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JP4715548B2 - 印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラム - Google Patents

印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラム Download PDF

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JP4715548B2 JP2006047713A JP2006047713A JP4715548B2 JP 4715548 B2 JP4715548 B2 JP 4715548B2 JP 2006047713 A JP2006047713 A JP 2006047713A JP 2006047713 A JP2006047713 A JP 2006047713A JP 4715548 B2 JP4715548 B2 JP 4715548B2
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Description

本発明は、印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラムに関し、詳細には、印刷装置で白インクを用いた印刷を実行するのに好適な印刷データを作成するものに関する。
従来、被記録媒体にインクを噴射して記録を行うインクジェット記録装置では、インク供給源からインクジェットヘッドの複数の噴射チャンネルにインクを導き、発熱素子、圧電素子等のアクチュエータを選択的に駆動させて、噴射チャンネルの先端に設けられた噴射ノズルからインクの噴射を行っている。カラー画像を形成する場合には、画像を構成する各画素について、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色の三原色にそれぞれ分解し、各色ごとに濃度を調整して噴射したインクの混合によってカラーの画素を形成している。また、黒色の画素や、色の成分として黒色を含む画素についてはブラック(K)のインクを噴射して再現することが一般的である。
そして、近年では、被記録媒体の色や明度などの制約を受けることなく、より再現性の優れた高画質の画像を印刷すること等を目的として、画像印刷にCMYKインク(以下、色インクという)とともに白インクを用いることが知られている(例えば、特許文献1〜7参照)。かかる技術によれば、被記録媒体を白インクで印刷して下地を隠蔽したり、色インクに白インクを加えて明るい色を表現したりすることができ、より高画質な画像を印刷することが可能である。
特開平7−114241号公報 特開2002−38063号公報 特開2005−262553号公報 特開平7−110568号公報 特開2001−253065号公報 特開2002−46303号公報 特開2004−25603号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の発明によれば、被記録媒体の全面又は画像形成範囲全体に白インクによる印刷を行っている。そのため、画像印刷に必要な白インクの使用量が必然的に多くなり、画像の印刷速度や印刷コストが悪化するという問題があった。
また、特許文献2,4〜6に記載の発明によれば、画像を構成する各画素について、白インクを噴射するか否かの2値制御による印刷を行っている。このような2値制御によって白インクを噴射すると、被記録媒体上に白階調(グラデーション)を表現することができない。そのため、白インクによって印刷された部位とされない部位との境界に擬似輪郭が生じてしまい、画質が劣化するという問題があった。さらに、各画素について白インクを噴射する場合には、当該画素の色と被記録媒体の色とが近似する度合いに関係なく、一律に所定量の白インクを噴射することになるため、上記同様に白インクの使用量が多くなるという問題があった。
また、特許文献2,3,5に記載の発明によれば、被記録媒体(下地)の色や透明度などに応じて、各画素について白インクを噴射するか否か、あるいは白インクの吐出量などを決定している。しかしながら、被記録媒体の色や透明度などを考慮するだけでは、現実に被記録媒体上に画像を印刷した場合の各画素の色合いや明度などを正確に予測するのは困難である。そのため、白インクを用いて高画質の画像を印刷するためには、実際に設計者や製造者などが被記録媒体にサンプリング印刷を行って、人間の目で各画素に最適な白インクの吐出量(白インクレベル)を特定する必要があった。
また、特許文献7に記載の発明では、色インク(CMY)の入力レベルが下がるに従って白インクの吐出量を増加させている。この場合、色インクの入力レベルが高いと白インクを噴射しないことになり、被記録媒体の色が濃い場合には色インクを印刷しても下地の影響によって画質が悪化するという問題があった。そして、色インクの入力レベルを考慮するだけでは、上記と同様に、現実に被記録媒体上に画像を印刷した場合の各画素の色合いや明度などを正確に予測するのは困難であるという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、被記録媒体の影響を受けることがない再現性の優れた高画質の画像を、より高速かつ低コストで印刷するための印刷データを作成することができる印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷データ作成装置は、画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段と、前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段と、前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、前記白変換テーブルには、前記印刷装置で印刷される被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記白色材レベルが定義され、前記色変換テーブルには、前記被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記他色材レベルが定義されており、前記印刷データ作成手段は、前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記白色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる白印刷データを作成する一方、前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記他色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる他印刷データを作成することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記変換テーブル記憶手段は、前記被記録媒体ごとに設けられた複数の前記白変換テーブルを備え、さらに、前記複数の白変換テーブルのうちの一を任意に選択するためのテーブル選択手段を備え、前記複数の白変換テーブルは、前記被記録媒体に応じて異なる白色材レベルの最大レベルが定義されており、前記色材データ作成手段は、前記テーブル選択手段から選択された前記白変換テーブルに基づいて、前記白変換テーブルに定義されている前記白色材レベルの最大レベル以下となるように、前記色情報に対応する白色材レベルに変換することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記被記録媒体は、布帛であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記印刷装置は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷を行なうインクジェットプリンタであることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の印刷データ作成装置は、画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において、入力画素の色情報に対応して白色材の濃度の大きさを示す白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材の濃度の大きさを示す他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段と、前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段と、前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で前記白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で前記他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段と、前記白色材データを画像化して白画像データとして保存する画像保存手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項5に記載の発明の構成に加え、前記白画像データは、1チャンネル又は3チャンネルの画像データであることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項5又は6に記載の発明の構成に加え、前記白画像データの解像度を任意に指示するための解像度指示手段を備え、前記画像保存手段は、前記解像度指示手段から解像度を指示された場合は、前記白色材データを該解像度に変換して白画像データとして保存することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記白画像データの画像形式を任意に指示するための画像形式指示手段を備え、前記画像保存手段は、前記画像形式指示手段から画像形式を指示された場合は、前記白色材データを該画像形式に変換して白画像データとして保存することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の印刷データ作成プログラムは、画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成するための印刷データ作成プログラムであって、コンピュータを、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段、前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段、前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段として機能させ、前記白変換テーブルには、前記印刷装置で印刷される被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記白色材レベルが定義され、前記色変換テーブルには、前記被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記他色材レベルが定義されており、前記印刷データ作成手段は、前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記白色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる白印刷データを作成する一方、前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記他色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる他印刷データを作成することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の印刷データ作成プログラムは、画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成するための印刷データ作成プログラムであって、コンピュータを、入力画素の色情報に対応して白色材の濃度の大きさを示す白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材の濃度の大きさを示す他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段、前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段、前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で前記白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で前記他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段、前記白色材データを画像化して白画像データとして保存する画像保存手段として機能させることを特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷データ作成装置では、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルに基づいて、画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する白色材レベルに変換した白色材データを作成し、その白色材データに基づいて印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する。よって、被記録媒体の影響を受けることがない再現性の優れた高画質の画像を、より高速かつ低コストで印刷するための印刷データを作成することができる。
また、画像データを構成する複数の入力画素のうちで、その色情報が被記録媒体の色と近似するほど低レベルの白色材レベルに変換する。よって、色情報が被記録媒体の色と近似するほど、入力画素は白色材レベルが低くなるようにして、白色材の使用量を適切に調整することができる。
また、白変換テーブルは被記録媒体の色と入力画素の色情報に対応して、被記録媒体の色と入力画素の色情報とが近似するほど低レベルの白色材レベルが定義されている。よって、この白変換テーブルを用いて印刷データを作成すれば、白色材の使用量を適切に調整することができる。
また、入力画素の色情報に対応して他色材レベルが定義された色変換テーブルに基づいて、画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する他色材レベルに変換した他色材データを作成し、その他色材データに基づいて他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成するものであって、これらの入力画素のうちで色情報が被記録媒体の色と近似するほど低レベルの他色材レベルに変換する。よって、画像データに基づいて、白色材による印刷を行うための白印刷データと、他色材による印刷を行うための色印刷データとを同時に作成することができる。さらに、色情報が被記録媒体の色と近似するほど、入力画素は他色材レベルが低くなるようにして、他色材の使用量を適切に調整することができる。
また、請求項2に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項1に記載の発明の効果に加え、被記録媒体に応じた複数の白変換テーブルのうちの一を任意に選択して、その選択された白変換テーブルに基づいて画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する白色材レベルに変換する。よって、ユーザは被記録媒体に応じた最適な白変換テーブルを任意に選択して印刷データを作成できるので、被記録媒体上により高画質の画像を印刷することができる。
また、複数の白変換テーブルは各々対応する被記録媒体に応じて定義される白色材レベルの最大レベルが異なる。よって、被記録媒体に応じて使用される白色材の最大使用量を制限することで、白色材の使用量を適切に調整することができる。
また、請求項3に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、被記録媒体は布帛である。よって、印刷装置で布帛に対して印刷を行う場合に、本発明の印刷データ作成装置で作成された印刷データを用いることができる。
また、請求項4に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、印刷装置はインクジェットプリンタである。よって、インクジェットプリンタで印刷を行う場合に、本発明の印刷データ作成装置で作成された印刷データを用いることができる。
また、請求項5に係る発明の印刷データ作成装置では、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルに基づいて、画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する白色材レベルに変換した白色材データを作成し、その白色材データを画像化して白画像データとして保存する。よって、画像データを白色材で印刷するとどのような態様で印刷されるかを、ユーザは白画像データを参照して視覚的に把握することができる。
また、白色材データに基づいて白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する。よって、ユーザは画像データを白色材で印刷するとどのような態様で印刷されるかを白画像データで確認してから、印刷装置で白印刷データに基づく画像印刷を実行することができる。
また、白画像データの保存と白印刷データの作成とが、白色材データに基づいて実行される。よって、白印刷データが作成されると自動的に対応する白画像データが保存されるようにすることができる。
また、請求項6に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項5に記載の発明の効果に加え、白画像データは1チャンネル又は3チャンネルの画像データである。よって、白画像データを、グレースケール形式のような1チャンネルの画像データ、あるいはRGB形式のような3チャンネルの画像データとして保存するので、ユーザは任意に白画像データを編集することができる。
また、請求項7に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項5又は6に記載の発明の効果に加え、白画像データの解像度が任意に指示されると、色材データをその指示された解像度に変換して白画像データとして保存する。よって、ユーザが白画像データの解像度を任意に指示して保存することができるので、ユーザは任意に白画像データを編集することができる。
また、請求項8に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項5乃至7のいずれかに記載の発明の効果に加え、白画像データの画像形式が任意に指示されると、白色材データをその指示された画像形式に変換して白画像データとして保存する。よって、ユーザが白画像データの画像形式を任意に指示して保存することができるので、ユーザは任意に白画像データを編集することができる。
また、請求項9に係る発明の印刷データ作成プログラムでは、コンピュータに、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルに基づいて、画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する白色材レベルに変換した白色材データを作成させ、その白色材データに基づいて印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成させる。よって、被記録媒体の影響を受けることがない再現性の優れた高画質の画像を、より高速かつ低コストで印刷するための印刷データを作成することができる。
また、請求項10に係る発明の印刷データ作成プログラムでは、コンピュータに、入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルに基づいて、画像データを構成する複数の入力画素を各々の色情報に対応する白色材レベルに変換した白色材データを作成させ、その白色材データを画像化して白画像データとして保存させる。よって、画像データを白色材で印刷するとどのような態様で印刷されるかを、ユーザは白画像データを参照して視覚的に把握することができる。
以下、本発明を実施するための第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明に係る印刷データ作成装置として、公知の布帛印刷用のインクジェットプリンタ1(図1、図2参照)に接続し、インクジェットプリンタ1で印刷を行うための印刷データを作成する、公知のパーソナルコンピュータ200(図3参照)を例に挙げて説明する。
まず、インクジェットプリンタ1について説明する。図1は、インクジェットプリンタ1の全体的な構成を示した斜視図である。図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、左右方向を長手方向とする略直方体形状の筐体2を有し、その底面の略中央に前後方向に向かう二本のレール3が列設されている。二本のレール3の上部では、各レール3に沿って筐体2の前後方向に移動可能な平板状のプラテン支持台(図示外)を支えており、プラテン支持台の上部に取り換え可能なプラテン5が固定されている。
プラテン5は、平面視、筐体2の前後方向を長手方向とする略長方形状の板体であり、その上面に、例えばTシャツなどの布帛からなる被記録媒体を水平に載置するためのものである。また、プラテン5とプラテン支持台との間の略中間の位置にて支柱に固定されたトレー4は、ユーザがTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツのそで等を受けて筐体2の底面には落ちないように保護するためのものである。また、プラテン支持台を移動させるためにレール3が設けられたプラテン駆動機構6の後端部には、プラテン支持台をレール3に沿って筐体2の前後方向に移動させるための動力を供給するプラテン駆動モータ7が設けられている。
筐体2の前後方向の略中央で、かつ、プラテン5の上方の位置にて、筐体2の両側面間には、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ20の移動を案内するためのガイドレール9が架設されている。このガイドレール9の左端付近に設けられたキャリッジモータ24と、右端付近に設けられたプーリー25との間に架設されているキャリッジベルト26は、ガイドレール9よりも下方の位置にて筐体2の左右にわたって配置されている。キャリッジベルト26はキャリッジ20の背面に固定されており、キャリッジモータ24の駆動によって、キャリッジ20がガイドレール9に沿って筐体2の左右方向に往復移動される。
本実施の形態に係るインクジェットプリンタ1では、シアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ブラックインクに加え、ホワイトインクが画像印刷に用いられる。そこで、インクジェットプリンタ1の左側面には、各インクを収容したインクカートリッジを着可能に収容するための5つのインクカートリッジ収容部30がそれぞれ設けられており、各インクカートリッジ収納部30には、それぞれブラックインク,シアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ホワイトインクが収容されている。
各インクカートリッジ収容部30には、それぞれインク供給用チューブ10a〜10eが連結されており、ガイド部材40及びチューブ支持部材60を経由して、各色のインクジェットヘッド21に接続されている。なお、インク供給用チューブ10a〜10eは、キャリッジ20の移動等に対応して屈曲や捩れが生じるような柔軟性を有するチューブである。ガイド部材40は、キャリッジ20の背後で5本のインク供給用チューブ10a〜10eを支持するものである。チューブ支持部材60は、キャリッジ20の上端で本のインク供給用チューブ10a〜10eを支持するものである。
キャリッジ20には、5つのインクジェットヘッド21が搭載されている。各インクジェットヘッド21は、各インクを噴射するための噴射チャンネル(図示外)を例えば128個ずつそれぞれ備えており、各噴射チャンネルには各々個別に駆動される圧電アクチュエータ(図示外)が設けられている。そして、各噴射チャンネルに対応してインクジェットヘッド21の底面に孔設された微細な噴射ノズル(図示外)から下向きに、インクの液滴が噴射されるように制御されている。よって、各インクカートリッジ収容部30に収容されているインクが、インク供給用チューブ10a〜10eによってインクジェットヘッド21に供給され、噴射ノズルから噴射される。
キャリッジ20がガイドレール9の右端に移動した位置には、各インクジェットヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ23を有するパージユニット22が設けられている。パージユニット22には吸引ポンプ(図示外)が設けられており、各吸引キャップ23がインクジェットヘッド21に密着しているときに、吸引キャップ23を介してインクの吸引を行うことが可能となっている。また、印刷が行われないときには吸引キャップ23でインクジェットヘッド21のノズル面が覆われ、インクの乾燥が防止されている。
筐体2の右側手前の位置には、インクジェットプリンタ1の操作を行うための操作パネル28が設けられている。この操作パネル28には、ディスプレイ175、印刷ボタン182、中止ボタン183及びプラテン送りボタン188等が設けられている。プラテン送りボタン188が押下されるとプラテン5が被記録媒体であるTシャツ等の布帛をセット又は取り外し可能な位置にプラテン5が移動する。印刷ボタン182が押下されると、パーソナルコンピュータ200から受信した印刷データの印刷が開始される。印刷中に中止ボタン183が押下されると、印刷が中止される。
次に、インクジェットプリンタ1の電気的構成について説明する。図2は、インクジェットプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。図2に示すように、インクジェットプリンタ1の制御を司るCPU110が設けられており、CPU110には、バス190を介し、CPU110が実行するインクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御プログラム等を記憶したROM120と、データを一時的に記憶するRAM130とが接続されている。
CPU110には、バス190を介して、インク噴射を行うインクジェットヘッド21の各噴射チャンネルに設けられた圧電アクチュエータ(図示外)を駆動させるためのヘッド駆動部140と、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ20を駆動するためのキャリッジモータ24、印刷時に被印刷対象の布帛であるTシャツを保持するプラテン5を送り出すタイミングや速度を調整するプラテンローラ(図示外)を駆動するためのプラテン駆動モータ7をそれぞれ制御して駆動させるためのモータ駆動部150と、パーソナルコンピュータ200を含めた外部機器にUSBケーブル(図示外)で接続して通信が行えるようにするためのUSBインタフェース160とが接続されている。
操作パネル28(図1)には、ディスプレイ175,電源ランプ172,データランプ173,エラーランプ174が設けられており、これらの表示処理を行う表示制御部170がバス190を介してCPU110にと接続されている。また、操作パネル28には、印刷ボタン182,中止ボタン183,プラテン送りボタン188(図1参照)に加え、メニューボタン184,左矢印ボタン185,右矢印ボタン186,確定ボタン187が設けられており、これらの入力の検知を行う入力検知部180が、バス190を介してCPU110に接続されている。
ディスプレイ175には、パーソナルコンピュータ200から受信中であったり、受信後印刷待機中であったり、印刷中であったり、印刷が完了したりした、印刷データのデータ名やサイズ等の情報が表示される。また、各種設定を行うためのメニュー画面(図示外)が表示されたり、エラー発生時にはエラーの内容が表示されたりする。また、メニューボタン184が押下されるとディスプレイ175にメニュー画面が表示され、左矢印ボタン185及び右矢印ボタン186はディスプレイ175に表示されているカーソルを各々左右に移動させる。また、確定ボタン187が押下されると、カーソルが選択している項目に確定される。
インクジェットプリンタ1のROM120には、インクジェットプリンタ1の動作を制御するための制御プログラムや、印刷処理を実行するための印刷実行プログラムなどを記憶したプログラム記憶エリアと、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶したプログラム関係情報記憶エリア等が設けられている。
インクジェットプリンタ1のRAM130には、パーソナルコンピュータ200から受信した印刷データを記憶する受信印刷データ記憶エリアと、印刷ボタン182の押下により印刷が実行されている印刷データを記憶する印刷中データ記憶エリアと、各種設定情報が記憶される設定情報記憶エリア等が設けられている。
次に、パーソナルコンピュータ200について説明する。図3は、パーソナルコンピュータ200の電気的構成を示すブロック図である。図4は、パーソナルコンピュータ200のRAM230の模式図である。図5は、パーソナルコンピュータ200のハードディスクドライブ(以下、HDDとよぶ)250の模式図である。パーソナルコンピュータ200は、例えばUSB等の規格に基づく通信ケーブルによってインクジェットプリンタ1に接続している。そして、パーソナルコンピュータ200では、ユーザが各種アプリケーションを用いて作成した画像データに基づいて印刷データが作成され、この印刷データがインクジェットプリンタ1へ送信されるが、詳細は後述する。
図3に示すように、パーソナルコンピュータ200には、その制御を司るCPU210が設けられている。CPU210には、バス290を介し、CPU210が実行するBIOS等のプログラムを記憶したROM220と、データを一時的に記憶するRAM230と、データの記憶媒体であるCD−ROM241を挿入し、データの読み込みを行うCD−ROMドライブ240と、データの記憶装置であるHDD250とが接続されている。
CPU210には、バス290を介して、インクジェットプリンタ1を含めた外部機器との通信を行うためのUSBインタフェース260と、ユーザに操作画面を表示するためのモニタ271の画面表示処理を行う表示制御部270と、ユーザが操作の入力を行うキーボード281やマウス282が接続され、それらの入力の検知を行う入力検知部280とが接続されている。なお、パーソナルコンピュータ200には、図示外のフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、音声等の入出力部、各種インタフェースなども設けられている。
CD−ROM241には、本発明に係る印刷データ作成プログラムが組み込まれたプリンタドライバや、このプログラムの実行時に使用される設定やデータ等が記憶されており、導入時には、CD−ROM241からHDD250に設けられたプログラム記憶エリア251(図5参照)やプログラム関係情報記憶エリア252(図5参照)に記憶されるようになっている。なお、パーソナルコンピュータ200のプリンタドライバ(印刷データ作成プログラム)及びその使用データ等の取得方法はCD−ROM241によるものに限らず、フレキシブルディスクやMOといった他の記録媒体であってもよく、また、パーソナルコンピュータ200をネットワークに接続させ、ネットワーク上の他の端末から取得してもよい。
図4に示すように、RAM230には、印刷データを作成する元になる画像データである入力RGBデータ310(図6参照)を一時的に記憶する入力RGBデータ記憶エリア231、入力RGBデータ310から変換された変換CMYKWデータ340(図6参照)を記憶する変換CMYKWデータ記憶エリア232、変換CMYKWデータ340から作成された印刷データ350(図6参照)を記憶する印刷データ記憶エリア233、その他のプログラムの実行中の一時的なデータを記憶するその他の実行時情報記憶エリア234等が設けられている。
図5に示すように、HDD250には、プリンタドライバ(印刷データ作成プログラム)を始めとするパーソナルコンピュータ200で実行される各種のプログラムを記憶するプログラム記憶エリア251、プログラムの実行に必要な設定や初期値、データ等の情報を記憶したプログラム関係情報記憶エリア252、入力RGBデータ310をCMYK形式に変換するための色変換テーブル410(図6参照)を記憶する色変換テーブル記憶エリア253、入力RGBデータ310をW形式に変換するための白変換テーブル420(図6参照)を記憶する白変換テーブル記憶エリア254、画像データを記憶する画像データ記憶エリア255、白画像データ500(図11参照)を記憶する白画像データ記憶エリア256等が設けられている。
なお、色変換テーブル記憶エリア253には、インクジェットプリンタ1で印刷される被記録媒体の色や素材などに対応して、複数の色変換テーブル410が記憶されている。同様に、白変換テーブル記憶エリア254には、インクジェットプリンタ1で印刷される被記録媒体の色や素材などに対応して、複数の白変換テーブル420が記憶されている。なお、複数の色変換テーブル410と複数の白変換テーブル420とは、被記録媒体の色や素材などに応じて1対1に対応付けられている(図7参照)。
このような構成のもと、本実施の形態のインクジェットプリンタ1では、パーソナルコンピュータ200から印刷データを受信した後、ユーザがプラテン5へTシャツをセットし、印刷ボタン182を押下する。すると、キャリッジ20の移動経路が記録開始位置となるように、プラテン5がプラテン駆動モータ7の駆動によってレール3に沿って筐体2の後方に移動される。そして、キャリッジ20が筐体2の右方向から左方向へ移動しながら、記録指示に従ってインクジェットヘッド21からインクを吐出して1ラインの記録が行われる。そして、1ライン分プラテン5が筐体2の後方から前方へ移動され、次いで、キャリッジ20が筐体2の左方向から右方向へ移動しながら、記録指示に従ってインクジェットヘッド21からインクを吐出して1ラインの記録が行われる。そして、さらに1ライン分プラテン5が筐体2の後方から前方へ移動される。これらの動作の繰り返しによりTシャツへの印刷が行われ、印刷が終了するとプラテン5がTシャツを取り外し可能な位置まで送り出されるので、操作者は印刷の終了したTシャツを取り外す。
ここで、パーソナルコンピュータ200及びインクジェットプリンタ1における色表現について説明する。パーソナルコンピュータ200のモニタ271等で色を表示する場合には、画像を形成する各画素毎にsRGB形式と呼ばれる形式で色が表現されている。sRGBは、IEC(国際電気標準会議)が定める色空間の国際規格であり、デジタルカメラやプリンタ、モニタなど多くのPC用周辺機器では、このsRGBに則った色調整を行うことで、入力と出力時の色の差異を極力少なくしている。
また、インクジェットプリンタ1等でインクを噴射させて印刷を行う場合には、CMYK値形式と呼ばれる形式で色が表現されている。これは、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の色の三原色に、K(ブラック)を加えた4色を用いる色の表現方法であり、C値,M値,Y値,K値の4種の数値により色を表現している。この形式で作られた印刷データを印刷するために、インクジェットプリンタ1では、シアン,マゼンタ,イエロー,ブラックの4色のインクが使用され、C値でシアンインクの噴射量が、M値でマゼンタインクの噴射量が、Y値でイエローインクの噴射量が、K値でブラックインクの噴射量が決定される。
さらに、本実施の形態では、被記録媒体であるTシャツ等の下地色が白以外(例えば、黒や青)であっても、その表面に画像データに基づく再現性の優れた高画質の画像を印刷するためにホワイトインクが使用される。なお、ホワイトインクの噴射量はW値で決定されるものとする。すなわち、印刷データはC値,M値,Y値,K値,W値の5種の数値により色が表現され、インクジェットプリンタ1ではシアン,マゼンタ,イエロー,ブラック,ホワイトの5色のインクを用いた画像印刷が実行される。
このように、パーソナルコンピュータ200のモニタ271に表示されている画像データをインクジェットプリンタ1で印刷するためには、sRGB形式の画像データをCMYKW形式の印刷データに変換する必要がある。本実施の形態では、パーソナルコンピュータ200で印刷データ作成処理(図8)が実行されると、sRGB形式の画像データに基づいてCMYKW形式の印刷データが作成される。
ここで、本実施形態の印刷データ作成過程で発生する各データについて説明する。図6は、第1の実施の形態における、印刷データ作成過程のデータ推移図である。図7は、色変換テーブル410と白変換テーブル420のデータ構成を示す図である。図6に示すように、印刷データ350を作成するための基になるデータは、RAM230の入力RGBデータ記憶エリア231に記憶されているsRGB形式の入力RGBデータ310である。入力RGBデータ310は、ユーザが文書作成用アプリケーションや画像編集用アプリケーションなどを用いて作成し、HDD250の画像データ記憶エリア255に保存した複数の画像データのうちで、ユーザがその印刷実行を指示したものである。なお、本実施の形態では、画像データはsRGB形式の256階調である。また、色変換テーブル410と白変換テーブル420は、R値,G値,B値の各5ステップ(すなわち、計125通りのsRGB値)に対応する色変換値を各々定義している。
そして、入力RGBデータ310を構成する各画素のsRGB値が、HDD250の色変換テーブル記憶エリア253に記憶されている色変換テーブル410に基づいてCMYK値に各々変換されて、CMYK形式の色インクレベルデータ320が作成される。色変換テーブル410は、sRGB形式で256階調の入力データを、CMYK形式で256階調の出力データに変換するためのテーブルであり、図7に示すように各sRGB値に対応するCMYK値が各々定義されている。そして、入力RGBデータ310を構成する各画素のsRGB値は、色変換テーブル410に基づいて各々対応するCMYK値に変換される。なお、色変換テーブル410は5ステップであるため、各ステップ間のsRGB値に対応するCMYK値は公知の体積補間で求める。
また、入力RGBデータ310を構成する各画素のsRGB値が、HDD250の白変換テーブル記憶エリア254に記憶されている白変換テーブル420に基づいてW値に各々変換されて、W形式の白インクレベルデータ330が作成される。白変換テーブル420は、sRGB形式で256階調の入力データを、W形式で256階調の出力データに変換するためのテーブルであり、図7に示すように各sRGB値に対応するW値が各々定義されている。そして、入力RGBデータ310を構成する各画素のsRGB値は、白変換テーブル420に基づいて各々対応するW値に変換される。なお、白変換テーブル420は5ステップであるため、各ステップ間のsRGB値に対応するW値は公知の体積補間で求める。
このように、色変換テーブル410及び白変換テーブル420によって、入力RGBデータ310を構成する各画素のsRGB値がそれぞれCMYKW値に変換される。そして、色インクレベルデータ320と白インクレベルデータ330とにより構成された、256階調でCMYKW形式の変換CMYKWデータ340が、RAM230の変換CMYKWデータ記憶エリア232に記憶される。さらに、変換CMYKWデータ340について疑似階調処理が行われて、CMYKW形式で2階調の印刷データ350が作成され、RAM230の印刷データ記憶エリア233に記憶される。最後に、印刷データ350がインクジェットプリンタ1に送信されて、被記録媒体であるTシャツ等への画像印刷に用いられることになる。
以下では、上記のデータ変換を実現するための、パーソナルコンピュータ200で行われる印刷データ作成処理について説明する。図8は、第1の実施の形態における、印刷データ作成処理のフローチャートである。本実施の形態では、ユーザが画像データの印刷実行を指示するとプリンタドライバが起動される。そして、プリンタドライバに含まれる印刷データ作成プログラムに基づいて、CPU210により印刷データ作成処理(図8)が実行される。
図8に示すように、本実施形態の印刷データ作成処理では、まず画像データが入力RGBデータ310としてセットされる(S1)。S1では、画像データ記憶エリア255に格納された画像データのうちで、ユーザにより印刷指示されたものが入力RGBデータ310として入力RGBデータ記憶エリア231に読み込まれる。
また、画像データのデータ変換に用いられる色変換テーブル410及び白変換テーブル420がセットされる(S3)。S3では、ユーザにより指定された被記録媒体の色や素材などに対応して、色変換テーブル記憶エリア253から最適な色変換テーブル410が読み込まれ、また、白変換テーブル記憶エリア254から最適な白変換テーブル420が読み込まれる。なお、S3でセットされる色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、ユーザがキーボード281やマウス282を用いて任意に指定してもよい。
そして、S1でセットされた入力RGBデータ310を構成する1つ目の画素のsRGB値が読み込まれ(S5)、S3でセットされた色変換テーブル410に基づいて、S5で読み込まれたsRGB値が対応するCMYK値に変換される(S7)。また、S3でセットされた白変換テーブル420に基づいて、S5で読み込まれたsRGB値が対応するW値に変換される(S9)。
例えば、図7に示す色変換テーブル410の場合、S5でsRGB値(64,192,255)が読み込まれると、S7ではCMYK値(190,21,0,0)が取得され、S9ではW値(251)が取得されることになる。S7及びS9で取得されたCMYKW値(190,21,0,0,251)は、変換CMYKWデータ記憶エリア232の該等画素番号欄に記憶される。
そして、S1でセットされた入力RGBデータ310を構成する全ての画素について変換が行われたか否かの判断が行われる(S11)。全ての画素についての変換が行われていない場合は(S11:NO)、S5へ戻る。そして、次の画素のsRGB値の読み込みが行われて、当該画像のsRGB値がCMYKW値に変換される(S7〜S9)。このように、入力RGBデータ310を構成する全ての画像についてデータ変換が行われるまで、S5〜S11が繰り返し実行される。これにより、変換CMYKWデータ記憶エリア232には、sRGB形式で256階調の入力RGBデータ310に基づいて変換された、CMYK形式で256階調の色インクレベルデータ320と、W形式で256階調の白インクレベルデータ330とが記憶される。そして、色インクレベルデータ320と白インクレベルデータ330とで、CMYKW形式で256階調の変換CMYKWデータ340が構成される。
一方、全ての画素についての変換が行われた場合は(S11:YES)、変換CMYKWデータ記憶エリア232に記憶された変換CMYKWデータ340が、擬似階調処理によってCMYKW形式で2階調の印刷データ350に変換される(S11)。擬似階調処理は、256階調の変換CMYKWデータ340を印刷階調に落として2値化するための処理であり、ここでは誤差拡散法による擬似階調処理が行われるものとする。なお、S13で作成された印刷データ350は、印刷データ記憶エリア233に記憶される。そして、印刷データ記憶エリア233に記憶された印刷データ350がインクジェットプリンタ1へ送信され(S15)、本処理は終了する。
なお、インクジェットプリンタ1では、パーソナルコンピュータ200から送信された印刷データ350を受信すると、その印刷データ350はRAM130の受信印刷データ記憶エリア(図示外)に格納される。そして、ユーザが印刷ボタン182を押下すると、印刷データ350が印刷中データ記憶エリア(図示外)に読み込まれて、この印刷データ350に基づいて被記録媒体であるTシャツ等に画像印刷が実行される。
ここで、本実施の形態では、5つのインクジェットヘッド21は、左から順にシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),K(ブラック),W(ホワイト)に配置されている。そして、画像印刷時には、Tシャツ等に対して左から右にW(ホワイト),K(ブラック),イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C)の順で片方向印刷が行われる。つまり、他の色インク(CMYK)に先んじて、Tシャツ等に白インク(W)による印刷が実行される。そのため、Tシャツ等に対して色インク(CMYK)で画像を印刷する前に、下地を白インクで隠蔽することができるので、Tシャツ等の下地色が白以外であっても再現性の優れた高画質の画像を印刷することができる。
ところで、本発明の目的は、被印刷媒体の色や素材などの影響を受けずに、モニタ271に表示された画像と同じような再現性の優れた画像を、白インク及び色インクを用いて被記録媒体に印刷可能な印刷データ350を作成することである。そこで、本発明では、製造者や設計者などがあらかじめ被記録媒体(ここでは、下地色が「青」のTシャツ)に応じて、sRGB値に対応する最適なCMYK値が定義された色変換テーブル410と、sRGB値に対応する最適なW値が定義された白変換テーブル420とを作成している。
以下では、色変換テーブル410と白変換テーブル420との作成方法について説明する。なお、本実施の形態では、R値,G値,B値の各5ステップ(すなわち、計125通りのRGB値)に基づいて、入力画素のsRGB値に対応する最適なCMYK値が定義された色変換テーブル410と、入力画素のsRGB値に対応する最適なW値が定義された白変換テーブル420を作成する場合を例示する。なお、以下のテーブル作成作業は、パーソナルコンピュータ200以外の他のコンピュータで行ってもよい。
まず、設計者等は、上記125通りのRGB値をそれぞれ対応するCMYK値に変換する。RGB値をCMYK値に変換する手法として、公知のGCRやUCRなどが知られているが、ここでは以下の計算式1を用いて変換する場合を例示する。この計算式1では、最大レベル「255」からR値,G値,B値を各々減算したものをC値,M値,Y値とし、これらC値,M値,Y値のうちの最小レベルをK値とする。
C=255−R
M=255−B
Y=255−G
K=Min(C,M,Y)
さらに、上記C値,M値,Y値から上記K値を減算して、それぞれC値,M値,Y値とする。
C=C−K
M=M−K
Y=Y−K
上記計算式1に基づく処理を、残りのRGB値についても行い、計125通りのRGB値に各々対応する計125通りのCMYK値が求められる。
次に、上記計算式1で求めた125通りのCMYK値について、これらの値に基づいて印刷するのに最適な下層となる白インクレベル(W値)を各々求める。この白インクレベルを求める作業では、設計者等が自らの経験や過去の実験に基づいて、各CMYK値に最適なW値を試行錯誤により決定する。すなわち、同一のCMYKW値に基づいて印刷を行った場合でも、被記録媒体の色や素材などによって現実に印刷される色がモニタ271に表示される色と異なる。そのため、青のTシャツに対して行われるCMYKW値に基づく印刷色が、そのCMYK値に対応するRGB値の色と一致するように、設計者等がCMYK値に対して最適なW値を決定している。この作業を125通りのCMYK値の全てについて行い、これらのCMYK値に各々対応する計125通りのW値を求める。
なお、上記の作業において、設計者等が各CMYK値に対して決定するW値は任意である。本実施の形態では、被記録媒体であるTシャツの下地色(ここでは、青)に近似するRGB値ほど、他の部分よりも白インクの濃度が低くなるように低レベルの白インクレベル(W値)を設定するものとする。そのため、設計者等は、青に近似するCMYK値には小さいW値を決定し、青と同一をなすCMYK値にはW値として「0」を決定する。
次に、上記の125通りのCMYKW値に基づいて、実際に被記録媒体である青のTシャツにサンプリング印刷を行う。そして、青のTシャツに印刷された125通りの印刷色を測色して、各印刷色に対応する125通りのL値を求める。これにより、計125通りのRGB値に各々対応するL値が求められる。
つまり、上記の作業によって、RGB値をL値に変換するテーブル(アウトプットプロファイル)を取得できたことになる。そして、sRGBを定義しているプロファイル(インプットプロファイル)とアウトプットプロファイルとをマージすることで、sRGB値をRGB値に変換するプロファイルが作成される。このようなインプットの色空間を直接アウトプットの色空間に変換するプロファイルをデバイスリンクプロファイルとよぶ。
ここで、前述の計算式1は、RGB値をCMYK値に変換するためのものである。そのため、sRGB値をRGB値に変換した後に計算式1で処理すれば、sRGB値をCMYK値に変換することができる。よって、sRGB値からCMYK値への各変換値(すなわち、sRGB値とCMYK値との対応)をプロファイルとして定義すれば、色変換テーブル410を作成することができる。
一方、前述のように、設計者等は任意にRGB値をW値に変換している。そのため、sRGB値をRGB値に変換した後に設計者等が最適なW値を決定すれば、sRGB値をW値に変換することができる。よって、sRGB値からW値への各変換値(すなわち、sRGB値とW値との対応)をプロファイルとして定義すれば、白変換テーブル420を作成することができる。
なお、本実施の形態では、上記のテーブル作成手順によって、被記録媒体の色や素材などに応じて、複数の色変換テーブル410と複数の白変換テーブル420とを作成し、色変換テーブル記憶エリア253と白変換テーブル記憶エリア254にそれぞれ格納している。ただし、複数の白変換テーブル420は、それぞれ対応する被記録媒体の色や素材などに応じて白インクレベル(W値)の最大レベルが異なっている。つまり、設計者等は被記録媒体に応じてあらかじめ定められた最大レベルを超えないように、色変換テーブル410にW値を設定している。例えば、被記録媒体が布帛であれば、大量の白インクを用いなければ効果を期待できないため、W値の最大レベル「255」であるのに対し、被記録媒体が紙であれば、白インクの使用量が少なくても効果を発揮できるため、W値の最大レベル「125」である。
上記のように作成された色変換テーブル410と白変換テーブル420とは、被記録媒体(ここでは、青のTシャツ)に対応して、sRGB値に対応する最適なCMYK値と、sRGB値に対応する最適なW値とがそれぞれ定義されている。そのため、印刷データ作成処理(図8)では、sRGB形式の入力RGBデータ310を構成する画素が、最適なCMYK値と最適なW値とに変換された変換CMYKWデータ340が作成される。よって、印刷データ350に基づいて印刷を行えば、Tシャツ等の下地色が白以外であっても再現性の優れた高画質の画像を印刷することができる。
さらに、白変換テーブル420に定義されるW値は、設計者等が経験や実験に基づいて決定したものであり、被記録媒体や色インクなどとの関係を含めた様々な条件を考慮した最適な値である。そのため、印刷データ350に基づいて印刷を行うと、その印刷データ350に基づく画像が最適なインク量で印刷されるため、再現性の優れた高画質の画像をより高速かつ低コストで印刷することができる。
また、本実施の形態では、あらかじめ被記録媒体の色や素材などに応じて、複数の色変換テーブル410と複数の白変換テーブル420とを作成し、色変換テーブル記憶エリア253と白変換テーブル記憶エリア254にそれぞれ格納している。そのため、インクジェットプリンタ1で印刷される被記録媒体を取り替えても、それに応じて最適な色変換テーブル410及び白変換テーブル420を選択して印刷データ350を作成することができる。さらに、被記録媒体に応じて使用される白インクの最大使用量を制限することで、白インクの使用量を適切に調整することができる。
以上、第1の実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200によれば、sRGB値に対応してCMYK値が定義された色変換テーブル410と、sRGB値に対応してW値が定義された白変換テーブル420とに基づいて、入力RGBデータ310を構成する複数の入力画素を、各々のsRGB値に対応するCMYK値に変換した色インクレベルデータ320と、各々のsRGB値に対応するW値に変換した白インクレベルデータ330とに変換する。そして、色インクレベルデータ320と白インクレベルデータ330とからなる変換CMYKWデータ340に基づいて、インクジェットプリンタ1で色インク(CMYK)及び白インク(W)による印刷に用いられる印刷データ350を作成する。よって、被記録媒体であるTシャツの色や素材などの影響を受けることがない再現性の優れた高画質の画像を、より高速かつ低コストで印刷するための印刷データ350を作成することができる。
また、白変換テーブル420には、被記録媒体であるTシャツの下地色(ここでは青)と同一又は近似のsRGB値に対応して低レベルのW値が定義されている。そして、この白変換テーブル420によって、入力RGBデータ310の複数の入力画素のうちでsRGB値がTシャツの青色と同一又は近似のものは低レベルのW値に変換される。よって、Tシャツの青色と同一又は近似のsRGB値を有する入力画素はW値が低くなるようにして、画像印刷時における白インクの使用量を適切に調整することができる。
また、被記録媒体の色や素材などに応じて、複数の色変換テーブル410と複数の白変換テーブル420を設けておき、印刷データ350の作成に用いられる最適な色変換テーブル410及び白変換テーブル420を任意に選択できるようにした。さらに、複数の白変換テーブル420は、各々対応する被記録媒体に応じて定義される白インクレベル(W値)の最大レベルが異なる。よって、被記録媒体を取り替えても高画質の画像を印刷することができ、また白インクの最大使用量を制限してインク使用量を適切に調整することができる。
次に、本発明を実施するための第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200は、基本的に第1の実施の形態にかかるものと同一であるが、色変換テーブル410及び白変換テーブル420の作成方法が異なる。
すなわち、第1の実施の形態では、設計者等が試行錯誤によって被記録媒体に近似するsRGB値に小さいW値を設定して、白変換テーブル420を作成している。一方、本実施の形態では、コンピュータによって自動的に被記録媒体に近似するsRGB値に小さいW値を設定して、白変換テーブル420を作成するものである。さらに、色変換テーブル410についても、被記録媒体に近似するsRGB値に小さいCMYK値を設定するものである。以下、第1の実施の形態と異なる点について説明する。なお、被記録媒体は、下地色が「青」のTシャツとする。
まず、第1の実施の形態と同様に、R値,G値,B値の各5ステップ(すなわち、計125通りのRGB値)に基づいて各変換値を求め、最適なCMYK値が定義された色変換テーブル410と、最適なW値が定義された白変換テーブル420を作成する。ただし、設計者等が各CMYK値について白インクレベル(W値)を各々求める作業では、設計者等が各CMYK値に対して決定するW値は全て最大レベル「255」である。
そして、第1の実施の形態で説明したように、上記のテーブル作成手順の過程において、125通りのRGB値に対応する125通りのW値(但し、ここでは全て「255」)の対応関係を定めることができるから、この対応関係に基づいてRGB値をW値に変換する変換テーブルXを作成する。また、第1の実施の形態で説明したように、sRGB値をRGB値に変換するデバイスリンクプロファイルを変換テーブルYとする。
次に、被記録媒体であるTシャツの下地色(ここでは、青)に対応するsRGB値を求める。つまり、Tシャツの下地色に相当するsRGB値を決定する。このsRGB値は、設計者等が経験に基づいて任意に定めてもよいし、実際に青のTシャツを測色して求めたL値に対応するsRGB値を求めてもよい。そして、変換テーブルYを参照して、下地色のsRGB値に対応する下地色のRGB値を求める。ここでは、設計者がTシャツの下地色をsRGB値(0,0,255)と定めたものとし、変換テーブルYに基づいてsRGB値(0,0,255)に対応するRGB値(0,0,255)が取得されたものとする。
以下では、変換テーブルXと下地色のRGB値に基づいて、入力画素のsRGB値が被記録媒体の色に近似すればするほど、そのsRGB値に対応するW値が小さくなるような白変換テーブル420を作成するためのデータ処理を説明する。図9は、白インクレベル調整処理のフローチャートである。なお、この白インクレベル調整処理(図9)についても、パーソナルコンピュータ200以外の他のコンピュータで行ってもよい。
図9に示すように、白インクレベル調整処理では、設計者等が下地色のRGB値を入力すると、まず変換テーブルXの格子点のなかで下地色のRGB値に対応する点が特定される(S51)。変換テーブルXでは、RGBの3次元色空間上に、R値,G値,B値の各5ステップ(すなわち、計125通り)の格子点が存在する。そのため、下地色のRGB値が、125通りの格子点上のいずれかに位置する場合は、その格子点が特定される。また、下地色のRGB値が、2点の格子点からなる直線上に位置する場合は、その2点の格子点が特定される。また、下地色のRGB値が、4点の格子点からなる平面上に位置する場合は、その4点の格子点が特定される。それ以外の場合は、下地色のRGB値の位置を含む格子点の最小体積を形成する8点の格子点が特定される。本実施の形態では、下地色のRGB値(0,0,255)であり、変換テーブルXのRGB空間上の格子点(0,0,255)に位置するため、この1点の格子点が特定される。
次に、S51で特定された格子点に対応するW値が最小レベル「0」にセットされる(S53)。すなわち、変換テーブルXでは、125通りのRGB値の格子点に各々対応してW値(ここでは、「255」)がセットされているところ、S53ではS51で特定された格子点に対応するW値を全て「0」にセットする。そのため、S51で特定された格子点が1点であれば、それに対応する1点のW値が「0」となり、S51で特定された格子点が8点であれば、それに対応する8点のW値が全て「0」となる。本実施の形態では、変換テーブルXにおいて、S51で特定した格子点(0,0,255)に対応するW値が「0」にセットされる。
次に、S51で特定された格子点の周辺に位置する格子点のW値がスムージングされる(S55)。すなわち、変換テーブルXにおいて、S51で特定された格子点から、125通りの全格子点までの各々の距離が、以下の数1により算出される。
そして、その格子点間の距離が、あらかじめ定めた閾値(ここでは、「200」とする)以内であれば、その格子点に対応するW値がスムージングされる。このスムージングは、その対象となる格子点のW値と、当該格子点から最小距離に位置する複数の格子点(すなわち、隣接する複数の格子点)の各々のW値との平均を求め、この平均W値をスムージング対象の格子点のW値としてセットするものである。本実施の形態では、S51で特定した格子点(0,0,255)と、当該格子点からの距離が閾値以内である近傍の格子点とにスムージングが行われ、これらの格子点のW値として各々の平均W値がセットされる。
なお、S51で特定された格子点が複数である場合は、その複数の格子点から特定の格子点への各々の距離を求めて、その中で最小となる距離があらかじめ定めた閾値であれば、その特定の格子点のW値をスムージングする。そして、この特定の格子点に対する処理を、125通りの全格子点について行えばよい。
次に、S53〜S55の処理を3回繰り返したか否かが判定される(S57)。上記の処理を3回繰り返していない場合(S57:NO)、S53に戻る。そして、再び、S51で特定された格子点に対応するW値が最小レベル「0」にセットされ(S55)、S53でW値が「0」にセットされた格子点周辺のW値がスムージングされる(S57)。一方、上記の処理を3回繰り返した場合(S57:YES)、白インクレベル調整処理が終了する。
上記の白インクレベル調整処理(図9)によって、変換テーブルXでは、下地色のRGB値とその周辺のRGB値について、各々に対応するW値(ここでは、「255」)がより小さい白インクレベルに更新される。詳細には、下地色のRGB値に対応するW値は最小レベル「0」となり、RGB空間上で下地色のRGB値から離れるほど、その周辺の各RGB値に対応するW値は徐々に大きくなっている。つまり、入力画素のRGB値が下地色のRGB値と近似すればするほど、その入力画素に対応するW値が徐々に小さくなるように、変換テーブルXの定義内容が更新される。
そして、白インクレベル調整処理(図9)が実行された変換テーブルXに基づいて、先に作成した色変換テーブル410及び白変換テーブル420を作り直す。すなわち、第1の実施の形態と同様に、変換テーブルXに対応する125通りのCMYKW値でサンプリング印刷及び測色を行い、インプットプロファイルとアウトプットプロファイルとを取得して、これらに基づいて色変換テーブル410及び白変換テーブル420を作成する。そして、この作り直した白変換テーブル420を印刷データ作成処理(図8)で使用する一方、色変換テーブル410は次処理で用いられる変換テーブルZとする。
以下では、変換テーブルZと下地色のsRGB値に基づいて、入力画素のsRGB値が被記録媒体の色に近似すればするほど、そのsRGB値に対応するCMYK値が小さくなるような色変換テーブル410を作成するためのデータ処理を説明する。図10は、色インクレベル調整処理のフローチャートである。なお、この色インクレベル調整処理(図10)についても、パーソナルコンピュータ200以外の他のコンピュータで行ってもよい。
図10に示すように、色インクレベル調整処理では、設計者等が下地色のsRGB値を入力すると、まず変換テーブルZの格子点のなかで下地色のsRGB値に対応する点が特定される(S71)。変換テーブルZでは、sRGBの3次元色空間上に、R値,G値,B値の各5ステップ(すなわち、計125通り)の格子点が存在する。そのため、図9のS51と同様にして、125通りの格子点のうちで下地色のsRGB値に対応する点が特定される。
次に、S71で特定された格子点に対応するCMYK値が最小レベル「0,0,0,0」にセットされる(S73)。すなわち、変換テーブルZでは、125通りのsRGB値の格子点に各々対応してCMYK値がセットされているところ、図9のS53と同様にして、S71で特定された格子点に対応するCMYK値を全て「0,0,0,0」にセットする。
次に、S71で特定された格子点の周辺に位置する格子点のCMYK値がスムージングされる(S75)。すなわち、図9のS55と同様にして、S71で特定した格子点と、当該格子点からの距離が閾値以内である近傍の格子点とにスムージングが行われ、これらの格子点のCMYK値として各々の平均CMYK値がセットされる。
次に、S73〜S75の処理を3回繰り返したか否かが判定される(S77)。上記の処理を3回繰り返していない場合(S77:NO)、S73に戻る。そして、再び、S71で特定された格子点に対応するCMYK値が最小レベル「0,0,0,0」にセットされ(S75)、S73でCMYK値が「0,0,0,0」にセットされた格子点周辺のCMYK値がスムージングされる(S57)。一方、上記の処理を3回繰り返した場合(S77:YES)、色インクレベル調整処理が終了する。
上記の色インクレベル調整処理(図10)によって、変換テーブルZでは、下地色のsRGB値とその周辺のsRGB値について、各々に対応するCMYK値がより小さい色インクレベルに更新される。詳細には、下地色のsRGB値に対応するCMYK値は最初レベル「0,0,0,0」となり、sRGB空間上で下地色のsRGB値から離れるほど、その周辺の各sRGB値に対応するCMYK値は徐々に大きくなっている。つまり、入力画素のsRGB値が下地色のsRGB値と近似すればするほど、その入力画素に対応するCMYK値が徐々に小さくなるように、変換テーブルZの定義内容が更新される。そして、この作り直した変換テーブルZを、印刷データ作成処理(図8)で使用する色変換テーブル410とする。
上記のように作成された色変換テーブル410と白変換テーブル420とは、被記録媒体(ここでは、青のTシャツ)に対応して、sRGB値に対応する最適なCMYK値と、sRGB値に対応する最適なW値とがそれぞれ定義されている。そのため、印刷データ作成処理(図8)では、sRGB形式の入力RGBデータ310を構成する画素が、最適なCMYK値と最適なW値とに変換された変換CMYKWデータ340が作成される。よって、印刷データ350に基づいて印刷を行えば、Tシャツ等の下地色が白以外であっても再現性の優れた高画質の画像を印刷することができる。
さらに、白変換テーブル420では、入力画素のsRGB値が被記録媒体の色に近似すればするほど、その入力画素のsRGB値に対応してより低レベルのW値が対応して定義されている。また、色変換テーブル410では、入力画素のsRGB値が被記録媒体の色に近似すればするほど、その入力画素のsRGB値に対応してより低レベルのCMYK値が定義されている。そのため、印刷データ350に基づいて印刷を行うと、被記録媒体に印刷される画像のうちで下地色に近似する部分は、白インク及び色インクの吐出量が少ない。特に、被記録媒体に印刷される画像のうちで下地色と同一をなす部分は、白インク及び色インクが吐出されない。よって、印刷データ350に基づく画像が最適なインク量で印刷されるため、再現性の優れた高画質の画像をより高速かつ低コストで印刷することができる。
以上、第2の実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200によれば、sRGB値に対応してCMYK値が定義された色変換テーブル410と、sRGB値に対応してW値が定義された白変換テーブル420とに基づいて、入力RGBデータ310を構成する複数の入力画素を、各々のsRGB値に対応するCMYK値に変換した色インクレベルデータ320と、各々のsRGB値に対応するW値に変換した白インクレベルデータ330とに変換する。そして、色インクレベルデータ320と白インクレベルデータ330とからなる変換CMYKWデータ340に基づいて、インクジェットプリンタ1で色インク(CMYK)及び白インク(W)による印刷に用いられる印刷データ350を作成する。よって、被記録媒体であるTシャツの色や素材などの影響を受けることがない再現性の優れた高画質の画像を、より高速かつ低コストで印刷するための印刷データ350を作成することができる。
また、色変換テーブル410及び白変換テーブル420によって、入力RGBデータ310の複数の入力画素のうちでsRGB値がTシャツの青色と同一又は近似のものは低レベルのCMYKW値に変換される。そのため、Tシャツの青色と同一のsRGB値を有する入力画素については印刷を実行させず、かつTシャツの青色と近似のsRGB値を有する入力画素ほど低レベルのインクレベルで印刷を実行させる印刷データ350が作成される。よって、入力画素のsRGB値がTシャツの青色と近似するほど白インク及び色インクの使用量が減少するため、Tシャツに白階調及び色階調(グラデーション)を表現することができる。
次に、本発明を実施するための第3の実施の形態について、図面を参照して説明する。本実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200は、基本的に第1及び第2の実施の形態にかかるものと同一であるが、白インクレベルデータ330を白画像データとして作成・保存する点が異なる。以下、第1及び第2の実施の形態と異なる点について説明する。なお、被記録媒体は、下地色が「青」のTシャツとする。
まず、本実施形態の印刷データ作成過程で発生する各データについて説明する。図11は、第3の実施の形態における、印刷データ作成過程のデータ推移図である。図11に示すように、本実施形態の印刷データの作成過程における各データの推移は、基本的に第1の実施の形態(図6)と同様であるが、入力RGBデータ310に基づいて白インクレベルデータ330を作成し、その白インクレベルデータ330を画像化処理によってモニタ271に表示可能な画像データに変換して白画像データ500を作成する点で異なる。
以下では、上記のデータ変換を実現するための、パーソナルコンピュータ200で行われる印刷データ作成処理について説明する。図12は、第3の実施の形態における、印刷データ作成処理のフローチャートである。図13は、白画像保存用印刷設定画面600の一具体例を示す図である。図12に示すように、本実施形態の印刷データ作成処理では、ユーザが画像データの印刷実行を指示すると、白画像保存用印刷設定画面600がモニタ271に表示される(S101)。
図13に示すように、白画像保存用印刷設定画面600は、ユーザが白画像データ500の作成の有無や、その作成内容を任意に設定するためのダイアログである。白画像保存用印刷設定画面600には、白画像データ500の作成を指示するための白画像データ作成指示部601と、白画像データ500の画像形式を選択するための画像形式選択部602と、白画像データ500のファイル名を指定するためのファイル名指定部603と、白画像データ500の解像度を指定するための解像度指定部604と、白画像保存用印刷設定画面600での設定内容に確定するための印刷開始ボタン605と、白画像保存用印刷設定画面600での設定内容をキャンセルして印刷データ作成処理(図12)を終了させるためのキャンセルボタン606とを備えている。
S101で表示された白画像保存用印刷設定画面600から、ユーザはキーボード281やマウス282を用いて、任意の内容を入力指定することができる。そして、白画像データ作成指示部601がチェックされた状態で印刷開始ボタン605が入力されると、RAM230に記憶されている白画像データ作成フラグ(図示外)が「ON」にセットされ、白画像データ作成指示部601がチェックされない状態で印刷開始ボタン605が入力されると、白画像データ作成フラグが「OFF」にセットされる。
その後、第1の実施の形態(図8)のS1〜S11と同様に、sRGB形式の入力RGBデータ310がCMYKW形式の変換CMYKWデータ340に変換される(S103〜S113)。そして、全ての画素についての変換が行われた場合は(S113:YES)、白画像データ500を作成するか否かが判定される(S115)。S115では、先述の白画像データ作成フラグに基づいて、白画像データ500を作成するか否かが判定される。
白画像データ作成フラグが「ON」にセットされている場合は(S115:YES)、変換CMYKWデータ記憶エリア232に記憶されている白インクレベルデータ330に画像化処理を施して白画像データ500が作成・保存される(S117)。S117で実行される画像化処理は、S101で白画像保存用印刷設定画面600に設定された内容に応じて、その処理が異なる。
詳細には、S117では、まず入力RGBデータ310を、解像度指定部604で指定された解像度(図13では600dpi)にリサンプリングする。そして、リサンプリング後の入力RGBデータ310を構成する各画素を、S111と同様に白変換テーブル420を用いて白インクレベル(W値)に各々変換して白インクレベルデータ330を作成する。そして、画像形式選択部602で選択された画像形式が「BMP」又は「JPEG」であれば(図13参照)、当該白インクレベルデータ330を構成する各画素のRGB値をW値から以下のように求める。
R=G=B=W
そして、各画素のRGB値をもとに、指定された「BMP」又は「JPEG」のファイル形式で白画像データ500を作成する。この白画像データ500は、ファイル名指定部603で指定されたファイル名(図13では、「abc」)で、HDD250の白画像データ記憶エリア256に保存される。このように作成・保存された白画像データ500では、各画素のR値,G値,B値は全てW値と同一レベルとなっているため、各画素はモニタ271においてグレーで表示される。すなわち、白画像データ500は、各画素の白インクレベルをグレーの濃淡で表示するグレースケール画像である。
一方、画像形式選択部602で選択された画像形式が「1チャンネルraw」であれば(図13参照)、各画素のW値をそのままにして、ヘッダーなしの白画像データ500を作成する。この白画像データ500は、ファイル名指定部603で指定されたファイル名に縦横のピクセル数を付け加えたファイル名で、HDD250の白画像データ記憶エリア256に保存される。例えば、指定されたファイル名「abc」であり、縦のピクセル数が「2000」であり、横のピクセル数が「3000」である場合は、白画像データ500のファイル名「abc_x3000y2000.raw」である。
上記のようにして、白画像データ記憶エリア256に保存された白画像データ500は、パーソナルコンピュータ200やその他のコンピュータにおいて画像表示アプリケーションを用いて、モニタ上に表示することができる。そのため、ユーザは印刷データ350に基づいて被記録媒体に印刷される各画素の白インクレベルを、白画像として視覚的に確認することができる。特に、モニタ上に表される白画像は、白インクレベルの高いほど白く表示され、白インクレベルの低いほど黒く表示されるため、ユーザは画像の白階調(グラデーション)を容易に把握することができる。
また、ユーザは白画像保存用印刷設定画面600から、白画像データ500の作成の有無や、その解像度や画像形式などを任意に指定することができる。そのため、ユーザの必要に応じて白画像データ500を得ることができ、また、ユーザが所望する内容で白画像データ500を得ることができるため、ユーザにとって便利である。
以上、第3の実施の形態に係るパーソナルコンピュータ200によれば、sRGB値に対応してW値が定義された白変換テーブル420に基づいて、入力RGBデータ310を構成する複数の入力画素を、各々のsRGB値に対応するW値に変換した白インクレベルデータ330を画像化して白画像データ500として保存する。よって、画像データを白インクで印刷するとどのような態様で印刷されるかを、ユーザは白画像データ500を参照して視覚的に把握することができる。
さらに、ユーザは白画像データ500の作成の有無や、その解像度や画像形式を任意に指示できる。よって、ユーザは白画像データ500を必要に応じて得ることができ、また、ユーザは任意に白画像データ500を編集することができる。
また、色インクレベルデータ320と白インクレベルデータ330とからなる変換CMYKWデータ340に基づいて、インクジェットプリンタ1で色インク及び白インクによる印刷に用いられる印刷データ350を作成する。よって、ユーザは画像データを白インクで印刷するとどのような態様で印刷されるかを白画像データ500で確認した後に、インクジェットプリンタ1で印刷データ350に基づく画像印刷を実行することができる。
ところで、上記第1乃至3の実施の形態において、パーソナルコンピュータ200が本発明の「印刷データ作成装置」に相当する。インクジェットプリンタ1が本発明の「印刷装置」に相当する。印刷データ作成プログラムを有するプリンタドライバが、本発明の「印刷データ作成プログラム」に相当する。
また、HDD250(色変換テーブル記憶エリア253及び白変換テーブル記憶エリア254)が、本発明の「変換テーブル記憶手段」に相当する。印刷データ作成処理において、図8のS7〜S9、図12のS109〜S111を実行するCPU210が、本発明の「色材データ作成手段」に相当する。印刷データ作成処理において、図8のS13、図12のS119を実行するCPU210が、本発明の「印刷データ作成手段」に相当する。なお、印刷データ作成処理(図12)のS117を実行するCPU210が、本発明の「画像保存手段」に相当する。また、キーボード281やマウス282が、本発明の「テーブル選択手段」、「解像度指示手段」、「画像形式指示手段」及び「保存指示手段」に相当する。
また、白インク及び白インクレベル(W値)が本発明の「白色材」及び「白色材レベル」に相当し、白インクレベルデータ330が本発明の「白色材データ」に相当し、印刷データ350が本発明の「白印刷データ」に相当する。一方、色インク及び色インクレベル(CMYK値)が本発明の「他色材」及び「他色材レベル」に相当し、色インクレベルデータ320が本発明の「他色材データ」に相当し、印刷データ350が本発明の「他印刷データ」に相当する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、上記実施の形態では、「被記録媒体」として青色のTシャツを例示したが、本発明は記録紙やラベルなどの他の被記録媒体でも適用でき、またその下地の色も青に限定されず、白はもちろん、赤や黒などの任意の色に適用することができる。また、「印刷装置」としてインクジェットプリンタ1を例示したが、本発明は他の記録方式の印刷装置であっても適用でき、例えばトナーを用いて印刷するレーザプリンタにも適用することができる。
また、上記実施の形態では、色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、sRGB形式の画像データをCMYKW形式の印刷データに変換するが、このようなデータ形式は任意に変更可能である。例えば、画像データは、CMYK形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。印刷データは、各プリンタの記録方式に応じてRGB形式やHSV形式などの他の色空間によるデータであってもよい。そして、色変換テーブル410及び白変換テーブル420は、画像データ及び印刷データの変換を可能とするようにデータ形式の対応を定義していればよい。
また、第1の実施の形態では、白変換テーブル420のみについて、設計者などが被記録媒体と同一又は近似のsRGB値に対応して低レベルのW値を定義している。しかし、色変換テーブル410についても、設計者などが被記録媒体と同一又は近似のsRGB値に対応して低レベルのCMYK値を定義してもよい。そうすれば、白インクでの印刷と同様に、被記録媒体と同一又は近似のsRGB値を有する入力画素はCMYK値が低くなるようにして、画像印刷時における色インクの使用量を適切に調整することができる。
また、第2の実施の形態では、色変換テーブル410及び白変換テーブル420の両方について、コンピュータで自動的に被記録媒体に近似するsRGB値に小さいW値及びCMYK値を設定している。しかし、第1の実施の形態と同様に、白変換テーブル420についてのみ、被記録媒体と同一又は近似のsRGB値に対応して低レベルのW値を定義するようにしてもよい。また、スムージング処理(S55,S75)は、上記説明した方法に限定されず、適切に下地色に対応する格子点及びその近傍のW値及びCMYK値をスムージングできるのであれば、他の手法を用いてもよい。
また、第3の実施の形態では、入力RGBデータ310をリサンプリングした後に白画像データ500を作成しているが、変換CMYKWデータ記憶エリア232に保存された白インクレベルデータ330に基づいて白画像データ500を作成してもよい。また、白画像データ500の解像度や画像形式は、上記のものに限定されず任意とすることができる。例えば、白画像データ500はグレースケール形式のような1チャンネルの画像データに限定されずに、RGB形式のような3チャンネルの画像データとすることができる。
本発明の印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラムは、印刷装置で白インクを用いた印刷を実行するのに用いられる印刷データを作成するコンピュータに利用できる。
インクジェットプリンタ1の全体的な構成を示した斜視図である。 インクジェットプリンタ1の電気的な構成を示すブロック図である。 パーソナルコンピュータ200の電気的構成を示すブロック図である。 パーソナルコンピュータ200のRAM230の模式図である。 パーソナルコンピュータ200のHDD250の模式図である。 第1の実施の形態における、印刷データ作成過程のデータ推移図である。 色変換テーブル410と白変換テーブル420のデータ構成を示す図である。 第1の実施の形態における、印刷データ作成処理のフローチャートである。 白インクレベル調整処理のフローチャートである。 色インクレベル調整処理のフローチャートである。 第3の実施の形態における、印刷データ作成過程のデータ推移図である。 第3の実施の形態における、印刷データ作成処理のフローチャートである。 白画像保存用印刷設定画面600の一具体例を示す図である。
1 インクジェットプリンタ
200 パーソナルコンピュータ
210 CPU
220 ROM
230 RAM
250 HDD
271 モニタ
281 キーボード
282 マウス
310 入力RGBデータ
320 色インクレベルデータ
330 白インクレベルデータ
340 変換CMYKWデータ
350 印刷データ
410 色変換テーブル
420 白変換テーブル
500 白画像データ
600 白画像保存用印刷設定画面

Claims (10)

  1. 画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において、
    入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段と、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段と、
    前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、
    前記白変換テーブルには、前記印刷装置で印刷される被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記白色材レベルが定義され、
    前記色変換テーブルには、前記被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記他色材レベルが定義されており、
    前記印刷データ作成手段は、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記白色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる白印刷データを作成する一方、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記他色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる他印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成装置。
  2. 前記変換テーブル記憶手段は、前記被記録媒体ごとに設けられた複数の前記白変換テーブルを備え、
    さらに、前記複数の白変換テーブルのうちの一を任意に選択するためのテーブル選択手段を備え、
    前記複数の白変換テーブルは、前記被記録媒体に応じて異なる白色材レベルの最大レベルが定義されており、
    前記色材データ作成手段は、前記テーブル選択手段から選択された前記白変換テーブルに基づいて、前記白変換テーブルに定義されている前記白色材レベルの最大レベル以下となるように、前記色情報に対応する白色材レベルに変換することを特徴とする請求項1に記載の印刷データ作成装置。
  3. 前記被記録媒体は、布帛であることを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷データ作成装置。
  4. 前記印刷装置は、インクジェットヘッドからインクを吐出して印刷を行なうインクジェットプリンタであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  5. 画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成する印刷データ作成装置において、
    入力画素の色情報に対応して白色材の濃度の大きさを示す白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材の濃度の大きさを示す他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段と、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段と、
    前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で前記白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で前記他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段と、
    前記白色材データを画像化して白画像データとして保存する画像保存手段とを備えたことを特徴とする印刷データ作成装置。
  6. 前記白画像データは、1チャンネル又は3チャンネルの画像データであることを特徴とする請求項5に記載の印刷データ作成装置。
  7. 前記白画像データの解像度を任意に指示するための解像度指示手段を備え、
    前記画像保存手段は、前記解像度指示手段から解像度を指示された場合は、前記白色材データを該解像度に変換して白画像データとして保存することを特徴とする請求項5又は6に記載の印刷データ作成装置。
  8. 前記白画像データの画像形式を任意に指示するための画像形式指示手段を備え、
    前記画像保存手段は、前記画像形式指示手段から画像形式を指示された場合は、前記白色材データを該画像形式に変換して白画像データとして保存することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の印刷データ作成装置。
  9. 画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成するための印刷データ作成プログラムであって、コンピュータを、
    入力画素の色情報に対応して白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段、
    前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段として機能させ、
    前記白変換テーブルには、前記印刷装置で印刷される被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記白色材レベルが定義され、
    前記色変換テーブルには、前記被記録媒体の色と前記色情報とに対応して、前記被記録媒体の色と前記色情報とが近似するほど、より低レベルの前記他色材レベルが定義されており、
    前記印刷データ作成手段は、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記白色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる白印刷データを作成する一方、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、各々の前記色情報と前記被記録媒体の色とが近似するほど前記他色材の濃度が小さくなるように、前記印刷装置に印刷させる他印刷データを作成することを特徴とする印刷データ作成プログラム。
  10. 画像データに基づいて印刷装置での印刷に用いられる印刷データを作成するための印刷データ作成プログラムであって、コンピュータを、
    入力画素の色情報に対応して白色材の濃度の大きさを示す白色材レベルが定義された白変換テーブルと、前記色情報に対応して他色材の濃度の大きさを示す他色材レベルが定義された色変換テーブルとを記憶する変換テーブル記憶手段、
    前記画像データを構成する複数の入力画素を、前記白変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記白色材レベルに変換して白色材データを作成する一方、前記色変換テーブルに基づいて各々の前記色情報に対応する前記他色材レベルに変換して他色材データを作成する色材データ作成手段、
    前記白色材データに基づいて、前記印刷装置で前記白色材による印刷に用いられる白印刷データを作成する一方、前記他色材データに基づいて、前記印刷装置で前記他色材による印刷に用いられる他印刷データを作成する印刷データ作成手段、
    前記白色材データを画像化して白画像データとして保存する画像保存手段として機能させる印刷データ作成プログラム。
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