JP4725757B2 - ビナフトールリン酸誘導体及びその利用 - Google Patents
ビナフトールリン酸誘導体及びその利用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビナフトール−リン酸誘導体、ビナフトール−リン酸塩誘導体、及びそれらの用途に関する。本発明のビナフトール−リン酸誘導体は、各種不斉合成触媒の合成中間体として重要であり、さらにそれから誘導されるビナフトール−リン酸塩誘導体は各種不斉合成反応において、高い反応性を示し、また、高い光学純度の反応生成物を与える。なお、本発明の方法により得られるピラン化合物類は、医、農薬合成中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
本発明のビナフトール−リン酸誘導体、及びそれから誘導されるビナフトール−リン酸塩誘導体は従来知られておらず、新規な化合物である。
【0003】
また、本発明の不斉合成触媒が適用可能な反応の1例としてディールス・アルダー環化反応を以下に示す。
【0004】
ディールス・アルダー環化反応としては、塩化アルミニウム等のルイス酸触媒の存在又は非存在下、ジエン類とオレフィン類の反応が古くから数多く知られている。
【0005】
不斉ディールス・アルダー環化反応としては、アクリル−1,3−オキサゾリジン−2−オンとシクロペンタジエンの反応等が知られている(Shu Kobayashi,et. al.,J. Org. Chem.,1994,59,3758等)。
【0006】
不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応としてはベンズアルデヒド類とジエン類類との反応等が知られている(Hisashi Yamamoto,et. al.,J. Am. Chem. 1988,110,310等)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の不斉ディールス・アルダー環化反応及び不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応においては、生成物に高い光学純度を与えるものもあるが、既知の全ての反応において、反応温度が−20℃以下と低く、工業的な製法としては満足できるものではなかった。
【0008】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より実用性の高い反応条件で使用でき且つ高い光学純度を与える不斉合成触媒として使用可能な新規なビナフトール−リン酸塩誘導体、及びその中間体としてのビナフトール−リン酸誘導体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、より実用性の高い反応条件で使用でき且つ高光学純度を与える不斉合成触媒の開発につき鋭意検討した結果、下記一般式(1)又は一般式(2)
【0010】
【化10】
【0011】
【化11】
【0012】
[上記一般式(1)又は一般式(2)中、R1、R2、R3、R4は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。但し、R1〜R4が同時に水素になることはない。]
で示されるビナフトール−リン酸誘導体、並びに既知化合物から誘導される新規な一般式(3)又は一般式(4)
【0013】
【化12】
【0014】
【化13】
【0015】
[上記一般式(3)又は一般式(4)中、R5、R6、R7、R8は各々独立して水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。]
で示されるビナフトール−リン酸誘導体を見出した。
【0016】
そして、上記一般式(1)〜一般式(4)で示される化合物より誘導される不斉合成触媒として有用な下記一般式(5)〜一般式(8)
【0017】
【化14】
【0018】
【化15】
【0019】
[上記一般式(5)又は一般式(6)中、R1、R2、R3、R4は各々独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。但し、R1〜R4が同時に水素になることはない。またMは3価の金属イオンを形成可能な金属元素を表す。]
【0020】
【化16】
【0021】
【化17】
【0022】
[一般式(7)又は一般式(8)中、R5、R6、R7、R8は各々独立して、水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、炭素数1〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、又は炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。またMは3価の金属イオンを形成可能な金属元素を表す。]
で示されるビナフトール−リン酸塩誘導体を見出した。これらのビナフトール−リン酸塩誘導体を不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応に適用した場合、室温条件下で実施可能であり、なおかつ光学純度の高い目的物を与えることを見出し本発明を完成させるに至った。
【0023】
すなわち本発明は、上記一般式(1)〜一般式(4)で示されるビナフトール−リン酸誘導体、上記一般式(5)〜一般式(8)で示されるビナフトール−リン酸塩誘導体、及びそれらの用途である。
【0024】
本発明を以下詳細に説明する。
【0025】
本発明の上記一般式(1)〜一般式(4)で示されるビナフトール−リン酸誘導体は、光学活性な(R)又は(S)のビナフトールを原料とし、数ステップで誘導可能である。
【0026】
例えば、本発明の上記一般式(1)〜一般式(2)に示されるビナフトール−リン酸誘導体は、本発明の参考例及び実施例記載の方法等により、市販の光活性な(R)又は(S)の1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールを原料とし、ジオールを保護した後、3,3’位及び/又は6,6’位のハロゲン化物を得、クロスカップリング反応等により置換基を導入、引き続きオキシ塩化リン等と反応させることにより一般式(1)又は一般式(2)のビナフトール−リン酸誘導体へ誘導することが可能である。
【0027】
また、上記一般式(3)又は一般式(4)に示されるビナフトール−リン酸誘導体は、同様に市販の光学活性な(R)又は(S)の1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール、又は上記一般式(1)又は一般式(2)で示されるビナフトール−リン酸の製造中間体として得られるビナフトール−リン酸誘導体を原料とし、文献既知の方法(D.J.Cram,et.al.,J.Org.Chem.,1978,43,1930)により部分水素化反応を行うことにより得られる5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール誘導体を原料とし、オキシ塩化リン等と反応させることにより誘導すことが可能である。
【0028】
さらに、本発明の一般式(5)〜一般式(8)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体は、上記一般式(1)〜一般式(4)に示されるビナフトール−リン酸誘導体と3価の金属塩を反応させることにより調製可能である。
【0029】
本発明のビナフトール−リン酸誘導体としては具体的には、(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジエチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジエチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−プロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−プロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジイソプロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジイソプロピル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−tert−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−tert−ブチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−ペンチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−ペンチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−へキシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−へキシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジシクロへキシル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジシクロへキシル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−へプチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−へプチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−ノニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−ノニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ−n−デシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ−n−デシル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジフェニル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジフェニル1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ビス(4−メチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ビス(4−メチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジ(1”−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジ(1”−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−6,6’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−6,6’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−3,3’−ジエチニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(R)−(−)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸、(S)−(+)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸等が挙げられ、さらにこれらのリン酸誘導体は結晶として単離時に0〜10分子の結晶水を保持するものも含まれる。
【0030】
本発明の触媒は、上記一般式(5)〜一般式(8)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体を含有するものである。
【0031】
上記一般式(5)〜一般式(8)に示されるビナフトール−リン酸塩誘導体において、塩形成金属元素としては、3価の金属塩を安定に形成することが可能なあらゆる金属元素が適用可能であるが、好ましくはランタノイド系列元素で具体的には、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリウム、テルビウム、ディスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムからなる群より選択される元素が例示される。
【0032】
本発明の触媒としては、本発明の特許請求の範囲に記載のあらゆるもの使用可能であり、特に限定するものではないが、具体的には、例えば、ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オクテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、(S)−(+)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、(S)−(+)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(S)−(+)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(R)−(−)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、ガドリウムトリス(S)−(+)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(R)−(−)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、イッテルビウムトリス(S)−(+)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(R)−(−)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩、スカンジウムトリス(S)−(+)−3,3’−ジエテニル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩等が挙げられ、さらにこれらのリン酸塩が結晶として単離時に0〜10分子の結晶水として保持するもの、樹脂状物として0〜10モルの水を含有するものをも含む。
【0033】
本発明の触媒は、ルイス酸性触媒のため、通常のルイス酸を用いるあらゆる反応において適用可能で、なおかつ不斉を誘起することが可能である。具体的な反応名としては、不斉ディールス・アルダー環化反応、不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応、不斉還元反応、不斉ニトロアルドール反応、不斉プロトン化反応、不斉マイケル付加反応、不斉アルドール縮合反応、不斉ハイドロフォスフォニル化反応、不斉マイケル−アルドール反応等が挙げられるがこれらの反応に限られるものではない。
【0034】
本発明の不斉合成触媒を用い反応させることにより発現する光学絶対配置については、一般的に不斉合成触媒を構成するビナフトール類の光学絶対配置に依存し、例えば、(R)−ビナフトールを用いた場合に、生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(R)体を与える場合、鏡像体の(S)−ビナフトールを用いれば生成物の不斉炭素の光学絶対配置が(S)体を与える関係にある。また、生成物の不斉炭素の光学絶対配置については、ビナフトール類が(R)の場合、(R)を与えるということではなく、基質の種類、ビナフトール類の種類、リン酸塩形成元素の種類の違いにより生成物の光学絶対配置は異なる。
【0035】
本発明の触媒の調製に当たっては、本発明のビナフトール−リン酸誘導体をリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等のアルカリ金属塩とした後、塩形成元素のハロゲン化物、硫酸塩、過塩素酸塩、過臭素酸塩、テトラフルオロボラン塩、トリフルオロメタンスルフォン酸塩又はペンタフルオロエタンスルフォン酸塩と反応させることにより調製する。
【0036】
本発明のビナフトール−リン酸誘導体と塩形成元素のモル比は理論的には1/3モル比であるが、調製に当たっては、ビナフトール−リン酸誘導体を塩形成元素に対して1.01〜1.2倍当量程度用い、ビナフトール−リン酸誘導体をビナフトール−リン酸誘導体に対して0.9〜1.05倍モル量のアルカリ金属水酸化物でリン酸塩とした後、塩形成元素と反応させることにより調製する。
【0037】
本発明の触媒を反応に用いるに際して、反応系内に必要に応じて配位子を添加しても良く、具体的には、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、tert−ブチルアミン、ジ−tert−ブチルアミン、シクロへキシルアミン、N,N−ジメチルシクロへキシルアミン、ピペリジン、1−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、1,2,6−トリメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンピリジン、ピぺラジン、N、N’−ジメチルピペラジン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−ピコリン、2−エチルピリジン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジン、3,5−ルチジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、2,6−ビス(フェニルエチル)ピリジン、2,4,6−コリジン、キナルジン、等のアミン類、トリフェニルフォスフィンオキサイド、トリ(2−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、トリ(3−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、トリ(4−メチルフェニル)フォスフィンオキサイド、メチルジフェニルフォスフィンオキサイド、メトキシメチル(ジフェニル)フォスフィンオキサイド、トリn−ブチルフォスフィンオキサイド、トリ−n−オクチルフォスフィンオキサイド、トリ(シクロへキシル)フォスフィンオキサイド等のフォスフィンオキサイド類、ヘキサメチルリン酸トリアミド、トリピペリジノフォスフィンオキサイド等のリン酸トリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2,6−ルチジン−N−オキサイド等が挙げられ、必要に応じて、塩形成元素に対して、0〜5モル倍量添加しても良い。
【0038】
本発明の触媒を用い反応を実施するに当たって、反応時に系内を脱水する目的で、必要に応じてモレキューラシーブ3A、4A、5Aに代表されるA型ゼオライト、モレキュラシーブ13X、Y型、L型等様々なゼオライトを使用しても良い。
【0039】
本発明の触媒の使用例として、不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応への適用例を以下に示す。
【0040】
本発明の触媒を用いた不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応においては、触媒を反応に具するアルデヒド類及びケトン類又はジエン類に対してあらゆる量比で使用可能であるが余りにも過剰の使用は経済的ではない、また余りにも少量では反応が円滑に進行しないか又は微量の不純物の系内への存在により触媒が失活し反応が全く進行しない場合があり、好ましくは、アルデヒド類及びケトン類又はジエン類に対して0.01モル%〜100モル%の範囲であり、さらにより好ましくは0.1モル%〜50モル%の範囲である。
【0041】
本発明に適用可能なアルデヒド類としては、あらゆるアルデヒドが適用可能で、具体的には、ギ酸エチル、メトキシカルボニルアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブタナール、イソブタナール、n−ペンタナール、アクロレイン、クロトンアルデヒド、シクロへキシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、3,5−ジメチルベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、ナフチル−2−アルデヒド、2−フルフラール、桂皮アルデヒド、3−フェニルプロパナール、2−ベンジルオキシアセトアルデヒド等が挙げられ、さらにアルデヒド類似化合物としてベンジルイミン、フェニルチオアミド等が挙げられる。
【0042】
本発明に適用可能なケトン類としては、アセトフェノン、(4−メチルフェニル)アセトフェノン、(3−メチルフェニル)アセトフェノン、(2−メチルフェニル)アセトフェノン、(4−エチルフェニル)アセトフェノン、(3−エチルフェニル)アセトフェノン、(2−エチルフェニル)アセトフェノン、(4−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、(3−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、(2−i−プロピルフェニル)アセトフェノン、1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(3−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−(2−メチルフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−n−ブタン−1−オン、1−(4−メチルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−(3−メチルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−(2−メチルフェニル)−n−ブタン−1−オン、1−フェニル−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(3−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−(2−フェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−フェニル−n−ペンタン−1−オン、1−フェニル−n−ヘキサン−1−オン、1−フェニル−n−へプタン−1−オン、1−フェニル−n−オクタン−1−オン、1−フェニル−n−ノナン−1−オン、1−フェニル−n−デカン−1−オン、1−フェニル−n−ウンデカン−1−オン、1−フェニル−n−ドデカン−1−オン、1−フェニル−n−トリデカン−1−オン、1−フェニル−n−テトラデカン−1−オン、1−フェニル−n−ペンタデカン−1−オン、1−フェニル−n−ヘキサデカン−1−オン、メチル−tert−ブチルケトン、エチル グリオキシレート、エチル フェニルグリオキシレート、メチル フェニルグリオキシレート、エチル i−プロピルグリオキシレート、エチル フェニルエテニルグリオキシレート、エチル シクロヘキシルグリオキシレート等が挙げられる。
【0043】
本発明に適用可能なジエン類としては、特に規定ははいが、具体的には1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、1−メトキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン(Danishefsky’s diene)、1,3−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ペンタジエン、1−メトキシ−2−アセトキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−2−メチル−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−tert−ブトキシ−3−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−メトキシ−3−(トリエチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、1−tert−ブトキシ−3−(トリエチルシリルオキシ)−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−4−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−ペンタジエン、1−(トリメチルシリルオキシ)−1,3−メトキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
【0044】
発明の方法で得られる下記一般式(9)
【0045】
【化18】
【0046】
[式中、*は不斉炭素原子を表し、R9、R10は各々独立して、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表し、R9は水素原子をも表す。
【0047】
R11は水素、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルケニル基、炭素数1〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキニル基、フェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェニル基、ナフチル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキルカルボニル、炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルケニルカルボニル基、炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキニルカルボニル基、フェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、炭素数3〜8のシクロアルキルカルボニル基、フェニル基を有する炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜9の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、炭素数1〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、炭素数1〜9の直鎖の若しくは分岐したアルキル基で核が1〜4置換されたフェニルオキシカルボニル基を表す。但し、R10とR11は等しくない。Aは酸素、窒素、イオウ、又はセレン原子を表す。]
で示されるピラン化合物は、上記アルデヒド類又はケトン類とジエン類のあらゆる組み合わせで生成可能であり、置換基R9、R10、R11が結合した炭素の立体は、触媒の種類、反応基質の種類により異なる。
【0048】
本反応の反応に当たってはアルデヒド類とジエン類を等モル量で反応を実施するが必要に応じて、アルデヒド類をジエン類に対して、0.9〜1.1モル比で使用しても良い。
【0049】
本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応に適用可能な溶剤としては、反応に不活性な溶剤であればあらゆるものが適用可能で、具体的には、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ブロモホルム、ジブロモメタン等のハロゲン化溶剤等が挙げられる。
【0050】
本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応における反応温度としては、反応に具する基質に対して異なるが、通常、−78℃〜100℃の範囲で実施可能であり、多くの反応においては−20℃〜50℃の温度範囲で高収率、高光学純度を与える。
【0051】
本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応における基質濃度としては、特に規定はないが、溶剤に対して通常0.1重量%〜50重量%の範囲で反応を実施する。
【0052】
本発明の不斉ヘテロ・ディールス・アルダー環化反応における反応時間は反応に具する基質の種類、触媒の種類により異なるが通常は96時間以内に反応が完結する。
【0053】
反応終了後、後処理操作に規定はないが、具体例としては、トリフルオロ酢酸を適量添加、次いでピリジン及び水を添加、ジクロロメタンで抽出した後、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮することにより粗製の目的物を得る方法等でがある。目的物の精製に当たっては、シリカゲル分集薄層クロマト又は分集カラム等、蒸留、再結晶等の通常の方法を用いることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明の新規なビナフトール−リン酸塩誘導体は実用性の高い反応条件で使用でき且つ高い光学純度を与える不斉合成触媒として使用可能であり、また本発明の新規なビナフトール−リン酸誘導体はその中間体として有用である。
【0055】
さらに、本発明の方法により得られるピラン化合物類は、医、農薬合成中間体として有用な化合物である。
【0056】
【実施例】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0057】
(旋光度の測定)
HORIBA製SEPA−300を使用。
【0058】
(融点測定)
ヤナコ(株)製MP−500Dを使用。
【0059】
(1H−NMR、13C−NMRの測定)
JOEL製JNM−EX400を使用(400MHz)。
【0060】
(HRFABMASSの測定)
JOEL製JMS−HX110を使用。
【0061】
(元素分析)
九州大学中央分析センターへ依頼。
【0062】
(IR測定)
JOEL製JIR−WINSPEC50を使用。
【0063】
(光学純度の検定)
ダイセル(株)のキラルカラムODを装着した高速液体クロマトグラフィーで行い、溶離溶媒:Hexane/i−PrOH=2/1〜100/1(vol/vol)、流量1ml/minで測定した。
【0064】
参考例1 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールの調製
マグネット攪拌子を入れた500mlのナス型フラスコに(R)−(−)−6,6’−ジブロモ−2,2’−ジベンジルエーテル10.0g(16.02mmol)、ビストリフェニルフォスフィンジクロロパラジウム590mg(1.602mmol)、塩化第一銅310mg(1.602mmol)、tert−n−ブチルアンモニウムアイオダイド590mg(1.602mmol)、トリエチルアミン106ml、1−オクチン14ml(96.12mmol)を仕込み、これを攪拌しながら加熱し、80℃で12時間反応を行った。
【0065】
反応終了後、室温まで冷却の後、ジエチルエーテル300mlを添加、セライトを充填したカラムを通すことにより固体を除去、次いで濃縮、乾燥することにより、粗製の(R)−(−)−6,6’−(1−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジベンジルエーテル10.9gを得た。
【0066】
得られた(R)−(−)−6,6’−(1−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジベンジルエーテルは精製することなく、次反応に用いた。
【0067】
攪拌子を入れた500mlのナス型フラスコに、粗製の(R)−(−)−6,6’−(1−オクテニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジベンジルエーテル10.6g、酢酸エチル150ml、N,N−ジイソプロピルエチルアミン2.78mlを入れ、系内をアルゴンで置換した後、10%パラジウム−炭素1.09gを入れ、次いで系内を水素置換し、室温で攪拌しながら12時間反応を行った。
【0068】
得られた反応液は、セライトを充填したカラムを通し、触媒を除去した後、濃縮、次いでシリカゲルカラムクロマトで精製(へキサン/酢酸エチル=19/1)、濃縮することにより、透明な黄色液体4.26g(収率:52%/2工程)を得た。
【0069】
<分析結果>
Rf=0.46(へキサン/酢酸エチル=4/1)
旋光度:[α]D 24 −58.00°(c=1.2CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ7.90(d,2H,J=9.27Hz,C20H10),7.66(s,2H,C20H10),7.35(d,2H,J=9.27Hz,C20H10),7.16(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.08(d,2H,J=8.30Hz,C20H10),4.97(br,2H,OH),2.71(t,4H,J=7.82Hz,CH2CH2(CH2)5CH3),1.68−1.64(m,4H,CH2CH2(CH2)5CH3),1.32−1.24(m,20H,CH2CH2(CH2)5CH3),0.87(t,6H,J=6.84Hz,CH2CH2(CH2)5CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ152.05,138.63,131.68,130.79,129.60,128.99,126.85,124.13,117.60,110.85,35.78,31.88,31.43,29.49,29.38,29.25,22.67,14.11
HRFABMASS m/z 測定値 510.3477(M)+,
(計算値 C36H46O2:510.3498)
元素分析(%) 測定値 C,84.62;H,9.08
(計算値 C36H46O2:C,84.66;H,9.08)。
【0070】
参考例2 (R)−(−)−6,6’−ビス(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールの調製
還流コンデンサー、セプタムキャップ及びマグネット攪拌子をを備えた100mlのナス型3口フラスコに、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム889mg(0.7693mmol)、2,6−キシリルホウ酸3.00g(20.00mmol)及び水酸化バリウム・6水和物7.28g(23.08mmol)を仕込んだ。次いで系内をアルゴン置換した後、1,2−ジメトキシエタン46.2mlに2,2’−ジベンジルオキシ−6,6’−ジブロモ−1,1’−ビナフチル4.80g(7.693mmol)を溶解した溶液を50mlのシリンジを用いセプラムを通して系内に注入し、さらに水7.7mlを添加した。
【0071】
得られた混合物を攪拌しながらオイルバス上で80℃に加熱し、同温度で2.5時間反応を行った。
【0072】
反応終了後、室温まで冷却し、次いでトルエン抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮、シリカゲルカラムクロマト(へキサン/酢酸エチル=8/2〜7/3)で精製することにより(R)−(+)−2,2’−ジベンジルオキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)・1水和物5.3gを無色の結晶として得た(収率:97%)。
【0073】
<分析結果>
融点 89.6℃
Rf=0.44(へキサン/酢酸エチル=9/1)
旋光度:[α]D 20 +89.0°(c=1.0CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ7.92(d,2H,J=8.79Hz,aromatic),7.91(s,2H,aromatic),7.45(dd,4H,J=8.79,8.30Hz,aromatic),7.20−7.07(m,14H,aromatic),6.96(d,4H,J=6.83Hz,aromatic),5.08(s,4H,OCH2),2.08(d,12H,J=4.39Hz,CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ153.85,141.78,137.41,136.35,132.94,129.54,129.27,128.99,128.19,128.06,127.55,127.29,127.24,126.98,126.78,125.77,120.69,115.94,71.02,21.04,21.00
IR(KBR,(ν cm-1)3712,3061,3030,2947,2918,1589,1483,1452
HRFABMASS m/z 測定値 674.3142(M)+,
(計算値 C50H42O2:674.3185)
元素分析(%) 測定値 C,86.60;H,6.15
(計算値 C50H42O2・H2O:C,86.67;H,6.40)。
【0074】
マグネット攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコに(R)−(+)−2,2’−ジベンジルオキシ−1,1’−ビナフチル−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)・1水和物1.49g(2.102mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン385μL(2.208mmol)及び酢酸エチル22mlを仕込み、系内をアルゴン置換した後、10%パラジウム−炭素149gを仕込んだ。次いで系内を水素置換し、攪拌しながら室温で12時間反応を行った。
【0075】
反応終了後、セライトを充填したカラムで固体を分離し、次いで濃縮、シリカゲルカラムクロマト(へキサン/酢酸エチル=19/1〜4/1)で精製することにより目的物の(R)−(−)−6,6’−ビス(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール・1水和物1.07g(収率97%)を淡黄色固体として得た。
【0076】
<分析結果>
Rf=0.31(へキサン/酢酸エチル=4/1)
旋光度:[α]D 27 −62.90°(c=1.0,CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ7.97(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.68(s,2H,C20H10),7.42(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.33(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.21−7.14(m,8H,C20H10,C6H3(CH3)2),2.07(s,12H,CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ152.69,141.34,136.82,136.31,132.10,131.35,129.56,129.30,128.23,127.35,127.16,124.29,117.87,110.92,21.06
HRFABMASS m/z 測定値 494.2240(M)+,
(計算値 C36H30O2:494.2246)
元素分析(%) 測定値 C,84.05;H,6.19
(計算値 C36H30O2・H2O:C,84.35;H,6.29)。
【0077】
実施例1 (R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/4水和物の調製
マグネット攪拌子を入れた100mlのナス型フラスコに(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール(5.91g,11.57mmol)、ジクロロメタン12mlを仕込み、溶解させた。次いで、オキシ塩化リン2.32ml(17.36mmol)を入れ、反応器を氷浴上に移し、0℃に冷却した後、トリエチルアミン4.84ml(34.71mmol)、ジクロロメタン3.05mlからなる溶液7.33mlを30分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で40分攪拌した後、室温に戻し、さらに1時間攪拌し反応を行った。
【0078】
反応終了後、0℃に冷却し、水を添加、ジクロロメタンで抽出、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮することにより、粗製の(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド6.69gを得た。得られた(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライドは精製することなく反応に用いた。
【0079】
<分析結果>
Rf 0.47(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)
旋光度:[α]D 17 −373.40°(c=1.0,CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ7.99(dd,2H,J=7.32,7.82Hz,C20H10),7.74(d,2H,J=6.34Hz,C20H10),7.57(d,1H,J=8.79Hz,C20H10),7.49(d,1H,J=8.79Hz,C20H10),7.33(dd,2H,J=9.28,10.74Hz,C20H10),7.21−7.17(m,2H,C20H10),2.76(t,4H,J=6.34Hz,CH2CH2(CH2)5CH3),1.71−1.67(m,4H,CH2CH2(CH2)5CH3),1.34−1.27(m,20H,CH2CH2(CH2)5CH3),0.87(t,6H,J=6.35Hz,CH2CH2(CH2)5CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ145.98,145.85,145.75,145.64,141.08,132.38,132.21,131.17,130.95,130.49,128.68,127.11,126.89,126.84,121.59,121.44,120.11,119.76,35.76,31.85,31.13,31.08,29.43,29.36,29.23,22.65,14.09
HRFABMASS m/z 測定値 591.2788(M+H)+,
(計算値 C36H45ClO3P:591.2795)
元素分析(%) 測定値 C,73.27;H,7.52
(計算値 C36H44ClO3P:C,73.14;H,7.50)。
【0080】
還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を備えた200mlのナス型フラスコに、得られた粗製(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド1.68g(2.842mmol)、2%炭酸ナトリウム水溶液50ml、THF10mlを仕込み、攪拌しながらオイルバス上で75−85℃に加熱し、5時間反応を行った。
【0081】
反応終了後、室温まで冷却し、さらに冷蔵庫内で12時間保持し、次いで、析出物をろ取し、炭酸ナトリウム2%水溶液で洗浄した。
【0082】
還流コンデンサー及び攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコに得られた析出物、水23.1ml、35%塩酸1.8ml及びテトラハイドロフラン(以下THFと略す)10mlを仕込み、攪拌しながらオイルバス上で80℃に加熱し4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、次いでジクロロメタンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮、減圧下110℃で12時間乾燥することにより目的物の(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸1.46g(収率90%)を黒褐色粘脹物として得た。
【0083】
<分析結果>
旋光度:[α]D 21 −296.30°(c=1.0,CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ7.89(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.69(s,2H,C20H10),7.50(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.33(d,2H,J=8.30Hz,C20H10),7.16(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),2.75(t,4H,J=7.32Hz,CH2CH2(CH2)5CH3),1.69−1.67(m,4H,CH2CH2(CH2)5CH3),1.33−1.27(m,20H,CH2CH2(CH2)5CH3),0.88(dd,6H,J=7.33,6.34Hz,CH2CH2(CH2)5CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ146.20,140.40,136.09,132.05,130.64,128.28,127.04,126.76,121.31,120.38,35.78,31.87,31.17,29.47,29.36,29.25,22.67,14.11
IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,3649,3307,2926,2854
HRFABMASS m/z 測定値 573.3134(M+H)+,
(計算値 C36H46O4P:573.3134)
元素分析(%) 測定値 C,74.94;H,8.06
(計算値 C36H45O4P・1/4H2O:C,74.91;H,7.95)。
【0084】
実施例2 (R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/2水和物の調製
実施例1で用いた(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール(5.91g,11.57mmol)を(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール5.73g(11.57mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作で(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド6.92g(収率:quant.)を白色固体として得た。
【0085】
<分析結果>
Rf 0.55(へキサン/酢酸エチル=4/1)
旋光度:[α]D 21 −301.90°(c=1.0,CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ8.08(q,2H,J=4.40Hz,C20H10),7.79(d,2H,J=5.86Hz,C20H10),7.67(d,1H,J=8.78Hz,C20H10),7.58(d,2H,J=8.78Hz,C20H10),7.55(d,1H,J=8.79Hz,C20H10),7.22−7.12(m,8H,C20H10,C6H3(CH3)2),2.13(s,6H,CH3),2.00(s,6H,CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ146.17,140.62,139.23,136.09,135.96,135.85,132.38,132.19,131.85,131.61,130.93,128.96,128.33,127.44,127.37,127.27,127.15,126.32,121.57,120.42,119.98,20.95,20.89,20.82
IR(KBr,ν cm-1)3733,3338,3020,2975,
1475, 1461,1317,960,678
HRFABMASS m/z 測定値 574.1460(M)+,
(計算値 C36H28ClO3P:574.1465)。
【0086】
還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を備えた200mlのナス型フラスコに得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライド1.57g(2.730mmol)、炭酸ナトリウム2%水溶液48mlを仕込み、攪拌しながらオイルバス上で80−110℃に加熱し、1時間反応を行った。
【0087】
反応終了後、室温まで冷却し、さらに冷蔵庫内で12時間保持し、次いで、析出物をろ取し、炭酸ナトリウム2%水溶液で洗浄した。
【0088】
還流コンデンサー及び攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコに得られた析出物、水22.2ml、35%塩酸1.7mlを仕込み、攪拌しながらオイルバス上で95℃に加熱し1時間反応を行った。
【0089】
反応終了後、室温まで冷却し、次いでジクロロメタンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮、減圧下120℃で16時間乾燥することにより目的物の(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸495mg(収率33%)を無色の結晶として得た。
【0090】
<分析結果>
旋光度:[α]D 26 −265.95°(c=1.0,CHCl3)
1H−NMR(CDCl3)δ8.03(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.76(s,2H,C20H10),7.64(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.58(d,2H,J=8.79Hz,C20H10),7.22−7.12(m,8H,C20H10,C6H3(CH3)2),2.14(s,6H,CH3),1.99(s,6H,CH3)
13C−NMR(CDCl3)δ147.28,147.19,140.94,138.32,136.07,135.96,131.85,131.10,131.02,128.32,128.10,127.38,127.31,127.24,121,61,120.91,20.91,20.80
IR(KBr,ν cm-1)3853,3648,3307,1226,1207,1027,950,892,767
HRFABMASS m/z 測定値 557.1879(M)+,
(計算値 C36H29O4P:557.1882)
元素分析(%) 測定値 C,76.54;H,5.29
(計算値 C36H29O4P・1/2H2O:C,76.45;H,5.35)。
【0091】
実施例3 (R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/4水和物の調製
マグネット攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコに、アルゴン雰囲気下(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール1.14g(3.87mmol)、オキシ塩化リン710μl(7.62mmol)及びジクロロメタン8mlを仕込み、攪拌溶解させた後、これにトリエチルアミン1.60ml(11.5mmol)を添加し、室温で12時間反応を行った。
【0092】
反応終了後、水を添加、16mlのジクロロメタンで抽出、水洗、硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮することにより、(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライドを無色の固体として得た。
【0093】
<分析結果>
1H−NMR(CDCl3)δ7.19−7.17(3H,Aromatic),7.06(dd,1H,J=1.95,8.30Hz),2.90−2.78(m,4H),2.72−2.63(m,2H),2.28(dt,2H,J=5.37,16.11Hz),1.86−1.77(m,6H),1.63−1.51(m,2H)。
【0094】
還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を備えた200mlのナス型フラスコに得られた(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸クロライドと2%炭酸ナトリウム水溶液85ml及びTHF10mlを添加し、攪拌しながら加熱し、65℃で4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、減圧下THFのほとんどを留去、次いで冷蔵庫内で12時間保持した。冷却により析出した固体をろ取、2%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄、減圧下70℃で乾燥することにより、(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸ナトリウム1.42g(収率:97%)。
【0095】
還流コンデンサー及び攪拌子を備えた100mlのナス型フラスコに(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸ナトリウム1.01g(2.67mmol)、35%塩酸6ml及び水45mlを仕込み、攪拌しながら加熱し、70℃で2時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、析出物をろ取、水洗、120℃で10時間乾燥することにより、(R)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸982mg(収率:94%/2工程)を無色の固定として得た。
【0096】
<分析結果>
分解開始温度 289℃
旋光度:[α]D 20 −250°(c=1.0,EtOH)
1H−NMR(CD3OD)δ7.22(d,2H,J=8.30Hz,Aromatic),7.08(d,2H,J=8.30Hz,Aromatic),2.91−2.86(m,4H),2.80−2.72(m,2H),2.30−2.23(m,2H),1.89−1.80(m,6H),1.61−1.55(m,2H)
13C−NMR(CD3OD)δ147.98,147.88,139.45,136.86,131.11,127.47,119.34,30.02,28.87,23.60,23.47
IR(KBr,ν cm-1)2935,2858,1471,1439,1423,1311,1263、1252,1227,1157,1056,1049,962,904,895,833,816,710
HRFABMASS m/z 測定値 357.1255(M+H)+,
(計算値 C20H22O4P:357.1256)
元素分析(%) 測定値 C,66.48;H,5.92
(計算値 C20H21O4P・1/4H2O:C,66.57;H,6.01)。
【0097】
実施例4 ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・2水和物の調製
還流コンデンサー及びマグネット攪拌子を備えた50mlのナス型フラスコに、実施例1で得られた(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸203mg(0.3544mmol)、3N水酸化ナトリウム水溶液115μL(0.3443mmol)及びメタノール2.1mlを入れ、攪拌しながら加熱し、還流条件下とした後、これに塩化ガドリウム・6水和物41.8mg(GdCl3,0.1125mmol)をメタノール0.5mlに溶解させた溶液をゆっくり添加した後、さらに同条件下で12時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却し、析出物をろ過、次いでメタノールで洗浄、減圧下、125℃で14時間乾燥することにより目的物ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩196mg(収率:93%)を淡い黄褐色固体として得た。
【0098】
<分析結果>
旋光度:[α]D 22 −195.50°(c=1.0,CHCl3)
IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,3649,3307,2926,2852
元素分析(%) 測定値 C,67.72;H,7.23
(計算値 C108H132O12P3Gd・2H2O:C,67.97;H,7.18)
実施例5 イッテルビウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・5水和物の調製
塩化ガドリウム・6水和物を、塩化イッテルビウム・6水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0099】
<分析結果>
旋光度:[α]D 22 −155.15°(c=1.0,CHCl3)
IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,3649,3307,2924,2852
元素分析(%) 測定値 C,65.30;H,7.17
(計算値 C108H132O12P3Yb・5H2O:C,65.57;H,7.24)。
【0100】
実施例6 スカンジウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・1水和物の調製
塩化ガドリウム・6水和物を、三塩化スカンジウム・6水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0101】
<分析結果>
旋光度:[α]D 23 −346.90°(c=1.0,CHCl3)
IR(KBr,ν cm-1)3853,3735,3649,3307,2924,2852
元素分析(%) 測定値 C,73.24;H,7.75
(計算値 C108H132O12P3Sc・1H2O:C,72.95;H,7.60)。
【0102】
実施例7 ガドリウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・4水和物の調製
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0103】
<分析結果>
旋光度:[α]D 23 −144.20°(c=1.0,CHCl3)
IR(KBr,ν cm-1)3853,3649,3307,1240,1103
元素分析(%) 測定値 C,68.24;H,5.23
(計算値 C108H84O12P3Gd・4H2O:C,68.41;H,4.89)。
【0104】
実施例8 イッテルビウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・4水和物,5水和物の調製
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変え、塩化ガドリウム・6水和物を、塩化イッテルビウム・6水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。乾燥温度の違いにより4水和物又は5水和物を形成した。
【0105】
<分析結果>
旋光度:[α]D 23 −147.70°(c=1.0,CHCl3)
IR(KBr,ν cm-1)3853,3649,3307,1240,1103
元素分析(%)
4水和物 測定値 C,67.66;H,4.91
(計算値 C108H84O12P3Yb・4H2O:C,67.85;H,4.85)
5水和物 測定値 C,67.08;H,4.71
(計算値 C108H84O12P3Yb・5H2O:C,67.22;H,4.91)。
【0106】
実施例9 スカンジウムトリス(R)−(−)−6,6’−ジ(2”,6”−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・4水和物の調製
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例2で得られた(R)−(−)−6,6’−ビス(2,6−ジメチルフェニル)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/2水和物に変え、塩化ガドリウム・6水和物を、三塩化スカンジニウム・6水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0107】
<分析結果>
旋光度:[α]D 23 −107.40°(c=1.0,CHCl3)
HRFABMASS m/z 1711.4819 (M+H)+
(計算値 C108H85O12P3Sc:C,1711.4813)
元素分析(%) 測定値 C,72.62;H,5.64
(計算値 C108H84O12P3Sc・4H2O:C,72.72;H,5.20)。
【0108】
実施例10 スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩・4水和物の調製
(R)−(−)−6,6’−ジ−n−オクチル−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸を、実施例3で得られた(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸・1/4水和物に変え、塩化ガドリウム・6水和物を、三塩化スカンジニウム・6水和物に変える以外は、実施例4と同様な操作を行い、目的の化合物を得た。
【0109】
<分析結果>
外観 無色固体
分解開始温度 248℃
IR(KBr,ν cm-1)2931,2858,1471,1448,1437,1423,1252,1225,1111,1057,962,889,877,833,812
元素分析(%) 測定値 C,61.05;H,5.45
(計算値 C60H60O12P3Sc・4H2O:C,60.91;H,5.79)。
【0110】
実施例11 2−フェニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの製造
マグネット攪拌子を入れた5mlの丸底フラスコに実施例8で得られた触媒(4水和物)19.1mg(0.01mmol)、ジクロロメタン1mlを添加し溶解させ、続いてベンズアルデヒド(10μl,0.1mmol)、1−メトキシ−3−トリメチルシリルオキシ−1,3−ブタジエン(純度:90%,30.0μl,0.150mmol)添加し、室温で24時間反応を行った。反応終了後、トリフルオロ酢酸をマイクロシリンジで2滴添加、次いでピリジンをマイクロシリンジで3滴添加した後、水1mlを添加した。引き続き、ジクロロメタンで抽出、無水硫酸マグネシウム上で乾燥、濃縮、分集用シリカゲルカラムクロマト(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより目的物の(R)−2−フェニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オン16.1mgを得た。
【0111】
分析の結果、収率93%、光学純度19%(R)であった。
【0112】
実施例12〜実施例18
実施例11と同じ反応装置を用い、表1中に示した条件下反応を行った。結果を表1中に示した。なお表1中に記載のない条件については実施例11と同じ条件で反応を行った。
【0113】
【表1】
【0114】
実施例19 2−(4−メトキシフェニル)−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの製造
実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドを4−メトキシベンズアルデヒドに替え、室温で16時間反応を行った以外、実施例11と同じ操作を行い、2−(4−メトキシフェニル)−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンを収率99%、光学純度94%ee(R)で得た。
【0115】
実施例20 2−イソプロピル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの製造
実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル イソプロピルグリオキシレートに替え、室温で16時間反応を行った以外、実施例11と同じ操作を行い、2−イソプロピル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンを収率10%、光学純度45%ee(R)で得た。
【0116】
実施例21 2−メチル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの製造
実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル メチルグリオキシレートに替え、室温で16時間反応を行った以外、実施例11と同じ操作を行い、2−メチル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンを収率39%、光学純度17%ee(S)で得た。
【0117】
実施例22 2−フェニル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンの製造
実施例10で得られた化合物[スカンジウムトリス(R)−(−)−5,6,7,8,5’,6’,7’,8’−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジイルリン酸塩]を触媒に用い、ベンズアルデヒドをエチル フェニルグリオキシレートに替え、室温で16時間反応を行った以外、実施例11と同じ操作を行い、2−フェニル−2−エトキシカルボニル−2,3−ジハイドロ−4H−ピラン−4−オンを収率44%、光学純度3%ee(S)で得た。
Claims (3)
- 下記一般式(5)、一般式(6)、一般式(7)又は一般式(8)で示されるビナフトール−リン酸誘導体。
水素、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、
ビニル基、又は炭素数3〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、
フェニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ビニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ナフチル基、又は
炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。但し、R1〜R4が同時に水素になることはない。またMは3価の金属イオンを形成可能なランタノイド系列元素を表す。]
水素、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、
ビニル基、又は炭素数3〜20の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜20の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基、
フェニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ビニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ナフチル基、又は
炭素数3〜8のシクロアルキル基を表す。またMは3価の金属イオンを形成可能なランタノイド系列元素を表す。] - 請求項1に記載のビナフトール−リン酸塩誘導体を含有することを特徴とする不斉合成触媒。
- 請求項1に記載のビナフトール−リン酸塩誘導体を含有する不斉合成触媒の存在下、アルデヒド類又はケトン類とジエン類を反応させることを特徴とする下記一般式(9)
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、
ビニル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルケニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキニル基、
フェニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ビニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
メトキシ基、エトキシ基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ナフチル基、
炭素数3〜8のシクロアルキル基、
フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表し、R9は水素原子をも表す。R11は
水素、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキル基、
ビニル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルケニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜20の直鎖の若しくは分岐したアルキニル基、
フェニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ビニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニル基、
メトキシ基、エトキシ基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルコキシ基で核が1〜4置換されたフェニル基、
ナフチル基、
炭素数3〜8のシクロアルキル基、
フェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜10の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜10のアルキル基、
メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、又は炭素数3〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキルカルボニル、
ビニルカルボニル基、又は炭素数3〜19の直鎖の若しくは分岐したアルケニルカルボニル基、
エチニルカルボニル基、又は炭素数3〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキニルカルボニル基、
フェニルカルボニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜9の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、
ビニル基、又は炭素数3〜9の分岐した若しくは直鎖のアルケニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、
エチニル基、又は炭素数3〜9の分岐した若しくは直鎖にアルキニル基で核が1〜4置換されたフェニルカルボニル基、
ナフチルカルボニル基、
炭素数3〜8のシクロアルキルカルボニル基、
フェニル基を有する炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜9の分岐した若しくは直鎖のアルキル基で核が1〜4置換されたフェニル基を有する炭素数1〜9のアルキルカルボニル基、
メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、又は炭素数3〜19の直鎖の若しくは分岐したアルキルオキシカルボニル基、
フェニルオキシカルボニル基、
メチル基、エチル基、又は炭素数3〜9の直鎖の若しくは分岐したアルキル基で核が1〜4置換されたフェニルオキシカルボニル基を表す。但し、R10とR11は等しくない。Aは酸素、窒素、イオウ、又はセレン原子を表す。]で示されるピラン化合物の製造方法。
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