JP4730461B2 - 磁芯の製造方法 - Google Patents
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Description
この発明は電機子用磁芯及び磁芯の製造方法に関する。当該電機子用磁芯は、特にアキシャルギャップ型の回転電機に採用される電機子において採用される。
アキシャルギャップ型の回転電機は、回転軸を中心として回転可能に設けられた回転子と、回転軸に平行な方向(以下「軸方向」と称す)において当該回転子と対向する固定子とを備える。殆どの場合、回転子及び固定子はそれぞれ界磁子及び電機子として機能する。
電機子では電機子用磁芯(以下、単に「磁芯」とも称す)が、軸方向に垂直な周方向において環状に配置される。
アキシャルギャップ型の回転電機において磁芯を流れる磁束は、周方向に環状に配置された複数の磁芯同士の間を流入出するため、周方向成分を有する。そして磁束の周方向成分は周方向に垂直な面における渦電流の発生、ひいては鉄損の増大を招来する。当該渦電流の発生を抑制するべく、磁芯をその回転軸に対する径方向(これは当該磁芯において軸方向にも周方向にも垂直である)に積層された電磁鋼板で形成することが提案されている。
そして界磁子と電機子との対向方向から見た磁芯の形状(以下、「対向方向平面視における磁芯の形状」等と表現する)は、径方向についての位置が大きくなるほど(つまり外周ほど)周方向に幅広とすることが望まれる。かかる形状は対向方向平面視における磁芯の面積を大きくしつつ、電機子巻線の占積率を大きくし易いという利点を招来する。このような形状の磁芯の製造には、例えば特許文献1に開示された技術が採用できる。
なお、電磁鋼板の積層構造の二つが、外周ほど周方向に幅広な一つの磁芯に備えられる技術が特許文献2に例示されている。
しかしながら、磁芯を流れる磁束は径方向成分を有する傾向にある。これは当該磁束の大きさが径方向に不均一となる傾向にあるからである。特に上述のように、磁芯の周方向の寸法が径方向の位置に依存する場合、この傾向は顕著となる。
磁芯はその周方向の寸法が大きい位置ほど、より多くの磁束を軸方向に流しうる。他方、界磁子と磁芯の間に流れる界磁磁束の磁束量の径方向における分布と、磁芯の周方向の寸法の径方向における分布とは、相互に比例関係にあるとは限らない。よって磁芯内における磁束の径方向分布は、界磁子に近いほど不均一となり、界磁子から離れるほど均一となる。このような軸方向における磁束の径方向分布の変動は、磁芯を流れる磁束が径方向成分を有することを示している。
また上述の二つの分布が比例した場合、軸方向に流れる磁束は径方向に分布を有し、磁芯の周方向の寸法が大きい位置ほど、当該磁束は多く流れる。他方、複数の磁芯同士の間の磁束の流入出はヨークによって案内されるが、ヨークにおける磁束分布は一様である。よってヨーク近傍において磁芯において流れる磁束は、径方向成分を有する傾向にある。そして磁束の径方向成分は径方向に垂直な面における渦電流の発生を招来する。
しかるに、径方向に積層された電磁鋼板の各々は、径方向に垂直な面に平行に延在するので、磁束の径方向成分に起因する渦電流の発生を抑制しにくい。
そこで本願発明は、磁束の周方向成分に起因する渦電流の発生のみならず、径方向成分に起因する渦電流の発生をも抑制する磁芯を提供することを目的とする。また、当該磁芯の製造における歩留まりを向上することも他の目的とする。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第1の態様では、電磁鋼板である原材(8)が搬送方向(K)へ所定長さ(P)毎に搬送される。そして、(a)前記原材の搬送が停止されるときに、第1パンチ(92)を用いて前記原材を打ち抜く工程と、(b)前記工程(a)で前記原材に残された電磁鋼板を、その前記搬送方向における寸法が前記所定長さ以下である矩形(Q)に打ち抜いて積層用鋼板(101〜106,201〜206)を得る工程と、(c)前記工程(b)で得られた前記積層用鋼板のうち、前記搬送方向に垂直な方向たる幅方向における前記第1パンチに対する一方側で得られたもの(101〜106)を、その打ち抜かれた順序で積層する工程とを備える。但し、前記工程(a)は前記幅方向において、前記第1パンチを第1の位置(92a,92f;90g,90l)と第2の位置(92c、92d;90i,90j)との間で往復させることによって前記第1パンチの位置を更新して繰り返し行われ、前記工程(c)では、前記第1の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(101,106)と、前記第2の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(103,104)とを境界として前記積層用鋼板が積層されて複数の積層体(10a,10b)が得られる。そして(d)前記工程(c)での積層体同士を、前記第1パンチで打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させて磁芯(1)を形成する工程を更に備える。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第2の態様は、その第1の態様であって、(e)前記工程(b)で得られた前記積層用鋼板のうち、前記搬送方向に垂直な方向たる幅方向における前記第1パンチに対する他方側で得られたもの(201〜206)を、その打ち抜かれた順序で、前記第1の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(201,206)と、前記第2の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(203,204)とを境界として前記積層用鋼板が積層されて複数の積層体(20a,20b)を得る工程と、(f)前記工程(e)での積層体同士を、前記第1パンチで打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させて磁芯(1)を形成する工程とを更に備える。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第3の態様は、その第2の態様又は第3の態様であって、(g)前記工程(c)の実行よりも前に、前記工程(a)と対となって実行され、前記原材(8)の搬送が停止されるときに、前記幅方向の位置(91a〜91f)が維持される第2パンチ(91)を用いて前記原材を打ち抜く工程を更に備える。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第1の態様は、軸方向(Z)において界磁子(4)と対向する電機子において前記軸方向と垂直な周方向(θ)に環状に配置される磁芯(1)電機子用磁芯を製造することができる。当該磁芯の各々は、前記周方向の一方側の第1部分(1a)及び前記周方向の他方側の第2部分(1b)を備える。前記第1部分及び前記第2部分の各々は、前記軸方向及び前記周方向のいずれにも垂直な径方向(R)に積層される複数の電磁鋼板(100)を含む。前記第1部分は第1巻回部分(11a)及び第1境界面(110a)を有し、前記第2部分は第2巻回部分(11b)及び第2境界面(110b)を有する。前記第1境界面及び前記第2境界面は前記軸方向及び前記径方向に平行であり、前記第1境界面と前記第2境界面とは相互に隣接して配置され、前記第1巻回部分及び前記第2巻回部分は、前記軸方向を中心とする電機子巻線(15)が巻回される巻回部(11)を形成する。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第2の態様は、磁芯に採用される積層用鋼板を原材から無駄を少なくして取得し、原材の使用効率を高め、ひいては磁芯の製造における歩留まりを向上させる。
この発明にかかる磁芯の製造方法の第3の態様は、径方向の位置に依存しない幅方向の寸法を有する、磁芯の磁束案内部や埋設部を形成することができる。
第1の実施の形態.
図1を参照して、電機子のコアは、大別して磁芯1、バックヨーク2、支持部材3で構成される。但し磁芯1とバックヨーク2と固定板3との嵌合関係を示すべく、一つの磁芯1についてバックヨーク2と固定板3とから分離して示す。当然、電機子を構成する場合には、当該分離は為されない。
図1を参照して、電機子のコアは、大別して磁芯1、バックヨーク2、支持部材3で構成される。但し磁芯1とバックヨーク2と固定板3との嵌合関係を示すべく、一つの磁芯1についてバックヨーク2と固定板3とから分離して示す。当然、電機子を構成する場合には、当該分離は為されない。
図24は図1の位置XXにおける回転電機の断面を示す。図1及び図24を参照して、当該電機子は、軸Jを回転軸として回転する界磁子4と共に、アキシャルギャップ型の回転電機に採用される。軸方向Zは軸Jに平行に採用される。電機子は界磁子4と軸方向Zにおいて対向する。
界磁子4は基体41と界磁発生部42とを備える。基体41は、回転自在なシャフト40に固定され、界磁発生部42は基体41に固定され、かつ界磁磁束を発生させる。界磁磁束を効率よく電機子に流すため、基体41はいわゆるバックヨークとして機能すべく、磁性体を採用することが望ましい。
当該電機子コアは、磁芯1の周囲に軸方向Zを中心として巻回される電機子巻線15(図1では図示省略)と共に、電機子に採用される。なお「巻回」とは、磁芯1に対して導線を巻き付けて行く作業を伴う態様のみならず、予めコイルとして形成された形状の電機子巻線が磁芯1に嵌められる態様をも含む。コイルは、磁芯1のそれぞれに巻回される、いわゆる集中巻方式である。
磁芯1は軸Jを中心軸とする周方向θにおいて環状に配置される。そして磁芯1の各々では、電磁鋼板(不図示:後に詳述する)が径方向Rに積層されている。つまり磁芯1が電機子のコアとして採用されるとき、いずれの磁芯1についての径方向Rも、軸方向Zに対して垂直となるように環状に配置される。よって図1に示されるように、異なる磁芯1についての径方向R1,R2はコア全体として見れば互いに異なる。
同様に、異なる磁芯1についての周方向θ1,θ2はコア全体として見れば互いに異なる。但し、周方向θ1,θ2は環状方向θ(図24)としてみれば共通した方向として捉えることができる。
バックヨーク2には軸方向Z側に開口する開口部21が磁芯1に応じて設けられており、各々の開口部21はその径方向内側にも開口している。磁芯1は電機子巻線15が巻回される巻回部11と、巻回部11よりもバックヨーク2側に位置する磁束案内部12とを有している。磁束案内部12は開口部21と嵌合することによって磁芯1とバックヨーク2とを磁気的に結合する。具体的には、磁束案内部12は、磁芯1に流れる磁束をバックヨーク2へと案内し、あるいはバックヨーク2に流れる磁束を磁芯1へと案内する。
開口部21が径方向内側にも開口することにより、当該開口部21に嵌合する磁束案内部12を有する磁芯1に流れる磁束の軸方向成分に起因する渦電流が、バックヨーク2に発生することを抑制する。複数の開口部21が相まって開口20を構成している。
磁芯1は磁束案内部12に対して巻回部11と反対側に位置する埋設部13をも有している。これに対応して固定板3には溝31が設けられている。溝31は軸方向Zにおいて貫通していてもよい。
ここでは磁芯1は奇数個(9個)設けられる場合を例示するので、図24では図中左側で磁芯1の巻回部11、磁束案内部12、埋設部13、鍔部14が現れるが、図中右側ではこれらの代わりに電機子巻線15が現れている。
埋設部13は溝31と嵌合し、固定板3は磁芯1を機械的に保持している。これに対してバックヨーク2と磁芯1とは磁気的に結合しており、必ずしもバックヨーク2が磁芯1を機械的に保持する必要はない。よってバックヨーク2と固定板3は、両者が相互に固定されていれば、磁気的結合と機械的結合というそれぞれが担保すべき機能に鑑みた材料を以て形成することができる。例えばバックヨーク2は軸方向Zに沿って積層された電磁鋼板で主として形成され、あるいは圧粉磁芯で形成される。固定板3の材料としては金属塊を挙げることができる。
固定板3と磁芯1との固定は溝31と埋設部13との嵌合を必須とするものではない。例えば両者を接着や溶接にて固定することができる。
磁芯1において界磁子4と最も近接する部位には鍔部14が設けられることが望ましい。電機子と界磁子の磁気的相互作用の効率を高めるべく、鍔部14は巻回部11よりも広く設定される。ここでは径方向Rに沿って電磁鋼板が積層されるので、積層を簡単にするため、鍔部14は径方向Rにおいては巻回部11よりも拡がらず、周方向θに沿ってのみ拡がる構造が例示されている。勿論、鍔部14を設けない構造の磁芯1を採用してもよい。
図2乃至図4を参照して、磁芯1は周方向θの一方側(図では矢先側)の第1部分1a及び周方向θの他方側(図では矢尻側)の第2部分1bを備える。図3及び図4では径方向に積層された電磁鋼板100が、その厚みが誇張されつつ、部分的に描かれている。
ここで例示される磁芯1では、磁束案内部12や埋設部13の形状は径方向Rに依存せず、よって直方体を呈する。磁束案内部12、埋設部13のそれぞれの周方向の寸法W2,W3は径方向Rの位置に依存しない。他方、電機子巻線15の占積率を高める等の理由で巻回部11は外周側(径方向R側)で幅広となる。
ここで例示される磁芯1では、磁束案内部12や埋設部13の形状は径方向Rに依存せず、よって直方体を呈する。磁束案内部12、埋設部13のそれぞれの周方向の寸法W2,W3は径方向Rの位置に依存しない。他方、電機子巻線15の占積率を高める等の理由で巻回部11は外周側(径方向R側)で幅広となる。
積層される電磁鋼板100同士の結合を担保する技術の一例を挙げる。電磁鋼板100をその厚み方向において局所的に変形させて結合部とし、隣接する電磁鋼板100同士で当該結合部を相互に嵌合させる。当該結合部は単なる凹凸であってもよいし、電磁鋼板100を部分的に破断させて厚み方向に変形させてもよい。後者の変形を用いて、積層された電磁鋼板100同士の結合を得る技術は、「カラマセ」と通称される周知技術である。
このような積層される電磁鋼板100同士の結合は、第1部分1aと第2部分1bとで個別に適用されることが望ましい。通常、磁芯1は軸方向Zに長くなるので、電磁鋼板100毎に結合部が軸方向Zに沿って複数設けられる。しかし結合部は電磁鋼板の磁気特性を劣化させるため、磁気特性が問題となりにくい所、例えば鍔部14において設けることも望ましい。
第1部分1aと第2部分1bとは境界面110を介して隣接する。第1部分1aは第1巻回部分11a、第1磁束案内部分12a、第1埋設部分13a、第1鍔部分14aを有する。第2部分1bは第2巻回部分11b、第2磁束案内部分12b、第2埋設部分13b、第2鍔部分14bを有する。第1巻回部分11aは第2巻回部分11bと共に巻回部11を、第1磁束案内部分12aは第2磁束案内部分12bと共に磁束案内部12を、第1埋設部分13aは第2埋設部分13bと共に埋設部13を、第1鍔部分14aは第2鍔部分14bと共に鍔部14を、それぞれ構成する(図1も参照)。
第1部分1aは第1境界面110aを周方向θの他方側に、第2部分1bは第2境界面110bを周方向θの一方側に、それぞれ有している。そして第1境界面110aと第2境界面110bとが相互に隣接する。境界面110は第1境界面110aと第2境界面110bとの隣接位置と把握できる。但し後述するように、第1境界面110aと第2境界面110bとは必ずしも直接に接触する場合に限らず、両者の間に望ましくは周方向の厚みが十分小さい絶縁材料が介在してもよい。
磁芯1はこのように境界面110(あるいは第1境界面110aと第2境界面110b)を介して隣接する第1部分1aと第2部分1bとが結合して形成される。かかる結合は例えば樹脂モールドを採用することで実現できる。
以上のように磁芯1では、その径方向Rに垂直ないずれの断面においても、第1境界面110a及び第2境界面110bによって分断されるので、当該断面において渦電流が発生可能な面積が低減され、渦電流の発生が低減される。つまり、磁芯1に流れる磁束の径方向成分に起因する渦電流の発生を抑制することができる。
そして径方向Rに積層される複数の電磁鋼板100の境界によって、周方向θに垂直な面が分断される。よって磁芯1に流れる磁束の周方向成分に起因する渦電流の発生可能な面積が低減され、以て渦電流の発生が低減される。しかも電磁鋼板100の境界は磁気抵抗を有して障壁となるので、磁芯に流れる磁束を径方向Rに流れにくくし、以て磁芯に流れる磁束の径方向成分自体の低減にも資する。
第1境界面110aと第2境界面110bとの間に絶縁材料を挟むことも望ましい。当該絶縁材料は第1部分1aと第2部分1bとの間の絶縁性を向上させ、以て磁芯1の周方向θに垂直な面における分断を確実にするからである。一例として第1部分1aと第2部分1bとの間に絶縁シートを挟むことが挙げられる。また他の例としては、第1部分1aと第2部分1bとを個別に絶縁性材料でコーティングした後、第1境界面110aと第2境界面110bとを隣接させて両者を結合し、磁芯1を形成することが挙げられる。これは、第一の部分1aと第2部分1bの間の電流を遮断するものであり、磁束は通す方が望ましいため、渦電流を遮断する程度の厚みがあれば十分である。
第1部分1aと第2部分1bとを結合する手法として、モールドのほか、レーザー溶接を挙げることができる。但し溶接箇所同士は接触しないことが望ましい。溶接箇所同士が接触すると、第1部分1aと第2部分1bのそれぞれの電磁鋼板100の延在方向が、径方向Rに対して垂直でなくなる可能性が高まるからである。具体的には、溶接部が電磁鋼板100の厚みの範囲内に入り、電磁鋼板100ごとに設けられることが望ましい。
またモールドに代替して、磁芯1の軸方向Zを軸とする周囲を筒状のインシュレータで囲んでもよい。図20及び図21に例示されるように、インシュレータ6は例えば一対の部品6a,6bからなる。そして部品6a,6bが周方向θに沿って、相互に組み合わされることによって第1部分1aと第2部分1bとを結合する。あるいは図22及び図23に例示されるように、インシュレータ6は例えば一対の部品6c,6dからなる。そして部品6c,6dが径方向Rに沿って、相互に組み合わされることによって第1部分1aと第2部分1bとを結合する。いずれの場合も電機子巻線15(図24参照)はインシュレータ6を介して磁芯1に巻回されることになる。
磁芯1は、境界面110に関して対称でなくてもよい。図5は境界面110が磁芯1の周方向θに関する中心よりも周方向θの他方側にずれている場合を示す。これにより、径方向Rの任意の位置における断面は、第2部分1bの方が第1部分1aよりも狭くできる。かかる形態の磁芯1は特に下記の状況において特有の効果を招来する。
界磁子4が周方向θの他方側から一方側へと回転する場合、つまり周方向θの矢印の向きに従って界磁子4が回転する場合、界磁子4と磁芯1との間に流れる磁束量は、他方側の方が一方側よりも多い。これは界磁子において界磁発生部42が磁芯1に近づく場合には磁気吸引力が両者の間に働き、遠ざかる場合には磁気斥力が働くことに起因する。よって渦電流に資する磁束量は磁芯1の周方向一方側よりも周方向他方側の方が多い。よって第2部分1bの径方向Rに垂直な断面の断面積を、第1部分1aのそれよりも小さくすることで、渦電流がより効果的に低減される。
ここでは第1境界面110aと第2境界面110bとはいずれも径方向R及び軸方向Zに平行に延在する(即ち周方向θに垂直となる)場合が例示されている。しかし第1境界面110aと第2境界面110bとが隣接して磁芯1を形成するときに、積層される電磁鋼板が径方向Rに垂直に延在するのであれば、第1境界面110aと第2境界面110bは軸方向Zや径方向Rに対して傾斜してもよい。
例えば第1部分1aの外周端で第1境界面110aが径方向Rと為す角度と、第2部分1b内での外周端で第2境界面110bが径方向Rと為す角度とが、相互に補角の関係(両者の和が平角)であってもよい。あるいは第1部分1aの軸方向Z側(界磁子4に近い側)で第1境界面110aが軸方向Zと為す角度と、第2部分1bの軸方向Z側で第2境界面110bが径方向Rと為す角度とが、相互に補角の関係であってもよい。
更には、第1境界面110aと第2境界面110bとは曲面であってもよく、この場合、両者は相互に嵌合して境界面110を構成する。
なお、上述のように溝31を設ける場合には、開口部21は軸方向Zにおいて貫通する。しかし固定板3を設けない場合も考えられ、この場合には開口部21は軸方向Zにおいて貫通する必要はなく、軸方向Zにおいては、単に磁束案内部12と嵌合するための開口があれば足りる。また固定板3を設けない場合には、当然に溝31はなく、よって磁芯1において埋設部13を設ける必要もない。
あるいは開口部21と溝31とは、軸方向Zから見て同形にしてもよい。この場合、磁束案内部12と埋設部13についても、軸方向Zから見て同形となる。更に磁束案内部12と埋設部13と巻回部11とを、軸方向Zから見て同形としてもよい。このような場合の磁芯1を図17に示す。
あるいは磁芯1は、軸方向Zにおいて一対の回転子に挟まれる電機子に採用されてもよい。この場合に採用される磁芯1では、巻回部11が一対設けられ、それらが軸方向Zにおいて磁束案内部12を挟む構成を有する。勿論、いずれの巻回部11に対しても鍔部14を設けることができる。このような場合の磁芯1を図19に示す。但し、バックヨーク2や固定板3を設けない態様を採用することもできる。この場合、磁芯1は埋設部13のみならず磁束案内部12をも必要とせず、例えば一対の鍔部14の間に巻回部11のみが延在する。
あるいは電機子が軸方向Zにおいて一方側でのみ界磁子と対向する場合でも、図19に示される磁芯1を採用することで利点が得られる場合がある。例えば固定板3で溝31が軸方向Zに貫通する場合、軸方向Zの他方側に位置する鍔部14に、溝31に対して軸方向Zにおいて係止する機能を担わせてもよい。かかる場合、溝31は開口部21と同様に径方向Rの内側にも開口し、磁芯1を溝31や開口部21の内周側から配置することになる。
第2の実施の形態.
磁芯1の構造は上述のように種々変形できるものの、その製造が容易となる観点では、第1境界面110aと第2境界面110bは軸方向Z及び径方向Rに対して平行となることが望ましい。第1部分1a及び第2部分1bを形成する電磁鋼板が、その積層方向に平行な第1境界面110aと第2境界面110bで位置を揃えて積層できるからである。この点で、電磁鋼板を積層方向に対してずらせて積層することになる特許文献2の構造よりも有利である。
磁芯1の構造は上述のように種々変形できるものの、その製造が容易となる観点では、第1境界面110aと第2境界面110bは軸方向Z及び径方向Rに対して平行となることが望ましい。第1部分1a及び第2部分1bを形成する電磁鋼板が、その積層方向に平行な第1境界面110aと第2境界面110bで位置を揃えて積層できるからである。この点で、電磁鋼板を積層方向に対してずらせて積層することになる特許文献2の構造よりも有利である。
更に、磁芯1は境界面110に関して対称であれば、これを構成する電磁鋼板を原材から打ち抜く工程において二つの利点を有する。一つは廃材の低減であり、一つは可動パンチ数の削減である。以下、具体的な打ち抜き工程を説明することにより、これらの利点が得られることを説明する。
このような磁芯1を図6に示す。図6は対向方向平面視における磁芯1の外観を示す平面図である。但し、第1磁束案内部分12aの径方向R側の一部、第1埋設部分13a、第1巻回部分11aはいずれも第1鍔部分14aに隠れており、第1磁束案内部分12aの径方向R側の一部、第2埋設部分13b、第2巻回部分11bはいずれも第2鍔部14bに隠れている。
図7乃至図9を参照して、電磁鋼板である原材8が搬送方向Kに搬送される。一般に原材8は長尺であり、その長手方向が搬送方向Kに選定される。原材8は所定長さP毎に搬送され、原材8の搬送が停止されるときに、後述する固定パンチや可動パンチによる打ち抜きが実行される。
但し、図7及び図8は説明の簡単のため、原材8の搬送方向Kに従って移動する視点で描画されている。そのため、実際には打ち抜きは搬送方向Kに対して移動しないが、複数の位置で打ち抜きが行われるように図示されている。
また、ここでは説明の簡単のため、積層枚数を3枚として説明するが、実際の積層枚数はもっと多い。
図7の位置91a〜91fは固定パンチの位置を示す。以下、これらの位置91a〜91fを位置91と総称したり、当該固定パンチ自体を位置91として説明したりすることがある。
固定パンチ(及びその位置)91は、原材8の搬送方向Kに垂直な幅方向の位置が維持される。この幅方向の位置91が固定される意味で「固定」であり、当然ながら、原材8を打ち抜く必要性から、打ち抜き方向(図7乃至図9に即して言えば紙面垂直方向)には可動となる。そのため、位置91a〜91fの幅方向の位置は等しい。
図8の位置92a〜92fは可動パンチの位置を示す。以下、これらの位置92a〜92fを位置92と総称したり、当該可動パンチ自体を位置92として説明したりすることがある。
可動パンチ(及びその位置)92は幅方向に可動である。また当然ながら打ち抜き方向にも可動である。可動パンチ(及びその位置)92は図中最も左端に存在する位置92a,92f(以下「第1位置92a,92f」とも称す)と、最も右端に存在する位置92c、92d(以下「第2位置92c,92d」とも称す)との間を、幅方向に移動する。
上述のように実際には打ち抜きは搬送方向Kに対して移動しないので、位置91a〜91f、位置92a〜92fは、それぞれこの順に搬送方向Kとは反対に進んで図示される。原材8は所定長さP毎に搬送され、原材8の搬送が停止されるときに、打ち抜きが行われるので、位置91a〜91f、位置92a〜92fは、それぞれ搬送方向Kに沿って所定長さPの間隔で図示されることになる。
固定パンチによる打ち抜きと可動パンチによる打ち抜きは対となって実行され(但し両者の先後関係は不問)、図9に示された打ち抜き孔90a〜90fが形成される。
矩形領域Qは打ち抜き孔90a〜90fが形成された後で更に原材8を打ち抜く位置であり、その搬送方向Kにおける寸法が所定長さP以下であって、所定長さPの間隔で設定される。打ち抜き孔90a〜90fは搬送方向Kに沿った方向において矩形領域Qからはみ出ることが望ましい。
打ち抜き孔90aは固定パンチの位置91aにおける打ち抜き及び可動パンチの位置92aにおける打ち抜きの結果として得られる。他の打ち抜き孔90b〜90fについても同様である。このような固定パンチによる打ち抜きと可動パンチによる打ち抜きにおける両者間の搬送方向Kにおける位置合わせは周知の技術であるので、ここでは詳細を述べない。
但し、本実施の形態では、固定パンチの位置91aにおける打ち抜き部分と可動パンチの位置92aにおける打ち抜き部分とが若干重なることが望ましい。他の固定パンチの位置91b〜91fと可動パンチの位置92b〜92fに関しても同様である。このことと、打ち抜き孔90a〜90fが搬送方向Kに沿った方向において矩形領域Qからはみ出ることとにより、打ち抜き孔90a〜90fはそれぞれが属する矩形領域Q内で原材8を図中左側と右側とに分離する。
そして矩形領域Qが打ち抜かれることにより、打ち抜き孔90a〜90fに対する一方側(ここでは図中左側)及び他方側(ここでは図中右側)で、原材8からそれぞれ積層用鋼板101〜106及び積層用鋼板201〜206が得られる。矩形領域Qの打ち抜きと、固定パンチや可動パンチによる打ち抜きとの間の、搬送方向Kにおける位置合わせも周知の技術であるので、その詳細は割愛する。なお、原材8の幅寸法が正確に一定で有れば、矩形領域Qにおける打ち抜きは、単に原材8を搬送方向Kにおいて切断する工程で代替してもよい。
積層用鋼板101,201を例に採って矩形領域Q内の位置関係をおおまかに説明すれば、固定パンチ(及びその位置)91における幅狭部は磁束案内部12と、幅広部は埋設部13と、それぞれ相補的な関係にある。また可動パンチ(及びその位置)92における幅狭部は鍔部14と、幅広部は巻回部11と、それぞれ相補的な関係にある。同時に打ち抜かれる1対の積層用鋼板において、鍔部14の幅寸法の合計と、磁束案内部12の幅寸法の合計を略同一とすると、電磁鋼板の使用効率が更に高まる。
図10は積層用鋼板101〜106を打ち抜かれた順に並べて示している。形状を見やすくするためにこれらを打ち抜き順に斜めに配置して図示しているが、実際には斜めに配置される必要はない。原材8は搬送方向Kと直交する方向(幅方向)には移動しないため、矩形領域Qを打ち抜くことにより、打ち抜き孔90b〜90fと反対側(原材8の幅方向端部側)を揃えることが容易であり、実際はそのように積層されることが望ましい。
積層用鋼板101〜106は、打ち抜き孔90b〜90fの左側で得られる。また第1位置92a,92fは図中で最も左側に位置する。よって第1位置92a,92fに対応する打ち抜き孔90a,90fの左側から得られる積層用鋼板101,106は、その巻回部11や鍔部14に相当する位置での幅寸法が、積層用鋼板101〜106の中で最も小さい。逆に、第2位置92c,92dは図中で最も右側に位置するので、打ち抜き孔90c,90dの左側から得られる積層用鋼板103,104は、その巻回部11や鍔部14に相当する位置での幅寸法が、積層用鋼板101〜106の中で最も大きい。そして積層用鋼板102,105の当該幅寸法は、積層用鋼板103,104のそれよりも小さく、積層用鋼板101,106のそれよりも大きい。
図11に示されるように、積層用鋼板101〜106は打ち抜かれた順で、具体的には先に打ち抜かれたものほど下方に積層される。このとき、上述のように打ち抜き孔90b〜90fと反対側が揃って積層用鋼板101〜106が積層される。なお、積層用鋼板103と104は図では積層されて示されているが、実際には積層されていなくてもよい。積層の単位を決める方法は、公知の方法にて実現できる。
第1位置92a,92fで打ち抜かれた積層用鋼板101,106と、第2位置92c,92dで打ち抜かれた積層用鋼板103,104とを境界として積層用鋼板101〜106が積層されて複数の積層体10a,10bが得られる。具体的には積層体10aは積層用鋼板101〜103で構成され、積層体10bは積層用鋼板104〜106で構成される。図10では説明の容易のため、積層体10a,10bを構成する積層用鋼板101〜106が離隔して示されている。
そして積層体10a,10b同士を、打ち抜き孔90b〜90fと反対側、つまり可動パンチ92で打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させることにより、積層体10a,10bはそれぞれ第1部分1a及び第2部分1bとして機能することになる。
図13乃至図15を参照して、積層用鋼板201〜206についても積層用鋼板101〜106と同様に、先に打ち抜かれたものほど下方に積層される。そして第1位置92a,92fで打ち抜かれた積層用鋼板201,206と、第2位置92c,92dで打ち抜かれた積層用鋼板203,204とを境界として積層用鋼板201〜206が積層されて複数の積層体20a,20bが得られる。具体的には積層体20aは積層用鋼板204〜206で構成され、積層体20bは積層用鋼板201〜203で構成される。図13では積層体20a,20bを構成する積層用鋼板201〜206が離隔して示されている。
そして積層体20a,20b同士を、可動パンチ92で打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させることにより、積層体20a,20bはそれぞれ第1部分1a及び第2部分1bとして機能することになる。
このように可動パンチの位置92a〜92fが幅方向に往復することによって、その幅方向の両側において、原材8から積層用鋼板101〜106,201〜206が得られる。よって可動パンチ数は一つで足りる。従来の技術では、打ち抜かれる積層用鋼板の幅に合わせて左右対称に移動する可動パンチの一対が必要であったので、本実施の形態は従来の技術と比較して可動パンチ数を低減したことになる。
また、原材8のうち、積層用鋼板101〜106,201〜206に採用されないのは、矩形領域Qの外側と、打ち抜き孔90b〜90fに対応する部分となる。上述のように本実施の形態では可動パンチ数を減らしたことにより、打ち抜き孔90b〜90fの面積を小さくできることと、従来においても矩形領域Qの外側は廃材となっていたことに鑑みれば、本実施の形態では従来の技術と比較して廃材を低減したことになる。
勿論、積層用鋼板101〜106と積層用鋼板201〜206の片方のみを磁芯1の作成に用いることができる。廃材低減という観点を除いて考えれば、このような製造工程であっても、第1の実施の形態で説明された磁芯を得ることができるという効果はある。
なお、本実施の形態では磁芯1の磁束案内部12及び埋設部13の幅寸法は径方向の位置によらず一定であるので、固定パンチ91による打ち抜きが必要であった。しかしながら本実施の形態は可動パンチのみによる打ち抜きにも適用できる。
上述の図17のように巻回部11と磁束案内部12と埋設部13についても、軸方向Zから見て同形とする場合、図16に示す打ち抜き孔90g〜90lを採用することができる。これらの孔は可動パンチのみによって得られる。打ち抜き孔90g〜90lは全て同形であり、矩形領域Q内における幅方向の位置のみが異なっている。
原材8を搬送方向Kに所定長さPで搬送し、搬送が停止される毎に、可動パンチが幅方向に往復運動をすることによって更新される可動パンチの幅方向の位置で、打ち抜き孔90g〜90lが打ち抜かれる。このようにして打ち抜き孔90g〜90lの両側から得られる積層用鋼板についても、積層用鋼板101〜106,201〜206と同様にして、打ち抜き孔90g,90lで打ち抜かれた積層用鋼板及び打ち抜き孔90i,90jで打ち抜かれた積層用鋼板を境界として積層することによって積層体を複数個得ることができる。そしてこれらの積層体を、可動パンチで打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させて磁芯1を形成することができる。ここで打ち抜き孔90g〜90lの形状は第1鍔部分14aや第2鍔部分14bに相当する位置を除いて幅寸法が一定となっているので、図17に示される磁芯を形成することができる。
また 上述の図19のように埋設部13を設けることなく、鍔部14を一対設ける磁芯1については、図18に示す打ち抜き孔90g〜90lを採用することができる。これらの孔も可動パンチのみによって得られる。打ち抜き孔90g〜90lは全て同形であり、矩形領域Q内における幅方向の位置のみが異なっており、一対の鍔部14に相当する位置を除いて幅寸法が一定となっている。よって積層用鋼板101〜106,201〜206と同様にして積層して積層体を得て、これらを隣接させることにより、図19に示される磁芯を形成することができる。なお、積層用鋼板101〜106,201〜206の形状は、軸方向Zに直交する平面に対して面対称の形状であるため、いずれの積層体も同一形状となり、任意の2つの積層体を用いて磁芯1を構成できる。
鍔部14を設けない磁芯1を得る場合には、打ち抜き孔90g〜90lの形状としては矩形を採用できる。
第3の実施の形態.
第2の実施の形態のみを実施して得られる磁芯1は、正確にはその対向方向平面視における形状が台形となる。但し、巻回部11は、これに電機子巻線15が密着し易いように、当該台形の角部が面取り、あるいは丸められることが望ましい。そこで径方向Rの外側の端や、内側の端に配置される電磁鋼板と、これに隣接する電磁鋼板との間での周方向θにおける幅寸法の差分は、径方向Rの中央部分で隣接する一対の電磁鋼板同士の幅寸法の差分よりも大きいことが望ましい。
第2の実施の形態のみを実施して得られる磁芯1は、正確にはその対向方向平面視における形状が台形となる。但し、巻回部11は、これに電機子巻線15が密着し易いように、当該台形の角部が面取り、あるいは丸められることが望ましい。そこで径方向Rの外側の端や、内側の端に配置される電磁鋼板と、これに隣接する電磁鋼板との間での周方向θにおける幅寸法の差分は、径方向Rの中央部分で隣接する一対の電磁鋼板同士の幅寸法の差分よりも大きいことが望ましい。
よって、一旦、第2の実施の形態によって得られた積層体10a,10b、あるいは積層体20a,20bに対して、その径方向Rの内外から電磁鋼板を新たに追加して積層し、それぞれ第1部分1a及び第2部分1bを得てもよい。または、同一の順送金型内で、別の打抜金型(パンチ)を用意して、面取りあるいは丸められた部分を更に打ち抜くことも可能である。
形状のバリエーション.
上述の台形の二つの斜辺が為す角度は、周角(360度)を、電機子において環状に配列される磁芯の個数で除した値に設定することができる。
上述の台形の二つの斜辺が為す角度は、周角(360度)を、電機子において環状に配列される磁芯の個数で除した値に設定することができる。
また上記の実施の形態で示されるように周方向θにおいて分割される磁芯と、従来のように分割されない磁芯とを混在させてもよい。例えば分割されない磁芯は、その対向方向平面視における形状が矩形であって、これが分割される磁芯と環状方向において交互に配置される。この場合、分割された磁芯の対向方向平面視における台形の二つの斜辺が成す角度は、周角(360度)を、当該分割された磁芯が電機子において配列される個数で除した値に設定することができる。なお、台形の2つの斜辺が底辺と為す角は同一の等脚台形であることが必要である。
磁芯の対向方向平面視における面積は、全ての磁芯において等しいことが望ましい。電機子巻線の巻回数は通常は全ての磁芯において等しく選定されるので、電機子が発生する磁界の対称性をよくするためである。
もちろん、電機子巻線の巻回数を磁芯毎に異ならせることは、上記実施の形態の奏功を損なわせるものではなく、他の要求に応じて適宜設計、選定できる事項である。打抜きパターンについても、2つの部分を1対の電磁鋼板としたが、これを1単位として、複数単位を電磁鋼板の幅方向に同時に打ち抜いても良い。
1 磁芯
1a 第1部分
1b 第2部分
100 電磁鋼板
101〜106,201〜206 積層用鋼板
11 巻回部
11a 第1巻回部分
11b 第2巻回部分
110a 第1境界面
110b 第2境界面
15 電機子巻線
4 界磁子
8 原材
90a〜90l 打ち抜き孔
91,91a〜91f 固定パンチの位置
92,92a〜92f 可動パンチの位置
K 搬送方向
P 所定長さ
R 径方向
Z 軸方向
θ 周方向
1a 第1部分
1b 第2部分
100 電磁鋼板
101〜106,201〜206 積層用鋼板
11 巻回部
11a 第1巻回部分
11b 第2巻回部分
110a 第1境界面
110b 第2境界面
15 電機子巻線
4 界磁子
8 原材
90a〜90l 打ち抜き孔
91,91a〜91f 固定パンチの位置
92,92a〜92f 可動パンチの位置
K 搬送方向
P 所定長さ
R 径方向
Z 軸方向
θ 周方向
Claims (3)
- 電磁鋼板である原材(8)を搬送方向(K)へ所定長さ(P)毎に搬送し、
(a)前記原材の搬送が停止されるときに、第1パンチ(92)を用いて前記原材を打ち抜く工程と、
(b)前記工程(a)で前記原材に残された電磁鋼板を、その前記搬送方向における寸法が前記所定長さ以下である矩形(Q)に打ち抜いて積層用鋼板(101〜106,201〜206)を得る工程と、
(c)前記工程(b)で得られた前記積層用鋼板のうち、前記搬送方向に垂直な方向たる幅方向における前記第1パンチに対する一方側で得られたもの(101〜106)を、その打ち抜かれた順序で積層する工程と
を備え、
前記工程(a)は前記幅方向において、前記第1パンチを第1の位置(92a,92f;90g,90l)と第2の位置(92c、92d;90i,90j)との間で往復させることによって前記第1パンチの位置を更新して繰り返し行われ、
前記工程(c)では、前記第1の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(101,106)と、前記第2の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(103,104)とを境界として前記積層用鋼板が積層されて複数の積層体(10a,10b)が得られ、
(d)前記工程(c)での積層体同士を、前記第1パンチで打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させて磁芯(1)を形成する工程と、
を更に備える、磁芯の製造方法。 - (e)前記工程(b)で得られた前記積層用鋼板のうち、前記搬送方向に垂直な方向たる幅方向における前記第1パンチに対する他方側で得られたもの(201〜206)を、その打ち抜かれた順序で、前記第1の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(201,206)と、前記第2の位置で打ち抜かれた前記積層用鋼板(203,204)とを境界として前記積層用鋼板が積層されて複数の積層体(20a,20b)を得る工程と、
(f)前記工程(e)での積層体同士を、前記第1パンチで打ち抜かれた位置同士を反対側にして隣接させて磁芯(1)を形成する工程と、
を更に備える、請求項1記載の磁芯の製造方法。 - (g)前記工程(c)の実行よりも前に、前記工程(a)と対となって実行され、前記原材(8)の搬送が停止されるときに、前記幅方向の位置(91a〜91f)が維持される第2パンチ(91)を用いて前記原材を打ち抜く工程
を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の磁芯の製造方法。
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