏心軸143及びブッシュ144と共に回転軸Lのまわりを旋回するようになっている。さらに、可動スクロール145は、ブッシュ144に対して偏心軸143を中心に回転するようになっている。可動スクロール145の円盤状の基板145aには、ハウジング132に向かって延びると共に渦巻状に形成された渦巻壁145bが設けられている。また、ハウジング132の内面には、固定スクロール142が可動スクロール145に対向するように固定されている。固定スクロール142は、円盤状の基板142aと、基板142aの外周に沿って設けられた円筒状の外周壁142bと、基板142aから可動スクロール145に向かって延びると共に渦巻状に形成された渦巻壁142cとを備えている。渦巻壁142c,145bは互いに噛み合わされており、渦巻壁142c,145bの先端面142c1,145b1はそれぞれ、先端に図示しないチップシールを備え、基板145a,142aに該チップシールを介して互いに接している。固定スクロール142の基板142a及び渦巻壁142cと、可動スクロール145の基板145a及び渦巻壁145bとにより、作動室146が形成されている。また、固定スクロール142の外周壁142bと可動スクロール145の渦巻壁145bの最外周部とにより、低圧室118が形成されている。さらに、固定スクロール142の基板142aとハウジング132の内面とにより、高圧室119が形成されている。
この空間内には、両端がそれぞれ凹部164,165に支持された従動シャフト156が設けられ、従動シャフト156と共にシリンダ162内を回転可能な従動ギヤ157が設けられている。また、シリンダ162内には、駆動シャフト154と共に回転可能な主動ギヤ155が、従動ギヤ157と噛み合うように設けられている。これにより、主動ギヤ155が回転すると、従動ギヤ157も回転するようになっている。
軸孔161と駆動シャフト154との間にはシール部材163が配設されている。シール部材163は、シリンダ162内とモータ/発電機15の空洞部131cとの間をシールしている。
遮断壁158のポンプ11側の面には、シリンダ162を取り囲むように凹溝167が形成されている。凹溝167内には、Oリング168が配設されている。Oリング168は、遮断壁158とケーシング153との間を介して、一体ユニット16の外部へシリンダ162内の作動流体が漏出することを防止している。
吐出通路171は遮断壁158に形成される。吸入通路172は、遮断壁158に形成される吸入通路172aと、ケーシング153に形成される吸入通路172bとを含む。
吐出通路171は、凹溝167で囲まれた部分に形成され、遮断壁158の内部に形成された吐出孔173の一端に連通している。ここで、吐出通路171及び吐出孔173は遮断壁158の内部に形成された内部吐出経路を構成する。また吸入通路172aは、吐出通路171と同様に凹溝167で囲まれた部分に形成され、ケーシング153に形成された吸入通路172bと連通している。吸入通路172bは、ケーシング153の内部に形成された吸入孔174の一端に連通している。ここで、吸入通路172a、吸入通路172b、及び吸入孔174は、遮断壁158およびケーシング153の内部に形成された内部吸入経路を構成する。
図5に示されるように、図3および図4の矢印Aの方向から見たポンプ11の側面で、吐出孔173の他端である吐出開口173aは、遮断壁158に形成され、吸入孔174の他端である吸入開口174aは、ケーシング153に形成される。また、吐出開口173aおよび吸入開口174aは、図3および図4に示されるように、ランキンサイクル10(図1参照)の作動流体循環経路10d,10cにそれぞれ接続されている。ポンプ11は、吸入開口174aにおいて作動流体循環経路10cからフロンR134aを吸入し、吐出開口173aにおいて作動流体循環経路10dにフロンR134aを吐出する。
図1に示されるように、エンジン2が始動すると、冷却水が冷却水循環経路3を循環する。冷却水は、エンジン2が暖機されると、温められて温度が上昇する。エンジン2の始動後、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20が稼動する。なお、図示しないエアコンスイッチがオフとされている場合は冷凍サイクル20を起動しなくてもよい。
熱交換器12(図1参照)によって高温高圧となったフロンR134aは、作動流体循環経路10aを流通し、一体ユニット16内の流通経路151に流入することにより、膨張機13に吸入される。流通経路151を流通するフロンR134aは高圧室119に流入し、膨張機13の上記動作によって、高圧室119内のフロンR134aは吸入ポート147を介して中心側の作動室146に流入する。中心側の作動室146が容積を増大しつつ外周側へ移動することにより、フロンR134aは外周側の作動室146へ移動しつつ膨張され、低圧室118に流入する。低圧室118に流入したフロンR134aは、流通経路152及び溝131bを介して作動流体循環経路10bを流通し、膨張機13から流出する。フロンR134aが溝131bを流通する際、その一部が空洞部131cに流出する。これにより、空洞部131cはフロンR134aで充填されている。すなわち、モータ/発電機15内は膨張機13の吐出側雰囲気で、フロンR134a雰囲気となっている。
膨張機13によって膨張されたフロンR134aはコンデンサ14(図1参照)によってフロンR134aが液化するまで放熱されるが、一体ユニット16の内部における上記熱交換によって、この放熱されるはずの熱の一部が、ポンプ11の内部のフロンR134aを昇温するのに使用される。
内部吐出経路は遮断壁158内に形成されているので、内部吐出経路を流れるフロンR134aも遮断壁158を介した熱交換の影響を受け、昇温される。一方、内部吸入通路については、吸入孔174がケーシング153の内部に形成されており、遮断壁158とは隔てられているので、内部吸入通路を流れるフロンR134aの昇温は抑制される。また、ケーシング153は断熱材膜150によって遮断壁158から断熱されているので、内部吸入通路を流れるフロンR134aの昇温はさらに抑制される。
次に、この発明の実施の形態2に係る車両用排熱回収システムについて説明する。尚、実施の形態2において、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
この発明の実施の形態2に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態1に対して、ポンプ11及びモータ/発電機15の配置を入れ換えたものである。
図6に示されるように、車両用排熱回収システム30において、モータ/発電機15が、ポンプ11の図示しない回転軸に連結すると共に膨張機13がポンプ11の図示しない回転軸に連結している。これにより、モータ/発電機15は、モータとしてバッテリー4の電力によって駆動されてポンプ11を駆動させると共に、発電機としてポンプ11を介して膨張機13の動力によって発電を行うようになっている。その他の構成については、実施の形態1と同じである。
実施の形態1と同様に、エンジン2の始動後、バッテリー4の電力がモータ/発電機15を始動させることにより、ランキンサイクル10が稼動する。また、バッテリー4の電力がモータ24を始動させることにより、冷凍サイクル20が稼動する。
一方、モータ/発電機15には、膨張機13の動力がポンプ11を介して間接的に伝達され、モータ/発電機15が発電を行うようになる。モータ/発電機15によって発電された電力は、インバータ6を介してバッテリー4に蓄電される(一点鎖線B)。
次に、この実施の形態3に係る車両用排熱回収システムの動作について説明する。
この発明の実施の形態3に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態1に対して、膨張機及び負荷機の配置を入れ換え、膨張機を可変容量型にしたものである。なお、膨張機はスクロール式ではなく斜板式とする。
図7に示されるように、車両用排熱回収システム40において、モータ/発電機15が、膨張機25の図示しない回転軸に連結すると共にポンプ11が膨張機25の図示しない回転軸に連結している。また、膨張機25には、可変容量型である斜板式圧縮機の吐出側と吸入側とを実質的に逆に接続した構造の膨張機を用いている。これにより、モータ/発電機15は、モータとしてバッテリー4の電力によって駆動されて膨張機25を駆動させ、膨張機25の動力によってポンプ11を駆動させると共に、膨張機25の動力によって駆動されて発電を行うようになっている。その他の構成については、実施の形態1と同じである。
エンジン2の始動後、バッテリー4の電力がモータ/発電機15及びモータ24を始動させることにより、ランキンサイクル10及び冷凍サイクル20が稼動する。
冷凍サイクル20は、実施の形態1と同じ動作で稼動する。
一方、ランキンサイクル10において、モータ/発電機15が始動すると、モータ/発電機15の動力が膨張機25に伝達されて膨張機25が始動する。さらに、膨張機25の動力がポンプ11に伝達されてポンプ11が始動する。すなわち、モータ/発電機15によって、膨張機25を介して間接的に、ポンプ11が駆動される。
一方、モータ/発電機15は、膨張機25の動力を利用して発電を行うようになる。モータ/発電機15によって発電された電力は、インバータ6を介してバッテリー4に蓄電される(一点鎖線B)。
次に、この発明の実施の形態4に係る車両用排熱回収システムについて説明する。実施の形態4に係る車両用排熱回収システムは、実施の形態1に対して、膨張機をスクロール式のままで可変容量型にしたものである。尚、実施の形態4において、図1の参照符号と同一の符号は、同一又は同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図8に、実施の形態4に係る車両用排熱回収システムの構成を示す。実施の形態4に係る車両用排熱回収システムに含まれる膨張機13’は、高圧室119から作動室146へとフロンR134aをバイパスする、バイパス通路13’aを有する。
図9および図10に、実施の形態4に係る一体ユニットの構成を示す。図10は、図9のX−X線における断面図である。図8のバイパス通路13’aは、実施の形態1における固定スクロール142に、図10に示す開閉可能なバイパス口を設けて膨張機13’とすることによって形成される。なお、実際にはバイパス口を開閉可能とするための構造を有するものであるが、図9においてはその図示を省略する。
その他の構成については、実施の形態1と同じである。
弁体149が(a)の位置にある場合は、フロンR134aが吸入ポート147からのみ吸入されるので、吸入ポート147から低圧室118までが膨張行程となる。
弁体149が(b)の位置にある場合は、フロンR134aが吸入ポート147およびバイパス口148aから吸入される。このため、バイパス口148aから低圧室118までが膨張行程となる。
弁体149が(c)の位置にある場合は、フロンR134aが吸入ポート147、バイパス口148a、およびバイパス口148bから吸入される。このため、バイパス口148bから低圧室118までが膨張行程となる。
弁体149が(d)の位置にある場合は、フロンR134aが吸入ポート147およびバイパス口148a〜148cから吸入される。このため、バイパス口148cから低圧室118までが膨張行程となる。
このように、図11の(a)、(b)、(c)、および(d)の順で膨張行程が短くなり、膨張機13’における膨張率が小さくなる。膨張機13’はこのようにして膨張率を制御するものであり、バイパス口148a〜148cの開閉に応じて容量が変化する、可変容量型の膨張機である。
Claims (8)
- 車両の排熱により作動流体を加熱する熱交換器、前記熱交換器で加熱された作動流体を膨張させる膨張機、前記膨張機で膨張された作動流体を冷却するコンデンサ、及び前記コンデンサで冷却された作動流体を循環するギヤポンプを有するランキンサイクルと、
前記ギヤポンプ及び前記膨張機に連結する負荷機と
を備え、
前記負荷機は、
モータとして前記ギヤポンプを駆動すると共に発電機として前記膨張機の動力を利用して発電を行う
ことを特徴とする車両用排熱回収システム。 - 前記ギヤポンプ及び前記膨張機は、前記負荷機を介して連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用排熱回収システム。
- 前記負荷機は前記ギヤポンプに連結され、前記ギヤポンプは前記膨張機に連結されることを特徴とする請求項1に記載の車両用排熱回収システム。
- 前記膨張機は、可変容量型の膨張機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用排熱回収システム。
- 前記可変容量型の膨張機は、
高圧室から前記作動流体を吸入する吸入ポートと、
前記吸入ポートから吸入された前記作動流体を膨張させる作動室と、
前記作動室において前記作動流体を膨張させる途中過程の位置に設けられ、前記高圧室と前記作動室とを開閉可能に連通する、前記吸入ポートとは異なるバイパス口と
を備え、
前記バイパス口の前記開閉に応じて前記作動流体の膨張率が変化する膨張機である
ことを特徴とする、請求項4に記載の車両用排熱回収システム。 - 前記負荷機および前記ギヤポンプは、遮断壁を介して連結され、
前記ギヤポンプは、その内部が前記遮断壁およびケーシングによって覆われ、
前記ギヤポンプは、前記コンデンサで冷却された前記作動流体を吸入する吸入開口と、前記作動流体を前記熱交換器に向けて吐出する吐出開口とを備え、
前記吸入開口は前記ケーシングに形成され、前記吐出開口は前記遮断壁に形成される
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用排熱回収システム。 - 前記遮断壁および前記ケーシングの間に断熱材が配置される、請求項6に記載の車両用排熱回収システム。
- 作動流体を圧縮するコンプレッサと、
前記コンプレッサで圧縮された作動流体と前記ランキンサイクルの前記膨張機で膨張された作動流体とが混合した作動流体を冷却する前記コンデンサと、
前記コンデンサで冷却された作動流体の少なくとも一部を前記ランキンサイクルの前記ギヤポンプに流入させ、その残りの作動流体を減圧する減圧装置と、
前記減圧装置で減圧された作動流体を加熱する蒸発器と
を有する冷凍サイクルを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用排熱回収システム。
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