JP4716547B2 - 2−フェニルチアゾール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、2−フェニルチアゾール類の製造方法に関する。さらに詳しくは、医薬品、農薬等の製造中間体として有用な2−フェニルチアゾール類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−フェニルチアゾール類の製造法としては、α−ハロケトン類とチオベンズアミド類を反応させる方法等が知られている(新実験化学講座14有機合成と反応[IV]p2192)。ここで、原料となるチオベンズアミド類を製造する方法としては、4−ヒドロキシベンゾニトリルと硫化水素とを反応させる方法(J.Am.Chem.Soc.,94;9,3153,(1972))、ベンゾニトリル類と五硫化リンとを反応させる方法(新実験化学講座14有機合成と反応[III]p1828−1829)、ベンゾニトリル類とチオアセトアミドとをポリリン酸中で反応させる方法(特開平11−60552号公報)等が知られている。
【0003】
しかしながら、前記の4−ヒドロキシベンゾニトリルと硫化水素とを反応させる方法においては、触媒であるトリエチルアミンを4−ヒドロキシベンゾニトリルに対して53モル%と大量に用いている。したがって、引き続きα−ハロケトン類と反応させる際、トリエチルアミンがα−ハロケトン類と副反応を起こすため、チオベンズアミド類を単離するか、使用したトリエチルアミンを除去する工程が必要となる。また、ベンゾニトリル類と五硫化リンとを反応させる方法やベンゾニトリル類とチオアセトアミドとをポリリン酸中で反応させる方法は、リンを大量に含む廃水が排出されるため、高度な処理が必要となる。したがって、これらの方法は、工業的に有利な製造方法とは言い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、工業的に有利な2−フェニルチアゾール類の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、ベンゾニトリル類と硫化水素とα−ハロケトン類とを、触媒の存在下に加圧下で反応させることにより、触媒の使用量が低減でき、かつワンポットで2−フェニルチアゾール類を製造できることを見出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
【0007】
【化4】
(式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキルチオ基を表す。)
【0008】
で表されるベンゾニトリル類と、硫化水素と、下記一般式(2);
【0009】
【化5】
(式中、R4は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は水素原子、カルバモイル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のモノまたはジ置換のアルキルアミノカルボニル基または炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基を、Xはハロゲン原子を表す。)
【0010】
で表されるα−ハロケトン類とを、触媒の存在下に加圧下で反応させることを特徴とする下記一般式(3);
【0011】
【化6】
(式中、R1、R2、R3は、前記一般式(1)と、R4、R5は、前記一般式(2)と同様である。)
【0012】
で表される2−フェニルチアゾール類の製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、ベンゾニトリル類と硫化水素とα−ハロケトン類とを、触媒の存在下に加圧下で反応させる。この際、ベンゾニトリル類と硫化水素との反応により下記一般式(4);
【0014】
【化7】
【0015】
で表されるチオベンズアミド類が生成するチオアミド化反応がまず起こり、続いて、生成したチオベンズアミド類がα−ハロケトン類と反応して2−フェニルチアゾール類が生成するチアゾール化反応が連続して起こるものと考えられる。したがって、見かけ上、反応が一工程で進行することとなるため、ワンポットで2−フェニルチアゾール類を製造することができる。
【0016】
ここで、前記一般式(4)中、R1、R2、R3は、前記一般式(1)と同様である。
【0017】
本発明に用いられるベンゾニトリル類は、下記一般式(1);
【0018】
【化8】
【0019】
で表される化合物である。
【0020】
前記一般式(1)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキルチオ基を表す。
【0021】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0022】
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0023】
前記炭素数1〜4のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
【0024】
前記炭素数1〜4のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基等が挙げられる。
【0025】
前記ベンゾニトリル類の具体例としては、ベンゾニトリル、4−クロロベンゾニトリル、2−ブロモベンゾニトリル、4−シアノフェノール、3−メチルベンゾニトリル、4−エチルベンゾニトリル、4−n−プロピルベンゾニトリル、4−n−ブチルベンゾニトリル、4−tert−ブチルベンゾニトリル、4−メトキシベンゾニトリル、4−エトキシベンゾニトリル、4−n−プロポキシベンゾニトリル、4−n−ブトキシベンゾニトリル、4−tert−ブトキシベンゾニトリル、2−メチル−4−ブロモベンゾニトリル、2−メトキシ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、2−エチル−4−メトキシベンゾニトリル、2−n−プロポキシ−4−クロロベンゾニトリル、2−n−プロピル−4−ニトロベンゾニトリル、2−メチルチオ−4−クロロベンゾニトリル、2−メチル−4−ブロモ−6−ヒドロキシベンゾニトリル、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−6−ニトロベンゾニトリル、2−n−プロピル−4−ニトロ−6−メトキシベンゾニトリル、2−メチルチオ−4−クロロ−6−ヒドロキシベンゾニトリル、2−n−プロポキシ−4−クロロ−6−ブロモベンゾニトリル等が挙げられる。中でも、ベンゾニトリル、4−クロロベンゾニトリル、4−シアノフェノール、4−メトキシベンゾニトリルが好適に用いられる。
【0026】
本発明に用いられる硫化水素の使用量は、通常、ベンゾニトリル類に対して1〜2倍モル、好ましくは1.1〜1.4倍モルである。硫化水素の使用量が1倍モル未満の場合、反応が完結しにくい。また、硫化水素の使用量が2倍モルを越える場合、未反応の硫化水素が多くなり好ましくない。
【0027】
本発明に用いられる触媒は、特に限定されず、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン等のピリジン類が挙げられる。中でも、入手が容易で経済的な観点から、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミンが好適に用いられる。
【0028】
前記触媒の使用量は、通常、ベンゾニトリル類に対して0.1〜20モル%、好ましくは1.0〜10モル%である。触媒の使用量が0.1モル%未満の場合、反応速度が遅くなるおそれがある。また、触媒の使用量が20モル%を越える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でない
【0029】
本発明に用いられるα−ハロケトン類は、下記一般式(2);
【0030】
【化9】
【0031】
で表される化合物である。
【0032】
前記一般式(2)中、R4は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は水素原子、カルバモイル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のモノまたはジ置換のアルキルアミノカルボニル基または炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基を、Xはハロゲン原子を表す。
【0033】
前記炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0034】
前記炭素数1〜4のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、イソブチルカルボニル基、sec−ブチルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基等が挙げられる。
【0035】
前記炭素数1〜4のモノまたはジ置換のアルキルアミノカルボニル基としては、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジエチルアミノカルボニル基、n−プロピルアミノカルボニル基、ジn−プロピルアミノカルボニル基、イソプロピルアミノカルボニル基、ジイソプロピルアミノカルボニル基、n−ブチルアミノカルボニル基、ジn−ブチルアミノカルボニル基、イソブチルアミノカルボニル基、ジイソブチルアミノカルボニル基、sec−ブチルアミノカルボニル基、ジsec−ブチルアミノカルボニル基、tert−ブチルアミノカルボニル基、ジtert−ブチルアミノカルボニル基等が挙げられる。
【0036】
前記炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0037】
前記ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0038】
前記α−ハロケトン類の具体例としては、2−ブロモアセト酢酸エチル、ブロモピルビン酸エチル、2−ブロモアセト酢酸メチル、ブロモピルビン酸メチル、3−ブロモ−2−ブタノン等のα−ブロモケトン類;2−ヨードアセト酢酸エチル、ヨードピルビン酸エチル、2−ヨードアセト酢酸メチル、ヨードピルビン酸メチル、3−ヨード−2−ブタノン等のα−ヨードケトン類;2−クロロアセト酢酸エチル、クロロピルビン酸エチル、2−クロロアセト酢酸メチル、2−クロロアセト酢酸エチル、クロロピルビン酸メチル、3−クロロ−2−ブタノン等のα−クロロケトン類が挙げられる。中でも、安価で入手が容易である観点からクロロピルビン酸エチル、ブロモピルビン酸エチル、2−クロロアセト酢酸エチルが好適に用いられる。
【0039】
前記α−ハロケトン類の使用量は、通常、ベンゾニトリル類に対して1〜1.5倍モル、好ましくは1〜1.3倍モルである。α−ハロケトン類の使用量が1倍モル未満の場合、反応が完結しにくい。また、α−ハロケトン類の使用量が1.5倍モルを越える場合、未反応のα−ハロケトン類が多くなり好ましくない。
【0040】
前記反応における圧力は、通常、1068.9kPa以下、好ましくは294.2〜980.6kPa、より好ましくは490.3〜980.6kPaの範囲である。前記反応における圧力が1068.9kPaを超えても、特に有利な結果を得ることができず、経済的でない。
【0041】
前記反応における温度は、通常、40〜110℃、好ましくは40〜90℃である。反応温度が40℃未満の場合、反応速度が遅くなるおそれがある。また、反応温度が110℃を越える場合、不純物の生成が多くなるので好ましくない。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、3〜20時間である。
【0042】
前記反応に用いられる溶媒としては、特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロホルム、二塩化エチレン、ジエチルエーテル等の非水溶性有機溶媒;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エチルアルコール、メチルアルコール等の水溶性有機溶媒等が挙げられる。中でも、反応後に2−フェニルチアゾール類の単離および触媒、溶媒の回収を容易に行うことができる観点から、トルエン、メチルアルコール、エチルアルコールが好適に用いられる。
【0043】
前記反応溶媒の使用量は、通常、ベンゾニトリル類に対して2〜10倍重量を用いるのが好ましい。反応溶媒の使用量が2倍重量未満の場合、反応が円滑に進行しにくくなるおそれがある。また、反応溶媒の使用量が10倍重量を超える場合、容積効率が悪化するばかりか、収率が低下するおそれがある。
【0044】
反応終了後、放圧して反応系内から過剰の硫化水素を除去し、次いで、反応液を冷却することにより2−フェニルチアゾール類のハロゲン酸塩が析出する。析出した2−フェニルチアゾール類のハロゲン酸塩を濾過等の方法により単離し、アルカリを添加してハロゲン酸塩を遊離した後、トルエン等の有機溶媒で抽出することにより容易に2−フェニルチアゾール類を単離することができる。
【0045】
かくして得られた2−フェニルチアゾール類は、下記一般式(3);
【0046】
【化10】
【0047】
で表される化合物である。
【0048】
前記一般式(3)中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して、前記一般式(1)と同様に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素数1〜4のアルキルチオ基を、またR4、R5は、前記一般式(2)と同様に、R4は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R5は水素原子、カルバモイル基、カルボキシル基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、炭素数1〜4のモノまたはジ置換のアルキルアミノカルボニル基または炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基を、Xはハロゲン原子を表す。
【0049】
前記2−フェニルチアゾール類の具体例としては、2−フェニル−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−フェニル−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−フェニル−4,5−ジメチルチアゾール、2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(4−クロロフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(4−クロロフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(4−クロロフェニル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(4−クロロフェニル)−4,5−ジメチルチアゾール、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルチアゾール、2−(m−トリル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(m−トリル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(m−トリル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(m−トリル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(m−トリル)−4,5−ジメチルチアゾール、2−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(4−メトキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(4−メトキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(4−メトキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルチアゾール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−メチル−4−ブロモフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−エチル−4−メトキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−n−プロポキシ−4−クロロフェニル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−n−プロピル−4−ニトロフェニル)−4,5−ジメチルチアゾール、2−(2−メチルチオ−4−クロロフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−メチル−4−ブロモ−6−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−6−ニトロフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル、2−(2−n−プロピル−4−ニトロ−6−メトキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−メチルチオ−4−クロロ−6−ヒドロキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸メチル、2−(2−n−プロポキシ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル等が挙げられる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例、比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0051】
実施例1
撹拌機、温度計およびガス吹き込み管を備えた1L容の耐圧反応容器に、ベンゾニトリル51.6g(0.5モル)、ジエチルアミン3.3g(0.045モル)、エタノール400gおよびクロロピルビン酸エチル75.3g(0.5モル)を仕込み、70℃で10時間を要して硫化水素22g(0.6モル)を吹き込み反応させた。その時の圧力は、784.5〜980.6kPaであった。反応終了後、放圧して反応系内から過剰の硫化水素を除去した。次いで、反応液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール100gで洗浄後、乾燥し、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩74.2g(0.275モル)を得た。
【0052】
攪拌機を備えた1L容の反応容器に得られた2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩74.2g(0.275モル)、トルエン400g、10重量%水酸化ナトリウム水溶液140g(0.35モル)を仕込み、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩を遊離させた。次いで、分液してトルエン層を得、得られたトルエン層を水50gで洗浄後、トルエンを留去して2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル67.7g(0.29モル)を得た。ベンゾニトリルに対する収率は58%であった。
【0053】
実施例2
実施例1においてベンゾニトリル51.6g(0.5モル)の代わりに4−メチルベンゾニトリル58.6g(0.5モル)を、ジエチルアミン3.3g(0.045モル)の代わりにトリメチルアミン2.1g(0.035モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、2−(p−トリル)−5−チアゾールカルボン酸エチル74.2g(0.3モル)を得た。4−メチルベンゾニトリルに対する収率は60%であった。
【0054】
実施例3
実施例1においてベンゾニトリル51.6g(0.5モル)の代わりに4−メトキシベンゾニトリル66.6g(0.5モル)を、ジエチルアミン3.3g(0.045モル)の代わりにトリエチルアミン2.5g(0.025モル)を、クロロピルビン酸エチル75.3g(0.5モル)の代わりにブロモピルビン酸エチル95.3(0.5モル)を用いた以外は実施例1と同様にして、2−(4−メトキシフェニル)−5−チアゾールカルボン酸エチル72.4g(0.275モル)を得た。4−メトキシベンゾニトリルに対する収率は55%であった。
【0055】
実施例4
撹拌機、温度計およびガス吹き込み管を備えた1L容の耐圧反応容器に、4−シアノフェノール59.6g(0.5モル)、ジエチルアミン3.3g(0.045モル)、メタノール400gおよび2−クロロアセト酢酸エチル82.3g(0.5モル)を仕込み、70℃で10時間を要して硫化水素22g(0.6モル)を吹き込み反応させた。その時の圧力は、784.5〜980.6kPaであった。反応終了後、放圧して反応系内から過剰の硫化水素を除去した。次いで、反応液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール100gで洗浄後、乾燥し、2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩89.9g(0.3モル)を得た。
【0056】
攪拌機を備えた1L容の反応容器に得られた2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩89.9g(0.3モル)、トルエン400g、10重量%水酸化ナトリウム水溶液140g(0.35モル)を仕込み、2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩を遊離させた。次いで、分液してトルエン層を得、得られたトルエン層を水50gで洗浄後、トルエンを留去して2−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル79.0g(0.3モル)を得た。4−シアノフェノールに対する収率は60%であった。
【0057】
実施例5
実施例4において4−シアノフェノール59.6g(0.5モル)の代わりに2−メチル−4−ブロモベンゾニトリル98.0g(0.5モル)を用いた以外は実施例4と同様にして、2−(2−メチル−4−ブロモフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル95.3g(0.28モル)を得た。2−メチル−4−ブロモベンゾニトリルに対する収率は56%であった。
【0058】
実施例6
実施例4において4−シアノフェノール59.6g(0.5モル)の代わりに2−メチル−4−ブロモ−6−ヒドロキシベンゾニトリル106.0g(0.5モル)を用いた以外は実施例4と同様にして、2−(2−メチル−4−ブロモ−6−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸エチル96.2g(0.27モル)を得た。2−メチル−4−ブロモ−6−ヒドロキシベンゾニトリルに対する収率は54%であった。
【0059】
比較例1
撹拌機、温度計およびガス吹き込み管を備えた1L容の反応容器に、ベンゾニトリル51.6g(0.5モル)、ジエチルアミン3.3g(0.045モル)、エタノール400gおよびクロロピルビン酸エチル75.3g(0.5モル)を仕込み、70℃、常圧の条件下で12時間を要して硫化水素22g(0.6モル)を吹き込み反応させた。反応終了後、反応液を5℃まで冷却し、析出した結晶を濾取した。得られた結晶をエタノール100gで洗浄後、乾燥し、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩27.0g(0.1モル)を得た。
【0060】
攪拌機を備えた1L容の反応容器に得られた2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩27.0g(0.1モル)、トルエン400g、10重量%水酸化ナトリウム水溶液140g(0.35モル)を仕込み、2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル塩酸塩を遊離させた。次いで、分液してトルエン層を得、得られたトルエン層を水50gで洗浄後、トルエンを留去して2−フェニル−5−チアゾールカルボン酸エチル23.3g(0.1モル)を得た。ベンゾニトリルに対する収率は20%であった。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、ベンゾニトリル類と硫化水素とα−ハロケトン類とを、触媒の存在下に加圧下で反応させることにより、ワンポットで2−フェニルチアゾール類を製造することができる。また、加圧下に反応を行うことにより、チオアミド化反応における触媒の使用量が低減できる。
Claims (4)
- 下記一般式(1);
- 1068.9kPa以下の加圧下で反応させる請求項1に記載の2−フェニルチアゾール類の製造方法。
- 触媒の使用量が、ベンゾニトリル類に対して0.1〜20モル%である請求項1または2に記載の2−フェニルチアゾール類の製造方法。
- α−ハロケトン類が、クロロピルビン酸エチル、ブロモピルビン酸エチルまたは2−クロロアセト酢酸エチルである請求項1ないし3いずれか1項に記載の2−フェニルチアゾール類の製造方法。
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