JP4711316B2 - 抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置 - Google Patents
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Description
従って、特許文献1のクレーニング装置でも、クリーニングベルトを支持フレームなどから取り外して洗浄し、洗浄後には再び取り付けなければならないが、抄紙機用ドライヤの設置場所は、高温でしかも狭いので、人力によりこのような作業をするのはかなり危険であり、時間も掛かる。従って、ウエブの乾燥作業をかなりの時間中断することにもなる。
また、本発明のクリーニング装置によれば、クリーニングベルトの洗浄作業を安全でしかも手間をかけずに行うことができる、新規且つ有用なクリーニング装置を提供することを目的とする。
また、本発明のクリーニング装置によれば、洗浄作業の際、クリーニングベルトを支持フレームなどから取り外すことなく洗浄位置まで移動でき、そのままそこで洗浄できるので、安全でしかも手間がかからない。
先ず、抄紙機用ドライヤ1について簡単に説明する。
図1に示すように、抄紙機用ドライヤ1は脱水したウエブWの乾燥に使用する一般的なものであり、上下の二段に分かれて複数のドライヤロール3が交互に配置され、上段および下段の各ドライヤロール3の間や上下方向に多数のガイドロール5が配置されている。
ロール3、5は、上段のロール群と下段のガイド群に分けられており、上段のロール群3、5には無端帯状のカンバス7が一定の張力を保ちながら巻き掛けられてカンバス7の周回走行路が形成されており、下段のロール群3、5にも別の無端帯状のカンバス7が一定の張力を保ちながら巻き掛けられてカンバス7の周回走行路が形成されている。
符号9は一対の搬送ロールを示す。
先ず、クリーニング装置13の構成について説明する。
クリーニング装置13は上下段のロール群3、5にそれぞれ巻き掛けられたカンバス7用に2つ設置されているが、構成が同じなので、図1に示す、上段のロール群3、5に巻き掛けられたカンバス7のクリーニング用に設置されたものについて説明する。
図4は一対の同形状の巻上げシャフト15、15を示す。巻上げシャフト15は円柱状をしており、その軸方向の寸法は、カンバス7の幅寸法より若干大きく設定されている。一対の巻上げシャフト15、15は、水平方向に互いに並列に配置される。
図5に示すように、巻上げシャフト15の外周面には、一定間隔をおいて複数の係合リング17が設けられている。この係合リング17の外周縁には一定のピッチで多数の係合爪19が形成されている。係合爪19は径方向外方に向かって先細りになった断面山状に形成されており、矢印に示す回転方向前側の傾斜面は後側の傾斜面より急勾配になっている。
符号23は回転軸を示し、この回転軸23、23が巻上げシャフト15の軸方向両端から突出している。
符号27、27は同形状の一対のピロー形軸受ユニットを示し、軸受ユニット27、27はそれぞれ支持フレーム25、25にブラケット26、26を介して取り付けられている。この軸受ユニット27、27に、巻上げシャフト15の両端から突出している回転軸23が回転自在に支持される。各巻上げシャフト15の回転軸23の両端部は軸受ユニット27を超えて延長している。延長部のうち一端側(図2の左下方側)が操作側、他端側(図2の右上方側)が駆動側になっている。
同期用スプロケット29、29と、チェーンベルト31とより同期手段が構成されている。
巻上げ用スプロケット33と、駆動ユニット35と、チェーンベルト37とによって巻上げシャフト15、15の回転駆動手段が構成されている。
スパイラルネット39の隙間には係合リング17の係合爪19が入り込んでスパイラルネット39が係止されている。従って、スパイラルネット39が走行するカンバス7と接触しても引きずられることはない。
また、スパイラルネット39の幅方向両端部はガイドリング21に当接している。
符号45はセーブオールを示し、このセーブオール45は上部に向かって開口した矩形の容器状に構成されており、エア吹付け手段41のエア吹付けノズル43、43、‥‥にスパイラルネット39の上側部分を挟んで対向している。セーブオール45のスパイラルネット39の幅方向側の寸法はスパイラルネット39の幅寸法より大きく、スパイラルネット39の長手方向側の寸法はエア吹付けノズル43、43、‥‥の両端側より十分にはみ出るよう大きく設定されている。
このセーブオール45の一端側の底部には図示しない吸引手段と連結された吸引排出路47の一端が接続されている。
ウエブWの加熱乾燥時には、巻上げシャフト15、15は回転駆動しない。周回走行しているカンバス7にスパイラルネット39が接触して、カンバス7の付着物を掻き取ることで除去、即ちクリーニング作業をする。従って、カンバス7は、加熱乾燥中は逐次クリーニング作業を受ける。
抄紙機用ドライヤ1は、効率的な生産を図るために予め作られた生産計画に従って1週間またはそれ以上にわたって連続的に稼動し、その生産計画が終了すると、次の生産計画に備えてウエブの品種を変更したり、マシーンのメンテナンスをしたりするための稼動を一旦停止する。
クリーニング作業の際には、スプイラルネット39にカンバス7から掻き取った付着物が付いて汚れるが、抄紙機用ドライヤ1の上記したドライヤ1の稼動停止期間のタイミングを利用して、巻上げシャフト15、15を回転駆動させて図3の矢印に示す方向にスパイラルネット39を周回移動させる。これにより、カンバス7に接触する面を交替させる。
図6(1)に示す状態で、面(x1)がクリーニング位置(C)でカンバス7に接触してクリーニング作業をして汚れると、上記のタイミングを利用して、スパイラルネット39を周回移動させて、図6(2)に示すように、面(x1)をクリーニング位置(C)から、第1の洗浄位置(A)まで移動させると共に、面(y1)をクリーニング位置(C)に移動させる。
汚れた面(x1)は、第1の洗浄位置(A)で、上方のエア吹付け手段41のエア吹付けノズル43(A)から比較的高圧のエアが吹き付けられる。従って、エアの勢いにより、付着物Fは殆ど吹き落とされてセーブオール45上に落下する。付着物Fはセーブオール45により回収されるので、カンバス7上への落下は阻止される。セーブオール45に溜まった付着物は吸引排出路47から排出される。
汚れた面(x1)が上記した第1の洗浄処理を受けている間、交替してクリーニング位置(C)に移動した面(y1)がカンバス7に接触してクリーニング作業を行える。従って、ドライヤ1の加熱乾燥作業は生産計画の遂行の途中で中断する必要はない。
汚れた面(y1)が上記した第1の洗浄処理を受けている間、交替してクリーニング位置(C)に移動した面(z1)がカンバス7に接触してクリーニング作業を行える。
第2の洗浄処理を受けた面(x1)は、その次の抄紙機用ドライヤ1の稼動停止のタイミングで再びスパイラルネット39を図3の矢印に示すように周回移動させると、図6(4)に示すようにクリーニング位置(C)に移動するので、カンバス7に接触して再びクリーニング作業を行う。
3つの面(x1)、(y1)、(z1)は互いに所定の間隔を配置されており、カンバス7に接触した汚れた面は一回の移動動作でクリーニング位置(C)から第1の洗浄位置(A)まで移動する。このように配置設定されないと、カンバス7のクリーニング作業中に、その汚れた面が第1の洗浄位置(A)の手前で留まってしまい、そこからカンバス7上に付着物Fが落下してしまうからである。
このように使用する面を順次替えていくことで、スパイラルネット39をその全周にわたって無駄なく耐久限界まで使用できる。
例えば、上記の実施の形態では、駆動モーターを用いて巻上げシャフト15を自動的に回転させるように構成されているが、駆動ユニット25に手動用ハンドルを取り付けて巻上げシャフト15を手動操作で回転させるように構成してもよい。なお、その場合には、適正な手動操作が可能な位置に駆動ユニット25を取り付ける必要がある。また、逆転しないように逆転防止用ストッパーを取り付けたり、手動用ハンドルの側のスプロケットは安全カバーで覆ったりすることが好ましい。
カンバス7への付着物Fの量が少ない場合には、接触距離をL2のように短くしても十分にクレーニング効果は得られるが、カンバス7への付着物Fの量が多い場合には、接触距離をL3のように長くする必要がある。
5…ガイドロール 7…カンバス
9…搬送ロール
13…クリーニング装置 15…巻上げシャフト
17…係合リング 19…係止爪
21…ガイドリング 23…回転軸
25…支持フレーム 26…ブラケット
27…軸受ユニット
29…同期用スプロケット 31…チェーンベルト
33…巻上げ用スプロケット 35…駆動ユニット
37…チェーンベルト 39…スパイラルネット
41…エア吹付け手段 43…エア吹付けノズル
45…セーブオール 47…吸引排出路
49…取付けフレーム
F…付着物
Claims (6)
- 水平方向に互いに並列に配置された一対の巻上げシャフトと、前記一対の巻上げシャフトの間に巻き掛けられて吊下げられ、前記巻上げシャフトの回転により周回移動する無端のネット状クリーニングベルトと、前記巻上げシャフトの回転駆動手段と、前記クリーニングベルトの汚れた面を洗浄するベルト洗浄手段とを備え、
クリーニングベルトの周回移動路に沿ってカンバスに接触してクリーニングするクリーニング位置と前記ベルト洗浄手段による洗浄処理を受ける洗浄位置が設けられており、
前記回転駆動手段はドライヤの稼働停止時に駆動してクリーニングベルトを周回移動させてカンバスに接触する面を交替させると共に、カンバスに接触していた接触面を洗浄位置まで移動させることを特徴とする抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置。 - 請求項1に記載した抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置において、回転駆動手段は一回の移動動作でクリーニングベルトの接触面をクリーニング位置から洗浄位置まで移動させることを特徴とする抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置。
- 請求項1または2に記載した抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置において、ベルト洗浄手段は、クリーニングベルトの汚れた面に上方からエアや水を吹き付けて洗浄するもので構成され、さらに、ベルト洗浄手段の吹付け口に前記クリーニングベルトを介して対向して開口したセーブオールを備えることを特徴とするクリーニング装置。
- 請求項3に記載した抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置において、セーブオールには回収された付着物の吸引排出路が接続されていることを特徴とするクリーニング装置。
- 請求項1から4のいずれかに記載した抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置において、さらに、一対の巻付けシャフトを同期して回転させる同期手段を備えることを特徴とする抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載したドライヤ用カンバスのクリーニング装置において、巻付けシャフトの外周面に係止爪が設けられていることを特徴とする抄紙機ドライヤ用カンバスのクリーニング装置。
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