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JP4719931B2 - 高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置 - Google Patents

高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置 Download PDF

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JP4719931B2 JP2001075593A JP2001075593A JP4719931B2 JP 4719931 B2 JP4719931 B2 JP 4719931B2 JP 2001075593 A JP2001075593 A JP 2001075593A JP 2001075593 A JP2001075593 A JP 2001075593A JP 4719931 B2 JP4719931 B2 JP 4719931B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー装置の光共振器の光閉回路長、或いは共振器と類似構造のミラー群位置回路距離を、本発明の装置で用いる近赤外モードロック極短パルスレーザー波長の十分の一から数十分の一以下の精度で、計測する高精度距離計測装置に関するものである。
【0002】
特に、本発明の高精度距離計測装置は、計測対象とする光共振器あるいは共振器類似ミラー光閉回路等を構成する、あるミラー表面から全光回路を構成するその他のミラー群の表面によって決定される光閉回路の長さを直接比較し、計測する事が可能で、間接的な接触計測は全く不要である。また、構造物のある特定位置間の距離を計測するのにこの方法を用いる場合でも同様の精度でこの構造物上の位置とミラー面間の3次元距離を計測する事が可能である。
【0003】
【従来の技術】
従来のレーザー装置の光共振器の光閉回路長、或いはそれと類似構造のミラー群位置回路距離を計測する場合は、剛性の高い、温度係数が近似的にゼロの金属等を用いて製作された棒やワイヤーを外部の副尺に関係付けて計測するのが一般的である。またこの棒やワイヤーの代わりにヘリウムネオン2波長型のレーザー干渉計で干渉縞を計数して直線距離を求める場合もある。
【0004】
しかしながら位置関係を計測する上記別光学系を用いる場合でも、上記機械的な物差しを用いる場合でも、対象とする反射鏡そのものの反射表面が変形、傷つき易いので、それから非接触で位置関係を計測することは不可能である。このため干渉計そのものはヘリウムネオンレーザーの波長の633nmの100分の1程度まで、つまりナノメーター領域の誤差が可能であるが、その周辺の位置関係が大きな誤差を持ち、たとえば機械加工ねじの当たり面の変形は10ミクロン以上が通常である。
【0005】
特段の配慮をしないと、たとえ干渉計を用いても、30ミクロン程度の誤差が普通で、物差しの高精度なものであるマイクロメーターと大差が無いことになる。このため非常に大きな計測誤差が、精度が必要な光共振器距離計測あるいは同様の光閉回路長計測に関して大きな問題が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このような問題点を解決して、閉回路鏡システムの光閉回路長計測及びこれらの鏡に対して位置関係が十分な精度で計測された構造物等の位置計測等において、いままで避けられなかった接触計測の誤差を除いて、非接触、高速、実時間で、位置関係を計測できる高精度時間標準された極短レーザーパルスを使用する距離計測装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、この問題点解決のため鋭意研究の結果、次の構成の高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置に想到した。
【0008】
即ち、剛性の高い、温度係数が近似的にゼロの金属等を用いて製作された棒やワイヤーを外部の副尺に関係付けて計測する従来の方法、あるいはレーザー干渉計で干渉縞を計数して直線距離を求める従来の装置の替わりに、本願発明は次のように構成されたものである。
【0009】
本発明のレーザーパルス距離計測装置は、光閉回路を形成するように配置された複数のミラー(図1に示す10と12、図2(a)、(b)に示す複数のミラー)と、フェムト秒領域の時間幅のレーザーパルス光を出力する光パルスレーザー装置(6)であって、レーザーパルス光が光閉回路に入射されるように配置され、レーザーパルス光の繰り返し周波数が可変とされている光パルスレーザー装置(6)と、光閉回路から外部に取り出された光の強度を検出するように配置された光検出器(2)と、を備え、レーザーパルス光の繰り返し周波数を変化させる間に光検出器(2)により検出された光の強度(オシロスコープ8に表示)が最大値をとるときのレーザーパルス光の繰り返し周波数に基づいて複数のミラー間の距離(図1に示すミラー10と12との間の距離、図2(a)、(b)に示す2つのミラー間の距離を総合した距離)を計測することを特徴としたものである。また、本発明は次の特徴を備えることができる。
【0010】
複数のミラー(図1に示す10と12、図2(a)、(b)に示す複数のミラー)は、予め十分な精度で3次元測長された測定目的位置の周辺に配置され、複数のミラーと測定目的位置との間の位置関係を用いて、計測された複数のミラー間の距離(図1に示すミラー10と12との間の距離、図2(a)、(b)に示す2つのミラー間の距離を総合した距離)から、測定目的位置数値情報を得る。
【0011】
光パルスレーザー装置(6)は、高精度の外部時間標準発信器(5)とサブピコ秒以下のジッター誤差で同期を正確に取っている。極短レーザーパルス光のモードロック周波数を、高精度の外部時間標準発振器(5)を用いて、計測する距離の整数倍または整数分の一に対応する繰り返し周波数或いは距離に一致する周波数に合わせる。
【0012】
変動補償光検出器(1)と、光パルスレーザー装置から出力された光レーザーパルスを分割するスプリッター(9)と、を更に備え、スプリッター(9)により分割された光レーザーパルスの一方は、光閉回路に入射し、他方は、変動補償光検出器(1)に入射し、光検出器(2)により検出された光レーザーパルスの強度は、変動補償光検出器(1)により検出された光レーザーパルスの強度によって、変動補償される。
【0013】
レーザーパルス装置からの光レーザーパルスは、外部レンズ系(7)で閉回路内部の光学系の焦点を合わせた収束光か、または平行光で入射する。
【0014】
光閉回路内の1循環或いは1往復後の光強度の減少を最小に調整することによって複数のミラー(図1に示す10と12、図2(a)、(b)に示す複数のミラー)の可能な全ての位置決定を高精度かつ高速で実行する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の構成を図面について具体的に説明する。図1において、対象とする光閉回路と高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置が示されている。
【0016】
1は高速強度変動補償光検出器、2は高速反射方向光検出器、3は高速反射方向光検出器、4は高速入射方向光検出器、5は高精度外部時間標準発振器、6はフェムト秒領域の時間幅の光パルスレーザー装置、7は整合光学系、8は表示装置オシロスコープ、9はスプリッター、10は全反射ミラー、11ハーフミラー、12ハーフミラー、13はハーフミラーである。
【0017】
高精度外部時間標準発振器5で高精度時間標準された、フェムト秒領域の時間幅の光パルスレーザー装置6からでたフェムト秒レーザー光は、整合光学系7によって整合を取りながら対象とする光閉回路(ミラー10−11−12)へ入射され、そこに蓄積され、光閉回路から外部に取り出された光が、高速反射方向光検出器2、3、高速入射方向光検出器4によって減衰が検知され、表示装置オシロスコープ8で表示される。
【0018】
レーザーくり返し時間間隔が光閉回路往復距離と一致するとき、表示される検出器2の表示装置8の信号強度は最大になる。高精度外部時間標準発振器のくり返し時間を変化させ、信号強度の最大点を与える繰り返し周波数から距離計測を実現する。フェムト秒レーザーは30個ほどの波があり、この0.8ミクロンの波の重ね合わせによって鋭敏な干渉が発生し、長距離の高精度の距離計測が可能となる。
【0019】
例えば、信号強度の最大点を与える繰り返し周波数が1MHzでは距離150mが計測され、10MHzでは距離15mが計測され、100MHzでは距離1.5mが計測され、0.1MHzでは距離1500mが計測され、0.001MHzでは距離15000mが計測される。
【0020】
整合光学系7から出た極短レーザーパルス光が、反射ミラー13で反射された後にスプリッター9に入射する。スプリッターで反射された光は高速強度変動補償光検出器1に入射し、減衰した光が検知される。
【0021】
スプリッターを透過したパルス光がハーフミラー12を経てハーフミラー11に入射する。ハーフミラー11に入射したパルス光の1部が反射され、全反射ミラー10に入射し、そこで反射されてハーフミラー11に戻る。その1部がハーフミラー11を通過して高速反射方向光検出器3に入射し、減衰された光が検知され、残る光の部分がハーフミラー11で反射され、ハーフミラー12を透過し、その1部がスプリッター13で反射され、高速反射方向光検出器2で減衰した光が検知された後に表示装置8に入射し、パルス光の減衰状態が表示器オシロスコープ8に表示される。
【0022】
スプリッター9からのパルス光でハーフミラー11を通過した光は、高速入射方向光検出器4に入射し、そこで減衰した光が検知される。図1の装置では、発振器5及びレーザー装置6からの光の繰り返し周波数を変化させ、この周波数に一致する距離を計測することができる。閉回路を構成するミラー10ー11ー12の間隔が測定される。
【0023】
ミラーの枚数が増加した場合、距離を測定されるミラーは全反射ミラー10とハーフミラー11との間に挿入される。例えば、ミラーの配置については、図2(a)に示されるように光が正行逆行する場合、図2(b)に示されるように光が正行する場合が存在する。このようなミラー群の中で光が正行逆行する場合は、正行する光でも逆行する光でも外部に取出して検出器で検出することができ、電気信号に変る。又、ミラー群で光が正行する場合は、正行する光のみが検出可能である。
【0024】
【実施例1】
2枚の閉回路光共振器の往復の距離を、この距離に対応する繰り返し周波数を有する高精度外部時間標準発振器からの極短レーザーパルスを用いて、計測し、この距離を高精度で求める。この距離は、 閉回路光共振器を構成するハーフミラーから外部結合して出力される光の強度変化を計測し、その最大値の繰り返し周波数から求めることが出来る。
【0025】
【実施例2】
3枚以上の複数枚の閉回路ミラーの往復の距離を、この距離に対応する繰り返し周波数を高精度外部時間標準発振器を用いて計測し、この距離を高精度で求める。閉回路光共振器を構成するハーフミラーから外部結合して出力される光の強度変化を計測し、最大値の繰り返し周波数から求めることが出来る。ミラー枚数が奇数だと入射及び反射方向検出器が、偶数だと入射方向検出器のみが使用可能である。
【0026】
【実施例3】
2枚の閉回路光共振器の往復の距離を、この距離に対応する繰り返し周波数を高精度外部時間標準発振器を用いて計測し、この距離を高精度で求める。閉回路光共振器を構成するハーフミラーから外部結合して出力される光の強度変化を計測し、最大値の繰り返し周波数から求めることが出来る。これと構造物位置関係情報を用いて、このミラーに高精度で位置関係付けられた構造物位置等の計測が可能となる。
【0027】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明の装置は、「高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置において、今まで閉回路鏡システムの光閉回路長計測及びこれらの鏡に対して位置関係が十分な精度で計測された構造物等の位置計測等において、剛性の高い、温度係数が近似的にゼロの金属等を用いて製作された棒やワイヤーを外部の副尺に関係付けて計測する、あるいはレーザー干渉計で干渉縞を計数して直線距離を求める装置を棒やワイヤーの代わりに用いる従来の装置の替わりに閉回路鏡システムの光閉回路長計測及びこれらの鏡に対して位置関係が十分な精度で計測された構造物等の位置計測等において、いままで避けられなかった接触計測の誤差を除いて、非接触、高速、実時間で計測できる事を特徴とする高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置」である。
【0028】
かかる本発明の装置により、剛性の高い、温度係数が近似的にゼロの金属等を用いて製作された棒やワイヤーを外部の副尺に関係付けて計測する、あるいはレーザー干渉計で干渉縞を計数して副標準ミラー間の直線距離を求める装置を棒やワイヤーの代わりに用いる従来の装置の替わりに、閉回路鏡システムの光閉回路長計測及びこれらの鏡に対して位置関係が十分な精度で計測された構造物等の位置計測等において、いままで避けられなかった接触計測の誤差を除いて、従来の技術では困難であったところの、容易に自動化が可能なままで、避けられなかった接触計測の誤差を除いて、非接触、高速、実時間での計測を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高精度時間標準された極短レーザーパルス距離計測装置を示す図である。
【図2】 ミラーの配置を示す図である。
【図3】 ミラー、レーザー及び光検出器及び変動補償検出器の配置を示す図である。
【符号の説明】
1:高速強度変動補償光検出器
2:高速反射方向光検出器
3:高速反射高速光検出器
4:高速入射方向光検出器
5:高精度外部時間標準発振器
6:フェトム秒領域の時間幅の光パルスレーザー装置
7:整合光学系
8:表示装置オシロスコープ
9:スプリッター
10:全反射ミラー
11:ハーフミラー
12:ハーフミラー
13:反射ミラー

Claims (7)

  1. 光閉回路を形成するように配置された複数のミラーと、
    フェムト秒領域の時間幅のレーザーパルス光を出力する光パルスレーザー装置であって、前記光パルスレーザー装置は、出力されたレーザーパルス光が前記光閉回路に入射されるように配置され、前記レーザーパルス光の繰り返し周波数が可変とされている、前記光パルスレーザー装置と、
    前記光閉回路から外部に取り出された光の強度を検出するように配置された光検出器と、
    を備え、
    前記レーザーパルス光の繰り返し周波数を変化させる間に前記光検出器により検出された光の強度が最大値をとるときの前記レーザーパルス光の繰り返し周波数に基づいて前記複数のミラー間の距離を計測可能とすることを特徴とする、レーザーパルス距離計測装置。
  2. 前記光パルスレーザー装置は、
    高精度の外部時間標準発信器とサブピコ秒以下のジッター誤差で同期を正確に取っている、請求項1に記載のレーザーパルス距離計測装置。
  3. 前記複数のミラーは、予め十分な精度で3次元測長された測定目的位置の周辺に配置され、前記複数のミラーと前記測定目的位置との間の位置関係を用いて、計測された前記複数のミラー間の距離から、測定目的位置数値情報を得る、請求項1又は2に記載のレーザーパルス距離計測装置。
  4. 前記極短レーザーパルス光のモードロック周波数を、前記高精度の外部時間標準発振器を用いて、計測する距離の整数倍または整数分の一に対応する繰り返し周波数或いは距離に一致する周波数に合わせる、請求項2に記載のレーザーパルス距離計測装置。
  5. 変動補償光検出器と、
    前記光パルスレーザー装置から出力された光レーザーパルスを分割するスプリッターと、
    を更に備え、
    前記スプリッターにより分割された光レーザーパルスの一方は、前記光閉回路に入射し、他方は、前記変動補償光検出器に入射し、
    前記光検出器により検出された光レーザーパルスの強度は、前記変動補償光検出器により検出された光レーザーパルスの強度によって、変動補償される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザーパルス距離計測装置。
  6. 前記レーザーパルス装置からの光レーザーパルスは、外部レンズ系で閉回路内部の光学系の焦点を合わせた収束光か、または平行光で入射する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレーザーパルス距離計測装置。
  7. 前記光閉回路内の1循環或いは1往復後の光強度の減少を最小に調整することによって前記複数のミラーの可能な全ての位置決定を高精度かつ高速で実行する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレーザーパルス距離計測装置。
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